以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の要部の側面図である。
液晶表示装置100は、液晶パネル110、液晶ドライバ111及びLEDバックライト120を主として有する。
液晶パネル110は、透過型又は半透過型の液晶パネルである。液晶パネル110は、LEDバックライト120から発せられた光を透過し、この透過光を、表示画面たる前面から出射する。
液晶ドライバ111は、液晶パネル110の上端部の近傍に配置されている。なお、全実施の形態の説明において、「上」とは、表示画面の垂直方向(以下、単に「垂直方向」という。)における上を意味しており、図1においては、図の縦方向における上に相当する。
液晶ドライバ111は、液晶パネル110を駆動する駆動電圧を、液晶パネル110の表示画面に表示されるべき映像を示すディジタル信号である映像信号に基づいて制御し、これにより液晶パネル110の透過率を制御する。この制御の結果として、液晶パネル110は映像を表示する。
なお、液晶ドライバ111は、上記以外の場所に配置されてもよい。例えば、液晶ドライバ111は、液晶パネル110の下端部、左側端部又は右側端部の近傍に配置されてもよく、それ以外の場所に配置されてもよい。なお、全実施の形態の説明において、「下」とは、垂直方向における下を意味し、「左」及び「右」とは、表示画面の水平方向(以下、単に「水平方向」という。)における左及び右を意味する。
LEDバックライト120は、液晶パネル110の背面側に配置された基板130を有する。基板130の表面は、液晶パネル110の背面に対向する対向部であり、この基板130の対向部には、LED140a、140b、140c、140d、140e、140fが、図1に示すように、異なる配置密度で、かつ液晶パネル110の背面に向けて略平面状に配列されている。すなわち、LEDバックライト120は、直下型のバックライト装置である。
なお、一般に直下型のバックライト装置は、塵及び埃が入り難い密閉構造となっているが、LEDバックライト120は、密閉構造を採るものであってもよいし、そうでなくてもよい。
LEDバックライト120は、LED140a、140b、140c、140d、140e、140fから発せられる光で液晶パネル110を照明する。なお、以下の説明において、LED140a、140b、140c、140d、140e、140fを特に区別せずに説明する場合には、単に「LED140」と記す。
LEDバックライト120は、LED140を駆動するLED駆動部をさらに有するが、LED駆動部については後述する。
ここで、LED140は白色LEDであり、後述するLED駆動部から印加される駆動信号により駆動されて白色光を発光する。例えば、LED140が単色(例えば青色)LEDと蛍光体とを主として有するLED装置である場合は、LED140は、駆動信号が印加されるときに単色のLEDから発せられる光が蛍光体に透過され蛍光体の作用により白色化されるように、構成される。
なお、LED140は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色のLEDの組合せ等、他の構成を採るものであってもよい。
また、各LED140から出射される光の配光の発散角は、隣接するLED140との間隔に従って、LEDバックライト120が表示画面の全域を均一に照明し得るように設定され、図1に示すように、配置密度が低い位置のLED140fほど、広配光に光を出射するように構成されている。
図2は、LEDバックライト120におけるLED140の配置を示す図である。
LED140は、LEDバックライト120の表面領域121に、複数のアレイを形成するよう配設されている。形成される複数のアレイは、垂直方向に伸延する垂直方向アレイであり、各垂直方向アレイにおいては、LED140aの1つとLED140bの1つとLED140cの1つとLED140dの1つと140eの1つと140fの1つとが、垂直方向に直線状に配列されている。
水平方向においては、各垂直方向アレイは、等間隔(ピッチdh)に離間されている。
垂直方向においては、最も上方に位置する領域122aに配置されたLED140が最も密に配置され、最も下方に位置する領域122cに配置されたLED140が最も疎に配置され、それらの中間に位置する領域122bに配置されたLED140が中程度の配置密度で配置される。すなわち、基板130の対向部に異なる配置密度で配置されている。より具体的には、LED140aとLED140bとの間のピッチdabは、LED140bとLED140cとの間のピッチdbcより小さく、ピッチdbcは、LED140cとLED140dとの間のピッチdcdより小さく、ピッチdcdは、LED140dとLED140eとの間のピッチddeより小さく、ピッチddeは、LED140eとLED140fとの間のピッチdefより小さい。
