JP5168438B2 - 電力伝送システム、及び受電ジャケット - Google Patents

電力伝送システム、及び受電ジャケット Download PDF

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Description

本発明は、物理的に接続することなく電力を伝送する電力伝送システム、及び該電力伝送システムで用いる受電ジャケットに関する。
近年、非接触で電力を伝送する電子機器が多々開発されている。電子機器において非接触で電力を伝送するためには、電力の送電ユニットと、電力の受電ユニットとの双方にコイルモジュールを設けた磁界結合方式の電力伝送システムが採用されることが多い。
しかし、磁界結合方式では、各コイルモジュールを通過する磁束の大きさが起電力に大きく影響され、電力を高い効率で伝送するためには、送電ユニット側(一次側)のコイルモジュールと受電ユニット側(二次側)のコイルモジュールとのコイル平面方向の相対位置の位置決めに高い精度が要求される。また、結合電極としてコイルモジュールを用いているので、送電ユニット及び受電ユニットの小型化が難しくなる。さらに、電子機器等では、コイルの発熱による蓄電池への影響を考慮する必要があり、配置設計上のボトルネックになるおそれがあるという問題もあった。
そこで、例えば静電界を用いた電力の伝送システムが開示されている。特許文献1では、送電ユニット側の結合電極と、受電ユニット側の結合電極との間に強い電場を形成することにより高い電力伝送効率を具現化したエネルギー搬送装置が開示されている。特許文献1では、送電ユニット側に相対的に大きいサイズの受動電極と小さいサイズの能動電極とを備え、受電ユニット側にも相対的に大きいサイズの受動電極と小さいサイズの能動電極とを備えている。送電ユニット側の能動電極と受電ユニット側の能動電極との間に強い電場を形成することにより、高い電力伝送効率を実現している。強い電場を形成するために、送電ユニット側と受電ユニット側との電極間の距離を短くする、互いに対向している電極間の対向面積を広くする等の対策が施されている。
特表2009−531009号公報
最近では、非接触の電力伝送機能を有していない電子機器であっても、物理的に接続することなく電力伝送を行うことができるように、外部の送電ユニットから非接触で電力を伝送することが可能な受電ジャケットを電子機器に装着し、受電ジャケットの結合電極と送電ユニット側の結合電極との間に強い電場を形成することにより、受電ジャケットを介して電子機器へ電力を伝送することができる。図1は、従来の受電ジャケット装着時の非接触電力伝送システムの構成を示す模式図である。
図1では、送電モジュール10を備える送電台(送電ユニット)1の、受電ジャケット2を装着して支持する面に受動電極11pを、受電ジャケット2を装着する面に能動電極11aを、それぞれ設けてある。受電ユニット4は、電子機器3を装着してある受電ジャケット2を備え、受電ジャケット2は、受電回路モジュール27とDC−DCコンバータ24とを備えている。受電ジャケット2は、送電台1の受電ジャケット2を装着する面に設けてある能動電極11aと対向する位置に能動電極21aを、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面に設けてある受動電極11pと対向する位置に受動電極21pを、それぞれ配置してある。図1からもわかるように、送電台1の能動電極11aと受電ジャケット2の能動電極21aとは十分な対向面積を確保することができるのに対して、送電台1の受動電極11pと受電ジャケット2の受動電極21pとは十分な対向面積を確保することが困難である。したがって、電力の伝送効率を高めることが困難であるという問題点があった。
一方、図2は、従来の受電ジャケット2装着時の非接触電力伝送システムの他の構成を示す模式図である。図2では、受電ジャケット2の受動電極21pを、送電台1の受電ジャケット2を支持する面と対向することが可能な位置まで延伸させている点で図1と相違する。このようにすることで、送電台1の受動電極11pと受電ジャケット2の受動電極21pとについても十分な対向面積を確保することができ、電力の伝送効率を高めることができる。しかし、受電ジャケット2の受動電極21pのサイズを大きくする必要があるので、製造コストが上昇するという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、製造コストを上昇させることなく、簡易な構造で電力の伝送効率を高めることができる電力伝送システム、及び受電ジャケットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る電力伝送システムは、第一の受動電極、該第一の受動電極より高電位である第一の能動電極、及び前記第一の受動電極と前記第一の能動電極との間に接続された電圧発生回路とを備える送電装置と、第二の能動電極と、該第二の能動電極に接続された受電回路モジュールとを備える受電ジャケットと、該受電ジャケットに装着することが可能な電子機器とを備える電力伝送システムであって、前記電子機器の筐体は、前記電子機器を装着した前記受電ジャケットを前記送電装置に装着した場合に前記第一の受動電極と対向する面に沿って、導電性材料で形成された導電部を備え、該導電部と前記第二の能動電極との間に前記受電回路モジュールが電気的に接続されている。
