JP5160958B2 - 眼底撮影装置及び眼底画像処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、被検眼の眼底を撮影してカラー画像を取得する眼底撮影装置、及び眼底のカラー画像を処理する眼底画像処理装置に関する。
眼科分野においては、眼底をカラー撮影するための各種の眼底撮影装置が従来から用いられている。このような装置としては、眼底カメラやスリットランプや手術用顕微鏡などが知られている(たとえば特許文献1〜6を参照)。
眼底のカラー撮影には、ハロゲンランプやキセノンランプ等の光源が用いられる。光源は、R(赤)成分、G(緑)成分、B(青)成分の各原色成分を含む光を発する。これら原色成分は、光源に応じた強度のバランス(色バランス)を有する。光源と被検眼との間にフィルタを設けて色バランスを調整する場合もある。なお、これら原色成分の波長帯は、一部重複しているのが一般的である。また、これら原色成分の眼底での反射率は互いに異なっている。
上記のような条件により、眼底のカラー撮影においては、一般に、G画像の濃度(明るさ)が適正になるように照明光の光量(強度)が設定される。また、一般に、任意の光量の照明光を用いる場合において、R画像はG画像より明るく、G画像はB画像より明るくなる。
特許文献1に開示された眼底撮影装置は、眼底の色を正確に表現するために、3つの原色成分の色バランスを調整する機能を備えている。また、特許文献2〜6に開示された眼底撮影装置は、医師等が視認しやすい画像を取得するために、被検眼を撮影するための照明光の光量を調整する機能を備えている。
また、近年では、眼底撮影装置により取得された画像を解析する技術が進展を見せている。たとえば、特許文献7には、カラー画像を構成する原色画像を解析して視神経乳頭部等を検出する技術が開示されている。
照明光のR成分、G成分及びB成分は、波長に応じて撮影部位への到達深度が異なる。たとえば眼底を撮影する場合、照明光のR成分は脈絡膜付近まで到達して反射されるので、R画像は網膜から脈絡膜付近に亘る領域を描写した画像となる。また、照明光のG成分は網膜の色素上皮層付近まで到達して反射されるので、G画像は網膜の色素上皮層付近までを描写した画像となる。また、照明光のB成分は網膜の表面付近で反射されるので、B画像は網膜の浅い領域を描写した画像となる。
特開平8−38430号公報 特開平7−16206号公報 特開平7−231876号公報 特開平8−52114号公報 特開2002−224036号公報 特開平7−5369号公報 特開2005−253796号公報
従来、眼底の画像解析においては、適正な濃度のG画像を解析対象とすることが多かった。特に、病変の観察では、一般にG画像が用いられ、G画像を解析して特定された病変部位をカラー画像に重ねて表示させるなどしていた。
このような従来の画像解析では、G画像に対応する深度にある病変部位を検出することはできるが、この深度にない病変部位を検出できない。すなわち、従来の画像解析では、眼底の特定の深度の状態しか把握できなかった。また、眼底のどの深度の状態が呈示されているか把握できないというデメリットもあった。
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、眼底のどの深度の状態が呈示されているかを容易に把握することが可能な眼底撮影装置及び眼底画像処理装置を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、眼底の様々な深度の状態をまとめて観察することが可能な眼底撮影装置及び眼底画像処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検眼の眼底に照明光を照射する照明手段と、前記眼底による前記照明光の反射光を受光し、前記眼底のカラー画像の画像データと、R成分、G成分及びB成分の3つの原色成分のそれぞれの画像データとを生成する生成手段と、前記3つの原色成分の画像データのうちの少なくとも1つを解析する解析手段と、表示手段と前記カラー画像又は前記原色成分の画像データに基づく原色画像と、前記解析手段により得られた解析結果と、前記解析された画像データに対応する原色成分の種別を表す種別情報とを前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする眼底撮影装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼底撮影装置であって、前記種別情報は、前記3つの原色成分のそれぞれに対して予め指定された前記解析結果の表示色である、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の眼底撮影装置であって、前記解析手段は、前記原色成分の画像データの画素値に基づいて、当該原色画像に描写された病変部位を特定し、前記制御手段は、前記解析結果として、前記特定された病変部位に相当する領域を表す病変部位画像を、前記カラー画像又は前記原色画像に重ねて表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の眼底撮影装置であって、前記解析手段は、前記3つの原色成分の画像データのうちの2つ以上を解析し、前記制御手段は、複数の原色成分の画像データに基づく複数の病変部位画像の位置が重なる場合に、サイズが小さい病変部位画像をサイズが大きい病変部位画像に重ねて表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼底撮影装置であって、前記照明手段は、光量の異なる照明光を前記眼底に順次に照射し、前記生成手段は、多量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記B成分の画像データを生成し、少量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記R成分の画像データを生成する、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼底撮影装置であって、前記照明手段は、互いに異なる3つの光量の照明光を前記眼底に順次に照射し、前記生成手段は、多量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記B成分の画像データを生成し、中間の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記G成分の画像データを生成し、少量