JP5169406B2 - 演算処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに演算処理方法 - Google Patents

演算処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに演算処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の画素に基づく画素補間の技術に関する。
液晶パネルを用いたプロジェクタや液晶ディスプレイ等の画像表示装置では、液晶の特性の経時変化やプロジェクタの光学特性などに起因して色ムラが発生することがある。そこで、各画素に対して輝度が均一とするように補正値を与えて色ムラを抑制する技術が提案されている(特許文献1,2参照)。このような色ムラ抑制技術において、各画素に与える補正値を複数の代表画素に与えた補正値に基づき補間する構成が提案されている。これは、補正値を記憶する記憶容量の節約などを目的とする。
特開2004−158941号公報 特開2007−241262号公報
各画素の補正値を代表画素の補正値の一次補間により算出する場合には、2つの代表画素の間の距離を用いた除算を行う必要がある。この除算で用いる2つの代表画素間の距離は、代表画素を碁盤目状に配置する構成おいて代表画素の数によって変わり得る。具体的には、より精度の高い補間を行うことを目的として代表画素の数をより多く配置する場合には、代表画素間の距離はより短くなる。したがって、補間精度をユーザが選択することができる構成の画像表示装置では、補間精度の高低に応じて代表画素間の距離が大きく変化し得る。このような場合、前述の一次補間における除算を行うための回路規模が比較的大きくなってしまうという問題があった。
なお、上記問題は、液晶パネルや液晶ディスプレイを用いた画像表示装置に限らず、プラズマディスプレイ等、他の画像表示装置においても発生し得る。また、一次補間に限らず二次補間などの複数の画素を用いて補正値を補間する場合に発生し得る。また、補間により補正値を決定する場合に限らず、補間により各画素の画素値を決定する場合にも上記問題は発生し得る。すなわち、一般には、複数の画素間の距離による除算の他、複数の画素で囲まれる面積による除算など、複数の画素間の距離に関連する値による除算を行って画素補間を行う場合において、上記問題は発生し得る。
本発明は、回路規模が大型化するのを抑制しつつ、複数の画素間の距離に関連する値による除算処理を実行して画素補間を実現し得る技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]複数の画素間の距離に関連する距離関連値による除算処理を行い、画素補間を行うための演算処理装置であって、前記複数の画素間の距離を取得する距離取得部と、前記複数の画素間の距離に基づき前記距離関連値を算出する距離関連値算出部と、所定数値範囲内の第1の変数を掛け合わせる乗算処理を行う第1の演算部と、2のべき乗による除算処理を行う第2の演算部と、前記距離関連値に基づき前記第1の変数の値と前記2のべき乗における指数の値とを決定する決定部と、を備え、前記演算処理装置は、前記第1の演算部を用いた乗算処理と、前記第2の演算部を用いた除算処理と、によって、前記距離関連値による除算処理を実行する、演算処理装置。
適用例1の演算処理装置では、第1の変数は所定範囲内の数値であるために、第1の演算部の回路規模を比較的小さくすることができ、また、2のべき乗による除算処理も比較的小規模な回路構成で実現できるので、回路規模が大型化するのを抑制しつつ、複数の画素間の距離に関連する値による除算を行い画素補間を実現することができる。
[適用例2]適用例1に記載の演算処理装置において、前記決定部は、前記距離関連値と前記所定数値範囲とに基づき、前記指数の値を決定する、演算処理装置。
このようにすることで、距離関連値が様々な値をとり得る場合においても、第1の変数を所定範囲内の数値に収めることができるので、回路規模の大型化を抑制できる。
[適用例3]適用例2に記載の演算処理装置であって、さらに、前記距離関連値が式1で示す前記所定数値範囲である場合に、式2の変換式を用いて前記距離関連値を一時対応値に変換する変換部と、前記一対応値から前記第1の変数の値を決定するための変換用テーブルと、を備え、前記決定部は、(i)前記一時対応値に基づき、前記変換用テーブルを参照して前記第1の変数の値を決定し、(ii)式3の導出式を用いて前記指数の値を決定し、前記変換用テーブルは、前記一時対応値と前記第1の変数の値とを、式4によって対応付けている、演算処理装置。
Figure 0005169406
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このようにすることで、第1の変数Mの数値範囲を2^(n−1)≦M<2^nとすることができる。したがって、変数nを調整することで、演算精度と演算処理装置の回路規模とを調整することができる。具体的には、変数nをより大きくすることで回路規模はより大きくなるが、演算精度をより高くすることができる。また、変数nをより小さくすることで演算精度はより低くなるが、回路規模をより小さくすることができる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれか一項に記載の演算処理装置において、前記演算処理装置は、画像を構成する複数の画素のうち、複数の代表画素にそれぞれ与えられる特徴量に基づき、前記複数の代表画素とは異なる対象画素についての特徴量を算出する際に、前記距離関連値による除算処理を行う、演算処理装置。
