JP5172117B2 - 樹脂塗布システム - Google Patents

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Description

本発明は、基板に樹脂を塗布するとともに、基板に塗布された樹脂を硬化させる樹脂塗布システムに関する。
従来から、フレキシブルなテープ状の基板に実装された半導体チップ等を封止、固定するための樹脂を塗布する樹脂塗布装置と、塗布された樹脂を加熱して硬化させる樹脂硬化装置と、樹脂塗布装置に対して基板を供給する基板供給装置と、樹脂硬化装置から搬出される基板を巻き取る基板巻取装置とを備えた樹脂塗布システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、この種の樹脂塗布システムを構成する樹脂硬化装置として、装置の高さ方向を回転軸の方向として回動するとともに、装置の前面側または後面側に向かって開く扉(いわゆる観音扉)を、前面側および後面側の両側に備える樹脂硬化装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献1等に記載された樹脂塗布システムでは、一般に、システムの前面側は、オペレータが必要に応じて作業を行う作業側になり、システムの後面側は、各装置の補修や保全を行うメンテナンス側となっている。また、この種の樹脂塗布システムは、一般に、クリーンルームの中に設置される。
特開2004−122753号公報 特開2002−240048号公報
近年、基板上に電子部品が実装された半導体関連等の部品は、多種多様化している。また、近年、産業界では、コストを低減するため、在庫の削減が行われている。そのため、産業界では、多品種少量生産のニーズが年々高まってきている。一方で、液晶テレビジョン等の生産量の増加に伴って、近年、同一部品の生産量も増大している。また、コスト削減のため、樹脂塗布システムが設置されるクリーンルーム等の小型化のニーズも年々高まってきている。
ここで、特許文献1に記載の樹脂塗布システムを複数配列することで、多品種少量生産のニーズに応えることが可能である。また、同一部品の大量生産も可能になる。しかしながら、特許文献1に記載の樹脂塗布システムを単純に複数配列したのでは、樹脂塗布システムの設置面積が増加する。そのため、樹脂塗布システムが設置されるクリーンルームの小型化のニーズに応えることができない。
そこで、本発明の課題は、多品種少量生産への対応が可能で、かつ、設置面積を減少させることが可能な樹脂塗布システムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、所定方向へ搬送される第1基板および第1の基板と同方向へ搬送される第2基板への樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う樹脂塗布システムであって、第1基板に塗布された樹脂を加熱して硬化させる第1搬送レーンを有する第1処理レーンと、第2基板に塗布された樹脂を加熱して硬化させる第2搬送レーンを有する第2処理レーンとから構成されるとともに、オペレータが作業を行う作業側が、前面側と裏面側に設けられ、第1搬送レーンと第2搬送レーンとの間を仕切り空間を開けて配置される2枚の板材により構成される仕切壁を備えることを特徴とする。
本発明の樹脂塗布システムは、第1処理レーンと第2処理レーンとの2つの処理レーンによって構成されている。そのため、従来の樹脂塗布システムを単純に複数配列する場合と比較して、設置面積を減少させることができる。また、各処理レーンごとに、異なる基板に対して樹脂の塗布および硬化を行うことができる。特に、本発明の樹脂塗布システムは、第1処理レーンを構成する第1搬送レーンと、第2処理レーンを構成する第2搬送レーンとの間を仕切る仕切壁を備えている。そのため、この樹脂塗布システムでは、樹脂を硬化させるための温度制御を各搬送レーンごとに行うことができる。したがって、本発明の樹脂塗布システムでは、多品種少量生産への対応が可能になる。
また、上記の課題を解決するため、本発明の樹脂塗布システムは、所定方向へ搬送される第1基板への樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う第1処理レーンと、第1基板と同方向へ搬送される第2基板への樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う第2処理レーンとから構成されるとともに、第1基板および第2基板に樹脂を塗布する樹脂塗布装置と、第1基板および第2基板に塗布された樹脂を硬化させる樹脂硬化装置とを備え、第1処理レーンと第2処理レーンとは、第1処理レーンと第2処理レーンとの境界面に対して対称に配置され、オペレータが作業を行う作業側が、前面側と裏面側に設けられ、樹脂硬化装置は、第1処理レーンを構成する第1搬送レーンと、第2処理レーンを構成する第2搬送レーンと、第1搬送レーンと第2搬送レーンとの間を仕切り空間を開けて配置される2枚の板材により構成される仕切壁とを備えることを特徴とする。
本発明の樹脂塗布システムは、境界面に対して対称に配置された第1処理レーンと第2処理レーンとの2つの処理レーンによって構成されている。すなわち、本発明の樹脂塗布システムは、境界面に対して背中合わせで配置された第1処理レーンと第2処理レーンとの2つの処理レーンによって構成されている。そのため、従来の樹脂塗布システムを単純に複数配列する場合と比較して、設置面積を減少させることができる。また、本発明の樹脂塗布システムは、第1処理レーンと第2処理レーンとの2つの処理レーンによって構成され、第1搬送レーンと第2搬送レーンとの間を仕切る仕切壁を備えている。そのため、多品種少量生産への対応が可能になる。
また、本発明の樹脂塗布システムでは、第1処理レーンと第2処理レーンとは、第1処理レーンと第2処理レーンの境界面に対して対称に配置されている。そのため、たとえば、システムの前面側に第1処理レーンを配置し、後面側に第2処理レーンを配置することができる。したがって、システムの前面側と後面側とが対向するように、樹脂塗布システムを複数配列する場合であっても、作業が必要なときには、オペレータは振り返るだけで、第1処理レーンと第2処理レーンとの2つの処理レーンでの作業することが可能となる。また、第1処理レーンと第2処理レーンとでは、基板の搬送方向が同じである。したがって、本発明の樹脂塗布システムでは、作業性を向上させることが可能となる。