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記R成分の画像データを生成する、ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼底撮影装置であって、前記照明手段は、眼底による前記3つの原色成分のそれぞれの反射率に対応するR成分、G成分及びB成分の色バランスを有する照明光を前記被検眼の眼底に照射する、ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の眼底撮影装置であって、前記照明手段は、眼底による前記3つの原色成分の反射光量が略等しくなるような前記色バランスを有するように前記照明光を照射する、ことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の眼底撮影装置であって、前記照明手段は、光源と、R成分の透過率がG成分の透過率以下でありかつG成分の透過率がB成分の透過率以下であるフィルタとを含み、前記光源から出力されて前記フィルタを透過した光を前記照明光として前記眼底に照射する、ことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、被検眼の眼底のカラー画像の画像データと、R成分、G成分及びB成分の3つの原色成分のそれぞれの画像データとを受け付ける受付手段と、前記3つの原色成分の画像データのうちの少なくとも1つを解析する解析手段と、表示手段と前記カラー画像又は前記原色成分の画像データに基づく原色画像と、前記解析手段により得られた解析結果と、前記解析された画像データに対応する原色成分の種別を表す種別情報とを前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする眼底画像処理装置である。
この発明によれば、カラー画像又は原色画像、及び解析結果とともに、解析された画像データに対応する原色成分の種別を表す種別情報を表示することができる。前述のように、3つの原色成分の画像データは、眼底の異なる深度を描写したものである。したがって、この発明によれば、眼底のどの深度の解析結果が呈示されているか、つまり眼底のどの深度の状態が呈示されているかを容易に把握することが可能である。
また、この発明によれば、3つの原色成分のうちの2つ以上の解析結果をカラー画像とともに表示させることにより、眼底の様々な深度の状態をまとめて観察することが可能である。
この発明に係る眼底撮影装置及び眼底画像処理装置の実施形態の一例を説明する。
[眼底撮影装置]
この実施形態に係る眼底撮影装置として、眼底カメラについて説明する。なお、スリットランプや手術用顕微鏡等の他の眼底撮影装置についても、この実施形態と同様の構成を適用することが可能である。
[構成]
この実施形態に係る眼底撮影装置の構成を説明する。図1〜図3は、この実施形態に係る眼底撮影装置の構成の一例を表している。眼底撮影装置1は、図2に示すような外観を有する。なお、眼底撮影装置1は、図2に示す眼底カメラ本体のみを含んで構成されていてもよいし、眼底カメラ本体と通信可能に接続されたコンピュータを更に含んで構成されていてもよい。
図2に示すように、眼底撮影装置1のベース2上には架台3が設けられている。架台3は、ベース2上を3次元的に移動可能とされている。架台3には、コントロールパネル3aとジョイスティック4が設置されている。検者は、コントロールパネル3aやジョイスティック4を操作して、眼底撮影装置1に各種動作を実行させたり、情報入力を行ったりする。
特に、オペレータは、ジョイスティック4を操作することにより、架台3をベース2上において3次元的に移動させることができる。また、ジョイスティック4の頂部には、眼底を撮影するときに押下される操作ボタン4aが配設されている。
ベース2上には支柱5が立設されている。支柱5には顎受け6aと額当て6bと外部固視灯7が設けられている。顎受け6aには被検者の顎部が載置される。額当て6bには被検者の額が当接される。外部固視灯7は、被検眼Eを固視させるための光を発する。
架台3上には本体部8が搭載されている。本体部8には、眼底撮影装置1の各種の光学系や制御系を格納されている。なお、制御系は、ベース2や架台3の内部等に設けられていてもよいし、眼底カメラ本体に接続されたコンピュータ(前述)に設けられていてもよい。また、制御系は、眼底撮影装置1とコンピュータの双方に分散配置されていてもよい。
本体部8の被検眼E側(図2の紙面左方向)には対物レンズ部8aが設けられている。対物レンズ部8aは、検査時に被検眼Eに対峙する位置に配置される。また、本体部8の検者側(図2の紙面右方向)には、被検眼Eの眼底を検者が肉眼で観察するための接眼レンズ部8bが設けられている。
更に、本体部8には、被検眼Eの眼底画像を撮影するための2つの撮像装置9、10が設けられている。各撮像装置9、10は、本体部8に対して着脱可能に取り付けられる。
撮像装置9、10は、それぞれ撮像素子9a、10aを搭載したデジタルカメラである。各撮像素子9a、10aは、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを含んで構成される。
撮像素子9a、10aは、たとえば異なる波長領域の光を受光する。この実施形態では、撮像素子9aは可視領域の光を受光し、撮像素子10aは可視領域及び赤外領域の光を受光するものとする。
また、撮像素子9aはカラー撮影に用いられるものとし、撮像素子10aはモノクロ撮影に用いられるものとする。撮像装置9には、撮像素子9aの撮影感度(ISO感度)や撮影画素数などの撮影条件を変更する制御回路が設けられている。撮像素子9aは、たとえば3CCDタイプのカラー撮像素子である。一方、撮像装置10には、撮像素子10aの撮影感度(ゲイン(Gain))や撮影画素数などの撮影条件を変更する制御回路が設けられている。
なお、この実施形態においては2台の撮像装置を設けた構成を採用しているが、この発明に係る眼底撮影装置は、カラー撮影が可能な撮像装置を少なくとも1台有するものであれば十分である。なお、この眼底撮影装置(眼底カメラ)は、散瞳タイプ又は無散瞳タイプのいずれであってもよい。
〔光学系の構成〕
次に、眼底撮影装置1の光学系の構成について図3を参照しながら説明する。眼底撮影装置1の光学系は、照明光学系100と撮影光学系120とを含んで構成される。
照明光学系100は、眼底Efに照明光を照射するための光学系である。照明光学系100は、この発明の「照明手段」の一例である。
