JP5166052B2 - 偏光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光素子に関し、特に、十分な消光特性を持ち安価で量産性に優れた偏光素子に関する。
偏光素子は、光通信などに利用される光アイソレーター、液晶・電気光学結晶・ファラデーローテーターなどの組み合わせからなる光スイッチや電気磁気センサー等の偏光子、液晶パネルに用いられる偏光板として用いられる。偏光素子としては、従来から以下のものが知られている。
(偏光ガラス)
配向、分散された形状異方性を有する微細な金属粒子、例えば銀粒子や銅粒子、を分散含有するガラスは、その金属の光吸収波長帯が入射偏光方向によって異なるために偏光子になることが知られている。そのような偏光ガラスは、伸長されたハロゲン化銅粒子含有ガラス或いはハロゲン化銀粒子含有ガラスを還元することで作製できることも知られている。例えば、ハロゲン化銅粒子含有ガラスから偏光ガラスを作製する方法は、特許文献1に開示されている。
この方法は、ガラスの粘度が10〜1010Pa・Sの範囲になる温度においてハロゲン化銅粒子を伸長し、次いで還元雰囲気下で熱処理することによりハロゲン化銅粒子を還元して、伸長された形状異方性の金属銅粒子を含有する偏光ガラスを製造するものである。偏光ガラスであるCUPO(商品名)は、ガラス中に延伸させた金層銅が一方向に配列されることにより、偏光特性をもたせたガラスである。この偏光ガラスは、従来の有機物偏光素子と異なり耐熱性、耐湿性、耐化学薬品性、レーザに対する耐性に非常に優れている。さらに、この偏光ガラスは、30dB以上の高消光比が得られることから光通信分野での光アイソレータの部品として用いられている。なお、偏光ガラスとしては、ガラス基板上にデポジション法を用いて、金属とガラスを交互に積層し、ガラス基板上で島状金属粒子がガラス相中に積層した、多層膜型偏光ガラス(特許文献2参照)も提案されている。
特許第2740601号 特許第3740248号
ところで、偏光素子を、光アイソレーターや液晶パネルの偏光板に使う際の要求光学特性は、消光比25dB以上の性能であり、偏光板の用途ではさらに大型化が要求される。ところが、偏光ガラスは、光学特性が高いが分散された金属粒子のアスペクト比の制御が難しく作り方が煩雑でコストが高く、製作寸法にも制約がある。そこで、本発明の目的は、大面積を安価で消光比が十分な偏光素子を提供することにある。
上述の課題を可決するための手段は、以下の通りである。
(1)光透過性を有する誘電体基体表面の少なくとも一部に、平面視が実質的に長方形状をなした凹部を設けることにより、平面視が市松模様状に配列された凹凸部を形成し、前記凹部底面と凸部上面とに金属層もしくは半導体層からなる偏光吸収膜を形成することにより、当該偏光吸収膜を上下に段差を持って市松模様状に設けてなる、矩形小片二層構造の偏光層を有することを特徴とする偏光素子。
(2)前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層のうちの少なくとも一部のものについて、長手方向のプラズマ共鳴周波数が、特定の光の周波数と実質的に同一であることを特徴とする1の手段にかかる偏光素子。
(3)前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層が、前記特定の周波数の光に対して透過性を有する誘電体層で被覆されていることを特徴とする1又は2の手段にかかる偏光素子。
(4)前記凹凸部と前記金属層もしくは半導体層とからなる偏光層が、前記誘電体基体表面に複数層重ねて形成されていることを特徴とする1乃至3のいずれかの手段にかかる偏光素子。
(5)1乃至4のいずれかの手段にかかる偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に凹凸部を形成する方法として、フォトリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
(6)1乃至4のいずれかの手段にかかる偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に前記凹凸部を形成する方法として、ナノインプリントリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
