JP5159464B2 - 埋設パイプラインに対するカソード防食システム及びカソード防食方法 - Google Patents

埋設パイプラインに対するカソード防食システム及びカソード防食方法 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁継手を介して接続された埋設パイプラインに対するカソード防食システム及びカソード防食方法に関するものである。
埋設パイプラインの腐食防止を図るためには、パイプラインを絶縁継手でブロック化することが基本的な対策である。パイプラインを絶縁継手でブロック化することによって、防食対象を明確化することができる。二つの防食ブロックで塗覆装の有無がある場合、防食状況や防食管理責任が異なる場合に、二つの防食ブロックを絶縁継手で区切ることによって独立した防食区間を形成することができる。
埋設パイプラインを絶縁継手でブロック化する場合の例として、鋳鉄管と鋼管が混在する場合を挙げることができる。鋳鉄管は、塗覆装が無い低接地体であるが、長年にわたり我が国及び欧米で水道,ガス等のパイプラインとして用いられている。この鋳鉄管は、継手に溶接を必要としないため配管工事が容易なものとなっているが、脆性材料であるため、埋設環境が変化して大きな輪荷重がかかる幹線道路の交差点下等になった場合には、鋳鉄管に換わって部分的に延性特性を有し高強度の鋼管が接続されることがある。また、鉄道輸送力が増大した直流電気鉄道軌条下横断部などでも、鋳鉄管に換わって高抵抗率塗覆装が施された鋼管が部分的に接続されることがある。
このように既設の鋳鉄管に対して部分的に鋼管を接続した場合には、鋼管が接続された時点において、延長距離が短く表面積の小さい鋼管と延長距離が長く表面積の大きい鋳鉄管という組み合わせになる。この組み合わせを電気化学的な側面からみると、鋳鉄管は古くから埋設されて表面に酸化物が生成された旧管であって、鋼管はこれに対して敷設されたばかりの新管になり、このとき、中性土壌中では、例えば鋳鉄管の電位は−0.5VCSE(飽和硫酸銅電極CSE基準)で新管である鋼管の電位は−0.8VCSEとなり、鋼管と鋳鉄管との間には新旧管マクロセルと異種金属マクロセルが形成され、鋼管側がアノードとなって腐食することになる。
この腐食を防止するためには鋼管と鋳鉄管との間に絶縁継手を挿入する措置が行われ、さらに鋼管の防食を万全なものにするためには、鋼管に対してカソード防食を施すことが行われる。この場合は、距離の短い鋼管の両端が絶縁継手になるので、カソード防食は一般に流電陽極方式によって行われる。
また、道路下に敷設したパイプラインから民地に敷設されるパイプラインに接続する場合のように、管理責任が異なる区域に敷設されるパイプライン同士を接続する場合にも、腐食漏洩等、パイプラインの損傷による事故が発生した場合の管理責任を明確にするために、そのような防食ブロックの境で絶縁継手を介してパイプラインを接続することが行われている。
絶縁継手を介してパイプライン間を接続した場合には、雷害や電力事故等によってサージ(高電圧)が絶縁継手にかかり、絶縁継手の焼損や感電,火花発生などが起きないようにすることが必要になる。これに対しては、図1に示すように、絶縁継手J1を介したパイプラインJ2,J3に一組の亜鉛陽極よりなる接地電池(Grounding cell)J4を接続する方法(同図(a))、或いはパイプラインJ2,J3にシリコンダイオードDを逆並列接続したものを絶縁継手J1と並列に接続する方法(同図(b))が知られている(下記非特許文献1参照)。
電気学会電食防止研究委員会編「新版 電食・土壌腐食ハンドブック」電気学会,1977年5月,p.263〜264
前述した従来技術では、鋼管に対して流電陽極方式等のカソード防食を施す場合に腐食リスクが生じる問題がある。先ず、絶縁継手J1を介したパイプラインJ2,J3に一組の亜鉛陽極よりなる接地電池(Grounding cell)J4を接続する方法(図1(a))によると、パイプラインJ2がプラスチック塗覆装鋼管で塗覆装欠陥が無く、パイプラインJ3が裸の鋳鉄管の場合、パイプラインJ2の絶縁継手近傍の管対地電位は流電陽極の自然電位を示すが、パイプラインJ3は裸で表面積が大きいために、流電陽極によるカソード分極量は小さく、パイプラインJ3の絶縁継手近傍の管対地電位はパイプラインJ2の絶縁継手近傍の管対地電位よりもプラスの値を示す。このような状況では、パイプラインJ3に流入した防食電流が絶縁継手近傍から電解質に溶出し、パイプラインJ3のジャンピング腐食の懸念が誘起されることになる。
更に、この従来技術は、直流電気鉄道のレール漏れ電流等の直流迷走電流が存在する環境では、一組の亜鉛陽極はバックフィルで包まれ、接地抵抗が低くなっているので、直流迷走電流が亜鉛電極に流入し、パイプラインの接地抵抗が低いところから流出することになってパイプラインの腐食を誘発することになる。
