JP5169243B2 - 新規還元酵素、その遺伝子、およびその利用法 - Google Patents
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Description
1. 下記のいずれかの塩基配列からなるDNA。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号2で示される塩基配列。
2. 宿主細胞内において機能可能なプロモーターと下記a)〜d)のいずれかの塩基配列からなるDNAとが機能可能な形で接続されてなることを特徴とするDNA。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも90%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
c)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。
3. 前項1又は前項2記載のDNAを含むことを特徴とする組換えベクター。
4.前項2記載のDNA又は前項3記載の組換えベクターが宿主細胞に導入されてなることを特徴とする形質転換体。
5. 宿主細胞が微生物であることを特徴とする前項4記載の形質転換体。
6. 宿主細胞が大腸菌であることを特徴とする前項4記載の形質転換体。
7. 下記のいずれかのDNAを保有することを特徴とする形質転換体。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも90%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
c)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。
8. 前項3記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する工程を含むことを特徴とする形質転換体の製造方法。
9. 下記のいずれかのアミノ酸配列を有するタンパク質。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列からなるタンパク質のアミノ酸配列。
10. i)下記a)〜d)のいずれかの塩基配列からなるDNA及び、ii)酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、もしくは酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を還元型に変換する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAを含むことを特徴とする組換えベクター。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも90%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換マンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
c)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。
11.酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、もしくは酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を還元型に変換する能力を有するタンパク質がグルコース脱水素酵素であることを特徴とする前項10記載の組換えベクター。
12.グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質がバシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)由来のグルコース脱水素酵素である前項11記載の組換えベクター。
13. 前項10〜12記載の組換えベクターが宿主細胞に導入されてなる形質転換体。
14. 宿主細胞が微生物である前項13記載の形質転換体。
15. 宿主細胞が大腸菌である前項13記載の形質転換体。
16. 下記a)〜d)のいずれかの塩基配列からなるDNA及び酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、もしくは酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を還元型に変換する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAを保有することを特徴とする形質転換体。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも90%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換マンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
c)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。
17. 前項9記載のタンパク質、または、前項4〜7、13〜16のいずれかに記載の形質転換体、またはその処理物をプロキラルなカルボニル化合物と接触させることを特徴とする光学活性なアルコール化合物の製造方法。
18. 式(1)
(式中、R1は、置換されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよいアルコキシ基を表し、R2は置換されていてもよいC1−8のアルキル基を表す。)
で示されるオルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を、式(1)の化合物を光学活性な式(2)の化合物に不斉還元する能力を有し、かつ下記a)〜d)のいずれかのアミノ酸配列からなるタンパク質と接触させることを特徴とする、式(2):
(式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、*印を付した炭素原子は不斉炭素原子である。)
で示される光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物の製造方法。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列。
b)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAに対して少なくとも90%のDNAの配列相同性を有する塩基配列がコードするアミノ酸配列。
c)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAの塩基配列がコードするアミノ酸配列。
d)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
e)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAの塩基配列がコードするアミノ酸配列。
f)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
19. プロキラルなカルボニル化合物が式(1)
(式中、R1は、置換されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよいアルコキシ基を表し、R2は置換されていてもよいC1−8のアルキル基を表す。)
で示されるオルト置換フェニルグリオキサル酸化合物であり、光学活性なアルコール化合物が、式(2):
