JP2000263523A - 木質セメント板及びその製造方法 - Google Patents

木質セメント板及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000263523A
JP2000263523A JP11072148A JP7214899A JP2000263523A JP 2000263523 A JP2000263523 A JP 2000263523A JP 11072148 A JP11072148 A JP 11072148A JP 7214899 A JP7214899 A JP 7214899A JP 2000263523 A JP2000263523 A JP 2000263523A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
layer
wafer
cement
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11072148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3225025B2 (ja
Inventor
Sonau Nagatomi
辨 永富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiha Corp
Original Assignee
Nichiha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiha Corp filed Critical Nichiha Corp
Priority to JP07214899A priority Critical patent/JP3225025B2/ja
Publication of JP2000263523A publication Critical patent/JP2000263523A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3225025B2 publication Critical patent/JP3225025B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、板厚を薄くしても十分な強
度を有する木質セメント板を提供することである。 【解決手段】 少なくとも、セメント系無機材料並びに
フレーク及び/又は木粉を含有する混合物の硬化物から
なる緻密層と、セメント系無機材料及びウエハーを含有
する混合物の硬化物からなるウエハー層とを有すること
を特徴とする木質セメント板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外壁材等の建築板
に好適な木質セメント板及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築用材料として、セメント
系無機材料と木質材料とを原料とし乾式法又は半乾式法
によって製造される木質セメント板が提供されている。
かかる木質セメント板は、成形性、加工性、耐久性、耐
火性等の点で優れており、建築物の外壁材等として極め
て有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
木質セメント板は強度の点において十分でなかったた
め、所定の強度を付与するために厚く製造せざるを得
ず、そのため、原料コストが高くなり、また取扱いも不
便となっていた。
【0004】したがって、本発明の課題は、板厚を薄く
しても十分な強度を有する木質セメント板を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、少なくとも、セメント系無機材料並びに
フレーク及び/又は木粉を含有する混合物の硬化物から
なる緻密層と、セメント系無機材料及びウエハーを含有
する混合物の硬化物からなるウエハー層とを有すること
を特徴とする木質セメント板を提供するものである。
【0006】上記木質セメント板において、木質材料と
してフレーク及び/又は木粉を使用した層は緻密なもの
(緻密層)となり、圧縮応力に対して高い強度を示し、
一方、木質材料として比較的大型の木材削片であるウエ
ハーを使用したウエハー層では該ウエハー相互の接着面
積が大きく、該ウエハー層は引張応力に対して高い強度
を示すため、該木質セメント板は、特に緻密層側からの
外力に対して高い曲げ強度を有するものとなる。そのた
め、本発明の木質セメント板は、従来の木質セメント板
より薄く製造しても、十分な強度を発現する。
【0007】上記木質セメント板のウエハー層における
