JP5171507B2 - 工具ホルダ着脱用治具並びに工具ホルダの装着及び取り外し方法 - Google Patents
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Description
本発明は、タレットの外周に複数の工具ホルダを装着する工作機械において工具ホルダの着脱に用いる工具ホルダ着脱用治具と、その治具を用いた工具ホルダの着脱方法とに関する。
例えばNC旋盤(ターニングセンター)においては、刃物台のタレットの外周に、旋削工具や回転工具を保持する複数の工具ホルダが装着され、タレットの回転による工具の選択によって、隣接した主軸のチャックに把持されたワークに対する複合加工が可能となっている(タレット及び工具ホルダの例として特許文献1参照)。
このうち回転工具については、工具ホルダの装着状態で、タレット内に設けた回転工具駆動軸と、工具ホルダ内に設けた従動軸とが同軸で結合されてトルク伝達がなされる。よって、工具ホルダはタレットの装着部に対して正確に芯出しして装着する必要がある。この装着構造としては、工具ホルダに従動軸の周囲で同軸に突設されたシャンク部と、タレットに設けた取付孔とをテーパ同士で嵌合させてシャンク部を抜け止め保持するか、シャンク部と取付孔とをストレートインロウとして差し込み嵌合させて、工具ホルダとタレットとの端面同士をボルト結合するか、の2タイプがよく用いられている。
このうち回転工具については、工具ホルダの装着状態で、タレット内に設けた回転工具駆動軸と、工具ホルダ内に設けた従動軸とが同軸で結合されてトルク伝達がなされる。よって、工具ホルダはタレットの装着部に対して正確に芯出しして装着する必要がある。この装着構造としては、工具ホルダに従動軸の周囲で同軸に突設されたシャンク部と、タレットに設けた取付孔とをテーパ同士で嵌合させてシャンク部を抜け止め保持するか、シャンク部と取付孔とをストレートインロウとして差し込み嵌合させて、工具ホルダとタレットとの端面同士をボルト結合するか、の2タイプがよく用いられている。
前者のテーパマウント式は、挿入性が良好で、いわゆるATC(自動工具交換装置)にも容易に適用できる利点があるが、製作コストが掛かる上、テーパ面のみで切削力を受けることで剛性が低いという問題がある。
一方、後者のストレートインロウ式は、製作コストが安く、剛性が高くなる利点があるが、工具ホルダのシャンク部とタレットのインロウ孔とのクリアランスが小さいため、ATCには不向きで、人手によっても挿入時にこじれが生じやすく、着脱がしにくいという問題がある。
コストや剛性を考慮するとストレートインロウ式が望ましいが、例えばワーク変更等に伴う段取り替えの際には、図6に示すように、作業者が十数キロの工具ホルダ50を手で持ちながらタレット52のインロウ孔53に対してシャンク部51を挿脱させる作業を繰り返す必要があり、多大な負担となる。特に、挿入時のこじれが頻繁になると、インロウ孔53の内面やシャンク部51に傷が付き、剛性や加工精度の低下に繋がることになる。
一方、後者のストレートインロウ式は、製作コストが安く、剛性が高くなる利点があるが、工具ホルダのシャンク部とタレットのインロウ孔とのクリアランスが小さいため、ATCには不向きで、人手によっても挿入時にこじれが生じやすく、着脱がしにくいという問題がある。
コストや剛性を考慮するとストレートインロウ式が望ましいが、例えばワーク変更等に伴う段取り替えの際には、図6に示すように、作業者が十数キロの工具ホルダ50を手で持ちながらタレット52のインロウ孔53に対してシャンク部51を挿脱させる作業を繰り返す必要があり、多大な負担となる。特に、挿入時のこじれが頻繁になると、インロウ孔53の内面やシャンク部51に傷が付き、剛性や加工精度の低下に繋がることになる。