このようにすることで、回路規模が大型化することを抑制しつつ、代表画素の特徴量に基づき、対象画素の特徴量を算出することができる。したがって、例えば、画素補間を行うために各代表画素から対象画素までの距離に応じた重み付けを行って対象画素の特徴量を算出するための回路を比較的小さく構成することができる。
[適用例5]適用例1に記載の演算処理装置を備える画像表示装置。
このようにすることで、画像を表示する際の各画素の特徴量を、回路規模が大型化するのを抑制しつつ算出することができ、画像表示装置の製造コストを低廉に抑えることができる。
[適用例6]複数の画素間の距離に関連する距離関連値による除算処理を行い、画素補間を行うための演算処理方法であって、(a)前記複数の画素間の距離を取得する工程と、(b)前記複数の画素間の距離に基づき前記距離関連値を算出する工程と、(c)所定数値範囲内の第1の変数を掛け合わせる乗算処理を行う工程と、(d)2のべき乗による除算処理を行う工程と、(e)前記距離関連値に基づき前記第1の変数の値と前記2のべき乗における指数の値とを決定する工程と、を備える、演算処理方法。
適用例5の特徴量決定方法では、第1の変数は所定範囲内の数値であるために、工程(c)を実現するための回路規模を比較的小さくすることができ、また、2のべき乗による除算処理も比較的小規模な回路構成で実現できるので、回路規模が大型化するのを抑制しつつ、複数の画素間の距離に関連する値による除算を行い画素補間を実現することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、特徴量決定方法や演算処理装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1の実施例:
B.第2の実施例:
C.第3の実施例:
D.第4の実施例:
E.変形例:
A.第1の実施例:
A1.装置構成:
図1は、本発明の第1の実施例における演算処理装置を適用したプロジェクタの概略構成を示す説明図である。このプロジェクタ100は、投写型プロジェクタであり、スクリーンScに画像を投写表示させることができる。プロジェクタ100は、A/D変換部102と、画像メモリ103と、撮像部104と、撮像制御部105と、液晶パネル駆動部106と、画像処理部110と、画像投写部112と、CPU120と、メモリ122と、操作パネル124とを備えている。
A/D変換部102は、DVDプレーヤやパーソナルコンピュータなどから出力されたアナログ画像信号を入力し、これらアナログ画像信号をディジタル画像信号に変換する。画像メモリ103は、A/D変換後の画像データを格納する。撮像部104はプロジェクタ100の前面に配置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラを備え、スクリーンScに投写された画像を撮像して、RGBの各階調値から成る画像データを得ることができる。撮像制御部105は、撮像部104を制御する。画像投写部112は、液晶パネル114や図示しない照明光学系及び投写光学系を備え、画像光をスクリーンScに向けて投写する。画像処理部110は、色ムラ補正回路110aと、色ムラ補正用メモリ111と、を備えている。色ムラ補正回路110aは、投写画像の色ムラを補正するための回路である。色ムラ補正用メモリ111は、変数M決定用テーブルMtbと、補正値格納部111bと、を備えている。補正値格納部111bは、色ムラ補正を行う際に用いる補正値を格納する。画像処理部110は、画像の色ムラ補正の他、画像の明るさやコントラスト等の画像処理を実行して画像メモリ103に画像処理後の画像データを格納する。液晶パネル駆動部106は、画像処理部110による画像処理後の画像データに基づいて液晶パネル114を駆動する。メモリ122には、図示しない色ムラ補正用プログラムが格納されており、CPU120は、このプログラムを実行することにより、色ムラ補正制御部120aとして機能する。操作パネル124は、ボタンやタッチパネルにより構成されている。
A2.色ムラ補正の概要:
プロジェクタ100(図1)では、画像を投写表示する際に色ムラ補正を行う。具体的には、色ムラ補正制御部120aは、色ムラ補正回路110aを制御して各画素の補正値を決定し、その補正値を用いて画像データを補正することにより色ムラ補正を行う。このとき、色ムラ補正制御部120aは、各画素のうち、所定の画素間隔(ピッチ)ごとに位置する画素(以下、「代表画素」と呼ぶ)に設定されている補正値を用いて二次補間を行って各画素の補正値を決定するようにしている。
図2は、プロジェクタ100における各画素の補正値の決定方法を模式的に示す説明図である。プロジェクタ100では、液晶パネル114の各画素を所定の大きさの正方形のブロックに分け、各ブロックの頂点を代表画素とする。これら代表画素の補正値は、予め補正値格納部111b(図1)に格納されている。色ムラ補正制御部120aは、各ブロック内に配置されている各画素について、当該ブロックの頂点に位置する4つの代表画素の補正値を用いて二次補間を行って補正値を決定する。なお、代表画素の補正値の設定については後述する。
図2の例では、ブロックBn内の画素NPの補正値Zの決定方法について示している。なお、図2の例では、各ブロックは1辺が11(ピッチ)の正方形であり、ブロックBnの頂点に位置する4つの画素SP1,SP2,SP3,SP4は代表画素として設定されている。代表画素SP1には補正値Aが設定されている。また、代表SP2には補正値Bが、代表画素SP3には補正値Cが、代表画素SP4には補正値Dが、それぞれ設定されている。画素NPは、代表画素SP1から右に2(ピッチ)、下に3(ピッチ)だけ離れて位置している。
色ムラ補正制御部120aは、画素NPの補正値を決定する際に、より近い代表画素に設定されている補正値に対してより大きな重み付けをして二次補間をするようにしている。具体的には、色ムラ補正制御部120aは、色ムラ補正回路110aを制御して、下記式5に相当する処理を行っている。
