JP5170434B2 - リアクトル、及びコンバータ - Google Patents
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Description
車載部品に利用されるリアクトルは、車両内の設置スペースが限られているため、できるだけ設置面積が小さい小型なものが望まれる。設置面積は、コイルの軸方向に直交する直線であって隣り合うコイル間を通る直線の方向(図3の矢印の方向)から平面視したとき、端的に言うと、一対のコイルが並列した状態であって、ターン形成部をつくる巻線が並列して見えるように平面視したときの投影面積をいう。
図1(A)は、本発明リアクトルの概略を示す斜視図、(B)は、その平面図(上面図)である。以下、図中の同一符号は同一名称物を示す。リアクトル1は、一対のコイル11a,11bを具えるコイル成形体11と、これらコイル11a,11b内を通って環状に形成される磁性コア12とを主要構成部材とする。このリアクトル1は、内部に冷媒の循環路を有する冷却ベース(図示せず)に載置されて利用される。リアクトル1の最も特徴とするところは、両コイル11a,11bを繋ぐ連結部11rの形状にある。以下、各構成をより詳細に説明する。なお、平面図は、コイル11a,11bの軸方向に直交する直線であって、両コイル11a,11b間を通る直線の方向(図1(A)において上下方向)から見た図である。
コイル成形体11は、一連の巻線11wを巻回して構成され、並列に配置された一対のコイル11a,11bを具える。ここでは、巻線11wとして、導電性材料である銅からなる平角線の表面にエナメル被覆(絶縁層)を具える被覆線を用いている。コイル11a,11bは、この巻線11wをエッジワイズ巻きにして形成されており、巻線11wの一部、具体的には巻線11wにおいて両コイル11a,11b間に渡される箇所を折り返してなる連結部11rを介して接続される。巻線11wは、上記平角線以外に、断面が円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。なお、「並列に配置」とは、コイル11aの軸方向とコイル11bの軸方向とが平行するようにコイル11a,11bが同一面上に配置された状態をいう。
図2(A)は、本発明リアクトルに具える磁性コアの概略を示す正面図、(B)は、本発明リアクトルの概略を示す正面図、(C)は、従来のリアクトルの正面図である。磁性コア12は、各コイル11a,11b(図1)内にそれぞれ配置される一対の直方体状のコイル巻回部12cと、両コイル11a,11bが配置されず、両コイル11a,11bから露出する一対の端部コア12eとを有する。この磁性コア12は、離間して配置されたコイル巻回部12cを挟むように端部コア12eが配置されて閉ループ状に形成される。磁性コア12は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性材料からなる磁性体部12mとアルミナなどの非磁性材料からなるギャップ材(インダクタンス調整用部材)12gとからなる。磁性体部12mは、複数のコア片を組み合わせて構成される。特に、各コイル巻回部12cは、コア片12cpとギャップ材12gとを交互に積層して構成される。各コア片は、軟磁性粉末の圧粉成形体や、複数の電磁鋼板を積層した積層体が利用できる。
コイル成形体11と磁性コア12との組合体には、インシュレータ13も設けられている(図1では省略)。インシュレータ13は、コイル巻回部12cの外周を覆う筒状部(図示せず)と、コイル11a,11bの端面(コイルのターンが環状に見える面)に当接される枠状部13fとを具える。筒状部は、半割れの角筒片同士を係合することでコイル巻回部12cの外周を容易に覆うことができる。枠状部13fは、筒状部の両端部に対向配置され、コイル11a,11bの端面に当接する一対の矩形枠である。インシュレータは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁材料が利用できる。なお、図2(B)において連結部11rは、巻線11wの一部に重なって見えない(図1(B)参照)。一方の枠状部13fは、連結部11rと端部コア12eとの間を配置されて、連結部11rと端部コア12e間を絶縁する。
上記コイル成形体11と磁性コア12との組合体は、アルミニウムといった金属製ケースに収納され、ケース内に充填されるポッティング樹脂(例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂)により封止された構造とすることができる。この場合、ケースに磁性コアを固定し、このケースを冷却ベースに固定する。磁性コアのケースへの固定は、上記ポッティング樹脂により行ってもよいし、磁性コア自体に固定用ボルトが貫通される貫通孔を設けてもよいし、帯状の固定部材を端部コアに配置し、この固定部材をケースに固定することで行ってもよい。
上記リアクトル1は、両コイル11a,11bを連結する連結部11rにおいて巻線が折り返された箇所を形成する巻線同士が接触していると共に、両コイル11a,11bが内接する仮想外形内に連結部11rが位置する。そのため、端部コア12eにおいて連結部11rが存在する側の面の全面に亘って、コイル巻回部12cの表面よりも突出させることができる。従って、実施形態1のリアクトル1に具える端部コア12eの体積と、図3に示す従来のリアクトル100に具える端部コア120eの体積とを等しくした場合、リアクトル1におけるコイルの軸方向の長さL1は、リアクトル100の長さL100よりも短い(図2(B)と図2(C)とを比較参照)。そのため、実施形態1のリアクトル1は、従来のリアクトル100よりも設置面積が小さく、小型である。
実施形態1では、巻線の断面積が変化するほど連結部を押し潰した構成を説明したが、巻線の断面積を変えない程度に、かつ巻線同士が接触するように押し潰された構成としてもよい。この構成により、端部コアにおいて連結部が存在する側の面(但し、連結部の配置箇所を除く)をコイル巻回部よりも突出させることができる。かつ、この構成は、巻線の断面積が変化しないため、導体断面積を十分に確保することができる。
実施形態1では、連結部11rが両コイル11a,11bのターン形成部の外周面と面一であり、かつコイル11a,11bに接した形態を説明したが、連結部がターン形成部よりも上方に位置するようにコイル11a,11b間の巻線を取り回してもよい。この場合、折り返された箇所がコイルに接していないので、プレス加工が行い易い。
実施形態1では、コイル成形体11及び磁性コア12において、冷却ベース側の面及びこの面と対向する面(連結部11rが存在する側の面)の双方がそれぞれ面一である構成を説明したが、双方が面一でない構成とすることができる。例えば、端部コアにおいて冷却ベース側の面をコイル巻回部と面一としてもよい。
11 コイル成形体 11a,11b コイル 11r 連結部 11w 巻線 11o 重複部
11e 巻線の端部 12 磁性コア 12e 端部コア 12c コイル巻回部
12m 磁性体部 12g ギャップ材 12cp コア片 13 インシュレータ
13f 枠状部
100 リアクトル 110 コイル成形体 110w 巻線 110a,110b コイル
110r 連結部 120 磁性コア 120e 端部コア
Claims (5)
- 一連の巻線から構成され、この巻線の一部からなる連結部を介して接続される一対のコイルを具えるリアクトルであって、
前記巻線は、導電性材料からなる平角線と、平角線の表面を覆う絶縁層とを具える被覆線であり、
前記両コイルは、並列に配置され、
前記連結部は、前記巻線が接触するように折り重ねられた重複部を有し、
前記折り重ねられた巻線において向かい合う側の絶縁層が除去されており、平角線同士が接触していることを特徴とするリアクトル。 - 前記各コイル内のそれぞれに配置される一対のコイル巻回部と、これらコイルが配置されずに前記コイルから露出する端部コアとを有する環状の磁性コアを具え、
前記端部コアにおいて前記連結部が存在する側の面は、前記コイル巻回部の表面よりも突出していることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。 - 前記両コイルが内接する仮想外形内に、前記連結部が位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
- 前記両コイルの外周面と、前記連結部と、前記端部コアの突出箇所とが面一であることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトルを具えることを特徴とするコンバータ。
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