JP5166372B2 - 送信漏れ信号除去用適応フィルタ - Google Patents

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Description

本願は、2003年11月13日に出願され、本願の譲受人に譲渡された、「CDMA受信機における送信漏れの適応フィルタリング(ADAPTIVE FILTERING OF TX LEAKAGE IN CDMA RECEIVERS)」という名称の、米国仮出願第60/519,561号の利益を主張するものであり、その全体は、あらゆる目的で参照として本明細書に組み込まれる。
[背景]
I.分野
本発明は、一般に、電子回路に関し、より詳細には、無線全二重通信システムにおける送信(TX)漏れ信号の有害な影響を緩和する技法に関する。
II.背景
無線全二重通信システムの無線機器は、双方向通信のために、データを同時に送受信することができる。かかる1つの全二重システムが、符号分割多元接続(CDMA)システムである。送信パス上では、無線機器内の送信機が、(1)データを無線周波数(RF)搬送信号上に変調してRF変調信号を生成し、(2)RF変調信号を増幅して、適正な信号レベルを有する送信信号を獲得する。送信信号は、送受切換え器を介して経路指定され、アンテナから1つ以上の基地局に送信される。受信パス上では、無線機器内の受信機が、(1)アンテナと送受切換え器を介して受信信号を獲得し、(2)受信信号を増幅し、フィルタリングし、周波数逓降(downconvert)してベースバンド信号を獲得し、これをさらに処理して、(1つ以上の)基地局によって送信されたデータを回復する。
全二重無線機器では、受信機のRF回路が、しばしば、送信機からの干渉を受ける。例えば、送信信号の一部分が、通常、送受切換え器から受信機に漏れ、漏れた信号(一般に、「TX漏れ」信号または「TXフィードスルー」信号という)は、受信信号内の所望の信号への干渉を生じ得る。送信信号と所望の信号は、通常、2つの異なる周波数帯域にあるため、TX漏れ信号は、通常は、除去することができ、これ自体として問題を生じない。しかしながら、TX漏れ信号は、以下で説明するように、(所望の信号に近い周波数の、振幅の大きい不要な信号である)「ジャマー」と相互作用し合って、ジャマーの両側で「混変調」ひずみ成分を生成し得る。所望の信号の信号帯域内に含まれる、除去されないひずみ成分は、性能を低下させ得る付加雑音として働く。
TX漏れ信号を除去し、これの有害な影響を緩和するのに、しばしば、表面弾性波(SAW)フィルタが使用される。TX漏れ除去のためのSAWフィルタの使用は、いくつかの理由で望ましくない。第1に、SAWフィルタは、通常、RF集積回路(RFIC)上に製造されないディスクリート部品であり、よって、回路基板上のスペースを取る。第2に、SAWフィルタは、通常、入出力インピーダンス整合のための別のディスクリート部品を必要とする。第3に、SAWフィルタとこれのインピーダンス整合回路は、無線機器のコストを増大させる。
したがって、当分野では、SAWフィルタを使用せずにTX漏れ信号の有害な影響を緩和する技法が求められている。
本明細書では、無線全二重通信システム(CDMAシステムなど)におけるTX漏れ信号を減衰させることのできる適応フィルタについて述べる。適応フィルタは、増幅のための低雑音増幅器(LNA)や、周波数逓降のための混合器などといった、受信機の他の回路ブロックと共に、RFIC上に製造され得る。適応フィルタは、SAWフィルタの前述の欠点を回避することができる。
一実施形態において、TX漏れ除去に使用するのに適した適応フィルタは、加算器と適応推定器(adaptive estimator)とを含む。加算器は、TX漏れ信号を有する入力信号と、TX漏れ信号の推定値を有する推定信号を受け取り、入力信号から推定信号を差し引き、減衰されたTX漏れ信号を有する出力信号を提供する。適応推定器は、出力信号と、送信される信号の一部分または1バージョン(version)を有する基準信号を受け取り、出力信号と基準信号に基づいて入力信号中のTX漏れ信号を推定し、TX漏れ信号推定値を有する推定信号を提供する。
適応推定器は、最小平均二乗(LMS)アルゴリズムを利用して、入力信号中のTX漏れ信号と推定信号中のTX漏れ信号推定値の間の平均二乗誤差(MSE)を最小限に抑えてもよい。この場合、適応推定器は、(1)出力信号を同相基準信号と掛け合わせ、第1の同相信号を提供する第1の乗算器と、(2)第1の同相信号を積分し、第2の同相信号を提供する第1の積分器と、(3)第2の同相信号を、同相基準信号または直交基準信号と掛け合わせ、第3の同相信号を提供する第2の乗算器と、(4)出力信号を直交基準信号と掛け合わせ、第1の直交信号を提供する第3の乗算器と、(5)第1の直交信号を積分し、第2の直交信号を提供する第2の積分器と、(6)第2の直交信号を、同相または直交の基準信号と掛け合わせ、第3の直交信号を提供する第4の乗算器と、(7)第3の同相信号と第3の直交信号を合算し、推定信号を提供する加算器とを含み得る。乗算器は、混合器を用いて実施されてもよい。適応推定器は、以下で説明するように、性能を向上させるための他の回路ブロック/要素をさらに含んでいてもよい。直交位相分割器は、基準信号を受け取り、適応推定器のために同相および直交の基準信号を提供する。
以下で、本発明の様々な態様および実施形態をさらに詳細に説明する。
本発明の特徴および特性は、以下で述べる詳細な説明を図面と併せて読めばより明らかになるであろう。図面全体で、類似の参照符号は、それに対応するように識別するものである。