そこで、本発明は、上記ストレートインロウ式において、コストや剛性での利点を活かしつつ、工具ホルダの着脱作業を良好な作業性で効率良く行うことができる工具ホルダ着脱用治具を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ワークを把持するチャックを備えて回転可能な主軸と、工具ホルダから突出したシャンク部が挿入可能なインロウ孔を周面又は端面に有するタレットとを備え、主軸又はタレットがX軸及びZ軸方向に移動可能な工作機械において、タレットに対して工具ホルダの着脱を行うために用いる治具であって、チャックに連結可能な連結部と、その連結部に連設され、工具ホルダをシャンク部がタレット側へ向く姿勢で保持可能な保持部とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、シャンク部の挿入時のこじれによるモータへの過負荷を効果的に防止するために、保持部に、工具ホルダを上下方向で弾性支持する第1弾性手段と、シャンク部の挿入方向で弾性支持する第2弾性手段とを設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、インロウ孔とシャンク部との芯位置合わせをより簡単且つ精度よく行うために、連結部に対する保持部の角度をX軸回りに調整可能としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、シャンク部の挿入時のこじれによるモータへの過負荷を効果的に防止するために、保持部に、工具ホルダを上下方向で弾性支持する第1弾性手段と、シャンク部の挿入方向で弾性支持する第2弾性手段とを設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、インロウ孔とシャンク部との芯位置合わせをより簡単且つ精度よく行うために、連結部に対する保持部の角度をX軸回りに調整可能としたことを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、ワークを把持するチャックを備えて回転可能な主軸と、工具ホルダから突出したシャンク部が挿入可能なインロウ孔を周面又は端面に有するタレットとを備え、主軸又はタレットがX軸及びZ軸方向に移動可能な工作機械において、タレットのインロウ孔に工具ホルダのシャンク部を挿入させてタレットに工具ホルダを装着する方法であって、チャックに、請求項1乃至3の何れかに記載の工具ホルダ着脱用治具の連結部を連結し、工具ホルダ着脱用治具の保持部に、工具ホルダをシャンク部がタレット側へ向く姿勢で保持させて、チャックの回転及び/又は主軸若しくはタレットの移動によってインロウ孔とシャンク部との芯位置を合わせた後、主軸又はタレットを工具ホルダがタレットに接近する方向へ移動させてインロウ孔にシャンク部を挿入させることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、ワークを把持するチャックを備えて回転可能な主軸と、周面又は端面に設けたインロウ孔に工具ホルダのシャンク部を挿入させて工具ホルダを装着したタレットとを備え、主軸又はタレットがX軸及びZ軸方向に移動可能な工作機械において、タレットから工具ホルダを取り外す方法であって、チャックに、請求項1乃至3の何れかに記載の工具ホルダ着脱用治具の連結部を連結し、タレットを工具ホルダ着脱用治具側へ移動させて工具ホルダを保持部にセットし、工具ホルダとタレットとの連結を解除した後、主軸又はタレットを工具ホルダ着脱用治具がタレットから離れる方向へ移動させて、工具ホルダを保持部に残してインロウ孔からシャンク部を抜き取ることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、ワークを把持するチャックを備えて回転可能な主軸と、周面又は端面に設けたインロウ孔に工具ホルダのシャンク部を挿入させて工具ホルダを装着したタレットとを備え、主軸又はタレットがX軸及びZ軸方向に移動可能な工作機械において、タレットから工具ホルダを取り外す方法であって、チャックに、請求項1乃至3の何れかに記載の工具ホルダ着脱用治具の連結部を連結し、タレットを工具ホルダ着脱用治具側へ移動させて工具ホルダを保持部にセットし、工具ホルダとタレットとの連結を解除した後、主軸又はタレットを工具ホルダ着脱用治具がタレットから離れる方向へ移動させて、工具ホルダを保持部に残してインロウ孔からシャンク部を抜き取ることを特徴とする。
