以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<1.第1実施形態>
<構成>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの外観構成を示す図である。ここで、図1は、撮像装置1Aの正面外観図であり、図2は、撮像装置1Aの背面外観図である。この撮像装置1Aは、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。
図1に示すように、撮像装置1Aは、カメラ本体部(カメラボディ)2を備えている。このカメラ本体部2に対して、交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)3が着脱可能である。
撮影レンズユニット3は、主として、鏡胴101、ならびに、鏡胴101の内部に設けられるレンズ群37(図3参照)及び絞り(不図示)等によって構成される。レンズ群37には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3が装着される円環状のマウント部Mtを正面略中央に備え、撮影レンズユニット3を着脱するための着脱ボタン89を円環状のマウント部Mt付近に備えている。
また、カメラ本体部2は、その正面左上部にモード設定ダイアル82を備え、その正面右上部に制御値設定ダイアル86を備えている。モード設定ダイアル82を操作することによって、カメラの各種モード(各種撮影モード(人物撮影モード、風景撮影モード、および連続撮影モード等)、撮影した画像を再生する再生モード、および外部機器との間でデータ交信を行う通信モード等を含む)の設定動作(切替動作)を行うことが可能である。また、制御値設定ダイアル86を操作することによれば、各種撮影モードにおける制御値を設定することが可能である。
また、カメラ本体部2は、正面左端部にユーザが把持するためのグリップ部14を備えている。グリップ部14の上面には露光開始を指示するためのレリーズボタン(シャッターボタン)11が設けられている。グリップ部14の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えば4本の単3形乾電池が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するための記録媒体(ここでは、メモリカード90(図5参照))が着脱可能に収納されるようになっている。
レリーズボタン11は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)の2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。レリーズボタン11が半押しされS1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、AF制御動作およびAE制御動作等)が行われる。また、レリーズボタン11がさらに押し込まれてS2状態になると、当該本撮影画像の撮影動作(撮像素子(または「主撮像素子」とも称する)5(後述)を用いて被写体像に関する露光動作を行い、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作)が行われる。
図2において、カメラ本体部2の背面の略中央には、表示部としてモニタ12が設けられている。モニタ12は、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。モニタ12は、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカード90に記録された撮影画像を再生表示したりすることができる。
カメラ本体部2の背面略中央上部には、ファインダ窓10が設けられている。ファインダ窓10には、撮影レンズユニット3からの被写体像が導かれ、ユーザは、ファインダ窓10を覗くことによって、主撮像素子5によって取得される被写体像と等価な像を視認することができる。具体的には、撮影光学系に入射された被写体像は、ミラー機構6(図3参照)で上方に反射され、接眼レンズ67を介して視認される。このように、ユーザは、ファインダ窓10を覗くことによって構図決めを行うことが可能である。なお、レリーズボタン11のS2状態の検出によって本撮影画像の撮影動作が開始されると、ミラー機構6は被写体像を形成する光の光路から待避し、撮影レンズユニット3からの光(被写体像を形成する光)が主撮像素子5に到達し、被写体に係る撮影画像(画像データ)が得られる。
ファインダ窓10の下部には、接眼検知センサ13が設けられている。接眼検知センサ13は、近接物体の有無を検知するセンサであり、ユーザによるファインダ使用の有無を検知する。
モニタ12の左上部にはメインスイッチ81が設けられている。メインスイッチ81は、2点のスライドスイッチからなり、接点を左方の「OFF」位置に設定すると、撮像装置1Aの電源がオフになり、接点を右方の「ON」位置に設定すると、撮像装置1Aの電源がオンになる。
モニタ12の右側には方向選択キー84と表示切替スイッチ9とが設けられている。方向選択キー84は、円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作と、右上、左上、右下及び左下の4方向の押圧操作とが、それぞれ検出されるようになっている。なお、方向選択キー84は、上記8方向の押圧操作とは別に、中央部のプッシュボタンの押圧操作も検出されるようになっている。