(7)1乃至4のいずれかの手段にかかる偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記金属層もしくは半導体層が、前記凹凸部に同時に形成されることを特徴とする偏光素子の製造方法。
上記解決手段によれば、例えば、1ステップのフォトリソグラフィやナノインプリントリソグラフィ技術によって誘電体基板に矩形の凹部と凸部を作り、金属薄膜を凹部凸部に一様に成膜し、さらに誘電体により上面を一様に覆うことにより、矩形金属膜が上下層で市松模様に投影される構成を成す偏光子を得ることが可能となる。金属粒子前駆体の延伸及び延伸金属粒子の析出、さらには矩形金属膜を上下層に形成する際に高精度なマスク合わせをするなどというような煩雑な工程を必要としないため、大型の高性能偏光素子や光アイソレーターを安価に提供することを可能にする。
本発明は、いわゆる金属ナノ粒子が起こすプラズマ共鳴の共鳴周波数の異方性を利用した偏光素子である。以下に金属ナノ粒子のプラズマ共鳴について簡潔に説明する。
金属ナノ粒子においては、微粒子表面の自由電子が入射光と相互作用し、電子の集団的振動である表面プラズモンが励起されることによって、特異な光学特性を示すことが知られている。その一つに、金属ナノ粒子の形状によって共鳴波長及び強度が変化する「局在表面プラズモン共鳴」と呼ばれる現象がある。金属ナノ粒子やナノ構造体のサイズが十分小さいとき、粒子に印加される電場は空間的に一様である。このような準静電近似が成り立つとすると、誘電体で取り扱われる静電場に対する応答によって光吸収現象を記述することが可能となる。この様な条件では、特定偏光方向で偏光特性が得られることが知られている。
一般に媒質中を距離zだけ伝搬した光の強度Iは、入射光Iに対して次のように表せる。
Figure 0005166052
ここで吸収係数と呼ばれるγ=4πκ/λは、H.C. van de Halst; ”Light Scattering by Small Particles”(Wiley,1957)33頁において
Figure 0005166052
の関係が与えられている。単位体積当たりの粒子数Nは粒子1個の体積Vを用いればN=1/Vであるから、
Figure 0005166052
と変形することができる。さらに一般に消滅断面積Cextは散乱断面積(Csca)と吸収断面積(Cabs)の和によって与えられるから、散乱断面積が無視できる場合、吸収係数γと吸収断面積Cabsの間に以下の関係式が成立することがわかる。
Figure 0005166052
単一粒子を考えた時、光の吸収断面積Cabsは、外部印加電場Eに対する形式的な誘電感受率χを用いて
Figure 0005166052
で与えられる。ただし、kは光の媒質中における波数、Vは粒子の体積、Imは複素数の虚数部をとることを意味する。通常、媒質である誘電体の誘電率εmは実数であるとし、内部で吸収がある金属粒子の誘電率εは複素数(ε=ε’+jε’’)と考える。このとき
、吸収断面積(5)式は媒質の屈折率をnmとして(nm=εm)、
Figure 0005166052
(6)のように書くことができる。(6)式において、Lは反電場係数を意味する。
上式(6)において分母が0となるときに、吸収が共鳴的に増大し、その条件を満たす反電場係数Lは
Figure 0005166052
で与えられる。ここで誘電率の実部(ε’)、虚部(ε'’)はともに波長λの関数であ
るから、共鳴波長λを指定すれば、式(7)から、吸収断面積の最大を与える反電場係数Lを求めることができる。また、粒子(小片)が矩形形状の場合、矩形小片試料(長さ:
l,幅:w,厚さ:t)の反電場係数は近似的に得ることができる。
長さ方向の反電場係数L
Figure 0005166052
幅方向の反電場係数L
Figure 0005166052
