JP5159817B2 - メモリシステム - Google Patents

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Description

本発明は、メモリシステムに関する。
コンピュータシステム(以降、コンピュータ)に用いられるメモリシステムとして、NAND型フラッシュメモリ(以降、単にNANDメモリという)などの不揮発性半導体メモリを搭載したSSD(Solid State Drive)が注目されている。SSDなどのメモリシステムは、磁気ディスク装置に比べ、高速、軽量などの利点を有している。
一般的に、コンピュータのリード/ライト処理にかかるメモリシステムに対する要求性能は、コンピュータ自身のスペック、ユーザ、ユーザの使用環境により大きく異なる。一方、メモリシステム側では、リード/ライト処理の速度は固定的に設定されている場合が多い。したがって、メモリシステムの仕様のリード/ライト処理の最大値を必要としないユーザにとってはそのメモリシステムはオーバースペックとなり、コンピュータは消費電力等で必ずしも最適な構成でない場合があった。
これに対し、例えば特許文献1には、コンピュータからのコマンドに基づいてリード/ライト処理の速度を変化させることによって所望の消費電流で動作するメモリシステムに関する技術が開示されている。この技術によれば、コンピュータが該コマンドを発行する仕様を備えている必要がある。
特開2009−251888号公報 特開2004−234713号公報
本発明は、ホスト装置からの要求性能に応じて消費電力を変化させることができるメモリシステムを提供することを目的とする。
本願発明の一態様によれば、ホスト装置からの書き込みデータを夫々記憶する、夫々個別にリード/ライトされる並列動作要素を複数備えるメモリと、前記複数の並列動作要素に対してリード/ライトを同時実行する制御部と、前記ホスト装置からの要求性能を計測する要求性能計測部と、を備え、前記制御部は、前記要求性能計測部が計測した要求性能に基づいて前記並列動作要素のリード/ライトの同時実行数を変化させる、ことを特徴とするメモリシステムが提供される。
また、本願発明の一態様によれば、ホスト装置からの書き込みデータを記憶するメモリと、前記不揮発性のメモリに対してリード/ライトを実行する制御部と、前記ホスト装置からの要求性能を計測する要求性能計測部と、周波数の異なる複数種類のクロックを生成するクロック生成系と、前記複数種類のクロックのうちの1つを選択し、前記選択したクロックを前記メモリおよび前記制御部に供給するクロック選択部と、を備え、前記制御部は、前記要求性能計測部が計測した要求性能に基づいて前記複数種類のクロックのうちの1つを指定する選択信号を発行し、前記クロック選択部は、前記制御部が発行した選択信号に基づいてクロックを選択する、ことを特徴とするメモリシステムが提供される。
また、本願発明の一態様によれば、ホスト装置からの書き込みデータを記憶する不揮発性の第1メモリと、前記書き込みデータをキャッシュする記憶領域を備え、前記記憶領域のリフレッシュ動作を実行する揮発性の第2メモリと、前記第1メモリと前記第2メモリとの間のデータ転送を制御する制御部と、前記ホスト装置からの要求性能を計測する要求性能計測部と、を備え、前記制御部は、前記要求性能計測部が計測した要求性能に基づいて前記第2メモリに指令して前記記憶領域のうちのリフレッシュ動作対象の領域を変化させる、ことを特徴とするメモリシステムが提供される。
本発明によれば、ホスト装置からの要求性能に応じて消費電力を変化させることができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態のSSDの構成を示すブロック図。 図2は、各モードでの動作タイミングを説明するタイミングチャート。 図3は、第1の実施の形態のSSDによるモードを変化させる動作を説明するフローチャート。 図4は、第2の実施の形態のSSDの構成を示すブロック図。 図5は、第2の実施の形態のSSDによるモードを変化させる動作を説明するフローチャート。 図6は、第3の実施の形態のSSDの構成を示すブロック図。 図7は、DRAMの構成を説明する図。 図8は、第3の実施の形態のSSDによるモードを変化させる動作を説明するフローチャート。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかるメモリシステムを詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるメモリシステムの構成を示すブロック図である。なお、ここでは、メモリシステムの一例としてSSDを取り上げるが、本実施の形態はSSD以外にも適用することができる。