表示切替スイッチ9は、3点のスライドスイッチからなる。表示切替スイッチ9の接点が上段の「光学」位置に設定されると光学ビューファインダモード(「OVFモード」とも称する)が選択され、光学ファインダ視野内に被写体像が表示される。これにより、ユーザは、ファインダ窓10を介して光学ファインダ視野内の被写体像を視認して、構図決め操作(「フレーミング」とも称する)を行うことが可能になる。
また、表示切替スイッチ9の接点が下段の「液晶」位置に設定されると電子ビューファインダモード(「EVFモード」とも称する)が選択され、モニタ12において被写体像に係るライブビュー画像が動画的態様にて表示(ライブビュー表示)される。これにより、ユーザは、モニタ12に表示されるライブビュー画像を視認することによって、フレーミングを行うことが可能になる。
また、表示切替スイッチ9の接点が中段の「自動」位置に設定されると、ファインダ窓10への接眼の有無に応じて、光学ファインダ視野内の表示(「OVF表示」とも称する)とライブビュー表示とが自動的に切り替えられる。これにより、ユーザは、撮像装置1Aの使用態様に応じて、光学ファインダ視野内の表示、或いはライブビュー表示のいずれかを視認して、フレーミングを行うことが可能となる。
モニタ12の左側には、メニュー画面の設定、画像の削除などを行うための複数のボタンからなる設定ボタン群83が設けられている。
次に、撮像装置1Aの内部構成について説明する。図3および図4は、第1実施形態に係る撮像装置1Aの縦断面図である。
図3に示すように、撮像装置1Aの内部には、ファインダ部(「ファインダ光学系」とも称する)102、ミラー機構6、位相差AFモジュール(以下、単にAFモジュールとも称する)20、シャッタ4、主撮像素子5および副撮像素子7などが備えられている。
主撮像素子(ここではCCDセンサ(単にCCDとも称する))5は、撮影レンズユニット3が備えているレンズ群37の光軸L上において、光軸Lに対して垂直な平面内に配置される。主撮像素子5は、その撮像面で受光された被写体像を光電変換作用により電気的信号に変換して、本撮影画像に係る画像信号を生成する。
また、主撮像素子5の直前には、シャッタ4が配置されている。このシャッタ4は、上下方向に移動する幕体を備え、光軸Lに沿って主撮像素子5に導かれる被写体光の光路開口動作および光路遮断動作を行うメカニカルフォーカルプレーンシャッタである。
また、図3に示されるように、撮影レンズユニット3から主撮像素子5に至る光路(「撮影光路」とも称する)上には、ミラー機構6が設けられている。
ミラー機構6は、撮影光学系からの光を上方に向けて反射する主ミラー61(主反射面)を有している。この主ミラー61は、例えばその一部または全部がハーフミラーとして構成され、撮影光学系からの光の一部を透過させる。また、ミラー機構6は、主ミラー61を透過した光を下方に反射させるサブミラー62(副反射面)をも有している。
また、ミラー機構6は、所謂クイックリターンミラーとして構成されており、ミラーダウン状態とミラーアップ状態との間で姿勢を切り替えることが可能である。
具体的には、撮影モードにおいてレリーズボタン11が全押し状態S2にされるまで、換言すれば構図決めの際には、ミラー機構6はミラーダウン状態となるように配置される(図3参照)。そして、ミラーダウン状態では、撮影レンズユニット3からの被写体光は、主ミラー61で上方に反射され観察用光束としてファインダ部(「ファインダ光学系」とも称する)102に入射する。ファインダ部102の詳細については、後述する。
また、被写体光の一部は、主ミラー61を透過し、サブミラー62によって下方に反射され、AFモジュール20へと導かれる。
AFモジュール20は、被写体のピント情報を検出するラインセンサ等によって構成され、所謂AFセンサとして機能する。具体的には、AFモジュール20は、撮影領域に設定された測距エリア(「フォーカスエリア」または「AFエリア」とも称する)における被写体からの光を受光して、被写体像の合焦度合いに応じた位相差検出信号を発生させる位相差検出機能を有している。すなわち、撮影待機時におけるミラーダウン状態においては、AFモジュール20に導かれる被写体光に基づいて、AFモジュール20から位相差検出信号が出力される。
一方、レリーズボタン11が全押し状態S2にされると、ミラー機構6はミラーアップ状態(図4参照)となるように駆動され、露光動作が開始される。
具体的には、図4に示すように、露光時には、ミラー機構6は、回転軸63を支点として上方に向けて跳ね上がり、撮影光路から待避する。詳細には、撮影光学系からの光を遮らないように主ミラー61とサブミラー62とが上方に待避し、撮影レンズユニット3からの光がシャッタ4の開放タイミングに合わせて主撮像素子5に到達する。主撮像素子5は、光電変換によって、受光した光束に基づいて被写体像に関する画像信号を生成する。このように、被写体からの光が撮影レンズユニット3を介して主撮像素子5に導かれることによって、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。
<機能ブロック>