Figure 0005169406
上記式5において、「K」は代表画素間の横の距離を示す。また、「L」は代表画素間の縦の距離を、「X」はブロックBnの左辺から画素NPまでの距離を、「Y」はブロックBnの上辺から画素NPまでの距離を、それぞれ示す。「A」〜「D」は、上述したとおり、4つの代表画素SP1〜SP4の補正値である。なお、「K×L」は、ブロックBnの面積であり、請求項における距離関連値に相当する。上記式5に示すように、補正値Zの決定において、値「K×L」による除算を行う必要がある。色ムラ補正回路110aでは、かかる除算部分を、変数Mの乗算と2のべき乗による除算とで実行するようにしている(下記式6参照)。
Figure 0005169406
これは、2のべき乗(2^i)による除算部分は、ビットシフトすることにより実現でき、比較的小規模の回路で構成することができるからである。
ここで、プロジェクタ100では、色ムラ補正の補正精度をユーザが選択できるように構成されている。具体的には、プロジェクタ100では、高い精度での色ムラ補正を行うモード(高精度モード)と、比較的低い精度での色ムラ補正を行うモード(低精度モード)との2種類が設定されている。ユーザは、操作パネル124に表示されたメニュー画面(図示省略)から、この色ムラ補正のモードを選択することができる。各モードの違いは、前述の二次補間を行う際の処理単位となるブロックの大きさの違いを意味する。すなわち、高精度モードでは比較的小さなブロックを用いて二次補間を行い、低精度モードでは比較的大きなブロックを用いて二次補間を行う。比較的小さなブロックを用いることで、補間を行うべき画素数が少なくなるために補正値の精度が高くなり、また、代表画素と補間により補正値を決定する画素(以下、「対象画素」とも呼ぶ)との距離が短くなるので、決定される補正値の精度が高くなる。本実施例では、高精度モードでは、各ブロックの大きさは前述の1辺が11(ピッチ)の正方形である。一方、低精度モードでは、各ブロックの大きさは1辺が207(ピッチ)の正方形である。なお、上記例に限らず、各モードにおけるブロックの大きさは任意の大きさとすることができる。
このように、プロジェクタ100では、色ムラ補正のモードに応じて、処理単位のブロックの大きさが異なるため、上記式5における「K×L」の値も「121」又は「42849」と大きく異なることとなる。それに伴い、上記式6における変数Mの値も大きく異なり回路規模が大きくなるおそれがある。しかしながら、後述する色ムラ補正回路110aでは、回路規模を大型化することなく、式6に相当する演算処理を実行可能に構成されている。
なお、前述の色ムラ補正回路110cと色ムラ補正制御部120aとは、請求項における演算処理装置に相当する。また、前述の補正量は請求項における特徴量に、色ムラ補正制御部120aは請求項における距離取得部に、変数M決定用テーブルMtbは請求項における変換用テーブルに、それぞれ相当する。
A3.代表画素の補正値の設定方法:
プロジェクタ100(図1)では、起動時においてテスト用画像を投写表示し、スクリーンScに投写表示された画像を撮像部104によって撮像して画像データを得る。テスト用画像としては、例えば、一面グレー(R:128,G:128,B:128)の画像を用いることができる。また、このテスト用画像データは、予めメモリ122に格納しておくことができる。色ムラ補正制御部120aは、撮像により得られた画像データとテスト用画像データとに基づき、代表画素となるべき位置の画素について、これら画像データの差分を求めて補正値を決定し、補正値格納部111bに格納する。例えば、或る代表画素の実測データが(R:120,G:120,B:128)であれば、補正値として(R:+8,G:+8,B:0)が決定され補正値格納部111bに格納される。このように代表画素のみを対象として実測データから補正値を求めるのは、色ムラ補正用メモリ111の記憶容量を節約するためである。なお、代表画素の補正値の決定は、上述したプロジェクタ100の起動時以外にも、ユーザが色ムラ補正モードを操作パネル124において選択した直後や、プロジェクタ100の電源オフ時など、任意のタイミングで行うことができる。
A4.対象画素の補正値の決定方法:
図3は、図1に示す色ムラ補正回路110aの詳細構成を示す説明図である。色ムラ補正回路110aは、5つの乗算器11,12,13,14,30と、加算器20と、ビットシフト回路40と、浮動小数点化逆数回路50と、を備えている。図3の例では、図2に示す画素NPの補正値Zを決定する場合を示している。乗算器11には、色ムラ補正制御部120aから「K−X」,「L−Y」,「A」の各変数の値が入力され、乗算器11は、これらの値を掛け合わせる。同様に、乗算器12は色ムラ補正制御部120aから入力された「X」,「L−Y」,「B」の各変数の値を、乗算器13は色ムラ補正制御部120aから入力された「K−X」,「Y」,「C」の各変数の値を、乗算器14は色ムラ補正制御部120aから入力された「X」,「Y」,「D」の各変数の値を、それぞれ掛け合わせる。なお、色ムラ補正制御部120aは、変数K,Lの値として、ユーザにより選択された色ムラ補正のモードに応じた値を各乗算器11〜14に入力する。例えば、高精度モードが選択されている場合には、K,Lの値として、いずれも「11」を入力する。加算器20は、乗算器11〜14における演算結果を足し合わせる。
