JP5170896B2 - 光ファイバケーブルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバケーブルの製造方法に関し、特に、スロットロッドに複数枚の光ファイバテープ心線を収容してなるスロット型光ファイバケーブルの製造方法に関する。
従来、スロットロッドの外周面に軸方向に沿って螺旋状に形成された収納溝に、複数枚の光ファイバテープ心線が積層状態で収容されたスロット型光ファイバケーブルが知られている(例えば、特許文献1)。光ファイバテープ心線は、複数本の光ファイバを並列に配列し、これを被覆材で一括被覆して構成されている。
スロット型光ファイバケーブルにおいては、積層した光ファイバテープ心線(以下、テープ心線積層体と称する)の厚さに比べて溝の深さを大きく設計し、クリアランスを設けることで、ケーブルが曲げられたときなどに伝送損失が増加するのを防止できるようにしている。すなわち、光ファイバケーブルに曲げが加えられる等によって収納溝の長さが短くなった場合、クリアランスがあることで光ファイバテープ心線は溝内部で緩やかに撓むことができ、これにより、光ファイバの曲げに伴う伝送損失の増加を小さくできる。
一方、収納溝の長さが長くなった場合にも、光ファイバの伝送損失の増加や光ファイバの破断を防止するために、通常、光ファイバテープ心線には余長が付与されている(溝の軌跡長よりも光ファイバテープ心線の長さが長くなっている)。すなわち、光ファイバテープ心線は、予め溝内に多少撓んだ状態で収容される。
しかし、光ファイバテープ心線に付与される余長が大きすぎると、溝内で小径で曲がった状態で収納される箇所が生じることとなり、伝送損失を増加させる要因となる。そのため、光ファイバテープ心線には設計通りの適切な余長が付与されることが重要となる。この余長は製造時残留歪特性として評価され、例えば、製造時残留歪が0.05%以下であれば適切な余長が付与されていると判断できる。
なお、光ファイバケーブルの製造時にスロットロッドに付加される張力と、光ファイバテープ心線に付加される張力を制御することにより、光ファイバテープ心線に所望の余長を付与することができる。
図4は、光ファイバケーブルの製造装置の一例を示す概略構成図である。
図4に示す光ファイバケーブル製造装置100は、スロットロッド供給部110、張力付加部120、テープ心線供給部130、テープ心線落とし込み部140、押え巻き部150、ケーブル引取部(キャプスタン式)160、ケーブル巻取部170を備えて構成される。
スロットロッド供給部110の送出ボビンから送出されたスロットロッド10は、張力付加部120の2つのローラに跨って巻回される。その後、テープ心線落とし込み部140でスロットロッド10の溝に光ファイバテープ心線20を収納し、押え巻き部150で押え巻きテープ30を巻回する。押え巻きテープ30が巻回されたスロットロッド10は、ケーブル引取部160のキャプスタンに引き取られ、ケーブル巻取部170で巻き取られる。
このとき、スロットロッド10には、張力付加部120とケーブル引取部160との間で所定の張力が付加される。この張力によりスロットロッド10は0.1%程度伸長される。
スロットロッド10に付加された張力は、スロットロッド10がケーブル引取部160に到達してキャプスタンで方向転換された時点で解放され、これに伴いスロットロッド10の長さは元に戻る。
テープ心線供給部130の送出ボビンから送出された光ファイバテープ心線20は、テープ心線落とし込み部140においてスロットロッド10の溝に収納される。このとき、光ファイバテープ心線20がスロットロッド10に対して弛まないように、光ファイバテープ心線20に対して張力(バックテンション)が付加されている。
このとき、テープ心線落とし込み部140からケーブル引取部160のキャプスタンで方向転換されるまでの落とし込み区間Lでの巻きつけ効果により、光ファイバテープ心線20とスロットロッド10との間に所定の摩擦力が発生し、これにより光ファイバテープ心線20に一定張力が付加されても光ファイバテープ心線20が長手方向(テープ心線供給部側)に移動しないようになっている。
ケーブル巻取部170において張力が解放されたとき、スロットロッド10の長さが元に戻るのに対して、光ファイバテープ心線20の長さはほぼ維持されるため、光ファイバテープ心線20に所定の余長が付与される。
一方で、光ファイバテープ心線20とスロットロッド10との間に十分な摩擦力が生じなければ、スロットロッド10がケーブル引取部160のキャプスタンで方向転換されたとき、光ファイバテープ心線20にかかる張力(バックテンション)により光ファイバテープ心線20が引き戻されてしまう。この場合、光ファイバテープ心線には、期待する余長が付与されない。
特開平7−218785号公報