次に、撮像装置1Aの機能の概要について説明する。図5は、第1実施形態に係る撮像装置1Aの機能構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、撮像装置1Aは、位相差AFモジュール20、操作部80、全体制御部100、ミラー機構6、シャッタ4、主撮像素子5、A/D変換回路52、デジタル信号処理回路50、および画像メモリ56等を備える。
操作部80は、レリーズボタン11(図1参照)を含む各種ボタンおよびスイッチ等を備えて構成される。操作部80に対するユーザの入力操作に応答して、全体制御部100が各種動作を実現する。
主撮像素子5は、タイミング制御回路(不図示)から入力される駆動制御信号(蓄積開始信号および蓄積終了信号)に応答して、受光面(撮像面)に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行い、当該被写体像に係る画像信号を生成する。
主撮像素子5で取得された画像信号(アナログ信号)は、A/D変換回路52によってデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された画像信号は、デジタル信号処理回路50に入力される。
デジタル信号処理回路50は、A/D変換回路52から入力される画像信号に対してデジタル信号処理を施す。具体的には、黒レベル補正処理、ホワイトバランス(WB)処理、γ補正処理等の信号処理を行う。当該信号処理後の画像信号(画像データ)は、画像メモリ56に格納される。
画像メモリ56は、生成された画像データを一時的に記憶するための、高速アクセス可能な画像メモリであり、複数フレーム分の画像データを記憶可能な容量を有している。
本撮影時には、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、全体制御部100において適宜画像処理(圧縮処理等)が施された後、メモリカード90に記憶される。
副撮像素子7は、基本的には主撮像素子5と同様の機能を有し、いわゆるライブビュー画像取得用(電子ファインダ用)の撮像素子(補助撮像素子)としての役割を果たす。具体的には、副撮像素子7は、ファインダ光学系に導かれた被写体像の露光を行い、ライブビュー表示用の画像に関する画像信号を取得する。なお、副撮像素子7は、ライブビュー用の画像信号を生成するための解像度を有していればよく、通常、主撮像素子5よりも少ない数の画素で構成される。
副撮像素子7によって取得された画像データは、A/D変換回路52およびデジタル信号処理回路50において所定の処理が実行され画像メモリ56に一旦記憶された後、モニタ12に表示される。
全体制御部100は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU,RAM120A、およびROM120B等を備える。全体制御部100は、ROM120B内に格納されるプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各種機能を実現する。
全体制御部100は、上述のプログラムの実行によって、位相差AF制御部121、被写体検出部122、駆動制御部123、表示素子制御部124、表示制御部125、およびミラー制御部126等を機能的に実現する。
位相差AF制御部121は、位相差方式による自動合焦(AF)動作(「位相差AF」とも称する)を行う。具体的には、位相差AF制御部121は、AFモジュール20から出力される位相差検出信号に基づいて、合焦時の撮影レンズ(より詳細にはフォーカスレンズ)の位置(レンズ合焦位置)を特定するレンズ合焦位置特定動作を行う。
また、位相差AF制御部121は、駆動制御部123と協働して、当該レンズ合焦位置に撮影レンズ(フォーカスレンズ)を移動するレンズ駆動動作をも実行する。
具体的には、位相差AF制御部121は、駆動制御部123を介して撮影レンズユニット3のレンズ側制御部31に制御信号を伝達し、レンズ駆動部38を駆動させ、撮影レンズユニット3のレンズ群37に含まれるフォーカスレンズをその光軸方向において移動させる。また、フォーカスレンズの位置は、撮影レンズユニット3のレンズ位置検出部39によって検出され、フォーカスレンズの位置を示すデータがレンズ側制御部31から本体側の全体制御部100に送られる。
被写体検出部122は、副撮像素子7によって取得された撮影画像(補助画像)から、特定被写体を検出する被写体検出動作を行う。ここでは、人物の顔(「顔領域」とも称する)を特定被写体とし、顔領域を補助画像から検出する顔検出動作が実行されるものとする。
顔領域の検出手法としては、例えば、撮影画像における各画素の画素値に基づいて、画像の肌色部分を抽出し、この肌色部分の面積が予め設定された閾値以上であった場合に、その肌色部分を人物の顔として検出する手法を採用してもよい。或いは、周知のパターン認識技術を用いて、目や口などの顔の特定部分を抽出することで、人物の顔を検出する手法を採用してもよい。なお、特定被写体として、動物(例えば、犬、猫等)の顔を検出するようにしてもよい。
このような顔検出動作が実行されるか否かは、メニュー画面におけるユーザ操作(メニュー操作)によって決定される。詳細には、メニュー操作によって顔検出機能が有効化(能動化)されると、EVFモードにおいて顔検出動作が実行される。一方、メニュー操作によって顔検出機能が無効化(オフ)されると、顔検出動作が実行されない(非実行となる)。
