JP5162260B2 - アイスバンクシステムの運転制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば食品工場等でのいわゆるシャーベット状の氷を蓄えるアイスバンクシステム(蓄氷システム)において、所定温度のチルド冷水温度を維持し、かつ効率良く当該システムを運転するためのアイスバンクシステムの運転制御方法に関するものである。
食品工場や乳製品関連工場等では、いわゆるチルド冷水と呼ばれるたとえば0℃〜1.5℃の低温の冷水を使用しているが、このような低温の冷水を製造、供給するためのいわゆるアイスバンクシステムとして、従来から外融式のスタティック型アイスバンクが採用されている。スタティック型アイスバンクは、いわゆる「氷のもち(氷相の持続性)」が良く、冷凍冷蔵史から考えても、食品工場には受け入れられ易いものであった。しかしながら「氷のもち」が良いことは、逆に言えば、「解氷特性が悪い」ということであるので、チルド冷水の温度制御には、これまで多くの労力とノウハウがつぎ込まれてきた。
一方、前記したスタティック型アイスバンクに対し、「解氷特性が良い」ダイナミック型アイスバンクの中で、水の過冷却現象を利用したものが食品工業にとっては有望である。しかしながらこのダイナミック型アイスバンクによるチルド冷水の温度制御方法は未だ確立していないのが現状である。
アイスバンクシステムでのチルド冷水の温度制御には、前提として満蓄状態の検知と、蓄氷停止および蓄氷開始(再開)の運転制御が必要であるが、この点に関連した公知技術としてはいわゆる負荷予測技術があり、特開2002−277018「空気調和装置」(特許文献1)に開示されているような昼間の外気温による目標蓄熱量の設定や、特開平6−74499「氷蓄熱装置」(特許文献2)に開示されている前日の空調機の使用熱負荷量による目標蓄熱量の設定等が挙げられる。
しかしながら、負荷予測や製造冷熱量の演算には当然誤差が含まれ、目標蓄熱量は大きな誤差を含むおそれがある。特に従来のスタティック型アイスバンクでの過度の蓄氷は、特開平11−287541「氷蓄熱装置および氷蓄熱装置の運転制御方法」(特許文献3)で指摘されたブリッジングや、特開平9−128642「水冷蓄熱式飲料装置」(特許文献4)で指摘されたコイル凍結(変形・破壊)の問題につながるため、アイスバンクシステムでの満蓄状態は、演算だけではなく、別途に検知する必要がある。
この点に関し、たとえば、特開2005−114338「満氷感知装置及びその感知方法」(特許文献5)、特開平9−72582「蓄熱式冷水装置」(特許文献6)での水位センサによる氷量検知、特開平8−287345「自動販売機の冷却制御装置」(特許文献7)における着氷量を検知するアイスバンク検知手段等は、これに関する先行公知技術として挙げることができる。
特開2002−277018号公報 特開平6−74499号公報 特開平11−287541号公報 特開平9−128642号公報 特開2005−114338号公報 特開平9−72582号公報 特開平8−287345号公報
しかしながら、特許文献5〜7に記載した氷量検知技術は、いずれもスタティック型アイスバンクに用いられるものであり、そのままではシャーベット状の氷を製造して蓄氷していくダイナミック型のアイスバンクシステムには適用できない。すなわち、スタティック型の氷蓄熱槽では氷は常に水没している状態なので、IPFが高くなる(蓄氷量が多くなる)に伴って、氷と水の密度差によって氷蓄熱槽内の水位が上昇する。このことを利用してスタティック型では水位センサによって水と氷の割合、すなわちIPFを検知することが行なわれている。しかしながらダイナミック型の氷蓄熱槽では、水面下だけでなく水面上にもシャーベット状の氷層が蓄えられる。そして水面下のシャーベット状の氷層には「雪のような氷」と「水」が混在し、水面上のシャーベット状の氷層には「雪のような氷」と「空気」が混在している。