さらに、本発明の樹脂塗布システムでは、第1搬送レーンと第2搬送レーンとは、仕切壁によって仕切られている。そのため、従来の樹脂塗布システムを単純に複数配列する場合と比較して、樹脂硬化装置に設置される扉の数を減少させることができる。したがって、本発明の樹脂塗布システムでは、部品点数を削減して構成の簡素化を図ることができる。
本発明において、境界面は、第1基板および第2基板の搬送方向に平行な鉛直面であり、第1処理レーンと第2処理レーンとは、鉛直面に面対称に配置されていることが好ましい。このように構成すると、第1処理レーンと第2処理レーンとの構成を同一にできるため、樹脂塗布システムの構成が簡素化される。
以上説明したように、本発明にかかる樹脂塗布システムでは、多品種少量生産への対応が可能となり、また、設置面積を減少させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
(樹脂塗布システムの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる樹脂塗布システム1の概略構成を正面(前面)から示す概略図である。図2は、図1に示す樹脂塗布システム1の概略構成を上面から示す概略図である。なお、図2では、便宜上、基板供給装置6内の基板2(2A、2B)のみを図示している。
本形態の樹脂塗布システム1は、テープ状の第1基板2Aおよび第2基板2Bに実装された半導体チップ等の電子部品(図示省略)を熱硬化性の樹脂で封止し、固定するためのシステムである。この樹脂塗布システム1では、図2に示すように、図2の下側(図1の紙面手前側)で第1基板2Aが搬送され、図2の上側(図1の紙面奥側)で第2基板2Bが搬送される。すなわち、本形態の樹脂塗布システム1では、第1基板2Aに実装された電子部品の封止、固定と、第2基板2Bに実装された電子部品の封止、固定とを同時に行うことが可能となっている。なお、以下では、第1基板2Aと第2基板2Bとをまとめて表す場合には、「基板2」と表記する。
樹脂塗布システム1は、図1および図2に示すように、基板2に実装された電子部品を封止するとともに確実に固定するための熱硬化性の樹脂を塗布する樹脂塗布装置4と、塗布された樹脂を加熱して硬化させる樹脂硬化装置5と、樹脂塗布装置4に対して基板2を供給する基板供給装置6と、樹脂硬化装置5から搬出される基板2を巻き取る基板巻取装置7とを備えている。また、樹脂塗布システム1では、基板供給装置6と、樹脂塗布装置4と、樹脂硬化装置5と、基板巻取装置7とがこの順番で、図1の左側から右側に向かって配置されている。
なお、図1の左右方向が、樹脂塗布システム1における基板2の搬送方向となるため、以下では、図1の左右方向を「搬送方向」と表記する。また、樹脂塗布システム1では、図1の左側から基板2が供給され、図1の右側で基板2が巻き取られるため、図1の左側を「供給側」、右側を「巻取側」と表記する。さらに、図1の紙面垂直方向を、搬送方向に直交する「前後方向」と表記するとともに、紙面手前側を「前面側」、紙面奥側を「後面側」と表記する。また、図1の上下方向を「上下方向」と表記する。
樹脂塗布システム1は、前後方向に2列に並列配置された第1処理レーン8Aと、第2処理レーン8Bとの2つの処理レーンから構成されている。具体的には、樹脂塗布システム1は、前面側で搬送される第1基板2Aへの樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う第1処理レーン8Aと、後面側で搬送される第2基板2Bへの樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う第2処理レーン8Bとから構成されている。第1処理レーン8Aおよび第2処理レーン8Bは、基板2の搬送方向に沿って配置されている。
図2に示すように、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとは、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとの境界面となる鉛直面Pに対して対称に配置されている。本形態の樹脂塗布システム1では、同一の構成を有する第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとが、基板2の搬送方向に平行な鉛直面Pに関して面対称に配置されている。具体的には、前後方向において樹脂塗布システム1の略中心位置に形成される鉛直面Pに対して、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとは面対称に配置されている。なお、本形態では、図2に示すように、基板供給装置6、樹脂塗布装置4、樹脂硬化装置5および基板巻取装置7のそれぞれの前後方向の幅は、ほぼ等しくなっている。しかし、樹脂塗布装置4は、後述のように複雑な移動機構53A、53Bを有するため、基板供給装置6、樹脂硬化装置5および基板巻取装置7の前後方向の幅よりも、樹脂塗布装置4の前後方向の幅が若干広くなることもある。また、基板供給装置6、樹脂塗布装置4、樹脂硬化装置5および基板巻取装置7のそれぞれの前後方向の中心位置はほぼ一致している。
基板供給装置6は、図1および図2に示すように、樹脂塗布装置4に供給される第1基板2Aとテープ状のスペーサ9とが重なった状態で巻回された第1基板供給リール10Aと、樹脂塗布装置4に供給される第2基板2Bとスペーサ9とが重なった状態で巻回された第2基板供給リール10Bとを備えている。また、基板巻取装置7は、樹脂硬化装置5から搬出される第1基板2Aとスペーサ9とが重なった状態で巻き取られる第1基板巻取リール11Aと、樹脂硬化装置5から搬出される第2基板2Bとスペーサ9とが重なった状態で巻き取られる第2基板巻取リール11Bとを備えている。そして、図1に示すように、第1基板供給リール10Aに巻回された第1基板2Aと第1基板巻取リール11Aに巻回される第1基板2Aとはつながっている。同様に、第2基板供給リール10Bに巻回された第2基板2Bと第2基板巻取リール11Bに巻回される第2基板2Bとはつながっている。すなわち、本形態の樹脂塗布システム1は、いわゆるリール・ツウ・リールの樹脂塗布システムとなっている。なお、以下では、第1基板供給リール10Aと第2基板供給リール10Bとをまとめて表す場合には、基板供給リール10と表記し、第1基板巻取リール11Aと第2基板巻取リール11Bとをまとめて表す場合には、基板巻取リール11と表記する。