偏光子として消光特性を高く構成するには、光入射投影面で、上記矩形小片を長さ方向を揃えて、かつそれぞれの間に隙間が生じることなく整列させる必要がある。しかし、一平面上で矩形小片を隙間無く整列させることは、矩形小片それぞれを密接させることを意味し、その場合は、矩形小片としての機能を失わせ消光特性を発揮しなくなる。そこで、本発明は、複数平面に矩形小片を平面毎に互い違いに配置させ、光入射投影面で見ると、
矩形小片を隙間無く配置させた構成を作り出したのである。
図1は本発明の本実施の形態にかかる偏光素子の斜視図、図2は図1のII―II線断面図である。以下、図1、2を参照にしながら本発明の本実施の形態にかかる偏光素子10を説明する。これらの図において、符号1は石英製のガラス基板からなる透明基板である。この透明基板1には、ともに平面視が同様の長方形状をなした凹部1aと凸部1bとが、これらの長辺及び短辺が互いに共有して長辺方向及び短辺方向において交互に配置されるように形成されている。換言すると、これら凹部1aと凸部1bとによって、平面視において、長辺方向が一方向に揃っている長方形が多数互い違いに配置されたいわゆる市松模様が構成されるようになっている。
前記凹部底面1a及び凸部上面1bの表面には、金属や半導体で構成される偏光吸収膜2a及び2bがそれぞれ形成されている。そして、これら偏光吸収膜2a及び2bが形成された凹部1aを埋めるとともに、凸部1bの表面も覆うように保護層3が形成されている。凹部1aの深さもしくは凸部1bの高さは、偏光吸収膜2a及び2bの厚さより大きく設定される。また、凹部1a及び凸部1bの平面視の形状は上述の通り、長方形状であり、その寸法は、適用する光の波長等に応じて設定されるが、準静電近似が成立する範囲では、長辺の長さ、短辺の長さ(幅)、深さが、適用する光の波長以下の程度とされる。
透明基板1の材質としては、石英ガラス、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウ酸塩ガラス等、また光通信波長帯での適用にはサファイヤ、シリコン等も挙げることができる。また、偏光吸収膜2a及び2bとしては、アルミニウム、金、銀、銅、コバルト、クロミウム、鉄、ゲルマニウム、ニッケル、鉛、白金、パラジウム、ロジウム、シリコン、タンタル、チタン、そしてタングステン等をそれらの合金を含め挙げることができる。なお、実施の形態にかかる偏光素子の製作は、半導体素子作製技術を応用できる。すなわち、一般的なフォトリソグラフィー法やナノインプリントリソグラフィで作製したマスクを利用し、基板をエッチングすることにより長方形(矩形)形状の凹凸部を形成し、周知の薄膜形成技術で凹凸部に金属膜等を形成し、さらに、保護層を形成等の工程を経ることにより得ることができる。
上記構成を有する実施の形態に係る偏光素子は、ナノレベルの寸法の形状異方性を有する金属粒子がガラス中に配向して分散されることで偏光特性を得ている従来の偏光ガラスと同様の光学的状態を作り出すことによって偏光特性を得るものである。すなわち、「形状異方性を有する金属粒子がガラス中に配向して分散される」という状態と光学的に等価な状態を、形状異方性を有する長方形状(矩形)の金属膜(吸収材料)を基板中に配向させて市松模様に矩形金属小片として整列配置させることにより創出している。これにより、高効率で再現性の良い偏光特性を得ることを可能にするものである。なお、形状異方性を有するとは、1を超えるアスペクト比を有することを意味する。尚、アスペクト比とは、平面視の長方形における縦辺(長辺)と横辺(短辺;幅)との長さの比を意味する。
上述のような長方形(矩形)という形状異方性を有する偏光吸収膜は、長辺方向と垂直な方向の振動面を有する光成分を多く通過させ、長辺方向と平行な方向の振動面を有する光成分をより多く吸収して通過を阻止するように寸法設定がなされる。すなわち、長辺方向のプラズマ共鳴周波数が、光の周波数(波長)と略同一であるように設定する。
[実施例1;波長1.3μm用偏光子の製造方法]
図3は本実施の実施例1にかかる偏光素子の製造方法の説明図である。以下、図3を参照にしながら、実施例1にかかる偏光素子の製造方法を説明する。図3において、厚さ1mm、直径1インチの合成石英ガラス(SiO)基板1上の中央部10mm角の範囲に、長さが180nm、幅が50nmの長方形の長辺方向が一方向に揃って多数互い違いに