無線機器のRF部分を示す図である。 無線機器内の受信機の様々な点における信号を示す図である。 無線機器内の受信機の様々な点における信号を示す図である。 無線機器内の受信機の様々な点における信号を示す図である。 RF SAWフィルタを備える受信機の実装形態を示す図である。 TX漏れ除去用適応フィルタを備える無線機器のRF部分を示す図である。 適応フィルタの2つの実施形態を示す図である。 適応フィルタの2つの実施形態を示す図である。 適応フィルタの2つのより詳細な実施形態を示す図である。 適応フィルタの2つのより詳細な実施形態を示す図である。 安定性分析のための適応フィルタの簡略化モデルを示す図である。 3つの異なる減衰係数についての適応フィルタの周波数応答を示す図である。 適応フィルタ内の二重混合による混変調ひずみの生成を示す図である。 適応フィルタ内の二重混合による混変調ひずみの生成を示す図である。 適応フィルタ内の二重混合による混変調ひずみの生成を示す図である。 適応フィルタ内の二重混合による混変調ひずみの生成を示す図である。
[詳細な説明]
「例(示的)」という語は、本明細書では、「例、実例、または説明例の役割を果たすもの」を意味する。本明細書で「例(示的)」と述べる任意の実施形態または設計は、必ずしも、他の実施形態または設計に優って好ましく、または有利であると解釈すべきものではない。
本明細書で述べる適応フィルタは、様々な無線全二重通信システムに使用され得る。また、これらの適応フィルタは、824から894MHzまでのセルラ帯域、1850から1990MHzまでのパーソナル通信システム(PCS)帯域、1710から1880MHzまでのディジタルセルラシステム(DCS)帯域、1920から2170MHzまでの国際移動通信方式(IMT−2000)帯域など、様々な周波数帯域にも使用され得る。明確にするために、以下の説明は、(1)824から849MHzまでの上り周波数帯域と、(2)869から894MHzまでの下り周波数帯域を含むセルラ帯域でのものである。上りと下りの周波数帯域は、それぞれ、無線機器の送信(TX)と受信(RX)の周波数帯域である。
図1に、無線機器100のRF部分のブロック図を示す。送信パス上では、送信機110内の電力増幅器(PA)112が、TX変調信号を受け取って、変調し、送信信号を提供する。送信信号は、送受切換え器116を介して経路指定され、アンテナ118を経由して1つ以上の基地局に送信される。また、送信信号の一部分は、送受切換え器116を介して受信パスにも結合し、または漏れる。TX漏れの量は、送受切換え器の送信ポートと受信ポートの間の隔離に左右され、セルラ帯域のSAW送受切換え器では、およそ50dB程度になり得る。TX/RX隔離のレベルが低いほど、より高レベルのTX漏れが生じる。
受信パス上では、所望の信号と、恐らく、ジャマーを含む受信信号が、アンテナ118を介して受け取られ、送受切換え器116を介して経路指定され、受信機120内のLNA122に提供される。また、LNA122は、送信パスからのTX漏れ信号も受け取り、これの入力側で受信側入力信号を増幅し、増幅RF信号、x(t)を提供する。フィルタ130は、増幅RF信号を受け取り、これをフィルタリングして、帯域外信号成分(TX漏れ信号など)を除去し、フィルタRF信号、y(t)を提供する。混合器132は、フィルタRF信号を受け取り、局部発振(LO)信号を用いてこれを周波数逓降し、周波数逓降信号を提供する。
図2Aに、所望の信号212とジャマー214を含む、受信信号を示す。ジャマー214は、不要な信号であり、例えば、先進移動電話サービス(AMPS)システムで近くの基地局によって送信される信号などに対応し得る。ジャマーは、所望の信号よりはるかに高い振幅を有し、所望の信号に近い周波数に位置し得る。
図2Bに、LNA122の入力側の信号を示す。この信号は、受信信号中の所望の信号212およびジャマー214と、送信パスからのTX漏れ信号216を含む。送信信号は、しばしば、所望の信号よりはるかに振幅が大きいため、TX漏れ信号は、所望の信号に比べて大きい振幅を有することがある。
図2Cに、混合器132の出力側の信号を示す。LNA122と混合器132の非線形性が、TX漏れ信号216上の変調を(帯域の狭い)ジャマー214に伝達させることがあり、次いで、この結果として、ジャマーの周りに拡張されたスペクトル218を生じる。このスペクトル拡張を混変調といい、以下でより詳細に説明する。図2Cに示すように、(陰付け部分で示す)拡張されたスペクトル218の部分220は、所望の信号帯域内に含まれ得る。部分220は、無線機器の性能を低下させる付加雑音として働く。この雑音は、さらに受信側感度を低下させるため、受信機によって確実に検出され得る最小の所望の信号が、より大きい振幅を有することが必要になる。
図3に、RF SAWフィルタ330を備える受信機120の従来の実装形態の概略図を示す。SAWフィルタ330は、鋭い遷移帯域端や、帯域外信号成分の大きな減衰など、様々な望ましい特性を有する。SAWフィルタ330は、しばしば、混合器132の入力側でTX漏れ信号を除去して、混合器によって生成される混変調ひずみの量を低減するのに使用される。
LNA122は、抵抗器312、インダクタ314、316、およびコンデンサ318によって形成される入力インピーダンス整合ネットワーク310を介してSAWフィルタ330に結合する。SAWフィルタ330は、コンデンサ342、344、346およびインダクタ348、350によって形成される出力インピーダンス整合ネットワーク340を介して混合器132に結合する。コンデンサ320は、LNA122のための、電源、VCCのフィルタリングを提供する。
TX漏れ信号フィルタリングのためのRF SAWフィルタの使用には、いくつかの欠点がある。第1に、LNA122と混合器132が、コストを低減し、信頼性を向上させるために単一のRFIC内で実装される場合、SAWフィルタ330は、外部実装され、LNAと混合器へのインターフェースのための3つのICパッケージピンを必要とする。第2に、SAWフィルタ330と、整合ネットワーク310、340のためのディスクリート部品は、余分な基板スペースを必要とし、無線機器のコストをさらに増加させる。第3に、SAWフィルタ330と整合ネットワーク310、340の挿入損失は、受信機のカスケード利得および雑音指数を低下させる。
TX漏れ信号を除去し、SAWフィルタでの前述の欠点を回避するのに、適応フィルタが使用され得る。適応フィルタは、RFIC(例えば、LNAと混合器に使用されるのと同じRFICなど)上に実装され得るため、外部部品の追加基板スペースが必要とされず、コストが低減される。適応フィルタは、TX漏れ信号の所望の除去を達成し、低電力を消費するように設計され得る。
