JP5166750B2 - 木質セメント板の製造方法 - Google Patents
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Description
また、タイルの下地材として使用する木質セメント板では、タイルを留め付けるために、表面に鋭角で深い凹凸固定部を設ける必要がある。
水硬化性材料としては、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等のセメント類があり、ケイ酸含有物質としては、ケイ砂、ケイ石の粉末、シリカヒューム、高炉スラグ、フライアッシュ、シラスバルーン、パーライト等があり、上記セメント類と水存在下において水和反応によって硬化する。
木質補強材としては、木粉、木質繊維、パルプ、木質繊維束、木毛、木片、竹繊維、麻繊維等がある。木質補強材として望ましいものは木質繊維及び木質繊維束であり、特に望ましいものは分枝及び/又は湾曲及び/又は折曲させることによって嵩高くされた木質繊維束である。
上記原料以外にも、二水石膏、半水石膏、無水石膏、消石灰、生石灰等の活性石灰含有物質や、塩化マグネシウム、蟻酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、硫酸アルミニウム、水ガラス等の硬化促進剤、バーミキュライト、ベントナイト、ワラストナイト、アタパルジャイト等の鉱物粉末、ワックス、パラフィン、シリコン等の撥水剤、合成樹脂エマルジョン等の補強材、発泡性熱可塑性プラスチックビーズ、プラスチック発泡体等を原料として使用してもよい。
木質セメント板の表面を切削加工する方法では、切削工程が必要となり、設備費用や時間がかかり、生産効率は悪い。また、切削工程において、切削不良により不良品が発生しやすい。
型板を用いた方法では、鋭角で深い凹凸形状を形成できるが、型板を載置するマットは厚みが略均一で、表面が略平面であるので、凹部は比重が高くなり、凸部は比重が低くなる。この凹部と凸部の比重差により、養生工程、乾燥工程や運搬工程において、木質セメント板にクラックが発生しやすくなり、塗装工程において、木質セメント板の基材に塗料が吸い込まれる。その結果、木質セメント板の強度、耐水性、耐凍性、耐候性などが大幅に低下する、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題がある。
更に、凹部が木質セメント板の表面を縦断するような長い形状、もしくは幅が広い形状の場合にも、作業性が悪くなり、生産効率が悪い。
本発明では、表層と芯層との原料の配合や層の厚さは異なる。表層には微細原料を散布して緻密な構造とし、強度や耐水性を向上させる。芯層は粗原料を散布し、表層よりも層を厚くして、芯層の原料散布後に芯層の原料を掻き取る形で原料の掻き取り工程を行う。
本発明においても、原料を掻き取る工程がマットを搬送させながら行うので、生産効率が良い。また、プレス後に凹部を形成する部分の原料をプレス前に掻き取るので、プレス後のマットは凹部と凸部の比重が均一となり、養生工程、乾燥工程や運搬工程において、木質セメント板へのクラックの発生が防ぐことができ、かつ、塗装工程において、基材への塗料の吸い込みが改善される。更に、表層の厚みは変わらないので、強度、耐水性、耐凍性、耐候性を維持するとともに、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題を防ぐことができる。加えて、凹凸意匠面を有する木質セメント板を均一にプレスできるので、仮にプレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となるという副次的効果も奏する。
上記製造方法において、原料を掻き取る上記マットの層の上側とは、プレス、養生、乾燥後に製品の表面となる側を指し、原料の掻き取り方法としては、部材を原料に接触させて原料を除去、または押し退ける方法やエアーにより原料を吹き飛ばす方法がある。
上記製造方法では、原料の配合は1種類であり、生産効率が良い。
上記製造方法においても、プレス後のマットは凹部と凸部の比重が均一となり、養生工程、乾燥工程や運搬工程において、木質セメント板へのクラックの発生が防ぐことができ、かつ、塗装工程において、基材への塗料の吸い込みが改善される。その結果、木質セメント板製品の強度、耐水性、耐凍性、耐候性が低下する、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題を防ぐことができる。加えて、凹凸意匠面を有する木質セメント板を均一にプレスできるので、仮にプレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となるという副次的効果も奏する。