ウエハーはストランドであり、該ストランドは該木質セ
メント板の長手方向に実質的に配向せしめられているの
が好ましい。また、該緻密層と該ウエハー層との間に
は、セメント系無機材料及び木質繊維束を含有する混合
物の硬化物からなる芯層が形成されていてもよく、該緻
密層の表面には、凹凸模様が形成されていてもよい。
【0008】上記木質セメント板は、板上にセメント系
無機材料及びウエハーを含有するウエハー層用の原料混
合物を散布し、該ウエハー層用の原料混合物の上に、セ
メント系無機材料及び木質繊維束を含有する芯層用の原
料混合物を散布し又は散布することなく、セメント系無
機材料並びにフレーク及び/又は木粉を含有する緻密層
用の原料混合物を散布して、二層構造又は三層構造のマ
ットをフォーミングし、該マットを水分存在下で圧締し
て一次硬化せしめ、該一次硬化体を常温養生又はオート
クレーブ養生することにより製造することができる。こ
のとき、該ウエハーとしてストランドを使用し、該木質
セメント板の長手方向に配向するように該ストランドを
散布するのが好ましい。なお、該原料混合物を散布する
板としては、搬送板、基板(凹凸模様あり又はなし)等
が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0009】上記木質セメント板の製造方法において、
該緻密層用の原料混合物は、セメント類30〜60重量%、
ケイ酸含有物質10〜60重量%並びにフレーク及び/又は
木粉5〜30重量%を含有するのが好ましく、該ウエハー
層用の原料混合物は、セメント類30〜60重量%、ケイ酸
含有物質10〜60重量%及びウエハー5〜50重量%を含有
するのが好ましく、該芯層用の原料混合物は、セメント
類30〜60重量%、ケイ酸含有物質10〜60重量%及び木質
繊維束5〜30重量%を含有するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の木質セメント板は、主としてセメント系無機材
料と木質材料とを原料とするものである。
【0011】〔セメント系無機材料〕本発明に使用する
セメント系無機材料としては、ポルトランドセメント、
高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメン
ト、アルミナセメント等のセメント類;シリカ粉、ケイ
砂、ケイ石粉、水ガラス、シリカヒューム、シラスバル
ーン、パーライト、マイカ、ケイ藻土、ドロマイト等の
ケイ酸含有物質と上記セメント類とを混合した混合物;
二水石膏、半水石膏、無水石膏、消石灰、生石灰等の活
性石灰含有物質と上記ケイ酸含有物質との混合物等が例
示される。上記セメント系無機材料の中でも、セメント
類とケイ酸含有物質との混合物が好ましく、セメント類
とケイ酸含有物質との混合比(重量比)は1:2〜6:
1であるのが好ましい。
【0012】〔木質材料〕本発明の木質セメント板にお
ける緻密層用の木質材料としては、フレーク及び/又は
木粉を使用する。該フレークとしては、網目30mmを全通
し、厚み1mm以下、長さ2〜5mmのものを使用するのが
好ましい。また、該木粉としては、網目5mmを全通し、
厚み1mm以下、長さ2〜5mmのものを使用するのが好ま
しい。これらフレーク及び木粉は混合して使用してもよ
い。
【0013】このように細かい木質材料を使用した層は
緻密なもの(緻密層)となるため、圧縮応力に対して高
い強度を示す。該緻密層は木質セメント板の表層とする
のが好ましく、それによって、該木質セメント板は表面
平滑性に優れたものとなり、該木質セメント板の表面に
凹凸模様を形成する際には、該凹凸模様はシャープに形
成される。
【0014】本発明の木質セメント板におけるウエハー
層用の木質材料としては、ウエハーを使用し、好ましく
はストランドを使用する。ウエハーとは、木材を切削す
ることによって製造される比較的大型の削片であり、ス
トランドとは、該ウエハーの中でも方向性を有する短冊
形のものをいい、木目が長手方向に沿って形成されてい
る。
【0015】該ウエハーの寸法は、長さ30〜220 mm、幅
10〜100 mm、厚み0.1 〜1.5 mmの範囲内であるのが好ま
しく、ストランドではないウエハーとしては、長さ40〜
100mm、幅40〜90mmで比較的長さと幅とが近接した形状
のものを使用するのが好ましい。該ストランドの寸法
は、長さ30〜220 mm、幅10〜70mmの範囲内であるのが好
ましい。
【0016】また、該ウエハーは、熱圧密処理を施した
ものであるのが好ましい。この熱圧密処理を施すことに
より、該ウエハーは板になじみ易くなり、厚さが均一で
寸法安定性に優れた木質セメント板が得られるようにな