浮動小数点化逆数回路50には、色ムラ補正制御部120aから変数K,Lの各値が入力され、浮動小数点化逆数回路50は、前述の変数M(図2)の値と、2のべき乗(2^i)における指数「i」の値とを決定する。色ムラ補正制御部120a(図3)は、決定した変数Mの値を乗算器30に入力し、指数iの値をビットシフト回路40に入力する。乗算器30は、加算器20から入力される値と、浮動小数点化逆数回路50から入力される変数Mの値とを掛け合わせ、演算結果をビットシフト回路40に入力する。ビットシフト回路40は、シフトレジスタ等からなり、乗算器30から入力された演算結果を、浮動小数点化逆数回路50から入力された指数「i」の値だけビットシフトして補正値Zを得る。
なお、前述の乗算器30は請求項における第1の演算部に相当する。また、変数Mは、第1の変数に、ビットシフト回路40は請求項における第2の演算部に、浮動小数点化逆数回路50は請求項における決定部に、それぞれ相当する。
ここで、浮動小数点化逆数回路50は、前述の変数Mの値が所定の数値範囲に収まるように、変数Mの値と、指数iの値とを決定するように構成されている。具体的には、浮動小数点化逆数回路50は、変数Mの値が、下記式7で表わされる数値範囲に収まるように、変数Mの値と、指数iの値とを決定する。
Figure 0005169406
上記式4において指数「n」は、整数である。この指数nの値は、予め定めた値とすることもでき、また、ユーザが操作パネル124のメニュー画面から設定することもできる。図3の例では、指数nの値は「10」であり、2^9(512(10進法))≦M<2^10(1024(10進法))となっている。プロジェクタ100では、変数Mの値の範囲を所定範囲内に収めることによって、乗算器30の回路規模を比較的小さくするように構成されている。
図4は、図3に示す浮動小数点化逆数回路50の詳細構成を示す説明図である。浮動小数点化逆数回路50は、乗算器52と、正規化回路54と、変数M決定回路56と、指数i決定回路58とを備えている。乗算器52には、色ムラ補正制御部120aから変数K,Lの各値が入力され、乗算器52は、これら変数K,Lの値を掛け合わせ、演算結果を正規化回路54と指数i決定回路58とに出力する。正規化回路54は、乗算器52から入力される演算結果(K×L)を、所定の数値範囲内の一時対応値Gに変換して、変数M決定回路56に出力する。変数M決定回路56は、正規化回路54から入力された一時対応値Gに基づき、変数M決定用テーブルMtb(図1)を参照して変数Mを決定して乗算器30(図3)に出力する。指数i決定回路58は、乗算器52から入力された演算結果(K×L)に基づき、指数iの値を決定してビットシフト回路40(図3)に出力する。なお、前述の乗算器52は、請求項における距離関連値算出部に相当する。また、前述の正規化回路54は、請求項における変換部に相当する。
低精度モード(K,L=207)が選択され、上記式7における指数nが「10」である場合について、変数Mの値と指数iの値との決定方法について具体的に説明する。乗算器52には、変数K,Lの値として「207」が入力されるので、乗算器52は、「42849(10進法)」を出力する。なお、実際の出力する値は2進数である。正規化回路54は、入力された演算結果(2進法)の上位nビットを取り一時対応値Gとする。ここで、「n」は前述の指数nの値である。なお、演算結果(2進法)がnビットよりも小さい場合には、足りない桁に「0」を設定して一時対応値Gを得る。
図5は、正規化回路54における処理結果の得られる一時対応値Gの一例を示す説明図である。図5において、上段は変数K,Lの値が207の場合に得られる一時対応値Gを示し、下段は変数K,Lの値が11の場合に得られる一時対応値Gを示している。変数K,Lの値が207の場合には、K×Lの値は42849(10進法)であるので、上位10ビットを取った場合には、一時対応値Gは、669(10進法)となる。変数K,Lの値が11の場合には、K×Lの値は121(10進法)であり7ビットで表現される。したがって、下位3ビットを「0」に設定して、一時対応値G「0d968」を得る。以上の正規化回路54における処理は、下記式8に示す演算処理に相当する。
Figure 0005169406
上記式8において「n」は、前述の指数nの値であり、uは、下記式9に示すK×Lの数値範囲における指数uを意味する。なお、K×Lが42849(10進法)の場合、指数uは、「16」となる。
Figure 0005169406
すなわち、上記式8,9の意味するところは、K×Lの値を、下記式10に示す数値範囲内の値に正規化した値(一時対応値G)に変換することである。なお、指数nをより大きな値として設定するほど演算精度は向上するが、回路規模はより大きくなる。したがって、ユーザは、演算精度と回路規模とを勘案して適切な指数nの値を予め実験等によって得ておき設定することができる。
Figure 0005169406
変数M決定回路56(図4)には、上述したように、「669(10進法)」が入力されるので、変数M決定回路56は、この「669(10進法)」に基づき、変数M決定用テーブルMtbを参照して変数Mの値を決定する。
図6は、図1に示す変数M決定用テーブルMtbの設定内容を模式的に示す説明図である。変数M決定用テーブルMtbは、前述の指数nの値ごとに用意された複数のテーブルで構成されており、各テーブルでは、一時対応値Gと変数Mとが対応付けられている。図6では、指数nの値が「10」の場合のテーブル内容を示している。ここで、一時対応値Gの値と変数Mの値とは、下記式11に示す関係が成立するように設定されている。なお、一時対応値Gの値として「669(10進法)」(低精度モード)、及び「968(10進法)」(高精度モード)以外の値についても設定されているのは、プロジェクタ100において、上述した高/低の2モード以外にも任意の精度で(K,Lが任意の長さで)補間を行う場合にも対応し得るためである。
Figure 0005169406