なお、顔検出動作は、副撮像素子7によって順次に取得される撮影画像のうち、数フレームおきの撮影画像(「顔検出用画像」とも称する)を用いて実行される。すなわち、顔検出動作は、数フレームに1フレームの割合で実行される。
当該顔検出動作によって検出された顔情報(「顔検出情報」とも称する)は、例えば、AFエリアを選択(決定)する際の参考情報として、或いは、本撮影画像とともに記憶されるメタ情報(メタデータ)の一部として用いられる。なお、顔検出情報には、例えば、撮影画像における顔の位置、大きさ、および属性(例えば、大人の顔であるか子供の顔であるか等の顔の特性)等の情報が含まれる。
表示素子制御部124は、ファインダ部102内に設けられたスーパーインポーズ表示素子(単に「表示素子」とも称する)66の出力を制御する。
表示制御部125は、モニタ12などの表示部における表示内容を制御する。例えば、表示制御部125は、副撮像素子7によって連続的に取得される撮影画像に基づいて、モニタ12に連続的な画像を表示させる。
ミラー制御部126は、ミラー機構6が光路から退避した状態(ミラーアップ状態)とミラー機構6が光路を遮断した状態(ミラーダウン状態)との状態切替を制御する。ミラー制御部126は、ミラー切り替え用モータ(不図示)を駆動制御することによって、ミラーアップ状態とミラーダウン状態とを切り替える。
<構図決め動作(フレーミング動作)について>
次に、撮像装置1Aにおける構図決め動作について説明する。上述のように、撮像装置1Aでは、ユーザは、表示切替スイッチ9のスライド操作によって、OVFモードで光学ファインダを利用して構図決めを行うか、EVFモードで電子ファインダを利用して構図決めを行うかを選択することができる。図6は、撮像装置1Aの縦断面図であり、電子ファインダを用いた構図決め動作を示している。
構図決めの際には、ミラー機構6はミラーダウン状態となるように配置される(図3および図6参照)。上述のように、ミラーダウン状態では、撮影レンズユニット3からの被写体像は、主ミラー61で上方に反射され観察用光束としてファインダ部102に導かれる。
ファインダ部102は、ペンタミラー65、接眼レンズ67、アイピースシャッター68、ファインダ窓10、スーパーインポーズ表示素子66、結像レンズ69、および副撮像素子7を備えている。
ペンタミラー65は、複数のミラー(反射面)を有しており、反射によって被写体像の天地左右を入れ替えて正立像にする機能および被写体光の光路を変更する機能を有している。
具体的には、ペンタミラー65は、三角屋根状に形成された2面のミラー(ダハミラー)65a,65bと、当該ダハミラー(ダハ面)65a,65bに対して固定された面65cと、光路変更ミラー(反射面)65eとを有している。
ダハミラー65a,65bは、プラスチック成型により一体部品65dとして形成され、被写体光を2回反射させることによって被写体像の姿勢を反転させる機能を有している。光路変更ミラー65eは、光学ファインダおよび電子ファインダのいずれを採用して構図決めを行うかに応じて被写体光の光路を変更する機能を有している。
接眼レンズ67は、ペンタミラー65により正立像にされた被写体像をファインダ窓10の外側に導く機能を有している。
アイピースシャッター68は、接眼レンズ67とファインダ窓10との間に設けられ、ファインダ窓10から撮像装置1A内に進入する外光を遮断する遮光状態と、ファインダ窓10からの外光を遮らない非遮光状態との間で状態切替が可能な遮光(シャッター)手段として機能する。例えば、EVFモードでは、アイピースシャッター68は遮光状態となり、OVFモードでは、非遮光状態となる。
スーパーインポーズ表示素子66は、例えば発光ダイオード(LED)によって構成され、ファインダ部102を通過する被写体像に付加情報を重畳させる機能を有している。具体的には、スーパーインポーズ表示素子66は、焦点板64の直上に配置されたSI(スーパーインポーズ)スクリーンHSに対して光を照射することで、被写体像に付加情報を重畳させることができる。
以下では、光学ファインダを用いたフレーミング動作および電子ファインダを用いたフレーミング動作それぞれについて詳述する。図7は、ファインダ窓10に映り込む線画Gvを示す図である。図8は、AFエリアを表す線画を示す図である。
まず、光学ファインダを用いたフレーミング動作について説明する。
図3に示すように、OVFモードでは、ミラー機構6が、撮影レンズユニット3からの被写体像の光路上に配置され、被写体像が主ミラー61とペンタミラー65と接眼レンズ67とを介してファインダ窓10へと導かれる。このように、主ミラー61とペンタミラー65と接眼レンズ67とを含むファインダ光学系102は、撮影光学系によって取得された被写体像をファインダ窓10へと導くことが可能である。
より詳細には、撮影レンズユニット3を通過した被写体光は、主ミラー61で上方に反射され、焦点板64に結像する。焦点板64に結像した被写体光は、当該焦点板64およびSIスクリーンHSを通過し、ペンタミラー65で進路変更された後に、接眼レンズ67を通ってファインダ窓10へ向かう(図3の光路PA参照)。このように光路PAに沿って、ファインダ窓10に導かれた被写体像は、ユーザ(観察者)の眼へ到達して視認される。
すなわち、OVFモードでは、ユーザは、ファインダ窓10を覗くことによって、被写体像を視認し、構図決めを行うことができる。