図1に示すように、SSD100は、パーソナルコンピュータや携帯電話などのホスト装置200とSATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格の通信インタフェース(SATA I/F)で接続され、ホスト装置200の外部記憶装置として機能する。
SSD100は、ホスト装置200からリード/ライトされるデータ(ホスト装置200からの書き込みデータ)を記憶する不揮発性メモリであるNANDメモリ1と、ライトキャッシュ2と、リードキャッシュ3と、ライトキャッシュ2およびリードキャッシュ3とNANDメモリ1との間のデータ転送を制御する制御部4と、ホスト装置200とライトキャッシュ2およびリードキャッシュ3との間のデータ転送を制御するSATAインタフェースコントローラ(SATAコントローラ)5と、を備えている。
ライトキャッシュ2は、ホスト装置200からライトされたデータをキャッシュする。また、リードキャッシュ3は、NANDメモリ1からリードされたデータをキャッシュする。ライトキャッシュ2およびリードキャッシュ3は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などによって構成される。
ホスト装置200から書き込み要求された場合、ホスト装置200から送られてきたデータはSATAコントローラ5によっていったんライトキャッシュ2に書き込まれる。ライトキャッシュ2に書き込まれたこのデータは所定のタイミングで制御部4によってNANDメモリ1へ書き込まれる。ホスト装置200から読み出し要求された場合で、読み出し要求されたデータがリードキャッシュ3にキャッシュされていたとき、SATAコントローラ5によってこのデータがリードキャッシュ3から読み出されてホスト装置200へ送信される。読み出し要求されたデータがリードキャッシュ3にキャッシュされていなかったとき、読み出し要求されたデータは、制御部4によってNANDメモリ1から読み出され、いったんリードキャッシュ3に保持される。そして、リードキャッシュ3に保持された前記読み出し要求されたデータは、SATAコントローラ5によって読み出されてホスト装置200へ送信される。
NANDメモリ1は、夫々並列に動作する複数(ここでは4つ)の並列動作要素1a〜1dを有している。また、制御部4は、MPU42と、NANDコントローラ41a〜41dとを備えている。NANDコントローラ41a〜41dは、夫々個別の信号線群(チャネルch0〜ch3)を介して並列動作要素1a〜1dに夫々接続されており、MPU42からのリードコマンド/ライトコマンドに基づいて並列動作要素1a〜1dに対して夫々独立にリード/ライトする。
例えば、ライトキャッシュ2に書き込まれているデータを並列動作要素1aに書き込む場合、MPU42は、該データが書き込まれているライトキャッシュ2のアドレス(読み出しアドレス)と並列動作要素1aの書き込み先のアドレス(書き込みアドレス)とを指定したライトコマンドをNANDコントローラ41aに発行する。NANDコントローラ41aは、該ライトコマンドを受信すると、受信したライトコマンドに記述されているライトキャッシュ2の読み出しアドレスからデータを読み出して、読み出したデータを並列動作要素1aの書き込みアドレスに書き込む。
また、並列動作要素1aに書き込まれているデータをリードキャッシュ3に書き込む場合、MPU42は、該データが書き込まれている並列動作要素1aのアドレスを読み出しアドレスとし、リードキャッシュ3の書き込み先のアドレスを書き込みアドレスとするリードコマンドをNANDコントローラ41aに発行する。NANDコントローラ41aは、該リードコマンドを受信すると、受信したリードコマンドに記述されている並列動作要素1aの読み出しアドレスからデータを読み出して、読み出したデータをリードキャッシュ3の書き込みアドレスに書き込む。
並列動作要素1aにリード/ライトする場合と同様に、並列動作要素1b〜1dにリード/ライトする場合、MPU42は、NANDコントローラ41b〜41dの夫々に個別にリードコマンド/ライトコマンドを発行する。MPU42は、NANDコントローラ41a〜41dの夫々にライトコマンド/リードコマンドを送信するタイミングを制御することによって並列動作要素1a〜1dを並列動作させる。