前述のように、一時対応値Gの値が「669(10進法)」の場合には、変数M決定用テーブルMtbを参照して、変数Mの値として、「783(10進法)」が決定されることとなる。
一方、指数i決定回路58(図4)にも、乗算器52の演算結果「42849(10進法)」が入力される。指数i決定回路58は、下記式12に示す演算を行って、指数iの値を決定する。
Figure 0005169406
上記式12において、変数uは、前述の式9における指数uと同じ値である。また、変数nは、前述の式7における指数nの値と同じである。したがって、上述したように、K,L=207であり、指数nが「10」であり、指数uが「16」であれば、指数iの値として「25」が決定される。以上の処理によって、変数Mを上記式7の数値範囲に収めつつ、K×Lによる除算演算処理(図1)が可能となる。ここで、上記浮動小数点化逆数回路50における処理の原理について、図7を用いて説明する。
図7は、浮動小数点化逆数回路50によって変数M及び指数iの各値を決定する原理を模式的に示す説明図である。図7において、最上段は、上記式8に相当する。この式8から1/KL(上記式5,図2参照)を求める算出式を導くと、下記式13を得ることができる。
Figure 0005169406
式13では、「2^(2n−1)/G」の数値範囲が、下記式14に示す数値範囲となるようにしている。すなわち、上述したように、一時対応値Gの数値範囲は上記式10に示す範囲となっているので、1/Gに対して、2^(2n−1)を掛け合わせることで、「2^(2n−1)/G」の数値範囲は、下記式14に示す数値範囲となる。
Figure 0005169406
したがって、この「2^(2n−1)/G」を変数Mとして決定し、式13における「n+u−1」を指数iとして決定することで、変数Mを所定の数値範囲(式7参照)に収めつつ、K×Lによる除算処理(図1,式5参照)を行うことが可能となる。そして、上述した正規化回路54における処理は、K×Lの値を、上記式10に示す数値範囲内の値に正規化した値(一時対応値G)に変換することで1/Gの値を所定の数値範囲の値にする処理に相当する。また、上述した変数M決定回路56における処理は、1/Gに対して、2^(2n−1)を掛け合わせる処理に相当する。また、上述した指数i決定回路58の処理は、式13における「n+u−1」を求める演算処理に相当する。
図8は、本実施例において算出される変数Mと補正値Zとを示す説明図である。図8において、各変数(K,L,i等)は、上述した各変数を意味する。また、「実際のZ」とは、上記色ムラ補正回路110a(図3)を用いずに算出した場合の補正値Z(机上計算結果)を、「回路出力Z」とは、上記色ムラ補正回路110aを用いて算出した補正値Zを、「誤差」とは、「実際のZ」から「回路出力Z」を引いた値を、それぞれ意味する。
上述したように、低精度モード(K,L=207)の場合には、変数Mの値は「783(10進法)」となる。また、高精度モード(K,L=11)の場合には、変数Mの値は「542(10進法)」となる。変数M値は、式7に示す値に正規化されているので、n=10の場合には、浮動小数点化逆数回路50や乗算器30では、変数Mを扱うのに少なくとも9ビットを必要とする。なお、色ムラ補正回路110aにおいて決定される補正値Zの誤差は、高精度モードと低精度モードとのいずれにおいても「1」以下となっている。
図9は、比較例としての従来における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。この従来の色ムラ補正回路1000は、浮動小数点化逆数回路50に代えて変数M決定回路49を備えている点と、ビットシフト回路40に代えてビットシフト回路40aを備えている点とにおいて、上述した第1の実施例の色ムラ補正回路110a(図3)と異なる。ビットシフト回路40aでは、シフトするビット数は予め定められている。このシフトビット数は、回路出力の補正値Zと、机上計算結果(「実際のZ」)との誤差が極めて小さくなる(1以下となる)ように、予め実験等により最適化されている。
図10は、図9に示すビットシフト回路40aのシフトビット数を変えた場合における補正値Z及び変数Mの値を示す説明図である。図10の例では、i(シフトビット数)=14のパターン(パターンα)と、i=16のパターン(パターンβ)と、i=20のパターン(パターンγ)と、i=21のパターン(パターンδ)とにおける、色ムラ補正回路1000から出力される補正値Z(「回路出力Z」)と、机上計算による補正値Z(「実際のZ」)とを示している。なお、図10に示す各変数は、前述の図8の各変数と同じである。
パターンαでは、補正値の誤差は、低精度モード(K,L=107)において非常に大きくなっている。そして、パターンα,β,γ,δの順番に、両モードにおいて誤差は次第に小さくなっていく。パターンδでは、両モードにおいて誤差が「1」以下となり、上述した第1の実施例における誤差(図8参照)と同程度となっている。そして、従来の色ムラ補正回路1000では、パターンα〜δの結果に基づき、ビットシフト回路40aにおけるシフトビット数を「21」の固定値として設定する。ここで、変数Mの値について考えると、図10に示すように変数iの値が大きくなるに従い、パターンα,β,γ,δの順番で、次第に大きくなっている。そして、パターンδでは、低精度モードで「49」となり、高精度モードで「17332」となっている。したがって、変数M決定回路49や乗算器30では、変数Mを扱うのに少なくとも15ビットを必要とする。