また、前述した従来技術のパイプラインJ2,J3にシリコンダイオードDを逆並列接続したものを絶縁継手J1と並列に接続する方法(図1(b))では、シリコンダイオードは順方向に対しては約0.7Vまで電気抵抗が高く、0.7V以上になると順方向電圧が高くなるほど電気抵抗が低くなり、大電流通過時の電圧降下が小さいという特徴があるので、平常時はダイオードが作動しておらず絶縁継手を介して接続されたパイプライン間に電流の行き来が生じない。
したがって、カソード防食されているパイプラインに非防食のパイプラインが絶縁継手を介して接続されている状況、例えば、カソード防食されている鋼管に裸の鋳鉄管が絶縁継手を介して接続されている状況に前述したダイオードの接続を行った場合には、非防食ラインにカソード防食電流を流入させることができず、非防食ラインは自然腐食状態になってしまう。
更に、鋼管側に流電陽極を接続してカソード防食を行おうとすると、直流電気鉄道のレール漏れ電流等の直流迷走電流が存在する環境では、低接地体の流電陽極から直流迷走電流が流入して、鋼管の電位をプラス側にシフトさせるので、鋼管に流入した迷走電流がダイオードを通って鋳鉄管側に流入し、特に接地抵抗が低い箇所で流出することになるので、鋳鉄管の腐食リスクが高くなる問題が生じる。
適正にカソード防食されているパイプラインに非防食のパイプライン或いは防食レベルの低いパイプラインが絶縁継手を介して接続されている場合、パイプラインの連続性を考えると、カソード防食されているパイプラインのカソード防食電流が非防食ライン或いは防食レベルが低いラインにも有効に作用して、両方のパイプラインで腐食リスクを低減させることが好ましい。しかしながら、これを達成しようとしてカソード防食電流の出力を高くすると、カソード防食ライン側で過防食の問題が生じると共に、都市部の地下のように他埋設パイプラインが交錯している環境では、他埋設パイプラインの直流干渉(カソード防食電流が他埋設パイプラインに流入して腐食リスクを高める現象)が問題になる。過防食が生じた場合には、エネルギーロスやカソード防食電流発生源の電極の短寿命化だけでなく、鋼管に対しては塗覆装の陰極剥離、水素応力割れ等のリスクが高くなる問題が生じる。
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであって、絶縁継手を介して接続された埋設パイプラインに対するカソード防食システム又はカソード防食方法において、絶縁継手の近傍でのジャンピング腐食を防止でき、絶縁継手の両側に高電圧が印加された場合にも絶縁継手の焼損,感電,火花の発生等を防止することができること、絶縁継手を介して接続される一方のパイプラインが非防食或いは防食レベルが低いラインの場合に、他方のカソード防食パイプラインのカソード防食電流を効果的に利用して、過防食や他埋設パイプラインの直流干渉リスクを誘起することなく両パイプラインの腐食リスクを低減させること、直流又は交流迷走電流が存在する環境下でも絶縁継手の両側の埋設パイプラインで迷走電流腐食リスクを回避することができること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は以下の特徴を具備するものである。
一つには、絶縁継手を介して接続される埋設パイプラインに対するカソード防食システムであって、前記埋設パイプラインの一方に接続され、カソード防食電流の発生を定電流制御し得るカソード防食電流発生手段と、前記絶縁継手の両側での管対地電位をそれぞれ計測可能な管対地電位計測手段と、前記埋設パイプラインの両方に接続され、少なくとも逆並列接続したダイオードを前記絶縁継手と並列に接続した絶縁継手保護手段とを備え、前記カソード防食電流発生手段は、前記管対地電位計測手段で計測される前記絶縁継手の両側での管対地電位の差が前記ダイオードの作動電位になるように発生電流が制御されていることを特徴とする。
また一つには、絶縁継手を介して第1の埋設パイプラインとこれより接地抵抗が低い第2の埋設パイプラインを接続した埋設パイプラインに対するカソード防食システムであって、前記第1の埋設パイプラインに流電陽極を接続してカソード防食ラインとし、前記流電陽極を接続する電線間に該流電陽極からの発生電流を設定電流値に定電流制御しうる流電陽極発生電流安定化装置を接続し、前記第1の埋設パイプラインから前記第2の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第1のダイオードと、前記第2の埋設パイプラインから前記第1の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第2のダイオードを備えた絶縁継手保護手段を、前記絶縁継手と並列して前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプラインに接続し、前記流電陽極発生電流安定化装置は、前記絶縁継手の両側での管対地電位の差が前記第2のダイオードの作動電位になるように設定電流値が設定されており、前記第1のダイオードは、前記絶縁継手の周辺電場によって前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプライン間に生じる電位差が設定値を超えた場合に作動するようにその作動電位が設定されており、前記流電陽極発生電流安定化装置は、前記第1の埋設パイプラインと前記流電陽極とを接続する電線にスイッチング素子を介して前記流電陽極側がプラスとなる定電流発生電源を並列接続し、前記発生電流を設定時間毎に検出した検出電流値が前記設定電流値より小さい場合に前記スイッチング素子を閉状態にする制御がなされていることを特徴とする。