(式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、*印を付した炭素原子は不斉炭素原子である。)
で示される光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物である、前項17に記載の製造方法。
等を提供するものである。
キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)等のキサントモナス属に属する微生物等から通常の遺伝子工学的手法(例えば、「新 細胞工学実験プロトコール」(東京大学医科学研究所制癌研究部編、秀潤社、1993年)に記載された方法)に準じてDNAライブラリーを調製し、調製されたDNAライブラリーを鋳型として、かつ適切なプライマーを用いてPCRを行うことにより、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNA、配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNA及び/又は配列番号2で示される塩基配列を有するDNA等を増幅して本発明のDNAを調製することができる。また、前記DNAライブラリーを鋳型として、かつ配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号7に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーに用いてPCRを行うことにより、配列番号2で示される塩基配列からなるDNAを増幅して本発明のDNAを調製することができる。
本発明タンパク質は、例えば、本発明DNAを保有する形質転換体を培養することにより製造することができる。該形質転換体を培養するための培地としては、例えば、微生物等の宿主細胞の培養に通常使用される炭素源や窒素源、有機塩や無機塩等を適宜含む各種の培地を用いることができる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロール等の糖アルコール、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸、動物油、植物油及び糖蜜が挙げられる。これらの炭素源の培地への添加量は培養液に対して通常0.1〜30%(w/v)程度である。窒素源としては、例えば、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquor)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、アミノ酸類、硝酸ナトリウム等の無機酸のアンモニウム塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩及び尿素が挙げられる。これらのうち有機酸のアンモニウム塩、天然有機窒素源、アミノ酸類等は多くの場合には炭素源としても使用することができる。これらの窒素源の培地への添加量は培養液に対して通常0.1〜30%(w/v)程度である。
R1で表される置換されていてもよいアミノ基としては、例えばアミノ基の他に、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などC1−6のアルキルアミノ基が例示される。また、置換されていてもよいアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基およびオクチルオキシ基などのC1-8のアルコキシ基を挙げることができる。
次にR2で表される置換基について以下説明する。
R2で表される置換されていてもよいC1-8のアルキル基におけるC1-8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基などが例示される。
かかるC1−8のアルキル基の置換基としては、置換されていても良いアルコキシ基および置換されていてもよいアリールオキシ基が例示される。
で表されるアリールオキシ基が例示される。
式(3)におけるA、BもしくはCで表される置換基について以下説明する。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのC1-4アルキル基が例示される。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、クロチル基などのC2-4のアルケニル基が例示される。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基、ブチニル基などC2-4のアルキニル基が例示される。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などC3-6のシクロアルキル基が例示される。
シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC5-6のシクロアルケニル基が例示される。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1-4のアルコキシ基が例示される。
ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トルフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジフロオロメチル基、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、1,2−ジクロロプロピル基などC1−3のハロアルキル基が例示される。
ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−,2−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシ置換のC1−2アルキル基が例示される。
アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などC1-2アルコキシの置換C1-2アルキル基が例示される。
アミノアルキル基としては、例えば、アミノメチル基、1−,2−アミノエチル基等のモノアミノ置換のC1−2アルキル基、もしくはジアミノ置換のC1-2アルキル基が例示される。
アルキルアミノアルキル基としては、例えば、メチルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基などモノ(C1-2)アルキルアミノ置換のC1−2アルキル基、もしくはジ(C1-2)アルキルアミノ置換のC1-2アルキル基が例示される。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が例示される。
アルコキシ基で置換されていてもよいアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、4−メトキシベンジル基などのC1-2のアルコキシ基で置換されていてもよいC7-8アラルキル基が例示される。
ハロゲン原子およびアルコキシ基から選ばれる基で置換されていてもよいアリール基としては、例えば、2−,3−,4−クロロフェニル基、2−,3−,4−メチルフェニル基、2−,3−,4−メトキシフェニル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)およびC1-2アルコキシ基から選ばれる基で置換されていてもよいC6-10のアリール基が例示される。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等のC1-3のアルキルチオ基が例示される。
アルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などC1−6のアルキルアミノ基等が例示される。