これら「氷」、「水」、「空気」の割合は未知であるので、スタティック型のように水位センサの値によってIPFを検知することは不可能である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ダイナミック型のアイスバンクシステムにおいて氷蓄熱槽内にある氷の蓄氷状態を的確に検出し、蓄氷停止および蓄氷開始の運転制御を好適に実施することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明は、過冷却器で製造される氷・水スラリーを蓄える氷蓄熱槽を有し、冷却負荷に対して前記氷蓄熱槽からの冷水を供給するように構成された蓄氷運転及び解氷運転の双方が可能なダイナミック型のアイスバンクシステムにおいて、前記氷蓄熱槽内における氷の蓄氷量を、氷の盛り上がり高さに基づいて検出する検出センサを備え、前記冷却負荷からの還水を前記氷蓄熱槽内に供給して前記解氷運転は行なわれるようにし、前記検出センサの検出結果に基づいて予め設定した満蓄氷充填率(IPFfull)と、常に所定の温度以下の冷水が取水可能な最小氷充填率(IPFmin)との間に、最大氷充填率(IPFmax)を設定し、
前記氷蓄熱槽内にある氷の充填率が、満蓄氷充填率(IPFfull)以上になった時点で蓄氷運転を停止し、
前記氷蓄熱槽内にある氷の充填率が前記最大氷充填率(IPFmax)以下になった時点で、蓄氷運転を開始するようにし、
さらに、一日の間で変化する氷充填率の最小値が、前記最小氷充填率(IPFmin)を下回らないように、前記最大氷充填率(IPFmax)が設定されていることを特徴とする、アイスバンクシステムの運転制御方法である。
発明者らが調べたところ、氷・水スラリー状態で槽内に蓄氷していく場合、その盛り上がり状況と、氷の蓄氷量とは一定の関係があることが判明した。したがって、シャーベット状の氷が槽内に蓄積して盛り上がり高さを検出することで、槽内の氷の満蓄状態をはじめとして蓄氷量も的確に知ることができる。ここでいう盛り上がり高さとは、槽内の水面からの高さであり、盛り上がった部分のうち最も高い部分までの高さをいう。
このような検出センサとしては、たとえば前記氷蓄熱槽の氷に向けて上方から超音波を発信して、水面上の氷の盛り上がり高さを検出する超音波高さ計を挙げることができる。その他、レーザー方式の距離測定計、静電容量の検出による距離測定計を用いてもよい。
解氷に当たっては、槽内の氷の上方から散水する散水方式と、槽内の水面下側方から槽内の氷に噴水して解氷する噴流方式が考えられる。散水方式は冷却負荷からの還水を、たとえば槽上部に設けたスプレイノズルなどから氷層上面に散水して、水平面上で均一に氷を融解するものである。噴流方式は負荷からの還水を、たとえば槽内水面下100〜200mmに設けた水中ジェットノズルから氷層に噴出して、氷を融解するものである。
散水方式での解氷過程では、水平面上に均一に散水されるので、蓄氷量の減少に伴って氷の盛上り高さも低くなるので、氷の盛上り高さによるIPF検知には好都合である。したがって、冷却負荷からの還水を氷蓄熱槽内に供給して前記解氷運転は行なわれるようにし、検出センサによって予め設定した満蓄氷充填率(IPFfull)と、常に所定の温度以下の冷水が取水可能な最小氷充填率(IPFmin)との間に最大氷充填率(IPFmax)を設定し、氷蓄熱槽内にある氷の充填率が、満蓄氷充填率(IPFfull)以上になった時点で蓄氷運転を停止し、前記氷蓄熱槽内にある氷の充填率が前記最大氷充填率(IPFmax)以下になった時点で、蓄氷運転を開始するような運転方法にも、もちろん使用することが可能である。
ただし、スプレイノズルから氷層への散水を水平面に均一化するためには、スプレイノズルの散水角度に応じた空間高さ(氷層とスプレイノズルの距離)が必要になる。この空間により、槽内の容積を蓄氷に有効利用できないため、噴流方式に比べて大きな槽が必要になるという点があり、槽の大きさに制限を受ける場合には、必ずしも最良の方式とは言えない。