上記構成では、電力伝送の対象となる電子機器を受電ジャケットに装着した状態で送電装置に装着した場合に、電子機器の筐体が、第一の受動電極と対向する面に沿って導電性材料で形成された導電部を備えているので、電子機器の筐体全体又は電子機器の筐体のうち導電性材料で形成された導電部が受動電極として機能して電力を伝送することができる。また、受動電極間の対向面積が広くなり、電力の伝送効率が向上するとともに、受電ジャケットに別個に受動電極を設ける必要がないので、製造コストを低減することが可能となる。
また、本発明に係る電力伝送システムは、前記受電ジャケットが、前記導電部と電気的に接続された第二の受動電極を備えることが好ましい。
上記構成では、受電ジャケットが、導電部と電気的に接続された第二の受動電極を備えることにより、電子機器の筐体の全体又は一部である導電部の電位と第二の受動電極の電位とが共通化され、電子機器の筐体が受電ジャケットの第二の受動電極の延伸部として機能するため、受動電極間の結合容量が増大し、電力の伝送効率が向上する。
また、本発明に係る電力伝送システムは、前記受電ジャケットの前記第二の受動電極が、前記送電装置の前記第一の受動電極と電気的に接続されていることが好ましい。
上記構成では、受電ジャケットの第二の受動電極が、送電装置の第一の受動電極と電気的に接続されていることにより、受電ジャケットの第二の受動電極の電位が変動することなく安定し、電力の伝送効率がより向上する。
また、本発明に係る電力伝送システムは、前記送電装置の前記第一の能動電極及び前記第一の受動電極が、前記受電ジャケットを装着した場合の前記受電ジャケットの背面に対向する面に設けてあり、前記受電ジャケットの前記第二の能動電極が、前記送電装置の前記第一の能動電極と対向する位置に設けてあることが好ましい。
上記構成では、送電装置の第一の能動電極及び第一の受動電極が、受電ジャケットを装着した場合の受電ジャケットの背面に対向する面に設けてあり、受電ジャケットの第二の能動電極が、送電装置の第一の能動電極と対向する位置に設けてあるので、送電装置に受電ジャケットを縦置きして装着した場合であっても、横置きして装着した場合であっても、受電ジャケットの装着する向きに依存することなく効率良く電力を伝送することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明に係る受電ジャケットは、第一の受動電極、該第一の受動電極より高電位である第一の能動電極、及び前記第一の受動電極と前記第一の能動電極との間に接続された電圧発生回路とを備える送電装置から非接触で電力を伝送され、電力伝送の対象となる電子機器を装着することが可能な受電ジャケットであって、筐体の、少なくとも前記第一の受動電極と対向する面に沿って、導電性材料で形成された導電部を備える前記電子機器を装着することが可能としてあり、第二の能動電極と、該第二の能動電極に接続された受電回路モジュールとを備え、前記導電部と前記第二の能動電極との間に前記受電回路モジュールが電気的に接続されている。
上記構成では、電力伝送の対象となる電子機器を装着した状態で送電装置に装着する。電子機器の筐体が、少なくとも第一の受動電極と対向する面に沿って、導電性材料で形成された導電部を備えているので、電子機器の筐体全体又は電子機器の筐体のうち導電性材料で形成された導電部が受動電極として機能して電力を伝送することができ、受動電極間の対向面積が広くなる。したがって、電力の伝送効率が向上するとともに、受電ジャケットに別個に受動電極を設ける必要がないので、製造コストを低減することが可能となる。
また、本発明に係る受電ジャケットは、前記導電部と電気的に接続された第二の受動電極を備えることが好ましい。
上記構成では、導電部と電気的に接続された第二の受動電極を備えることにより、電子機器の筐体の全体又は一部である導電部の電位と第二の受動電極の電位とが共通化され、電子機器の筐体が受電ジャケットの第二の受動電極の延伸部として機能するため、受動電極間の結合容量が増大し、電力の伝送効率が向上する。
また、本発明に係る受電ジャケットは、前記第二の受動電極が、前記送電装置の前記第一の受動電極と電気的に接続されていることが好ましい。
上記構成では、第二の受動電極が、送電装置の第一の受動電極と電気的に接続されていることにより、受電ジャケットの第二の受動電極の電位が変動することなく安定し、電力の伝送効率がより向上する。
また、本発明に係る受電ジャケットは、前記送電装置の前記第一の能動電極及び前記第一の受動電極が、前記送電装置に装着した場合に背面に対向する面に設けてあるときには、前記第二の能動電極は、前記送電装置の前記第一の能動電極と対向する位置に設けてあることが好ましい。