基板2は、フレキシブルな樹脂基板であるCOF(Chip On Film or Chip On Flexible Circuit Board)テープやTAB(Tape Automated Bonding)テープ等の基板である。また、基板供給装置6から供給される基板2には予め電子部品が実装されている。本形態の樹脂塗布システム1では、基板2として、厚さがたとえば、20μm〜125μmであり、幅がたとえば、35mm〜200mmである種々の基板2が用いられる。また、スペーサ9は、基板供給リール10に巻回されている基板2や基板巻取リール11に巻回される基板2を保護するためのものであり、薄い樹脂でテープ状に形成されている。
(基板供給装置および基板巻取装置の構成)
図3は、図1に示す基板供給装置6の駆動部分の構成を説明するための図である。なお、図3は、図2のE−E方向から基板供給装置6の駆動部分を示している。
基板供給装置6は、図1から図3に示すように、前面側に配置される第1処理レーン8Aを構成する第1基板供給部21Aと、後面側に配置される第2処理レーン8Bを構成する第2基板供給部21Bとから構成されている。すなわち、基板供給装置6では、同一の構成を有する第1基板供給部21Aと第2基板供給部21Bとが、鉛直面Pに関して対称に配置されている。なお、基板供給装置6の前面および後面の両面には、開閉可能な扉(図示省略)が取り付けられている。
第1基板供給部21Aは、上述した第1基板供給リール10Aの他に、第1基板2Aと分離されるスペーサ9が巻き取られるスペーサ巻取リール12Aと、第1基板2Aを案内する基板ガイドローラ13Aおよびガイド部材14Aと、スペーサ9を案内するスペーサガイドローラ15Aと、第1基板供給リール10Aを回転駆動させる基板供給リールモータ16Aと、スペーサ巻取リール12Aを回転駆動させるスペーサ巻取リールモータ17Aとを備えている。基板ガイドローラ13Aおよびスペーサガイドローラ15Aは、駆動手段を有しない従動ローラである。
図3等に示すように、前面側に配置される第1基板供給リール10Aやスペーサ巻取リール12A等の各構成は、基板供給装置6の筐体18に固定された取付板19Aに取り付けられている。取付板19Aの高さおよび搬送方向の幅は、筐体18の内側の高さまたは搬送方向の幅とほぼ同じになっている。また、取付板19Aは、基板供給装置6の前後方向の中心位置となる鉛直面Pよりも前面側に配置されている。
図3に示すように、基板供給リールモータ16Aおよびスペーサ巻取リールモータ17Aは、出力軸が上方向を向くように、図示を省略する取付ブラケットを介して取付板19Aに固定されている。また、第1基板供給リール10Aと基板供給リールモータ16Aとは、図3に示すように、第1基板供給リール10Aの回転軸に固定されたかさ歯車23Aと、基板供給リールモータ16Aの出力軸に固定されたかさ歯車24Aとを介して連結されている。同様に、スペーサ巻取リール12Aとスペーサ巻取リールモータ17Aとは、スペーサ巻取リール12Aの回転軸に固定されたかさ歯車25Aと、スペーサ巻取リールモータ17Aの出力軸に固定されたかさ歯車26Aとを介して連結されている。
かさ歯車23Aと、かさ歯車24Aとが噛み合う部分には、カバー27Aが配設されている。また、かさ歯車25Aと、かさ歯車26Aとが噛み合う部分には、カバー28Aが配設されている。
第2基板供給部21Bは、上述のように、第1基板供給部21Aと同一の構成が鉛直面Pに関して対称に配置されることで構成されている。そのため、第2基板供給部21Bの詳細な説明は省略する。なお、図2および図3では、上述した第1基板供給部21Aの構成に対応する第2基板供給部21Bの構成には、第1基板供給部21Aの構成に付された符号中の「A」の部分を「B」に代えた符号が付されている。
図2および図3に示すように、鉛直面Pよりも前面側に配置された取付板19Aと、鉛直面Pよりも後面側に配置された取付板19Bとの間には、基板供給リールモータ16A、16B等が収納される収納空間20が形成されている。すなわち、基板供給リールモータ16A、16B、スペーサ巻取リールモータ17A、17Bおよびかさ歯車23A〜26B等の駆動部は、図3に示すように、収納空間20内に配置されている。また、これらを除く基板供給装置6の各構成は、取付板19Aの前面側または取付板19Bの後面側で、かつ、筐体18の内部に配置されている。
第1基板供給部21Aでは、図1に示すように、第1基板供給リール10Aから供給された第1基板2Aが、基板ガイドローラ13Aとガイド部材14Aとの間で下側にたるむ。基板ガイドローラ13Aとガイド部材14Aとの間で、一旦たるんだ第1基板2Aは、ガイド部材14Aによって下流側に案内され、樹脂塗布装置4へ供給される。また、第1基板2Aと分離されたスペーサ9は、スペーサガイドローラ15Aに案内されてスペーサ巻取リール12Aに巻き取られる。第2基板供給部21Bでも同様に、第2基板2Bが樹脂塗布装置4へ供給され、第2基板2Bと分離されたスペーサ9がスペーサ巻取リール12Bに巻き取られる。
基板巻取装置7は、図1および図2に示すように、前面側に配置される第1処理レーン8Aを構成する第1基板巻取部22Aと、後面側に配置される第2処理レーン8Bを構成する第2基板巻取部22Bとから構成されている。すなわち、基板巻取装置7では、同一の構成を有する第1基板巻取部22Aと第2基板巻取部22Bとが、鉛直面Pに関して対称に配置されている。なお、基板巻取装置7の前面および後面の両面には、開閉可能な扉(図示省略)が取り付けられている。
第1基板巻取部22Aは、上述の第1基板巻取リール11Aの他に、第1基板2Aと重なるスペーサ9を供給するスペーサ供給リール30Aと、第1基板巻取リール11Aを回転駆動させる基板巻取リールモータ(図示省略)と、スペーサ供給リール30Aを回転駆動させるスペーサ供給リールモータ(図示省略)と、樹脂硬化装置5に形成された後述の第1搬出口98Aから搬出される第1基板2Aを装置内部へ引き込む第1引込ローラ31Aと、後述の第2搬出口99Aから搬出される第1基板2Aを装置内部へ引き込む第2引込ローラ32Aと、第1引込ローラ31Aによって引き込まれた第1基板2Aを下方向へ案内する第1ガイド部材33Aと、第2引込ローラ32Aによって引き込まれた第1基板2Aを下方向へ案内する第2ガイド部材34Aと、第1基板2Aの搬送を案内する基板ガイドローラ35Aと、スペーサ9の搬送を案内するスペーサガイドローラ36Aとを備えている。
第1引込ローラ31Aおよび第2引込ローラ32Aは図示を省略するモータによって回転駆動される駆動ローラであり、基板ガイドローラ35A、スペーサガイドローラ36Aは駆動手段を有しない従動ローラである。第1引込ローラ31Aおよび第2引込ローラ32Aは、後述の搬送ローラ46A、47Aと同期するように、所定距離だけ回転した後に、一定時間停止するというサイクルを繰り返す。すなわち、第1処理レーン8Aでは、第1引込ローラ31Aまたは第2引込ローラ32Aと、搬送ローラ46A、47Aとによって、第1基板2Aが間欠的に搬送される。