この点噴流方式では、噴流によって槽内水面下で氷が融解され、氷層が崩落しながら解氷過程が進行するので、槽内の高さ方向のスペースを節約することが可能である。しかしながら解氷過程での氷層の崩落により、氷の盛上り高さによっては、IPF(Ice Packing Factor)とも呼称される蓄氷率が正確に検知できない事態も予想される。
そこでかかる点に鑑み、冷却負荷からの還水を、前記氷蓄熱槽の水面下側方から槽内の氷に供給して解氷するようにした場合には、氷の充填率が前記最大氷充填率(IPFmax)以下になった場合に蓄氷運転を開始することに代えて、冷却負荷に供給する冷水の供給冷熱量の積算値が、前記満蓄氷充填率(IPFfull)と最大氷充填率(IPFmax)の差に相当する蓄氷量(Qice)以上になった時点で蓄氷運転を開始するように制御することが提案できる。
本発明によれば、ダイナミック型のアイスバンクシステムにおいて氷蓄熱槽内にある氷の蓄氷状態を的確に検出して、蓄氷停止および蓄氷開始の運転制御を好適に実施することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態にかかるアイスバンクシステムの概要を示しており、氷蓄熱槽1内の下部には、パンチングメタル等によって構成された中空状の取水部2が複数設けられている。これら取水部2に連通している第1の取水管3を通じて、ポンプ4によって取水された槽内の水は、過冷却器11へと送られ、冷凍機12で生成されてポンプ14で供給される冷凍ブラインとの間で熱交換されて、0℃以下の過冷却水が製造される。本実施の形態における過冷却器11は、プレート型熱交換器を採用しているが、シェルアンドチューブ型の熱交換器を用いてもよい。
過冷却器11で製造された過冷却水は、過冷却解除器13へと送られて過冷却状態が解除され、氷・水スラリーとなって、供給管5を通じて氷蓄熱槽1内へと供給され、槽内に蓄氷される。本実施の形態では、槽内において水平に配管された供給管5に、複数の吐出管6が垂直に接続されており、吐出管6の先端は槽内の水面の上方に位置するように配管されている。したがって図1に示したように、吐出管6の先端から氷・水スラリーが垂直に噴き上げられると、その周囲にシャーベット状の氷が堆積していく。
取水部2に連通している第2の取水管21を通じて、ポンプ22a〜22cによって取水された槽内の冷水は、チルド冷水として冷却負荷23へと送られる。そして冷却負荷23からの昇温した還水は、還水管24を通じて氷蓄熱槽1内に供給される。還水管24の槽内での吹出口24aは、槽内水面下の100〜200mmに位置しており、たとえばジェットノズル構成として、還水を氷Pに向けて側方から水平に噴流させて、氷Pを融解して解氷する。
第2の取水管21には、チルド冷水の流量を測定する流量計25、チルド冷水の温度を測定する温度センサ26が設けられている。また還水管24にも還水の温度を測定する温度センサ27が設けられている。これによって、冷却負荷23に供給する供給冷熱量の積算値を測定することができる。
そして第2の取水管21と還水管24との間には、バイパス管28が配管され、このバイパス管28には、流量制御弁29が設けられている。
氷蓄熱槽1内の上方には、氷蓄熱槽1内の氷Pに向けて超音波を発信して、水面上の氷の盛り上がり高さを検出する超音波高さ計31が設けられている。この超音波高さ計31は、たとえば超音波を対象物に発信して、当該対象物からの反射波や透過波の強度、伝搬時間等を測定して、対象物までの距離を測定するものである。発信先、すなわち高さを測定する地点は、氷層が最も厚い箇所を設定し、吐出管6の吐出口の近くとすることが好ましい。これは測定地点が吐出口に近すぎて、上方向に吹き上がる氷・水スラリーの流れの影響を受けないようするためである。具体的には、たとえば吐出口から水平方向に約30cm程度離れたところが適当である。