配置されたいわゆる市松模様状のCr薄膜のマスクパターン4を形成する(図3(a))。なお、Cr薄膜のマスクパターン4は、基板1上に、20nm厚のCr薄膜をスパッタリングで形成し、このCr薄膜に周知のフォトリソグラフィ技術によってパターンを形成して得る。次に、このマスクパターン4をマスクにして、基板1にエッチングを施して凹部1aを形成する(図3(b))。このエッチングは、フリオン23(CHF)(以下、フリオンと表記)を利用する反応性イオンエッチ技術で行う。ここで、断面が正確な矩形となる凹溝を形成するため、反応性イオンエッチング装置としてSamco社製、誘導結合型プラズマ(以下ICPと表記)型装置を利用する。
前記凹部1aの幅、長さ及び深さは、幅が50nm、長さが180nm、深さが30nmである。また、凹部1aの形成の結果形成される凸部1bの形状も凹部1bと同様、幅が50nm、長さが180nm(及び高さが100nm)となっている。次に、基板1上に残ったCr薄膜マスクパターン4を硝酸セリウムアンモン((NHCe(NO)で除去する(図3(c))。次に、前記凹部底面1a及び凸部上面1bの表面に偏光吸収膜2a,2bを形成する。この偏光吸収膜2a,2bは、基板1の表面に、スパッタリング法で、銀(Ag)膜を20nm厚に成膜することにより形成する。すなわち、これにより、凹部底面1a及び凸部上面1bの表面には、幅が50nm、長さが180nm、20nm厚のAg薄膜の長方形形状(=矩形)の波長1.3μm用の偏光吸収膜2a,2bが形成される(d)。つまり、凹部底面1a及び凸部上面1bにそれぞれ形成された偏光吸収膜2a,2bが、それぞれ30nmの段差を持って互い違いに配置されたいわば「矩形小片二層構造の市松模様状の構造体」が得られる。
次いで、上記Ag薄膜層の偏光吸収膜2a,2bを保護し、偏光ガラスとしての機能を付与するために、前記偏光吸収膜2a,2bが形成された基板1上に、非晶質二酸化珪素(以下a−SiOと表記)膜を、プラズマエンハンスト気相成長(以下、PECVDと表記する)法によって堆積する。材料ガスは、テトラエトキシシラン(Si(OC)、及び酸素(O)である。堆積厚さは2μmである。本実施例では、研磨技術を利用し、研磨により光学的に平坦な表面を上部a−SiO層10に形成し、偏光ガラスシートとしての偏光素子10を得る(e)。
上述の通り、本実施の形態にかかる偏光素子は、基本的に、一回のフォトリソグラフィ工程及び一回の薄膜成膜工程、という非常に簡単な工程により製造することができる。すなわち、いわば二層構造の市松模様構造をなした偏光素子を非常に簡単に製造できる。つまり、薄膜の二層構造を得るためには、通常、一層目の薄膜を成膜した後、矩形にエッチングするための一層目用のフォトマスクを用いて必要な工程を実施し、その後更に二層目の薄膜を成膜した後、二層目を矩形にエッチングするための二層目用のフォトマスクを用いて一層目と同様の工程を行う必要がある。しかも、その際、一層目の矩形形状に合わせるための高度な位置合わせを必要とする。然るに、本実施の形態にかかる偏光素子は、一回のフォトリソグラフィ工程と、一回の金属膜成膜、という非常に単純な工程により矩形小片二層構造市松構成が得ることを可能にしている。なお、実施例1の製造方法によって製造された偏光素子10の偏光吸収膜2a,2bの形状寸法及び消光特性を、後述する表1に示す。
[実施例2;波長1.5μm用偏光子の製造方法]
この実施例は、実施例1におけるCr薄膜のマスクパターン4のパターニング工程を、ナノインプリントリソグラフィー技術を用いたパターニング技術で行う点を除き、実施例1とほぼ同様である。したがって、以下では、主にこのナノインプリント技術を用いてマスクパターン4を形成する工程を中心に説明する。まず、以下のようにして、ナノインプリントの型を得る。型用の石英ガラス基板を用意し、その上にCr薄膜、電子線描画用レジスト膜を順次成膜する。次に、電子線描画装置で描画後レジスト膜を現像し、さらにC
rをエッチングして、石英ガラス上に矩形市松模様のCrマスクパターンを形成する。次いで、ICP装置で石英ガラス基板をエッチングして、石英ガラス基板上に、幅が26nm、長さが180nm、段差が30nmの矩形市松模様のパターンを形成し、Crマスクを除去し、ナノインプリントの型を得る。