図3は、LEDバックライト120におけるLED駆動部を説明するための図であり、(a)はその構成の一例を示す回路図であり、(b)はLED駆動部により生成されLED140に供給される駆動信号の一例を示す波形図である。
LED駆動部は、LED駆動回路150a、150b、150c、150d、150e、150fを有する。なお、以下の説明において、LED駆動回路150a、150b、150c、150d、150e、150fを特に区別せずに説明する場合には、単に「LED駆動回路150」と記す。
LED駆動回路150aは電流供給部として、LED140aの1つに、予め設定された電流値Iaを有する駆動信号151aを供給する。LED駆動回路150bは電流供給部として、LED140bの1つに、電流値Ibを有する駆動信号151bを供給する。LED駆動回路150cは電流供給部として、LED140cの1つに、電流値Icを有する駆動信号151cを供給する。LED駆動回路150dは電流供給部として、LED140dの1つに、電流値Idを有する駆動信号151dを供給する。LED駆動回路150eは電流供給部として、LED140eの1つに、電流値Ieを有する駆動信号151eを供給する。LED駆動回路150fは電流供給部として、LED140fの1つに、電流値Ifを有する駆動信号151fを供給する。
なお、図3(a)には示されていないが、LED駆動部はLED140と同数のLED駆動回路150を電流供給部として有する。各LED駆動回路150はLED140の1つに駆動信号を供給する。この構成により、各LED140aは電流値Iaを有する駆動信号151aを供給され、各LED140bは電流値Ibを有する駆動信号151bを供給され、各LED140cは電流値Icを有する駆動信号151cを供給され、各LED140dは電流値Idを有する駆動信号151dを供給され、各LED140eは電流値Ieを有する駆動信号151eを供給され、各LED140fは電流値Ifを有する駆動信号151fを供給される。
ここで、電流値Iaは電流値Ibよりも小さく、電流値Ibは電流値Icよりも小さく、電流値Icは電流値Idよりも小さく、電流値Idは電流値Ieよりも小さく、電流値Ieは電流値Ifよりも小さい。各駆動信号151a、151b、151c、151d、151e、151fのデューティ比は同一である。
すなわち、LED140のうち、より上方に配置され、液晶ドライバ111からより近くに位置するものには、より低い電流が供給される。
各LED140の電流値は、LEDバックライト120の表面領域121における温度分布に基づいて最適に設定される。例えば、比較的上方に位置している、或いは液晶ドライバ111から比較的近くに位置している等の理由により、温度分布において高温領域として示される領域(例えば領域122a)においては、LED140の電流値が比較的低く設定される。また、比較的下方に位置している、或いは液晶ドライバ111から比較的遠くに位置している等の理由により、温度分布において低温領域として示される領域(122c)においては、LED140の電流値が比較的高く設定される。ここで、これらの設定は、全てのLED140におけるジャンクション温度が等しくなるように行われる。
これにより、LED140のうち、より上方に配置され、液晶ドライバ111からより近くに位置するものは、より低い輝度で発光する。なお、このような駆動制御を行うと個々のLED140間で輝度に差が生じる場合がある。しかし、全てのLED140のジャンクション温度が等しいため、個々のLED140間で経時劣化の進行には差が生じない。したがって、LED140間で輝度に差が生じたとしても、その輝度のバランスは長期間にわたって変わらず維持される。
また、LED140のうち、より上方に配置され、液晶ドライバ111に近い位置に配置されるLED140には、他のLED140より低い電流を供給するように構成し、かつ低い電流が供給されるLED140は、高い配置密度で、同一アレイを形成する他のLED140に隣接して配置される。例えば、所定領域(例えば領域122a、122b、122c)ごとの光束が等しくなるように、当該所定領域ごとのLED140の個数及び配置位置が設定される。
これにより、表示画面全域において輝度の均一化が実現され、且つそれが長期間にわたって変わらず維持される。