る。該熱圧密処理は、通常180 ℃程度で約5分間行われ
る。
【0017】上記のように木質セメント板にウエハーを
使用した場合、比較的大型の削片であるウエハー同士
は、相互に重なることによって接着面積が大きくなるた
め、該木質セメント板のウエハー層は、引張応力に対し
て高い強度を有するものとなり、また、セメント系無機
材料の使用量を減らすことができる。特に該ウエハーと
してストランドを使用し、該ストランドを該木質セメン
ト板の長手方向に配向させた場合には、該ストランド自
体が有する木目方向の高い引張強度によって、該木質セ
メント板の長手方向の引張応力に対する強度は、極めて
高いものとなる。該ウエハー層は、木質セメント板の裏
層とするのが好ましいが、該ウエハー層の裏側(下側)
に更に他の層、例えば緻密層が形成されてもよい。
【0018】本発明の木質セメント板に芯層を設ける場
合、該芯層用の木質材料としては、木質繊維束を使用す
るのが好ましい。このように木質セメント板の芯層に木
質繊維束を使用すると、該木質セメント板の軽量化が図
られるとともに、該木質セメント板がクッション性に優
れたものとなり、表面に凹凸模様を付した場合に、極め
て鮮明で深い凹凸模様が形成される。
【0019】該木質繊維束としては、径が0.1 〜2.0 m
m、長さが2〜35mm、特に10〜30mmのものを使用するの
が好ましい。該木質繊維束として特に好ましいものは、
分枝及び/又は湾曲及び/又は折曲させることによって
嵩高くされた木質繊維束である。該嵩高木質繊維束は、
嵩比重が約0.03〜0.05 g/cm3の範囲にあるものが好まし
い。このように分枝及び/又は湾曲及び/又は折曲して
いる嵩高木質繊維束は排除体積が大きく、したがって嵩
高く密度の小さい芯層を与えるが、相互の絡み合いは強
固であるから、密度は小さいが強度の大きい構造が得ら
れる。
【0020】また、該芯層用の木質材料として、上記木
質繊維束と併せてフレークを使用してもよい。該フレー
クとしては、網目10mmを全通し、厚み1mm以下、長さ5
〜10mmのものを使用するのが好ましい。
【0021】〔その他の成分〕本発明の木質セメント板
には、上記セメント系無機材料及び木質材料以外の成分
として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カ
ルシウム、硫酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、ア
ルミン酸カリウム、硫酸アルミニウム、水ガラス等の硬
化促進剤、バーミキュライト、ベントナイト等の鉱物粉
末、ワックス、パラフィン、シリコン等の撥水剤、合成
樹脂エマルジョン等の補強材、発泡性熱可塑性プラスチ
ックビーズ、プラスチック発泡体等が添加されてもよ
い。なお、これらの例示は本発明を限定するものではな
い。
【0022】〔木質セメント板の組成〕本発明の木質セ
メント板における緻密層用の原料混合物は、セメント類
30〜60重量%、ケイ酸含有物質10〜60重量%並びにフレ
ーク及び/又は木粉5〜30重量%を含有するのが好まし
く、ウエハー層用の原料混合物は、セメント類30〜60重
量%、ケイ酸含有物質10〜60重量%及びウエハー5〜50
重量%を含有するのが好ましく、芯層用の原料混合物
は、セメント類30〜60重量%、ケイ酸含有物質10〜60重
量%及び木質繊維束5〜30重量%を含有するのが好まし
い。また、製造工程において原料混合物の硬化を促進す
るためには、該ケイ酸含有物質の一部にパーライトを使
用するのが好ましい。この場合、該パーライトは、原料
混合物中15重量%以下の量で添加されるのが好ましい。
【0023】〔木質セメント板の製造〕本発明の木質セ
メント板は、いわゆる乾式法又は半乾式法によって製造
するのが好ましい。本発明における製造方法の好ましい
一例としては、まず最初に、板(搬送板、基板等)上に
ウエハー層用の原料混合物を散布する。該ウエハー層用
原料混合物中のウエハーとしてストランドを使用する場
合には、該ストランドは製造する木質セメント板の長手
方向に配向させるのが好ましい。該ストランドの配向は
常法によって行えばよく、例えば、ディスクタイプの散
布頭部が回転しているフォーミングマシンや、複数個の
スリットを並列した篩を使用して行うことができる。
【0024】二層構造の木質セメント板を製造する場合
には、次に緻密層用の原料混合物を散布して、二層構造
のマットをフォーミングする。三層構造の木質セメント
板を製造する場合には、芯層用の原料混合物、次いで緻
密層用の原料混合物を散布して、三層構造のマットをフ
ォーミングする。半乾式法の場合には、これら原料混合
物に水分含有率が15〜50重量%となるように水を添加混
合してから該原料混合物を散布し、乾式法の場合には、