撮影光学系120は、照明光の眼底反射光を接眼レンズ部8bや撮像装置9、10に導く光学系である。撮影光学系120(特に撮像装置9)は、図1に示す原色画像生成部21等とともに、この発明の「生成手段」の一例を構成している。
(照明光学系)
照明光学系100は、観察光源101、コンデンサレンズ102、撮影光源103、コンデンサレンズ104、フィルタ部105、リング透光板107、ミラー108、LCD109、照明絞り110、リレーレンズ111、孔開きミラー112、対物レンズ113を含んで構成されている。
観察光源101は、眼底Ef′を肉眼や撮影画像にて観察するための定常光(連続光)を出力する光源である。観察光源101は、たとえばハロゲンランプによって構成される。コンデンサレンズ102は、観察光源101から発せられた定常光(観察照明光)を集光して平行光束にする。それにより、観察照明光は眼底Efをほぼ均等に照明するようになる。
撮影光源103は、眼底Efの撮影を行うときにフラッシュ発光される光源である。撮影光源103は、たとえばキセノンランプによって構成される。コンデンサレンズ104は、撮影光源103から発せられたフラッシュ光(撮影照明光)を集光して平行光束にする。それにより、撮影照明光を眼底Efをほぼ均等に照射するようになる。
フィルタ部105には、光学フィルタが設けられている。この光学フィルタとしては、FA(フルオレセイン蛍光造影撮影;可視蛍光撮影)用のエキサイタフィルタ、ICG(インドシアニングリーン蛍光造影撮影;赤外蛍光撮影)用のエキサイタフィルタ、自発蛍光撮影用のエキサイタフィルタ、レッドフリー撮影用のフィルタなどがある。
フィルタ部105には、複数の光学フィルタが設けられてもよい。この場合、たとえば図示しない駆動機構によってフィルタ部105を駆動して、これら光学フィルタを選択的に光路上に配置させる。
リング透光板107は、円環形状の透光領域からなるリング透光部107aを有する板状の光学部材である。リング透光板107は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置に配設されている。また、リング透光板107は、リング透光部107aの中心が照明光学系100の光軸に位置するように配設されている。ミラー108は、観察光源101や撮影光源103が発した照明光を撮影光学系120の光軸方向に反射させる。LCD109は、被検眼Eの固視を行うための固視標(内部固視標:図示せず)などを表示する。
照明絞り110は、照明光の一部を遮蔽する絞り部材である。照明絞り110は、照明光学系100の光軸方向に移動可能に構成され、眼底Efの照明領域を調整できるようになっている。照明絞り110により、撮影画像にフレアが発生することを防止するなどの効果が得られる。
孔開きミラー112は、照明光学系100の光軸と撮影光学系120の光軸とを合成する光学素子である。孔開きミラー112の中心領域には孔部112aが開口されている。照明光学系100の光軸と撮影光学系120の光軸は、孔部112aの略中心位置にて交差するようになっている。対物レンズ113は、本体部8の対物レンズ部8a内に設けられている。
(撮影光学系)
撮影光学系120について説明する。撮影光学系120は、対物レンズ113、孔開きミラー112(の孔部112a)、撮影絞り121、フィルタ部122、フォーカスレンズ124、変倍レンズ125、結像レンズ126、クイックリターンミラー127及び撮像装置9を含んで構成される。
照明光の眼底反射光は、前述のように、被検眼Eの瞳孔に形成されるリング状の像の中心暗部を通じて被検眼Eから出射する。被検眼Eから出射した眼底反射光は、孔開きミラー112の孔部112aを通じて撮影絞り121に入射する。孔開きミラー112は、照明光の角膜反射光を反射する。それにより、角膜反射光に起因するフレアの発生を防止するようになっている。
撮影絞り121は、大きさの異なる複数の円形の透光部が形成された板状の部材である。複数の透光部は、絞り値(F値)の異なる絞りを構成する。これら透光部は、図示しない駆動機構によって択一的に光路上に配置されるようになっている。
フィルタ部122には、光学フィルタが設けられている。この光学フィルタとしては、FA(フルオレセイン蛍光造影撮影;可視蛍光撮影)用のバリアフィルタ、ICG(インドシアニングリーン蛍光造影撮影;赤外蛍光撮影)用のバリアフィルタ、自発蛍光撮影用のバリアフィルタなどがある。
フィルタ部122には、複数の光学フィルタが設けられていてもよい。この場合、たとえば図示しない駆動機構によってフィルタ部122を駆動して、これら光学フィルタを選択的に光路上に配置させる。なお、フィルタ部105、122は、対応するフィルタが光路上に配置されるように連係して制御される。
フォーカスレンズ124は、図示しないフォーカスレンズ駆動部によって撮影光学系120の光軸方向に移動可能とされている。それにより、眼底観察時や眼底撮影時においてフォーカスを合わせることができる。変倍レンズ125は、図示しない駆動機構により光路上に挿脱されて画角(倍率)を変更するように作用する。結像レンズ126は、被検眼Eからの眼底反射光を撮像装置9の撮像素子9a上に結像させるように作用する。
撮像装置9は、前述のように眼底のカラー撮影時に使用される。撮像装置9は、撮影光学系120により案内された撮影照明光の眼底反射光を受光し、R成分、G成分及びB成分の各原色成分の画像データを生成する。撮像装置9は、たとえば、3CCDタイプのイメージセンサを含んでいる。すなわち、3つのCCD素子は、それぞれ、撮影照明光の眼底反射光のR成分、G成分、B成分を受光して、R成分の画像データ、G成分の画像データ、B成分の画像データをそれぞれ生成する。撮像装置9は、これら3つの原色成分の画像データを合成してカラー画像の画像データを生成する。
クイックリターンミラー127は、図示しない駆動機構によって回動軸127a周りに回動可能に設けられている。撮像装置9で眼底を撮影する場合、光路上に斜設されているクイックリターンミラー127を上方に跳ね上げて、眼底反射光を撮像装置9に導くようになっている。一方、撮像装置10による眼底撮影時や、肉眼による眼底観察時には、クイックリターンミラー127を光路上に斜設配置させた状態で、眼底反射光を上方に向けて反射するようになっている。
クイックリターンミラー127により反射された眼底反射光の光路上には、フィールドレンズ(視野レンズ)128、切換ミラー129、接眼レンズ130、リレーレンズ131、反射ミラー132、撮影レンズ133及び撮像装置10が設けられている。
切換ミラー129は、クイックリターンミラー127と同様に、回動軸129a周りに回動可能とされている。切換ミラー129は、肉眼による眼底観察時には光路上に斜設された状態で眼底反射光を接眼レンズ130に向けて反射する。