図4に、TX漏れ除去用適応フィルタ430を備える無線機器400のRF部分のブロック図を示す。送信パス上では、TX変調信号が、送信機410内の電力増幅器412によって増幅され、送受切換え器416を介して経路指定され、アンテナ418によって1つ以上の基地局に送信される。結合器414が電力増幅器412から送信信号を受け取り、この送信信号の一部分を基準信号、r(t)として提供する。
受信パス上では、受信信号が、アンテナ418によって受け取られ、送受切換え器416を介して経路指定され、受信機420内のLNA422に提供される。また、LNA422は、送信パスからのTX漏れ信号も受け取り、これの入力側でこの信号を増幅し、増幅RF信号、x(t)を提供する。適応フィルタ430が、増幅RF信号を受け取り、これをフィルタリングして、TX漏れ信号を減衰/除去し、フィルタRF信号、y(t)を提供する。混合器432が、LO信号を用いてフィルタRF信号を周波数逓降し、周波数逓降信号を提供する。
一般に、適応フィルタ430は、混合器432の前の受信パス上の任意の点に位置し得る。例えば、適応フィルタ430は、LNA422の前または後に配置され得る。改善された雑音性能が、通常は、LNA422の後に配置された適応フィルタ430を用いて実現され得る。
図5に、受信機420内の適応フィルタ430の一実施形態である、適応フィルタ430aのブロック図を示す。適応フィルタ430aは、r(t)基準信号に基づいてTX漏れ信号の推定値、e(t)を生成し、さらに、x(t)信号からTX漏れ信号推定値を差し引いて、混合器432のためのy(t)信号を獲得する。また、x(t)信号を、フィルタ入力信号ともいい、y(t)信号を、フィルタ出力信号ともいう。
図5に示す実施形態では、適応フィルタ430aは、LMSアルゴリズムを利用して、フィルタ入力信号中のTX漏れ信号とTX漏れ信号推定値の間の平均二乗誤差を最小限に抑える。適応フィルタ430aは、直交位相分割器508と、LMS適応推定器510aと、加算器540とを含む。直交位相分割器508は、基準信号、r(t)を受け取り、同相基準信号、i(t)と、直交基準信号、q(t)を提供する。i(t)信号とq(t)信号は、それぞれ、基準信号の同相成分と直交成分を含み、i(t)信号はq(t)信号に90°先行する。
LMS推定器510aは、同相区分520aと、直交区分520bと、加算器530とを含む。同相区分520a内では、乗算器522aが、i(t)信号を受け取って、y(t)信号と掛け合わせ、m(t)=y(t)・i(t)であるm(t)信号を提供する。積分器524aがm(t)信号を受け取って積分し、同相積分信号、w(t)を提供する。乗算器528aがi(t)信号を受け取って、w(t)信号と掛け合わせ、z(t)=w(t)・i(t)であるz(t)信号を提供する。同様に、直交区分520b内では、乗算器522bがq(t)信号を受け取ってy(t)信号と掛け合わせ、m(t)=y(t)・q(t)であるm(t)信号を提供する。積分器524bが、m(t)信号を受け取って積分し、直交積分信号w(t)を提供する。乗算器528bが、q(t)信号を受け取ってw(t)信号と掛け合わせ、z(t)=w(t)・q(t)であるz(t)信号を提供する。乗算器522a、522b、528a、および528bは、4象現乗算器である。加算器530が、z(t)信号とz(t)信号を受け取ってこれらを合算し、LMSアルゴリズムに基づいて獲得されたTX漏れ信号推定値を含む、推定信号、e(t)を提供する。w(t)信号とw(t)信号は、事実上、TX漏れ信号を推定するのに使用される重みである。
加算器540は、LMS推定器510aからの推定信号、e(t)と、受信信号およびTX漏れ信号を含むフィルタ入力信号、x(t)を受け取る。加算器540は、フィルタ入力信号から推定信号を差し引き、フィルタ出力信号、y(t)を提供する。
LMSアルゴリズムでは、LMS推定器510aからの推定信号が、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
式中、μは、加算器540の出力から加算器540の反転入力までの全体利得が1に等しくなる、LMS推定器510aの単位利得角周波数である。パラメータμは、加算器540の出力から反転入力までのフィードバックループ内のすべての回路ブロックの利得を含み、rad/sec/V単位で与えられる。式(1)は、各積分器が理想的であり、DCで単極を有するものと仮定している。
適応フィルタ430aからのフィルタ出力信号は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
フィルタ出力信号、y(t)は、しばしば、誤差信号と呼ばれる。簡単にするために、以下の分析では、x(t)信号がTX漏れ信号だけを含むものと仮定する。また、TX漏れ信号と同相および直交の基準信号もまた、以下の形を有する正弦波であるものと仮定され得る。
Figure 0005166372
式中、Aは、TX漏れ信号の振幅であり、
φは、TX漏れ信号のランダムな角度であり、
Bは、r(t)基準信号の振幅であり、
ωは、送信信号と基準信号の角周波数である。
周波数fとこれの角周波数ωは2πを係数とする関係にあり、すなわち、ω=2π・fである。式(2)は、式(3)に示す信号を用いて、以下のように、線形2次常微分方程式に変換され得る。
Figure 0005166372
式(4)は、ラプラス変換を使って、以下のように解決され得る。
Figure 0005166372
式中、y(0)とy’(0)は、それぞれ、y(t)とdy(t)/dtの初期条件である。t≦0で基準信号が適用されない(すなわち、t≦0でi(t)=0かつq(t)=0)の場合、t≦0でy(t)=x(t)であり、初期条件は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
式(6)に示す初期条件の場合、適応フィルタ出力、y(t)のラプラス変換は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