前記超音波高さ計31を使用すれば、氷Pの盛り上がり高さを測定することで、氷蓄熱槽1内の氷PのIPFを計測することができる。発明者らが実際に検証したところを次に示す。
図2に、蓄氷量と氷の盛上り高さの関係を示した。これは4回の製氷(蓄氷)運転を実施し、「IPFと氷の盛上り高さの関係」の再現性を確認したものであり、図2のように、IPFが20%のときの氷の盛上り高さは260±25mm程度、IPFが30%のときは350±25mm程度、IPFが40%のときは460±25mm程度であったことがわかった。
本システムで製造された氷はスラリー状であり、図3のように、槽内の氷層上面に供給されたスラリー状の氷は、氷層の低い部分に流れて堆積する。したがって、槽内の残氷に関わらず、満蓄時の盛上り高さ、たとえばIPFが40%のときの盛上り高さは、毎回ほぼ同じ値になる。図4にはかかる事象の確認試験の結果として、IPFが35%以下から40%以上までの製氷(蓄氷)と解氷とを3回繰り返し、最後にIPFが10%以下まで解氷したときの、氷の盛上り高さの時間変化をIPFの時間変化とともに示したものである。このときの解氷は、前記した噴流方式である。これによれば、IPFが0%から製氷(蓄氷)を開始した場合と同様に、IPFが40%の満蓄状態は、400〜450mmの氷の盛上り高さで検知できることがわかる。
このようにして前記超音波高さ計31を使用して、氷Pの盛り上がり高さ、すなわち水面Lから最も盛り上がった部分までの高さhを測定することで、氷蓄熱槽1内の氷PのIPFを計測することができる。
本実施の形態のアイスバンクシステムは、制御装置Cによって制御され、たとえばチルド冷水の流量を測定する流量計25、チルド冷水の温度を測定する温度センサ26、27の信号は制御装置Cへと出力され、冷却負荷23に供給する供給冷熱量の積算値が算出される。一方、超音波高さ計31による高さ信号も制御装置Cへと出力され、予め設定していた高さ−満蓄状態の関係によって、IPFfullが検出されるようになっている。そしてこれらの信号に基づいて、制御装置Cは、冷凍機12、ポンプ4、14等を制御して、蓄氷運転の発停の制御を行なう。
なお図1に示したシステム構成例は、主要部分を示しており、実際の現場で施工する場合には、たとえば冷却負荷23と氷蓄熱槽1との間の配管を直接行なわずに、間に放熱器として水−水熱交換器を介在させたり、あるいは製氷系についても、第1の取水管3に水−水熱交換器を介在させて、冷却負荷への循環系との間で熱交換して昇温した後の水を過冷却器11に送るようにしてもよい。
次に以上の構成にかかるアイスバンクシステムの運転制御例について説明する。本システムではIPFが50%までの蓄氷が可能であるが、所定の製氷能力qiceと所定の槽内の水張り量において、IPFが50%以下のところで、最大氷充填率(IPFmax)が設定される。ここで前提となる蓄氷可能IPFが50%というのは、装置や氷蓄熱槽の耐久性の面から、設計上これ以上貯めないと、設計者あるいは運用者が定めた値である。
またIPFmaxの設定は、次のようにして行なわれる。まず冷却負荷23の最大負荷条件の冷却負荷の時間変化に基づいて取水温度を演算して、常に所定の温度以下の取水が可能な最小氷充填率IPF(IPFmin)を求めておく。発生する負荷が蓄氷能力を超えた場合にはIPFが低下していくが、この低下していったIPFがIPFminを下回るかどうかは、後述のようにIPFmaxの設定値に拠る。一方冷凍機の頻繁な発停を抑えるためには、蓄氷運転が停止される満蓄検知のIPF(IPFfull)とIPFmaxとの間のIPFの差が大きいほどよい。つまりIPFmaxが小さいほど冷凍機の頻繁な発停の回数は減少する。なお各IPFの値の大小は、蓄氷可能IPFの50%≧IPFfull>IPFmax>IPFminである。
