JP5160083B2 - 撥水剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維製品や皮革などに撥水性を付与する撥水剤組成物に関する。
従来、繊維製品や皮革等に撥水性を付与するものとして、種々のフッ素系基剤を用いた撥水剤組成物が利用されてきた。このようなフッ素系基剤としては、例えば分子内にパーフルオロ基またはフルオロアルキル基を含有するモノマーの重合物、あるいはこれらモノマーと他のモノマーとの共重合物等が用いられている。
しかしながら、このような(共)重合物を用いた撥水剤組成物は、撥水効果は良好であるが、希釈用の溶剤として、大気のオゾン層破壊の一因として挙げられ地球環境保護の見地からその使用が制限されている化合物を使用せざるを得ない、という問題があった。また、このような問題のない代替溶剤の検討もなされているが、未だ満足すべき結果は得られていない。
そこで、最近では、オゾン層破壊を引き起こすような溶剤を使用する必要がない、シリコーン系基剤を用いた撥水剤組成物の検討が行われている。
シリコーン系基剤を用いた撥水剤組成物としては、例えば、特定の有機溶剤可溶性シリコーン樹脂および/または有機溶剤可溶性シリコーングラフトアクリル樹脂と、金属アルコキシドと、オルガノポリシロキサンとからなる撥水剤成分に、有機溶剤と噴射ガスとが配合されたエアゾール型撥水処理剤(特許文献1参照。)、両末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサンと、金属アルコキシドまたはその部分加水分解縮合物と、エタノールまたはイソプロパノールとが配合された撥水剤組成物(特許文献2参照。)が提案されている。また、特定のポリオルガノシロキサン樹脂と、直鎖状ジポリオルガノシロキサンと、有機チタン酸エステルまたは有機ジルコニウム酸エステルまたは有機ゲルマニウム酸エステルなどと、第4級アンモニウム塩基を有する抗菌性シランと、溶剤とを含有する撥水処理剤組成物(特許文献3参照。)、特定のポリオルガノシロキサン樹脂と、アルキル−アルコキシポリシロキサン樹脂と、縮合触媒と、芳香族系溶剤とからなる撥水剤(特許文献4参照。)が提案されている。
特開2000−186279号公報 特許第3496976号公報 特許第3187445号公報 特開昭63−170484号公報
しかしながら、シリコーン系基剤を用いた撥水剤組成物は、一般に、フッ素系基剤を用いた撥水剤組成物よりも撥水性や撥水持続性が不充分である場合が多く、これら特許文献に記載の撥水剤組成物を使用しても、充分な撥水性や撥水持続性が必ずしも得られない場合があった。撥水持続性が不充分であると、その撥水剤組成物を繊維製品などの対象物に使用しても、断続的な雨水が対象物に染み込んでしまう場合があるし、対象物が特に衣類であると、汗の染み込みによる汗じみが生じる場合もある。
また、撥水剤組成物には、撥水性や撥水持続性の他に、速乾性や使用後の臭い残りの無さが求められるが、これらの特性をすべて備えたシリコーン系基剤の撥水剤組成物は従来見出されていなかった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、シリコーン系基剤を用いた撥水剤組成
物において、優れた撥水性と撥水持続性とを付与でき、しかも速乾性を有し、臭い残りが抑制された撥水剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の撥水剤組成物は、両末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A)と、金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物(B)と、炭素数3〜6のパラフィン系炭化水素(C)と、炭素数2〜4の一価アルコール(D)とを含有することを特徴とする。
前記(D)成分と前記(C)成分との質量比は、(D)/(C)=0.2以上20未満であることが好ましい。
本発明によれば、シリコーン系基剤を用いた撥水剤組成物において、優れた撥水性と撥水持続性とを付与でき、しかも速乾性を有し、臭い残りが抑制された撥水剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の撥水剤組成物は、両末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A)と、金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物(B)と、炭素数3〜6のパラフィン系炭化水素(C)と、炭素数2〜4の一価アルコール(D)とを含有するものであって、具体的な形態としては、エアゾールスプレー容器に高圧で収容されるエアゾール型の撥水剤組成物、トリガースプレー容器、フィンガースプレー容器、ポンプスプレー容器(例えばディスペンサータイプなど)などに液状で収容される液体噴霧型の撥水剤組成物が挙げられる。