(式中、R1は、置換されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよいアルコキシ基を表し、A、BおよびCは、同一又は互いに相異なり、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換されていてもよいアラルキル基、ハロゲン原子およびアルコキシ基から選ばれる置換基で置換されていてもよいアリール基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基を表す。)
で示されるオルト置換フェニルグリオキサル酸化合物からは、式(2’):
(式中、R1、A、BおよびCは前記と同じ意味を表し、*印を付した炭素原子は不斉炭素原子である。)
で表される化合物が得られる。
本発明の方法では、かかるオルト置換フェニルグリオキサル酸化合物を基質とした場合は、式(2)もしくは式(2’)の化合物が得られ、具体的な化合物としては、それぞれ2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミド、2−(2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル、2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミド、2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル、2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミド、または、2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ酢酸メチルの光学活性体が得られる。
参考例1 (染色体DNAの調製)
2本の500mlフラスコに培地(水100mlにグルコース2g、ポリペプトン0.5g、酵母エキス0.3g、肉エキス0.3g、硫酸アンモニウム0.2g、リン酸2水素カリウム0.1g、硫酸マグネシウム7水和物0.05gを溶解し、2NのHClでpHを7に調整したもの)をそれぞれ100mlずつ入れ、121℃で15分間滅菌した。ここに同組成の培地中で培養(30℃、48時間、振盪培養)したキサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)IFO13551株の培養液をそれぞれ0.3mlずつ加え、30℃で24時間振盪培養した。その後、得られた培養液を遠心し(8000rpm、4℃、10分)、生じた沈殿を集めた。この沈殿を0.85%食塩水50mlで洗浄して、約3gの湿菌体を得た。
実施例1 (本発明DNAの取得及びその解析)
配列番号3で示されるXanthomonas campestris pv. campestris ATCC33913株の推定還元酵素遺伝子(GenBank accession numbers:AE012123(region:2600-3568))を基に、配列番号4で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー、および、配列番号5で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを合成した。
[反応液組成]
染色体DNA(A)溶液 2μl
dNTP(各2.5mM-mix) 1μl
プライマー(50pmol/μl) 各0.4μl
5xbuffer(with MgCl) 10μl
enz.expandHiFi (5U/μl) 0.5μl
超純水 35.7μl
[反応条件]
上記組成の反応液が入った容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System 9700にセットし、94℃(2分間)に加熱した後、94℃(10秒間)‐65℃(30秒間)‐72℃(90秒間)のサイクルを10回、次いで94℃(10秒間)‐65℃(30秒間)‐72℃(1分間+5秒/サイクル)のサイクルを20回行い、さらに72℃で7分間保持した。その後、PCR反応液の一部をとり、アガロースゲル電気泳動を行ったところ、約1000bpのDNA断片のバンドが検出された。 上記の約1000bpのDNA断片を、pCR2.1−TOPOベクターの既存「PCR Product挿入サイト」にライゲーションし(Invitrogen社製TOPO TA cloningキット使用)、得られたライゲーション液でE.coli TOP10F'を形質転換した。
50μg/mlのアンピシリンを含有するLB(1%バクト−トリプトン、0.5%バクト−酵母エキス、1%塩化ナトリウム)寒天培地に5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド(以下、X−galと記す)4%水溶液30μl及び0.1M IPTG30μlを塗布し、そこに得られた形質転換体を接種し培養した。形成したコロニーのうち白いコロニーを8個とり、このコロニーを50μg/mlのアンピシリンを含有する滅菌LB培地(2ml)に接種し、試験管中で振盪培養した(30℃、24時間)。培養菌体からQIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen社製)を用いてプラスミドを取り出した。
(1)本発明ベクターの調製
配列番号2に示される塩基配列を基に配列番号6で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー、および、配列番号7で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを合成した。
[反応液組成]
染色体DNA(A)溶液 2μl
dNTP(各2.5mM-mix) 1μl
プライマー(50pmol/μl) 各0.4μl
5xbuffer(with MgCl) 10μl
enz.expandHiFi (5U/μl) 0.5μl
超純水 35.7μl
上記組成の反応液が入った容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System 9700にセットし、94℃(2分間)に加熱した後、94℃(10秒間)‐65℃(30秒間)‐72℃(90秒間)のサイクルを10回、次いで94℃(10秒間)‐65℃(30秒間)‐72℃(1分間+5秒/サイクル)のサイクルを20回行い、さらに72℃で7分間保持した。その後、PCR反応液を一部とりアガロースゲル電気泳動を行ったところ、約1000bpのDNA断片のバンドが検出された。残りのPCR反応液に2種類の制限酵素(NcoI及びXbaI)を加え、約1000bpのDNA断片を2重消化させ、次いで酵素消化されたDNA断片を精製した。 一方、プラスミドベクターpTrc99A(Pharmacia製)を2種類の制限酵素(NcoI及びXbaI)により2重消化させ、酵素消化されたDNA断片を精製した。
得られた形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含有するLB寒天培地で培養し、生育してきたコロニーの中から2コロニーを無作為に選抜した。この選抜したコロニーをそれぞれ50μg/mlのアンピシリンを含有する滅菌LB培地(2ml)に接種し、試験管中で振盪培養した(37℃、17時間)。それぞれの培養菌体からQIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen社製)を用いてプラスミドを取り出した。取り出したプラスミドのそれぞれの一部をNcoIとXbaIとの2種類の制限酵素により2重消化した後、電気泳動して、取り出したプラスミドには2つのプラスミドに前記約1000bpのDNA断片が挿入されていることを確認した。(以下、このプラスミドをプラスミドpTrcRxcと記す。)