次いで、液晶表示装置100における輝度補正方法について説明する。
なお、電流値Iを同一にし、駆動信号151aのデューティ比を駆動信号151bよりも小さく、駆動信号151bのデューティ比を駆動信号151cよりも小さく、駆動信号151cのデューティ比を駆動信号151dよりも小さく、駆動信号151dのデューティ比を駆動信号151eよりも小さく、駆動信号151eのデューティ比を駆動信号151fよりも小さくすることで、同様の効果を得ることが可能である。
図4は、液晶表示装置100における輝度補正方法を説明するための図である。ここでは、LED140の点灯中、より上方に位置する領域の周囲温度がより高くなる場合を例にとって説明する。
LED140は、配置位置がより上方であるほど、より高密度に配置される。このようなLED配置を採用するだけでも、周囲温度の差に起因するLED140の輝度低下の差を補正することができ、表示画面全域において輝度を均一化することができる。これは、仮に全てのLED140に同一電流値の駆動信号を供給したとしても可能である。
しかし、本実施の形態では、仮に全てのLED140に同一電流値の駆動信号を供給したとすると、表示画面においてより上方の領域における輝度がより高いものとなるように、LED配置が決定される。そして、このようなLED配置を採用したうえで、LED140は、配置位置がより上方であるほど、より低い電流を供給される。これにより、LED140aの照明領域(つまり全LED140aから発せられた光により照明される表示画面の領域)における輝度と、LED140bの照明領域における輝度と、LED140cの照明領域における輝度と、LED140dの照明領域における輝度と、LED140eの照明領域における輝度と、LED140fの照明領域における輝度とが、均一となる。
図4に示された輝度補正方法の効果について、図5を参照しながらより詳しく説明する。図5(a)は、初期状態のLEDバックライト120についての周囲温度と相対輝度との関係の一例を示し、図5(b)は、所定時間(例えば10000時間)使用後のLEDバックライト120についての周囲温度と相対輝度との関係の一例を示す。なお、説明を簡略化するために、LED140a、140fのみについて対比する。
上方の領域に配置されたLED140aの周囲には、下方の領域から暖かい空気が集まり、温度が上昇する。一般に、液晶表示装置100は立てて使用されるからである。また、動作中に発熱する液晶ドライバ111の近くに配置されていることも、LED140aの周囲温度がLED140fに比べて上昇する要因である。よって、LED140a自体の輝度は、LED140fに比べて低くなる。
さらに、LED140aはLED140fよりも低い電流(図4の例では、LED140aは8.5mA、LED140fは11mA)を供給される。これも、LED140a自体の輝度がLED140fに比べて低くなる要因である。
しかし、LED140aはLED140bと高密度(図4の例では、LED140a、140bの垂直間隔(ピッチ)は8mm)に配置されているのに対し、LED140fはLED140eと低密度(図4の例では、LED140e、140fの垂直間隔(ピッチ)は12mm)に配置されている。
そのため、初期状態の場合では、LED140aの照明領域における輝度は、LED140aの周囲温度が上昇すると相対的に緩やかに低下し(曲線Ca1)、LED140fの照明領域における輝度は、LED140fの周囲温度が上昇すると相対的に顕著に低下する(曲線Cf1)、という特性が得られる。
この場合、LEDバックライト120を点灯させると、LED140aの周囲温度は50℃となり、LED140aの照明領域における相対輝度はB1%となる(点Pa1)。また、LED140fの周囲温度は40℃となり、LED140fの照明領域における相対輝度もB1%となる(点Pf1)。よって、表示画面全域において輝度が均一となる。
LEDバックライト120の累積使用時間が所定時間に達した場合には、LED140aの照明領域における輝度は、LED140aの周囲温度が上昇すると相対的に緩やかに低下し(曲線Ca2)、LED140fの照明領域における輝度は、LED140fの周囲温度が上昇すると相対的に顕著に低下する(曲線Cf2)、という特性が得られる。ここで、図5(a)における曲線Ca1、曲線Cf1と図5(b)における曲線Ca2、曲線Cf2とを比較すると、LED140a、140fはいずれも輝度に経時劣化を生じていることが分かる。
