JP5163841B2 - 平版印刷用濃縮湿し水組成物 - Google Patents

平版印刷用濃縮湿し水組成物 Download PDF

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Description

本発明は、平版印刷用濃縮湿し水組成物に関し、更に詳しくは、印刷物の汚れや各種印刷トラブルを生じない高精細印刷のFMスクリーン印刷、紫外線硬化印刷並びにCTP版を用いた印刷に好ましく使用できる平版印刷用湿し水組成物に関するものである。
平版印刷は、画線部に対応する箇所を感脂性面とし非画線部に対応する箇所を親水性面とした刷版を用いて印刷を行う印刷方式である。
即ち、インキを感脂性の画線部に付着させ、湿し水を親水性の非画線部に付着させ、インキと水との互いに反撥しあう性質を利用して印刷を行う方式である。この印刷方式では、印刷版上のインキは通常湿し水を含んだエマルジョン状態になっているが、このエマルジョンは含水率などが適切な状態にあり、安定している場合にのみ良好な印刷品質が得られる。
一般には、印刷版上の湿し水が不足する場合は非画線部にインキが付着し地汚れの原因となる。又、湿し水を過剰に与え過ぎると、インキの過度の乳化を招きいわゆる水負けの原因となり、画線部が薄くなったり、乾燥を遅らせていわゆる裏移りが発生するようになる。特に、紫外線硬化印刷インキはその組成上、乳化しやすく上記傾向が強い。
高品位印刷のFMスクリーン印刷では網点再現性を、また紫外線硬化印刷では適正乳化をロングラン運転においても良好に確保できるもの、いわゆる1)棒絡み、2)ローラー剥げ、3)網点絡み、4)紙むけ、5)地汚れを解決することが不可欠である。
上記1)の水棒絡みとは、水元ローラーの表面にインキが付着してそれが水棒に絡み、水供給のバランスがくずれてしまうという現象である。
この原因としては、過剰乳化によるインキの流動性低下によるものと考えられている。
上記2)のローラー剥げとは、インキローラーのインキが剥がれ、インキの転移が適性に行われなくなる現象である。
これはインキの水吸収能力(乳化能力)が不足するため、水がインキローラー上で余り、ローラー上のインキが剥がれるものと考えられている。
上記3)の網点絡みとは、印刷作業を中断した後、印刷再開後に版面上の画像部の網点の部分にインキが絡み、網点画像部の形状が正常でなくなってしまうという現象である。
上記4)の紙むけ(ピッキング)とは、印刷中に紙表面が変形・剥離する現象である。
基本的に紙むけは、紙のセルロースの絡み合い、長さ、塗被剤に関する製紙技術の問題であるが、水またはインキの浸透により紙が脆弱化することが原因であると考えられている。
上記5)の地汚れとは、印刷時に版面で起こる現象で版面非画線部への水の供給が不充分等の原因が挙げられる。
上記の問題解決には、湿し水が重要であることから種々の平版印刷用湿し水組成物が提案されている(例えば、特許文献1など)。
特開2004−82593
湿し水は通常商業ベースでは、濃縮化したものを商品化することが一般的であり、本発明はこの濃縮湿し水組成物に関するものである。
通常、印刷作業時にこの濃縮湿し水組成物を水道水などで所望の濃度に希釈して使用している。
本発明の目的は、特に上記のインキの水棒への絡み、インキ供給ローラの剥げ、網点絡み、紙むけ、及び地汚れの問題を改善した高精細印刷のFMスクリーン印刷、紫外線硬化印刷並びにCTP版を用いた印刷に好ましく使用できる平版印刷用濃縮湿し水を提供することにある。
従来湿し水には印刷性能を向上させるため、10%前後の濃度でイソプロピルアルコール(IPA)を添加して印刷を行っていた。本発明の他の目的は、作業環境及び安全衛生面上イソプロピルアルコールを全く使用しないか大幅に添加濃度を下げることができる湿し水を提供することにある。本発明の更に別の目的は、オフセット輪転機の排ガス燃焼装置に充填されている触媒の被毒作用を有するリン化合物を全く含有しない無リンタイプの湿し水を提供することにある。
又、排水規制物質であるリン化合物を全く含有しない所謂無リンタイプの湿し水を提供することにある。
本発明者らは、上記水棒絡み、ローラー剥げ、網点絡み、紙むけ及び地汚れを抑制する働きを有する湿し水組成物に関し鋭意研究を重ねた結果、特定の水溶性高分子と特定の化合物を組み合わせることにより、上記の問題が解消でき、且つ濃縮化しても安定性に優れた安全な平版印刷用濃縮湿し水組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(I)で示されるアセチレングリコール酸化エチレン付加物および構造単位として酸性糖を含む多糖類及び/又はムコ多糖類の部分エステル化物を必須成分としてなることを特徴とする平版印刷用濃縮湿し水組成物を提供することである。