以下、これら各成分について、それぞれ(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分という場合がある。
[(A)成分および(B)成分]
(A)成分および(B)成分は、撥水剤組成物のシリコーン系基剤として使用され、優れた撥水性と撥水持続性とを発現する成分である。
(A)成分としては、例えば、下記一般式(I)で表されるものを好適に用いることができる。
(3−n)SiO−[SiR O]−SiR (3−n) (I)
(式(I)中、R〜Rは同一でも異種でもよい1価の炭化水素基または置換炭化水素基をそれぞれ示し、Xはアルコキシ基を示す。また、mは式(I)の化合物の25℃での粘度が5〜1000mPa・sとなる値であり、nは0〜2の整数を示す。)
ここで1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基などの直鎖または分岐状アルキル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、メチルベンジル基などのアラルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基などが挙げられる。
1価の置換炭化水素基としては、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基などのフルオロアルキル基、γ−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基などのアミノアルキル基などが挙げられる。
これらのなかでR〜Rとしては、良好な撥水性を示す撥水剤組成物が得られやすいことから、いずれもアルキル基、アリール基であることが好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられるが、Xがメトキシ基であると、撥水性皮膜の形成速度が速い撥水剤組成物が得られやすく好ましい。
このようなポリオルガノシロキサンとしては、式(I)中のnの値により決定されるアルコキシ基の数により、両末端モノアルコキシ封鎖ポリオルガノシロキサン(n=2)、両末端ジアルコキシ封鎖ポリオルガノシロキサン(n=1)、両末端トリアルコキシ封鎖ポリオルガノシロキサン(n=0)が挙げられ、これらは一種単独で使用してもよいし、二種以上の混合物として使用することもできる。
また、式中、mの値は、式(I)の化合物の25℃での粘度が5〜1000mPa・sとなる値であるが、後述の(C)成分および/または(D)成分への溶解性が良好であるとともに、撥水剤組成物から形成される撥水性皮膜の特性が良好なことから、25℃での粘度が5〜500mPa・s、より好ましくは5〜200mPa・sとなる値であることが好ましい。
(A)成分である両末端アルコキシ封鎖のポリオルガノシロキサンは、公知の方法により製造することができる。すなわち、ジメチルジクロロシランを水およびメタノール中で加水分解、アルコキシ化する方法や、両末端水酸基封鎖ポリオルガノシロキサンを酸またはアルカリの存在下で、メチルトリメトキシランにてジアルコキシ化する方法などが挙げられる。
(B)成分の金属アルコキシドは、金属原子にアルコキシ基が結合した化合物であり、例えば、チタンアルコキシド、シリコンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドが挙げられ、これらの部分加水分解縮合物も(B)成分として使用することができる。アルコキシ基は直鎖でも分岐鎖状でもよく、その炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは3〜8である。
このような金属アルコキシドの具体例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ(n−ブトキシ)チタン、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもチタンアルコキシドが好ましく、さらに撥水性皮膜の硬化性、撥水剤組成物の保存安定性が良好なことから、特にテトライソプロポキシチタン、テトラ(n−ブトキシ)チタン、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタンが好ましい。
これらチタンアルコキシドは日本曹達、三菱ガス化学、松本製薬工業より、商品名A−1、B−1、TOT、テトラn−ブチルチタネート、TBT、オルガチックスTA−10、オルガチックスTA−25として入手することができる。