図2等に示すように、前面側に配置される第1基板巻取リール11Aやスペーサ供給リール30A等の各構成は、基板巻取装置7の筐体38に固定された取付板39Aに取り付けられている。この取付板39Aの高さおよび搬送方向の幅は、筐体38の内側の高さまたは搬送方向の幅とほぼ同じになっている。また、取付板39Aは、基板巻取装置7の前後方向の中心位置となる鉛直面Pよりも前面側に配置されている。
第1基板供給部21Aと同様に、第1基板巻取部22Aでは、基板巻取リールモータおよびスペーサ供給リールモータは、出力軸が上方向を向くように取付ブラケットを介して取付板39Aに固定されている。また、第1基板供給部21Aと同様に、第1基板巻取リール11Aと基板巻取リールモータとは、第1基板巻取リール11Aの回転軸に固定されたかさ歯車(図示省略)と、基板巻取リールモータの出力軸に固定されたかさ歯車(図示省略)とを介して連結されている。さらに、第1基板供給部21Aと同様に、スペーサ供給リール30Aとスペーサ供給リールモータとは、スペーサ供給リール30Aの回転軸に固定されたかさ歯車(図示省略)と、スペーサ供給リールモータの出力軸に固定されたかさ歯車(図示省略)とを介して連結されている。
また、第1基板巻取リール11Aの回転軸に固定されたかさ歯車と、基板巻取リールモータの出力軸に固定されたかさ歯車とが噛み合う部分には、図2に示すように、カバー42Aが配設されている。同様に、スペーサ供給リール30Aの回転軸に固定されたかさ歯車と、スペーサ供給リールモータの出力軸に固定されたかさ歯車とが噛み合う部分にも、カバー(図示省略)が配設されている。なお、第1引込ローラ31Aの駆動部にも図2に示すように、カバー43Aが配設され、第2引込ローラ32A等の駆動部にもカバー(図示省略)が配設されている。
第2基板巻取部22Bは、上述のように、第1基板巻取部22Aと同一の構成が鉛直面Pに関して対称に配置されることで構成されている。そのため、第2基板巻取部22Bの詳細な説明は省略する。なお、図2では、上述した第1基板巻取部22Aの構成に対応する第2基板巻取部22Bの構成には、第1基板巻取部22Aの構成に付された符号中の「A」の部分を「B」に代えた符号が付されている。
基板供給装置6と同様に、基板巻取装置7では、鉛直面Pよりも前面側に配置された取付板39Aと、鉛直面Pよりも後面側に配置された取付板39Bとの間に、収納空間20に相当する収納空間40が形成されている。すなわち、基板巻取リールモータ、スペーサ供給リールモータおよびかさ歯車等の駆動部や、第1および第2引込ローラ31A、31B、32Aの駆動部は、収納空間40内に配置されている。また、これらの構成を除く基板巻取装置7の各構成は、取付板39Aの前面側または取付板39Bの後面側で、かつ、筐体38の内部に配置されている。
第1基板巻取部22Aでは、図1に示すように、樹脂硬化装置5から搬出された後に第1引込ローラ31Aまたは第2引込ローラ32Aで引き込まれ、かつ、第1基板巻取リール11Aに巻き取られる前の第1基板2Aが、第1ガイド部材33Aまたは第2ガイド部材34Aと基板ガイドローラ35Aとの間で下側にたるむ。また、スペーサ9は、スペーサガイドローラ35Aに案内されてスペーサ供給リール30Aから第1基板巻取リール11Aに供給される。第1ガイド部材33Aまたは第2ガイド部材34Aと基板ガイドローラ35Aとの間で下側にたるんだ第1基板2Aは、スペーサ9とともに第1基板巻取リール11Aに巻き取られる。第2基板巻取部22Bでも同様に、第2基板2Bがスペーサ9とともに第2基板巻取リール11Bに巻き取られる。なお、本形態の基板巻取装置7は、第1基板2Aのたるみ状態および第2基板2Bのたるみ状態をそれぞれ検出する基板たるみセンサ(図示省略)を備えている。
(樹脂塗布装置の構成)
図4は、図1に示す樹脂塗布装置4の概略構成を上面から示す概略図である。図5は、図4のF−F断面を示す断面図である。図6は、図4に示す移動機構53Aの概略構成を上面から示す概略図である。図7は、図4のG−G方向からY軸移動機構64A〜67A、X軸移動機構69A、71Aおよび搬送路48Aの概略構成を示す概略図である。図8は、図6に示すX軸移動機構70A,71Aの構成を説明するための図である。なお、図4では、基板2の一部のみを図示している。また、図5から図8では、基板2の図示を省略している。
樹脂塗布装置4は、図2および図4に示すように、前面側に配置される第1処理レーン8Aを構成する第1樹脂塗布部45Aと、後面側に配置される第2処理レーン8Bを構成する第2樹脂塗布部45Bとから構成されている。すなわち、樹脂塗布装置4では、同一の構成を有する第1樹脂塗布部45Aと第2樹脂塗布部45Bとが、鉛直面Pに関して対称に配置されている。また、第1樹脂塗布部45Aおよび第2樹脂塗布部45Bは、図1に示すように、樹脂塗布装置4の制御基板等の制御機器(図示省略)が収納される箱状の収納部44の上面44aに配置されている。なお、樹脂塗布装置4の前面および後面の両面には、開閉可能な扉(図示省略)が取り付けられている。
第1樹脂塗布部45Aは、図4等に示すように、第1基板供給部21Aから供給された第1基板2Aを搬送する搬送ローラ46A、47Aと、第1基板2Aが搬送される搬送路48Aと、第1基板2Aの電子部品が実装された部分に熱硬化性の樹脂を塗布するために搬送路48Aの上方に配置される樹脂塗布機構としての4個の樹脂塗布ヘッド49A、50A、51A、52Aと、樹脂塗布ヘッド49A〜52Aを移動させる移動機構53Aとを備えている。また、第1樹脂塗布部45Aは、収納部44の上面44aと平行に配置され搬送路48Aが載置される載置板54Aを備えている。この載置板54Aは、図示を省略する取付ブラケットを介して上面44aに固定されている。
本形態では、搬送ローラ46Aが供給側に配置され、搬送ローラ47Aが巻取側に配置されている。搬送ローラ46A、47Aは、搬送ローラ46A、47A間で第1基板2Aにたるみが生じないように、同一の周速度で回転する。また、搬送ローラ46A、47Aは、第1引込ローラ31Aまたは第2引込ローラ32Aと同期するように、所定距離だけ回転した後に、一定時間停止するという間欠動作を繰り返す。そして、第1基板2Aが停止した状態で、樹脂塗布ヘッド49A〜52Aによって、第1基板2Aに樹脂が塗布される。すなわち、第1樹脂塗布部45Aでは、第1基板供給部21Aから供給された第1基板2Aへ熱硬化性の樹脂が塗布され、その後、第1基板2Aが樹脂硬化装置5へ向かって搬出される。