ここで、並列動作要素1a〜1dの並列動作数が多いほどホスト装置200から見たリード/ライト処理の速度が向上する反面、SSD100の消費電力(消費電流)が増加する。前述のように、ホスト装置200のスペック、ユーザ、該ユーザの使用環境に応じてSSD100に対するリード/ライト処理の要求性能が異なる。例えば、ホスト装置200がサーバ用途で使用される場合、短時間でSSD100に対して膨大な量のデータのリード/ライトを行うことが考えられる。この場合、SSD100には、高速なリード/ライト処理を実行できることが求められる。また、ホスト装置200がネットブックに代表される前記サーバに比べて使用頻度が低くかつ高いポータビリティが要求されるコンピュータである場合、リード/ライト処理が高速に実行できることよりも低消費電力であることが求められる。そこで、本発明の第1の実施の形態では、SSD100は、ホスト装置200からの要求性能を計測し、要求性能の計測結果に応じて適用的に並列動作数を変化させるようにした。
そのための構成として、SSD100は、ホスト装置200のSSD100に対する要求性能を計測する要求性能計測部6を備えている。要求性能計測部6は、SATAコントローラ5とライトキャッシュ2およびリードキャッシュ3との間に介在して設けられ、SSD100に対する要求性能として単位時間当たりのライトキャッシュ2への書き込み量およびリードキャッシュ3からの読み出し量を計測する。単位時間とは、一例として、ここでは1dayとする。計測された単位時間当たりの書き込み量および読み出し量(計測結果)は、MPU42へ送られる。MPU42は、要求性能計測部6から受信した単位時間当たりの書き込み量、読み出し量の夫々に応じてライト時の並列動作数とリード時の並列動作数とを夫々変化させる。並列動作数は最小値(ここでは1個)〜最大値(ここでは4個)の間でどのような値をとるようにしてもよい。ここでは、並列動作数は2個および4個とし、並列動作数が2個で動作するモードをライトユーザモード、並列動作数が4個で動作するモードをヘビーユーザモードと呼ぶこととする。
図2は、各モードでの動作タイミングを説明するタイミングチャートである。図2(a)はヘビーユーザモードでの書き込み動作、図2(b)はライトユーザモードでの書き込み動作を示しており、各モードでの合計の書き込みデータ量は同一であるとしている。
図2(a)に示すように、ヘビーユーザモードでは、並列動作要素1a〜1dは夫々時間Tをかけて夫々全データ量の1/4の量のデータを同時に書き込み処理している。この場合、時間Tの期間、並列動作要素4個分の消費電力が消費される。一方、図2(b)に示すように、ライトユーザモードでは、まず並列動作要素1aおよび1bが夫々時間Tをかけて同時に夫々全データ量の1/4の量のデータの書き込み処理を行う。並列動作要素1aおよび1bの書き込み処理が終了すると、並列動作要素1cおよび1dが夫々時間Tをかけて同時に夫々全データ量の1/4の量のデータの書き込み処理を行う。書き込みを行っている間、並列動作要素2個分の消費電力が消費される。このように、ライトユーザモードでは、ヘビーユーザモードの場合に比べて倍の時間をかけて半分の消費電力で書き込みを行う。
図3は、第1の実施の形態のSSD100によるモードを変化させる動作を説明するフローチャートである。なお、ライト時のモードを変化させる動作とリード時のモードを変化させる動作は同じであるので、ここでは代表としてライト時のモードを変化させる動作について説明する。
図3に示すように、まず、SSD100は、ライトユーザモードで動作開始する(ステップS1)。要求性能計測部6は、1日当たりの書き込み量を計測する(ステップS2)。MPU42は、計測された一日当たりの書き込み量を所定のしきい値と比較し、該書き込み量が前記所定のしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS3)。一日当たりの書き込み量がしきい値を超えた場合(ステップS3、Yes)、MPU42は、動作モードをヘビーユーザモードとする(ステップS4)。一日当たりの書き込み量がしきい値を超えなかった場合(ステップS3、No)、MPU42は、動作モードをライトユーザモードとする(ステップS5)。ステップS4、ステップS5の後、ステップS2へ移行する。