また、光学ファインダにおいては、例えば図7のように被写体に対してのフォーカス位置および/または測光位置を示す線画(「線描画」または「ターゲットマーク」とも称する)Gvが被写体像に重畳されてファインダ窓10に映り込むようになっている。この線画Gvは、フォーカスおよび/または露出に関する複数の撮影条件それぞれに対応する複数の線画によって構成されている。
なお、撮像装置1Aでは、図7に示される線画Gvのうち、9つの線画(図8参照)に対応する位置にAFモジュール20の焦点検出センサが設けられており、当該9つの線画は、撮影画面において焦点情報を取得可能なAFエリアを表している。撮像装置1Aでは、これら9つのAFエリアに存在する焦点検出センサを用いることによって、被写体のピント合わせが可能となっている。
以上のような線画Gvは、透光性の部材として構成される焦点板64の上面を罫書くことで描画されている。すなわち、被写体像に重畳されてファインダ窓10に導かれる線画Gvは、撮影レンズを通った被写体光をファインダ窓10に導く光路PA上に設けられた焦点板64に表されている。
次に、電子ファインダを用いたフレーミング動作について説明する。
図6に示すように、EVFモードでは、ミラー機構6は、撮影レンズユニット3からの被写体像の光路上に配置される。そして、撮影レンズユニット3を通過した被写体光は、主ミラー61で上方に反射され、焦点板64に結像する。焦点板64に結像した被写体光は、当該焦点板64およびSIスクリーンHSを通過し、ペンタミラー65で進路変更された後に、結像レンズ69(結像光学系)を通過して副撮像素子7の撮像面上で再結像する(図6の光路PB参照)。
このようにEVFモードでは、被写体像は、OVFモードにおける光路PAとは異なる光路PBに沿って副撮像素子7に導かれる。
このようなファインダ部102における光路変更は、光路変更ミラー65eの角度(カメラ本体部2に対する設置角度)をファインダモードに応じて変更することによって実現される。
具体的には、光路変更ミラー65eは、表示切替スイッチ9のスライド動作に連動して、軸AX1を中心に回転可能に構成され、EVFモード(図6参照)では、OVFモード(図3参照)に比べて軸AX1を中心に矢印AR1の向きに所定角度AN回動される。
そして、全体制御部100は、軸AX1に関する光路変更ミラー65eの角度を検出する角度検出器(不図示)による検出結果に応じて、光学ファインダによる構図決め動作を行うべきか、電子ファインダによる構図決め動作を行うべきかを決定する。
図3に示す光路変更ミラー65eの角度では、光学ファインダによる構図決め動作を行うべき旨が決定され、副撮像素子7への給電を停止しモニタ12を非表示にする等の処理が行われる。一方、図6に示す光路変更ミラー65eの角度では、電子ファインダによる構図決め動作を行うべき旨が決定され、ライブビューモードの処理、つまり副撮像素子7への給電を行うとともにモニタ12にライブビュー画像を表示させる処理が行われる。
このように、EVFモードでは、光路変更ミラー65eの姿勢を変更することによって、ファインダ部102内の被写体光の光路が変更される。これにより、被写体光は、結像レンズ69を通過して副撮像素子7に到達する。
副撮像素子7は、光路PBに沿って副撮像素子7に到達した被写体光を受光し、被写体像に係る撮影画像を微小時間間隔(例えば、1/60秒)で順次に取得する。取得された時系列の撮影画像は、モニタ12に動画的態様にて順次に表示(ライブビュー表示)される。
これによって、ユーザは、モニタ12に表示される動画像(ライブビュー画像)を視認して構図決めを行うことが可能になる。
なお、結像レンズ69および副撮像素子7は、OVFモードにおいて光路変更ミラー65eから接眼レンズ67へと進行する光束を遮らない位置(ここでは、接眼レンズ67の上方位置)に配置されている。
このように、撮像装置1Aでは、ファインダ部102の光路変更ミラー65eの姿勢を変更して被写体光の光路を変更することによって、OVFモードとEVFモードとが切り換えられる。
<スーパーインポーズ表示について>
次に、フレーミングの際に視認される被写体像に対して行われるスーパーインポーズ表示について説明する。図9は、スーパーインポーズ表示素子66によって強調された線画Gv1を示す図である。
撮像装置1Aでは、スーパーインポーズ表示素子66として備えられているLED(「投光LED」とも称する)66Dを発光させることによって、ファインダ部102を通過する被写体像に付加情報が重畳される。なお、ここでは、投光LED66Dは、スーパーインポーズ表示素子66に含まれる概念として用いている。
具体的には、撮像装置1Aにおいて、AF制御動作が実行され、焦点の合った合焦状態が確認されると、投光LED66Dは、表示素子制御部124からの制御信号に応じて発光する。この発光により、AF制御動作の際に用いられたAFエリアに対応した線画部分が点灯する。なお、撮像装置1Aでは、投光LED66Dは、線画Gvごとに設けられており、表示素子制御部124は、点灯対象となる線画Gvに応じた投光LED66Dを発光させる。
このようなスーパーインポーズ表示素子66による付加情報の表示は、OVFモードおよびEVFモードにおいて実行される。これにより、OVFモードではファインダ窓10を介して、EVFモードではモニタ12を介して、ユーザは、投光LED66Dの投光表示によって強調された線画を視認することが可能になる。