なお、搬送ローラ46A、47Aを駆動するモータ等の駆動部は、図4等に示すように、カバー55A、55Aによって覆われている。また、上述のように、本形態では、第1引込ローラ31Aまたは第2引込ローラ32Aと、搬送ローラ46A、47Aとによって、第1処理レーン8Aでの第1基板2Aの間欠的な搬送が行われる。すなわち、樹脂硬化装置5を構成する後述の第1搬送レーン90Aにおいても、第1引込ローラ31Aまたは第2引込ローラ32Aと、搬送ローラ46A、47Aとによって、第1基板2Aの搬送が行われる。
搬送路48Aは、第1基板2Aの両端を案内するための2個の基板ガイド57A、57Aと、基板ガイド57A、57Aがそれぞれ取り付けられる2個の取付ブラケット58A、58Aとを備えている。基板ガイド57A、57Aは、図4等に示すように、細長いブロック状の部材であり、取付ブラケット58A、58Aによって、前後方向に間隔をあけた状態で固定されている。取付ブラケット58A、58Aは、図4および図7に示すように、搬送方向に間隔をあけた状態で、載置板54Aの上面に固定されている。
樹脂塗布ヘッド49A〜52Aは、図4等に示すように、供給側から巻取側に向かってこの順番で、かつ、搬送方向で隣接するように配置されている。樹脂塗布ヘッド49A〜52Aは、先端部(図5の下端部)に形成されたノズル部を備え、このノズル部から、第1基板2Aの上面の電子部品が実装された部分に熱硬化性の樹脂を塗布する。なお、第1樹脂塗布部45Aに配置される樹脂塗布ヘッド49A〜52Aの数は4個には限定されず、3個以下または5個以上の樹脂塗布ヘッドが第1樹脂塗布部45Aに配置されても良い。
移動機構53Aは、図4等に示すように、樹脂塗布ヘッド49A〜52Aをそれぞれ上下方向に移動させるZ軸移動機構60A、61A、62A、63Aと、Z軸移動機構60A〜63Aとともに樹脂塗布ヘッド49A〜52Aをそれぞれ前後方向へ移動させるY軸移動機構64A、65A、66A、67Aと、Z軸移動機構60A〜63AおよびY軸移動機構64A〜67Aとともに樹脂塗布ヘッド49A〜52Aをそれぞれ搬送方向へ移動させるX軸移動機構68A、69A、70A、71Aとを備えている。
Z軸移動機構60A〜63Aはそれぞれ、図5および図6に示すように、樹脂塗布ヘッド49A〜52Aが前面側端に固定されたアーム73Aを上下方向へ移動させる送りネジ(図示省略)と、この送りネジを回転駆動させるモータ74Aとを備えている。アーム73Aの後面側には、送りネジに螺合する送りナット(図示省略)が固定されている。送りネジは、箱状に形成された収納ケース75Aの中に収納されている。また、モータ74Aは収納ケース75Aの上端面に固定されている。
Y軸移動機構64A〜67Aはそれぞれ、図5等に示すように、収納ケース75Aが固定される固定ブラケット76Aと、固定ブラケット76Aが載置されて固定される固定板77Aと、固定ブラケット76Aおよび固定板77Aを前後方向へ移動させる送りネジ78Aと、送りネジ78Aを回転駆動させるモータ79Aと、送りネジ78Aに螺合する送りナット80Aとを備えている。送りネジ78Aは、収納ケース81Aに収納され、モータ79Aは、収納ケース81Aの後面側端に固定されている。なお、図6では、送りネジ78Aの図示を省略している。
固定ブラケット76Aは、図5に示すように、搬送方向から見た形状が略L型となるように形成されており、搬送路48Aよりも後面側に配置されている。固定ブラケット76Aの上端には、前面側に突出する収納ケース75Aの取付部761Aが形成されている。また、固定ブラケット76Aの下端は、固定板77Aの後面側の上面に載置されて固定されている。すなわち、樹脂塗布ヘッド49A〜52Aは、固定板77Aへの固定ブラケット76Aの固定部に対して前面側にオーバーハングした状態で配置されている。
図5に示すように、固定板77Aの前面側は、載置板54Aの下方に配置されている。送りナット80Aは、固定板77Aの前面側の下面に固定されている。送りネジ78Aおよび収納ケース81Aは、載置板54Aの下方で、かつ、前後方向で搬送路48Aを横切るように配置されている。すなわち、Y軸移動機構64A〜67Aの一部が、搬送路48Aの下方に配置されている。
収納ケース81Aの上面には、図6等に示すように、送りナット80Aが通過するための開口部811Aが形成されている。また、収納ケース81Aの内部には、送りナット80Aを前後方向へ案内するためのガイド(図示省略)が取り付けられている。
X軸移動機構68A〜71Aはそれぞれ、図5等に示すように、収納ケース81Aを搬送方向へ移動させる送りネジ83Aと、送りネジ83Aを回転駆動させるモータ84Aと、送りネジ83Aに螺合する送りナット85Aとを備えている。送りネジ83Aは収納ケース86Aに収納され、モータ84Aは、図6に示すように、収納ケース86Aの搬送方向の外側端に固定されている。なお、図6では、送りネジ83Aの図示は省略している。
また、X軸移動機構68A〜71Aはそれぞれ、収納ケース81Aを搬送方向へ案内するための2個のガイドブロック87A、87Aを備えている。さらに、4つのX軸移動機構68A〜71Aに共通の構成として、ガイドブロック87A、87Aが係合する2本のガイドレール88A、88Aが設けられている。
本形態では、巻取側かつ後面側に配置されるX軸移動機構70Aによって、樹脂塗布ヘッド52Aの搬送方向への移動が行われる。すなわち、図8等に示すように、Y軸移動機構67Aを構成する収納ケース81Aの下面に、X軸移動機構70Aを構成する送りネジ83Aに螺合する送りナット85Aが固定されている。また、巻取側かつ前面側に配置されるX軸移動機構71Aによって、樹脂塗布ヘッド51Aの搬送方向への移動が行われる。すなわち、図8等に示すように、Y軸移動機構66Aを構成する収納ケース81Aの下面に、X軸移動機構71Aを構成する送りネジ83Aに螺合する送りナット85Aが固定されている。
同様に、供給側かつ後面側に配置されるX軸移動機構68Aによって、樹脂塗布ヘッド49Aの搬送方向への移動が行われるため、Y軸移動機構64Aを構成する収納ケース81Aの下面に、X軸移動機構68Aを構成する送りネジ83Aに螺合する送りナット85Aが固定されている。また、供給側かつ前面側に配置されるX軸移動機構69Aによって、樹脂塗布ヘッド50Aの搬送方向への移動が行われるため、Y軸移動機構65Aを構成する収納ケース81Aの下面に、X軸移動機構69Aを構成する送りネジ83Aに螺合する送りナット85Aが固定されている。