請求項1及び4に記載の発明によれば、ストレートインロウ式において、コストや剛性での利点を活かしつつ、工具ホルダの着脱作業を良好な作業性で効率良く行うことができる。また、シャンク部の挿入時にこじれが生じにくいため、インロウ孔の内面やシャンク部に傷が付くおそれが低減され、剛性や加工精度の低下も好適に防止される。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、シャンク部の挿入時にこじれが生じても治具側でこれを吸収でき、モータへの過負荷が効果的に防止可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、インロウ孔とシャンク部との芯位置合わせをより簡単且つ精度よく実施することができる。
請求項5に記載の発明によれば、上記効果に加えて、複数の工具ホルダを連続して取り外す際の作業も楽に行える。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、シャンク部の挿入時にこじれが生じても治具側でこれを吸収でき、モータへの過負荷が効果的に防止可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、インロウ孔とシャンク部との芯位置合わせをより簡単且つ精度よく実施することができる。
請求項5に記載の発明によれば、上記効果に加えて、複数の工具ホルダを連続して取り外す際の作業も楽に行える。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、工作機械の一例であるNC旋盤の主要部を示す斜視図で、NC旋盤には、C軸回りで回転し、ワークを把持するチャック2を備えた主軸1と、軸線が主軸1と平行となるように配置され、X軸及びZ軸方向へ移動可能なタレット3とが設けられている。このタレット3の周面には、複数の平坦な装着面4,4・・が形成され、各装着面4に、後述する工具ホルダ40のシャンク部45が挿脱可能なストレートのインロウ孔5が、タレット3の半径方向に軸線を合わせて形成されると共に、その周囲に工具ホルダ40のボルト46をねじ込み可能な複数のタップ孔6,6・・が形成されている。タレット3内には、図3に示すように、タレット3の中心に設けた回転軸7の回転に伴って回転する駆動軸8が、所定のインロウ孔5と同軸で配置されている。
図1は、工作機械の一例であるNC旋盤の主要部を示す斜視図で、NC旋盤には、C軸回りで回転し、ワークを把持するチャック2を備えた主軸1と、軸線が主軸1と平行となるように配置され、X軸及びZ軸方向へ移動可能なタレット3とが設けられている。このタレット3の周面には、複数の平坦な装着面4,4・・が形成され、各装着面4に、後述する工具ホルダ40のシャンク部45が挿脱可能なストレートのインロウ孔5が、タレット3の半径方向に軸線を合わせて形成されると共に、その周囲に工具ホルダ40のボルト46をねじ込み可能な複数のタップ孔6,6・・が形成されている。タレット3内には、図3に示すように、タレット3の中心に設けた回転軸7の回転に伴って回転する駆動軸8が、所定のインロウ孔5と同軸で配置されている。
そして、10は工具ホルダ着脱用治具(以下単に「治具」という。)で、この治具10は、図2,3にも示すように、チャック2に連結可能な連結部11と、その連結部11に連設され、工具ホルダ40をシャンク部45がタレット3側へ向く姿勢で保持可能な保持部12とを備えている。
まず連結部11は、固定板13と、位置決めピン14と、取付ボルト15,15とからなり、固定板13をチャック2の端面に対して位置決めピン14によってチャック爪と干渉しない所定位置に位置決めし、取付ボルト15,15によってチャック2の端面に固定可能となっている。
まず連結部11は、固定板13と、位置決めピン14と、取付ボルト15,15とからなり、固定板13をチャック2の端面に対して位置決めピン14によってチャック爪と干渉しない所定位置に位置決めし、取付ボルト15,15によってチャック2の端面に固定可能となっている。