一般式(I):
Figure 0005163841
(式中、m及びnは整数でその総数m+nは0〜30を示し、x及びyは互いに独立して0〜2の整数を表す。)
上記のそれぞれの化合物を必須成分とする本発明組成物の使用は、水棒絡みやローラー剥げ、紙むけ及び地汚れが解消できると共に、特に従来から問題となっていた網点絡み(ストップ汚れ)の防止効果が顕著に現れ、長期間に亘り印刷が継続可能であること、又、水棒からの水上がりや湿し水の版面上での拡散を良好ならしめることができる。
更には、本発明の濃縮湿し水組成物は、有機溶剤としてジオール類及びアルコキシアルコール類を含有することが好ましい。
本発明の濃縮湿し水組成物の必須成分の一つである構造単位として酸性糖を含む多糖類及び/又はムコ多糖類の部分エステル化物(以下、部分エステル化物という)は、水溶性高分子である。本発明の部分エステル化物としては、具体的にはエステル化度が75%〜95%のものが使用でき、80%〜90%の範囲のものがより好適に使用される。部分エステル化物としては、より具体的にはアルギン酸のプロピレングリコールエステルでエステル化度が前記の範囲のものが好ましい。
本発明の部分エステル化物の好適に使用できる範囲は、濃縮湿し水組成物全重量に対して0.1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。
本発明のもう一つの必須成分である一般式(I)で示されるアセチレングリコール酸化エチレン付加物は、動的表面張力降下補助剤としての作用をなすものである。
該アセチレングリコール酸化エチレン付加物は、本発明組成物の全重量に基づいて0.1〜15重量%の範囲が適切である。より好ましくは1〜10重量%の範囲である。
具体例としては、イズロン酸、ガラツクロン酸、グルクロン酸、グルロン酸、マンヌロン酸、アラビノヘキスロン酸、アスコルビン酸等の酸性糖の部分エステル化物が挙げられる。
酸性糖を含む多糖類は、ホモ多糖類、ヘテロ多糖類、ムコ多糖類に大別される。具体例としてはポリガラツクロン酸、アルギン酸、アラビン酸、テイカン、ヘパリン、ヒアルロン酸等が例示される。
上記2成分の混合使用は、CTPの画線部及び非画線部中でも網点部を覆う薄膜状湿し水に含まれる水や溶剤が乾燥によって蒸発した場合に、その残渣を湿し水によって可及的速やかに再溶解させることによって、網点再現性を顕著に向上させる効果を特異的にもたらす。
本発明のアセチレングリコール酸化エチレン付加物は、m及びnの数が互いに独立して0〜30を示すものから選択使用できるが、m+nの数が0〜30であるものが好ましい。好ましくはm+nは5〜25、より好ましくは5〜20である。具体例としては、エア・プロダクト・エンド・ケミカルズ社から販売されている商品名"サーフィノール"、“オルフィン”、“ダイノール”が挙げられる。
本発明では、式(I)においてx=0、y=0、m=0、n=0を示す3,6‐ジメチ
ル−4−オクチン−3,6−ジオール、同じく式(I)でx=1,y=1の3,4,7,9,−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(EO)40%並びに60%付加物が好適に使用できる。より具体的には、3,6‐ジメチル‐4‐オクチン‐3,6‐ジオール、3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール、3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール40%EO付加物、及び3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール60%EO付加物などが例示される。
湿し水は一般的には酸性領域、すなわちpH3〜6の範囲で使用するのが望ましい。本発明の濃縮湿し水組成物から調製される湿し水はpH値をこの範囲に安定的に維持するため、有機酸又は無機酸並びにそれらの塩からなるpH緩衝剤を添加することができる。
pH緩衝剤としては、従来から使用されている有機酸及び/又は無機酸又はそれらの塩類の使用を制限するものではない。有機酸としては、例えばクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、シュウ酸、マロン酸、レブリン酸、スルファニル酸、p−トルエンスルホン酸、フィチン酸、有機スルホン酸等が挙げられる。無機酸としては、例えばリン酸、硝酸、硫酸、ポリリン酸等が挙げられる。更にこれら有機酸及び/又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、或いはアンモニウム塩、有機アミン塩などが用いられる。