次に、偏光素子用の石英ガラス基板を用意する。この石英ガラス基板上に、Cr薄膜及びUV硬化樹脂のレジスト膜を順次形成する。次に、上述のナノインプリントの型を用いて上記UV硬化樹脂のレジスト膜をスタンピングして矩形市松模様を転写する。次に、上記UV硬化樹脂のレジスト膜にUV光を照射して硬化させ、レジスト膜パターンを形成する。次に、このレジスト膜パターンをマスクにしてCr薄膜をエッチングして、石英ガラス上にCr薄膜マスクパターン4を形成する。その後は、実施例1と同様の方法で、石英ガラス基板のエッチング、Crマスクの除去、20nm厚のAg膜の成膜、そして、a−SiOの成膜と表面の研磨を行い、幅が26nm、長さが180nm、20nm厚のAg薄膜の長方形形状の波長1.5μm用の偏光吸収膜2a,2bが形成された「矩形小片二層構造の市松模様状の構造体」を持つ偏光素子10を得る。実施例2の製造方法によって製造された偏光素子10の偏光吸収膜2a,2bの形状寸法及び消光特性を、後述する表1に示す。
[実施例3〜5;波長0.5μm 用(実施例3)、波長0.6μm用 (実施例4)、及び波長0.7μm用 (実施例5)偏光子の製造方法]
上述の実施例2の製造方法においては、偏光吸収膜2a、2bとしてスパッタリング法で作製したAg薄膜層を用いたが、本実施例3〜5は、これに代えて、偏光吸収膜2a、2bとしてスパッタリング法で作製したアルミニウム(Al)薄膜層を用いるようにしたこと以外は実施例2の製造方法と同じであるので、その詳細説明は省略する。実施例3〜5の製造方法によって製造された「矩形小片二層構造の市松模様状の構造体」を持つ偏光素子10のAl薄膜からなる偏光吸収膜2a,2bの形状寸法及び消光特性を、表1に示す。
[実施例6;矩形小片二層構造の偏光層が2層重ねて設けられた偏光子の製造方法:波長1.5μm用]
上述の実施例1〜5は、矩形小片二層構造の偏光層が1層だけ設けられた例であるが、本実施例6は、この矩形小片二層構造の偏光層を2層、重ねて設けた例である。図4は実施例6にかかる偏光素子の製造方法の説明図である。図に示されるように、まず、実施例2の方法によって、偏光層が1層の偏光素子10を形成する(図4(a))。次に、この偏光素子10のa−SiO膜3の上に、Cr薄膜のマスクパターン14を形成する。このCr薄膜のマスクパターン14は、実施例2において形成したCr薄膜のマスクパターン4と同様の方法で形成する。すなわち、a−SiO膜3の上に、20nm厚のCr薄膜をスパッタリングで形成し、このCr薄膜に実施例2と同様にナノインプリントリソフラフィー技術を用い、長方形形状の偏光吸収膜2a,2bと長方形の長手方向が同一となり、且つ、形成されるパターンがほぼ偏光吸収膜2a,2bに重なるようにして形成する。
次に、このマスクパターン14をマスクにして、a−SiO膜3にエッチングを施して凹部11aを形成する(図4(b))。前記凹部1aの幅、長さ及び深さは、幅が26nm、長さが180nm、深さが30nmである。また、凹部1aの形成の結果形成される凸部11bの形状も凹部1bと同様、幅が26nm、長さが180nm(及び高さが30nm)となっている。次に、基板1上に残ったパターン4を硝酸セリウムアンモンで除去する(図4(c))。
次に、前記凹部1a及び凸部1bの表面に偏光吸収膜12a,12bを形成する。この
偏光吸収膜12a,12bは、基板1の表面に、スパッタリング法で、Ag膜を20nm厚に成膜することにより形成する。すなわち、これにより、凹部11a及び凸部11bの表面には、幅が26nm、長さが180nm、20nm厚のAg薄膜の長方形形状の偏光吸収膜12a,12bが形成される(図4(d))。つまり、凹部11a及び凸部11bにそれぞれ形成された偏光吸収膜12a,12bが、それぞれ30nmの段差を持って互い違いに配置される。
次いで、上記Ag薄膜層の偏光吸収膜12a,12bを保護し、偏光ガラスとしての機能を付与するために、前記偏光吸収膜12a,12bが形成された基板1上に、a−SiO膜13を、PECVD法によって2μm堆積し、幅が26nm、長さが180nm、20nm厚のAg薄膜の長方形形状の偏光吸収膜12a,12bが形成された「矩形小片二層構造の偏光層を2層重ねた矩形小片四層構造の市松模様状の構造体」を持つ偏光ガラスシートとしての偏光素子20を得た(図4(e))。