2本のガイドレール88A、88Aは、前後方向に所定の間隔をあけた状態で、収納部44の上面44aに固定されている。ガイドブロック87A、87Aは、ガイドレール88A、88Aにそれぞれ係合するように、収納ケース81Aの下面に固定されている。また、収納ケース86Aは、上面44aに固定されている。収納ケース86Aの上面には、図6等に示すように、送りナット85Aが通過するための開口部861Aが形成されている。
図4に示すように、X軸移動機構68A〜71Aは載置板54Aの下方に配置されている。すなわち、X軸移動機構68A〜71Aは搬送路48Aの下方に配置されている。
第2樹脂塗布部45Bは、上述のように、第1樹脂塗布部45Aと同一の構成が鉛直面Pに関して対称に配置されることで構成されている。そのため、第2樹脂塗布部45Bの詳細な説明は省略する。なお、図2および図4では、上述した第1樹脂塗布部45Aの構成に対応する第2樹脂塗布部45Bの構成には、第1樹脂塗布部45Aの構成に付された符号中の「A」の部分を「B」に代えた符号が付されている。
(樹脂硬化装置の構成)
図9は、図2のH−H断面を拡大して示す拡大断面図である。
以下、樹脂硬化装置5の構成を図1、図2および図9に基づいて説明する。
樹脂硬化装置5は、樹脂塗布装置4から搬出された基板2を加熱して、基板2に塗布された樹脂を硬化させる加熱炉である。この樹脂硬化装置5は、図2に示すように、前面側に配置される第1処理レーン8Aを構成する第1搬送レーン90Aと、後面側に配置される第2処理レーン8Bを構成する第2搬送レーン90Bとから構成されている。すなわち、樹脂硬化装置5では、同一の構成を有する第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとが、鉛直面Pに関して対称に配置されている。なお、樹脂硬化装置5の前面および後面の両面には、開閉可能な扉(図示省略)が取り付けられている。
また、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bは、図1に示すように、樹脂硬化装置5の制御基板等の制御機器(図示省略)が収納される箱状の収納部91の上面に配置されている。さらに、樹脂硬化装置5は、図2に示すように、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの間を仕切る仕切壁92を備えている。
第1搬送レーン90Aは、第1基板2Aが搬送される第1搬送路LA1、第2搬送路LA2および第3搬送路LA3の3つの搬送路を備えている。また、第1搬送レーン90Aは、第1から第3搬送路LA1〜LA3のそれぞれの間を仕切る仕切板93A、93Aと、第1基板2Aの表裏を反転させるとともに第1基板2Aの搬送方向を反転させる第1反転ローラ94Aおよび第2反転ローラ95Aと、第1基板2Aに塗布された樹脂を加熱して硬化させるための加熱機構96Aと、第1から第3搬送路LA1〜LA3に配設され、第1基板2Aの両端を搬送方向へ案内する基板ガイド97Aとを備えている。なお、図1では、基板ガイド97Aの図示を省略している。また、図2では、便宜上、第1搬送路LA1に配置される基板ガイド97Aの一部(供給側の一部)、第3搬送路LA3に配置される基板ガイド97Aおよび第2反転ローラ95Aのみを図示している。
第1から第3搬送路LA1〜LA3は、第1搬送レーン90Aにおいて、下側からこの順番で配置されている。第1搬送レーン90Aでは、第1樹脂塗布部45Aから搬出された第1基板2Aは、まず、供給側から巻取側へ向かって第1搬送路LA1を通過して搬送され、その後、第1反転ドラム94Aで反転される。反転された第1基板2Aは、巻取側から供給側へ向かって第2搬送路LA2を通過して搬送され、その後、第2反転ドラム95Aで再び反転される。反転された第1基板2Aは、供給側から巻取側へ向かって第3搬送路LA3を通過して搬送され、第1搬出口98Aから搬出される。
また、第1基板2Aの種類によっては、供給側から巻取側へ向かって第1搬送路LA1を通過して搬送された第1基板2Aがそのまま、第2搬出口99Aから搬出される。すなわち、本形態の樹脂硬化装置5では、第1から第3搬送路LA1〜LA3を使った第1基板2Aの搬送と、第1搬送路LA1のみを使った第1基板2Aの搬送との切替が可能になっている。
加熱機構96Aは、セラミックヒータ等の赤外線ヒータからなる発熱体(図示省略)と、熱伝導性に優れた金属板等で形成されるとともに発熱体と第1基板2Aとの間に配置され、発熱体からの熱を拡散する熱拡散板(図示省略)とから構成されている。図1に示すように、第1搬送路LA1および第3搬送路LA3では、搬送される第1基板2Aの上方に、加熱機構96Aが配置されている。第2搬送路LA2では、搬送される第1基板2Aの下方に、加熱機構96Aが配置されている。
基板ガイド97Aは、搬送方向を長手方向とする細長いブロック状の部材であり、第1から第3搬送路LA1〜LA3において、第1基板2Aの両端部分に対応する位置に配置されている。
第2搬送レーン90Bは、上述のように、第1搬送レーン90Aと同一の構成が鉛直面Pに関して対称に配置されることで構成されている。そのため、第2搬送レーン90Bの詳細な説明は省略する。なお、図2では、上述した第1搬送レーン90Aの構成に対応する第2搬送レーン90Bの構成には、第1搬送レーン90Aの構成に付された符号中の「A」の部分を「B」に代えた符号が付されている。
仕切壁92は、樹脂硬化装置5の前後方向の略中心位置に配置されている。また、仕切壁92は、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの間を完全に仕切っている。すなわち、仕切壁92の高さおよび搬送方向の幅は、第1搬送レーン90Aの高さおよび搬送方向の幅とほぼ同じになっている。なお、仕切壁92が、収納部91の内部まで仕切るように形成されても良い。
本形態の仕切壁92は、図9に示すように、2枚の薄い板材92a、92bによって構成されている。すなわち、2枚の板材92a、92bが前後方向に所定方向の間隔をあけて配置されることで、仕切壁92が構成されている。板材92a、92bはたとえば、ステンレスの薄板である。
また、本形態では、板材92a、92bの間には、空間92cが形成されている。空間92cには、図9に示すように、何も配置されずに空気層が形成さても良いし、断熱材が配置されても良い。また、空間92cを利用して所定の配管や配線の引き回しをしても良い。さらに、板材92a、92bに所定の開口部を形成して、空間92cを空気の流路として利用しても良い。
