JPH08219609A

JPH08219609A - ダイナミック氷蓄熱槽

Info

Publication number: JPH08219609A
Application number: JP2539795A
Authority: JP
Inventors: Noriyasu Maehara; 則保前原
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1995-02-14
Filing date: 1995-02-14
Publication date: 1996-08-30

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、氷スラリ輸送を実施する際、均一な
ＩＰＦの氷スラリの取り出しができるダイナミック氷蓄
熱槽を提供することを目的とする。【構成】放熱時に冷熱負荷に対して、貯えた氷スラリを
供給するダイナミック氷蓄熱槽１００において、氷を所
定の位置に集める金網メッシュ５と、金網メッシュ５を
上下動するための空気タンク６と、レベルセンサ１１４
と、氷スラリの導電率を計測する導電率計７と、撹拌機
１３と、空気タンクに空気を供給するコンプレッサ１２
と、空気タンクへの空気量を調整するための電磁弁１
０、１１と、導電率計７からの信号を入力して氷残存量
を算出するＩＰＦ変換器８と、氷スラリ中の氷の密度を
判断し、電磁弁１０、１１に制御信号を出力することに
より、氷スラリの氷密度を調節し、冷熱負荷に対して一
定の比熱の氷スラリを供給するための調節器９を槽外に
具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地域冷暖房プラント及
びビル空調設備等に利用されるダイナミック氷蓄熱槽に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のダイナミック氷蓄熱槽を図５及び
図６に示す。従来のダイナミック氷蓄熱槽は、槽内底部
に氷スラリ抜き出し用の配管１０４を設置し、槽上部に
冷水リターンをシャワー状に散水する散水管１０３を設
置した構造になっている。

【０００３】放熱時は蓄熱槽底部から氷スラリを抜き出
し、二次側空調設備において、１４℃程度まで冷熱を使
用した後、蓄熱槽上部から散水し、槽内の氷の解氷放熱
を行なう。

【０００４】また、製氷蓄熱時には槽底部に設置された
冷水抜出配管１０２から冷水を抜きだし、ダイナミック
ターボ冷凍機により、−１．５℃の過冷却水まで、冷却
した後、蓄熱槽上部から放水し、放水時の衝撃によりダ
イナミック水を蓄熱槽内に形成する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のダイナミック氷
蓄槽においては、（１）ダイナミック氷は浮力により、上へ上昇するた
め、高密度熱輸送等のダイナミック氷が水とある一定の
比率で混合した氷スラリの状態で取り出したい場合に
は、槽内で氷の分布が不均一な状態になる。そのため、
氷の水の混合比率の制御は困難である。（２）ダイナミック氷放熱後の冷水リターンは、シャワ
ー状に散水しているにもかかわらず、氷蓄熱槽内でショ
ートパスが発生し、温度の高い冷水がそのまま氷スラリ
抜出配管に吸引される現象がよく見られる。（３）氷蓄熱システムでは、潜熱による蓄熱であるた
め、放熱工程途中における残存蓄熱量の把握は、熱収支
に基づくため誤差が大きい。

【０００６】そのため、（Ａ）所定の水とダイナミック
氷比率の氷スラリの取り出し、（Ｂ）均一なダイナミッ
ク氷の払出し、が困難である。本発明はこれらの問題を
解決することができるダイナミック氷蓄熱槽を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るダイナミッ
ク氷蓄熱槽は、氷スラリ抜出配管と過冷却水供給配管と
冷水リターン配管と冷水抜き出し配管を有し、蓄熱時に
冷凍機により製造された氷スラリを貯え、放熱時に冷熱
負荷に対して、貯えた氷スラリを供給するダイナミック
氷蓄熱槽において、（Ａ）氷を所定の位置に集める金網
メッシュと、（Ｂ）前記金網メッシュを上下動するため
の浮力を発生する空気タンクと、（Ｃ）前記金網メッシ
ュの氷蓄熱槽内での位置を検出するレベルセンサと、
（Ｄ）前記氷蓄熱槽中の氷スラリの導電率を計測する導
電率計と、（Ｅ）前記氷蓄熱槽内の氷と水を均一に混合
するための撹拌機を氷蓄熱槽内に具備するとともに、
（Ｆ）前記空気タンクに空気を供給するためのコンプレ
ッサと、（Ｇ）前記空気タンクへの空気量を調整するた
めの電磁弁と、（Ｈ）前記導電率計からの信号を入力し
て氷残存量を算出するＩＰＦ変換器と、（Ｉ）前記レベ
ルセンサから入力した金網メッシュの位置についての信
号と、前記ＩＰＦ変換器から入力した蓄熱槽内残存氷量
についての信号から、氷スラリ中の氷の密度を判断し、
電磁弁に制御信号を出力することにより、氷スラリの氷
密度を調節し、冷熱負荷に対して一定の比熱の氷スラリ
を供給するための調節器を槽外に具備することを特徴と
する。