フォーミングした該マットに水分含有率が15〜50重量%
となるように水を添加する。
【0025】このようにしてウエハー層用の原料混合物
の上に散布された緻密層用の原料混合物中のフレーク及
び/又は木粉、あるいは芯層用の原料混合物中の木質繊
維束は、該ウエハー層用原料混合物中のウエハー相互の
間隙に入り込むことがある。このように該ウエハー相互
の間隙に入り込んだフレーク及び/又は木粉あるいは木
質繊維束は、いわゆる投錨効果を発現し、該ウエハー層
の強度を向上させる。
【0026】上記のようにしてマットがフォーミングさ
れたら、型面が平滑な型板又は型面に凹凸模様を有する
型板を該マットの緻密層の表面上に載置し、該マットと
ともに圧締して加熱状態下で一次硬化せしめる。該一次
硬化において適用される温度は通常50〜100 ℃であり、
圧締圧は通常2〜5MPa である。上記一次硬化後、得ら
れた一次硬化体は脱型した上で常温養生又はオートクレ
ーブ養生する。常温養生は、通常常温で2〜5日間行わ
れ、オートクレーブ養生は、通常85%RH以上の湿度、15
0 〜180 ℃の温度で10〜18時間行われる。常温養生又は
オートクレーブ養生後は、乾燥工程を経て表面処理を行
い、製品とする。
【0027】上記木質セメント板を二層構造とした場
合、緻密層とウエハー層との厚みの構成比率は、2:1
〜1:2であるのが好ましく、特に約1:1であるのが
好ましい。また、上記木質セメント板を三層構造とした
場合、緻密層と芯層とウエハー層との厚みの構成比率
は、1:2:1〜1:5:1であるのが好ましく、特に
約1:3:1であるのが好ましい。
【0028】以上のようにして製造される木質セメント
板の緻密層は、木質材料としてフレーク及び/又は木粉
を使用しており、緻密なものとなるため、圧縮応力に対
して高い強度を示す。一方、該木質セメント板のウエハ
ー層は、木質材料として比較的大型の木材削片であるウ
エハーを使用しており、該ウエハー相互の接着面積が大
きいため、引張応力に対して高い強度を示す。その結
果、該木質セメント板は、緻密層側(緻密層を表層とし
た場合には、表面側)からの外力に対して高い曲げ強度
を有するものとなる。かかる木質セメント板は、厚みが
小さくても十分な強度を発現し、例えば8〜10mm程度の
厚みとした場合であっても、従来の12〜15mm程度の厚み
を有する木質セメント板と同等の強度を発揮し得る。
【0029】また、該木質セメント板を三層構造とし、
芯層用の木質材料として木質繊維束を使用した場合に
は、緻密層表面に凹凸模様を付したときに、該木質セメ
ント板の板厚が薄くてもシャープで深い凹凸模様が形成
される。
【0030】なお、本発明の木質セメント板は、上記製
造方法に限定されることなく、板上に緻密層用の原料混
合物を散布した後、芯層用の原料混合物を散布し又は散
布することなく、ウエハー層用の原料混合物を散布し
て、二層構造又は三層構造のマットをフォーミングして
製造してもよい。このとき、該板の表面には、所望の凹
凸模様が形成されていてもよい。また、製造する木質セ
メント板は、二層構造又は三層構造のものに限定される
ことなく、四層以上の構造を有するものであってもよ
い。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0032】〔実施例1〜12,比較例1〜4〕各層用の
成形材料を、以下の組成にて調製した。A層(緻密層)用の成形材料 ポルトランドセメント 52重量% シリカヒューム 15重量% フレーク 15重量% 木粉 10重量% ケイ酸ソーダ 2重量% なお、フレークとしては、網目4.5 mmを全通するものを
使用し、木粉としては、網目1.5 mmを全通するものを使
用した。
【0033】B層(芯層)用の成形材料 ポルトランドセメント 57重量% シリカヒューム 14重量% 木質繊維束 15重量% フレーク 10重量% 発泡ポリスチレンビーズ 2重量% ケイ酸ソーダ 2重量% なお、木質繊維束としては、平均径1.0 mm、長さ20mmの
分枝及び/又は湾曲及び/又は折曲させたものを使用
し、フレークとしては、網目4.5 〜10mmを全通するもの
を使用した。
【0034】B’層(芯層)用の成形材料 ポルトランドセメント 57重量% シリカヒューム 14重量% フレーク 25重量% 発泡ポリスチレンビーズ 2重量% ケイ酸ソーダ 2重量% なお、フレークとしては、網目4.5 〜10mmを全通するも
のを使用した。
【0035】C層(ウエハー層)用の成形材料 ポルトランドセメント 58重量% シリカヒューム 15重量% ストランド 25重量% ケイ酸ソーダ 2重量% なお、ストランドとしては、長さ70mm×幅20mm×厚み0.