本形態の樹脂硬化装置5では、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの各レーンごと個別に温度制御が可能となっている。すなわち、第1搬送レーン90Aに設けられた温度センサ(図示省略)に基づいて第1搬送レーン90Aの温度が制御され、第2搬送レーン90Bに設けられた温度センサ(図示省略)に基づいて第2搬送レーン90Bの温度が制御される。
なお、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの各搬送レーンごと個別に適切な温度制御を行うことができるのであれば、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとは、仕切壁92によって完全に仕切られる必要はない。すなわち、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの各搬送レーンごとの温度制御を適切に行うことができるのであれば、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとが一部分で連通していても良い。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の樹脂塗布システム1では、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとが、鉛直面Pに対して対称に配置されている。すなわち、本形態では、鉛直面Pに対して背中合わせで、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとが配置されている。そのため、仮に、第1処理レーン8Aや第2処理レーン8Bの前後方向の幅と、従来の樹脂塗布システム101の前後方向の幅とが同じであったとしても、図10(A)に示すように、従来の樹脂塗布システム101を単純に複数配列する場合と比較して、図10(B)に示すように、本形態の樹脂塗布システム1では設置面積を減少させることができる。たとえば、本形態の樹脂塗布システム1では、従来の樹脂塗布システム101を単純に複数配列する場合と比較して、最大で30%程度の設置面積を減少させることが可能になる。
また、本形態の樹脂塗布システム1は、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとから構成されているため、前面側と後面側との両面で基板2を処理できる。したがって、たとえば、図10(B)に示すように、樹脂塗布システム1の前面側と後面側とが対向するように、樹脂塗布システム1が複数配列され、各処理レーン8A、8Bでオペレータの作業が必要となる場合であっても、オペレータは振り返るだけで、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとの2つの処理レーンでの作業を行うことができる。また、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとでは、基板2の搬送方向が同じである。すなわち、第1処理レーン8Aにおける基板2の供給側、巻取側と、第2処理レーン8Bにおける基板2の供給側、巻取側とが一致する。その結果、本形態の樹脂塗布システム1では、オペレータの作業性を向上させることができる。
また、本形態の樹脂システム1は、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとの2つの処理レーンによって構成されている。そのため、第1基板2Aと第2基板2Bとが異なる場合であっても、各処理レーンごとに、異なる基板2に対して樹脂の塗布および硬化を行うことができる。特に、本形態の樹脂塗布システム1では、樹脂硬化装置5が、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの間を仕切る仕切壁92を備えている。そのため、樹脂硬化装置5では、樹脂を硬化させるための温度制御を各搬送レーンごとに行うことができる。したがって、樹脂塗布システム1では、多品種少量生産への対応が可能になる。
なお、本形態の樹脂塗布システム1では、第1処理レーン8Aおよび第2処理レーン8Bで同一の基板2(すなわち、同一の電子部品が実装された同一の基板2)を処理することで、大量生産への対応も可能になる。
ここで、第1処理レーン8Aおよび第2処理レーン8Bで同一の基板2が処理される場合には、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの間に仕切壁92を設けないことも可能である。しかしながら、樹脂硬化装置5が仕切壁92を備えておらず、樹脂硬化装置5内に1つの空間のみが形成される場合には、その空間は広くなる。そのため、樹脂硬化装置5内部の空気の流れを均一化させることが難しくなる等の理由で、樹脂硬化装置5内の温度制御が難しくなる。特に、本形態の樹脂硬化装置5のような樹脂硬化装置の内部温度は、一般に、150℃〜200℃に設定されている一方で、樹脂硬化装置内部の温度のばらつきをたとえば±5℃以下に抑える必要がある。そのため、樹脂硬化装置5内の温度制御は一層、難しくなる。
本形態の樹脂硬化装置5では、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとの間に仕切壁92が設けられているため、第1搬送レーン90Aが配置される空間および第2搬送レーン90Bが配置される空間の個々の空間を狭くできる。したがって、第1搬送レーン90Aおよび第2搬送レーン90Bでの温度制御が容易になる。すなわち、本形態の樹脂硬化装置5を用いた樹脂塗布システム1では、容易な温度制御によって、大量生産への対応が可能となる。
さらに、本形態では、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとが、仕切壁92によって仕切られている。そのため、図10(A)に示すように、従来の樹脂塗布システム101を単純に複数配列する場合と比較して、樹脂硬化装置5に設置される扉の数を減少させることができる。したがって、本形態の樹脂塗布システム1では、部品点数を削減して構成を簡素化できる。
本形態では、仕切壁92は、樹脂硬化装置5の前後方向の略中心位置に配置されている。そのため、樹脂硬化装置5内では、第1搬送レーン90Aが配置される空間の大きさと、第2搬送レーン90Bが配置される空間の大きさとを略等しくできる。したがって、第1搬送レーン90Aと第2搬送レーン90Bとでは、同じ制御定数を用いれば、同じ温度制御が可能になる。すなわち、温度制御のための制御定数を各搬送レーン90A、90Bごとに設定する必要がなくなり、樹脂硬化装置5での温度制御が簡素化される。