この場合、LEDバックライト120を点灯させると、LED140aの周囲温度は50℃となり、LED140aの配置領域における相対輝度はB2%となる(点Pa2)。また、LED140fの周囲温度は40℃となり、LED140fの配置領域における相対輝度もB2%となる(点Pf2)。つまり、いずれの領域も輝度の経時劣化を生じているものの、その進行度合いが等しいため、表示画面全域において輝度の均一性が維持される。これは、周囲温度が相対的に高いことにより経時劣化が相対的に早くなるはずのLED140(この例ではLED140a)に対して、相対的に低い電流を供給することにより、そのLED140の経時劣化の進行を遅らせたからである。
以上のように、本実施の形態によれば、LEDバックライト120の基板130の表面領域121内で周囲温度がより高い領域に配置されたLED140に、より低い電流を供給する。これにより、LEDバックライト120に設けられた全てのLED140の経時劣化の進行を一致させる。したがって、表示画面全域において輝度のバランスを長期間にわたって保つことができる。また、本実施の形態によれば、LED140のうち、周囲温度が相対的に高いことにより経時劣化が相対的に早くなるはずのものに対して、経時劣化を遅らせる制御(つまり相対的に低い電流を供給)を行う。したがって、LEDバックライト120を長寿命化することができる。
また、本実施の形態によれば、水平方向においてはアレイの間隔を均一とし、垂直方向においてはLED140の間隔を不均一として異なる配置密度にするため、水平LED個数が同じことに起因するLED駆動制御回路の共通化を図ることができる等の利点を有する。
なお、本実施の形態では、より上方の領域の周囲温度がより高くなる場合を例にとり、より上方の領域に配置されたLED140を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する、という構成について説明した。ただし、他の構成も可能である。
例えば、液晶ドライバ111が液晶パネル110の下端部の近傍に配置され、これにより、下方の領域の周囲温度がその上方の領域よりも高くなる場合には、その下方の領域に配置されたLED140を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
また、液晶ドライバ111が液晶パネル110の左側端部の近傍に配置され、これにより、左側の領域の周囲温度がその右側の領域よりも高くなる場合には、左側の領域に配置されたLED140を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
また、液晶ドライバ111が液晶パネル110の右側端部の近傍に配置され、これにより、右側の領域の周囲温度がその左側の領域よりも高くなる場合には、右側の領域に配置されたLED140を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
要するに、液晶ドライバ111から近くの領域の周囲温度がそこよりも遠くの領域の周囲温度に比べて高くなる場合には、前者の領域に配置されたLED140を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
また、液晶ドライバ111と全く同様のことが、電源部、つまり液晶ドライバ111及びLED駆動回路150等に電源を供給する電源回路にも、他の発熱部材にも、当てはまる。電源部等も熱を発するからである。よって、電源部等の配置位置に応じて、LED140の配置及び駆動電流値を決定することができる。
また、液晶表示装置100の内部構造上、より上方の領域の周囲温度がより高くならないような温度分布が存在する場合であっても、その温度分布に基づいて、LED140の配置及び駆動電流値を決定することができる。
また、本実施の形態では、LED140は白色LEDであるが、LED140がR(赤)、G(緑)及びB(青)の3色のLEDの組合せである場合にも、上記と同様の作用効果を実現することができる。この場合、高温領域においては、温度に起因する輝度低下が大きい赤色のLEDを緑色のLED及び青色のLEDよりも多く配置する構成を採る。これにより、色温度のバランスをも長期間にわたって保つことができる。
また、本実施の形態によれば、直線状のアレイが形成されるようLED140が配置されているが、LED140の配置態様はこれだけに限定されない。例えば、ジグザグにアレイを形成するようにLED140を配置する等、様々な配置態様を採用することができる。