【０００８】

【作用】本発明のダイナミック氷蓄熱槽１００内の導電
率計７により氷蓄熱槽中の氷スラリの導電率を計測し、
図４の導電率と残存氷量の相関関係グラフに基づき残存
氷量を算出する。

【０００９】また、レベルセンサ１１４の金網メッシュ
５の槽内位置信号から金網より上の氷スラリ量を算出
し、金網メッシュ５より上の水と氷の比率が所定値にな
る金網メッシュ５の水槽内での位置を算出する。

【００１０】また、調節器９は金網メッシュの位置が算
出された位置になる様、空気タンク６の浮力を調整する
ために電磁弁１０、１１の開閉制御を行なう。金網メッ
シュ５の上に捕集されているダイナミック氷は、冷水リ
ターン水流による旋回流と、撹拌機１３による強制旋回
により、均一に水と混合され、氷スラリとして蓄熱槽１
００から取り出される。

【００１１】蓄熱時においてはダイナミック氷蓄熱槽１
００の下部の配管４から冷水を抜き出し、製氷用チラー
すなわち蒸発器１６に送る。チラー（蒸発器）内では核
となる氷が混入して機器内に流入した場合、チラー（蒸
発器）内で凍結の危険性があるが、本発明の蓄熱槽では
金網メッシュ５により隔離されているので、水の巻込み
によるチラー（蒸発器）内での凍結を防止することがで
きる。

【００１２】

【実施例】本発明の第１実施例を図１〜図４に示す。図
１は、本発明のダイナミック氷蓄熱槽１００とダイナミ
ック製氷チラー１６とを組合せた例を示す。

【００１３】図２及び図３は、本発明のダイナミック氷
蓄熱槽の概念図を示す。図２に示す様に、金網メッシュ
５は、下に凹の山形になっており、この金網メッシュ５
が、周囲に取り付けられた空気タンク６の浮力により、
槽内を上下する際にダイナミック氷を、中心部に取り付
けられた氷スラリ抜出配管１の付近に集める。

【００１４】その際、氷スラリ抜出配管１付近に取り付
けられた撹拌機１３によりダイナミック氷と水が均一に
混合され、氷スラリとして取り出される。金網メッシュ
５は、周囲に取り付けられた空気タンク６内の空気量を
増減し、浮力を調整することにより、槽内のダイナミッ
ク氷を上部に捕集しながら、上下位置を調整する。

【００１５】氷蓄熱槽１００内の氷残存氷量の把握は、
蓄熱槽内の氷が増えれば導電率が増加することを利用
し、あらかじめ槽内氷残存量と、導電率の関係を計測し
両者の相関関係グラフを作成し、制御に使用する。

【００１６】図４に導電率と氷残存量の関係を示す。 I 蓄熱時ダイナミック氷蓄熱槽１００の底部の冷却抜き出し配管
４から抜き出された冷水は、製氷ポンプ１４により、フ
ィルタ１５を介して蒸発器（チラ−）１６へ導かれる。

【００１７】蒸発器１６内では、冷媒２２が膨張蒸発し
ており、蒸発した冷媒は圧縮器１７で圧縮された後、凝
縮器１８へ導かれ冷却水と熱交換して、凝縮し再び液化
した後、ポンプにより製氷ポンプ１４へ導かれるという
サイクルを繰り返す。

【００１８】このとき蒸発器１６へ導かれた冷水は、冷
媒２２の蒸発潜熱により冷却され−１．５℃程度まで氷
結せずに過冷却される。蒸発器１６内で製造された過冷
却水は、過冷却水供給配管２によりダイナミック氷蓄熱
槽１００へ導かれ、衝突板によって衝撃を与えられるこ
とにより過冷却が解除されて氷結し、水槽内へ落下す
る。

【００１９】このときダイナミック氷蓄熱槽内では、氷
結した氷と冷水が混じり合い氷スラリが形成され蓄熱さ
れる。また、この蓄熱時に冷水抜き出し配管４から氷晶
が侵入すると蒸発器１６内で過冷却水が凍結し、運転不
能になる恐れがあるが、本発明ではダイナミック氷蓄熱
槽内に金網メッシュ５が配置されているため、氷スラリ
と冷水が分離され、冷水抜き出し配管４に氷晶が混入す
ることはない。 II 放熱時放熱時には、ダイナミック氷蓄熱槽１００内に蓄積され
た氷スラリを氷スラリ抜出配管１から抜き出し、冷熱負
荷に供給する。

【００２０】冷熱負荷で温められた氷スラリは、リター
ン水となって冷水リターン配管３を通って槽内に返され
る。このとき、槽内に設置してある導電率計７によって
氷スラリの導電率を検出する。そして導電率から氷量を
計るＩＰＦ（ICE PACKING FACTOR）変換器８により、導
電率と槽内残存氷量の相関関係から、氷残存量を計算す
る。