上記製造方法において、原料を掻き取る上記マットの層の上側とは、プレス、養生、乾燥後に製品の表面となる側を指し、原料の掻き取り方法としては、部材を原料に接触させて原料を除去、または押し退ける方法やエアーにより原料を吹き飛ばす方法がある。
上記製造方法では、表層と芯層との原料の配合や層の厚さは異なる。表層には微細原料を散布して緻密な構造とし、強度や耐水性を向上させる。芯層は粗原料を散布し、表層よりも層を厚くして、芯層の原料散布後に芯層の原料を掻き取る形で原料の掻き取り工程を行う。
上記製造方法においても、原料を掻き取る工程がマットを搬送させながら行うので、生産効率が良い。また、プレス後に凹部を形成する部分の原料をプレス前に掻き取るので、プレス後のマットは凹部と凸部の比重が均一となり、養生工程、乾燥工程や運搬工程において、木質セメント板へのクラックの発生が防ぐことができ、かつ、塗装工程において、基材への塗料の吸い込みが改善される。更に、表層の厚みは変わらないので、強度、耐水性、耐凍性、耐候性を維持するとともに、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題を防ぐことができる。加えて、凹凸意匠面を有する木質セメント板を均一にプレスできるので、仮にプレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となるという副次的効果も奏する。
本発明では、上記掻き取り装置の回転軸を回転させることにより、該回転軸に設けられた掻き取り部が回転してマットの原料の一部を掻き取るので、マットを搬送させながら掻き取り工程を行うことができ、生産効率が良い。なお、掻き取り部は回転した際に所望の箇所を掻き取ることができるよう配置する。
上記掻き取り装置において、回転軸は脱着可能であることが好ましい。その場合、製造する木質セメント板の凹部パターン毎に掻き取り装置を用意しておき、製造する木質セメント板の凹部パターンに対応して掻き取り装置を取り替えれば良い。
また、掻き取り部が脱着可能であることも好ましい。その場合には、製造する木質セメント板の凹部パターンに対応して掻き取り部の配置を変更すればよく、初期投資が抑えられ、作業性も良い。
上記製造方法では、マットの掻き取る部分に、マットを搬送させながらエアーを吹き付けることにより掻き取り工程を行うことができ、生産効率が良い。また、製造する木質セメント板の凹部パターンが異なる場合でも、エアーの吹き付けパターンを変更するだけで対応が可能であり、作業性も良い。
また、本発明の製造方法によれば、マット成形作業は簡単であり、かつ、型板又はプレス板を搬送させながら行われるので、生産効率を低下させない。更に、凹凸意匠面を有する木質セメント板を均一にプレスできるので、仮にプレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となるという副次的効果も奏する。
図3に示す製造方法では、表層と芯層とで用いる原料の配合や厚さが異なり、表層用原料Eと芯層用原料Fとが用いられる。
最初に凹部形成部に対応する凸部C1を形成した型板Cを、図3(A)に示すように、型板Cの凸部C1が上を向くようにしてコンベアの上に載置する。コンベアに置いた型板Cを搬送させながら、該型板Cの表面全体に表層用原料Eを散布して、図3(B)に示すように表層マットを形成する。なお、表層用原料Eには芯層よりも粒径の細かい原料を配合し、得られる木質セメント板の表面が緻密となるようにする。
次に、表層用原料Eを積載した型板Cを引き続き搬送させながら、表層用原料Eの表面全体に芯層用原料Fを散布する。芯層用原料Fは表層用原料Eよりも多く散布し、芯層マットの厚みを表層マットよりも大きくする。その後、芯層用原料Fの表面の高さが略均一となるようにブラシなどを表面に軽く接触させることにより揃え、図3(C)に示すように芯層マットを形成する。原料E、Fを積載した型板Cを更にコンベアで搬送させ、コンベアの上方に設けた図2に示す装置Bにより、芯層マットの原料Fのうち型板Cの凸部C1の上に積層している原料のみを、上側から型板Cの凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取り、図3(D)に示すように、掻き取り部分F1が形成されたマットを得る。
原料E、Fを積載した型板Cは更にコンベア上を搬送し、原料Fの表面全体に再度、表層用原料Eを散布して、図3(E)に示すように芯層マットの上に表層マットを形成する。そして、そのようにして得られたマットには図3(F)に示すように平滑なプレス板Dを載置し、型板Cと共にプレスし、養生する。