式中、ζは、ζ=μ・B/(2ω)である、減衰係数である。適応フィルタ入力x(t)のラプラス変換は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
その場合、適応フィルタ430aの伝達関数は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
式中、s=jωであり、ωは角周波数の変数である。
図10に、3つの異なる減衰係数での適応フィルタ430aの周波数応答を示す。これらの周波数応答は、ω/2π=835MHzの周波数のシングルトーンからなるTX漏れ信号について与えられる。図10のプロット1012に、最も狭いノッチと、セルラ帯域の869から894MHzまでのRX周波数帯域における最少の減衰量を有する、ζ=0.001の減衰係数での周波数応答を示す。図10のプロトコル1014と1016に、それぞれ、ζ=0.01とζ=0.1の減衰係数での周波数応答を示す。減衰係数が増大するにつれて、ノッチは広がり、RX周波数帯域での減衰量は増大する。理想の適応フィルタは、TX漏れ信号の無限減衰を達成することができる。実地の適応フィルタによって達成されるTX漏れ減衰量は、以下で述べるように、適応フィルタの欠陥に左右される。
式(7)のY(s)の逆ラプラス変換は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
指数関数項e−ζωtは、設定時間、よって、LMSアルゴリズムの収束速度を制御する。図10に示すように、フィルタひずみおよび減衰を低減するために、減衰係数ζは、1よりずっと小さくする(すなわち、ζ<<1)必要があるため、式(10)は、以下のように簡略化され得る。
Figure 0005166372
式(11)は、フィルタ出力信号が、単に、フィルタ入力信号の指数関数的に減衰するバージョンにすぎないことを示すものである。30dBcのTX漏れ除去では、e−ζωt=10−30/20であり、設定時間は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
適応フィルタ430aは、適応フィルタの回路ブロックすべてが完全に線形である場合でさえも、混変調ひずみを生成する。混変調ひずみは、図11Aから11Dに示すように、乗算器522と528の周波数混合機能によって生成される。
図11Aに、フィルタ入力信号、x(t)が、周波数fTXを中心とするTX漏れ信号1112と、周波数fに位置するシングルトーンジャマーを含む場合を示す。この例では、ジャマー周波数は、所望の信号の信号帯域に近く、f−fTX≒45MHzであり、これは、セルラ帯域でのTXとRXの周波数帯域の分離である。
図11Bに、乗算器522aと522bのそれぞれの出力における信号成分を示す。DCにおける信号成分1122と2fTXにおける信号成分1126は、TX漏れ信号と、i(t)基準信号およびq(t)基準信号の間の混合によって生成される。f−fTXにおける信号成分1124とf+fTXにおける信号成分1128は、ジャマーと基準信号の間の混合によって生成される。
図11Cに、積分器524aと524bのそれぞれの出力における信号成分を示す。この分析では、各積分器524が、DCにおいて単極である、理想の伝達関数を有する。f−fTXにおける信号成分1124は、特定の量だけ減衰され、より高い周波数における信号成分1126と1128は、より大きい量だけ減衰され、無視し得る。信号成分1124は、ジャマーと送信信号の畳み込みスペクトルを含む不要な成分を表す。
図11Dに、適応フィルタ430aの出力における信号成分を示す。fを中心とする信号成分1144が、f−fTXを中心とする信号成分1124と、fTXを中心とする基準信号の混合によって生成される。乗算器522a/522bと乗算器528a/528bの二重の混合作用によって、fTXを中心とする送信信号成分が、ジャマー周波数fに伝達されることになる。信号成分1144は、加算器540によってフィルタ入力信号に加えられる混変調ひずみを表す。フィルタ出力信号は、減衰/除去TX漏れ信号1112と、減衰されないジャマー1114と、信号成分1144を含む。
適応フィルタ430aによって生成される混変調ひずみは、3次ひずみによって分析され得る。この分析では、送信信号(よって、基準信号)は、fTX±Δf/2の周波数において2つの狭い間隔を置いた狭いトーンを含む。フィルタ入力信号は、(1)2つの送信トーンを有するTX漏れ信号と、(2)fの周波数における帯域内シングルトーンジャマーを含む。適応フィルタが、フィルタ出力信号、y(t)がジャマーだけを含むように、TX漏れ信号を完全に除去する場合、これの3次ひずみ、d(t)が、以下のように導き出される。
Figure 0005166372
式中、i(t)=B・[sin((ω−Δω/2)・t)+sin((ω+Δω/2)・t)]であり、
q(t)=B・[cos((ω−Δω/2)・t)+cos((ω+Δω/2)・t)]であり、
y(t)=C・cos(ωt)であり、式中、Cはジャマーの振幅である。
式(13)は、図11Aから11Dについて前述したように、2つの3次ひずみ項がf±Δfの周波数において生成されることを示すものである。
3次ひずみ除去比(TBRR)が、混変調ひずみの振幅に対するジャマー振幅の比として定義される。TBRRは、式(13)に関して単純な三角法操作を行い、3次ひずみ振幅に対するジャマー振幅の比を取ることによって獲得され得る。TBRRは、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
式中、ζ=μ・B/(2ωTX)は減衰係数である。式(14)は、fTX=849MHzとf=894MHzについて、ζ≦8.1×10−6の減衰係数で、68dBcのTBRRが獲得され得ることを示すものである。設定時間は、この減衰係数では、81マイクロ秒である。