また、LEDバックライト120の点灯を液晶パネル110の画像表示の走査と連動し液晶動画性能向上を図るバックライトスキャンを行う場合、LEDの垂直方向におけるピッチが異なることを考慮し、スキャンと連動してLEDバックライト120の点灯開始時間を制御する必要がある。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の要部の側面図である。なお、本実施の形態1と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態は、LEDの配置態様において実施の形態1と相違する。
液晶表示装置200は、液晶パネル110、液晶ドライバ111及びLEDバックライト220を主として有する。
LEDバックライト220は、液晶パネル110の背面側に配置された基板230を有する。基板230の表面は、液晶パネル110の背面に対向する対向部であり、この表面上には、LED240a、240b、240c、240d、240e、240fが、液晶パネル110の背面に向けて略平面状に配列されている。すなわち、LEDバックライト220は、直下型のバックライト装置である。
なお、一般に直下型のバックライト装置は、塵及び埃が入り難い密閉構造となっているが、LEDバックライト220は、密閉構造を採るものであってもよいし、そうでなくてもよい。
LEDバックライト220は、LED240a、240b、240c、240d、240e、240fから発せられる光で液晶パネル110を照明する。なお、以下の説明において、LED240a、240b、240c、240d、240e、240fを特に区別せずに説明する場合には、単に「LED240」と記す。
LEDバックライト220は、LED240を駆動するLED駆動部をさらに有するが、LED駆動部については後述する。
ここで、LED240は白色LEDであり、後述するLED駆動部から印加される駆動信号により駆動されて白色光を発光する。例えば、LED240が単色(例えば青色)LEDと蛍光体とを主として有するLED装置である場合は、LED240は、駆動信号が印加されるときに単色のLEDから発せられる光が蛍光体に透過され蛍光体の作用により白色化されるように、構成される。
なお、LED240は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色のLEDの組合せ等、他の構成を採るものであってもよい。
また、各LED240の発散角の広狭は、隣接するLED240との間隔に従って、LEDバックライト220が表示画面の全域を均一に照明し得るように調節されている。
図7は、LEDバックライト220におけるLED240の配置を示す図である。
LED240は、LEDバックライト220の表面領域221に、複数のアレイを形成するよう配設されている。形成される複数のアレイは、水平方向に伸延する水平方向アレイであり、全てのLED240aが水平方向に直線状に配列され、全てのLED240bが水平方向に直線状に配列され、全てのLED240cが水平方向に直線状に配列され、全てのLED240eが水平方向に直線状に配列され、全てのLED240fが水平方向に直線状に配列されている。
垂直方向においては、各水平方向アレイは、等間隔(ピッチdv)に離間されている。
水平方向においては、最も上方に位置する領域222aにおけるLED240aの配置密度が最も高く、次いで、その下方に位置する領域222bにおけるLED240bの配置密度が高く、次いで、その下方に位置する領域222cにおけるLED240cの配置密度が高く、次いで、その下方に位置する領域222dにおけるLED240dの配置密度が高く、次いで、その下方に位置する領域222eにおけるLED240eの配置密度が高く、最も下方に位置する領域222fにおけるLED240fの配置密度が最も低い。換言すれば、LED240a間のピッチdaは、LED140b間のピッチdbより小さく、ピッチdbは、LED140c間のピッチdcより小さく、ピッチdcは、LED140d間のピッチddより小さく、ピッチddは、LED140e間のピッチdeより小さく、ピッチdeは、LED140f間のピッチdfより小さい。
図8は、LEDバックライト220におけるLED駆動部を説明するための図であり、(a)はその構成の一例を示す回路図であり、(b)はLED駆動部により生成されLED240に供給される駆動信号の一例を示す波形図である。
図8に示すLED駆動部において、LED駆動回路150aは電流供給部として、LED240aの1つに、予め設定された電流値Iaを有する駆動信号151aを供給する。LED駆動回路150bは電流供給部として、LED240bの1つに、電流値Ibを有する駆動信号151bを供給する。LED駆動回路150cは電流供給部として、LED240cの1つに、電流値Icを有する駆動信号151cを供給する。LED駆動回路150dは電流供給部として、LED240dの1つに、電流値Idを有する駆動信号151dを供給する。LED駆動回路150eは電流供給部として、LED240eの1つに、電流値Ieを有する駆動信号151eを供給する。LED駆動回路150fは電流供給部として、LED240fの1つに、電流値Ifを有する駆動信号151fを供給する。
なお、図8(a)には示されていないが、LED駆動部はLED240と同数のLED駆動回路150を電流供給部として有する。各LED駆動回路150はLED240の1つに駆動信号を供給する。この構成により、各LED240aは電流値Iaを有する駆動信号151aを供給され、各LED240bは電流値Ibを有する駆動信号151bを供給され、各LED240cは電流値Icを有する駆動信号151cを供給され、各LED240dは電流値Idを有する駆動信号151dを供給され、各LED240eは電流値Ieを有する駆動信号151eを供給され、各LED240fは電流値Ifを有する駆動信号151fを供給される。
ここで、電流値Iaは電流値Ibよりも小さく、電流値Ibは電流値Icよりも小さく、電流値Icは電流値Idよりも小さく、電流値Idは電流値Ieよりも小さく、電流値Ieは電流値Ifよりも小さい。各駆動信号151a、151b、151c、151d、151e、151fのデューティ比は同一である。
すなわち、LED240のうち、より上方に配置され、液晶ドライバ111からより近くに位置するものには、より低い電流が供給される。
各LED240の電流値は、LEDバックライト220の表面領域221における温度分布に基づいて最適に設定される。例えば、比較的上方に位置している、或いは液晶ドライバ111から比較的近くに位置している等の理由により、温度分布において高温領域として示される領域(例えば領域222a)においては、LED240の電流値が比較的低く設定される。また、比較的下方に位置している、或いは液晶ドライバ111から比較的遠くに位置している等の理由により、温度分布において低温領域として示される領域(222f)においては、LED240の電流値が比較的高く設定される。ここで、これらの設定は、全てのLED240におけるジャンクション温度が等しくなるように行われる。
これにより、LED240のうち、より上方に配置され、液晶ドライバ111からより近くに位置するものは、より低い輝度で発光する。なお、このような駆動制御を行うと個々のLED240間で輝度に差が生じる場合がある。しかし、全てのLED240のジャンクション温度が等しいため、個々のLED240間で経時劣化の進行には差が生じない。したがって、LED240間で輝度に差が生じたとしても、その輝度のバランスは長期間にわたって変わらず維持される。
また、LED240のうち、より上方に配置され、液晶ドライバ111からより近くに位置し、より低い電流を供給されるものは、より高密度に、同一アレイを形成する他のLED240に隣接して配置される。例えば、所定領域(例えば領域222a、222b、222c、222d、222e、222f)ごとの光束が等しくなるように、当該所定領域ごとのLED240の個数及び配置位置が設定される。
これにより、表示画面全域において輝度の均一化が実現され、且つそれが長期間にわたって変わらず維持される。
なお、電流値Iを同一にし、駆動信号151aのデューティ比を駆動信号151bよりも小さく、駆動信号151bのデューティ比を駆動信号151cよりも小さく、駆動信号151cのデューティ比を駆動信号151dよりも小さく、駆動信号151dのデューティ比を駆動信号151eよりも小さく、駆動信号151eのデューティ比を駆動信号151fよりも小さくすることで、同様の効果を得ることが可能である。
次いで、液晶表示装置200における輝度補正方法について説明する。
図9は、液晶表示装置200における輝度補正方法を説明するための図である。ここでは、LED240の点灯中、より上方に位置する領域の周囲温度がより高くなる場合を例にとって説明する。
LED240は、配置位置がより上方であるほど、より高密度に配置される。このようなLED配置を採用するだけでも、周囲温度の差に起因するLED240の輝度低下の差を補正することができ、表示画面全域において輝度を均一化することができる。これは、仮に全てのLED240に同一電流値の駆動信号を供給したとしても可能である。
しかし、本実施の形態では、仮に全てのLED240に同一電流値の駆動信号を供給したとすると、表示画面においてより上方の領域における輝度がより高いものとなるように、LED配置が決定される。そして、このようなLED配置を採用したうえで、LED240は、配置位置がより上方であるほど、より低い電流を供給される。これにより、LED240aの照明領域(つまり全LED240aから発せられた光により照明される表示画面の領域)における輝度と、LED240bの照明領域における輝度と、LED240cの照明領域における輝度と、LED240dの照明領域における輝度と、LED240eの照明領域における輝度と、LED240fの照明領域における輝度とが、均一となる。
以上のように、本実施の形態によれば、LEDバックライト220の基板130の表面領域221内で周囲温度がより高い領域に配置されたLED240に、より低い電流を供給する。これにより、LEDバックライト220に設けられた全てのLED240の経時劣化の進行を一致させる。したがって、表示画面全域において輝度のバランスを長期間にわたって保つことができる。また、本実施の形態によれば、LED240のうち、周囲温度が相対的に高いことにより経時劣化が相対的に早くなるはずのものに対して、経時劣化を遅らせる制御(つまり相対的に低い電流を供給)を行う。したがって、LEDバックライト220を長寿命化することができる。
また、本実施の形態によれば、垂直方向においてはアレイの間隔を均一とし、水平方向においてはLED240の間隔を不均一とするため、バックライトスキャンによる液晶動画性能向上を、従来同様のタイミングで実施することが可能である。
なお、本実施の形態では、より上方の領域の周囲温度がより高くなる場合を例にとり、より上方の領域に配置されたLED240を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する、という構成について説明した。ただし、他の構成も可能である。
例えば、液晶ドライバ111が液晶パネル110の下端部の近傍に配置され、これにより、下方の領域の周囲温度がその上方の領域よりも高くなる場合には、その下方の領域に配置されたLED240を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
また、液晶ドライバ111が液晶パネル110の左側端部の近傍に配置され、これにより、左側の領域の周囲温度がその右側の領域よりも高くなる場合には、左側の領域に配置されたLED240を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
また、液晶ドライバ111が液晶パネル110の右側端部の近傍に配置され、これにより、右側の領域の周囲温度がその左側の領域よりも高くなる場合には、右側の領域に配置されたLED240を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
要するに、液晶ドライバ111から近くの領域の周囲温度がそこよりも遠くの領域の周囲温度に比べて高くなる場合には、前者の領域に配置されたLED240を、より高密度に配置し、より低い電流で駆動する構成を採ることができる。
また、液晶ドライバ111と全く同様のことが、電源部、つまり液晶ドライバ111及びLED駆動回路150等に電源を供給する電源回路にも、他の発熱部材にも、当てはまる。電源部等も熱を発するからである。よって、電源部等の配置位置に応じて、LED240の配置及び駆動電流値を決定することができる。
また、液晶表示装置200の内部構造上、より上方の領域の周囲温度がより高くならないような温度分布が存在する場合であっても、その温度分布に基づいて、LED240の配置及び駆動電流値を決定することができる。
また、本実施の形態では、LED240は白色LEDであるが、LED240がR(赤)、G(緑)及びB(青)の3色のLEDの組合せである場合にも、上記と同様の作用効果を実現することができる。この場合、高温領域においては、温度に起因する輝度低下が大きい赤色のLEDを緑色のLED及び青色のLEDよりも多く配置する構成を採る。これにより、色温度のバランスをも長期間にわたって保つことができる。
また、本実施の形態によれば、直線状のアレイが形成されるようLED240が配置されているが、LED240の配置態様はこれだけに限定されない。例えば、ジグザグにアレイを形成するようにLED240を配置する等、様々な配置態様を採用することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成及び使用時の動作についての説明は例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更及び追加が可能であることは明らかである。