リード時の動作モードも、図3に示したライト時の動作モード変更動作と同じ手順で変更される。
なお、以上の説明においては、ライト時の並列動作数とリード時の並列動作数とを夫々独立に変化させるとして説明したが、ライト時の並列動作数とリード時の並列動作数とを同一の値とし、同時に変化させるようにしてもよい。その場合、ステップS3における比較に用いる要求性能として、1日当たりの書き込み量または一日当たりの読み出し量のうちのどちらを用いてもよいし、両方を用いるようにしてもよい。
また、要求性能として計測される単位時間は1dayに限定しない。例えば1weekであってもよい。また、要求性能としては、単位時間当たりの書き込み/読み出しのデータ量以外の値を採用することができる。例えば、書き込み処理のデューティー比、読み出し処理のデューティー比などを採用することができる。
また、ヘビーユーザモードとライトユーザモードとで動作モードを変更するとして説明したが、並列動作数の異なる動作モードを3つ以上設定するようにしてもよい。動作モードを3つ以上にする場合、ステップS3で使用されるしきい値を2つ以上設定し、動作モード数分の場合分けを実行できるようにするとよい。
また、ライトユーザモードでは、並列動作要素1aおよび1bに夫々全体のデータ量の
1/4の量のデータを書き込み、その後で並列動作要素1cおよび1dに夫々1/4の量のデータを書き込むとして説明したが、並列動作要素1cおよび1dは動作させないようにし、並列動作要素1aおよび1bに全体のデータ量の1/2ずつ書き込むようにしてもよい。その後、次の書き込みデータを並列動作要素1cおよび1dへ書き込むようにしてもよいし、並列動作要素1aおよび1bに続けて書き込み、並列動作要素1aおよび1bの書き込み可能な領域がなくなったとき、並列動作要素1cおよび1dへの書き込みを開始するようにしてもよい。
また、動作開始時はライトユーザモードであるとして説明したが、ヘビーユーザモードで動作開始するようにしてもよい。
また、ステップS4、ステップS5を経た直後にステップS2において要求性能計測のステップを開始するのではなく、ステップS4、ステップS5を経た後、しばらく経ってからステップS2の動作を開始するようにしてもよい。
また、制御部4は、並列動作要素1a〜1dの数と同じ数のNANDコントローラ41a〜41dを備えるように構成したが、並列動作要素1a〜1dの数よりも少ない数(例えば1個)のNANDコントローラで並列動作要素1a〜1dを並列動作させることができるように構成することも可能である。
以上述べたように、本発明の第1の実施の形態によれば、ホスト装置200からの要求性能を計測し、計測した要求性能に基づいてNANDメモリ1が備える並列動作要素1a〜1dのリード/ライトの同時実行数を変化させるように構成したので、ホスト装置200からの要求性能に応じて消費電力を変化させることができるようになる。
なお、特許文献1の技術によれば、メモリシステムは、ホスト装置からのコマンドに基づいて消費電流を変化させるが、本発明の第1の実施の形態は、SSD100は計測した要求性能に基づいて消費電力を変化させるので、ホスト装置200による消費電力(あるいはリード/ライト処理の速度)を指定するコマンドの発行を必要としないという利点がある。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、動作モードに応じて動作クロックを変更することができるようにした。図4は、第2の実施の形態のSSDの構成を示すブロック図である。なお、ここでは、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、詳細は説明を省略する。
図4に示すように、第2の実施の形態のSSD300は、NANDメモリ1、ライトキャッシュ2、リードキャッシュ3、SATAコントローラ5、要求性能計測部6、制御部7、クロック生成部8、分周回路9、選択回路10を備えている。NANDメモリ1は第1の実施の形態と同様に、4つの並列動作要素1a〜1dを備えている。また、制御部7は、並列動作要素1a〜1dと夫々個別に制御線で接続されているNANDコントローラ41a〜41dと、MPU72とを備えている。