本形態では、同一の構成を有する第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとが、鉛直面Pに対して面対称に配置されている。そのため、樹脂塗布装置4、基板供給装置6および基板巻取装置7でも、同じ制御定数を用いれば、同じ制御が可能になる。すなわち、各処理レーン8A、8Bごとに制御定数を設定する必要がなくなり、樹脂塗布システム1の制御が簡素化される。また、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとの構成が同一であるため、2つの処理レーン8A、8Bから構成される樹脂塗布システム1であっても、構成を簡素化できる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形可能である。たとえば、上述した形態では、仕切壁92は、樹脂硬化装置5の前後方向の略中心位置に配置されているが、仕切壁92は、樹脂硬化装置5の前後方向の略中心位置よりも前面側に配置されても良いし、後面側に配置されても良い。
また、上述した形態では、仕切壁92は、2枚の薄い板材92a、92bによって構成されているが、1枚の厚い板材によって仕切壁92を構成しても良い。
さらに、上述した形態では、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとが鉛直面Pに対して面対称に配置されているが、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとが鉛直面Pに対して、上面から見たときに対称となるように配置されても良い。すなわち、第1処理レーン8Aの構成と、この構成に対応する第2処理レーン8Bの構成とが、異なる高さで配置されていても良い。また、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとの境界面は基板2の搬送方向に平行な鉛直面Pには限定されない。さらに、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとは、境界面に対して対称に配置されていなくても良い。
また、上述した形態では、第1基板2Aと第2基板2Bとは、同一の方向に搬送されているが、第1基板2Aの搬送方向と第2基板2Bの搬送方向とが逆であっても良い。すなわち、たとえば、第1処理レーンでは、第1基板供給装部21Aと、第1樹脂塗布部45Aと、第1搬送レーン90Aと、第1基板巻取部22Aとがこの順番で、図1の左側から右側に向かって配置され、第2処理レーンでは、第2基板供給部21Bと、第2樹脂塗布部45Bと、第2搬送レーン90Bと、第2基板巻取部22Bとがこの順番で、図1の右側から左側に向かって配置されても良い。この場合には、第1搬送レーン90Aと第1基板巻取部22Aとの間に、第2樹脂塗布部45Bの配置空間に相当するダミー空間が設けられ、第2搬送レーン90Bと第2基板巻取部22Bとの間に、第1樹脂塗布部45Aの配置空間に相当するダミー空間が設けられる。
なお、上述した形態の樹脂塗布システム1は、第1処理レーン8Aと第2処理レーン8Bとの2つの処理レーンから構成されているが、第1処理レーン8Aまたは第2処理レーン8Bのいずれか一方の1つの処理レーンのみで樹脂塗布システムを構成しても良い。
本発明の実施の形態にかかる樹脂塗布システムの概略構成を正面(前面)から示す概略図である。 図1に示す樹脂塗布システムの概略構成を上面から示す概略図である。 図1に示す基板供給装置の駆動部分の構成を説明するための図である。 図1に示す樹脂塗布装置の概略構成を上面から示す概略図である。 図4のF−F断面を示す断面図である。 図4に示す移動機構の概略構成を上面から示す概略図である。 図4のG−G方向からY軸移動機構、X軸移動機構および搬送路の概略構成を示す概略図である。 図6に示すX軸移動機構の構成を説明するための図である。 図2のH−H断面を拡大して示す拡大断面図である。 (A)は、従来の樹脂塗布システムが複数配列された状態を上面から示す図であり、(B)は、図1に示す樹脂塗布システムが複数配列された状態を上面から示す図である。
符号の説明
1 樹脂塗布システム
2A 第1基板
2B 第2基板
4 樹脂塗布装置
5 樹脂硬化装置
8A 第1処理レーン
8B 第2処理レーン
90A 第1搬送レーン
90B 第2搬送レーン
92 仕切壁
P 鉛直面(境界面)

Claims (3)

  1. 所定方向へ搬送される第1基板および上記第1の基板と同方向へ搬送される第2基板への樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う樹脂塗布システムであって、
    上記第1基板に塗布された樹脂を加熱して硬化させる第1搬送レーンを有する第1処理レーンと、上記第2基板に塗布された樹脂を加熱して硬化させる第2搬送レーンを有する第2処理レーンとから構成されるとともに、
    オペレータが作業を行う作業側が、前面側と裏面側に設けられ、
    上記第1搬送レーンと上記第2搬送レーンとの間を仕切り空間を開けて配置される2枚の板材により構成される仕切壁を備えることを特徴とする樹脂塗布システム。
  2. 所定方向へ搬送される第1基板への樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う第1処理レーンと、上記第1基板と同方向へ搬送される第2基板への樹脂の塗布および塗布された樹脂の硬化を行う第2処理レーンとから構成されるとともに、
    上記第1基板および上記第2基板に樹脂を塗布する樹脂塗布装置と、上記第1基板および上記第2基板に塗布された樹脂を硬化させる樹脂硬化装置とを備え、
    上記第1処理レーンと上記第2処理レーンとは、上記第1処理レーンと上記第2処理レーンとの境界面に対して対称に配置され、
    オペレータが作業を行う作業側が、前面側と裏面側に設けられ、
    上記樹脂硬化装置は、上記第1処理レーンを構成する第1搬送レーンと、上記第2処理レーンを構成する第2搬送レーンと、上記第1搬送レーンと上記第2搬送レーンとの間を仕切り空間を開けて配置される2枚の板材により構成される仕切壁とを備えることを特徴とする樹脂塗布システム。
  3. 前記境界面は、前記第1基板および前記第2基板の搬送方向に平行な鉛直面であり、前記第1処理レーンと前記第2処理レーンとは、上記鉛直面に面対称に配置されていることを特徴とする請求項2記載の樹脂塗布システム。
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