以上説明したように、第1の実施例のプロジェクタ100では、代表画素の補正値を用いた二次補間を行う際に、K×Lによる除算演算部分を、所定の数値範囲の変数Mによる乗算と、指数が変わり得る2のべき乗の除算として実行するように構成されている。それゆえ、変数Mを比較的狭い数値範囲の値とすることで、浮動小数点化逆数回路50や乗算器30において、変数Mを扱うのに必要とするビット数を比較的小さくすることができる。したがって、色ムラ補正回路110aの回路規模が大型化することを抑制しつつ、代表画素の補正値に基づき各画素の補正値を算出することができる。
B.第2の実施例:
図11は、第2の実施例における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。第2の実施例におけるプロジェクタは、色ムラ補正回路の構成と、浮動小数点化逆数回路の構成とにおいて、第1の実施例と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
具体的には、第2の実施例の色ムラ補正回路110bは、前述の4つの乗算器11〜14と加算器20との間に、それぞれビットシフト回路が配置されている。具体的には、乗算器11と加算器20との間にビットシフト回路41aが配置されている。また、乗算器12と加算器20との間にビットシフト回路41bが、乗算器13と加算器20との間にビットシフト回路41cが、乗算器14と加算器20との間にビットシフト回路41dが、それぞれ配置されている。第2の実施例の浮動小数点化逆数回路50aは、指数i1の値を前述の4つのビットシフト回路41a〜41dに対してそれぞれ出力する。また、浮動小数点化逆数回路50aは、指数i2の値をビットシフト回路40に対して出力する。ここで、指数i1と、指数i2とは、下記16の関係が成り立つ。
Figure 0005169406
すなわち、浮動小数点化逆数回路50aでは、指数i決定回路58(図4)の後段において、決定した指数iの値を指数i1と指数i2とに分割する回路(図示省略)を備えている。なお、指数iの値の分割方法としては、例えば、1/2ずつにする、或いは、所定の割合(1:2等)に分割するなど任意の方法を採用することができる。以上の構成を有する色ムラ補正回路110bによる処理は、下記式16に示す演算に相当する。
Figure 0005169406
以上の構成を有する第2の実施例のプロジェクタも、第1の実施例のプロジェクタ100と同様の効果を奏する。また、色ムラ補正回路110bでは、4つの乗算器11〜14からの出力を予めi1ビット分シフトしているので、加算器20から乗算器30に入力される数値を比較的小さい値とすることができる。それゆえ、乗算器30の回路規模を比較的小さくすることができる。
C.第3の実施例:
図12は、第3の実施例における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。第3の実施例におけるプロジェクタは、色ムラ補正回路の構成と、浮動小数点化逆数回路の構成とにおいて、第1の実施例と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
具体的には、第3の実施例の色ムラ補正回路110cは、前述の4つの乗算器11〜14の後段に、4つの乗算器61〜64を備えている。また、4つの乗算器61〜64の後段に4つのビットシフト回路41a〜41dを備えている。これら4つのビットシフト回路41a〜41dは、上述した第2の実施例の4つのビットシフト回路41a〜41dと同じである。また、4つのビットシフト回路41a〜41dの後段に4つの乗算器71〜74を備えている。そして、4つの乗算器71〜74からの出力が前述の加算器20に入力される。また、加算器20とビットシフト回路40との間には、乗算器30は存在していない。浮動小数点化逆数回路50aは、上述した第2の実施例の浮動小数点化逆数回路50aと同じである。
4つの乗算器11〜14に入力される変数の値は、第1の実施例と異なる。具体的には、4つの乗算器11〜14には、代表画素の補正値A〜Dは入力されない。4つの乗算器61〜64には、浮動小数点化逆数回路50aから変数Mの値が入力される。4つのビットシフト回路41a〜41dには、それぞれ浮動小数点化逆数回路50aから指数i1が入力される。ビットシフト回路41aは、乗算器61から入力される値をi1ビットだけビットシフトする。同様に、ビットシフト回路41bは乗算器62から入力される値を、ビットシフト回路41cは乗算器63から入力される値を、ビットシフト回路41dは乗算器64から入力される値を、それぞれi1ビットだけビットシフトする。4つの乗算器71〜74には、代表画素の補正値A〜Dが入力される。具体的には、乗算器71には、補正値Aが入力される。また、乗算器72には補正値Bが、乗算器73には補正値Cが、乗算器74には補正値Dが、それぞれ入力される。ビットシフト回路40には、浮動小数点化逆数回路50aから指数i2の値が入力され、ビットシフト回路40は、加算器20からの入力値をi2ビット分だけビットシフトする。以上の構成を有する色ムラ補正回路110cによる処理は、下記式17に示す演算に相当する。
Figure 0005169406
以上の構成を有する第3の実施例のプロジェクタも、第1の実施例のプロジェクタ100と同様の効果を奏する。また、色ムラ補正回路110cでは、代表画素の補正値A〜Dは、回路内において比較的後段側で入力されている。したがって、色ムラ補正回路において比較的前段側で補正値A〜Dを入力する構成に比べて、代表画素の補正値に生じる誤差をより小さくすることができる。また、乗算器11〜14に入力される変数は、それぞれ2つであるので、乗算器11〜14を比較的小規模な回路として構成することができる。
D.第4の実施例:
図13は、第4の実施例における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。第4の実施例におけるプロジェクタは、色ムラ補正回路の構成と、変数Mの値及び指数iの値の決定方法において第1の実施例と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
具体的には、第4の実施例の色ムラ補正回路110dは、浮動小数点化逆数回路50に代えて変数決定回路51を備えている。変数決定回路51は、変数K,Lの値を入力して、変数Mの値と、指数iの値とを決定する。そして、変数決定回路51は、決定した変数Mの値を乗算器30に対して出力する。また、変数決定回路51は、決定した指数iの値をビットシフト回路40に対して出力する。ここで、第4の実施例のプロジェクタでは、上述した変数M決定用テーブルMtb(図1)に代えて、変数決定用テーブルtb2が色ムラ補正用メモリ111に格納されている。そして、変数決定回路51は、この変数決定用テーブルtb2を参照して、入力された変数K,Lの値に基づき、変数Mの値及び指数iの値を決定する。
図14は、図13に示す変数決定用テーブルtb2の設定内容を模式的に示す説明図である。図14に示すように、変数決定用テーブルtb2では、K×Lの値に対して、それぞれ変数Mの値と、指数iの値とが予め対応付けられている。これらの各値については、予め、上述した浮動小数点化逆数回路50(図4)に相当する演算を行い、得られた値を設定しておく。
以上の構成を有する第4の実施例のプロジェクタにおいても、変数Mを比較的狭い数値範囲の値とすることができるので、変数決定回路51や乗算器30において、変数Mを扱うのに必要とするビット数を比較的小さくすることができる。したがって、色ムラ補正回路110dの回路規模が大型化することを抑制することができる。
E.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上述した各実施例では、指数iの値は、各対象画素の補正値Zを算出するたびに、指数i決定回路58(図4)又は変数決定回路51(図13)によって決定されていたが、これに代えて、予め定められた固定値を設定することもできる。具体的には、変数K,Lの値が所定の数値範囲内でのみ変化し得る構成であれば、指数uの値は固定値となる。そして、演算精度を一定として変数nの値も固定値とすれば、指数iの値は、上記式12に示すように固定値となる。したがって、ビットシフト回路40(図3,図13)に対して、固定値iを直接入力する構成とすることもできる。すなわち、一般には、ビットシフト回路40におけるビットシフト量(指数i)を任意の方法で決定する構成を、本発明の演算処理装置に採用することができる。
E2.変形例2:
上述した各実施例では、乗算器30(図3,11,13)や乗算器61〜64(図12)では、変数Mの値(512〜1023)を扱うのに9ビット必要であったが、8ビットで扱うようにすることもできる。具体的には、以下のごとく実現可能である。浮動小数点化逆数回路50,50aや変数決定回路51において求められる値は、512〜1023(10進法)の範囲内の数値であるので、必ず最上位1ビットは「1」となる。そこで、この1ビットを除いた下位8ビットで表わされる値(0〜511:10進法)を変数Mとして乗算器30,61〜64に入力する。なお、この場合、例えば乗算器30(図3)では、加算器20からの出力結果に対して変数Mを掛け合わせると共に、加算器20からの出力結果に対して512(10進法)を掛け合わせ、これら2つの乗算結果を足し合わせて出力値とすることが好ましい。以上の構成によって、乗算器30,61〜64の回路規模をより小さくすることができる。
E3.変形例3:
上述した各実施例では、補正値Zを求めるのに4つの代表画素の補正値を用いた二次補間処理を行っていたが、これに限らず、2つの代表画素の補正値を用いた補間(線形補間)や、3つの代表画素を用いた二次補間など、複数の代表画素の補正値を用いて補間を行う任意の構成を採用することができる。また、各対象画素の補正値を求める場合に限らず、各対象画素の画素値(R,G,B)を求める場合に、代表画素の画素値(R,G,B)を用いて、上述した色ムラ補正回路110cを適用することもできる。すなわち、複数の代表画素にそれぞれ与えられる特徴量に基づき対象画素の特徴量を算出する場合において、本発明の演算処理装置を適用することができる。さらに、対象画素の補正値や画素値等の特徴量を算出する場合に限らず、複数の画素間の距離に関連した値による除算処理を実行する任意の場合において、本発明の演算処理装置を適用することができる。
E4.変形例4:
上述した各実施例では、各対象画素の補正値を求めるタイミングは、プロジェクタ100が画像を投写表示するタイミングであったが、これに代えて、代表画素の補正値を求めるのと同じタイミングで求めておき、予め補正値格納部111bに格納しておく構成とすることもできる。この構成においても、各対象画素の補正値を求めるのに上述した色ムラ補正回路110cを用いることで、比較的小規模の回路で色ムラ補正回路110cを構成することができる。
E5.変形例5:
上述した各実施例は、プロジェクタ100への適用例であったが、プロジェクタ100に限らず、他の画像表示装置に本発明を適用することもできる。例えば、投写型プロジェクタに代えて、背面投写型のリアプロジェクションTV受像機や、プラズマディスプレイなど、色ムラ補正を行う任意の画像表示装置に適用することができる。また、画像表示装置に限らず、色ムラ補正を行って補正後の画像データを生成する画像処理装置に適用することもできる。このような画像処理装置としては、例えば、コンピュータディスプレイ等に表示させる画像の色ムラを補正するコンピュータ本体を採用することができる。なお、コンピュータ本体に本発明の演算処理装置を適用した場合、補間精度は一定でも、コンピュータ本体に接続されるディスプレイの解像度によって、上述した変数K,Lの値が変化し得る。この場合であっても、本発明によれば、変数K,Lの変化に関わらず、補正値Zの値を精度良く求めることができる。