クロック生成部8は、SSD300を動作させるクロックを生成する。分周回路9は、クロック生成部8が生成したクロックを分周して各構成要素に供給するクロックを生成する。ここで、分周回路9は、制御部7およびNANDメモリ1に供給するクロックとして、クロック周波数の異なる複数種類のクロック(ここではCLK1およびCLK2)を生成する。CLK1はCLK2よりも高クロック(クロック周波数が高いこと)であるとする。選択回路10にはCLK1およびCLK2が入力され、MPU72から入力されるクロック選択信号に基づいてCLK1またはCLK2のうちの1つを選択して出力する。選択回路10が出力したクロックは制御部7およびNANDメモリ1を駆動する。
なお、図4では、制御部7およびNANDメモリ1の他の構成要素(ライトキャッシュ2、リードキャッシュ3、SATAコントローラ5、および要求性能計測部6)にはCLK1およびCLK2とは異なるクロックが分周回路9から共通入力されるものとしているが、夫々異なるクロックが入力されるようにしても構わない。
MPU72は、要求性能計測部6による計測結果に基づいてクロック選択信号を操作することによって、制御部7およびNANDメモリ1を駆動するクロックを変更する。制御部7およびNANDメモリ1は、高クロックで駆動されるほどリード/ライト処理が高速となり、消費電力が増加する。したがって、この場合、CLK2で動作させるほうが、CLK1で動作させるよりもリード/ライト処理の速度が低速となってしまう反面、消費電力を抑制することができる。なお、CLK1で動作するモードをヘビーユーザモード、CLK2で動作するモードをライトユーザモードということとする。
図5は、第2の実施の形態のSSD300によるモードを変化させる動作を説明するフローチャートである。なお、ライト時のモードを変化させる動作とリード時のモードを変化させる動作は同じであるので、ここでは代表としてライト時のモードを変化させる動作について説明する。
図5に示すように、まず、SSD300は、ライトユーザモードで動作開始する(ステップS11)。要求性能計測部6は、1日当たりの書き込み量を計測する(ステップS12)。MPU72は、計測された一日当たりの書き込み量を所定のしきい値と比較し、該書き込み量が前記所定のしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS13)。一日当たりの書き込み量がしきい値を超えた場合(ステップS13、Yes)、MPU72は、動作モードをヘビーユーザモードとする(ステップS14)。一日当たりの書き込み量がしきい値を超えなかった場合(ステップS13、No)、MPU72は、動作モードをライトユーザモードとする(ステップS15)。ステップS14、ステップS15の後、ステップS12へ移行する。
なお、リード時の動作モードも、図5に示したライト時の動作モード変更動作と同じ手順で変更される。
以上述べたように、本発明の第2の実施の形態によれば、周波数の異なるクロックを複数種類生成し、生成した複数種類のクロックのうちの1つを前記計測した要求性能に基づいて選択するように構成したので、ホスト装置200からのコマンドを必要とすることなくホスト装置200からの要求性能に応じて消費電力を変化させることができるようになる。
(第3の実施の形態)
DRAMのメモリセルは、1個のトランジスタに1個のキャパシタが接続され、キャパシタに電荷を蓄えることでデータを保持する。この電荷は時間とともに減少するため、定期的に電荷の再補充(リフレッシュ)をしないと電荷が失われ、データエラーとなる。つまり、DRAMは、データを保持する場合、定期的にリフレッシュを行わなくてはならないため、データを保持している期間中、リフレッシュにかかる電力が消費され続けることになる。
これに対し、DRAM全体をリフレッシュするのではなく、メモリセルアレイを部分的にリフレッシュするパーシャルリフレッシュ機能を備えたDRAMがある(例えば特許文献2)。すなわち、例えば4つのバンク0〜バンク3を有するメモリセルアレイにおいて、チップ全体のリフレッシュを行うフルリフレッシュは、4つのバンクを同時にリフレッシュする。これに対して、パーシャルリフレッシュの場合、リフレッシュするバンクを例えば1/2とする。すなわち、先ず、例えばバンク0とバンク1のみリフレッシュし、バンク2とバンク3をオフ状態とする。このような動作により、有効なデータを保持する領域の容量に応じて消費電流を削減することができる。
本発明の第3の実施の形態では、ライトキャッシュおよびリードキャッシュがパーシャルリフレッシュ機能を有するDRAMによって構成される。そして、要求性能に応じてライトキャッシュおよびリードキャッシュの容量を適用的に変化させ、ライトキャッシュおよびリードキャッシュとして使用されていない領域をオフ状態とする。