例えば、図9に示されるように、線画Gv1がAF制御動作に用いられたAFエリアであった場合は、当該線画Gv1が投光LED66Dからの光によって強調表示される。
このように、スーパーインポーズ表示素子66によって付加情報として合焦位置を表示することによれば、ユーザは、AF制御動作に用いられたAFエリアを確認することが可能になるとともに、合焦状態であることを認識することができる。
また、撮像装置1Aでは、顔検出動作の実行/非実行に応じてスーパーインポーズ表示素子66の出力が制御される。図10は、副撮像素子7によって順次に取得される撮影画像を時系列で示す図である。
具体的には、表示素子制御部124は、被写体検出部122による顔検出動作の実行に同期してスーパーインポーズ表示素子66の出力を制限する。
より詳細には、撮像装置1Aでは、顔検出にも用いられる撮影画像が副撮像素子7によって取得される際に、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示(ここでは、投光表示)がオフされる。例えば、図10に示されるように、副撮像素子7によって順次に取得される撮影画像GPのうち、数フレームおき(所定間隔おき)に取得される撮影画像が顔検出にも用いられる場合は、顔検出に用いられる撮影画像(顔検出用画像)GPK(図10中、斜線ハッチングで表される画像)が取得される際に、投光LED66Dの非発光処理が施される。すなわち、数フレームおきにスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止される。
このように、撮像装置1Aでは、顔検出の際にスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が制限される(投光LED66Dが非発光とされる)ので、被写体像への付加情報の重畳表示を避けることが可能になる。これによれば、副撮像素子7によって取得される顔検出用画像が、重畳表示によって変化することを防ぐことができるので、顔検出精度の低下を防止して顔検出の性能を保証することが可能になる。
<動作>
次に、撮像装置1Aの撮影モードにおける動作について説明する。図11は、撮像装置1Aの全体動作を示すフローチャートである。
図11に示されるように、ステップSP11では、レリーズボタン11の押し込み状態に基づいてAF開始判定が行われる。具体的には、レリーズボタン11の半押し状態(S1状態)が検出されると、ステップSP12へと移行し、レリーズボタン11の半押し状態(S1状態)が検出されない場合は、半押し状態が検出されるまで、待ち状態となる。
ステップSP12では、AF制御動作に用いられるAFエリアが決定される。AFエリアの決定は、方向選択キー84等のボタン操作によりユーザによって行われてもよく、或いは、顔検出情報に基づいて行われてもよい。
顔検出情報に基づいてAFエリアが決定される場合は、例えば、顔検出動作によって検出された顔領域がAFエリアに存在するときに、当該顔領域を有するAFエリアが、AF制御動作に用いられるAFエリアとして決定される。
ステップSP13では、決定されたAFエリアから得られる焦点情報に基づいて位相差AFによる焦点調節が実行される。
ステップSP14では、表示素子制御部124において顔検出動作が実行中であるか否かが判断される。具体的には、副撮像素子7によって顔検出用画像を取得するための露光が行われていない場合は、顔検出動作は実行されていないものと判断され、ステップSP15に移行する。
そして、ステップSP15では、表示素子制御部124からの制御信号に応じて、スーパーインポーズ表示素子66による合焦位置の表示(「合焦位置表示」とも称する)がオン(継続)される。すなわち、焦点調節の際の焦点情報を得たAFエリアに対応する線画が投光表示によって強調される。
一方、顔検出用画像を取得するための露光が行われている場合は、顔検出動作が実行中であるとして、ステップSP16に移行する。
ステップSP16では、スーパーインポーズ表示素子66による合焦位置表示がオフされる。
次のステップSP17では、レリーズボタン11の押し込み状態に基づいて撮影開始判定が行われる。具体的には、レリーズボタン11の全押し状態(S2状態)が検出されなければステップSP18に移行する。
ステップSP18では、レリーズボタン11の半押し状態が継続されているか否かが判定され、半押し状態が継続されていればステップSP14へ移行し、全押し状態が検出されるまでステップSP14からステップSP17までの処理が繰り返し実行される。一方、半押し状態が解除されていればステップSP11へ移行する。
また、ステップSP17において、レリーズボタン11の全押し状態(S2状態)が検出されると、ステップSP19に移行する。
ステップSP19では、露光動作が実行される。具体的には、全ての被写体像が主撮像素子5に導かれるミラーアップ状態となり、主撮像素子5による露光が開始される。
ステップSP20では、主撮像素子5により取得された本撮影画像がメモリカード90に記録される。
また、ステップSP20では、本撮影画像に含まれる被写体の顔に関する顔検出情報が、メタ情報(メタデータ)としてメモリカード90に記録される。なお、メタ情報としては、例えば、本撮影画像に関連づけて記録されるExif情報がある。