そして低下していくIPFがIPFminを下回るかどうかについては、前記したようにIPFmaxの設定値に左右される。これを図5〜図7に基づいて詳述すると、図5は、あるアイスバンクシステムにおいて、蓄氷可能IPFが50%、IPFfullが45%、IPFmaxが40%、IPFminが20%の運転例を示している。ここで超音波高さ計31による満蓄検知のIPF(IPFfull)は、前記した蓄氷可能IPFから、設計余裕分のIPF分、たとえば5%を減じた値としている。なおこのシステムは、たとえば乳製品関連工場に設置するシステムであり、工場の製造時間帯は9時〜22時であり、冷凍機も22時で停止するが、その後もたとえば製品を低温で保管するためなどして低負荷が発生し、24時間チルド冷水を供給するという条件の設備に対応したシステムである。そして負荷のピーク時には、蓄氷能力以上の負荷が発生する設備を対象としている。なおこの設備に供給するチルド冷水の許容上限温度は、1℃である。
図5に示したように、このシステムではチルド負荷と製氷能力の大小によって氷蓄熱槽内の氷の量が増減して、IPFは一日の間で25%変化するが、図5の例では、適切にIPFmaxが定められているので、一日を通じてIPFが20%を下回ることはなく、したがって供給するチルド冷水の温度が1℃を超えることはない。それゆえIPFmaxが40%という設定は適正なものである。
しかしながら供給するチルド冷水を低温に維持するためには、氷蓄熱槽内に多くの氷があるほどよく、これを換言すれば氷蓄熱槽内に氷が少ないとき、すなわちIPFが小さいときには、チルド冷水の温度が上がり易くなる。たとえば、図6に示したように、IPFmaxを35%と設定すると、15時〜18時にはIPFが15%となってしまい、供給するチルド冷水の温度が1.1℃となってしまい、許容上限値の1℃を超えてしまう。同様に、図7に示したように、IPFmaxを30%と設定すると、15時〜18時にはIPFが10%となってしまい、供給するチルド冷水の温度が1.2℃となってしまい、許容上限値の1℃を超えてしまう。したがって、IPFmaxの設定は、負荷の発生量と稼働時間等を考慮し、一日の間で変化するIPFを勘案して、最小IPFがIPFminを下回らないように設定する必要がある。
そして本システムはこのようにして定めたIPFmaxと本システムの蓄氷可能IPF(50%)の間で、氷層の盛上り高さに基づき、超音波高さ計31による満蓄検知のIPF(IPFfull)を定める。このように定める事で、満蓄氷充填率(IPFfull)と、常に所定の温度以下の冷水が取水可能な最小氷充填率(IPFmin)との間に最大氷充填率(IPFmax)が設定されることになる。そして満蓄氷充填率(IPFfull)と最大氷充填率(IPFmax)の差に相当する蓄氷量(Qice)を予め求めておく。
このように設定した状態で、満蓄状態(=IPFfull)で蓄氷運転が停止している状態から冷却負荷23へのチルド冷水への供給運転を開始すると、冷却負荷23に供給する冷水の供給冷熱量の積算値が、前記満蓄氷充填率(IPFfull)と最大氷充填率(IPFmax)の差に相当する蓄氷量(Qice)を上回った時点で、冷凍機12、ポンプ4、14等が作動し、蓄氷運転を開始される。
そして超音波高さ計31が、満蓄氷充填率(IPFfull)の高さを検出した時点で、冷凍機12、ポンプ4等を停止し、蓄氷運転を停止させる。したがって、常に所定の満蓄IPF(IPFfull)を目標に蓄氷運転がなされ、また最小IPF(IPFmin)以上の蓄氷量が常に確保されることになる。この場合、製氷能力よりも冷却負荷23の負荷が大きい時にはIPFは減少し、逆に冷却負荷よりも製氷能力が大きい時にはIPFは増加するので、過冷却器13の製氷能力は、冷却負荷のピークよりも大きく設定しておくことが望ましい。もちろんIPFmaxは、既述したように、対象とする負荷に対して運転した場合に、変化するIPFがIPFminを下回らないように設定しておく事が必要である。