(2)本発明形質転換体の調製及び還元反応例
プラスミドpTrcRxcを用いてE.coli HB101を形質転換した。得られた形質転換体を0.1mMのIPTGと50μg/mlのアンピシリンとを含有する滅菌LB培地(5ml)に接種し、振盪培養した(37℃、17時間)。得られた培養液を遠心分離し、湿菌体約0.09gを得た。得られた湿菌体に、2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド1.5mg、NADPH6.9mg、100mMリン酸緩衝液(pH7.0)1.5ml、酢酸ブチル0.15mlを混合し、30℃で24時間攪拌した。その後、反応液に酢酸エチルを2ml添加した後、遠心分離し、有機層を得た。この有機層を下記条件で液体クロマトグラフィーによる含量分析を行ったところ、反応に用いた2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドの量に対して2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドは74.7%生成していることがわかった。また、下記条件で有機層中の2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドの光学純度を測定したところ(R)体が100%e.e.であった。
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
(光学純度測定条件)
カラム:CHIRALCEL OD−H
移動相:ヘキサン:2−プロパノール=9:1
分析時間:50分
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:230nm
(1)酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを還元型に変換する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子を調製するための準備Bacillus megaterium IFO12108株を滅菌したLB培地100ml中で培養し、菌体0.4gを得た。この菌体からQiagen Genomic Tip (Qiagen社製)を用い、それに付属のマニュアルに記載の方法にしたがって染色体DNA(以下、染色体DNA(B)と記す。)を精製した。
(2)酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を還元型に変換する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子の調製
The Journal of Biological Chemistry Vol.264, No.11, 6381-6385(1989)に記載されたBacillus megaterium IWG3由来のグルコース脱水素酵素の配列をもとに配列番号8で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号9で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーとを合成した。
配列番号8で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号9で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーとをプライマーに用い、前記染色体DNA(B)を鋳型にして以下の反応液組成、反応条件でPCRを行った。(ロシュ・ダイアグノスティック社製のExpand High Fidelity PCR Systemを使用)
[反応液組成]
染色体DNA(B)原液 1μl
dNTP(各2.5mM-mix) 0.4μl
プライマー(20pmol/μl) 各0.75μl
10xbuffer(with MgCl) 5μl
enz.expandHiFi (3.5x103U/ml) 0.375μl
超純水 41.725μl
[PCR反応条件]
上記組成に反応液が入った容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400にセットし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(15秒間)-55℃(30秒間) -72℃(1.5分間)のサイクルを10回、次いで97℃(15秒間)-55℃(30秒間)-72℃(1分間+5秒/サイクル)のサイクルを20回、さらに72℃で7分間保持した。 その後、PCR反応液の一部をとり、アガロースゲル電気泳動を行った結果、約950bpのDNA断片のバンドが検出された。得られたPCR反応液とInvitrogen社製TOPO TA cloningキットVer.Eとを用いて、PCRによって得られた約950bpのDNA断片をpCR2.1−TOPOベクターの既存「PCR Product挿入サイト」にライゲーションし、そのライゲーション液でE.coli DH5αを形質転換した。
次に、プラスミドpSDGDH12に挿入されたDNA断片の塩基配列を解析した。その結果を配列番号10に示す。
なお、プラスミドに挿入されたDNA断片の塩基配列の解析は、Dye Terminator Cycle sequencing FS ready Reaction Kit(パーキンエルマー製)を用いてプラスミドpSDGDH12を鋳型としてシークエンス反応を行い、得られたDNAの塩基配列をDNAシーケンサー373A(パーキンエルマー製)で解析することにより行った。
[反応液組成]
染色体DNA(B)原液 1μl
dNTP(各2.5mM-mix) 0.4μl
プライマー(20pmol/μl) 各0.75μl
10xbuffer(with MgCl) 5μl
enz.expandHiFi (3.5x103U/ml) 0.375μl
超純水 41.725μl
[PCR反応条件]
上記組成に反応液が入った容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400にセットし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(15秒間)-55℃(30秒間) -72℃(1.5分間)のサイクルを10回、次いで97℃(15秒間)-55℃(30秒間)-72℃(1分間+5秒/サイクル)のサイクルを20回、さらに72℃で7分間保持した。その後、PCR反応液を一部とりアガロースゲル電気泳動を行ったところ、約800bpのDNA断片のバンドが検出された。 残りのPCR反応液に2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)を加え、約800bpのDNA断片を2重消化させ、次いで酵素消化されたDNA断片を精製した。一方、プラスミドベクターpTrc99A(Pharmacia製)を2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)により2重消化させ、酵素消化されたDNA断片を精製した。これらの酵素消化させたDNA断片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーションし、得られたライゲーション液でE.coli DH5αを形質転換した。得られた形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含有するLB寒天培地で培養し、生育してきたコロニーの中から10コロニーを無作為に選抜した。この選抜したコロニーをそれぞれ50μg/mlのアンピシリンを含有する滅菌LB培地(2ml)に接種し、試験管中で振盪培養した(37℃、17時間)。それぞれの培養菌体からQIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen社製)を用いてプラスミドを取り出した。取り出したプラスミドのそれぞれの一部をNcoIとBamHIとの2種類の制限酵素により2重消化した後、電気泳動して、取り出した4つのプラスミドに前記約800bpのDNA断片が挿入されていることを確認した。(以下、このプラスミドをプラスミドpTrcGDHと記す。)