E6.変形例6:
上述した実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
本発明の第1の実施例における演算処理装置を適用したプロジェクタの概略構成を示す説明図である。 プロジェクタ100における各画素の補正値の決定方法を模式的に示す説明図である。 図1に示す色ムラ補正回路110aの詳細構成を示す説明図である。 図3に示す浮動小数点化逆数回路50の詳細構成を示す説明図である。 正規化回路54における処理結果の得られる一時対応値Gの一例を示す説明図である。 図1に示す変数M決定用テーブルMtbの設定内容を模式的に示す説明図である。 浮動小数点化逆数回路50によって変数M及び指数iの各値を決定する原理を模式的に示す説明図である。 本実施例において算出される変数Mと補正値Zとを示す説明図である。 比較例としての従来における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。 図9に示すビットシフト回路40aのシフトビット数を変えた場合における補正値Z及び変数Mの値を示す説明図である。 第2の実施例における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。 第3の実施例における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。 第4の実施例における色ムラ補正回路の構成を示す説明図である。 図13に示す変数決定用テーブルtb2の設定内容を模式的に示す説明図である。
符号の説明
11〜14…乗算器、20…加算器、30…乗算器、40,40a…ビットシフト回路、41a〜41d…ビットシフト回路、50,50a…浮動小数点化逆数回路、51…変数決定回路、52…乗算器、54…正規化回路、56…変数M決定回路、58…指数i決定回路、61〜64…乗算器、71〜74…乗算器、100…プロジェクタ、103…画像メモリ、104…撮像部、105…撮像制御部、106…液晶パネル駆動部、110…画像処理部、110a〜110d…色ムラ補正回路、111…色ムラ補正用メモリ、111b…補正値格納部、112…画像投写部、114…液晶パネル、120…CPU、120a…色ムラ補正制御部、122…メモリ、124…操作パネル、1000…色ムラ補正回路、Mtb…変数M決定用テーブル、Z…補正値、A〜D…代表画素の補正値、M…変数、G…一時対応値、K…変数、i…指数、n…指数、NP…画素、SP1〜SP4…代表画素、Sc…スクリーン、Bn…ブロック

Claims (6)

  1. 画像を構成する複数の画素間の距離に関連する距離関連値による除算処理を行い、画素補間を行うための演算処理装置であって、
    前記複数の画素間の距離を取得する距離取得部と、
    前記複数の画素間の距離に基づき前記距離関連値を算出する距離関連値算出部と、
    所定数値範囲内の第1の変数を掛け合わせる乗算処理を行う第1の演算部と、
    2のべき乗による除算処理を行う第2の演算部と、
    前記距離関連値に基づき前記第1の変数の値と前記2のべき乗における指数の値とを決定する決定部と、
    を備え、
    前記演算処理装置は、前記第1の演算部を用いた乗算処理と、前記第2の演算部を用いた除算処理と、によって、前記距離関連値による除算処理を実行する、演算処理装置。
  2. 請求項1に記載の演算処理装置において、
    前記決定部は、前記距離関連値と前記所定数値範囲とに基づき、前記指数の値を決定する、演算処理装置。
  3. 請求項2に記載の演算処理装置であって、さらに、
    前記距離関連値が式1で示す前記所定数値範囲である場合に、式2の変換式を用いて前記距離関連値を一時対応値に変換する変換部と、
    前記一対応値から前記第1の変数の値を決定するための変換用テーブルと、
    を備え、
    前記決定部は、
    (i)前記一時対応値に基づき、前記変換用テーブルを参照して前記第1の変数の値を決定し、
    (ii)式3の導出式を用いて前記指数の値を決定し、
    前記変換用テーブルは、前記一時対応値と前記第1の変数の値とを、式4によって対応付けている、演算処理装置。
    Figure 0005169406
    Figure 0005169406
    Figure 0005169406
    Figure 0005169406
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の演算処理装置において、
    前記演算処理装置は、画像を構成する複数の画素のうち、複数の代表画素にそれぞれ与えられる特徴量に基づき、前記複数の代表画素とは異なる対象画素についての特徴量を算出する際に、前記距離関連値による除算処理を行う、演算処理装置。
  5. 請求項4に記載の演算処理装置を備える画像表示装置。
  6. 画像を構成する複数の画素間の距離に関連する距離関連値による除算処理を行い、画素補間を行うための演算処理方法であって、
    (a)前記複数の画素間の距離を取得する工程と、
    (b)前記複数の画素間の距離に基づき前記距離関連値を算出する工程と、
    (c)所定数値範囲内の第1の変数を掛け合わせる乗算処理を行う工程と、
    (d)2のべき乗による除算処理を行う工程と、
    (e)前記距離関連値に基づき前記第1の変数の値と前記2のべき乗における指数の値とを決定する工程と、
    を備える、演算処理方法。
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