JP5168201B2 - 加圧流体の通路切り替え方法および分離方法 - Google Patents
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Description
(1)流体が回転弁の外部に漏洩した場合、流体の損失になるばかりでなく、流体の種類や周辺の状況によっては環境汚染等の問題を引き起こす可能性がある。
(2)流体が回転弁の内部で漏洩した場合、吸着分離により得られる目的成分の純度の汚染や回収率の低下を引き起こす。
(1)加圧流体の通過する通路(A)をもつ回転弁を用いて加圧流体の通路の切り替えを行うにあたり、回転弁として、前記通路(A)の一部となる通路(A−1)を備えた少なくとも1つの円盤と、前記通路(A)の別の一部となる通路(A−2)を備えた、前記円盤に接して回転自在に配設される回転子とが円筒内に設けられた回転弁を用い、かつ、前記回転弁に供給する加圧流体の圧力を低下させた後に前記回転子を回転し始め、該回転子の回転が完了して前記円盤の前記通路(A−1)と前記回転子の(A−2)とが連通状態となった後に前記加圧流体の圧力を上昇させることを特徴とする加圧流体の通路切り替え方法。
(2)前記回転弁として、前記円盤を少なくとも2つ有し、一方の円盤(a)が、一方の端部が閉塞されている前記円筒の他方の端部に液密に固定され、他方の円盤(b)が前記回転子を挟んで前記一方の円盤とは反対側でかつ前記円筒内を往復可能に設けられたものを用い、前記円盤(a)、(b)の間でかつ前記円筒の内周面と前記回転子との間に形成された中空円柱状の空間(x)、および、前記円盤(b)と前記円筒の内周面と前記円筒の閉塞端部とで形成された空間(y)を、圧力室として作用させることを特徴とする、前記(1)記載の加圧流体の通路切り替え方法。
(3)前記空間(y)の圧力を低下させて前記回転子を回転することを特徴とする、前記(2)記載の加圧流体の通路切り替え方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法で加圧流体の通路を切り替えながら擬似移動床による吸着分離を行うことを特徴とする分離方法。
吸着帯:原料混合物を吸着剤と接触させ、強吸着成分を選択的に吸着させるとともに、弱吸着成分および後述の脱着剤を含むラフィネートを抜き出す。
濃縮帯:吸着帯で強吸着成分を選択的に吸着した吸着剤を、脱着帯から抜き出されるエクストラクトの一部に接触させ、吸着剤中に残存する強吸着成分の純度を向上させる。
脱着帯:吸着剤上に濃縮された強吸着成分を脱着剤で追い出し、強吸着成分および脱着剤を含むエクストラクトを抜き出す。
回収帯:吸着帯から流れてくる弱吸着成分を吸着剤に吸着させ、脱着剤を含むラフィネートとして取り出すとともに、実質的に脱着剤のみとなった流れを回収する。
(a)開孔部70−環状溝69一連通孔67−開孔部53による通路A、
(b)開孔部55一連通孔66−開孔部61による通路B、
(c)開孔部52−環状溝50一連通孔65−開孔部57による通路C、
(d)開孔部59一連通孔64−環状溝51−開孔部62による通路D、
が上記四つの通路である。
(1)図5に示す態様において、別部材の隔壁71を設けず、円筒68の一方の端部を側面と一体的に閉塞したもの(図7a)。
(2)図5に示す態様において、隔壁71を設けず、代わりに円筒68の開口端部(円盤48の側)を閉鎖して、該閉鎖端部と、円盤48とで形成される円筒状の空間を圧力室72として作用させるもの(図7b)。
(3)図5に示す態様において、円盤49と円筒68の内周面と該円筒68の端部を閉塞している隔壁71とによる空間を圧力室72として作用させることに加えて、円筒68の開口端部(円盤48の側)を閉鎖して該閉鎖端部と円盤48とで形成される円筒状の空間も圧力室72として作用させるもの。(図7c)
また、本発明において、回転弁の材質は特に限定されないが、回転子自身または回転子の接触面は自己潤滑性を有する材質が良い。これに適する材質としては、例えば「テフロン」(登録商標)、「テフロン」含浸ガラス綿、弗化炭化黒鉛、ポリアセタ−ル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、またはナイロンあるいはポリエステル樹脂も含まれる。さらにはセラミックス類で回転子および/または円盤をつくってもよい。
SiO2/Al2O3のモル比が4.8であるNa−Y型ゼオライト(日揮触媒化成製)粉末100重量部に、アルミナゾル(日産化学製、Al2O3含量10重量%)を8重量部(Al2O3換算)、アルミナゲル(日揮触媒化成製、Al2O3含量70重量%)を7重量部(Al2O3換算)および全水分量が約50重量%になるように蒸留水を加えて約1時間混練し、0.3mmφの開孔径を有するスクリーンから押し出した。120℃で12時間乾燥後、500℃で2時間焼成してNa−Y成型体を得た。
本実施例では、図8に示すとおり、吸着室2〜13が回転弁を経由する連結管22〜34により直列に結ばれ、流体の供給管(脱着剤の供給管36、原料混合物の供給管38)および抜き出し管(エクストラクトの抜き出し管37、ラフイネ−トの抜き出し管39)が回転弁内で連結管22〜34に接続する態様の擬似移動床吸着分離装置を用いた。各吸着室の内径は336mm、高さは1100mmとし、前記の方法により調製した吸着剤0.3Ag−K−Yを各室に64.8kg(合計777.6kg)充填した。
回転子が回転する際に、脱着剤のバイパス配管の開閉弁43を開けないこと以外は、実施例1と同様にして吸着分離を行った。回転弁が静止しているときの圧力計40が示す圧力は1.58MPaGであったが、回転弁が回転しているときは流路が密閉状態になるため、圧力計40が示す圧力は1.80MPaまで上昇した。本比較例において、回収率75%におけるm−クロロトルエンの純度は98.4%と大きく低下した。
回転子が回転する際に、円盤と回転子を押圧する油圧の圧力を下げず、圧力室72の圧力を1.25MPaGで一定とした以外は実施例1と同様にして吸着分離を行った。本実施例において、安定して運転を継続できた時には、回収率75%におけるm−クロロトルエンの純度99.9%が得られたが、回転子が回転しにくく、時々回転不良を起こし、運転継続が困難となった。
2〜13:吸着室
14〜20:吸着室と吸着室をつなぐ連結管
21:連結管
22〜34:回転弁と吸着室をつなぐ連結管
35:脱着剤戻り管
36:脱着剤の供給管
37:エクストラクトの抜き出し管
38:原料混合物の供給管
39:ラフィネートの抜き出し管
40:圧力計
41:開閉弁
42:流量計
43:開閉弁
44:脱着剤タンク
45:ポンプ
46:回転軸
47:回転子
48〜49:円盤
50〜51:環状溝
52〜62:開孔部
63:圧力調節口
64〜67:連通孔
68:円筒
69:環状溝
70:開孔部
71:隔壁
72:圧力室
73:圧力室
74: Oリング
75:圧力調節口
76〜78:開口部
79〜80:環状溝
81〜83:連通孔
84〜85:環状溝
86〜87:連通孔
88〜89:開口部
Claims (4)
- 加圧流体の通過する通路(A)をもつ回転弁を用いて加圧流体の通路の切り替えを行うにあたり、回転弁として、前記通路(A)の一部となる通路(A−1)を備えた少なくとも1つの円盤と、前記通路(A)の別の一部となる通路(A−2)を備えた、前記円盤に接して回転自在に配設される回転子とが円筒内に設けられた回転弁を用い、かつ、前記回転弁に供給する加圧流体の圧力を低下させた後に前記回転子を回転し始め、該回転子の回転が完了して前記円盤の前記通路(A−1)と前記回転子の(A−2)とが連通状態となった後に前記加圧流体の圧力を上昇させることを特徴とする加圧流体の通路切り替え方法。
- 前記回転弁として、前記円盤を少なくとも2つ有し、一方の円盤(a)が、一方の端部が閉塞されている前記円筒の他方の端部に液密に固定され、他方の円盤(b)が前記回転子を挟んで前記一方の円盤とは反対側でかつ前記円筒内を往復可能に設けられたものを用い、前記円盤(a)、(b)の間でかつ前記円筒の内周面と前記回転子との間に形成された中空円柱状の空間(x)、および、前記円盤(b)と前記円筒の内周面と前記円筒の閉塞端部とで形成された空間(y)を、圧力室として作用させることを特徴とする、請求項1記載の加圧流体の通路切り替え方法。
- 前記空間(y)の圧力を低下させて前記回転子を回転することを特徴とする、請求項2記載の加圧流体の通路切り替え方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で加圧流体の通路を切り替えながら擬似移動床による吸着分離を行うことを特徴とする分離方法。
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