このような(A)成分と(B)成分とを基剤として使用すると、特に(A)成分として、ポリオルガノシロキサンのうち両末端がアルコキシ基で封鎖されたものを選択しているために、(B)成分と併用することによる相乗効果が発現し、優れた撥水性と撥水持続性とが得られると推測される。
すなわち、(B)成分の金属アルコキシドまたはその部分加水分解縮合物は、空気中の水分の影響により加水分解されてアルコールを放出し、対象物上に硬化皮膜を形成するが、同時に、反応性基を有するポリマーに対しては架橋反応触媒として作用する。このため、反応性基であるアルコキシ基を両末端に有するポリオルガノシロキサン(A)が(B)成分とともに存在すると、この両末端の部分が架橋反応に関与する。その結果、形成される撥水性皮膜は対象物に対して、より浸透、固定化されるものとなり、優れた撥水性と撥水持続性とが得られるものと考えられる。
[(C)成分]
(C)成分は、上述の(A)成分と(B)成分とを溶解する溶媒として使用されるものであるが、本発明では(C)成分として炭素数3〜6のパラフィン系炭化水素(C)を採用する。よって、使用後の速乾性が優れ、臭い残りも抑制された撥水剤組成物とすることができ、換気設備の乏しい一般家庭でも不都合を生じず、簡便に使用することができる。ここで仮に(C)成分の代わりに、例えば炭素数が7以上のパラフィン系炭化水素や芳香族系溶剤を用いた場合には、速乾性が低下し、臭い残りも抑制できず、一般家庭での簡便な使用は困難となる。
(C)成分としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンとその異性体のうちの1種以上を使用できるが、本発明の撥水剤組成物が例えばブリキ缶やアルミ缶等の耐圧容器に収容され噴射されるエアゾール型撥水剤組成物である場合には、(C)成分としてプロパンおよび/またはブタンを少なくとも使用すると、これらが噴射剤としても作用するため好適である。例えば、(C)成分としてプロパンおよび/またはブタンを使用して、これらに噴射剤としても作用させたり、(C)成分としてペンタンやヘキサンを選択するとともにプロパンおよび/またはブタンも使用して、プロパンおよび/またはブタンには噴射剤としても作用させたりできる。ただし、(C)成分としてペンタンやヘキサンを選択して、他の一般の噴射剤(ジメチルエーテル、液化炭酸ガス、液化窒素ガスなど)を同時に使用することによって、エアゾール型撥水剤組成物としてもよい。一方、本発明の撥水剤組成物が液体噴霧型の撥水剤組成物である場合には、(C)成分として、常温で液体であるペンタンおよび/またはヘキサンを使用することが好ましい。また、(C)成分としては、安全性の点から分岐型炭化水素を使用することが好ましい。
[(D)成分]
(D)成分は、撥水剤組成物に優れた撥水持続性を付与する成分であって、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノールのうちの1種以上を使用できる。これらのなかで好ましくは、速乾性の点からエタノールまたはイソプロパノールを使用する。(D)成分を含有しない撥水剤組成物では、撥水持続性が不充分となる。
[撥水剤組成物]
(各成分の配合量)
本発明の撥水剤組成物は、上述の(A)〜(D)成分を含有するものであって、各成分の配合量には特に制限はないが、好ましくは以下のとおりである。
すなわち、(A)成分の配合量は、撥水剤組成物中0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。0.01質量%以上であると撥水性がより向上する。10質量%以下であると、撥水剤組成物由来のしみが生じにくくなるとともに、衣類などの繊維製品に使用した場合にそれらの風合いを変質劣化させない。
(B)成分の配合量は、撥水剤組成物中0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.08〜2質量%の範囲である。0.01質量%以上であると、撥水剤組成物によって形成される撥水性皮膜の硬化性が良好で、撥水性、撥水持続性を向上させることができる。10質量%以下であると、撥水剤組成物の保存安定性を向上させることができる。
また、(A)成分と(B)成分との質量比には特に制限はないが、好ましくは(A)/(B)=95/5〜40/60である。(A)の比率が95を超える場合、すなわち(B)の比率が5未満である場合は、上述した架橋反応触媒としての効果に劣るため、十分な皮膜形成が行われなくなる可能性がある。一方、(A)の比率が40未満の場合、すなわち(B)の比率が60を超える場合は、架橋反応触媒としての効果は十分ではあるものの、その皮膜は比較的もろいものとなる。よって、いずれの場合も良好な撥水性、撥水持続性が得られなくなる可能性がある。