次に、保持部12は、下台16と、その下台16上にあって工具ホルダ40がセットされる上台17とを備える。下台16は、矩形状の板体で、チャック2側の端部に、上下方向の取付板18をT字状に連設しており、その取付板18の上部両端に設けた取付部19,19と、固定板13の上端に突設した突設部20とを、水平な軸21によって連結することで、下台16は、固定板13に対して上下方向へ回転可能となる。但し、自重により下台16は、取付板18の下端が固定板13に当接する位置で停止し、チャック2の端面から突出する。ここで、取付板18の下方中央には、調整ボルト22が螺合されてその先端を固定板13に当接させているため、調整ボルト22のねじ込み量の変更により、固定板13に対する下台16の角度がX軸回りに調整可能となる。
また、下台16における突出側の端部は、上方に向けてL字状に折曲され、その内側で平行に立設した規制板23との間に、上台17が収容されている。上台17は、上面に工具ホルダ40の下面が嵌合してX軸方向へスライド可能な凹部24を形成した板状体で、各コーナー部において、上端にフランジ26を有し、下端にナット27が螺合される4本のガイドピン25,25・・を、上台17及び下台16に貫通させている。よって、上台17は、フランジ26とナット27とで規定されるストロークで上下方向へ移動可能に下台16に連結される。さらに、上台17と下台16との間で各ガイドピン25には、第1コイルバネ28が夫々外装されて、常態では上台17を、下台16と平行となるストロークの上限位置に付勢している。このガイドピン25と第1コイルバネ28とが本発明の第1弾性手段となる。
一方、下台16において、タレット3と反対側の端部には、L字状のストッパ板29が連結されている。このストッパ板29の上端には、一対のストッパピン30,30が、X軸方向へスライド可能に遊挿されると共に、タレット3側の頭部31とストッパ板29との間に外装した第2コイルバネ33によって、端部に螺合したナット32がストッパ板29に当接する突出位置に付勢されている。このストッパピン30と第2コイルバネ33とが本発明の第2弾性手段となる。34は、ストッパピン30,30の間でストッパ板29の上端からU字状に形成された切欠きである。
工具ホルダ40は、図5に示すように、箱状の本体41の内部に、入力軸42と、その入力軸42からベベルギヤ43,43を介して直交状に回転伝達される出力軸44とを軸支してなり、本体41におけるタレット3への装着側となる側面には、入力軸42の端部を突出させると共に、タレット3のインロウ孔5に嵌合する円筒状のシャンク部45が同軸で突設されている。また、当該側面には、タレット3の装着面4に設けたタップ孔6に螺合可能なボルト46,46・・が突出している。一方、当該側面と隣接するチャック2側の側面には、出力軸44の端部を突出させて、ドリルやエンドミル等の工具Tを着脱可能なチャック部47を設けている。
以上の如く構成された治具10を用いた工具ホルダ40の着脱方法を説明する。
まず、工具ホルダ40をタレット3に装着する場合、チャック2を回り止めした状態で、固定板13を位置決めピン14で位置決めして取付ボルト15によって固定し、下台16をチャック2の端面へ水平に取り付ける。そして、上台17に工具ホルダ40を、シャンク部45がタレット3側を向くようにセットして、側面がストッパピン30に当接するまでスライドさせる。
次に、タレット3をX軸及びZ軸方向へ移動させて、工具ホルダ40を装着する装着面4のインロウ孔5と、工具ホルダ40のシャンク部45との芯位置を合わせる。このとき、Y軸方向へは、主軸1を微小回転させたり、調整ボルト22によって下台16の角度を変えたりすることで調整すればよい。
まず、工具ホルダ40をタレット3に装着する場合、チャック2を回り止めした状態で、固定板13を位置決めピン14で位置決めして取付ボルト15によって固定し、下台16をチャック2の端面へ水平に取り付ける。そして、上台17に工具ホルダ40を、シャンク部45がタレット3側を向くようにセットして、側面がストッパピン30に当接するまでスライドさせる。
次に、タレット3をX軸及びZ軸方向へ移動させて、工具ホルダ40を装着する装着面4のインロウ孔5と、工具ホルダ40のシャンク部45との芯位置を合わせる。このとき、Y軸方向へは、主軸1を微小回転させたり、調整ボルト22によって下台16の角度を変えたりすることで調整すればよい。
こうしてインロウ孔5とシャンク部45との芯位置合わせが完了したら、タレット3を工具ホルダ40側(X軸の−側)に移動させて、インロウ孔5にシャンク部45を挿入させる。このときY軸方向にこじれが生じても、上台17が第1コイルバネ28の付勢に抗してガイドピン25に沿って下降して過負荷を吸収できる。同様に、X軸方向にこじれが生じても、工具ホルダ40が第2コイルバネ33の付勢に抗してストッパピン30を押し込んでスライドするため、過負荷を吸収できる。但し、X軸モータのトルクを監視して、第1、第2弾性手段で吸収できない所定値以上のトルクが発生すれば、挿入不良としてタレット3の移動を停止させ、芯位置合わせから再び行う。この方法としては、X軸を手動で操作させながらX軸モータのトルクをモニタで確認し、所定値以上のトルクが生じた場合に停止させる方法と、これらを自動で制御して行う方法とがある。
そして、シャンク部45がインロウ孔5内に進入して工具ホルダ40のボルト46がタップ孔6に当接したら、シャンク部45内の入力軸42とタレット3内の駆動軸8との位相を合わせて、ボルト46をタップ孔6にねじ込む。すると、工具ホルダ40は、本体41が装着面4に当接すると共に、入力軸42が駆動軸8と結合する位置まで移動し、タレット3への装着が完了する。
なお、続いて他の装着面4に別の工具ホルダ40を装着する場合は、タレット3を治具10から離間させて回転させ、新たな装着面4を治具10側へ向ければ、芯位置合わせを行う必要なく次の工具ホルダ40の装着が行える。また、装着時のタレット3の位置及び主軸1の回転位置を記憶させておけば、後にツールレイアウトを変更する際には記憶させた位置にタレット3及び主軸1を位置決めすれば、工具ホルダ40のセッティングのみで芯位置を合わせることができる。
なお、続いて他の装着面4に別の工具ホルダ40を装着する場合は、タレット3を治具10から離間させて回転させ、新たな装着面4を治具10側へ向ければ、芯位置合わせを行う必要なく次の工具ホルダ40の装着が行える。また、装着時のタレット3の位置及び主軸1の回転位置を記憶させておけば、後にツールレイアウトを変更する際には記憶させた位置にタレット3及び主軸1を位置決めすれば、工具ホルダ40のセッティングのみで芯位置を合わせることができる。
逆に、工具ホルダ40をタレット3から取り外す場合は、ボルト46を緩めてそのまま手で引き抜いてもよいが、ここでも治具10をチャック2に取り付けて、タレット3を治具10側へ移動させて工具ホルダ40を治具10の上台17上にセットし、この状態でボルト46を緩めてタレット3との連結を解除する。そして、本体41におけるストッパ板29側の側面に、ストッパ板29の外側からボルト48を、切欠き34を貫通させた状態で螺合させて、タレット3をX軸の+側へ移動させれば、ボルト48の頭部がストッパ板29に係止する位置で工具ホルダ40のスライドが規制されるため、工具ホルダ40を治具10上に残してタレット3のみが移動し、インロウ孔5からシャンク部45が引き抜かれて工具ホルダ40が取り外される。このようにすれば、治具10を利用して複数の工具ホルダ40を連続して取り外す際の作業も楽に行える。
このように、上記形態の治具10及び着脱方法によれば、チャック2に連結可能な連結部11と、その連結部11に連設され、工具ホルダ40をシャンク部45がタレット3側へ向く姿勢で保持可能な保持部12とを備えたことで、ストレートインロウ式において、コストや剛性での利点を活かしつつ、工具ホルダ40の着脱作業を良好な作業性で効率良く行うことができる。また、シャンク部45の挿入時にこじれが生じにくいため、インロウ孔5の内面やシャンク部45に傷が付くおそれが低減され、剛性や加工精度の低下も好適に防止される。
