JP5166052B2 - 偏光素子およびその製造方法 - Google Patents
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配向、分散された形状異方性を有する微細な金属粒子、例えば銀粒子や銅粒子、を分散含有するガラスは、その金属の光吸収波長帯が入射偏光方向によって異なるために偏光子になることが知られている。そのような偏光ガラスは、伸長されたハロゲン化銅粒子含有ガラス或いはハロゲン化銀粒子含有ガラスを還元することで作製できることも知られている。例えば、ハロゲン化銅粒子含有ガラスから偏光ガラスを作製する方法は、特許文献1に開示されている。
(1)光透過性を有する誘電体基体表面の少なくとも一部に、平面視が実質的に長方形状をなした凹部を設けることにより、平面視が市松模様状に配列された凹凸部を形成し、前記凹部底面と凸部上面とに金属層もしくは半導体層からなる偏光吸収膜を形成することにより、当該偏光吸収膜を上下に段差を持って市松模様状に設けてなる、矩形小片二層構造の偏光層を有することを特徴とする偏光素子。
(2)前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層のうちの少なくとも一部のものについて、長手方向のプラズマ共鳴周波数が、特定の光の周波数と実質的に同一であることを特徴とする1の手段にかかる偏光素子。
(3)前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層が、前記特定の周波数の光に対して透過性を有する誘電体層で被覆されていることを特徴とする1又は2の手段にかかる偏光素子。
(4)前記凹凸部と前記金属層もしくは半導体層とからなる偏光層が、前記誘電体基体表面に複数層重ねて形成されていることを特徴とする1乃至3のいずれかの手段にかかる偏光素子。
(5)1乃至4のいずれかの手段にかかる偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に凹凸部を形成する方法として、フォトリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
(6)1乃至4のいずれかの手段にかかる偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に前記凹凸部を形成する方法として、ナノインプリントリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
(7)1乃至4のいずれかの手段にかかる偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記金属層もしくは半導体層が、前記凹凸部に同時に形成されることを特徴とする偏光素子の製造方法。
ここで吸収係数と呼ばれるγ=4πκ/λは、H.C. van de Halst; ”Light Scattering by Small Particles”(Wiley,1957)33頁において
の関係が与えられている。単位体積当たりの粒子数Nは粒子1個の体積Vを用いればN=1/Vであるから、
と変形することができる。さらに一般に消滅断面積Cextは散乱断面積(Csca)と吸収断面積(Cabs)の和によって与えられるから、散乱断面積が無視できる場合、吸収係数γと吸収断面積Cabsの間に以下の関係式が成立することがわかる。
で与えられる。ただし、kは光の媒質中における波数、Vは粒子の体積、Imは複素数の虚数部をとることを意味する。通常、媒質である誘電体の誘電率εmは実数であるとし、内部で吸収がある金属粒子の誘電率εは複素数(ε=ε’+jε’’)と考える。このとき
、吸収断面積(5)式は媒質の屈折率をnmとして(nm2=εm)、
(6)のように書くことができる。(6)式において、Lは反電場係数を意味する。
で与えられる。ここで誘電率の実部(ε’)、虚部(ε'’)はともに波長λの関数であ
るから、共鳴波長λを指定すれば、式(7)から、吸収断面積の最大を与える反電場係数Lを求めることができる。また、粒子(小片)が矩形形状の場合、矩形小片試料(長さ:
l,幅:w,厚さ:t)の反電場係数は近似的に得ることができる。
矩形小片を隙間無く配置させた構成を作り出したのである。
図3は本実施の実施例1にかかる偏光素子の製造方法の説明図である。以下、図3を参照にしながら、実施例1にかかる偏光素子の製造方法を説明する。図3において、厚さ1mm、直径1インチの合成石英ガラス(SiO2)基板1上の中央部10mm角の範囲に、長さが180nm、幅が50nmの長方形の長辺方向が一方向に揃って多数互い違いに
配置されたいわゆる市松模様状のCr薄膜のマスクパターン4を形成する(図3(a))。なお、Cr薄膜のマスクパターン4は、基板1上に、20nm厚のCr薄膜をスパッタリングで形成し、このCr薄膜に周知のフォトリソグラフィ技術によってパターンを形成して得る。次に、このマスクパターン4をマスクにして、基板1にエッチングを施して凹部1aを形成する(図3(b))。このエッチングは、フリオン23(CHF3)(以下、フリオンと表記)を利用する反応性イオンエッチ技術で行う。ここで、断面が正確な矩形となる凹溝を形成するため、反応性イオンエッチング装置としてSamco社製、誘導結合型プラズマ(以下ICPと表記)型装置を利用する。
この実施例は、実施例1におけるCr薄膜のマスクパターン4のパターニング工程を、ナノインプリントリソグラフィー技術を用いたパターニング技術で行う点を除き、実施例1とほぼ同様である。したがって、以下では、主にこのナノインプリント技術を用いてマスクパターン4を形成する工程を中心に説明する。まず、以下のようにして、ナノインプリントの型を得る。型用の石英ガラス基板を用意し、その上にCr薄膜、電子線描画用レジスト膜を順次成膜する。次に、電子線描画装置で描画後レジスト膜を現像し、さらにC