一方、本発明においては、従来から使用されているpH緩衝剤の使用を制限するものではないが、排水規制を受けないpH緩衝剤並びに印刷機の排ガス処理装置に設置されている充填触媒を被毒しないpH緩衝剤、いわゆるリン化合物を含まない無リンタイプのpH緩衝剤の使用が好ましい。
即ち、pH緩衝剤として、コハク酸及びクエン酸金属塩の混合物を使用することを特徴としている。
本発明において、pH緩衝剤としてのこの混合物の含有量は濃縮湿し水組成物全重量に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましい。より好ましくは0.5〜5重量%である。
更に本発明においては、上記必須成分化合物の他に動的表面張力の降下、不感脂化剤の可溶化、界面活性剤の曇点向上、或いはインキ乳化率を適正な範囲に調節するために、下記一般式(II)、一般式(III)及び一般式(IV)で示される有機溶剤の1種又は2種以
上を添加することができる。
一般式(II);
Figure 0005163841
(式中、R1は炭素数1〜2のアルキル基を表す。)
一般式(III)
Figure 0005163841
(式中、zは3〜12の整数を表す。)
一般式(IV)
Figure 0005163841
(式中、pは1〜4の整数を、qは0〜1の整数を表す。)
上記一般式(II)で示される有機溶剤は、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールである。
又、上記の一般式(III)で示される有機溶剤は、例えば、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル酸化プロピレン付加物である。
更に、上記の一般式(IV)で示される有機溶剤としては、t−ブトキシエタノール、3
−メチル−3−メトキシブタノールが好ましく使用される。
これらの化合物は水溶性樹脂の溶解性の向上及び高温保存時に発生する界面活性剤の曇点現象を抑制する効果を発揮する。
上記の有機溶剤はそれぞれ単独でも、あるいは2種以上併用して濃縮湿し水組成物に添加することができる。これらの有機溶剤の濃縮湿し水組成物における添加量は、該組成物全重量に基づいて5〜70重量%が適当である。より好ましくは5〜45重量%である。
本発明の濃縮湿し水組成物には、以上の成分の他に更に(a)界面活性剤、(b)キレート化合物、(c)防腐剤、(d)防錆剤、(e)着色剤、(f)消泡剤、(g)印刷版の腐蝕防止剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明に使用できる(a)界面活性剤は、インキ乳化率の調節や濡れ性向上の補助剤と
して添加してもよい。
好ましく使用できる界面活性剤の種類は非イオン型界面活性剤であり、中でもポリオキシアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が好ましく使用できる。
これらの界面活性剤は単独でも、又2種以上併用することもでき、湿し水使用時の発泡(起泡)を抑制する観点からはその含有量は濃縮湿し水組成物全重量に基づいて1.0%以下が適当である。
本発明には、(b)キレート化合物を添加することができる。通常、濃縮湿し水組成物は水道水、井戸水等を加えて30から200倍に希釈して使用される。この際、希釈する水道水や井戸水に含まれる炭酸カルシウムが印刷に悪影響を与え、印刷適性や印刷物品質を悪化させる原因となる場合もある。
このような場合には、キレート化合物を添加すれば上記問題は解消できる。
本発明において好ましく使用できるものとしては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸及びこれらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのナトリウム塩、そのカリウム塩などが挙げられる。
これらの添加量は使用する水道水や井戸水の硬度によって異なるが、濃縮湿し水組成物全重量に基づいて0.0001〜1.0重量%が適当である。
本発明には、防腐剤を必要に応じて添加することができる。湿し水中にカビが増殖すると、印刷に悪影響を与え、印刷物を汚す原因となることもある。
本発明で好ましく使用できる防腐剤としては、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、四級アンモニウム塩、トリアゾール誘導体、オキサゾール又はオキサジンの誘導体、ブロモニトロプロパノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロエタノール、3−ブロモ−3−ニトロペンタン等が挙げられる。これらの防腐剤の種々の調剤液が市販されており、これらの調剤液を使用することもできる。
具体例として、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体と1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノールを含有せしめた三愛石油(株)製のサンバック、東京ファイン(株)製のファインサイド、ケイ・アイ化成(株)製のバイオホープやタイショウテクノス(株)製のビオサイド6000wなどが挙げられる。
好ましい添加量は細菌、酵母、カビに対して安定に効力を発揮する量であって、カビの種類によっても異なるが、濃縮湿し水組成物全重量に対して0.001〜1.0重量%の範囲が好ましい。又、種々のカビ、細菌、酵母に対して薬効のある2種以上の防腐剤を併用することもできる。
本発明では、印刷機械装置の腐蝕を防止するために防錆剤を添加することができる。本発明に使用できる(d)防錆剤としては、例えばベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、チオサリチル酸、ベンゾイミダゾール及びその誘導体等が挙げられる。
本発明に使用できる(e)着色剤としては、食品用色素が好ましく使用できる。例えば、黄色色素としてはCI No.19140,15985、赤色色素としてはCI No.16185,45430,16255,45380,45100、紫色色素としてはCI No.42640、青色色素としてはCI No.42090,73015、緑色色素としてはCI No.42095等が挙げられる。
本発明では、循環ラインを備えた湿し水調製槽内及び水舟内での発泡を抑制するため、(f)消泡剤を添加することが好ましい。本発明で使用する消泡剤としては、消泡速度の速さからシリコーン系消泡剤が好ましく、乳化分散型及び可溶化型のいずれのものも使用できる。
本発明の濃縮湿し水組成物には必要に応じて更に印刷版のアルミニウムの腐蝕防止剤として、水溶性硝酸塩を添加してもよい。
具体例として、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ベリリウム、硝酸アルミニウム、硝酸亜鉛、硝酸ジルコニウム、硝酸ニッケル、硝酸マンガン、硝酸クロム等が挙げられる。これらの塩は1種もしくは2種以上併用してもよい。これらの塩は濃縮湿し水組成物の0.1〜20重量%の範囲で使用される。
次に本発明を実施例及び比較例を挙げて更に具体的に説明するが,本発明はこれらの例に限られるものではない。
なお、以下の記載において%は特に指定のない限り重量%を示す。
表1及び表2において、多糖類/ムコ多糖類の部分エステル化物はアルギン酸プロピレングリコールエステル、サーフィノール82は3,6‐ジメチル‐4‐オクチン‐3,6‐ジオール、サーフィノール104は3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール、サーフィノール440は3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール40%EO付加物、サーフィノール465は3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール60%EO付加物を示す。
実施例1〜6
表1に記載の組成に従って、各種濃縮湿し水組成物を調製した。単位はグラム(g)であり、純水を加えて全量を1000mlとした。



Figure 0005163841
純水で全量を1000mlとした。
上記の如く調製した実施例1〜6の濃縮湿し水組成物について、下記(a)のように液
の濃縮化適性を評価した。更に実施例1〜6で調製した濃縮湿し水組成物を水道水を用いて0.001〜5%の濃度に希釈し、pHを4.0〜5.0に調製した。
これらの希釈液で三菱ダイヤマチック印刷機(枚葉4色機)のダイヤ連続給水装置を用いて富士写真フィルム(株)製のVPSを標準条件で製版したものを使用して下記の印刷テスト(b)〜(e)を実施した。それらの結果を表3及び表4に示した。
(a)液の濃縮化適性
上記のように調合した濃縮湿し水組成物を10mlバイアル瓶に入れ、液の均一混合性及び貯蔵安定性を調べた。
・1ヶ月間放置しても変化無し A
・成分の沈降物、浮遊物が少量発生する B
・完全に相分離する C
(b)耐ローラ剥げ性
印刷部数5,000枚、10,000枚、20,000枚で印刷機を一時止め、インキ供給ローラ表面上のインキ膜の剥げ状態を目視観察した。
・印刷部数50,000枚以上でもローラ剥げなし A
・印刷部数10,000〜50,000枚の間でローラ剥げ発生 B
・印刷部数10,000以下でローラ剥げ発生 C
(c)耐水棒絡み性
上記のように印刷機を一時止め、湿し水を汲み上げる水棒(水元ローラ)の表面上のインキの付着状態を目視観察した。
・印刷部数50,000枚以上でもインキ絡みなし A
・印刷部数10,000〜50,000枚の間でインキ絡みなし B
・印刷部数10,000以下でインキ絡み発生 C
(d)耐網点絡み性(耐ストップ汚れ性)
印刷機を1時間、2時間、4時間・・・それぞれ停止した後、印刷版の網点のインキ絡みを拡大鏡で目視観察すると共に印刷を再開した後の印刷物の網点再現性(網点95%)を調べた。
・4時間以上停止しても網点汚れ無し A
・2〜4時間停止すると網点汚れ発生 B
・1時間停止すると網点汚れ発生 C
(e)印刷物品質
印刷物の汚れ、濃度ムラ、色ムラなどを調べた。
・印刷品質が良好 A
・印刷品質に問題がある B
比較例
表2に記載の組成に従って比較例1〜6の濃縮湿し水組成物をそれぞれ調製した。
Figure 0005163841
純水で全量を1000mlとした。
上記の如く調製した比較例1〜6の濃縮湿し水組成物を用いて、実施例1〜6と同じ方法で印刷テストを実施した。それらの結果を表5及び表6に示した。



Figure 0005163841
Figure 0005163841
実機試験(印刷機による印刷試験)
上記実施例1、実施例2、及び比較例4の各濃縮湿し水組成物を水道水で希釈して1.5%溶液の湿し水とし、各例についてFMスクリーン印刷及び紫外線硬化印刷の印刷試験を行った。
印刷条件は下記の通りである。
I.FMスクリーン印刷
印刷機:ハイデル スピードマスター 菊全4色
刷版 :富士写真フィルム製 HPS FM スクリーン
湿し水:1.5%希釈液(いずれもpH4.5)
インキ:T & K Toka lL−SOYA・HS
用紙 :コート紙
II.紫外線硬化印刷
印刷機:ハイデル 菊半裁 6色機 UV5灯付
刷版 :富士写真フィルム製
湿し水:1.5%希釈液(いずれもpH4.5)
インキ:T & K Toka UV VNL・H
IPA:5%添加
用紙 :シーダス PPS−C H−55 HYNT 0.2mm
結果は次の通りであった。
比較例4の湿し水を用いた場合には、FMスクリーン印刷及び紫外線硬化印刷のいずれにおいても、水棒絡みやローラ剥げが発生しやすく、高品質の印刷物は得られなかった。特に休憩時間(1時間)後の立ち上げ時にはインキの絡み汚れが認められ、刷版をプレートクリナーで洗浄しなければ回復できなかった。
上記に対し実施例1及び2の湿し水を使用した場合には、いずれの印刷の場合も上述したような不具合の発生はなく、高品質の印刷物が得られた。

Claims (2)

  1. 下記:
    1)アルギン酸プロピレングリコールエステル、
    2)3,6‐ジメチル‐4‐オクチン‐3,6‐ジオール、3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール、3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール40%EO(エチレンオキサイド)付加物、及び3,4,7,9‐テトラメチル‐5‐デシン‐4,7‐ジオール60%EO付加物からなる群から選ばれるアセチレングリコール酸化エチレン付加物、
    3)1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール又は1,6−ヘキサンジオール、
    4)一般式(III)
    Figure 0005163841
    (式中、zは3〜12の整数を表す。)で示される平均分子量が300〜700である化合物、及び
    5)一般式(IV)
    Figure 0005163841
    (式中、pは1〜4の整数を、qは0〜1の整数を表す。)で示される化合物
    を必須成分としてなることを特徴とする平版印刷用濃縮湿し水組成物。
  2. 請求項1の濃縮湿し水組成物を水で30〜200倍に希釈した組成の平版印刷用湿し水組成物。
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