なお冷凍機12の発停は、これを短時間のサイクルで頻繁に行なう事は好ましくないので、前記した蓄氷運転の開始、停止は、冷凍機12のON−OFF時間を考慮して行なうことが好ましい。たとえばON−OFF時間の間隔は0.5時間以上確保するようにして、運転制御を実施することが好ましい。
すなわち、IPFfullとIPFmaxとの差に相当する蓄氷量Qiceを、製氷能力qiceで除した時間が、0.5時間以上となるように満蓄氷充填率(IPFfull)と最大氷充填率(IPFmax)を定めることが好ましい。
それを考慮した例としては、たとえば製氷能力qiceが140[Rt](423[Mcal/h])、槽内水張り量が68[m]において、最大負荷条件の冷却負荷の時間変化に基づいて取水温度を演算して、IPFmin=20%、IPFmax=40%と定める。次に氷層の盛上り高さに基づいて、たとえばIPFfullを45%と定める。したがって、蓄氷可能IPFは50%、IPFfullは45%、IPFmaxは40%、IPFminは20%である。
そうするとIPFfullとIPFmaxとの差の5%に相当するQiceは68[m]×80[Mcal/m]×0.05/3.024=90[Rt・h](272[Mcal])であり、このQiceをqiceで除した時間は、
90[Rt・h]/140[Rt]=0.64[h]となる。
これは、0.5[h]以上であるので、冷凍機12の頻繁なOn−Off運転にはならない。したがって、満蓄後に供給冷熱量の積算値が90[Rt・h](272[Mcal])以上になったときに、製氷を開始(再開)するように設定すれば、冷凍機12のON−OFFを頻繁に行なう事はない。
ところで冷却負荷23へのチルド冷水の供給冷熱量は、取水温度の流量と温度に基づいて積算されるが、冷却負荷の時間変化に基づいた取水温度の演算には誤差が含まれる場合がある。この場合、冷却負荷23に供給するチルド冷水の温度が所定の温度以上に上昇する可能性もある。
これに対処するため、チルド冷水が所定の温度(たとえば1℃)以上になると流量制御弁28を開く。そうすると、氷蓄熱槽1から取水された冷水は、還水管24にも供給され、合流後の還水管24の水温は低温になり、水の流量は増加する。その結果、還水管24を経て槽内の吹出口24aから噴出される水の温度が低温になり、取水温度が低下する。他方、吹出口24aから噴出される水の流量が増加すると噴出流速が速くなり、氷Pの融解性能は向上する。
一方、バイパス管28の流量制御弁29が開いているときに取水温度が0.5℃以下になると、流量制御弁29を閉じる。温度センサ27によって検出される還水管24の水の温度は上昇し、水の流量は減少する。還水管24を経て槽内の吹出口24aから噴出される水の温度が上昇すると、取水温度も上昇する。他方、吹出口24aから噴出される水の流量が減少すると噴出流速が遅くなり、氷Pの融解性能は低下するようになる。
このような温度センサ27からの還水の温度に基づいて、バイパス管28の流量制御弁29の開閉制御を行なう事で、冷却負荷23に供給するチルド冷水の温度、並びに過冷却器11へ供給される冷水の温度は所定温度に維持され、チルド冷水の水温上昇をリカバーすると共に、過冷却器11へ供給される水に対する予熱を極力押えることが可能になり、本システムの高効率運転を実現するものである。このような制御も制御装置Cによって行なうことができる。
本発明は、食品工場や乳製品関連工場等に対して、いわゆるチルド冷水と呼ばれるたとえば0℃〜1.5℃の低温の冷水を供給するシステムに有用である。