図6に、受信機420内の適応フィルタ430の別の実施形態である、適応フィルタ430bのブロック図を示す。適応フィルタ430bは、(1)適応フィルタによって生成される混変調ひずみの振幅を低減し、(2)より高速なLMSアルゴリズム収束を達成し、(3)設定時間を短縮するのに使用される別の極を含む。
適応フィルタ430bは、LMS適応推定器510bと加算器540を含む。LMS適応推定器510bは、図5のLMS推定器510aの回路ブロックすべてを含む。LMS適応推定器510bは、さらに、(1)積分器524aの出力と乗算器528aの入力の間に配置された単極または1次低域フィルタ(LPF)526aと、(2)積分器524bの出力と乗算器528bの入力の間に配置された単極低域フィルタ526bを含む。各低域フィルタ526は、例えば、直列抵抗器と回路接地への分路コンデンサで構成されるRC低域ネットワークを用いて実施されてもよい。単極の周波数は、適応フィルタが無条件に安定するように選択される。一例として、別の極が318KHzで配置されると、減衰係数は、ζ=1×10−4まで増大し、設定時間は、6マイクロ秒まで短縮され、TBRRは、80dBcに優って改善され得る。これらの改善はすべて、無条件に安定な適応フィルタを用いて達成される。また、高次の、かつ/または異なる周波数に配置された極を備える低域フィルタが低域フィルタ526aおよび526bに使用されてもよい。
理想の適応フィルタは、フィルタ出力信号がTX漏れ信号を全く含まないようなTX漏れ信号の無限除去を実現する。しかしながら、実地の/実現可能な適応フィルタの様々な欠点が、達成され得るTX漏れ除去の量を制限する。かかる欠点には、例えば、積分器の有限利得や、LMS推定器の回路ブロックの非ゼロDCオフセットなどが含まれ得る。
TX漏れ除去比(TXRR)は、適応フィルタ入力におけるTX漏れ信号電力に対する、適応フィルタ出力におけるTX漏れ信号電力の比である。適応フィルタ430のTXRR要件は、例えば、(1)LNA422の出力において期待される最大TX漏れ信号電力や、(2)混合器432の入力における最大許容TX漏れ信号電力など、様々な要因に左右される。約30dBのTXRRを有する適応フィルタは、RF SAWフィルタを備える受信機(図3に示す受信機など)によって達成されるものに匹敵する性能を提供できることが示され得る。一般に、適応フィルタのTXRR要件は、前述の要因や、恐らく別の要因など、様々な要因に左右される。
適応フィルタ430aと430bは、類似のTXRR性能を有する。適応フィルタ430aによって達成される実際のTXRRは、例えば、(1)積分器と乗算器の全体利得や、(2)乗算器と積分器のDCオフセットなど、様々な要因に左右される。不適切な全体利得が、適応フィルタによって達成され得るTXRRを制限する。よって、全体利得は、必要なTXRRが達成され、積分器と乗算器の間でおおよそ分散されるように選択される。
また、DCオフセットも、適応フィルタ430aのTXRR性能に悪影響を及ぼし得る。乗算器522a、522b、528aおよび528bは、通常、2つの入力の不均衡に起因するDC応答を有する。積分器524aと524bは、ランダムな入力DCオフセットのみならず、系統的な入力DCオフセットも有する。DCオフセットは、フィルタによるTX漏れ除去量を低減させる誤差を導入する。また、積分器は、これらの大きなDC利得のために、最初に、結合DCオフセットによって飽和し得る。飽和すると、積分器は、適応フィルタに長い設定時間をもたらす、非常に低い利得を有する。DCオフセットによる飽和を防ぐために、適応フィルタを使用可能にする前に、各積分器の出力を(例えば、各積分器の差動出力を一緒に短絡させることによって)リセットし、この後で解放してもよい。
様々な技法を使って、同相パスと直交パスのための低結合DCオフセットが達成され得る。結合DCオフセットは、
* 乗算器522aおよび522bの利得を増大させ、これらのDCオフセットを低減すること、
* 基準信号電力を増大させる(すなわちBを増加させる)こと、および/または、
* チョッパ安定化やオートゼロ技法など、動的オフセット補正技法を使用すること
によって低減され得る。
乗算器利得は、乗算器522aおよび522bを混合器に変換し、同相および直交の基準信号を強いLO信号として使用することによって増大され得る。混合器の高い利得(例えば、混合器設計の一例では約50dB)は、積分器のDCオフセットへの影響を著しく低減することができる。混合器の出力DCオフセットは、混合器の固有のチョッピング動作のために低い。
チョッパ安定化技法は、低入力DCオフセット電圧(例えば、10μV未満など)を達成することもできる。相関二重サンプリング法などのオートゼロ技法は、通常、雑音フロアを増大させ、これは、次いで、RX周波数帯域を汚染し得る。よって、オートゼロ技法は、慎重に使用すべきである。
適応フィルタ430は、本質的に、受信機の雑音指数を低下させる付加雑音を導入する。適応フィルタ430は、当分野で知られている様々な回路設計技法を使って、雑音への影響を最小限に抑えるように設計され得る。このようにして、適応フィルタ430からの付加雑音の影響があっても、システム要件を満たすことができる。
適応フィルタ430は、フィードバックシステムであり、フィードバックループに沿った総位相遅延が180°であり、かつループ利得が1より大きい場合には、不安定になる。理想の適応フィルタでは、フィードバックループに沿った遅延は、積分器によって導入される90°だけである。実地の適応フィルタでは、遅延が、適応フィルタ内の各回路ブロックによって導入される。
図7に、適応フィルタ430のより詳細な実施形態である、適応フィルタ430cのブロック図を示す。直交位相分割器708が、基準信号、r(t)を受け取り、差動同相基準信号i’(t)と、差動直交基準信号q’(t)を提供する。