図6は、本発明の第3の実施の形態のSSDの構成を説明する図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、詳細は説明を省略する。
図6に示すように、第3の実施の形態のSSD400は、NANDメモリ1と、SATAコントローラ5と、要求性能計測部6と、制御部11と、ライトキャッシュ12aおよびリードキャッシュ12bを構成するDRAM12とを備えている。NANDメモリ1は第1の実施の形態と同様に、4つの並列動作要素1a〜1dを備えている。また、制御部11は、並列動作要素1a〜1dと夫々個別に制御線で接続されているNANDコントローラ41a〜41dと、MPU112とを備えている。
MPU112は、要求性能計測部6による計測結果に基づいて、動作モードを1つ選択し、選択した動作モードを指定する通知(指定通知)をDRAM12に通知する。DRAM12は、パーシャルリフレッシュ機能を備えており、MPU112からの指定通知に基づいてリフレッシュする領域を増減させることができる。ここでは、第1の実施の形態と同じくSSD400はライトユーザモードおよびヘビーユーザモードの2種類の動作モードで動作するものとし、指定通知はライトユーザモードおよびヘビーユーザモードのうちの1つを通知することとする。また、DRAM12は、ヘビーユーザモードが通知された場合、DRAM12の記憶領域全体をリフレッシュ対象とし、ライトユーザモードが通知された場合、DRAM12の記憶領域のうちの半分をリフレッシュ対象とすることとする。
図7は、前記2種類の動作モードで動作するときのDRAM12の構成を説明する図である。ヘビーユーザモードで動作時、図7(a)に示すように、DRAM12の全域がリフレッシュ対象となる。ライトキャッシュ12a、リードキャッシュ12bの記憶領域としてDRAM12の記憶領域の夫々1/2の領域が確保されている。ライトユーザモードで動作時、図7(b)に示すように、DRAM12の半分の領域のみがリフレッシュ対象となる。そして、ライトキャッシュ12a、リードキャッシュ12bの記憶領域として、リフレッシュ対象となっている記憶領域のうちの夫々1/2が確保されている。すなわち、ライトキャッシュ12a、リードキャッシュ12bの記憶領域は、ライトユーザモードで動作する場合、ヘビーユーザモードで動作する場合に比べて半分の容量に削減される。
図8は、第3の実施の形態のSSD400によるモードを変化させる動作を説明するフローチャートである。ライト時のモードを変化させる動作とリード時のモードを変化させる動作は同じであるので、ここでは代表としてライト時のモードを変化させる動作について説明する。
図8に示すように、まず、SSD400は、ライトユーザモードで動作開始する(ステップS21)。要求性能計測部6は、1日当たりの書き込み量を計測する(ステップS22)。MPU112は、計測された一日当たりの書き込み量を所定のしきい値と比較し、該書き込み量が前記所定のしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS23)。一日当たりの書き込み量がしきい値を超えた場合(ステップS23、Yes)、MPU112は、動作モードをヘビーユーザモードとする(ステップS24)。一日当たりの書き込み量がしきい値を超えなかった場合(ステップS23、No)、MPU112は、動作モードをライトユーザモードとする(ステップS25)。ステップS24、ステップS25の後、ステップS22へ移行する。
なお、リード時の動作モードも、図8に示したライト時の動作モード変更動作と同じ手順で変更される。
ところで、NANDメモリ1の書き換え可能な回数には上限が存在する。キャッシュ(ライトキャッシュ12a、リードキャッシュ12b)を設けると、書き換え回数がこの上限に至るまでの時間(寿命)を延ばす効果が得られる。すなわち、ホスト装置200からの書き込みデータをすぐにNANDメモリ1へ書き込むのではなく、キャッシュに一定量のデータを蓄積し、蓄積されたデータを一括してNANDメモリ1へ書き込むことで、NANDメモリ1への書き込み頻度が低減され、ひいてはNANDメモリ1の寿命を長くすることができるようになる。