また、撮像装置10を用いて眼底画像を撮影するときには、切換ミラー129を光路上から退避して、眼底反射光を撮像素子10aに向けて導く。この眼底反射光は、リレーレンズ131を経由して反射ミラー132により反射され、撮影レンズ133によって撮像素子10aに結像される。
〔制御系の構成〕
眼底撮影装置1の制御系の構成について、図1を参照しながら説明する。眼底撮影装置1の制御系には、制御部11、記憶部14、ユーザインターフェイス15及びデータ処理部20などが設けられている。
(制御部)
制御部11は、眼底撮影装置1の各部を制御する。具体的には、制御部11は、観察光源101や撮影光源103の点灯/消灯の制御、上記した各種駆動機構の動作制御などを行う。また、制御部11は、各撮像装置9、10の露光時間(電荷蓄積時間)や撮影感度や撮影画素数の設定動作の制御を行う。また、制御部11は、情報を記憶部14に記憶させたり、記憶部14に記憶されている情報を読み出したりする。また、制御部11は、必要に応じて各種の演算処理を行う。
(光量制御部)
制御部11の光量制御部12は、撮影光源103が発する撮影照明光の光量(撮影光量)を制御する。撮影光量の制御は、たとえば、撮影光源103に電流を供給するコンデンサへの電荷蓄積量を調整することにより行うことができる。
(表示制御部)
制御部11の表示制御部13は、表示部16による各種情報の表示態様を制御する。制御部11(特に表示制御部13)は、この発明の「制御手段」の一例である。また、制御部11は、ユーザインターフェイス15に関する制御として、操作部17への操作に応じた眼底撮影装置1の動作制御を行う。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサを含んで構成されている。更に制御部11には、このマイクロプロセッサに上述の動作を実行させるコンピュータプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やハードディスクドライブ等の記憶装置が設けられている。
(記憶部)
記憶部14は、眼底撮影装置1による動作や処理に供される各種の情報を記憶する。たとえば記憶部14には、眼底Efを撮影して得られた画像データが記憶される。また、記憶部14には、R、G、Bの各原色成分に対して表示色を関連付けたテーブル情報が予め記憶されていてもよい。記憶部14は、たとえばハードディスクドライブ等の記憶装置を含んで構成される。
(ユーザインターフェイス)
ユーザインターフェイス15には、表示部16と操作部17が設けられている。
(表示部)
表示部16は、表示制御部13により制御されて各種の画面や情報を表示する。表示部16は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)等の任意の表示デバイスによって構成される。表示部16は、たとえば、本体部8やコントロールパネル3aなどに設けられる。また、表示部16は、眼底カメラ本体に接続されたコンピュータの表示デバイスであってもよい。表示部16は、この発明の「表示手段」の一例として機能する。
(操作部)
操作部17は、眼底撮影装置1を操作するためにオペレータにより使用される。操作部17は、各種のボタンやキー等の操作デバイスを含んで構成される。操作部17には、コントロールパネル3aやジョイスティック4や操作ボタン4aなどが含まれる。また、操作部17は、フィルタ部105、122に設けられたフィルタを光路上に挿脱するための操作ノブ等を含んでいてもよい。
(データ処理部)
データ処理部20は、撮像装置9、10(特に撮像装置9)により生成された画像データに対して各種の処理を施す。データ処理部20は、たとえばCPU等のマイクロプロセッサを含んで構成される。データ処理部20には、原色画像生成部21と画像解析部22が設けられている。
(原色画像生成部)
原色画像生成部21は、撮像装置9により生成された眼底Efのカラー画像の画像データに基づいて、R成分、G成分及びB成分の各原色成分の画像データを生成する。なお、各原色成分の画像データに基づく画像を原色画像と呼ぶことがある。以下、各原色画像の画像データの生成方法の一例を説明する。
カラー画像の画像データは、一般に、フレーム内における画素位置を表す座標値(x、y)と、3つの原色成分の濃度値(r、g、b)とを対応付ける情報を含んでいる(その他、各種の付帯情報等が含まれることもある)。
原色画像生成部21は、当該情報を原色成分毎にまとめることにより、各原色画像の画像データを生成する。それにより、R成分の画像データr(x、y)と、G成分の画像データg(x、y)と、B成分の画像データb(x、y)が得られる。R成分の画像データr(x、y)は、上記フレーム内におけるr成分の濃度分布を表している。G成分及びB成分についても同様である。
なお、原色画像生成部21は、1つのカラー画像の画像データから3つの原色画像の画像データ全てを生成する必要はなく、1つ又は2つの原色画像の画像データのみを生成するようにしてもよい。
また、撮像装置9が生成する画像データの形式によっては、原色画像生成部21は不要である。たとえば、撮像装置9が3CCDタイプのイメージセンサを含んでおり、3つのCCDイメージセンサからR成分、G成分及びB成分の検出結果が制御部11に入力される場合には、これら3つの検出結果をそのまま3つの原色画像の画像データとして用いることが可能である。いずれにしても、眼底撮影装置1は、眼底Efのカラー画像の画像データと、3つの原色画像の画像データとを生成可能に構成されていれば十分である。
(画像解析部)
画像解析部22は、3つの原色画像の画像データのうちの少なくとも1つを解析する。解析対象となる画像データは、オペレータが手動で選択してもよいし、検査内容などに応じて画像解析部22が自動的に選択してもよい。また、常に3つの画像データ全てを解析し、解析結果を表示する段階で選択を行うようにしてもよい。画像解析部22は、この発明の「解析手段」の一例である。以下、画像解析部22による解析処理の一例を説明する。
画像解析部22は、原色画像の画像データの画素値に基づいて、この原色画像に描写された眼底Efの病変部位を特定する。この処理は、たとえば、画像データに含まれる画素値に対して閾値処理や境界検出処理を施すことにより実現できる。一例として、画像データを構成する画素の画素値の変化を追跡し、隣接する画素の画素値の変化が所定値以上となる隣接画素を特定することにより、病変部位に相当する画像領域とそれ以外の画像領域との境界を検出できる。この処理は、たとえば眼底Efの白斑のように、色や濃度の違いとして描写される病変部位の特定に有効である。なお、原色画像(又はカラー画像)の表示画像中に病変部位の大まかな領域を手作業で指定可能とし、画像解析部22は当該指定領域内のみを解析するように構成してもよい。