以上のように、撮像装置1Aでは、顔検出の際にスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止されるので、顔検出用画像として取得される被写体像の変化を防ぐことができ、ひいては顔検出精度の低下を防止して顔検出の性能を保証することが可能になる。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態に係る撮像装置1Aでは、副撮像素子7において顔検出用画像取得の露光が行われる際の、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止されていたが、第2実施形態に係る撮像装置1Bでは、顔検出機能がオン(有効化)されている間は、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止される。図12は、副撮像素子7によって取得される撮影画像を時系列で示す図である。図13は、撮像装置1Bの全体動作を示すフローチャートである。
なお、第2実施形態に係る撮像装置1Bは、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示を禁止するタイミングが異なる点以外は、第1実施形態に係る撮像装置1Aとほぼ同様の構成および機能(図1〜図5参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
上述のように、撮像装置1Bでは、顔検出機能がオンされると、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止される。具体的には、ユーザのメニュー操作によって顔検出機能が有効化されると、表示素子制御部124から投光LED66Dの発光を禁止する旨の制御信号が出力される。
これにより、EVFモードで顔検出機能が有効化されている間は、投光LED66Dが非発光とされる。換言すれば、顔検出機能が有効化された場合は、EVFモードで副撮像素子7によって撮影画像が取得されている間(図12中の両矢印で示す期間)は、投光LED66Dは消灯される。
図13に示されるように、撮像装置1Bの撮影モードにおける動作は、撮像装置1Aの動作(図11参照)とほぼ同様であるが、合焦位置表示のオン/オフを判定する工程(ステップSP24)が異なる。
具体的には、撮像装置1Bでは、ステップSP13において位相差AFによる焦点調節が実行された後、ステップSP24において顔検出機能が有効であるか否かが判断される。
顔検出機能が有効でなかった(無効だった)場合は、ステップSP15に移行し、スーパーインポーズ表示素子66による合焦位置表示がオンされる。
一方、顔検出機能が有効であった場合は、ステップSP16に移行し、スーパーインポーズ表示素子66による合焦位置表示がオフされる。
以上のように、第2実施形態に係る撮像装置1Bでは、顔検出機能の有効化指示に応じてスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が制限され、顔検出用画像を取得する際の被写体像への付加情報の重畳表示を避けることが可能になる。これによれば、顔検出用画像として取得される被写体像の変化を防ぐことが可能になるので、顔検出精度の低下を防止して顔検出の性能を保証することができる。
<3.第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係る撮像装置1Cでは、EVFモードで顔検出機能が有効化されている間は、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止されるとともに、表示制御部125によって付加情報がライブビュー画像に合成して表示される。図14は、EVFモードにおいてモニタ12に表示される線画Gvを示す図である。図15は、撮像装置1Cの全体動作を示すフローチャートである。
なお、第3実施形態に係る撮像装置1Cは、付加情報がライブビュー画像に合成表示される点以外は、第2実施形態に係る撮像装置1Bとほぼ同様の構成および機能(図1〜図5参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
上述のように、撮像装置1Cでは、EVFモードで顔検出機能が有効化された場合は、表示素子制御部124によって投光LED66Dが非発光にされ、スーパーインポーズ表示素子66による付加情報の重畳表示が禁止される。
そして、スーパーインポーズ表示素子66を用いた表示の代わりに、表示制御部125によって付加情報がライブビュー画像に合成して表示される。
例えば、図9のOVF表示と同様に、AF制御動作に用いられたAFエリアに対応する線画Gv1を、付加情報として強調表示したい場合は、ライブビュー画像に含まれる線画Gv1を囲む強調枠WKが、モニタ12に合成表示される(図14参照)。
図15に示されるように、撮像装置1Cの撮影モードにおける動作は、撮像装置1Bにおける動作(図13参照)とほぼ同様であるが、ライブビュー画像への合成表示工程(ステップSP25)が新たに加わっている。
具体的には、撮像装置1Cでは、ステップSP24において顔検出機能が有効であるか否かが判断され、顔検出機能が有効であった場合は、ステップSP16に移行し、スーパーインポーズ表示素子66による合焦位置表示がオフされる。
そして、次のステップSP25において、表示制御部125によって、付加情報(ここでは、合焦位置情報)としての強調表示(「付加表示」とも称する)が、ライブビュー画像に合成して表示される。