(消光比特性)
上述の実施例1、2、3、4、5、6の製造方法によって、赤外光用(波長1.3μmと1.5μm)と、可視光用(波長0.5μm、0.6μmと0.7μm)との偏光素子10又は20を作製し、さらに、その両面に反射防止コートを施したものについて、消光比の測定値を矩形小片の材質形状と共に表1に示す。偏光ガラスの消光比は、各波長のレーザー光をファイバコリメータによって平行光とし、これを位相補償器、グラントムソンプリズムを介して測定する偏光素子に垂直に入射し、光軸に垂直な面内で偏光ガラスを回転させ、まず最小透過光量P1を、次に偏光素子を90度回転して最大透過光量P2を測定して、下式(10)によって求めた。
Figure 0005166052
Figure 0005166052
上記実施例によれば、矩形小片二層構造で消光比25dBを得る事ができる。さらに高い消光比が望まれる用途には、矩形小片二層構造の偏光子を複数枚用いればよい。また、
実施例6により、矩形小片二層構造の偏光層を2層重ねた矩形小片四層構造とする事により50dBの消光特性を得られることが確認された。さらに、矩形小片二層構造を多層に重ねることにより、より高い消光比を得ることができることも確認されている。
産業上の利用分野
本願発明にかかる偏光素子は、光通信などに利用される光アイソレーター、液晶・電気光学結晶・ファラデーローテーターなどの組み合わせからなる光スイッチや電気磁気センサー等の偏光子、液晶パネルに用いられる偏光板等として利用できる。
本発明の実施の形態にかかる偏光素子の構成を示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の実施例1にかかる偏光素子の製造方法の説明図である。 本発明の実施例6にかかる偏光素子の製造方法の説明図である。
符号の説明
1 透明基板
1a 凹部
1b 凸部
2a 偏光吸収膜
2b 偏光吸収膜
3 保護層
4 マスクパターン
10 偏光素子

Claims (7)

  1. 光透過性を有する誘電体基体表面の少なくとも一部に、平面視が実質的に長方形状なした凹部を設けることにより、平面視が市松模様状に配列された凹凸部を形成し、かつ、前記凹部底面と凸部上面とに金属層もしくは半導体層からなる偏光吸収膜を形成することにより、当該偏光吸収膜を上下に段差を持って市松模様状に設けてなる、矩形小片二層構造の偏光層を有することを特徴とする偏光素子。
  2. 前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層のうちの少なくとも一部のものについて、長手方向のプラズマ共鳴周波数が、特定の光の周波数と実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  3. 前記凹部と凸部とに設けられた金属層もしくは半導体層が、前記特定の周波数の光に対して透過性を有する誘電体層で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光素子。
  4. 前記凹凸部と前記金属層もしくは半導体層とからなる偏光層が、前記誘電体基体表面に複数層重ねて形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の偏光素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に凹凸部を形成する方法として、フォトリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記誘電体基体表面の上の一部に前記凹凸部を形成する方法として、ナノインプリントリソグラフィー法を用いることを特徴とする偏光素子の製造方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載の偏光素子を製造する偏光素子の製造方法において、前記金属層もしくは半導体層が、前記凹凸部に同時に形成されることを特徴とする偏光素子の製造方法。
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