配列番号13で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号7で示されるオリゴヌクレオチドプライマーとをプライマーに、プラスミドpTrcRxcを鋳型にして下記反応液組成、反応条件でPCRを行った。(ロシュ・ダイアグノスティック社製のExpand High Fidelity PLUS PCR Systemを使用)
[反応液組成]
プラスミドpTrcRxc 2μl
dNTP(各2.5mM-mix) 1μl
プライマー(50pmol/μl) 各0.4μl
5xbuffer(with MgCl) 10μl
Expand High Fidelity PLUS Taq polymerase 0.5μl (2.5U)
超純水 35.7μl
[反応条件]
上記組成の反応液が入った容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System 9700にセットし、94℃(2分間)に加熱した後、94℃(10秒間)‐65℃(30秒間)‐72℃(90秒間)のサイクルを10回、次いで94℃(10秒間)‐65℃(30秒間)‐72℃(1分間+5秒/サイクル)のサイクルを20回行い、さらに72℃で7分間保持した。その後、PCR反応液を一部とりアガロースゲル電気泳動を行ったところ、約1000bpのDNA断片のバンドが検出された。残りのPCR反応液に2種類の制限酵素(BamHIとXbaI)を加え、約1000bpのDNA断片を2重消化させ、次いで酵素消化されたDNA断片を精製した。
(4)本発明形質転換体の調製及び還元反応例
プラスミドpTrcGSRxcを用いてE.coli HB101を形質転換した。得られた形質転換体を0.2mMのIPTGと50μg/mlのアンピシリンとを含有する滅菌LB培地(10ml)に接種し、振盪培養した(30℃、24時間)。得られた培養液を遠心分離し、湿菌体約0.3gを得た。得られた湿菌体に、2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド1.5mg、NADPH6.9mg、100mMリン酸緩衝液(pH7.0)1.5ml、グルコース2.7mg、酢酸ブチル0.075mlを混合し、30℃で24時間攪拌した。その後、反応液に酢酸エチルを2ml添加した後、遠心分離し、有機層を得た。この有機層を下記条件で液体クロマトグラフィーによる含量分析を行ったところ、反応に用いた2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドの量に対して2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドは100%生成していることがわかった。また、下記条件で有機層中の2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドの光学純度を測定したところ(R)体が100%e.e.であった。
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
(光学純度測定条件)
カラム:CHIRALCEL OD−H
移動相:ヘキサン:2−プロパノール=9:1
分析時間:50分
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:230nm
実施例4 (本発明形質転換体の還元反応例(その3))
プラスミドpTrcRxcを用いてE.coli HB101を形質転換した。得られた形質転換体を0.2mMのIPTGと50μg/mlのアンピシリンとを含有する滅菌LB培地(10ml)に接種し、振盪培養した(30℃、24時間)。得られた培養液を遠心分離し、湿菌体約0.3gを得た。得られた湿菌体に、2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−2−オキソ酢酸メチル1.5mg、NADPH6.9mg、グルコース2.7mg、100mMリン酸緩衝液(pH7.0)1.5ml、酢酸ブチル0.075mlを混合し、30℃で24時間攪拌した。その後、反応液に酢酸エチルを2ml添加した後、遠心分離し、有機層を得た。この有機層を下記条件で液体クロマトグラフィーによる含量分析を行ったところ、反応に用いた2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−2−オキソ酢酸メチルの量に対して2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ酢酸メチルは95.2%生成していることがわかった。また、下記条件で有機層中の2−(2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ酢酸メチルの光学純度を測定したところ(R)体が100%e.e.であった。
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
(光学純度測定条件)
カラム:CHIRALCEL OD−H
移動相:ヘキサン:2−プロパノール=9:1
分析時間:50分
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:230nm
(1)2−(2−メチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルの合成
テトラヒドロフラン50gとマグネシウム7.3gの混合液中に2−ブロモトルエンを4.4g添加し、マグネシウムを活性化した。40℃まで昇温し、2−ブロモトルエン45gのテトラヒドロフラン(130g)溶液を滴下し、2−ブロモトルエンの消失を確認するまで滴下した。その後、室温まで冷却しGrignard剤を調製した。
シュウ酸ジエチル83gのトルエン(170g)溶液を−40℃以下まで冷却した。上記で調製したGrignard剤を−40℃以下で滴下した後、さらに−40℃で2時間保温した。反応混合物中に、10%硫酸を234g添加後、有機層を回収した。得られた有機層を水134gで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレータ-にて濃縮後、さらに高真空下蒸留、シリカゲルカラム精製し、33.1gの2−(2−メチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δppm:1.41(t、J=7.2Hz、3H)、2.61(s、3H)、4.39−4.47(m、2H)、7.26−7.70(m、4H)
(2)2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドの合成
(1)で得られた2−(2−メチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチル18.1gとトルエン72g、メタノール36gを混合し、25℃に保温しながら、40%メチルアミン水溶液を23.2g添加し、25℃で1時間保温した。その後、水を36.2g添加した後、有機層を回収した。5%塩酸143g、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液36g、水36gでそれぞれ洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレータ-にて濃縮後、さらにシリカゲルカラム精製し、11.4gの2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δppm:2.48(s、3H)、2.96(d、J=5.13Hz、3H)、7.1(6s、1H)、7.25−7.93(m、4H)