6 mmのものと、長さ70mm×幅8.5 mm×厚み0.6 mmのもの
とを略同量で混合したものを使用した。
【0036】上記各成形材料に水分含有率が45重量%と
なるように水を添加した後、C層又はA層用の成形材料
を搬送板上に散布し、その上にA層、B層又はC層用の
成形材料を散布して(最上層はA層)、二乃至四層構造
のマットをフォーミングした。なお、該C層用の成形材
料は、該成形材料中のストランドが各々平行又はランダ
ム方向のいずれかになるように散布した。ここで、平行
とは、各ストランドの長さ方向が木質セメント板の長手
方向に対して20°以下の角度で配向されていることをい
う。また、ランダム方向とは、上記平行以外の状態をい
うが、通常は大多数のストランドの長さ方向が木質セメ
ント板の長手方向に対して40°〜60°の角度で配向され
ていることをいう。該マットの層構成及び各成形材料の
重量比率を表1に示す。
【0037】以上のようにして得られた多層マットの上
に、型面に深さ2mmの凹凸模様を有する型板を載置して
4MPa でプレス圧締し、50℃で12時間加熱して一次硬化
せしめた。次に圧締状態を解いて、常温で4日間自然養
生し、乾燥工程を経て、二乃至四層構造の10mm厚の木質
セメント板を得た。
【0038】また、比較例として、上記と同様の方法に
より、C層若しくはA層のみ又はC層のない三層構造の
10mm厚の木質セメント板を製造した。得られた各木質セ
メント板について曲げ強度(JIS A1409に準
拠)を測定するとともに、表面におけるエンボス性を目
視により評価した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 * ◎…良好 ○…使用に際して問題となるような欠陥はない △…エンボス角部でのスケが若干目立つ ×…エンボス角部でのスケが非常に目立つ
【0040】表1から明らかなように、A層及びC層を
有する木質セメント板は曲げ強度が高く、B層を有する
木質セメント板は良好なエンボス性を示す。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、板厚が薄くても十分な
強度を有する木質セメント板が乾式法又は半乾式法によ
って得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、少なくとも、セメント系無機材料並びに
フレーク及び/又は木粉を含有する混合物の硬化物から
なる緻密層と、セメント系無機材料及び長さ30〜220 m
m、幅10〜100 mm、厚み0.1 〜1.5 mmのウエハーを含有
する混合物の硬化物からなるウエハー層とを有すること
を特徴とする木質セメント板を提供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】該ウエハーの寸法は、長さ30〜220 mm、幅
10〜100 mm、厚み0.1 〜1.5 mmの範囲内であり、ストラ
ンドではないウエハーとしては、長さ40〜100 mm、幅40
〜90mmで比較的長さと幅とが近接した形状のものを使用
するのが好ましい。該ストランドの寸法は、長さ30〜22
0 mm、幅10〜70mmの範囲内であるのが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】以上のようにして製造される木質セメント
板の緻密層は、木質材料としてフレーク及び/又は木粉
を使用しており、緻密なものとなるため、圧縮応力に対
して高い強度を示す。一方、該木質セメント板のウエハ
ー層は、木質材料として比較的大型の木材削片である
さ30〜220 mm、幅10〜100 mm、厚み0.1 〜1.5 mmのウエ
ハーを使用しており、該ウエハー相互の重なり接着面積
が大きいため、引張応力に対して高い強度を示す。その
結果、該木質セメント板は、緻密層側(緻密層を表層と
した場合には、表面側)からの外力に対して高い曲げ強
度を有するものとなる。かかる木質セメント板は、厚み
が小さくても十分な強度を発現し、例えば8〜10mm程度
の厚みとした場合であっても、従来の12〜15mm程度の厚
みを有する木質セメント板と同等の強度を発揮し得る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、セメント系無機材料並びに
    フレーク及び/又は木粉を含有する混合物の硬化物から
    なる緻密層と、セメント系無機材料及びウエハーを含有
    する混合物の硬化物からなるウエハー層とを有すること
    を特徴とする木質セメント板。
  2. 【請求項2】 該ウエハー層におけるウエハーはストラ
    ンドであり、該ストランドは該木質セメント板の長手方
    向に実質的に配向せしめられている請求項1記載の木質
    セメント板。
  3. 【請求項3】 該緻密層と該ウエハー層との間に、セメ
    ント系無機材料及び木質繊維束を含有する混合物の硬化
    物からなる芯層が形成されている請求項1又は2記載の
    木質セメント板。
  4. 【請求項4】 該緻密層の表面には、凹凸模様が形成さ
    れている請求項1乃至3いずれか記載の木質セメント
    板。
  5. 【請求項5】 板上にセメント系無機材料及びウエハー
    を含有するウエハー層用の原料混合物を散布し、該ウエ
    ハー層用の原料混合物の上に、セメント系無機材料及び
    木質繊維束を含有する芯層用の原料混合物を散布し又は
    散布することなく、セメント系無機材料並びにフレーク
    及び/又は木粉を含有する緻密層用の原料混合物を散布
    して、二層構造又は三層構造のマットをフォーミング
    し、該マットを水分存在下で圧締して一次硬化せしめ、
    該一次硬化体を常温養生又はオートクレーブ養生するこ