実施の形態にかかるアイスバンクシステムの構成を示す説明図である。 蓄氷量(IPF)と氷の盛上り高さの関係を示すグラフである。 スラリー状の氷が槽内の氷層上面に供給され、氷層の低い部分に流れて、氷が堆積する様子を模式的に示した説明図である。 IPFが35%から40%までの繰り返したときの氷の盛上り高さの時間変化を、IPFの時間変化とともに示したグラフである。 所定の負荷を有する設備に対して所定の製氷能力を持ったシステムを適用した場合の、IPFmaxを40%に設定した際のチルド冷水の温度とIPFの変化を示すグラフである。 所定の負荷を有する設備に対して所定の製氷能力を持ったシステムを適用した場合の、IPFmaxを35%に設定した際のチルド冷水の温度とIPFの変化を示すグラフである。 所定の負荷を有する設備に対して所定の製氷能力を持ったシステムを適用した場合の、IPFmaxを30%に設定した際のチルド冷水の温度とIPFの変化を示すグラフである。
符号の説明
1 氷蓄熱槽
2 取水部
3 第1の取水管
4、14、22a〜22c ポンプ
5 供給管
6 吐出管
11 過冷却器
12 冷凍機
13 過冷却解除器
21 第2の取水管
23 冷却負荷
24 還水管
24a 吹出口
25 流量計
26、27 温度センサ
28 バイパス管
29 流量制御弁
31 超音波高さ計
C 制御装置
L 水面
P 氷

Claims (3)

  1. 過冷却器で製造される氷・水スラリーを蓄える氷蓄熱槽を有し、冷却負荷に対して前記氷蓄熱槽からの冷水を供給するように構成された蓄氷運転及び解氷運転の双方が可能なダイナミック型のアイスバンクシステムにおいて、
    前記氷蓄熱槽内における氷の蓄氷量を、氷の盛り上がり高さに基づいて検出する検出センサを備え、
    前記冷却負荷からの還水を前記氷蓄熱槽内に供給して前記解氷運転は行なわれるようにし、
    前記検出センサの検出結果に基づいて予め設定した満蓄氷充填率(IPFfull)と、常に所定の温度以下の冷水が取水可能な最小氷充填率(IPFmin)との間に、最大氷充填率(IPFmax)を設定し、
    前記氷蓄熱槽内にある氷の充填率が、満蓄氷充填率(IPFfull)以上になった時点で蓄氷運転を停止し、
    前記氷蓄熱槽内にある氷の充填率が前記最大氷充填率(IPFmax)以下になった時点で、蓄氷運転を開始するようにし、
    さらに、一日の間で変化する氷充填率の最小値が、前記最小氷充填率(IPFmin)を下回らないように、前記最大氷充填率(IPFmax)を設定することを特徴とする、アイスバンクシステムの運転制御方法。
  2. 過冷却器で製造される氷・水スラリーを蓄える氷蓄熱槽を有し、冷却負荷に対して前記氷蓄熱槽からの冷水を供給するように構成された蓄氷運転及び解氷運転の双方が可能なダイナミック型のアイスバンクシステムにおいて、
    前記氷蓄熱槽内における氷の蓄氷量を、氷の盛り上がり高さに基づいて検出する検出センサを備え、
    前記冷却負荷からの還水、前記氷蓄熱槽の水面下側方から槽内の氷に供給して前記解氷運転は行なわれるようにし、
    前記検出センサの検出結果に基づいて予め設定した満蓄氷充填率(IPFfull)と、常に所定の温度以下の冷水が取水可能な最小氷充填率(IPFmin)との間に、最大氷充填率(IPFmax)を設定し、
    前記氷蓄熱槽内にある氷の充填率が、満蓄氷充填率(IPFfull)以上になった時点で蓄氷運転を停止し、
    前記冷却負荷に供給する冷水の供給冷熱量の積算値が、前記満蓄氷充填率(IPFfull)と最大氷充填率(IPFmax)の差に相当する蓄氷量(Qice)以上になった時点で蓄氷運転を開始するようにし、
    さらに、一日の間で変化する氷充填率の最小値が、前記最小氷充填率(IPFmin)を下回らないように、前記最大氷充填率(IPFmax)が設定されていることを特徴とする、アイスバンクシステムの運転制御方法。
  3. 前記検出センサは、前記氷蓄熱槽の氷に向けて上方から超音波を発信して、水面上の氷の盛り上がり高さを検出する超音波高さ計であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアイスバンクシステムの運転制御方法
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