(3)本発明形質転換体を用いた2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドの不斉還元
プラスミドpTrcGSRxcを用いてE.coli HB101を形質転換した。得られた形質転換体を0.1mMのIPTGと50μg/mlのアンピシリンとを含有する滅菌LB培地(5ml)に接種し、振盪培養した(37℃、15時間)。得られた培養液を遠心分離し、湿菌体約0.1gを得た。反応管に2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド1.5mg、前記の湿菌体約0.1g、NADPH10mg、100mMリン酸緩衝液(pH7)1.5mlを添加し、攪拌速度1000rpmで30℃で20時間反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチルを2ml添加した後、遠心分離(1000×g、5分)することにより、有機層を回収した。当該有機層を留去し、油状の2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドを得た。下記条件で液体クロマトグラフィーによる含量分析を行ったところ、転化率は87.2%であった。得られた2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドの1H−NMR分析結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3) σ2.37(S、3H)、2.79(d、J=4.96Hz、3H)、3.87(1H)、5.15(S、1H)、6.21(S、1H)、7.15−7.26(m、4H)
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
溶出時間:2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド:18.4分
また、得られた2−(2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルに2−プロパノールを10%含むヘキサンを添加し、下記条件で有機層中の2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドの光学純度を測定したところ、光学純度は100%e.e.(溶出時間:23.4分)であった。なお、ラセミ体の2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドは2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドをメタノール中でNaBH4にて還元して合成した。
(光学異性体分析条件)
カラム:CHIRALPAK OD−H(ダイセル化学工業社製)
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=90/10
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:230nm
溶出時間
2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド:16.0分
2−(2−メチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミド:20.1分、23.3分
基質として2−(2−メチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルを用いること以外は実施例5に記載の方法と同じ方法にて反応を実施した。その結果、油状の2−(2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルを得た。下記条件で液体クロマトグラフィーによる含量分析を行ったところ、転化率は97.5%であった。得られた2−(2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルの1H−NMR分析結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3) σ1.21(t、J=7.2Hz、3H)、2.43(S、3H)、3.56(d、J=7.7Hz、1H)、4.13−4.29(m、2H)、5.35(S、1H)、7.15−7.30(m、4H)
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
溶出時間:2−(2−メチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチル:17.1分
また、得られた2−(2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルに2−プロパノールを10%含むヘキサンを添加し、下記条件で液体クロマトグラフィーによる光学純度分析に供試した結果、光学純度は99%e.e.(溶出時間:13.7分)であった。
なお、ラセミ体の2−(2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルは2−(2−メチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルをメタノール中でNaBH4にて還元して合成した。
(光学異性体分析条件)
カラム:CHIRALPAK OD−H(ダイセル化学工業社製)
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=90/10
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:230nm
溶出時間
2−(2−メチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチル:9.1分
2−(2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチル:11.8分、13.6分
(1)2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルの合成
28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液59.8gを60℃に昇温させ、o−ブロモベンジルブロマイド70.4gとメタノール70.4gの混合液を滴下し、60℃で2時間保温した。室温にまで冷却後、トルエン211gと水211gを添加して攪拌し、分液後有機層を回収した。水層をトルエン211gにて3回抽出し、回収有機層と水211gを加えて、洗浄後、濃縮し、55.3gの1−メトキシメチル−2−ブロモベンゼンを得た。
テトラヒドロフラン46.4gとマグネシウム5.4gの混合液中に1−メトキシメチル−2−ブロモベンゼンを4.6g添加し、マグネシウムを活性化した。40℃まで昇温し、1−メトキシメチル−2−ブロモベンゼン41.7gのテトラヒドロフラン(139g)溶液を滴下し、1−メトキシメチル−2−ブロモベンゼンの消失を確認するまで滴下した。その後、室温まで冷却しGrignard剤を調製した。