以上のように、撮像装置1Cでは、スーパーインポーズ表示素子66が非発光とされる場合においても、表示制御部125によって画面上の表示(OSD:On Screen Display)が制御され、付加情報がモニタ12に表示される。これによれば、撮像装置1Cでは、顔検出の際にスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止されるので、顔検出用画像として取得される被写体像の変化を防ぐことが可能になるとともに、ユーザに付加情報を提供することが可能になる。
なお、ライブビュー画像に合成される付加表示は、上記強調枠WKに限定されず、アイコン等を付加表示として用いてもよい。
<4.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、位相差AFによる焦点調節が終了した後に、焦点調節に用いられたAFエリアの強調表示を行っていたが、これに限定されない。
具体的には、焦点調節に用いられるAFエリアが決定した段階で、焦点調節に用いられるAFエリアの強調表示を開始してもよい。これによれば、ユーザは、焦点調節実行中も現在設定されているAFエリアを確認することが可能になる。
また、上記各実施形態では、メニュー操作によって顔検出機能が無効化(オフ)されると、顔検出動作が実行されないとしていたが、これに限定されない。図16は、変形例に係る撮像装置1Dの全体動作を示すフローチャートである。
具体的には、ユーザによって顔検出機能が無効化された場合でも、本撮影画像とともに記憶するメタ情報を取得するために、顔検出動作が実行されてもよい。
この場合、上記第2および第3実施形態において顔検出機能が無効であった場合に実行されていた合焦位置表示は、顔検出動作の実行に応じてオフされる。
より詳細には、上記第2実施形態の当該変形例に係る撮像装置1Dの動作は、図16のようになり、ステップSP24で顔検出機能が無効と判断された場合、ステップSP15で合焦位置表示を行う前に、ステップSP26に移行する。
ステップSP26では、顔検出動作が実行中であるか否かが判断され、顔検出動作が実行中であった場合は、ステップSP16に移行されて合焦位置表示がオフされ、顔検出動作が実行されていない場合は、ステップSP15に移行されて合焦位置表示がオンされる。
このように、撮像装置1Dでは、顔検出機能が無効でスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が可能とされている場合でも、顔検出用画像に関する露光動作が行われているときは、スーパーインポーズ表示素子66による合焦位置表示がオフされる(ステップSP16)。
また、上記各実施形態では、顔検出の際にスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示を禁止して、顔検出用画像として取得される被写体像の変化を防いでいたが、これに限定されない。図17は、変形例に係る撮像装置1Eの縦断面図である。
具体的には、顔検出用画像として取得される被写体像に影響を与える機能が備わっていた場合は、当該機能を顔検出の際にオフすることで、顔検出の際に被写体像へ与える影響を回避することができる。
例えば、図17に示されるように、焦点板64の上面に液晶型の表示素子(液晶表示素子)60を有し、AFエリア等を示す線画Gvを当該液晶表示素子60によって、被写体像に重畳させる機能を備える撮像装置1Eでは、顔検出の際に線画Gvの表示機能をオフして被写体像に与える影響を回避してもよい。
すなわち、顔検出の際にスーパーインポーズ表示素子66を非発光とする処理は、顔検出の際に被写体像に影響を与える機能をオフする処理(当該変形例では、液晶表示素子60の表示機能をオフする処理)とも拡張して表現することができる。
また、上記各実施形態では、EVFモードにおいて光路変更ミラー65eの姿勢を変更して、被写体像を副撮像素子7へと導いていたが、これに限定されない。図18は、変形例に係る撮像装置1Fの縦断面図である。
具体的には、図18に示されるように、ペンタミラー65と接眼レンズ67との間の光路PA上に反射ミラーMRを設けて、EVFモード中は当該反射ミラーMRで被写体光を上方に反射して、被写体像を副撮像素子7に導く構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、顔検出動作の際にスーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が制限される一態様として、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示が禁止される場合について例示したが、これに限定されない。
具体的には、顔検出動作に影響を及ぼさない程度にスーパーインポーズ表示素子66の出力を制限して、スーパーインポーズ表示素子66による重畳表示を許可してもよい。
また、上記各実施形態では、顔検出動作は、副撮像素子7によって順次に取得される撮影画像のうち、数フレームおきの顔検出用画像を用いて実行される場合について例示したが、これに限定されない。
具体的には、副撮像素子7によって順次に取得される撮影画像全てを用いて顔検出動作を実行してもよい。すなわち、副撮像素子7によって撮影画像が順次に取得される度に、顔検出動作が実行される態様としてもよい。