前置増幅器718が、フィルタ入力信号、x(t)を受け取ってこれを増幅し、同相区分720aと直交区分に差動出力信号y’(t)を提供する。同相区分720a内では、乗算器722aがy’(t)信号を受け取ってi’(t)信号と掛け合わせ、差動m’(t)信号を提供する。積分器724aが、m’(t)信号を受け取ってこれを積分し、差動w’(t)信号を提供する。積分器724aは、図7に示すように、増幅器と、増幅器の差動出力と差動入力の間に結合された2つのコンデンサを用いて実施される。乗算器728aが、w’(t)信号を受け取ってi’(t)信号と掛け合わせ、z’(t)信号を提供する。直交区分720b内では、乗算器722b、積分器724b、および乗算器728bが、同様に、y’(t)信号をq’(t)信号を用いて処理し、z’(t)信号を提供する。z’(t)信号とz’(t)信号は、電流出力であり、これらの出力を繋ぎ合わせることによって組み合わせて、推定信号、e(t)が獲得され得る。前置増幅器718の入力側でe(t)信号とx(t)信号を繋ぎ合わせるよって、e(t)信号がx(t)信号から差し引かれる。図7に示す回路実施形態では、加算器は、前置増幅器718の入力側の黒点で示すノードであり、適応フィルタの入力は、これの出力でもある(すなわち、y(t)=x(t))。
前置増幅器718は、TX漏れ信号の周波数においてΔφの遅延を有する。乗算器722aと722bは、それぞれ、RF入力とLO入力の不等な遅延によりΔφの遅延を有する。乗算器728aと728bは、それぞれ、TX漏れ信号の周波数において、基準信号から乗算器出力まで、Δφの遅延を有する。適応フィルタ430cの総遅延Δφは、Δφ=Δφ+Δφ+Δφとして算出され得る。
図9に、安定性分析に適した適応フィルタの簡略化されたモデル900を示す。加算器912が、積分器916の出力を受け取り、これをフィルタ入力信号、Vinから差し引き、フィルタ出力信号、Voutを提供する。遅延素子914が、Vout信号を、Δφの遅延だけ遅延される。積分器916が、伝達関数G/(s/p+1)を用いて、遅延信号を積分する。フィルタ出力信号からフィルタ入力信号までの伝達関数は、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
式(15)のステップ応答が、以下の式で表され得る。
Figure 0005166372
式(16)は、フィルタ出力信号が、pにおける積分極に起因するe−ptの指数関数的減衰を有する振動信号であることを示すものである。遅延Δφの存在は、フィルタ出力信号に振動を導入する。振動の振幅は、遅延Δφに応じて減衰し、または増大する。適応フィルタは、(1)Δφが−90°から+90°の範囲内にある場合は安定であり、|Δφ|が90°を超える場合は不安定であることが示され得る。例えば、Δφ=40°、Δφ=0°、かつΔφ=60°である場合、Δφ=100°であり、適応フィルタは振動する。
図8に、適応フィルタ430の別のより詳細な実施形態である、適応フィルタ430dのブロック図を示す。適応フィルタ430dは、RF周波数における位相遅延(ΔφやΔφなど)を補償することのできるアーキテクチャを利用する。適応フィルタ430dは、図7の適応フィルタ430cの回路ブロックすべてを含む。しかしながら、適応フィルタ430dは、区分720aと720bのそれぞれの2つの乗算器に異なる基準信号を使用する。同相区分720aでは、乗算器722aがi’(t)信号によって駆動され、乗算器728aが(i’(t)信号ではなく)q’(t)信号によって駆動される。直交区分720bでは、乗算器722bが、q’(t)信号によって駆動され、乗算器728bが、(q’(t)信号ではなく)i’(t)信号によって駆動される。よって、乗算器728aと728bのLO信号は、それぞれ、乗算器722aと722bのLO信号に90°先行する。また、総遅延Δφも、これに応じて90°低減される。前述の例では、総遅延は、100°ではなくΔφ=10°であり、適応フィルタは安定である。
図5と6に示す適応フィルタは、様々な方法で実施され得る。2つの例示的実装形態が、図7と8に示されている。また、適応フィルタの回路ブロックも、様々な方法で実施され得る。例えば、乗算器が混合器を用いて実施されてもよく、加算器が電流出力を繋ぎ合わせることによって実施されてもよく、以下同様である。また、適応フィルタは、差動またはシングルエンド形回路設計を用いて実施されてもよい。図7と8に、図5の適応フィルタ430aの差動設計の例が示されている。差動設計は、よりよい雑音排除性など、シングルエンド形設計に優るいくつかの利点を提供し得る。
本明細書で述べる適応フィルタは、LMS適応推定器を利用してTX漏れ信号を推定する。他の種類の推定器を使ってTX漏れ信号が推定されてもよく、これも本発明の適用範囲内に含まれる。例えば、送信信号は、TX周波数帯域を超えて位置していてもよく、重み値wとwが、それぞれ、同相区分と直交区分について求められ、これを図5のw(t)とw(t)の代わりに使用してTX漏れ信号が推定されてもよい。
また、適応フィルタは、様々な方法で訓練されてもよい。例えば、適応フィルタが、(知られている訓練信号を含む)訓練バースト(training burst)の開始時に使用可能にされ、重み値が、このバーストに基づいて導出されてもよい。重み値は、この後、固定され、信号区間にTX漏れ信号を推定するのに使用されてもよい。重み値は、訓練バーストが利用可能なときにいつでも更新され得る。収束を加速させるために、RFチャネルから離れる前に、積分器の条件が決定されて格納され、次にRFチャネルが選択されるときに、積分器が、格納された条件を用いて初期設定されてもよい。
また、本明細書で述べる適応フィルタは、様々なシステムおよび用途に使用されてもよい。例えば、適応フィルタは、セルラシステム、OFDMシステム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、多入力多出力(MIMO)システム、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)などといった、無線全二重通信システムで使用され得る。全二重セルラシステムには、CDMAシステムとGSMシステム(移動通信のためのグローバルシステム)が含まれ、CDMAシステムには、IS−95、IS−2000、IS856、および広帯域CDMA(W−CDMA)システムが含まれる。適応フィルタは、無線全二重通信システムで基地局のみならず、無線機器にも使用され得る。