    とを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  6. 【請求項6】 該ウエハーとしてストランドを使用し、
    該木質セメント板の長手方向に配向するように該ストラ
    ンドを散布する請求項5記載の木質セメント板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 該緻密層用の原料混合物は、セメント類
    30〜60重量%、ケイ酸含有物質10〜60重量%並びにフレ
    ーク及び/又は木粉5〜30重量%を含有する請求項5又
    は6記載の木質セメント板の製造方法。
  8. 【請求項8】 該ウエハー層用の原料混合物は、セメン
    ト類30〜60重量%、ケイ酸含有物質10〜60重量%及びウ
    エハー5〜50重量%を含有する請求項5乃至7いずれか
    記載の木質セメント板の製造方法。
  9. 【請求項9】 該芯層用の原料混合物は、セメント類30
    〜60重量%、ケイ酸含有物質10〜60重量%及び木質繊維
    束5〜30重量%を含有する請求項5乃至8いずれか記載
    の木質セメント板の製造方法。
JP07214899A 1999-03-17 1999-03-17 木質セメント板及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3225025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07214899A JP3225025B2 (ja) 1999-03-17 1999-03-17 木質セメント板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07214899A JP3225025B2 (ja) 1999-03-17 1999-03-17 木質セメント板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000263523A true JP2000263523A (ja) 2000-09-26
JP3225025B2 JP3225025B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=13480902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07214899A Expired - Fee Related JP3225025B2 (ja) 1999-03-17 1999-03-17 木質セメント板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3225025B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008055110B4 (de) 2008-03-31 2020-06-18 Nichiha Corp. Holzzementplatte

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008055110B4 (de) 2008-03-31 2020-06-18 Nichiha Corp. Holzzementplatte

Also Published As

Publication number Publication date
JP3225025B2 (ja) 2001-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09511732A (ja) 石膏含有セメント性組成物およびそれからの製造材料
US20050269730A1 (en) Method for manufacturing a wood cement board
CA2502953A1 (en) Wood cement board and method for the manufacturing thereof
KR100853754B1 (ko) 건축용 고강도 내화성형체 및 그 제조방법
JP2002166406A (ja) 木質セメント板の製造方法
JP3374515B2 (ja) 無機質板の製造方法
JP4180861B2 (ja) 木質セメント板およびその製造方法
JP4119086B2 (ja) 木質セメント板の製造方法
JP4348001B2 (ja) 木質セメント板およびその製造方法
JP3037683B1 (ja) 木質セメント板及びその製造方法
JP3225025B2 (ja) 木質セメント板及びその製造方法
JP3211204B2 (ja) 木質セメント板の製造方法
JP4163367B2 (ja) 木質セメント板
JPH09328350A (ja) 屋根下地材およびその製造方法
JP4163366B2 (ja) 木質セメント板及びその製造方法
JPH08175861A (ja) 無機質成形板およびその製造方法
JP2002011825A (ja) 木質セメント板及びその製造方法
JP4427287B2 (ja) 木質セメント板の製造方法
JP4226805B2 (ja) 木質セメント板およびその製造方法
JP2006069807A (ja) 無機質板およびその製造方法
JP2000016848A (ja) 木質セメント板の製造方法
JP2000044302A (ja) 高比重木質セメント板および複層高比重木質セメント板ならびにその製造方法
JP2001328107A (ja) 建築用板材およびその製造方法
JP2652774B2 (ja) 無機質板の製造方法
JP2001097756A (ja) 木質セメント板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010807

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees