JP5163894B2 - ドライエッチング時間の決定方法、及びドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング時間の決定方法、及びドライエッチング方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体関連材料の加工時に使用するドライエッチング装置、特にフォトマスク製造のために使用するフォトマスクブランクのドライエッチングに用いるドライエッチング装置のクリーニング方法に関し、ドライエッチング装置に対して、ドライエッチングの特性を測定する場合にあっても適用可能に高度に清浄化することができるクリーニング方法に関する。
また、本発明は、このクリーニング方法が適用されたドライエッチング方法、この方法を用いたドライエッチング時間の決定方法、及びこの決定方法により決定されたドライエッチング時間を適用したドライエッチング方法に関する。
近年、半導体プロセスにおいては、特に大規模集積回路の高集積化により、回路パターンの微細化がますます必要になってきており、回路を構成する配線パターンの細線化や、セルを構成する層間の配線のためのコンタクトホールパターンの微細化技術への要求がますます高まってきている。そのため、これら配線パターンやコンタクトホールパターンを形成する光リソグラフィーで用いられる、回路パターンが書き込まれたフォトマスクの製造においても、上記微細化に伴い、より微細かつ正確に回路パターンを書き込むことができる技術が求められている。
より精度の高いフォトマスクパターンをフォトマスク基板上に形成するためには、まず、フォトマスクブランク上に高精度のレジストパターンを形成することが必要になる。実際の半導体基板を加工する際の光リソグラフィーは縮小投影を行うため、フォトマスクパターンは実際に必要なパターンサイズの4倍程度の大きさであるが、それだけ精度が緩くなるというわけではなく、むしろ、原版であるフォトマスクには露光後のパターン精度に求められるものよりも高い精度が求められる。
更に、既に現在行われているリソグラフィーでは、描画しようとしている回路パターンは使用する光の波長をかなり下回るサイズになっており、回路の形状をそのまま4倍にしたフォトマスクパターンを使用すると、実際の光リソグラフィーを行う際に生じる光の干渉等の影響で、レジスト膜にフォトマスクパターンどおりの形状は転写されない。そこでこれらの影響を減じるため、フォトマスクパターンは実際の回路パターンより複雑な形状(いわゆるOPC:光学近接効果補正などを適用した形状)に加工する必要も生じる場合がある。そのため、フォトマスクパターンを得るためのリソグラフィー技術においても、現在、更に高精度な加工方法が求められている。
従来のフォトマスクは、遮光膜材料に特有のエッチング液を使用したウェットエッチングで行われてきたが、現在では、上記のような高精度な加工が求められるフォトマスクを製造する際にはドライエッチング法により加工することが一般的になってきている。
しかし、特開2000−260749号公報(特許文献1)に記載されているように、フォトマスクブランクをドライエッチング加工すると、非揮発性物質が発生してドライエッチング装置壁に付着し、これらの付着が、場合によってはドライエッチング速度を変化させることがある。そのため、フォトマスクブランクをドライエッチング加工する際に、エッチング工程を、時間を基準として制御をしようとした場合には、ドライエッチング装置を常にきれいな状態に維持する必要がある。
ドライエッチング装置のクリーニング方法については、いくつかの方法が知られている。特開2000−260749号公報(特許文献1)には、酸素プラズマのみでは完全にはクリーニングされない場合、ドライエッチング工程に用いる塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを導入し、プラズマを発生させることが記載されている。また、想定される残渣に応じて、残渣をエッチング除去可能なガスを数種類組み合わせること(特許文献2:国際公開第94/000251号パンフレット)や、異なるエッチングガスを用い多段階でクリーニングすることで、除去し難い付着物質を除去すること(特許文献3:特開2006−237432号公報)が開示されている。
更には、特開2003−332304号公報(特許文献4)には、プラズマを発生させるためのコイルを複数配置し、中間部のコイルの電流値を下げることによってクリーニング効率を上げることが開示されており、また、特開平10−144666号公報(特許文献5)には、コイルに投入する電力をパルス状にオン・オフすることでクリーニング効率を上げることが開示されている。
フォトマスクブランクの遮光膜や位相シフト膜等の機能膜のエッチング時間は加工プロセスを設計する上で重要である。上述のように、ドライエッチング装置のドライエッチング処理室内はドライエッチング処理によって徐々に汚染されてくるが、汚れていると汚れによるパーティクルが発生するだけでなく、チャンバー内の汚染によってエッチング速度が増加するという変化が生じる。そのためドライエッチングに要する時間を議論するためには、ドライエッチング装置のドライエッチング処理室においては、高く清浄化された状態を維持することが必要となる。しかしながら、上述のように、ドライエッチング装置のクリーニング方法は種々の方法が提案されているが、十分に満足できるものではなかった。
一方、標準エッチング時間を求めたい基板のドライエッチングを行う毎に、徹底したクリーニングを行うことは、標準エッチング時間の決定作業の能率を著しく落とすことになり、その点についても改善が必要であった。
特開2000−260749号公報 国際公開第94/000251号パンフレット 特開2006−237432号公報 特開2003−332304号公報 特開平10−144666号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、従来法に比較して容易にかつ確実にドライエッチング装置をクリーニングできる方法、更には、連続して機能膜の標準エッチング時間を求めるためのドライエッチングを行っても、連続する工程中で、ドライエッチング後のドライエッチング装置内を確実、かつ効率的に清浄化することができるドライエッチング装置のクリーニング方法、及びこのクリーニング方法が適用されたドライエッチング方法を提供することを目的とする。
また、ドライエッチングにおける標準ドライエッチング時間を、高効率で連続的に決定できるドライエッチング時間の決定方法、更には、この決定方法により決定されたドライエッチング時間を適用して、効率よく繰り返すことができるドライエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述の課題に対して鋭意検討を行ったところ、内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、このチャンバー内部に配設された電極と、チャンバー外部に配設されたコイルとを備え、電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、電極とコイルとが、ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングした際に、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、ドライエッチング時に被処理基板のドライエッチングを施す被処理面が位置する平面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域、この領域の周辺又はそれら双方をクリーニングした後、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時より小さくして、電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、チャンバー内を更にクリーニングすることによって、従来の方法に対し、簡易な方法で、確実にドライエッチング装置をクリーニングできることを見出した。
また、基板上に成膜した膜のエッチング速度を測定する場合には、基板上から膜が消失するまでドライエッチングを行ってエッチング速度を検定することが一般的であるが、1つの試料の検定に引き続き、次の試料のドライエッング速度の検定を行うような場合にも上述のクリーニングを行って装置内の清浄化を図ることが有効である。特に、このような場合には、電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域中で、被処理基板の被エッチング部分をドライエッチングした後、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域、この領域の周辺又はそれら双方を、被処理基板をチャンバー内に配置したままクリーニングした後、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時より小さくして、電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、被処理基板をチャンバー内に配置したままチャンバー内を更にクリーニングすることによって、エッチング速度の検定(換言すれば、エッチング時間の測定)を行った基板をダミー基板に入れ替えることなく、そのままエッチング領域のクリーニングから始まる上述のクリーニングを行うことで、より高いエッチング速度の再現性が得られることを見出した。
この場合、ドライエッチング装置に、チャンバー内の所定の物質量又は該物質量に対応する物性値を測定してドライエッチングの終点を検出する終点検出装置を設けて被処理基板に対してドライエッチングを実施し、ドライエッチング開始から、終点検出装置により、被処理基板の被エッチング部分全体が除去された後、上記所定の物質量又は物性値の変化量が一定となった時点を終点として検出されるまでの時間を測定することができ、この際、標準化された被エッチング部分を備える標準基板を用い、クリーニング条件を調整しながらこの時間を測定することで、その時間を増加させないクリーニング条件と、信頼性の高い標準エッチング時間を求めることができることを知見した。
そして、この条件を基に定めたクリーニング条件を用いたドライエッチングとクリーニングのサイクルを用いることで、連続して機能膜のドライエッチングを実施することができ、求められた信頼性の高い標準エッチング時間を用いることで、過剰なエッチング時間を適用することなく、高い信頼性をもって機能膜をエッチングすることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記のドライエッチング時間の決定方法、及びドライエッチング方法を提供する。
請求項
内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、該チャンバー内部に配設された電極と、上記チャンバー外部に配設されたコイルと、上記チャンバー内の所定の物質量又は該物質量に対応する物性値を測定してドライエッチングの終点を検出する終点検出装置とを備え、
上記電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、上記チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、上記電極とコイルとが、上記ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングする方法であって、
(A)上記電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域中で、上記被処理基板の被エッチング部分を、上記終点検出装置により、上記被処理基板の被エッチング部分全体が除去された後、上記所定の物質量又は物性値の変化量が一定となった時点を終点として、該終点が検出されるまでドライエッチングする工程と、
(B)上記(A)工程から引き続いて、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記(A)工程と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域、該領域の周辺又はそれら双方を、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したままクリーニングする第1クリーニング工程と、
(C)上記(B)工程から引き続いて、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記(A)工程より小さくして、上記電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したまま上記チャンバー内を更にクリーニングする第2クリーニング工程とを備え、
上記被処理基板のドライエッチング処理と、上記チャンバー内のクリーニング処理とを、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したままで連続して実施するドライエッチング方法による被処理基板のドライエッチングを、複数枚の被処理基板に対して個々に実施し、上記(A)〜(C)工程のサイクルを上記複数回繰り返して実施して(A)工程の開始から、上記終点検出装置により終点が検出されるまでの処理時間を増加させない(B)工程及び(C)工程のクリーニング処理条件を決定し、上記決定された(B)工程及び(C)工程のクリーニング処理条件によって、上記ドライエッチング方法によるドライエッチングを被処理基板に対して実施し、上記(A)工程の開始から、上記終点検出装置により終点が検出されるまでの時間を標準ドライエッチング時間として決定することを特徴とするドライエッチング時間の決定方法。
請求項
上記被処理基板が機能膜を備える基板であり、上記ドライエッチングが上記機能膜のドライエッチングであることを特徴とする請求項記載のドライエッチング時間の決定方法。
請求項
上記機能膜が遷移金属及び/又はケイ素を含有する膜であることを特徴とする請求項記載のドライエッチング時間の決定方法。
請求項
内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、該チャンバー内部に配設された電極と、上記チャンバー外部に配設されたコイルとを備え、
上記電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、上記チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、上記電極とコイルとが、上記ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングする方法であって、
上記電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域中で、上記被処理基板の被エッチング部分を、請求項記載の方法により決定された標準ドライエッチング時間の0.5〜2倍の時間ドライエッチングを行ってレジストパターンを機能膜に転写することを特徴とするドライエッチング方法。
請求項
上記被処理基板が機能膜を備える基板であり、上記ドライエッチングが上記機能膜のドライエッチングであることを特徴とする請求項記載のドライエッチング方法。
請求項
上記機能膜が遷移金属及び/又はケイ素を含有する膜であることを特徴とする請求項記載のドライエッチング方法。
また、本発明は、下記のドライエッチング装置のクリーニング方法、及びドライエッチング方法が関連する。
[1] 内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、該チャンバー内部に配設された電極と、上記チャンバー外部に配設されたコイルとを備え、
上記電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、上記チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、上記電極とコイルとが、上記ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングしたドライエッチング装置のチャンバー内をクリーニングする方法であって、
上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記ドライエッチング時と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、ドライエッチング時に被処理基板のドライエッチングを施す被処理面が位置する平面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域、該領域の周辺又はそれら双方をクリーニングした後、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記ドライエッチング時より小さくして、上記電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、上記チャンバー内を更にクリーニングすることを特徴とするドライエッチング装置のクリーニング方法。
[2] 内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、該チャンバー内部に配設された電極と、上記チャンバー外部に配設されたコイルとを備え、
上記電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、上記チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、上記電極とコイルとが、上記ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングしたドライエッチング装置のチャンバー内をクリーニングする方法であって、
上記電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域中で、上記被処理基板の被エッチング部分をドライエッチングした後、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記ドライエッチング時と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域、該領域の周辺又はそれら双方を、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したままクリーニングした後、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記ドライエッチング時より小さくして、上記電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したまま上記チャンバー内を更にクリーニングすることを特徴とするドライエッチング装置のクリーニング方法。
[3] 上記被処理基板が機能膜を備える基板であり、上記ドライエッチングが上記機能膜のドライエッチングであることを特徴とする[1]又は[2]記載のクリーニング方法。
[4] 上記機能膜が遷移金属及び/又はケイ素を含有する膜であることを特徴とする[3]記載のクリーニング方法。
[5] 内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、該チャンバー内部に配設された電極と、上記チャンバー外部に配設されたコイルと、上記チャンバー内の所定の物質量又は該物質量に対応する物性値を測定してドライエッチングの終点を検出する終点検出装置とを備え、
上記電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、上記チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、上記電極とコイルとが、上記ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングする方法であって、
(A)上記電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域中で、上記被処理基板の被エッチング部分を、上記終点検出装置により、上記被処理基板の被エッチング部分全体が除去された後、上記所定の物質量又は物性値の変化量が一定となった時点を終点として、該終点が検出されるまでドライエッチングする工程と、
(B)上記(A)工程から引き続いて、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記(A)工程と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域、該領域の周辺又はそれら双方を、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したままクリーニングする第1クリーニング工程と、
(C)上記(B)工程から引き続いて、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記(A)工程より小さくして、上記電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したまま上記チャンバー内を更にクリーニングする第2クリーニング工程とを備え、
上記被処理基板のドライエッチング処理と、上記チャンバー内のクリーニング処理とを、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したままで連続して実施することを特徴とするドライエッチング方法。
[6] 上記被処理基板が機能膜を備える基板であり、上記ドライエッチングが上記機能膜のドライエッチングであることを特徴とする[5]記載のドライエッチング方法。
[7] 上記機能膜が遷移金属及び/又はケイ素を含有する膜であることを特徴とする[6]記載のドライエッチング方法。
本発明のクリーニング方法は、膜のドライエッチングによりドライエッチング装置のチャンバー内壁に付着した金属化合物などを簡易な方法によって、効率的、かつ確実に除去することができる。また、本発明のドライエッチングとクリーニングのサイクルによって清浄化されたエッチングチャンバーを用いたドライエッチング処理では、高周波電力の伝達効率低下や、プラズマ中のガス成分比率の変化など、付着物による悪影響によるドライエッチング時間の変化を回避できる。そのため、信頼性の高い標準ドライエッチング速度を得ることができる。また、信頼性の高い標準ドライエッチング速度が得られることから、フォトマスクブランクを加工するための、信頼性の高いドライエッチング条件を求めることが可能となる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明において用いられるドライエッチング装置は、内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、チャンバー内部に配設された電極と、チャンバー外部に配設されたコイルとを備える。具体的には、図1に示されるようなものが挙げられる。
図1において、1は接地されたエッチングチャンバー(エッチング処理室)、2はアース、3は磁場誘導結合型のアンテナコイルに電力を供給する高周波電源(RF2)、4は誘導結合プラズマを誘起するためのアンテナコイル、5はエッチング加工が施される被処理基板(フォトマスクブランク)、6は被処理基板保持部を兼ねた被処理基板に垂直に電場を印加するための下部電極、7は被処理基板に垂直に電場を印加するための下部電極に電力を供給する高周波電源(RF1)、8はエッチングチャンバーを真空雰囲気に減圧し、一定圧力に保つための排気口、9はエッチングチャンバーにエッチングガスを導入するためのガス導入管である。
また、チャンバー内の所定の物質量又は該物質量に対応する物性値を測定してドライエッチングの終点を検出する終点検出装置(図示せず)、例えば、エッチングガス又は反応生成物の発光強度の変化をとらえてエッチングの終点を定める、発光モニタリング装置を設けてもよい。
ドライエッチング装置の電極及びコイルは、高周波電源から高周波電力が印加される。これにより、チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成される。また、ドライエッチング装置の電極及びコイルは、電極とコイルとが、ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成することが可能なように構成される。
本発明で用いるドライエッチング装置には、被処理基板に垂直に電場を印加するための電極と、基板の被処理面と垂直方向に磁場を印加するためのコイルである磁場誘導結合型のアンテナコイルとを備える。そして、このような装置を用いたドライエッチングは、電極とコイルとに高周波電力を印加して、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面が位置する平面(被処理基板が配置されている場合にあっては、その被処理面)と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域中で、上記被処理基板の被エッチング部分、例えば、機能膜を備える基板、より具体的には、遮光膜や位相シフト膜等の機能膜を備えるフォトマスクブランクを被処理基板として、この機能膜をドライエッチングする。この場合、エッチングガスは特に限定されるものではなく、酸素ガス、塩素系ガス、フッ素系ガスなどを、被エッチング部分の材質に合わせて適宜選択することができる。
被エッチング部分(機能膜)の材質も特に限定されず、例えば、Cr、Mo等の遷移金属及び/又はケイ素を含有する膜が挙げられ、具体的にはCr、CrO、CrN、CrC、CrON、CrOC、CrNC、CrONC等のクロムを含む材料(Cr系材料)、MoSi、MoSiO、MoSiN、MoSiC、MoSiON、MoSiOC、MoSiNC、MoSiONC等のモリブデン及びケイ素を含む材料(MoSi系材料)などを挙げることができ、更にスパッタリング法によって得られる窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素や酸化ケイ素膜でもよい。このうち、特に遷移金属を含む材料は、ドライエッチングの際に、ラジカルを消失させる効率が高く、そのような材料に対して本発明は特に有用である。また、被処理基板としては、フォトマスクブランクの場合、石英ガラス基板上に上述したクロムを含む材料の薄膜及び/又はモリブデン及びケイ素を含む材料の薄膜などを形成したものが使用される。
これらの膜をエッチングするためのガスとしては、クロムを含む薄膜をエッチングする場合は、塩素ガス(Cl2)などの塩素系ガスを少なくとも含むガスを用い、モリブデン及びケイ素を含む薄膜をエッチングする場合は、CF4、SF6などのフッ素系ガスを少なくとも含むエッチングガスを用いることが好適である。また、ハロゲンを含有した単体又は化合物ガスと、酸素ガス(O2)等の酸素を含有する単体又は化合物ガスとの混合ガスとすることもできる。更に、不活性ガスを含んでもよい。特に、クロムを含む材料のエッチングガスとしては、Cl2、O2、Heの混合ガスが好ましい。エッチング時のガス圧は、1mTorr以上100mTorr以下、特に3mTorr以上10mTorr以下が基板表面を均一にエッチングできるため好ましい。
また、エッチング時の下部電極に印加する電力は10W以上200W以下、特に20W以上100W以下とすることが好ましく、また、コイルに印加する電力は、100W以上1000W以下、特に300W以上500W以下とすることが好ましい。その他のエッチング条件は、被エッチング部分に応じて、従来公知の条件を適用することができる。
エッチングの終点は、終点検出装置を用いる場合は、その検出により決定することができ、例えば、終点検出装置により、被処理基板の被エッチング部分全体が除去された後、所定の物質量又は物性値の変化量が一定となった時点を終点とすることができる。
本発明においては、上述したようなドライエッチング後のドライエッチング装置のクリーニングとして、被処理基板をそのまま装置内に保持して、又はダミー基板と入れ替え、コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、ドライエッチング時に被処理基板(又はダミー基板)のドライエッチングを施す被処理面が位置する平面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域、この領域の周辺又はそれら双方の、エッチングにより付着した汚れをクリーニングする。そして、その後、ドライエッチング装置の被処理基板の処理面に対して垂直に電場を印加する電極と、処理基板の処理面に対して垂直方向に磁場を印加するコイルにかける電力を変化させて、具体的には、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時より小さくして、被処理基板をそのまま装置内に保持して、又はダミー基板と入れ替えた状態で、電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させることにより、ドライエッチング装置のチャンバー内をクリーニングする。
前者のクリーニング工程(第1のクリーニング工程)は、ドライエッチング装置のチャンバー内に、エッチングガスを導入し、下部電極及びコイルに印加した電力を変化させずにそのまま適用して、又はコイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記ドライエッチング時より同じ若しくは大きくして、所定時間、好ましくはドライエッチング時間の50〜100%の時間、上記電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、上記チャンバー内をクリーニングする。エッチングガス、ガス圧等の条件は、上述したエッチング時の条件と同様とすることができる。このクリーニング操作は、ドライエッチング領域周辺、特に被処理基板保持部に堆積した汚れの除去に有効である。
また、後者のクリーニング工程(第2のクリーニング工程)においては、ドライエッチング装置のチャンバー内に、エッチングガスを導入し、高周波電源より上記コイルと下部電極に高周波電力を印加してプラズマを生成し、下部電極及び/又はコイルに印加した電力を上述したように変化させることによって、装置内を広範囲にクリーニングすることができる。エッチングガス、ガス圧等の条件は、上述したエッチング時の条件と同様とすることができる。クリーニング工程においても、ドライエッチング工程で用いたガスと同じガスを用いると、除去効率がよく好適である。
特に、下部電極に印加する電力を変化させることにより、プラズマの運動の指向性が変化する。下部電極への印加電力が相対的に大きい場合、被処理基板保持部など、下部電極及びその近傍へのプラズマの指向性がより高くなるため、被処理基板保持部表面などのクリーニングが可能となる。一方、下部電極への印加電力が相対的に小さい場合、プラズマは広がり、下部電極近傍以外もクリーニングされるようになる。従って、下部電極への印加電力及び/又はコイルへの印加電力を調整することによって、プラズマの広がりとプラズマでクリーニングされる範囲を変化させることにより、効率よく、チャンバー全体をクリーニングすることができる。電力の変化のさせかたは階段状でも、徐々に変化させてもよく、一旦放電を止めてから、電力条件を変化させてもよい。
下部電極に印加する電力は、プラズマを十分広げるため、装置の構造上、調整可能な範囲で最も小さい値にするのがよい。このとき、コイルにはプラズマを維持できる程度の電力、例えば、100W以上1000W以下の電力を供給すればよく、コイルに印加する電力を変えることで、プラズマのエネルギーと広がりを変えることができるが、電力が大きすぎるとプラズマが小さくなり、チャンバー内壁面までラジカルやイオンが届かず、クリーニングが十分に行えない場合がある。このような観点から、コイルに印加する電力は、100W以上1000W以下、特に300W以上500W以下が好ましい。そして、このクリーニングにおけるコイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、エッチング時の電力の比よりも小さい値に設定する。このクリーニング操作は、チャンバーの内壁のクリーニングに効果的である。
更に、本発明においては、特に連続的にドライエッチング速度の検定を行う場合等、ドライエッチング終了後(ドライエッチングの終点を過ぎた後)、被処理基板をチャンバー内に配置したまま電極とコイルとに高周波電力を印加してプラズマを発生させることにより、ドライエッチング装置のチャンバー内をクリーニングすることが有効であるが、下部電極及び/又はコイルに印加した電力を上述したように変化させてクリーニングする前に、ドライエッチング工程において下部電極及びコイルに印加した電力を変化させずにそのまま適用して、又はコイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時より同じ若しくは大きくして、被処理基板をチャンバー内に配置したまま、所定時間、好ましくはドライエッチング時間の50〜100%の時間、電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、チャンバー内をクリーニングすることも可能である。このクリーニング操作は、被処理基板保持部に堆積した汚れの除去に有効である。
クリーニング工程の条件は、用いる材料やエッチングガス等に応じて適宜設定されるが、クリーニングの完了に十分なものであるかどうかは、一定の条件で成膜された被エッチング部分をもつ複数の基板を用いて上記ドライエッチングとクリーニングを2回以上繰り返し、ドライエッチングにおけるクリアタイム、又はエッチングの終点検出装置における終点検出時間がほとんど変わらない、あるいは飽和することを確認することででき、これによりクリーニング条件を決めることができる。クリーニング時間として具体的には、実用上は、例えば1〜10分間となるよう電力等の条件を調整することが好ましい。
本発明は、ドライエッチングの標準エッチング時間の測定に有用であり、標準エッチング時間の測定に用いられるクリーニング方法は、本発明のクリーニング方法における一態様である。この標準エッチング時間の測定に有用に用いられるクリーニング方法においては、上述のクリーニング方法を用いると共に、被処理基板のドライエッチング処理と、チャンバー内のクリーニング処理とを、被処理基板をチャンバー内に配置したままで連続して実施する。被処理基板をドライエッチング処理したまま残すことで、クリーニング用のダミー基板に入れ替える手間を省くだけでなく、連続してクリーニングに入ることにより、特に、基板の位置が変わらないことで、基板保持部に堆積した汚れが基板の入れ替えによって一部カバーされてしまい、残ってしまうことを防止し、確実に除去することが可能となり、高い再現性のあるエッチング速度が得られる。
この際のクリーニング工程の詳細な条件は、上述のような範囲で、用いる材料やエッチングガス等に応じて適宜設定されるが、標準エッチング時間を決めるためには、クリーニングが十分である必要がある。ここで、クリーニングの完了に十分なものであるかどうかの確認は、例えば、条件を決めるための一定の条件で成膜された被エッチング部分をもつ複数の基板(標準化された被エッチング部分を備える標準基板)を準備し、ドライエッチングとクリーニングを2回以上(上限は、特に限定されないが、実用上は5回程度以下である)繰り返し、ドライエッチングにおけるクリアタイム、又はエッチングの終点検出装置における終点検出時間がほとんど変わらない、あるいは飽和することを確認することで可能である。
標準基板は、標準エッチング時間を求めたい被エッチング部分と同一の材質のものであることが好ましいが、これに限られず、類似の材質、例えば、被エッチング部分がクロム系、モリブデンシリサイド系といった場合の同系列の材質であればよく、更に、酸素、窒素、炭素等の軽元素を含むものであれば、それらの含有量が近いものが好ましい。また、被エッチング部分の厚さは同じであることが好ましい。
これにより標準エッチング時間を求めるために必要なクリーニング条件を決めることができるが、クリーニング時間として実用上は、例えば1〜10分間となるよう電力等の条件を装置に合わせて調整することが好ましい。
本発明におけるドライエッチングおよびクリーニングのサイクルは、下記の(A)〜(C)で示されるようなプロセスのサイクルで行われることが好ましい。
(A)電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域中で、被処理基板の被エッチング部分を、終点検出装置により、被処理基板の被エッチング部分全体が除去された後、所定の物質量又は物性値の変化量が一定となった時点を終点として、この終点が検出されるまでドライエッチングする工程。
(B)(A)工程から引き続いて、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、(A)工程と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域、該領域の周辺又はそれら双方を、被処理基板をチャンバー内に配置したままクリーニングする第1クリーニング工程。
(C)(B)工程から引き続いて、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、(A)工程より小さくして、電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、被処理基板をチャンバー内に配置したままチャンバー内を更にクリーニングする第2クリーニング工程。
上述のように、(B)及び(C)工程の条件を調整しながら、一定の条件で成膜された標準基板を用いて複数枚の被処理基板に対して個々に実施して、上記サイクルを繰り返すことによって、(A)工程の開始から、上記終点検出装置により終点が検出されるまでの処理時間を増加させない(変化させない)(B)工程及び(C)工程のクリーニング処理条件を決めることができる。ここで定められた(B)工程及び(C)工程をドライエッチング工程及びクリーニング工程のサイクルに適用し、標準エッチング時間を求めたい基板について、上記サイクルを行うことで、信頼性の高い標準エッチング時間を連続して求めることができる。
特に、標準エッチング時間を求める場合には、2枚以上(上限は、特に限定されないが、実用上は5枚程度以下である)の標準基板を用いてエッチング時間を決定するが、この方法を適用することで、2枚目以降で得たエッチング時間の値の信頼性が高いものとなる。そこで、この方法により得たデータであれば、標準エッチング時間として2枚目以降で得たエッチング時間の値の単純な算術平均を採用してもよい。このようにして決定された標準エッチング時間は、これを基準として、標準ドライエッチング時間の0.5〜2倍の時間ドライエッチングを行ってレジストパターンを機能膜に転写することができる。
そして、ドライエッチング後には、上述した本発明のクリーニング方法、即ち、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、ドライエッチング時に被処理基板のドライエッチングを施す被処理面が位置する平面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、ドライエッチング領域、この領域の周辺又はそれら双方をクリーニングした後、コイルに印加する電力に対する電極に印加する電力の比を、ドライエッチング時より小さくして、電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、チャンバー内を更にクリーニングすることにより、ドライエッチング装置をクリーニングすることができる。なお、この場合、クリーニング工程において、被処理基板をチャンバー内から取り出してクリーニングすることが好ましく、必要に応じてダミー基板をチャンバー内に配置することも可能である。
以下に、被エッチング部分(フォトマスクブランクに形成された膜)としてCr、エッチングガスとしてCl2、O2、Heの混合ガスを用いる場合について説明するが、これは一例であって、本発明を限定するものではない。
塩素を含んだ塩素系ガスと、酸素ガスや二酸化炭素ガスのような酸素を含んだ酸素系ガスの混合ガスを用いてプラズマを生成し、Cr薄膜のドライエッチングを行った場合には、エッチング中にクロムと塩素を含む反応生成物がチャンバー内壁に堆積する。反応生成物の堆積は、高周波電力の伝達効率低下や、プラズマ中のガス成分比率の変化を生じさせ、クロムのエッチング速度を低下させる。
ドライエッチング装置としては、図1に示されるような装置、例えばOerlikon社製Mask Etcher IV等の市販品を用いることができる。まず、Cr膜を有する石英基板をチャンバーの下部電極でもある基板保持部上に導入する。次に、チャンバー内を真空排気したあとに、Cl2、O2、Heの混合ガスを用いてプラズマを生成させる。Cl2、O2の流量は、例えば、Cl2は150〜200sccm、O2は50〜100sccmとすることが好適であり、排気量を調整し、圧力を5〜8mTorrとすることが好適である。このような条件で下部電極に、例えば周波数13.56MHz、電圧500V〜1000V(電力30W〜100W)、コイルには、例えば周波数13.56MHz、電力300W〜500Wを印加することでプラズマを発生させ、被処理基板のエッチングを行うことができる。
次に、ドライエッチング後に反応生成物が付着したドライエッチングチャンバーをクリーニングする方法としては、ドライエッチング終了後、プラズマ放電を止めず、ドライエッチングと同じエッチングガスを用い、ドライエッチングと同じ電力のままで、上記ドライエッチング時間の50〜100%の時間、放電を継続してクリーニングする(第1クリーニング工程)。その後、下部電極の電力のみを停止し、5〜10分間、プラズマを放電してクリーニングする(第2クリーニング工程)。
更に、本発明によれば、高い清浄度でクリーニングが可能となることから、本発明においては、チャンバー内の所定の物質量又は該物質量に対応する物性値を測定してドライエッチングの終点を検出する終点検出装置を設け、複数枚の被処理基板に対して、ドライエッチングを実施し、ドライエッチング開始から、終点検出装置により、被処理基板の被エッチング部分全体が除去された後、上記所定の物質量又は物性値の変化量が一定となった時点を終点として検出されるまでの時間を測定し、それらエッチング時間の平均値を標準ドライエッチング時間として決定することができる。
例えば、ドライエッチング工程及びクリーニング工程を、複数枚の被処理基板に対して個々に実施して、ドライエッチング工程及びクリーニング工程を複数回繰り返し、ドライエッチング時間、即ち、ドライエッチングの開始から終点検出装置により終点が検出されるまでの時間をドライエッチング時間として、上記複数回の各サイクルにおける上記ドライエッチング時間の平均値を標準ドライエッチング時間として決定することができる。ドライエッチング工程において、この標準ドライエッチング時間を適用すれば、終点検出装置を用いなくても、ドライエッチング時間を管理することで、必要なドライエッチングを確実に完結させ、かつチャンバー内の清浄度を保って、ドライエッチングを繰り返すことができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
被処理基板として、6インチ角の石英ガラス上に、CrONからなる膜厚120nmの膜が形成されたフォトマスクブランクを用いた。ドライエッチング装置は、被処理基板をセットするロード室と、ドライエッチング処理を行うエッチング室と、基板を搬出するアンロード室と、各室をつなぐ搬送室を有し、エッチング室は、図1に示されるものと同様の構成とし、以下の工程1〜5を行った。なお、各室は、非動作時は真空に保持された。
〔工程1(被処理基板のセット)〕
フォトマスクブランクを1枚ロード室にセットした後、ロード室を真空排気した。その後、ロード室のゲートバルブを開け、搬送機構により、フォトマスクブランクを搬送室に移動したのち、ロード室のゲートバルブを閉じた。次に、エッチング室のゲートバルブを開き、フォトマスクブランクを搬送室から真空保持されたエッチング室に搬送し、エッチング室の被処理基板保持台に保持し、エッチング室のゲートバルブを閉じた。
〔工程2〕
RF1:700V(50W)、RF2:400W、圧力:6mTorr、Cl2流量:185sccm、O2流量:55sccm、He流量:9.25sccmの条件で、OES(optical emission spectrometry)で、プラズマ発光スペクトルのうち、Crに起因する発光波長の光強度変化からエッチングの終点を検出するまで(7分間)ドライエッチングを行った(以下、このドライエッチング開始より終点を検出するまでの時間を「エッチング時間」と記す。)。
〔工程3〕
OESでエッチング終点検出後、工程2と同じエッチング条件で、フォトマスクブランクを被処理基板保持部に置いたまま、エッチング時間の50%の時間、プラズマの発生を継続させた。
〔工程4〕
フォトマスクブランクを被処理基板保持部に置いたまま、かつ、プラズマの発生を継続させたまま、下部電極に印加させた電力を、電圧制御から電力制御に変え、かつ制御電圧を1W(10〜20V)に変えて、放電を10分間継続した。その後、RF1、RF2共に、電力の供給を止め、すべてのガスの供給を停止した。
〔工程5(基板の取り出し)〕
エッチング室のゲートバルブを開け、搬送機構により、処理の終わった基板をエッチング室より搬送室に移動した。エッチング室のゲートバルブを閉じた後、アンロード室のゲートバルブを開け、アンロード室にフォトマスクブランクを搬送し、アンロード室のゲートバルブを閉じ、アンロード室を大気開放し、フォトマスクブランクを取り出した。
上記工程1〜5を繰り返し、5枚のフォトマスクブランクを処理し、エッチング時間のばらつきを求めた結果、3σで1.9%と良好であった。
[比較例1]
工程4を省略した以外は、実施例1と同様にして、5枚のフォトマスクブランクを処理した。このときのエッチング時間のばらつきは、3σで4.9%であった。
本発明で用いられるエッチング装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 エッチングチャンバー
2 アース
3 高周波電源(RF2)
4 アンテナコイル
5 被処理基板
6 下部電極(被処理基板保持部)
7 高周波電源(RF1)
8 排気口
9 ガス導入管

Claims (6)

  1. 内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、該チャンバー内部に配設された電極と、上記チャンバー外部に配設されたコイルと、上記チャンバー内の所定の物質量又は該物質量に対応する物性値を測定してドライエッチングの終点を検出する終点検出装置とを備え、
    上記電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、上記チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、上記電極とコイルとが、上記ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングする方法であって、
    (A)上記電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域中で、上記被処理基板の被エッチング部分を、上記終点検出装置により、上記被処理基板の被エッチング部分全体が除去された後、上記所定の物質量又は物性値の変化量が一定となった時点を終点として、該終点が検出されるまでドライエッチングする工程と、
    (B)上記(A)工程から引き続いて、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記(A)工程と同じ又は大きくして高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域、該領域の周辺又はそれら双方を、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したままクリーニングする第1クリーニング工程と、
    (C)上記(B)工程から引き続いて、上記コイルに印加する電力に対する上記電極に印加する電力の比を、上記(A)工程より小さくして、上記電極とコイルとに電力を印加してプラズマを発生させて、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したまま上記チャンバー内を更にクリーニングする第2クリーニング工程とを備え、
    上記被処理基板のドライエッチング処理と、上記チャンバー内のクリーニング処理とを、上記被処理基板を上記チャンバー内に配置したままで連続して実施するドライエッチング方法による被処理基板のドライエッチングを、複数枚の被処理基板に対して個々に実施し、上記(A)〜(C)工程のサイクルを上記複数回繰り返して実施して(A)工程の開始から、上記終点検出装置により終点が検出されるまでの処理時間を増加させない(B)工程及び(C)工程のクリーニング処理条件を決定し、上記決定された(B)工程及び(C)工程のクリーニング処理条件によって、上記ドライエッチング方法によるドライエッチングを被処理基板に対して実施し、上記(A)工程の開始から、上記終点検出装置により終点が検出されるまでの時間を標準ドライエッチング時間として決定することを特徴とするドライエッチング時間の決定方法。
  2. 上記被処理基板が機能膜を備える基板であり、上記ドライエッチングが上記機能膜のドライエッチングであることを特徴とする請求項記載のドライエッチング時間の決定方法。
  3. 上記機能膜が遷移金属及び/又はケイ素を含有する膜であることを特徴とする請求項記載のドライエッチング時間の決定方法。
  4. 内部にドライエッチング領域が形成されるチャンバーと、該チャンバー内部に配設された電極と、上記チャンバー外部に配設されたコイルとを備え、
    上記電極及びコイルに高周波電力を印加することにより、上記チャンバー内に、電場と磁場とが形成されると共に、放電により発生したプラズマによりドライエッチング領域が形成され、更に、上記電極とコイルとが、上記ドライエッチング領域に、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場と磁場とを形成可能に構成されたドライエッチング装置を用いてドライエッチングする方法であって、
    上記電極とコイルとに高周波電力を印加し、被処理基板のドライエッチングを施す被処理面と直交する電場及び磁場を形成すると共に、プラズマを発生させて、上記ドライエッチング領域中で、上記被処理基板の被エッチング部分を、請求項記載の方法により決定された標準ドライエッチング時間の0.5〜2倍の時間ドライエッチングを行ってレジストパターンを機能膜に転写することを特徴とするドライエッチング方法。
  5. 上記被処理基板が機能膜を備える基板であり、上記ドライエッチングが上記機能膜のドライエッチングであることを特徴とする請求項記載のドライエッチング方法。
  6. 上記機能膜が遷移金属及び/又はケイ素を含有する膜であることを特徴とする請求項記載のドライエッチング方法。
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