(C)成分の配合量は、撥水剤組成物中3.5質量%以上である。好ましくは5.0〜90質量%、さらに好ましくは10〜80質量%の範囲である。3.5質量%以上であると、撥水剤組成物の速乾性がより向上する。また、本発明の撥水剤組成物がエアゾール型撥水剤組成物であって、(C)成分として少なくともプロパンおよび/またはブタンを使用することでこれらに噴射剤としての作用も発揮させる場合には、プロパンおよび/またはブタンの配合量を撥水剤組成物中3.5〜50質量%とすることがさらに好適であり、より好ましくは5〜40質量%とする。
(D)成分の配合量は、撥水持続性の観点から、撥水剤組成物中10質量%以上、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。10質量%以上であると、撥水持続性がより向上する。10質量%未満であると、撥水剤組成物の乾燥が速すぎて、撥水剤組成物が厚みのある衣類などの繊維製品に浸透せずに乾燥してしまうため、撥水性は良好であっても、撥水持続性が充分ではなくなる可能性がある。
(D)成分と(C)成分との質量比には特に制限はないが、(D)/(C)=0.2以上20未満が好ましく、より好ましくは0.3以上15未満、さらに好ましくは0.5以上10未満の範囲である。このような範囲であると、撥水持続性と速乾性とがバランスよく優れる。すなわち、(D)/(C)比が上記範囲未満であると、撥水剤組成物の乾燥が速すぎて、撥水性は良好であっても撥水持続性が充分ではなくなる可能性があり、一方、上記範囲を超えると、撥水持続性は良好であっても速乾性が不充分となり、臭い残りが生じる可能性がある。
(任意成分)
本発明の撥水剤組成物は、上述の(A)〜(D)成分の他に任意成分を含んでいてもよい。
例えば、撥水剤組成物がエアゾール型の撥水剤組成物である場合には、すでに上述したように、一般の噴射剤をさらに含有することができる。さらに含有する噴射剤の量は、適切な噴射が可能な量に適宜設定すればよいが、噴射剤が液化炭酸ガス、液化窒素ガスなど、(C)成分および/または(D)成分にほとんど溶解しないものである場合には、撥水剤組成物中好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%とすればよい。一方、ジメチルエーテルなど、(C)成分および/または(D)成分に多量に溶解するものである場合には、撥水剤組成物中3.5〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%であり、さらに好ましくは10〜30質量%である。
その他の任意成分としては、例えばシリコーン化合物、香料等が挙げられ、好ましいシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、環状シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーン等が挙げられる。これらのシリコーン化合物は、撥水剤組成物の撥水性、撥水持続性をより向上させたり、繊維製品など対象物の風合いを改善したりできる。好ましい香料としては、フローラル系香料、シトラス系香料、ムスク系香料、ミント系香料等が挙げられる。
(製品形態および対象物)
本発明の撥水剤組成物は、適当な容器に収容され、対象物に吹き付られ使用されることが好ましく、エアゾール型の撥水剤組成物を収容するエアゾールスプレー容器としては、例えば特開平9−3441号公報、特開平9−58765号公報等に記載されているものが挙げられる。液体噴霧型の撥水剤組成物を収容するスプレー容器としては、例えばトリガースプレー容器(直圧あるいは蓄圧型)、フィンガースプレー容器、ディスペンサータイプのポンプスプレー容器が挙げられ、トリガースプレー容器としては、例えば特開平9−268473号公報、特開平9−256272号公報、特開平10−76196号公報等に記載されているものが挙げられ、ポンプスプレー容器としては、例えば、特開平9−256272号公報等に記載されているものが挙げられる。
本発明の撥水剤組成物が使用される対象物としては、衣類、傘、壁紙、カーテンやソファの布製家具の繊維製品、皮革等の軟表面を有する製品等が挙げられる。また、本発明の撥水剤組成物によれば、特に繊維製品に対して使用した際に、汗の濡れじみによる変色等も防止することができるし、撥水性を付与することが通常困難である綿等の親水性素材に対しても、高い撥水性と撥水持続性を付与できる。
以上説明したように、本発明の撥水剤組成物によれば、シリコーン系基剤を用いた撥水剤組成物でありながら、優れた撥水性と撥水持続性とを付与することができる。また、速乾性、臭い残りの点でも優れているため、換気設備の乏しい一般家庭においても、簡便に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、特に断りがない限り「%」は「質量%」を示す。