上記構成では、送電装置の第一の能動電極及び第一の受動電極が、送電装置に装着した場合に背面に対向する面に設けてあるときには、第二の能動電極は、送電装置の第一の能動電極と対向する位置に設けてあるので、送電装置に受電ジャケットを縦置きして装着した場合であっても、横置きして装着した場合であっても、受電ジャケットの装着する向きに依存することなく効率良く電力を伝送することが可能となる。
上記構成によれば、電力伝送の対象となる電子機器を受電ジャケットに装着した状態で送電装置に装着した場合に、電子機器の筐体が、第一の受動電極と対向する面に沿って導電性材料で形成された導電部を備えているので、電子機器の筐体全体又は電子機器の筐体のうち導電性材料で形成された導電部が受動電極として機能して電力を伝送することができる。また、受動電極間の対向面積が広くなり、電力の伝送効率が向上するとともに、受電ジャケットに別個に受動電極を設ける必要がないので、製造コストを低減することが可能となる。
従来の受電ジャケット装着時の非接触電力伝送システムの構成を示す模式図である。 従来の受電ジャケット装着時の非接触電力伝送システムの他の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの構成を模式的に示す等価回路図である。 本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの構成を模式的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの他の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの他の構成を模式的に示す等価回路図である。 本発明の実施の形態2に係る電力伝送システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る受電ジャケットの構成を示す模式平面図である。 本発明の実施の形態3に係る電力伝送システムの構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態における電力伝送システム、及び該電力伝送システムで用いる受電ジャケットについて、図面を用いて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの構成を模式的に示す等価回路図である。図3に示すように、本実施の形態1に係る電力伝送システムの送電装置1は、少なくとも電圧発生回路12及び昇圧トランス13を有する送電モジュール10と、結合電極11とを備えている。図3の等価回路では、電圧発生回路12で発生した10kHz〜10MHzの周波数の交流電圧が昇圧トランス13により昇圧され、能動電極(第一の能動電極)11aが高電圧となり、受動電極(第一の受動電極)11pが低電圧となる。
受電ジャケット2は、少なくとも降圧トランス23を有する受電回路モジュール27と、結合電極21とを備えている。図3の等価回路では、容量CGは、送電装置1の能動電極(第一の能動電極)11aと受動電極(第一の受動電極)11pとの間の容量である。容量CLは、受電ジャケット2の能動電極(第二の能動電極)21aと受動電極(第二の受動電極)21pとの間の容量である。容量CMは送電装置1の能動電極(第一の能動電極)11aと受電ジャケット2の能動電極(第二の能動電極)21aとの間の容量に相当する。なお、図3では、共振回路も含めて記載しているが、電力伝送の安定度を高めるためであり、必ずしも共振回路は必要ではない。
図4は、本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの構成を模式的に示す機能ブロック図である。図4に示すように、送電装置1の電圧発生回路12から供給される交流電圧は増幅器102で増幅され、昇圧トランス13で昇圧されて結合電極11へ供給される。電圧発生回路12、増幅器102、昇圧トランス13、結合電極11は後述する送電台に内蔵される。送電装置1の結合電極11から受電ジャケット2の結合電極21へ伝送された交流電圧は、降圧トランス23により降圧され、整流器203で整流されたのち、負荷回路22へ供給される。
図5は、本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの構成を示す模式図である。図5では、送電モジュール10を備える送電装置(以下、送電台)1の受電ジャケット2を装着して支持する面に受動電極11pを、受電ジャケット2を装着する面に能動電極11aを、それぞれ設けてある。受電ユニット4は、電子機器3を装着する受電ジャケット2を備え、受電ジャケット2は、受電回路モジュール27とDC−DCコンバータ24とを備えている。受電ジャケット2は、送電台1に装着する場合の底側の面に設けてある能動電極11aと対向する位置に能動電極21aを、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面に設けてある受動電極11pと対向する位置であって、受電回路モジュール27とDC−DCコンバータ24とを収容している収容部25が相対している範囲内に受動電極21pを、それぞれ配置してある。
受電ジャケット2には、電子機器3がコネクタ26を介して装着されている。コネクタ26は、受電回路モジュール27及びDC−DCコンバータ24と電気的に接続して収容部25から突出させてあり、能動電極(第二の能動電極)21a及び受動電極(第二の受動電極)21pと導通してある。
受電回路モジュール27は、降圧トランス23と整流器203とを備えている。すなわち、伝送された交流電圧を降圧トランス23で降圧し、整流器203で整流し直流電圧に変換した後、DC−DCコンバータ24で一定の電圧に調整する。
電子機器3の筐体31は、銅、金、銀等の導体、これらの化合物等の導電性材料で形成された導電部であり、送電台1の受動電極11pと対向する面が受動電極として機能する。すなわち、電子機器3の筐体31を受動電極として機能させることにより、別個に大きいサイズの受動電極を設けることなく、送電台1の受動電極11pと受電ユニット4の受動電極との対向面積を広くすることができ、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
もちろん、電子機器3の筐体31全体を導電性材料で形成することに限定されるものではない。筐体31の一部、例えば送電台1の受動電極11pと対向する面のみを導電性材料で形成された導電部で構成する場合であっても、同様の効果が期待できる。
また、絶縁性材料からなる筺体31の外側又は内側に沿って、導電性材料からなる膜を形成しても良い。さらに、導電性材料も上述した銅、金、銀等の導体、これらの化合物等に限定されるものではなく、アルミニウム、ステンレス、チタン、鉄、ニッケル、炭素、黄銅等のいずれであっても、同様の効果が期待できる。
さらに、コネクタ26を介して受電ジャケット2に電子機器3を装着した状態で、電子機器3の筐体31と受電ジャケット2の受動電極21pとが電気的に接続されていることが好ましい。電子機器3の筐体31の電位と受電ジャケット2の受動電極21pの電位とが共通化され、受動電極21pの面積が実質的に拡大されたことにより受動電極間の結合容量が増大され、電力の伝送効率が向上するからである。電子機器3の筐体31の一部が導電性材料で形成された場合も、導電性材料で形成された導電部と受電ジャケット2の受動電極21pとを電気的に接続することにより同様の効果が期待できる。
また、受電ジャケット2の受動電極21pは、送電台1の受動電極11pと電気的に接続されていることがより好ましい。受電ジャケット2の受動電極21pと、送電台1の受動電極11pとが電気的に接続されているので、受電ジャケット2の受動電極21pの電位が変動することなく安定し、電力の伝送効率がより高まるからである。
図6は、本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの他の構成を示す模式図である。具体的には、図6に示すように、送電台1の受動電極11pに、受電ジャケット2の受動電極21pを接触させて直接導通させる。また、送電台1の受動電極11pを電圧発生回路12の接地電位に接続することにより、受電ジャケット2の受動電極21pの電位をより安定化することができる。
図7は、本発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの他の構成を模式的に示す等価回路図である。図7は、送電台1の受動電極11pに、受電ジャケット2の受動電極21pを接触させて直接導通させた場合を示している。図7において、容量CMは、送電台1の能動電極(第一の能動電極)11aと受電ジャケット2の能動電極(第二の能動電極)21aとの間の容量に相当する。抵抗rは、送電台1の受動電極(第一の受動電極)11pと受電ジャケット2の受動電極(第二の受動電極)21pとの間の接触抵抗に相当する。昇圧された100V〜10kVの高電圧で電力伝送を行うので、送電台1側の能動電極11aに流れる電流は、例えば数mA程度で良く(言い換えれば、充電電流より充分に小さな電流で良く)、接触抵抗を低く抑える必要がない。
以上のように本実施の形態1によれば、電力伝送の対象となる電子機器3を受電ジャケット2に装着した状態で送電台1に装着した場合に、電子機器3の筐体31全体又は電子機器3の筐体31のうち少なくとも送電台1の受動電極11pと対向する面に沿って導電性材料で形成された導電部を備えているので、導電性材料で形成された導電部が受動電極として機能して電力を伝送することができる。また、受動電極間の対向面積が広くなり、電力の伝送効率が向上するとともに、受電ジャケット2の受動電極21pを延伸する必要がないので、製造コストを低減することが可能となる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る電力伝送システムの構成を示す模式図である。図8では、送電モジュール10を備える送電台(送電ユニット)1の、受動ジャケット2を装着して支持する面に受動電極11p及び能動電極11aの両方を設けてある。能動電極11aは、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面の略中央に配置してあり、2つの受動電極11pで挟むように配置してある。つまり、送電台1の能動電極11a及び受電電極11pは、受電ジャケット2を装着した場合の受電ジャケット2の背面に対向する位置(面)に設けてある。
受電ユニット4は、電子機器3を装着することが可能な受電ジャケット2を備え、受電ジャケット2は、収容部25内に受電回路モジュール27とDC−DCコンバータ24とを備えている。受電ジャケット2は、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面に設けてある能動電極11aと対向する位置に能動電極21aを、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面に設けてある受動電極11pと対向する位置であって、受電回路モジュール27とDC−DCコンバータ24とを収容している収容部25が相対している範囲内に受動電極21pを、それぞれ配置してある。
受電ジャケット2には、電子機器3がコネクタ26を介して装着されている。コネクタ26は、受電回路モジュール27及びDC−DCコンバータ24と電気的に接続して収容部25から突出させてあり、能動電極(第二の能動電極)21a及び受動電極(第二の受動電極)21pと導通してある。
図9は、本発明の実施の形態2に係る受電ジャケット2の構成を示す模式平面図である。受電ジャケット2は、電子機器3を装着する背面に能動電極21aを配置してある。能動電極21aは接続線を介して受電回路モジュール27と電気的に接続してあり、DC−DCコンバータ24、コネクタ26を介して、電子機器3の負荷回路22へと電力を伝送する。受電ジャケット2の受動電極21pは、電子機器3を装着する面の収容部25側のみに設けられている。
電子機器3の筐体31は、銅、金、銀等の導体、これらの化合物等の導電性材料で形成された導電部であり、送電台1の受動電極11pと対向する面が受動電極として機能する。すなわち、電子機器3の筐体31を受動電極として機能させることにより、別個に大きいサイズの受動電極を設けることなく、送電台1の受動電極11pと受電ユニット4の受動電極との対向面積を広くすることができ、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
もちろん、電子機器3の筐体31全体を導電性材料で形成された導電部で構成する場合に限定されるものではない。筐体31の一部、例えば送電台1の受動電極11pと対向する面のみを導電性材料で形成された導電部で構成することによっても、同様の効果が期待できる。
また、絶縁性材料からなる筺体31の外側又は内側に沿って、導電性材料からなる膜を形成しても良い。さらに、導電性材料も上述した銅、金、銀等の導体、これらの化合物等に限定されるものではなく、アルミニウム、ステンレス、チタン、鉄、ニッケル、炭素、黄銅等のいずれであっても、同様の効果が期待できる。
さらに、コネクタ26を介して受電ジャケット2に電子機器3を装着した状態で、電子機器3の筐体31と受電ジャケット2の受動電極21pとが電気的に接続されていることが好ましい。電子機器3の筐体31の電位と受電ジャケット2の受動電極21pの電位とが共通化されることにより、電子機器3の筐体31が受電ジャケット2の受動電極21pの延伸部として機能するため、受動電極間の結合容量が増大し、電力の伝送効率が向上するからである。もちろん、電子機器3の筐体31の一部を導電性材料で形成された導電部で構成する場合も、導電性材料で形成された導電部と受電ジャケット2の受動電極21pとを電気的に接続することにより同様の効果が期待できる。
また、受電ジャケット2の受動電極21pは、送電台1の受動電極11pと電気的に接続されていることがより好ましい。受電ジャケット2の受動電極21pと、送電台1の受動電極11pとが電気的に接続されているので、受電ジャケット2の受動電極21pの電位が変動することなく安定し、電力の伝送効率がより向上するからである。
さらに、受電ジャケット2の能動電極21aは、電子機器3を装着する背面に配置する。これにより、送電台1に受電ジャケット2を縦置きして装着した場合であっても、横置きして装着した場合であっても、送電台1の能動電極11aと受電ジャケット2の能動電極21aとは十分な対向面積を確保することができる。したがって、送電台1に受電ジャケット2を縦置きして装着した場合であっても、横置きして装着した場合であっても、受電ジャケット2の装着する向きに依存することなく効率よく電力を伝送することが可能となる。
以上のように本実施の形態2によれば、電力伝送の対象となる電子機器3を受電ジャケット2に装着した状態で送電台1に装着する場合に、電子機器3の筐体31全体又は電子機器3の筐体31のうち少なくとも送電台1の受動電極11pと対向する面に沿って導電性材料で形成された導電部を備えているので、導電部が受電ジャケット2の受動電極として機能して電力を伝送することができる。また、受動電極間の対向面積が広くなり、電力の伝送効率が向上するとともに、受電ジャケット2の受動電極21pを延伸する必要がないので、製造コストを低減することが可能となる。さらに、受電ジャケット2の能動電極21aが、送電台1の能動電極11aと対向する位置に設けてあるので、送電台1に受電ジャケット2を縦置きして装着した場合であっても、横置きして装着した場合であっても、受電ジャケット2の装着する向きに依存することなく効率よく電力を伝送することが可能となる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る電力伝送システムの構成を示す模式図である。図10では、送電モジュール10を備える送電台(送電ユニット)1の、受動ジャケット2を装着して支持する面に受動電極11p及び能動電極11aの両方を設けてある。能動電極11aは、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面の略中央に配置してあり、2つの受動電極11pで挟むように配置してある。つまり、送電台1の能動電極11a及び受電電極11pは、受電ジャケット2を装着した場合の受電ジャケット2の背面に対向する位置(面)に設けてある。
受電ユニット4は、電子機器3を装着することが可能な受電ジャケット2を備え、受電ジャケット2は、収容部25内に受電回路モジュール27とDC−DCコンバータ24とを備えている。受電ジャケット2は、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面に設けてある能動電極11aと対向する位置に能動電極21aを配置してある。本実施の形態3では、送電台1の受電ジャケット2を装着して支持する面に設けてある受動電極11pと対向する位置であって、収容部25が相対している範囲内には、受動電極21pを配置していない点で実施の形態2とは相違する。
この場合は、電子機器3の筐体31の導電性材料で形成された部分(導電部)31aを受電ジャケット2の受動電極21pとして機能させることにより、受動電極間の結合容量を十分な大きさにすることができる。
受電ジャケット2には、電子機器3がコネクタ26を介して装着されている。コネクタ26は、受電回路モジュール27及びDC−DCコンバータ24と電気的に接続して収容部25から突出させてあり、能動電極(第二の能動電極)21aと導通してある。
電子機器3の筐体31は、銅、金、銀等の導体、これらの化合物等の導電性材料で形成された導電部であり、送電台1の受動電極11pと対向する面が受動電極として機能する。すなわち、電子機器3の筐体31を受動電極として機能させることにより、別個に大きいサイズの受動電極を設けることなく、送電台1の受動電極11pと受電ユニット4の受動電極との対向面積を広くすることができ、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
もちろん、電子機器3の筐体31全体を導電性材料で形成された導電部で構成する場合に限定されるものではない。筐体31の一部、例えば送電台1の受動電極11pと対向する面のみを導電性材料で形成された導電部で構成することによっても、同様の効果が期待できる。
また、絶縁性材料からなる筺体31の外側又は内側に沿って、導電性材料からなる膜を形成しても良い。さらに、導電性材料も上述した銅、金、銀等の導体、これらの化合物等に限定されるものではなく、アルミニウム、ステンレス、チタン、鉄、ニッケル、炭素、黄銅等のいずれであっても、同様の効果が期待できる。
さらに、コネクタ26を介して受電ジャケット2に電子機器3を装着した状態で、電子機器3の筐体31と受電ジャケット2の受電回路モジュール27とが電気的に接続されていることが好ましい。電子機器3の筐体(導電部)31の電位と受電ジャケット2の受電回路モジュール27とが接続されることにより、電子機器3の筐体(導電部)31が受電ジャケット2の受動電極として機能するため、受動電極間の結合容量が増大し、電力の伝送効率が向上するからである。もちろん、電子機器3の筐体31の一部のみを導電性材料で形成された導電部31aで構成する場合も、導電性材料で形成された導電部31aと受電ジャケット2の受電回路モジュール27とを電気的に接続することにより同様の効果が期待できる。
また、受電ジャケット2の能動電極21aは、電子機器3を装着する背面に配置する。これにより、送電台1に受電ジャケット2を縦置きに装着した場合であっても、横置きに装着した場合であっても、送電台1の能動電極11aと受電ジャケット2の能動電極21aとは十分な対向面積を確保することができる。したがって、送電台1に受電ジャケット2を縦置きした場合であっても、横置きした場合であっても、受電ジャケット2の装着する方向に依存することなく効率よく電力を伝送することが可能となる。
以上のように本実施の形態3によれば、電力伝送の対象となる電子機器3を受電ジャケット2に装着した状態で送電台1に装着する場合に、電子機器3の筐体31全体又は電子機器3の筐体31のうち少なくとも送電台1の受動電極11pと対向する面に沿って導電性材料で形成された導電部31aを備えているので、導電性材料で形成されている部分(導電部31a含む)が受電ユニット4の受動電極として機能して電力を伝送することができる。また、受電ジャケット2に別個に受動電極を設ける必要がないので、製造コストを低減することが可能となる。さらに、受電ジャケット2の能動電極21aが、送電台1の能動電極11aと対向する位置に設けてあるので、送電台1に受電ジャケット2を縦置きして装着した場合であっても、横置きして装着した場合であっても、受電ジャケット2の装着する向きに依存することなく効率よく電力を伝送することが可能となる。
その他、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。例えば電子機器3は、可搬型の電子機器であっても良いし、据置型の電子機器であっても良い。
1 送電台(送電装置)
2 受電ジャケット
3 電子機器
4 受電ユニット
10 送電モジュール
11 結合電極(第一の結合電極)
11a 能動電極(第一の能動電極)
11p 受動電極(第一の受動電極)
12 電圧発生回路
13 昇圧トランス
21 結合電極(第二の結合電極)
21a 能動電極(第二の能動電極)
21p 受動電極(第二の受動電極)
22 負荷回路
23 降圧トランス
24 DC−DCコンバータ
25 収容部
26 コネクタ
27 受電回路モジュール
31 筐体(導電部)
31a 導電部

Claims (8)

  1. 第一の受動電極、該第一の受動電極より高電位である第一の能動電極、及び前記第一の受動電極と前記第一の能動電極との間に接続された電圧発生回路とを備える送電装置と、
    第二の能動電極と、該第二の能動電極に接続された受電回路モジュールとを備える受電ジャケットと、
    該受電ジャケットに装着することが可能な電子機器と
    を備える電力伝送システムであって、
    前記電子機器の筐体は、前記電子機器を装着した前記受電ジャケットを前記送電装置に装着した場合に前記第一の受動電極と対向する面に沿って、導電性材料で形成された導電部を備え、該導電部と前記第二の能動電極との間に前記受電回路モジュールが電気的に接続されていることを特徴とする電力伝送システム。
  2. 前記受電ジャケットは、前記導電部と電気的に接続された第二の受動電極を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力伝送システム。
  3. 前記受電ジャケットの前記第二の受動電極が、前記送電装置の前記第一の受動電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電力伝送システム。
  4. 前記送電装置の前記第一の能動電極及び前記第一の受動電極が、前記受電ジャケットを装着した場合の前記受電ジャケットの背面に対向する面に設けてあり、
    前記受電ジャケットの前記第二の能動電極が、前記送電装置の前記第一の能動電極と対向する位置に設けてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力伝送システム。
  5. 第一の受動電極、該第一の受動電極より高電位である第一の能動電極、及び前記第一の受動電極と前記第一の能動電極との間に接続された電圧発生回路とを備える送電装置から非接触で電力を伝送され、電力伝送の対象となる電子機器を装着することが可能な受電ジャケットであって、
    筐体の、少なくとも前記第一の受動電極と対向する面に沿って、導電性材料で形成された導電部を備える前記電子機器を装着することが可能としてあり、
    第二の能動電極と、該第二の能動電極に接続された受電回路モジュールとを備え、
    前記導電部と前記第二の能動電極との間に前記受電回路モジュールが電気的に接続されていることを特徴とする受電ジャケット。
  6. 前記導電部と電気的に接続された第二の受動電極を備えることを特徴とする請求項5に記載の受電ジャケット。
  7. 前記第二の受動電極が、前記送電装置の前記第一の受動電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の受電ジャケット。
  8. 前記送電装置の前記第一の能動電極及び前記第一の受動電極が、前記送電装置に装着した場合に背面に対向する面に設けてあるときには、前記第二の能動電極は、前記送電装置の前記第一の能動電極と対向する位置に設けてあることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の受電ジャケット。
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