シュウ酸ジエチル64.4gのトルエン(177g)溶液を−40℃以下まで冷却した。上記で調製したGrignard剤を−40℃以下で滴下した後、さらに−40℃で4時間保温した。反応混合物中に、10%硫酸を211g添加後、有機層を回収した。得られた有機層を水133gで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレータ-にて濃縮後、シリカゲルカラム精製し、さらに高真空下蒸留にて、38.5gの2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δppm:1.41(t、J=7.08Hz、3H)、3.44(s、3H)、4.41(q、2H)、4.75(s、2H)、7.55−7.69(m、4H)
(2)2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドの合成
(1)で得られた2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチル28.3gとトルエン109g、メタノール54.4gを混合し、25℃に保温しながら、40%メチルアミン水溶液を28.6g添加し、25℃で2時間保温した。その後、水を54.4g添加した後、トルエンを80g追加し、静置後有機層を回収した。5%塩酸178g、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液54.4g、水54.4gでそれぞれ洗浄した後、エバポレータ-にて濃縮し、12.0gの2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δppm:2.95(d、J=5.14Hz、3H)、3.28(s、3H)、4.66(s、2H)、7.04(s、1H)、7.36−7.72(m、4H)
(3)本発明形質転換体を用いた2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドの不斉還元
基質として2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドを用いること以外は実施例5に記載の方法と同じ方法にて反応を実施した。その結果、油状の2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドを得た。下記条件で液体クロマトグラフィーによる含量分析を行ったところ、転化率は99.3%であった。得られた2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドの1H−NMR分析結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3) σ2.77(d、J=4.85Hz、3H)、3.47(S、3H)、4.38(d、J=10.6Hz、1H)、4.73(d、J=10.6Hz、1H)、4.81(S、1H)、5.23(S、1H)、7.16(S、1H)、7.26−7.43(m、4H)
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
溶出時間:2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド:9.2分
得られた2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドに2−プロパノールを10%含むヘキサンを添加し、下記条件で液体クロマトグラフィーによる光学純度分析に供試した結果、光学純度は100%e.e.(溶出時間:20.5分)であった。
なお、ラセミ体の2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミドは2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドをメタノール中でNaBH4にて還元して合成した。
(光学異性体分析条件)
カラム:CHIRALPAK OD−H(ダイセル化学工業社製)
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=90/10
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:230nm
溶出時間
2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド:18.5分
2−(2−メトキシメチル−フェニル)−N−メチル−2−ヒドロキシ−アセトアミド:20.5分、21.3分
基質として2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルを用いること以外は実施例6に記載の方法と同じ方法にて反応を実施した。その結果、油状の2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルを得た。下記条件で液体クロマトグラフィーによる含量分析を行ったところ、転化率は100%であった。得られた2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルの1H−NMR分析結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3) σ1.21(t、J=7.09Hz、3H)、3.39(S、3H)、4.16−4.26(m、2H)、4.59(d、J=6.36Hz、2H)、5.39(S、1H)、7.31−7.37(m、4H)
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
溶出時間:2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチル:15.4分
得られた2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルに2−プロパノールを10%含むヘキサンを添加し、下記条件で液体クロマトグラフィーによる光学純度分析に供試した結果、光学純度は100%e.e.(溶出時間:14.0分)であった。なお、ラセミ体の2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチルは2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチルをメタノール中でNaBH4にて還元して合成した。
(光学異性体分析条件)
カラム:CHIRALPAK OD−H(ダイセル化学工業社製)
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=90/10
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:230nm
溶出時間
2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−オキソ酢酸エチル:9.6分
2−(2−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−酢酸エチル:13.2分、14.0分
プラスミドpTrcRxcを用いてE.coli HB101を形質転換する。得られる形質転換体を0.2mMのIPTGと50μg/mlのアンピシリンとを含有する滅菌LB培地(100ml)に接種し、振盪培養する(30℃、24時間)。得られた培養液を遠心分離し、湿菌体約0.6gを得る。得られた湿菌体を、20mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)10mlに懸濁し、マルチビーズショッカー(安井器械社製、ガラスビーズ0.1mmΦ、2500rpm、20分)で破砕し、上清をフィルター(0.45μm)ろ過し、約8mlのろ液を得る。
(含量分析条件)
カラム:SUMICHIRAL ODS A−212
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