rをエッチングして、石英ガラス上に矩形市松模様のCrマスクパターンを形成する。次いで、ICP装置で石英ガラス基板をエッチングして、石英ガラス基板上に、幅が26nm、長さが180nm、段差が30nmの矩形市松模様のパターンを形成し、Crマスクを除去し、ナノインプリントの型を得る。
上述の実施例2の製造方法においては、偏光吸収膜2a、2bとしてスパッタリング法で作製したAg薄膜層を用いたが、本実施例3〜5は、これに代えて、偏光吸収膜2a、2bとしてスパッタリング法で作製したアルミニウム(Al)薄膜層を用いるようにしたこと以外は実施例2の製造方法と同じであるので、その詳細説明は省略する。実施例3〜5の製造方法によって製造された「矩形小片二層構造の市松模様状の構造体」を持つ偏光素子10のAl薄膜からなる偏光吸収膜2a,2bの形状寸法及び消光特性を、表1に示す。
上述の実施例1〜5は、矩形小片二層構造の偏光層が1層だけ設けられた例であるが、本実施例6は、この矩形小片二層構造の偏光層を2層、重ねて設けた例である。図4は実施例6にかかる偏光素子の製造方法の説明図である。図に示されるように、まず、実施例2の方法によって、偏光層が1層の偏光素子10を形成する(図4(a))。次に、この偏光素子10のa−SiO2膜3の上に、Cr薄膜のマスクパターン14を形成する。このCr薄膜のマスクパターン14は、実施例2において形成したCr薄膜のマスクパターン4と同様の方法で形成する。すなわち、a−SiO2膜3の上に、20nm厚のCr薄膜をスパッタリングで形成し、このCr薄膜に実施例2と同様にナノインプリントリソフラフィー技術を用い、長方形形状の偏光吸収膜2a,2bと長方形の長手方向が同一となり、且つ、形成されるパターンがほぼ偏光吸収膜2a,2bに重なるようにして形成する。
偏光吸収膜12a,12bは、基板1の表面に、スパッタリング法で、Ag膜を20nm厚に成膜することにより形成する。すなわち、これにより、凹部11a及び凸部11bの表面には、幅が26nm、長さが180nm、20nm厚のAg薄膜の長方形形状の偏光吸収膜12a,12bが形成される(図4(d))。つまり、凹部11a及び凸部11bにそれぞれ形成された偏光吸収膜12a,12bが、それぞれ30nmの段差を持って互い違いに配置される。
上述の実施例1、2、3、4、5、6の製造方法によって、赤外光用(波長1.3μmと1.5μm)と、可視光用(波長0.5μm、0.6μmと0.7μm)との偏光素子10又は20を作製し、さらに、その両面に反射防止コートを施したものについて、消光比の測定値を矩形小片の材質形状と共に表1に示す。偏光ガラスの消光比は、各波長のレーザー光をファイバコリメータによって平行光とし、これを位相補償器、グラントムソンプリズムを介して測定する偏光素子に垂直に入射し、光軸に垂直な面内で偏光ガラスを回転させ、まず最小透過光量P1を、次に偏光素子を90度回転して最大透過光量P2を測定して、下式(10)によって求めた。
実施例6により、矩形小片二層構造の偏光層を2層重ねた矩形小片四層構造とする事により50dBの消光特性を得られることが確認された。さらに、矩形小片二層構造を多層に重ねることにより、より高い消光比を得ることができることも確認されている。
1a 凹部
1b 凸部
2a 偏光吸収膜
2b 偏光吸収膜
3 保護層
4 マスクパターン
10 偏光素子
Claims (7)
- 光透過性を有する誘電体基体表面の少なくとも一部に、平面視が実質的に長方形状をなした凹部を設けることにより、平面視が市松模様状に配列された凹凸部を形成し、かつ、前記凹部底面と凸部上面とに金属層もしくは半導体層からなる偏光吸収膜を形成することにより、当該偏光吸収膜を上下に段差を持って市松模様状に設けてなる、矩形小片二層構造の偏光層を有することを特徴とする偏光素子。
- 前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層のうちの少なくとも一部のものについて、長手方向のプラズマ共鳴周波数が、特定の光の周波数と実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
- 前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層が、前記特定の周波数の光に対して透過性を有する誘電体層で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光素子。
- 前記凹凸部と前記金属層もしくは半導体層とからなる偏光層が、前記誘電体基体表面に複数層重ねて形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の偏光素子。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に凹凸部を形成する方法として、フォトリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に前記凹凸部を形成する方法として、ナノインプリントリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記金属層もしくは半導体層が、前記凹凸部に同時に形成されることを特徴とする偏光素子の製造方法。
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