上記製造方法によれば、原料の散布と原料の掻き取りが型板Cを搬送させながら行われるので、生産効率が良い。また、芯層マットの原料Fは、型板Cの凸部C1に対応した部分のみが、該凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取られ、掻き取り部F1が形成されるので、プレスの際にマットには均一に荷重がかかり、プレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となり、かつ、木質セメント板Aの表面凹部と凸部の比重を均一にすることができ、木質セメント板Aへのクラックの発生と基材への塗料の吸い込みが改善される。更に、表層の原料Eの量は変わらないので、木質セメント板Aの強度、耐水性、耐凍性、耐候性を維持するとともに、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題を防ぐことができる。
図4に示す製造方法も、表層と芯層とで用いる原料の配合や厚さが異なり、表層用原料Eと芯層用原料Fとが用いられる、表層用原料Eの上に芯層用原料Fを散布する、芯層マットは表層マットよりも厚みが大きい、コンベアの上方に設けた図2に示す装置Bにより、芯層マットの原料Fのうち型板Cの凸部C1に対応した部分のみを、上側から型板Cの凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取り、掻き取り部分F1を形成する、原料が掻き取られた原料Fの表面全体に表層用原料Eを散布し、プレス、養生を行うという点では図3に示す製造方法と同じだが、図4(A)に示すように最初に平滑なプレス板Dをコンベア上に載置すること、図4(B)〜(C)に示すようにプレス板Dの上に表層用原料E、芯層用原料Fを散布することと、図4(F)に示すように芯層用原料Fの表面を掻き取り、表層用原料Eを散布した後に型板Cを載置する点が図3に記載の製造方法とは異なる。なお、型板Cは、凹部形成部に対応する凸部C1を下向きにしてマットの上に載置するので、掻き取り部分F1の位置と凸部C1の位置は同じになる。
上記製造方法においても、原料の散布と原料の掻き取りがプレス板Dを搬送させながら行うので、図3に示す製造方法と同じく、生産効率が良い。また、芯層マットの原料Fは、型板Cの凸部C1に対応した部分のみが、型板Cの凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取られ、掻き取り部F1が形成されるので、図3に示す製造方法と同じく、プレスの際にマットには均一に荷重がかかり、プレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となり、かつ、木質セメント板Aの表面凹部と凸部の比重を均一にすることができ、木質セメント板Aへのクラックの発生と基材への塗料の吸い込みが改善される。更に、表層の原料Eの量は変わらないので、図3に示す製造方法と同じく、木質セメント板Aの強度、耐水性、耐凍性、耐候性を維持するするとともに、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題を防ぐことができる。
図5に示す製造方法は、表層と芯層とで用いる原料の配合が同じであり、原料Gのみが用いられる。
最初に凹部形成部に対応する凸部C1を形成した型板Cをコンベアの上に載置し、図5(A)に示すように、型板Cの凸部C1が上を向くようにする。次に、コンベアに置いた型板Cを搬送させながら、該型板Cの表面全体に原料Gを散布して、原料Gの表面の高さが略均一となるようブラシなどを表面に軽く接触させることにより揃え、図5(B)に示すようなマットを形成する。その後、原料Gを積載した型板Cを更にコンベア上を搬送させ、コンベアの上方に設けた図2に示す装置Bにより、マットの原料Gのうち型板Cの凸部C1の上に積層している原料のみを、上側から型板Cの凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取り、図5(C)に示すように、掻き取り部G1が形成されたマットを得る。そのようにして得られたマットに、図5(D)に示すように表面が平滑なプレス板Dを載置し、型板Cと共にプレス、養生が行なわれる。
上記製造方法によれば、原料の散布と原料の掻き取りが型板Cを搬送させながら行い、原料の配合は1種類だけなので、図3,4に示す製造方法よりも生産効率が良い。なお、原料Gは、型板Cの凸部C1に対応した部分のみが、型板Cの凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取られ、掻き取り部G1が形成されるので、プレスの際にマットには均一に荷重がかかり、プレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となり、かつ、木質セメント板Aの表面凹部と凸部の比重を均一にすることができ、木質セメント板Aへのクラックの発生と基材への塗料の吸い込みが改善されることは、図3,4に示す製造方法と同じである。また、木質セメント板Aの強度、耐水性、耐凍性、耐候性を維持するとともに、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題を防ぐことができるという効果も図3,4に示す製造方法と同じである。