[実施例1〜10および比較例1〜4]
表1および2に示す各成分を混合して、エアゾール型撥水剤組成物を調製した。そして、これらエアゾール型撥水剤組成物を常法に準じて下記仕様のエアゾール容器に100g収納し、下記の評価を行った。結果を表1および2に示す。
<エアゾール容器の仕様>
缶:BL45AB150(商品名、東洋製罐株式会社製)
バルブ:S13-(70P-4)78HG7183ALPS''26''×R(商品名、株式会社三谷バルブ製)
ボタン:D174W04337N''3''―A(商品名、株式会社三谷バルブ製)
<各実施例および比較例で使用した表中に記載の成分の詳細>
(1)AB−1
(A)成分:(B)成分=6:4(質量比)の混合物(実験室合成品)である。(A)成分は、式(I)で示されるものであって、式中のR〜Rがいずれもメチル基、Xがメトキシ基、nが2である両末端モノメトキシ基封鎖ポリオルガノシロキサン(25℃での粘度が10mPa・s)である。(B)成分はテトラブトキシチタンである。
このような混合物は以下のようにして調製した。
冷却管、温度計、滴下ロート、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに水100gおよびメタノール650gを入れ、攪拌行いながら40〜60℃でジメチルジクロロシラン1250gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で1時間攪拌を続け、静置した後、水層とオイル層を分けた。オイル層に重曹を加えて中和し、130℃、減圧下でメタノールを留去して、粘度10mPa・s(25℃)で無色透明の両末端モノメトキシ基封鎖ポリオルガノシロキサン710gを得た。このポリオルガノシロキサン600gにテトラブトキシチタン400gを添加混合することにより、(A)成分と(B)成分の混合物(AB−1)を得た。
(2)AB−2
(A)成分:(B)成分=6:4(質量比)の混合物(実験室合成品)である。(A)成分は、式(I)で示されるものであって、式中のR〜Rがいずれもメチル基、Xがメトキシ基、nが1である両末端ジメトキシ基封鎖ポリオルガノシロキサン(25℃での粘度が84mPa・s)である。(B)成分はテトラブトキシチタンである。
このような混合物は以下のようにして調製した。
冷却管、温度計、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、粘度70mPasの両末端水酸基封鎖ポリオルガノシロキサン1600gおよびメチルトリメトキシシラン153gを入れ、攪拌を行いながら90℃まで昇温した。次いで、27%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を有効成分で5ppm添加し90℃で5時間反応を行った。反応終了後、温度を140℃まで上げ、減圧下で未反応のメチルトリメトキシシランおよび反応により生成したメタノールを留去して、粘度84mPa・s(25℃)で無色透明の両末端ジメトキシ基封鎖ポリオルガノシロキサン1700gを得た。このポリオルガノシロキサン600gにテトラブトキシチタン400gを添加混合することにより、(A)成分と(B)成分の混合物(AB−2)を得た。
(3)aB−1
メチルポリシロキサン(TSF451-100A(GE東芝シリコーン株式会社製)):テトラブトキシチタン=6:4(質量比)の混合物である。
(4)C−1:プロパン
(5)C−2:ブタン
(6)C−3:イソペンタン
なお、上記C−1とC−2には、これらの混合物である液化石油ガスを使用した(液化石油ガスとして主に使用される成分はプロパン、ブタンであることから。)。
(7)C−4:イソヘキサン;キョーワゾールC−600M(協和発酵ケミカル株式会社製)
(8)C’−1:n‐へプタン(試薬特級、関東化学株式会社製)
(9)D−1:エタノール(試薬一級、関東化学株式会社製)
(10)D−2:イソプロパノール(純度99.9%、大伸化学株式会社製)
(11)E−1:液化炭酸ガス(噴射剤)
<評価方法>
「試験布」
試験布には綿ブロード(商品名 250GM502 116、日清紡績株式会社製)を用い、以下の前処理を行った。
「試験布の前処理方法」
家庭用洗濯機に30Lの50℃水道水を入れ、これに衣類用粉末洗剤(商品名:トップ、ライオン株式会社製)30gを添加し、よく分散させた後、1kgの試験布を投入し、15分間撹拌し、次いで脱水機で5分間脱水した。次に、もう一度前記洗浄、脱水を繰り返した後、水道水を用いた流水すすぎ15分間の後、脱水5分間の工程を5回繰り返した。以上の処置をした後、室温で乾燥し、20cm×20cmに裁断した。