他の解析処理として、原色画像に描写された眼底Efの特徴部位を特定する処理がある。特徴部位としては、視神経乳頭、黄斑部、眼底血管などがある。眼底Efの特徴部位を特定する処理は、たとえば従来と同様の手法で行うことが可能である。画像解析部22による解析処理は、原色画像の画像データから直接に得られる任意の情報を取得する処理であってもよいし、この任意の情報を加工して新たな情報を取得する処理であってもよい。後者としては、たとえば、特徴部位の面積を求める処理や、2つの特徴部位の間の距離を算出する処理などがある。
[動作]
眼底撮影装置1の動作について説明する。図4に示すフローチャートは、眼底撮影装置1の動作の一例を表している。
この動作例では、眼底Efを3回撮影する。これら3回の撮影は撮影光量を変えながら行われる。このとき、被検眼Eの縮瞳を考慮して、第1回目の撮影は少量の光量(小光量)で、第2回目の撮影は中間の光量(中間光量)で、第3回目の撮影は多量の光量(大光量)で行うことが望ましい。なお、3回の撮影は、続けて行ってもよいし、適宜に時間間隔を空けて行ってもよい。
ここで、中間光量は、通常のカラー眼底撮影の光量とされる。中間光量で撮影を行うと、それぞれ適正な濃度のカラー画像とG成分の原色画像が得られる。また、小光量は、R成分の原色画像の濃度が適正になるように設定される。同様に、大光量は、B成分の原色画像の濃度が適正になるように設定される。
これら光量は、たとえば、事前に得られた臨床データに基づいて設定することもできるし、観察照明光を用いて得られる眼底の観察像に基づいて被検眼毎に設定することもできる。また、当該被検眼の撮影が過去に実施された場合には、そのときの撮影光量を適用できる。この場合、眼底撮影時に適用された撮影光量の値を患者ID等に関連付けて記憶部14等に記憶しておく。また、光量を設定する際には、撮影照明光の色バランスや、3つの原色成分の眼底での反射率などを考慮してもよい。
まず、眼底Efを小光量で撮影する(S1)。そのために、光量制御部12は、撮影光源103による撮影光量を小光量に設定する。制御部11は、撮影光源103を制御して小光量の撮影照明光を発光させる。撮像装置9は、この撮影照明光の眼底反射光を受光して、眼底Efのカラー画像の画像データを生成する。
制御部11は、このカラー画像の画像データを受けてデータ処理部20に送る。原色画像生成部21は、このカラー画像の画像データに基づいて、R成分の画像データを生成する(S2)。このR成分の画像データは、制御部11により記憶部14に記憶される。
次に、眼底Efを中間光量で撮影する(S3)。そのために、光量制御部12は、撮影光源103による撮影光量を中間光量に設定する。制御部11は、撮影光源103を制御して中間光量の撮影照明光を発光させる。撮像装置9は、この撮影照明光の眼底反射光を受光して、眼底Efのカラー画像の画像データを生成する。
制御部11は、このカラー画像の画像データを受けてデータ処理部20に送る。原色画像生成部21は、このカラー画像の画像データに基づいて、G成分の画像データを生成する(S4)。このG成分の画像データは、制御部11により、中間光量のカラー画像の画像データとともに記憶部14に記憶される。
次に、眼底Efを大光量で撮影する(S5)。そのために、光量制御部12は、撮影光源103による撮影光量を大光量に設定する。制御部11は、撮影光源103を制御して大光量の撮影照明光を発光させる。撮像装置9は、この撮影照明光の眼底反射光を受光して、眼底Efのカラー画像の画像データを生成する。
制御部11は、このカラー画像の画像データを受けてデータ処理部20に送る。原色画像生成部21は、このカラー画像の画像データに基づいて、B成分の画像データを生成する(S6)。このB成分の画像データは、制御部11により記憶部14に記憶される。
制御部11は、R成分、G成分及びB成分の3つの原色成分の画像データを記憶部14から読み出してデータ処理部20に送る。画像解析部22は、各原色成分の画像データを解析し、各原色画像に描写された病変部位を特定する(S7)。病変部位の特定結果は制御部11に送られる。
制御部11は、眼底Efのカラー画像の画像データを記憶部14から読み出す。表示制御部13は、特定された各原色成分の病変部位に対応するカラー画像中の領域を特定する(S8)。このとき、必要に応じ、R成分及びB成分の画像データとカラー画像の画像データとの位置合わせを行う。この処理は、たとえば、画像中の特徴部位(視神経乳頭、黄斑部、血管等)の位置を合わせ込むことにより行える。なお、G成分の画像データについては、カラー画像の画像データから生成されたものであるから、位置合わせを行う必要はない。
更に、表示制御部13は、記憶部14に記憶されたテーブル情報(前述)に基づいて、各原色成分の病変部位に相当する領域を表す画像(病変部位画像)の表示色を設定する(S9)。これら病変部位画像の表示色は、たとえば、R成分は赤色に、G成分は緑色に、B成分は青色にそれぞれ設定されている。
以上の処理が完了したら、表示制御部13は、表示部16を制御し、3つの原色成分の病変部位画像をカラー画像に重ねて表示させる(S10)。この表示画像は、たとえば、カラー画像中に病変部位画像を埋め込んだ合成画像であってもよいし、カラー画像を呈示するレイヤに、各原色成分の病変部位画像を呈示するレイヤを重ねた画像であってもよい。
ステップ10で表示される画像の一例を図5に示す。この表示態様では、眼底Efのカラー画像30に病変部位画像40R、40G、40Bが重ねて表示されている。ここで、病変部位画像40RはR成分の病変部位を表し、病変部位画像40GはG成分の病変部位を表し、病変部位画像40BはB成分の病変部位を表している。
病変部位画像40Rは、網膜の深い領域から脈絡膜付近に亘る深度の病変部位を表す赤色の画像である。病変部位画像40Gは、網膜の深い領域に存在する病変部位を表す緑色の画像である。病変部位画像40Bは、網膜の浅い領域に存在する病変部位を表す青色の画像である。
図5の画像領域41には、3つの原色成分の病変部位画像40R、40G、40Bが重なって表示されている。これは、網膜の浅い領域から脈絡膜付近まで広がっている病変の存在を示唆している。このような病変は、一般に、深度によってサイズ(断面積)が異なっている。画像領域41に存在する病変は、G成分に対応する深度でのサイズが最も大きく、R成分に対応する深度でのサイズが最も小さくなっている。