20 10:90
30 1:99
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:290nm
配列番号4
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号5
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号6
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号7
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号8
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号9
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号11
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号12
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号13
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
Claims (19)
- 下記のいずれかの塩基配列からなるDNA。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号2で示される塩基配列。 - 宿主細胞内において機能可能なプロモーターと下記のいずれかの塩基配列からなるDNAとが機能可能な形で接続されてなることを特徴とするDNA。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも99%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換マンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。 - 請求項1又は2記載のDNAを含むことを特徴とする組換えベクター。
- 請求項2記載のDNA又は請求項3記載の組換えベクターが宿主細胞に導入されてなることを特徴とする形質転換体。
- 宿主細胞が微生物であることを特徴とする請求項4記載の形質転換体。
- 宿主細胞が大腸菌であることを特徴とする請求項4記載の形質転換体。
- 下記のいずれかのDNAを保有することを特徴とする形質転換体。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも99%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換マンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。 - 請求項3記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する工程を含むことを特徴とする形質転換体の製造方法。
- 配列番号1で示されるアミノ酸配列。
- i)下記のいずれかの塩基配列からなるDNA及び、ii)酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、もしくは酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオ
チドリン酸を還元型に変換する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAを含むことを特徴とする組換えベクター。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも99%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換マンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。 - 酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、もしくは酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を還元型に変換する能力を有するタンパク質がグルコース脱水素酵素であることを特徴とする請求項10記載の組換えベクター。
- グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質がバシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)由来のグルコース脱水素酵素である請求項11記載の組換えベクター。
- 請求項10〜12記載の組換えベクターが宿主細胞に導入されてなる形質転換体。
- 宿主細胞が微生物である請求項13記載の形質転換体。
- 宿主細胞が大腸菌である請求項13記載の形質転換体。
- 下記のいずれかの塩基配列からなるDNA及び酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、もしくは酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を還元型に変換する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAを保有することを特徴とする形質転換体。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
b)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも99%の配列相同性を有するDNAの塩基配列であって、かつ、オルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を不斉還元して対応する光学活性なオルト置換マンデル酸化合物を生産する能力を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
d)配列番号2で示される塩基配列。 - 請求項9記載のタンパク質、または、請求項4〜7、13〜16のいずれかに記載の形質転換体、またはその処理物をプロキラルなカルボニル化合物と接触させさせることを特徴とする光学活性なアルコール化合物の製造方法。
- 式(1)
(式中、R1は、置換されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよいアルコキシ基を表し、R2は置換されていてもよいC1−8のアルキル基を表す。)
で示されるオルト置換のフェニルグリオキサル酸化合物を、下記のいずれかのアミノ酸配列からなるタンパク質であり、式(1)の化合物を光学活性な式(2)の化合物に不斉還元する能力を有するタンパク質と接触させることを特徴とする、式(2):
(式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、*印を付した炭素原子は不斉炭素原子
である。)
で示される光学活性なオルト置換のマンデル酸化合物の製造方法。
a)配列番号1で示されるアミノ酸配列。
b)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAに対して少なくとも90%のDNAの配列相同性を有する塩基配列がコードするアミノ酸配列。
d)配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAに対して少なくとも99%のDNAの配列相同性を有する塩基配列がコードするアミノ酸配列
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