本明細書で述べる適応フィルタは、集積回路(IC)、RF集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、または本明細書で述べる機能を実行するように設計された他の電子ユニット内で実施されてもよい。また、適応フィルタは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)など、様々なICプロセス技術を用いて製造されてもよい。
開示の実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を作成し、または使用することを可能にするために提供するものである。当業者には、これらの実施形態への様々な変更が容易に明らかになるものであり、本明細書で定義する一般原理は、本発明の精神または範囲を逸脱することなく、別の実施形態にも適用され得る。よって、本発明は、本明細書で示す実施形態だけに限定されるものではなく、本発明には、本明細書で開示する原理および新規の特徴と整合性を有する最も幅広い範囲が許容されるべきである。

Claims (30)

  1. 集積回路であって、
    無線全二重通信システムで送信される変調信号の一部分に対応する送信漏れ信号を有する入力信号を受け取り、前記送信漏れ信号の推定値を有する推定信号を受け取り、前記入力信号から前記推定信号を差し引き、減衰された前記送信漏れ信号を有する出力信号を提供するように動作する加算器と、
    前記出力信号と、前記変調信号の1バージョンを有する基準信号を受け取り、前記出力信号と前記基準信号に基づいて前記入力信号中の前記送信漏れ信号を推定し、前記送信漏れ信号の前記推定値を有する前記推定信号を提供するように動作する推定器と、
    を備える集積回路。
  2. 受信側入力信号を増幅し、前記入力信号を提供するように動作する低雑音増幅器(LNA)をさらに備える、請求項1に記載の集積回路。
  3. 前記出力信号を増幅し、ベースバンドへの周波数逓降のための増幅信号を提供するように動作する低雑音増幅器(LNA)をさらに備える、請求項1に記載の集積回路。
  4. 局部発振(LO)信号を用いて前記出力信号を周波数逓降し、周波数逓降信号を提供するように動作する混合器をさらに備える、請求項1に記載の集積回路。
  5. 前記推定器は、最小平均二乗(LMS)アルゴリズムを利用して、前記入力信号中の前記送信漏れ信号と前記推定信号中の前記送信漏れ信号の前記推定値の間の平均二乗誤差(MSE)を最小限に抑える、請求項1に記載の集積回路。
  6. 前記推定器は、
    前記出力信号を同相基準信号と掛け合わせ、第1の同相信号を提供するように動作する第1の乗算器と、
    前記第1の同相信号を積分し、第2の同相信号を提供するように動作する第1の積分器と、
    前記第2の同相信号を、前記基準信号から生成される前記同相基準信号または直交基準信号と掛け合わせ、第3の同相信号を提供するように動作する第2の乗算器と、
    前記出力信号を前記直交基準信号と掛け合わせ、第1の直交信号を提供するように動作する第3の乗算器と、
    前記第1の直交信号を積分し、第2の直交信号を提供するように動作する第2の積分器と、
    前記第2の直交信号を前記同相または直交の基準信号と掛け合わせ、前記第3の同相信号と合算することによって前記推定信号を獲得するための第3の直交信号を提供するように動作する第4の乗算器と、
    を備える、請求項1に記載の集積回路。
  7. 前記基準信号を受け取り、前記同相基準信号と前記直交基準信号を提供するように動作する直交位相分割器をさらに備える、請求項6に記載の集積回路。
  8. 前記第2の乗算器は、前記第2の同相信号を前記直交基準信号と掛け合わせるように動作し、前記第4の乗算器は、前記第2の直交信号を前記同相基準信号と掛け合わせるように動作する、請求項6に記載の集積回路。
  9. 前記第2の乗算器は、前記第2の同相信号を前記同相基準信号と掛け合わせるように動作し、前記第4の乗算器は、前記第2の直交信号を前記直交基準信号と掛け合わせるように動作する、請求項6に記載の集積回路。
  10. 前記第1、第2、第3、および第4の乗算器は混合器を用いて実施され、前記同相および直交の基準信号は、前記混合器のための局部発振(LO)信号として使用される、請求項6に記載の集積回路。
  11. 前記推定器は、
    前記第1の積分器と前記第2の乗算器の間に結合されている第1の低域フィルタと、
    前記第2の積分器と前記第4の乗算器の間に結合されている第2の低域フィルタと、
    をさらに備える、請求項6に記載の集積回路。
  12. 前記第1と第2の低域フィルタは、単極低域フィルタである、請求項11に記載の集積回路。
  13. 前記推定器を使用可能にする前に、前記第1と第2の積分器の出力をリセットするように動作するスイッチをさらに備える、請求項6に記載の集積回路。
  14. 前記第1から第4までの乗算器と、前記第1および第2の積分器は、差動回路設計を用いて実施されている、請求項6に記載の集積回路。
  15. 前記推定器は、訓練バーストに基づいて1組の重み値を導出し、前記1組の重み値を使って、前記入力信号中の前記送信漏れ信号を推定するように動作する、請求項1に記載の集積回路。
  16. 前記推定器は、少なくとも30dBの前記送信漏れ信号の除去を実現する、請求項1に記載の集積回路。
  17. 無線全二重通信システムにおける無線機器であって、
    受信側入力信号を増幅し、送信される変調信号の一部分に対応する送信漏れ信号を有する入力信号を提供するように動作する低雑音増幅器(LNA)と、
    前記入力信号と、前記変調信号の1バージョンを有する基準信号を受け取り、出力信号と前記基準信号に基づいて前記送信漏れ信号の推定値を有する推定信号を生成し、前記入力信号から前記推定信号を差し引いて、減衰された前記送信漏れ信号を有する前記出力信号を獲得するように動作する適応フィルタと、
    前記出力信号を受け取り、局部発振(LO)信号を用いて前記出力信号を周波数逓降し、周波数逓降信号を提供するように動作する混合器と、