画像領域41のような病変を呈示する場合、表示制御部13は、各原色成分に対応する深度における病変部位画像のサイズを算出し、更に、サイズが小さい病変部位画像をサイズが大きい病変部位画像に重ねて表示させる。画像領域41においては、病変部位画像40G上に病変部位画像40Bが表示され、病変部位画像40B上に病変部位画像40Rが表示されている。このような表示態様を適用することにより、眼底Efの複数の深度における病変部位画像を一目で観察できる。
なお、上側に表示される病変部位画像に透明度を設定して下側の病変部位画像が透けて見えるようにするなどの表示態様を採用する場合、サイズに応じて病変部位画像を重ねる順番を決定する必要はない。
[作用・効果]
眼底撮影装置1の作用及び効果について説明する。
眼底撮影装置1は、照明光の眼底反射光を受光して、眼底Efのカラー画像の画像データと、R成分、G成分及びB成分の3つの原色成分の画像データとを生成する。更に、眼底撮影装置1は、3つの原色成分の画像データのうちの少なくとも1つを解析し、眼底Efのカラー画像と、原色成分の画像データの解析結果と、解析された画像データに対応する原色成分の種別を表す種別情報とを表示する。
このような眼底撮影装置1によれば、カラー画像及び解析結果とともに種別情報が表示されるので、眼底Efのどの深度の解析結果が呈示されているかを容易に把握することが可能である。
また、3つの原色成分のうちの2つ以上の解析結果をカラー画像とともに表示させることにより、眼底Efの様々な深度の状態をまとめて観察することが可能である。
この実施形態に係る種別情報は、各原色成分に対して予め指定された解析結果の表示色である。この実施形態では、前述のテーブル情報において、R成分の解析結果の表示色は赤色に、G成分の解析結果の表示色は緑色に、B成分の解析結果の表示色は青色に設定されている。このような表示色は、原色成分と原色画像の深度との関係により、解析された原色成分の画像データに対応する眼底Efの深度を表すものと言える。
解析結果の表示色は、上記設定に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。特に、上記設定以外の表示色を採用する場合には、どの表示色がどの原色成分(眼底Efの深度)に対応するかを表す情報を表示することが望ましい。その一例として、表示色と原色成分の色とを対応付ける情報や、表示色と眼底Efの深度とを対応付ける情報などを表示することができる。
また、この実施形態では、原色成分の画像データを解析して、その原色画像に描写された病変部位を特定する。そして、その解析結果として、特定された病変部位に相当する領域を表す病変部位画像を、眼底Efのカラー画像に重ねて表示させる。それにより、眼底Efの病変の深度やサイズや位置を容易に把握できる。
また、この実施形態では、互いに異なる3つの光量の撮影照明光を眼底Efに順次に照射し、大光量での撮影結果からB成分の画像データを生成し、中間光量での撮影結果からG成分の画像データを生成し、小光量の撮影結果からR成分の画像データを生成する。それにより、好適な濃度の原色画像を取得でき、解析処理の高確度化、高精度化を図ることができる。また、好適な原色画像を表示することが可能となる。なお、眼底Efのカラー画像は、従来のカラー眼底撮影と同様の中間光量で取得しているので、従来と同様の好適なカラー画像を取得できる。
[変形例]
上記の実施形態に係る各種の変形例を説明する。
上記実施形態では、解析結果や種別情報とともに眼底のカラー画像を表示しているが、カラー画像の代わりに原色画像を表示するようにしてもよい。ここで、或る原色画像を自動的に選択して表示させてもよいし、オペレータが所望の原色画像を選択して表示できるようにしてもよい。前者の例として、最も病変の多い原色成分の原色画像を自動的に選択して表示させることができる。なお、各原色成分の病変の量は、前述のように病変部位画像のサイズを算出することにより容易に求められる。また、後者の例としては、オペレータが任意の原色成分を選択する構成や、オペレータにより選択指定された病変部位画像に対応する原色画像を選択して表示する構成などがある。
また、眼底のカラー画像及び3つの原色画像を任意に組み合わせて表示することも可能である。
種別情報は、原色成分の画像データの解析結果の表示色に限定されるものではない。他の例として、3つの原色成分の解析結果をグラデーションや塗り潰し態様によって識別可能に表示することができる。また、解析された画像データに対応する原色成分、つまり眼底の深度を示す情報(文字列情報等)と解析結果とを線で結ぶことにより、各解析結果の深度を呈示することも可能である。このように、種別情報は、解析された画像データに対応する原色成分の種別、つまり解析された画像データに対応する眼底の深度を表す情報であれば、その態様は問わない。
上記実施形態では、3つの原色成分に好適な撮影光量をそれぞれ設定することにより3回の撮影を行っているが、2回の撮影によって3つの原色成分の画像データ及びカラー画像の画像データを取得することが可能である。その場合においても、光量の異なる照明光を眼底に順次に照射し、多量の光量の照明光の眼底反射光を受光してB成分の画像データを生成することが望ましい。一方、R成分の画像データは、少量の光量の照明光の眼底反射光を受光して生成される。G成分の画像データについては、多量の光量の照明光の眼底反射光の受光結果から生成してもよいし、少量の光量の照明光の眼底反射光の受光結果から生成してもよい。
また、1回の撮影によって3つの原色成分の画像データ及びカラー画像の画像データを取得することも可能である。その場合、眼底撮影装置は、眼底による3つの原色成分のそれぞれの反射率に対応する色バランスを有する照明光を眼底に照射する。この変形例に係る眼底撮影装置について説明する。なお、この変形例で説明する事項の詳細については、本発明者による特願2008−6796号に記載されている。
図6は、この変形例に係る眼底撮影装置の光学系の構成例を表す。この眼底撮影装置は、上記実施形態の眼底撮影装置1とほぼ同様の光学系を有する。ただし、この眼底撮影装置の照明光学系100には、色補正フィルタ106が追加されている。また、撮影光源103は、この発明の「光源」の一例である。
色補正フィルタ106は、3つの原色成分の眼底による反射率に対応する色バランスを有する撮影照明光を生成する。すなわち、撮影光源103から出力された撮影照明光は、色補正フィルタ106を透過することでスペクトル分布が変換され、眼底による各原色成分の反射率に対応する色バランスを有する光になる。ここで、色バランスとは、R成分、G成分、B成分の強度の比率を表す。
色補正フィルタ106の具体例を説明する。一般に、R成分、G成分、B成分の各原色成分の眼底による反射率には個人差がある。たとえば、当該反射率は、人種によっても異なるし、メラニン色素の量によっても異なる。一般的なメラニン色素量の日本人においては、当該反射率の比は、大凡、R:G:B=3:2:1程度であることが経験的に知られている。たとえば、通常のキセノンランプから出力される照明光を用いて眼底のカラー画像を取得すると、3つの原色画像の濃度の比は、大凡、R:G:B=3:2:1程度になることが知られている。また、白人のようにメラニン色素量が少ない人については、一般的な日本人の場合よりも当該反射率の比が大きくなることが知られている(たとえば、R:G:B=5:3:1程度)。
色補正フィルタ106は、3つの原色成分の眼底による反射光量が略等しくなるような比率の色バランスの撮影照明光を生成するように形成される。たとえば、眼底による反射率の比をR:G:B=3:2:1と仮定した場合、光の透過特性が当該反射率の比の逆比(すなわちR:G:B=1/3:1/2:1=2:3:6)となるような色補正フィルタ106を採用することができる。
なお、上記「略等しく」の「略」は、完全に等しい場合に対する所定の偏差を許容することを意味する。たとえば、色補正フィルタ106の適用対象(たとえば日本人)に関する当該反射光量の母集団について、90%の信頼区間に含まれていれば「略等しい」ものとみなすことができる。
このように光の色バランスを変更する光学フィルタは、ライトバランスフィルタなどと呼ばれ、写真分野などにおいて従来から利用されている。図7は、色補正フィルタ106による光の透過特性の一例を表している。なお、このグラフにおいて、横軸は波長(nm)を表し、縦軸は透過率を表している。また、このグラフは、400nm〜750nm付近の範囲における透過特性を表しているが、当該範囲以外の波長域についても特定の透過特性を有している。
また、このグラフに示す透過特性は、R成分の透過率がG成分の透過率以下となり、かつ、G成分の透過率がB成分の透過率以下となるように設定されている。これは、当該透過特性を有する色補正フィルタ106が眼底撮影に用いられるからである。すなわち、眼底については、一般に、(R成分の反射率)≧(G成分の反射率)≧(B成分の反射率)であるから、3つの原色成分の眼底による反射光量が略等しくなるような比率の色バランスの撮影照明光を生成するためには、3つの原色成分の透過率を次のように設定する必要がある:(R成分の透過率)≦(G成分の透過率)≦(B成分の透過率)。
色補正フィルタ106は、図示しない駆動機構により照明光学系100の光路(照明光路)に対して挿脱される。この駆動機構は、たとえばソレノイドやモータ等のアクチュエータを含んで構成される。
なお、3つの原色成分の眼底による反射率には個人差があるので、様々な反射率のタイプを考慮して複数の色補正フィルタ106を択一的に使用するように構成することが可能である。たとえば、一般的な日本人用の色補正フィルタ、色黒の人用の色補正フィルタ、色白の人用の色補正フィルタなどの複数の色補正フィルタをターレット板に設け、このターレット板をステッピングモータ等で回転させることにより所望の色補正フィルタを照明光路上に配置させて使用することが可能である。色補正フィルタの選択は、オペレータが手動で行うこともできるし、患者情報や過去の検査情報等に基づいて自動的に行うこともできる。
このような変形例によれば、好適な3つの原色成分の画像データを1回の撮影で取得することが可能である。また、この撮影で得られたカラー画像をそのまま利用することも可能である。このように、1回の撮影で全ての画像データを取得することにより、上記実施形態で説明した位置合わせ処理を行わなくてよいという利点がある。また、検査時間の省略、更には被検者の負担軽減などの効果も期待できる。
[眼底画像処理装置]
この発明に係る眼底画像処理装置の実施形態について説明する。この実施形態に係る眼底画像処理装置の構成例を図8に示す。
眼底画像処理装置200は、たとえば医師により使用されるコンピュータ装置により構成される。眼底画像処理装置200は、一般的なコンピュータ装置と同様に、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、表示デバイス、操作デバイス、通信インターフェイス、ドライブ装置などを含んで構成される。
眼底画像処理装置200には、眼底撮影装置300により取得された眼底のカラー画像の画像データが入力される。なお、カラー画像の代わりに、眼底の原色画像の画像データを入力するようにしてもよい(この場合、原色画像生成部261は不要である)。
眼底画像処理装置200は、制御部210、記憶部220、表示部230、操作部240、データ受付部250及びデータ処理部260を含んで構成される。制御部210は、上記の実施形態の制御部11と同様である(光量制御部12は不要である)。記憶部220は記憶部14と同様である。表示部230は表示部16と同様である。操作部240は操作部17と同様である。データ処理部260はデータ処理部20と同様である。更に、データ処理部260の原色画像生成部261及び画像解析部262は、それぞれ、原色画像生成部21及び画像解析部22と同様である。
眼底画像処理装置200には、上記の実施形態と異なり、データ受付部250(受付手段)が設けられている。データ受付部250は、眼底撮影装置300により取得されたカラー画像(又は原色画像:以下同様)の画像データを受け付ける。
眼底画像処理装置200と眼底撮影装置300がLAN等の通信回線で接続されている場合、データ受付部250はLANカード等の通信インターフェイスを含んで構成される。データ受付部250は、眼底撮影装置300から(又は他の装置を経由しつつ)通信回線を介して送信された画像データを受信して制御部210に送る。
また、データ受付部250がドライブ装置を含んでいる場合、データ受付部250は、記録メディアに記録された画像データを読み取って制御部210に送ることができる。
なお、データ受付部250が受け付ける画像データは、上記の実施形態のように、たとえば1回〜3回の撮影を実施して得られた画像データである。眼底画像処理装置200は、上記の実施形態と同様の処理、たとえば図4のフローチャートのステップ2、4、6、7〜10の処理を実行する。
このような眼底画像処理装置200によれば、カラー画像(又は原色画像)及び解析結果とともに種別情報が表示されるので、眼底のどの深度の状態が呈示されているかを容易に把握することが可能である。
また、3つの原色成分のうちの2つ以上の解析結果をカラー画像(又は原色画像)とともに表示させることにより、眼底の様々な深度の状態をまとめて観察することが可能である。
上記の実施形態の眼底撮影装置1の説明及びその変形例の説明において開示した任意の構成や動作を、眼底画像処理装置200に適用することが可能である。
この発明に係る眼底撮影装置の実施の形態の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る眼底撮影装置の実施の形態の外観構成の一例を表す概略側面図である。 この発明に係る眼底撮影装置の実施の形態の光学系の構成の一例を表す概略側面図である。 この発明に係る眼底撮影装置の実施の形態の動作の一例を表すフローチャートである。 この発明に係る眼底撮影装置の実施の形態により表示される眼底の画像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼底撮影装置の実施の形態の変形例の光学系の構成の一例を表す概略側面図である。 この発明に係る眼底撮影装置の実施の形態の変形例の色補正フィルタの特性の一例を表すグラフである。 この発明に係る眼底画像処理装置の実施の形態の構成の一例を表す概略ブロック図である。
符号の説明
1 眼底撮影装置
9、10 撮像装置
11 制御部
12 光量制御部
13 表示制御部
14 記憶部
15 ユーザインターフェイス
16 表示部
17 操作部
20 データ処理部
21 原色画像生成部
22 画像解析部
30 眼底のカラー画像
40R、40G、40B 病変部位画像
100 照明光学系
103 撮影光源
106 色補正フィルタ
120 撮影光学系
E 被検眼
Ef 眼底

Claims (10)

  1. 被検眼の眼底に照明光を照射する照明手段と、
    前記眼底による前記照明光の反射光を受光し、前記眼底のカラー画像の画像データと、R成分、G成分及びB成分の3つの原色成分のそれぞれの画像データとを生成する生成手段と、
    前記3つの原色成分の画像データのうちの少なくとも1つを解析する解析手段と、
    表示手段と
    前記カラー画像又は前記原色成分の画像データに基づく原色画像と、前記解析手段により得られた解析結果と、前記解析された画像データに対応する原色成分の種別を表す種別情報とを前記表示手段に表示させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼底撮影装置。
  2. 前記種別情報は、前記3つの原色成分のそれぞれに対して予め指定された前記解析結果の表示色である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼底撮影装置。
  3. 前記解析手段は、前記原色成分の画像データの画素値に基づいて、当該原色画像に描写された病変部位を特定し、
    前記制御手段は、前記解析結果として、前記特定された病変部位に相当する領域を表す病変部位画像を、前記カラー画像又は前記原色画像に重ねて表示させる、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼底撮影装置。
  4. 前記解析手段は、前記3つの原色成分の画像データのうちの2つ以上を解析し、
    前記制御手段は、複数の原色成分の画像データに基づく複数の病変部位画像の位置が重なる場合に、サイズが小さい病変部位画像をサイズが大きい病変部位画像に重ねて表示させる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼底撮影装置。
  5. 前記照明手段は、光量の異なる照明光を前記眼底に順次に照射し、
    前記生成手段は、多量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記B成分の画像データを生成し、少量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記R成分の画像データを生成する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼底撮影装置。
  6. 前記照明手段は、互いに異なる3つの光量の照明光を前記眼底に順次に照射し、
    前記生成手段は、多量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記B成分の画像データを生成し、中間の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記G成分の画像データを生成し、少量の光量の照明光の前記眼底による反射光を受光して前記R成分の画像データを生成する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼底撮影装置。
  7. 前記照明手段は、眼底による前記3つの原色成分のそれぞれの反射率に対応するR成分、G成分及びB成分の色バランスを有する照明光を前記被検眼の眼底に照射する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼底撮影装置。
  8. 前記照明手段は、眼底による前記3つの原色成分の反射光量が略等しくなるような前記色バランスを有するように前記照明光を照射する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の眼底撮影装置。
  9. 前記照明手段は、光源と、R成分の透過率がG成分の透過率以下でありかつG成分の透過率がB成分の透過率以下であるフィルタとを含み、前記光源から出力されて前記フィルタを透過した光を前記照明光として前記眼底に照射する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の眼底撮影装置。
  10. 被検眼の眼底のカラー画像の画像データと、R成分、G成分及びB成分の3つの原色成分のそれぞれの画像データとを受け付ける受付手段と、
    前記3つの原色成分の画像データのうちの少なくとも1つを解析する解析手段と、
    表示手段と
    前記カラー画像又は前記原色成分の画像データに基づく原色画像と、前記解析手段により得られた解析結果と、前記解析された画像データに対応する原色成分の種別を表す種別情報とを前記表示手段に表示させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼底画像処理装置。
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