上述したように、光ファイバテープ心線20に所定の余長を付与するため、すなわち製造工程において光ファイバテープ心線20にかかる張力(バックテンション)により光ファイバテープ心線20が引き戻されないようにするためには、光ファイバテープ心線20とスロットロッド10との間で所定の摩擦力が発生することが必要となる。従来は、製造ラインにおける落とし込み長Lを十分に長く確保することで所定の摩擦力を実現している。つまり、製造ラインにおける落とし込み長Lを短くすると、光ファイバテープ心線20にかかる張力(バックテンション)により光ファイバテープ心線20が引き戻され、光ファイバテープ心線20に所定の余長が付与されないこととなり、光ファイバケーブルの特性低下につながるため、製造ラインの設備長を縮小することは困難となっている。
また、製造終了時に落とし込み長Lに相当する分のスロットロッド及び光ファイバ心線は無駄となるため、落とし込み長Lが長ければそれだけ無駄となる量が増加することとなり、コスト低減の妨げとなる。
短い落とし込み長Lで所定の摩擦力を実現するためには、テープ心線積層体とスロッドロッドの溝の深さのクリアランスを小さくする方法が考えられる。しかしながら、クリアランスが小さくなると、ケーブルが曲げられたとき等に、光ファイバテープ心線20の余長を吸収するためのスペースが小さくなるため、光ファイバテープ心線20は溝内部で緩やかに撓むことができず、小さな曲率で曲がることになる。したがって、光ファイバの曲げに伴う伝送損失の増加が大きくなり、捻回特性が低下するという問題を生じる。
本発明は、スロットロッドに複数枚の光ファイバテープ心線を収容してなるスロット型光ファイバケーブルであって、製造時残留歪特性及び捻回特性を損なうことなく製造ラインの設備長を縮小できる光ファイバケーブルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、スロットロッドの外周面に軸方向に沿って螺旋状に形成された溝に、複数の光ファイバ心線を並行に並べ一括被覆した厚さ0.3mmの光ファイバテープ心線を10枚積層状態で収容したスロット型光ファイバケーブルの製造方法であって、
光ファイバテープ心線の積層の高さ:δs(mm)
溝の高さ:h(mm)
溝の撚りピッチ:p(mm)
最外層に位置する光ファイバテープ心線の中心点の層心半径:R(mm)
最も上及び最も下に積層される光ファイバテープ心線に用いられる光ファイバ心線をφ30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの損失:A(dB)
溝の深さ方向クリアランス:C=h−δs(mm)
損失係数:Dt=C・p/(A・R
前記光ファイバ心線を前記スロットロッドの溝に収容する際の落とし込み長:L(m)
としたとき、
0<C≦0.6
Dt≧2.0
A≦1
400≦p≦700
20≦L<40
を満足するように、溝の深さ方向クリアランスC、溝の撚りピッチp、光ファイバ心線をφ30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの損失A、最外層に位置する光ファイバテープ心線の中心点の層心半径Rのうち少なくとも1つを調整することを特徴とする
本発明によれば、優れた製造時残留歪特性及び捻回特性を有する光ファイバケーブルを、短い製造ラインによって製造することが可能となる。したがって、製造ラインの設置に必要な敷地面積を縮小することができるとともに、製造時に無駄となるスロットロッド及び光ファイバテープ心線の量を低減することができる。
スロット型光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。 光ファイバテープ心線の溝における収容状態を示す拡大断面図である。 実施例、比較例、従来例における各種パラメータ及び評価結果を示す説明図である。 光ファイバケーブルの製造装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、スロット型光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。
図1に示すように、スロット型光ファイバケーブル1は、スロットロッド10、光ファイバテープ心線20、押え巻きテープ30、シース40と、を備えて構成される。
スロットロッド10は、例えば、硬質ポリエチレン等の樹脂からなる。
スロットロッド10の中心部には、張力を負担するテンションメンバ11が軸方向に設けられている。テンションメンバ11は、7本の鋼線を撚り合わせた鋼撚り線で構成されている。
スロットロッド10の外周面には、軸方向に沿って13本の溝12が一方向の螺旋状に形成されている。それぞれの溝12には、10枚の光ファイバテープ心線20が収納される。
光ファイバテープ心線20は、φ250μmの光ファイバ心線21を8本並列に配列し、これを被覆材22で一括被覆して構成されている(図2参照)。被覆材22として、例えば、UV硬化樹脂等を用いることができる。
それぞれの溝12に光ファイバテープ心線20が積層して収容された状態で、スロットロッド10の外周部に押え巻きテープ30が巻回され、その周囲にシース40が押出成形により形成されている。
このように、図1に示すスロット型光ファイバケーブル1は、スロットロッド10の外周面に軸方向に沿って螺旋状に形成された溝12に、複数枚の光ファイバテープ心線20が積層状態で収容されて構成されている。
図2は、光ファイバテープ心線の溝における収容状態を示す拡大断面図である。図2を参照して、本発明で定義している各種パラメータについて説明する。
図2に示すように、スロットロッドの外径をds、溝の高さをh、積層されたすべてのテープ心線の厚さの和であるテープ積層の高さをδs、最外層に位置する光ファイバテープ心線の中心点の層心半径をRとする。溝12の深さ方向クリアランスCはC=h−δsで表される。
また、最も上及び最も下に積層される光ファイバテープ心線に用いられる光ファイバテープ心線20には、φ30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの損失(ファイバ曲げ損失)がAである光ファイバ心線21が使用されている。
このスロット型光ファイバケーブル1は図4に示す製造装置100によって製造される。ただし、シース40の形成には別の押出成形装置が使用される。この製造装置100を用いた製造方法については、従来技術と同様であるので説明を省略する。
従来は、製造ラインにおける落とし込み長Lを十分に長く確保することで(例えば、40m)、光ファイバテープ心線20とスロットロッド10との間に所定の摩擦力を発生させる。この摩擦力により光ファイバテープ心線20は溝12の長手方向に移動しないので、光ファイバテープ心線20に所定の余長を付与することができる。
ここで、落とし込み長Lを短くすると(例えば、20m)、光ファイバテープ心線20とスロットロッド10との間の摩擦力が低下するが、クリアランスCを小さくすることで損なわれる摩擦力を補うことができると考えられる。
しかし、前述したようにクリアランスCが小さくなると、溝12の軌跡長が短くなったときに、光ファイバテープ心線20の余長を吸収するためのスペースが小さくなるため、光ファイバテープ心線20は溝12内部で緩やかに撓むことができず、小さな曲率で曲がることになる。したがって、光ファイバの曲げに伴う伝送損失の増加が大きくなる(捻回特性の低下)。なお、捻回特性については後述する。
そこで、クリアランスCを小さくした場合に、他のパラメータにより捻回特性を改善できれば、落とし込み長Lを短くすることができることになる。
本発明では、上記知見に基づいて、クリアランスCを小さくしても、捻回特性が損なわれず、残留歪特性及び捻回特性がともに良好な光ファイバケーブルを提供する。
すなわち、本実施形態の光ファイバケーブル1では、テープ積層の高さをδs(mm)、溝の高さをh(mm)、溝の撚りピッチをp(mm)、最外層に位置する光ファイバテープ心線の中心点の層心半径をR(mm)、最も上及び最も下に積層される光ファイバテープ心線に用いられる光ファイバ心線をφ30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの損失をA(dB)、溝の深さ方向クリアランスをC=h−δs(mm)、損失係数:Dt=C・p/A・R としたとき、0<C≦0.6、Dt≧2.0、A≦1、400≦p≦700を満足する。
これにより、製造ラインの落とし込み長Lを20mとした場合でも、製造時残留歪を0.05%以下とすることができる。
つまり、クリアランスCを0.6mm以下とすることで、光ファイバテープ心線20とスロットロッド10との間に、光ファイバテープ心線が張力により長手方向に移動しない程度の摩擦力を生じさせることができる。
ここで、製造時残留歪とは、光ファイバケーブル1を製造後、ケーブル内に実装された光ファイバテープ心線に加わる伸び歪のことであり、一般的にはBOTDR方式により測定される。BOTDR方式の光ファイバ歪計測装置として、例えば、横河電機社製の光ファイバ歪アナライザ(型番:AQ8603)がある。製造時残留歪が0.05%以下であれば、製造時残留歪特性は良好と判断される。
また、本実施形態の光ファイバケーブル1では、損失係数Dt=C・p/A・R としたとき、Dt≧2.0を満足するように、各種寸法の設計及び使用する光ファイバの選定がなされている。これにより、クリアランスCを小さくしても、捻回特性を確保することが可能となる。
なお、損失係数Dtは、本発明者が光ファイバケーブルの各種パラメータと捻回特性との関係から見出した係数であり、Dt≧2.0を満足する場合に捻回特性が良好となることが実験的に明らかとなっている。
ここで、捻回特性とは、IEC60794−1Torsionに準じた試験であり、±90°の捻回試験を行ったときの光損失増加量で表される。光損失増加量が0.05dB以下であれば、捻回特性は良好と判断される。
以下、従来例を基準として、実施例及び比較例を挙げて、本発明の有効性について詳細に説明する。
図3は、実施例、比較例、従来例における各種パラメータ及び評価結果(捻回特性、製造時残留歪)を示す説明図である。なお、図3における製造時残留歪は、テープ心線積層体の最外層、最内層のテープ心線の歪のうち最大値である。また、図3における捻回試験時の損失は最外層のテープ心線の両端の光ファイバ心線の測定結果である。なお、捻回試験において、最も損失増加が起こりやすいのは最外層のテープ心線の両端の光ファイバ心線であるため、これらの光ファイバ心線を測定の対象としている。
(従来例)
従来例では、落とし込み長L=40m、クリアランスC=1.10mm、溝の撚りピッチ(以下、溝ピッチという。)p=500mm、最外層テープ層心径R=10.6mm、光ファイバの曲げ損失A=1.0dBとしている。
従来例に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.00%、捻回試験時の損失増加B=0.000dBである。
従来例では、クリアランスC=1.10mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしていないが、落とし込み長Lを長く確保しているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
また、損失係数Dt=4.9であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしているので捻回試験時の損失増加は管理値0.05dB以下を満足している。
(比較例1)
比較例1では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=1.10mm、溝ピッチp=500mm、最外層テープ層心径R=10.6mm、光ファイバの曲げ損失A=1.0dBとしている。すなわち、比較例1の落とし込み長Lは、従来例の1/2となっている。
比較例1に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.06%、捻回試験時の損失増加B=0.000dBである。
比較例1では、クリアランスC=1.10mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしておらず、落とし込み長Lも長く確保されていないので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足しない。なお、図3では省略しているが、クリアランスC=0.6mmを超える場合には、製造時残留歪が管理値を満足しないという結果が得られている。
一方、損失係数Dt=4.9であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしているので捻回試験時の損失増加は管理値0.05dB以下を満足している。
(実施例1)
実施例1では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=0.60mm、溝ピッチp=400mm、最外層テープ層心径R=9.9mm、光ファイバの曲げ損失A=1.0dBとしている。すなわち、実施例1のクリアランスCは、比較例1のクリアランスC=1.10mmよりも小さくなっている。
実施例1に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.03%、捻回試験時の損失増加B=0.002dBである。
実施例1では、クリアランスC=0.60mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
一方、損失係数Dt=2.4であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしているので捻回試験時の損失増加は管理値0.05dB以下を満足している。
実施例1及び比較例1の結果から、落とし込み長Lを短くする場合にはクリアランスCを小さくする、特にL=20mとしたい場合にはC≦0.6以下とすることで、製造時残留歪特性を確保できるということになる。
(比較例2)
比較例2では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=0.40mm、溝ピッチp=400mm、最外層テープ層心径R=9.4mm、光ファイバの曲げ損失A=1.0dBとしている。すなわち、比較例2のクリアランスCは、実施例1のクリアランスC=0.60mmよりもさらに小さくなっている。
比較例2に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.00%、捻回試験時の損失増加B=0.102dBである。
比較例2では、クリアランスC=0.40mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
一方、損失係数Dt=1.8であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしていないので、捻回試験時の損失増加が管理値0.05dB以下を満足していない。
(実施例2)
実施例2では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=0.40mm、溝ピッチp=700mm、最外層テープ層心径R=9.4mm、光ファイバの曲げ損失A=1.0dBとしている。すなわち、実施例2の溝ピッチpは、比較例2の溝ピッチp=400mmよりも大きくなっている。
実施例2に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.01%、捻回試験時の損失増加B=0.001dBである。
実施例2では、クリアランスC=0.40mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
一方、損失係数Dt=3.2であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしているので捻回試験時の損失増加は管理値0.05dB以下を満足している。
(実施例3)
実施例3では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=0.40mm、溝ピッチp=400mm、最外層テープ層心径R=9.4mm、光ファイバの曲げ損失A=0.6dBとしている。すなわち、実施例3のファイバ曲げ損失Aは、比較例2のファイバ曲げ損失A=1.0dBよりも小さくなっている。
実施例3に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.01%、捻回試験時の損失増加B=0.002dBである。
実施例3では、クリアランスC=0.40mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
一方、損失係数Dt=3.2であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしているので捻回試験時の損失増加は管理値0.05dB以下を満足している。
実施例2、3及び比較例2の結果から、クリアランスC≦0.4とする場合には、溝ピッチpを大きくすること又は/及びファイバ曲げ損失Aを小さくすることにより、Dt≧2.0が満たされるようにすれば、捻回特性を確保できるということになる。
(比較例3)
比較例3では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=0.20mm、溝ピッチp=400mm、最外層テープ層心径R=9.4mm、光ファイバの曲げ損失A=0.6dBとしている。すなわち、比較例3のクリアランスCは、実施例3のクリアランスC=0.40mmよりもさらに小さくなっている。
比較例3に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.00%、捻回試験時の損失増加B=0.410dBである。
比較例3では、クリアランスC=0.20mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
一方、損失係数Dt=1.6であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしていないので、捻回試験時の損失増加が管理値0.05dB以下を満足していない。
(実施例4)
実施例4では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=0.20mm、溝ピッチp=400mm、最外層テープ層心径R=9.2mm、光ファイバの曲げ損失A=0.2dBとしている。すなわち、実施例4のファイバ曲げ損失Aは、比較例3のファイバ曲げ損失A=0.6dBよりも小さくなっている。
実施例4に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.00%、捻回試験時の損失増加B=0.000dBである。
実施例4では、クリアランスC=0.20mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
一方、損失係数Dt=4.8であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしているので捻回試験時の損失増加は管理値0.05dB以下を満足している。
実施例4及び比較例3の結果から、クリアランスC=0.2mmとする場合には、さらにファイバ曲げ損失Aを小さくする(例えば、A=0.2dB)ことによりDt≧2.0が満たされるようにすれば、捻回特性を確保できるということになる。なお、図3では省略しているが、溝ピッチpを大きくする(例えばp=700mm)ことで、捻回特性を確保できるという結果も得られている。
(実施例5)
実施例5では、落とし込み長L=20m、クリアランスC=0.10mm、溝ピッチp=400mm、最外層テープ層心径R=9.2mm、光ファイバの曲げ損失A=0.2dBとしている。すなわち、実施例5のクリアランスCは、実施例4のクリアランスC=0.20mmよりもさらに小さくなっている。
実施例5に係る光ファイバケーブルでは、製造時残留歪ε=0.00%、捻回試験時の損失増加B=0.001dBである。
実施例5では、クリアランスC=0.10mmであり、本発明で規定する0<C≦0.6を満たしているので、製造時残留歪が管理値0.05%以下を満足している。
一方、損失係数Dt=2.4であり、本発明で規定するDt≧2.0を満たしているので捻回試験時の損失増加は管理値0.05dB以下を満足している。
実施例5の結果から、クリアランスC=0.1mmとする場合には、さらにファイバ曲げ損失Aを小さくすることが考えられるが、ファイバ曲げ損失Aを小さくしなくてもDt≧2.0が満たされているので、捻回特性を確保できるということになる。
上述した実施例及び比較例により、本発明で規定するクリアランスC及び損失係数Dtの有効性が明確に認識される。
本発明によれば、優れた製造時残留歪特性及び捻回特性を有する光ファイバケーブルを、短い製造ラインによって実現することが可能となる。したがって、製造ラインの設置に必要な敷地面積を縮小することができるとともに、製造時に無駄となるスロットロッド及び光ファイバ心線の量を低減することができる。
すなわち、光ファイバ心線20とスロットロッド10とのクリアランスCが小さいので、落とし込み長Lを短くしても製造時に所望の摩擦力が得られることとなり、所望の製造時残留歪特性εを満足することができる。また、規定された損失係数Dtの範囲を満たすように溝ピッチp及び/又は使用する光ファイバの曲げ特性Aが選定されているので、捻回特性が損なわれることもない。
言い換えると、落とし込み長Lを短くする場合には、所望の摩擦が得られるようにクリアランスCを小さくすることで、所望の製造時残留歪特性を満足することができる。また、損失係数Dt≧2.0に従うことにより、クリアランスCを変更することに伴い、溝ピッチp及び/又は使用する光ファイバの曲げ特性Aを、捻回特性が確保されるように容易に調整することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、光ファイバテープ心線20の積層枚数を10枚としているが、本発明はこれに限定されず、積層枚数を任意とすることができる。なお、積層枚数が多くなり(例えば、5枚以上)、各種パラメータの設計が複雑になる場合に、本発明は特に有効である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 光ファイバケーブル
10 スロットロッド
11 テンションメンバ(鋼撚り線)
12 溝
20 光ファイバテープ心線
30 押え巻きテープ
40 シース(外被)

Claims (1)

  1. スロットロッドの外周面に軸方向に沿って螺旋状に形成された溝に、複数の光ファイバ心線を並行に並べ一括被覆した厚さ0.3mmの光ファイバテープ心線を10枚積層状態で収容したスロット型光ファイバケーブルの製造方法であって、
    光ファイバテープ心線の積層の高さ:δs(mm)
    溝の高さ:h(mm)
    溝の撚りピッチ:p(mm)
    最外層に位置する光ファイバテープ心線の中心点の層心半径:R(mm)
    最も上及び最も下に積層される光ファイバテープ心線に用いられる光ファイバ心線をφ30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの損失:A(dB)
    溝の深さ方向クリアランス:C=h−δs(mm)
    損失係数:Dt=C・p/(A・R
    前記光ファイバ心線を前記スロットロッドの溝に収容する際の落とし込み長:L(m)
    としたとき、
    0<C≦0.6
    Dt≧2.0
    A≦1
    400≦p≦700
    20≦L<40
    を満足するように、溝の深さ方向クリアランスC、溝の撚りピッチp、光ファイバ心線をφ30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの損失A、最外層に位置する光ファイバテープ心線の中心点の層心半径Rのうち少なくとも1つを調整することを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
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