特に、保持部12に、工具ホルダ40を上下方向で弾性支持する第1弾性手段と、シャンク部45の挿入方向で弾性支持する第2弾性手段とを設けたことで、シャンク部45の挿入時にこじれが生じても治具10側でこれを吸収でき、モータへの過負荷が効果的に防止可能となる。
また、保持部12を、連結部11に連設される下台16と、その下台16上にあって工具ホルダ40がセットされる上台17とから構成し、第1弾性手段を、下台16上で上台17を上下動可能に連結するガイドピン25と、下台16と上台17との間に設けられ、上台16を上限位置へ付勢する第1コイルバネ28とから構成したことで、第1弾性手段が簡単に得られるようになっている。
また、保持部12を、連結部11に連設される下台16と、その下台16上にあって工具ホルダ40がセットされる上台17とから構成し、第1弾性手段を、下台16上で上台17を上下動可能に連結するガイドピン25と、下台16と上台17との間に設けられ、上台16を上限位置へ付勢する第1コイルバネ28とから構成したことで、第1弾性手段が簡単に得られるようになっている。
さらに、下台16におけるタレット3と反対側の端部に、上台17上の工具ホルダ40の側面に近接するストッパ板29を連設し、第2弾性手段を、ストッパ板29に設けられて工具ホルダ40の側面側へ水平移動可能に設けられるストッパピン30と、そのストッパピン30を工具ホルダ40の側面側への突出方向へ付勢する第2コイルバネ33とから構成したことで、第2弾性手段が簡単に得られるようになっている。
そして、連結部11に対する下台16の角度がX軸回りに調整可能となっているので、インロウ孔5とシャンク部45との芯位置合わせをより簡単且つ精度よく実施することができる。
そして、連結部11に対する下台16の角度がX軸回りに調整可能となっているので、インロウ孔5とシャンク部45との芯位置合わせをより簡単且つ精度よく実施することができる。
なお、治具における保持部は上記形態に限らず、工具ホルダを上下板で挟むように保持させたり、工具ホルダの稜線部分を支持するフレーム状としたり等、適宜形状変更可能である。
また、第1弾性手段も、上記形態ではガイドピンの増減は勿論、第1コイルバネをガイドピンと別の位置に設けたり、コイルバネに代えて板バネやゴム等の他の弾性体を用いたりして差し支えない。このような変更は第2弾性手段においても同様で、ストッパピンの先端同士を工具ホルダに当接する当接部材で連結したり、ストッパピンをなくしてストッパ板全体を下台に対してスライド可能且つ工具ホルダ側へ付勢して設け、ストッパ板を工具ホルダに弾性的に当接させたりすることも考えられる。勿論第1、第2弾性手段の省略も可能である。
また、第1弾性手段も、上記形態ではガイドピンの増減は勿論、第1コイルバネをガイドピンと別の位置に設けたり、コイルバネに代えて板バネやゴム等の他の弾性体を用いたりして差し支えない。このような変更は第2弾性手段においても同様で、ストッパピンの先端同士を工具ホルダに当接する当接部材で連結したり、ストッパピンをなくしてストッパ板全体を下台に対してスライド可能且つ工具ホルダ側へ付勢して設け、ストッパ板を工具ホルダに弾性的に当接させたりすることも考えられる。勿論第1、第2弾性手段の省略も可能である。
一方、連結部においては、下台の角度調整をなくして固定板に下台を直接連結したり、下台を固定板に対してC軸と平行な軸回りで回転可能に連結したりしてもよい。
また、上記形態での連結部は、固定板を位置決めピン及び取付ボルトによってチャックに連結する構造となっているが、固定板と取付ボルトのみでもよいし、これらの構造に代えて、チャックが直接把持可能な六角軸部や円柱部とすることもできる。このようにチャックを利用すれば、治具自体の着脱作業が簡略でき、着脱に係る作業性の一層の向上に繋がる。
さらに、X軸は例えば30°傾いた方向でもよく、移動するのは主軸でもよい。加えて、タレットの回転方向はX軸回りとすることもできる。
その他、本発明は、横旋盤に限らず、立旋盤等の他の工作機械にも適用可能である。
また、上記形態での連結部は、固定板を位置決めピン及び取付ボルトによってチャックに連結する構造となっているが、固定板と取付ボルトのみでもよいし、これらの構造に代えて、チャックが直接把持可能な六角軸部や円柱部とすることもできる。このようにチャックを利用すれば、治具自体の着脱作業が簡略でき、着脱に係る作業性の一層の向上に繋がる。
さらに、X軸は例えば30°傾いた方向でもよく、移動するのは主軸でもよい。加えて、タレットの回転方向はX軸回りとすることもできる。
その他、本発明は、横旋盤に限らず、立旋盤等の他の工作機械にも適用可能である。
1・・主軸、2・・チャック、3・・タレット、4・・装着面、5・・インロウ孔、10・・工具ホルダ着脱用治具、11・・連結部、12・・保持部、13・・固定板、14・・位置決めピン、15・・取付ボルト、16・・下台、17・・上台、22・・調整ボルト、25・・ガイドピン、28・・第1コイルバネ、29・・ストッパ板、30・・ストッパピン、33・・第2コイルバネ、40・・工具ホルダ、41・・本体、45・・シャンク部、46・・ボルト。
Claims (5)
- ワークを把持するチャックを備えて回転可能な主軸と、工具ホルダから突出したシャンク部が挿入可能なインロウ孔を周面又は端面に有するタレットとを備え、前記主軸又はタレットがX軸及びZ軸方向に移動可能な工作機械において、前記タレットに対して前記工具ホルダの着脱を行うために用いる治具であって、
前記チャックに連結可能な連結部と、その連結部に連設され、前記工具ホルダを前記シャンク部が前記タレット側へ向く姿勢で保持可能な保持部とを備えたことを特徴とする工具ホルダ着脱用治具。 - 前記保持部に、前記工具ホルダを上下方向で弾性支持する第1弾性手段と、前記シャンク部の挿入方向で弾性支持する第2弾性手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の工具ホルダ着脱用治具。
- 前記連結部に対する前記保持部の角度をX軸回りに調整可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の工具ホルダ着脱用治具。
- ワークを把持するチャックを備えて回転可能な主軸と、工具ホルダから突出したシャンク部が挿入可能なインロウ孔を周面又は端面に有するタレットとを備え、前記主軸又はタレットがX軸及びZ軸方向に移動可能な工作機械において、前記タレットのインロウ孔に前記工具ホルダのシャンク部を挿入させて前記タレットに前記工具ホルダを装着する方法であって、
前記チャックに、請求項1乃至3の何れかに記載の工具ホルダ着脱用治具の連結部を連結し、前記工具ホルダ着脱用治具の保持部に、前記工具ホルダを前記シャンク部が前記タレット側へ向く姿勢で保持させて、前記チャックの回転及び/又は前記主軸若しくは前記タレットの移動によって前記インロウ孔とシャンク部との芯位置を合わせた後、前記主軸又は前記タレットを前記工具ホルダが前記タレットに接近する方向へ移動させて前記インロウ孔に前記シャンク部を挿入させることを特徴とする工具ホルダの装着方法。 - ワークを把持するチャックを備えて回転可能な主軸と、周面又は端面に設けたインロウ孔に工具ホルダのシャンク部を挿入させて前記工具ホルダを装着したタレットとを備え、前記主軸又はタレットがX軸及びZ軸方向に移動可能な工作機械において、前記タレットから前記工具ホルダを取り外す方法であって、
前記チャックに、請求項1乃至3の何れかに記載の工具ホルダ着脱用治具の連結部を連結し、前記タレットを前記工具ホルダ着脱用治具側へ移動させて前記工具ホルダを前記保持部にセットし、前記工具ホルダとタレットとの連結を解除した後、前記主軸又は前記タレットを前記工具ホルダ着脱用治具が前記タレットから離れる方向へ移動させて、前記工具ホルダを前記保持部に残して前記インロウ孔から前記シャンク部を抜き取ることを特徴とする工具ホルダの取り外し方法。
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