ホスト装置200からの単位書き込み量当たりのNANDメモリ1の寿命の延長の効果は、キャッシュの容量が大きいほど大きくなる。したがって、本実施の形態では、キャッシュの記憶容量が少ないライトユーザモードで動作させると、ヘビーユーザモードで動作させる場合に比べて単位書き込み量当たりの寿命が長くなるが、単位時間当たりのアクセス量が少ないときにライトユーザモードで動作するようになっているので、ヘビーユーザモードで動作する場合とライトユーザモードで動作する場合ではSSD400の製品寿命(耐用年数)には大きな差を生じないことになる。つまり、ライトユーザモードで動作させると、ヘビーユーザモードで動作される場合に比べて、製品寿命に差を生じることなく消費電力を低減することができるようになる。
なお、以上の説明においては、2つの動作モードでリフレッシュ対象領域の容量を切り替えるように構成したが、3つ以上の動作モードで切り替えるようにしてもよい。例えば、MPU112はステップS23において2つ以上のしきい値を用いて要求性能に応じて3つ以上の動作モードを選択できるようにし、夫々の動作モードでは、要求性能が高い場合の動作モードであるほど広い記憶領域がリフレッシュ対象なるようにするとよい。
以上述べたように、本発明の第3の実施の形態によれば、要求性能に基づいてDRAM12に指令してDRAM12が備える記憶領域のうちのリフレッシュ動作対象の領域を変化させるように構成したので、ホスト装置200からのコマンドを必要とすることなくホスト装置200からの要求性能に応じて消費電力を変化させることができるようになる。
1 NANDメモリ、1a〜1d 並列動作要素、2 ライトキャッシュ、3 リードキャッシュ、4、7、11 制御部、5 SATAコントローラ、6 要求性能計測部、8 クロック生成部、9 分周回路、10 選択回路、12a ライトキャッシュ、12b リードキャッシュ、41a〜41d NANDコントローラ、100、300、400 SSD、200 ホスト装置。

Claims (4)

  1. ホスト装置からの書き込みデータを夫々記憶する、夫々個別にリード/ライトされる並列動作要素を複数備えるメモリと、
    前記複数の並列動作要素に対してリード/ライトを同時実行する制御部と、
    前記ホスト装置から受信した書き込みデータ量または前記ホスト装置に送信した読み出しデータ量を所定期間及び複数のコマンドに渡って経時的に計測することで、前記ホスト装置の要求性能を計測する要求性能計測部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記要求性能計測部が計測した要求性能に基づいて、前記ホスト装置から制御信号またはコマンドを受信することなく、前記並列動作要素のリード/ライトの同時実行数を変化させ、その後前記要求性能計測部が再度要求性能を計測するまで、変更後の同時実行数を要求性能として維持し、
    前記書き込みデータ量が所定の閾値を超えた場合に、前記並列動作要素のリード/ライトの同時実行数を最大値に設定するヘビーユーザモードに遷移して前記メモリを制御し、
    前記書き込みデータ量が所定の閾値以下である場合に、前記並列動作要素のリード/ライトの同時実行数を最大値未満とするライトユーザモードに遷移して前記メモリを制御する、
    ことを特徴とするメモリシステム。
  2. 前記ホスト装置とSATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格に準拠した通信インタフェースで接続され、前記書き込みデータを前記通信インタフェースを介して受信し、前記メモリからの読み出しデータを前記通信インタフェースを介して前記ホスト装置に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載のメモリシステム。
  3. 前記要求性能は、前記ホスト装置からの単位時間当たりの書き込み量および/または前記ホスト装置による単位時間当たりの読み出し量である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメモリシステム。
  4. 前記要求性能は、前記ホスト装置からの単位時間当たりの書き込み処理のデューティー比および/または前記ホスト装置による単位時間当たりの読み出し処理のデューティー比である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメモリシステム。
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