図6に示す製造方法も、表層と芯層とで用いる原料の配合が同じであり、原料Gのみが用いられる、コンベア上を搬送させながら原料Gを散布してマットを形成する、原料Gの表面の高さが略均一となるよう揃える、コンベアの上方に設けた図2に示す装置により、マットの原料Gのうち上側から型板Cの凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取り、掻き取り部G1を形成する、得られたマットをプレス、養生するという点では図5に記載の製造方法と同じだが、図6(A)に示すように、最初にプレス板Dの上に原料Gを散布することと、図6(D)に示すように原料Gの表面を掻き取った後に型板Cを載置する点が図5に示す製造方法と異なる。なお、型板Cは、凹部形成部に対応する凸部C1を下向きにしてマットの上に載置するので、掻き取り部分G1の位置と凸部C1の位置は同じになる。
上記製造方法によれば、原料の散布と原料の掻き取りがプレス板Dを搬送させながら行い、原料の配合は1種類だけなので、図5に示す製造方法と同じく、生産効率が良い。また、原料Gは、型板Cの凸部C1に対応した部分のみが、型板Cの凸部C1の体積と略同等分だけ掻き取られ、掻き取り部G1が形成されるので、プレスの際にマットには均一に荷重がかかり、プレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となり、かつ、木質セメント板Aの表面凹部と凸部の比重を均一にすることができ、木質セメント板Aへのクラックの発生と基材への塗料の吸い込みが改善されることは、図3,4,5に示す製造方法と同じである。更に、木質セメント板Aの強度、耐水性、耐凍性、耐候性を維持するとともに、多くの塗料が必要になる、塗装が不均一になるという問題を防ぐことができるという効果も図3,4,5に示す製造方法と同じである。
原料の掻き取りとして、図2に示す装置Bの代わりにエアーを用いて原料を吹き飛ばしても良い。エアーを用いた装置Hの一実施例を図7に示す。図7は、図1に示す木質セメント板Aを製造するために使用される、マットの原料の一部を掻き取る装置の他の実施例を示した図であり、エアー供給部H1とエアー吹き出し部H2とを備えており、エアー吹き出し部H2の先端からエアーが吹き出される。上記装置Hも、コンベアの上方で、かつ、マットの進行方向に対して直交する方向に配置される。上記装置Hでは、製造する木質セメント板Aの凹部パターンに対応して、必要な箇所のエアー吹き出し部H2からエアーを吹き出すことにより、必要な箇所のみ原料を吹き飛ばすことができる。なお、吹き飛ばされた原料を回収する装置が適宜設けられる。
また、図8に示すように、凹部A1が直交する2方向に有る場合には、長手方向と短手方向に搬送させる2つのコンベアを用意し、それぞれのコンベアの上方に図2又は図7に示す装置を設置することにより、2方向に凹部を有するマットを形成することができる。
また、本発明の製造方法によれば、マット成形作業は簡単であり、生産効率を低下させない。更に、凹凸意匠面を有する木質セメント板を均一にプレスできるので、仮にプレス能力がそれ程大きくなくても生産が可能となるという副次的効果も奏する。
A1 凹部
B マット原料の一部を掻き取る装置
B1 回転軸
B2 被覆部
B3 掻き取り部
C 型板
C1 型板の凸部
D プレス板
E 表層用原料
F 芯層用原料
F1 原料Fが掻き取られた部分
G 原料
G1 原料Gが掻き取られた部分
H 原料を掻き取る装置
H1 エアー供給部
H2 エアー吹き出し部
Claims (2)
- 凹凸意匠面を有する木質セメント板の製造方法において、
凹部形成部に対応する凸部を形成した型板を搬送させながら、該型板の上に表層用原料を散布して、該型板に沿って厚みが均一な表層マットを形成する工程と、
該表層マットの上に芯層用原料を散布して芯層マットを形成する工程と、
該芯層マットの表面の高さが略均一となるように揃える工程と、
該型板の凸部に積層した該芯層マットの原料の一部のみを上側から掻き取る工程と、
原料の一部を掻き取った該芯層マットの上に表層用原料を散布して、該芯層マットに沿って厚みが均一な表層マットを形成する工程と、
上記マットと上記型板とをプレスし、養生する工程と、
からなることを特徴とする木質セメント板の製造方法。 - 請求項1に記載の木質セメント板の製造方法において、
マットから原料の一部を掻き取る工程が、原料を散布して形成されたマットの進行方向に対して直交な方向に配されており、回転軸と、回転軸に設けられた、該マットの原料の一部を掻き取る掻き取り部とを少なくとも備える掻き取り装置により、該マットを搬送させながら行われることを特徴とする木質セメント板の製造方法。
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