(1)撥水性試験
上記の前処理をした試験布に、撥水剤組成物を布全体に均一にスプレーした。スプレー量は、スプレー前の試験布の質量の0.5倍となるようにした。その後、20℃、50RH%の室内で1日乾燥させたものを「撥水処理済み試験布」として、次の評価に供した。撥水性の評価は、JIS L−1092 はっ水度試験(スプレー試験)により行った。
すなわち、撥水処理済み試験布を直径約15cmの枠にしわが生じないように取り付け、水平面に対し45度の角度で保持し、そこへ撥水処理済み試験布中心から15cmの高さに設置したスプレーノズルから、27±1℃のイオン交換水250mLを撥水処理済み試験布へ散布した。次に、枠を台上から取り外し、枠の一端を持ち、表面を下向きにして他端を叩いて余分な水滴を落とした後、撥水処理済み試験布の濡れの状態を以下の判定標準により評価した。
(判定基準)
100点:表面に付着湿潤のないもの
90点:表面にわずかに付着湿潤を示すもの
80点:表面に水滴状に湿潤を示すもの
70点:表面にかなりの部分的湿潤を示すもの
60点:70と50の中間の湿潤を示すもの
50点:表面全体に湿潤を示すもの
0点:表裏両面に湿潤を示すもの
(2)撥水持続性試験
上記(1)撥水性試験と同様にして撥水処理済み試験布を得て、これに対して、イオン交換水を10L連続して散布した。その後、20℃、50RH%の室内で1日乾燥させ、さらにイオン交換水を10L連続して散布後、上記撥水性試験の判定基準により評価した。
この試験では、上記(1)撥水性試験よりも多量のイオン交換水を繰り返し散布している。このような散布後でも、良好な撥水性が認められるということは、実際の使用時において繰り返して水に曝露されても、撥水性が良好であること、すなわち撥水持続性が良好であることを示すものである。
(3)速乾性の評価方法
上記「試験布の前処理方法」に記載の前処理をした試験布を20℃、50RH%にて1日放置後、撥水剤組成物を布全体に均一にスプレーした。スプレー量は、スプレー前の試験布の質量の0.5倍となるようにした。ついで、この試験布を20℃、50RH%の室内で乾燥させ、その際の質量変化を測定し、試験布上に残存している撥水剤組成物の質量が試験布の質量に対して5.0%となるまでに要した時間(乾燥時間)を求めた。評価結果が「△」以上であると、充分な商品価値が認められる。
(評価基準)
◎:乾燥時間が5分間未満である。
○:乾燥時間が5分間以上10分間未満である。
△:乾燥時間が10分間以上15分間未満である。
×:乾燥時間が15分間以上である。
(4)スプレー塗布後の臭い残りの無さの評価方法
上記「試験布の前処理方法」に記載の前処理をした試験布に、撥水剤組成物を布全体に均一にスプレーした。スプレー量は、スプレー前の試験布の質量の0.5倍となるようにした。ついで、この試験布を20℃、50RH%の室内で10分間乾燥させ、その際の臭い残りの無さを4人の専門パネルによって以下の評価基準で評価した。評価結果が「△」以上であると、充分な商品価値が認められる。
(評価基準)
○:4人のうち全員が臭い残りが無いと感じる。
△:4人のうち2〜3名が臭い残りが無いと感じる。
×:4人のうち1人以下しか、臭い残りが無いと感じない。
Figure 0005160083
Figure 0005160083
[実施例11、12および比較例5]
表3および4に示す各成分を混合して、液体噴霧型撥水剤組成物を調製した。そして、これら液体噴霧型撥水剤組成物をスタイルガードスーツ用(商品名、ライオン株式会社製)のディスペンサータイプのポンプスプレー容器に40g収納した。
液体噴霧型撥水剤組成物について、上記(1)〜(4)の評価を行った。結果を表3および4に示す。
Figure 0005160083
Figure 0005160083
表の結果から明らかなように、(A)〜(D)成分を全て含有する各実施例によれば、撥水性と撥水持続性とを付与でき、しかも速乾性を有し、臭い残りが抑制されたシリコーン基剤系の撥水剤組成物を提供できた。

Claims (2)

  1. 両末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A)と、金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物(B)と、炭素数3〜6のパラフィン系炭化水素(C)と、炭素数2〜4の一価アルコール(D)とを含有し、
    前記(D)成分と前記(C)成分との質量比は、(D)/(C)=0.5以上10未満であることを特徴とする撥水剤組成物。
  2. エアゾール型である請求項1に記載の撥水剤組成物。
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