    を備える無線機器。
  18. 前記無線全二重通信システムは符号分割多元接続(CDMA)システムである、請求項17に記載の無線機器。
  19. 前記適応フィルタは、最小平均二乗(LMS)アルゴリズムを利用して、前記入力信号中の前記送信漏れ信号と前記推定信号中の前記送信漏れ信号の前記推定値の間の平均二乗誤差(MSE)を最小限に抑える、請求項17に記載の無線機器。
  20. 前記適応フィルタは、
    前記出力信号を同相基準信号と掛け合わせ、第1の同相信号を提供するように動作する第1の乗算器と、
    前記第1の同相信号を積分し、第2の同相信号を提供するように動作する第1の積分器と、
    前記第2の同相信号を、前記基準信号から生成される前記同相基準信号または直交基準信号と掛け合わせ、第3の同相信号を提供するように動作する第2の乗算器と、
    前記出力信号を前記直交基準信号と掛け合わせ、第1の直交信号を提供するように動作する第3の乗算器と、
    前記第1の直交信号を積分し、第2の直交信号を提供するように動作する第2の積分器と、
    前記第2の直交信号を前記同相または直交の基準信号と掛け合わせ、前記第3の同相信号と合算することによって前記推定信号を獲得するための第3の直交信号を提供するように動作する第4の乗算器と、
    前記入力信号から前記推定信号を差し引き、前記出力信号を提供するように動作する加算器と、
    を備える、請求項17に記載の無線機器。
  21. 無線全二重通信システムにおける装置であって、
    送信される変調信号の一部分に対応する送信漏れ信号を有する入力信号から、前記送信漏れ信号の推定値を有する推定信号を差し引き、減衰された前記送信漏れ信号を有する出力信号を提供する手段と、
    前記出力信号と、前記変調信号の1バージョンを有する基準信号に基づいて前記入力信号中の前記送信漏れ信号を推定し、前記推定信号を提供する手段と、
    を備える装置。
  22. 前記入力信号中の送信漏れ信号は、最小平均二乗(LMS)に基づいて、前記入力信号中の前記送信漏れ信号と前記送信漏れ信号の前記推定値の間の平均二乗誤差(MSE)を最小限に抑えるように推定される、請求項21に記載の装置。
  23. 前記入力信号中の前記送信漏れ信号を推定する前記手段は、
    前記出力信号を同相基準信号と掛け合わせて第1の同相信号を獲得する手段と、
    前記第1の同相信号を積分して第2の同相信号を獲得する手段と、
    前記第2の同相信号を、前記基準信号から生成される前記同相基準信号または直交基準信号と掛け合わせて第3の同相信号を獲得する手段と、
    前記出力信号を前記直交基準信号と掛け合わせて第1の直交信号を獲得する手段と、
    前記第1の直交信号を積分して第2の直交信号を獲得する手段と、
    前記第2の直交信号を前記同相または直交の基準信号と掛け合わせて第3の直交信号を獲得する手段と、
    前記第3の同相信号と前記第3の直交信号を合算して前記推定信号を獲得する手段と
    を備える、請求項21に記載の装置。
  24. 前記入力信号中の前記送信漏れ信号を推定する前記手段は、
    前記第2の同相信号をフィルタリングして、前記同相または直交の基準信号と掛け合わせて前記第3の同相信号を獲得するためのフィルタリングされた第2の同相信号を獲得する手段と、
    前記第2の直交信号をフィルタリングして、前記同相または直交の基準信号と掛け合わせて前記第3の直交信号を獲得するためのフィルタリングされた第2の直交信号を獲得する手段と、
    をさらに備える、請求項23に記載の装置。
  25. 前記第2の同相信号と前記第2の直交信号を知られている値にリセットする手段をさらに備える、請求項23に記載の装置。
  26. 無線全二重通信システムにおいて送信漏れ信号を抑圧する方法であって、
    送信される変調信号の一部分である送信漏れ信号を有する入力信号から、前記送信漏れ信号の推定値を有する推定信号を差し引いて、減衰された前記送信漏れ信号を有する出力信号を獲得することと、
    前記出力信号と、前記変調信号の1バージョンを有する基準信号に基づいて、前記入力信号中の前記送信漏れ信号を推定し、前記送信漏れ信号の前記推定値を有する前記推定信号を提供することと、
    を備える方法。
  27. 前記入力信号中の送信漏れ信号は、最小平均二乗(LMS)アルゴリズムに基づき、前記入力信号中の前記送信漏れ信号と前記送信漏れ信号の前記推定値の間の平均二乗誤差(MSE)を最小限に抑えるように推定される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記送信漏れ信号を推定することは、
    前記出力信号を同相基準信号と掛け合わせて第1の同相信号を獲得することと、
    前記第1の同相信号を積分して第2の同相信号を獲得することと、
    前記第2の同相信号を、前記基準信号から生成される前記同相信号または直交基準信号と掛け合わせて第3の同相信号を獲得することと、
    前記出力信号を前記直交基準信号と掛け合わせて第1の直交信号を獲得することと、
    前記第1の直交信号を積分して第2の直交信号を獲得することと、
    前記第2の直交信号を前記同相または直交の基準信号と掛け合わせて第3の直交信号を獲得することと、
    前記第3の同相信号と前記第3の直交信号を合算して前記推定信号を獲得することと、
    を備える、請求項26に記載の方法。
  29. 請求項26から28のうちの1つに従ってコンピュータに前記方法を実行させる、プログラム。
  30. プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記プログラムがコンピュータに請求項26から28のうちの1つに従って前記方法を実行させる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
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