【００２１】同時にレベルセンサ１１４で金網メッシュ
５の位置を検知し、金網より上の氷スラリ量を算出す
る。氷残存量の信号と氷スラリ量の信号は、調節器９に
入力され、ここで氷スラリ中の氷の密度が判断される。

【００２２】氷の密度が所定値より低ければ空気注入電
磁弁１１を開にする信号を出して、コンプレッサ１２か
らの空気を空気タンク６に送り込み、浮力を増して金網
メッシュ５を上方へ引き上げることによって氷の密度を
増すことができる。

【００２３】反対に、氷の密度が所定値より高ければ、
空気抜き電磁弁１０を開にする信号を出して、空気タン
ク６中の空気を大気中に放出することにより浮力を下
げ、金網メッシュ５を下方に下げることにより、氷の密
度を減少させることができる。

【００２４】このように金網メッシュ５の位置を調節す
ることにより、氷スラリ中の氷密度を常に一定に保つこ
とができ、且つ撹拌機１３により槽内の氷スラリを均一
に保つことができるため、冷熱負荷に対して常に一定の
氷密度で、且つ均一な氷スラリの供給をすることができ
る。

【００２５】

【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。（１）本発明の氷蓄熱槽により氷スラリ輸送（高密度輸
送）を実施する際、氷スラリとして氷蓄熱槽から取り出
す氷の比率がばらつく等の問題点を解決することができ
る。（２）そのため氷蓄熱槽放熱工程中、均一なＩＰＦ（IC
E PACKING FACTOR）の氷スラリの取り出しが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の構成を示す図。

【図２】第１実施例のダイナミック氷蓄熱槽を示す図。

【図３】図２のダイナミック氷蓄熱槽の平面図。

【図４】導電率と残存氷量の相関関係を示す図。

【図５】従来のダイナミック氷蓄熱槽を示す図（放熱
時）。

【図６】従来のダイナミック氷蓄熱槽を示す図（蓄熱
時）。

【符号の説明】

１…氷スラリ抜出配管、２…過冷却水供給配管、３…冷水リターン配管、４…冷水抜き出し配管、５…金網メッシュ、６…空気タンク、７…導電率計、８…ＩＰＦ変換器、９…調節器（槽内メッシュレベル調節器）、１０…空気抜き電磁弁、１１…空気注入電磁弁、１２…コンプレッサ、１３…撹拌機、１４…製氷ポンプ、１５…フィルタ、１６…蒸発器、１７…圧縮器、１８…凝縮器、１９…冷却塔、２０…冷却水ポンプ、２１…プレーと熱交換器、２２…冷媒、１００…ダイナミック氷蓄熱槽、１０１…過冷却水放出配管、１０２…冷水抜出配管、１０３…散水管、１０４…放熱用氷スラリ抜出配管、１１４…レベルセンサ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】氷スラリ抜出配管（１）と過冷却水供給
配管（２）と冷水リターン配管（３）と冷水抜き出し配
管（４）を有し、蓄熱時に冷凍機により製造された氷ス
ラリを貯え、放熱時に冷熱負荷に対して、貯えた氷スラ
リを供給するダイナミック氷蓄熱槽（１００）におい
て、（Ａ）氷を所定の位置に集める金網メッシュ（５）
と、（Ｂ）前記金網メッシュ（５）を上下動するための
浮力を発生する空気タンク（６）と、（Ｃ）前記金網メ
ッシュ（５）の氷蓄熱槽（１００）内での位置を検出す
るレベルセンサ（１１４）と、（Ｄ）前記氷蓄熱槽（１
００）中の氷スラリの導電率を計測する導電率計（７）
と、（Ｅ）前記氷蓄熱槽内の氷と水を均一に混合するた
めの撹拌機（１３）を氷蓄熱槽（１００）内に具備する
とともに、（Ｆ）前記空気タンクに空気を供給するため
のコンプレッサ（１２）と、（Ｇ）前記空気タンクへの
空気量を調整するための電磁弁（１０、１１）と、
（Ｈ）前記導電率計（７）からの信号を入力して氷残存
量を算出するＩＰＦ変換器（８）と、（Ｉ）前記レベル
センサ（１１４）から入力した金網メッシュ（５）の位
置についての信号と、前記ＩＰＦ変換器（８）から入力
した蓄熱槽内残存氷量についての信号から氷スラリ中の
氷の密度を判断し、電磁弁（１０、１１）に制御信号を
出力することにより、氷スラリの氷密度を調節し、冷熱
負荷に対して一定の比熱の氷スラリを供給するための調
節器（９）を槽外に具備することを特徴とするダイナミ
ック氷蓄熱槽。