また一つには、絶縁継手を介して第1の埋設パイプラインとこれより接地抵抗が低い第2の埋設パイプラインを接続した埋設パイプラインに対するカソード防食方法であって、前記第1の埋設パイプラインに流電陽極を接続してカソード防食ラインとし、前記流電陽極を接続する電線間に該流電陽極からの発生電流を設定電流値に定電流制御しうる流電陽極発生電流安定化装置を接続し、前記第1の埋設パイプラインから前記第2の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第1のダイオードと、前記第2の埋設パイプラインから前記第1の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第2のダイオードを備えた絶縁継手保護手段を、前記絶縁継手と並列して前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプラインに接続し、前記絶縁継手の両側での管対地電位の差が前記第2のダイオードの作動電位になるように前記流電陽極発生電流安定化装置の設定電流値を設定し、前記流電陽極に流入する電流によって前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプライン間の電位差が設定値を超えた場合に作動するように前記第1のダイオードの作動電位を設定し、前記流電陽極発生電流安定化装置は、前記第1の埋設パイプラインと前記流電陽極とを接続する電線にスイッチング素子を介して前記流電陽極側がプラスとなる定電流発生電源を並列接続し、前記発生電流を設定時間毎に検出した検出電流値が前記設定電流値より小さい場合に前記スイッチング素子を閉状態にする制御を行うことを特徴とする。
このような特徴によると、カソード防食ラインに接続されたカソード防食電流発生手段からの発生電流を定電流制御して、絶縁継手の両側の埋設パイプラインに絶縁継手と並列して逆並列接続したダイオードを常時作動状態にする。また、カソード防食電流発生手段からの発生電流を定電流制御することでカソード防食電流発生手段から埋設パイプラインに流入する電流を抑制することができる。さらに前述したダイオードを常時作動状態にすることで、カソード防食ライン側のカソード防食電流を、絶縁継手を介して接続された非防食ライン又は防食レベルの低いラインに効果的に流入させることができる。
これによって、絶縁継手の近傍でのジャンピング腐食を防止できると共に、絶縁継手の両側に高電圧が印加された場合にも絶縁継手の焼損,感電,火花の発生等を防止することができる。また、絶縁継手を介して接続される一方のパイプラインが非防食或いは防食レベルが低いラインの場合に、他方のカソード防食パイプラインのカソード防食電流を効果的に利用して、過防食や他埋設パイプラインの直流干渉リスクを誘起することなく両パイプラインの腐食リスクを低減させることができる。
更には、絶縁継手を介してカソード防食ラインと非防食ラインを接続した場合には、非防食ラインの絶縁継手近傍における腐食速度を自然腐食速度よりも1桁小さいレベルに抑制し、カソード防食ラインはカソード防食基準に合格した完全な防食を行うことができるので、絶縁継手の両側で効果的に腐食リスクを低減させ、埋設パイプラインの健全な連続性を確保することができる。
また、第1の埋設パイプラインに流電陽極を接続してカソード防食ラインとし、流電陽極を接続する電線間に流電陽極からの発生電流を設定電流値に定電流制御しうる流電陽極発生電流安定化装置を接続し、第1の埋設パイプラインと流電陽極とを接続する電線にスイッチング素子を介して流電陽極側がプラスとなる定電流発生電源を並列接続し、発生電流を設定時間毎に検出した検出電流値が設定電流値より小さい場合にスイッチング素子を閉状態にする制御しているので、直流迷走電流が存在する環境下であっても、流電陽極に流入する直流迷走電流を腐食リスクの低い状態に抑制しながら速やかに低接地体である第2の埋設パイプライン側に第1のダイオードを通って流入させて大地に分散することができる。これによって、直流電気鉄道のレール漏れ電流等の直流迷走電流が存在する環境下であっても、第1の埋設パイプラインのジャンピング腐食リスクを回避でき、第2のパイプラインにも大きな迷走電流腐食リスクが生じない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は、土壌中に埋設されたパイプラインが対象であって、絶縁継手を介して接続された埋設パイプラインの一方がカソード防食ラインであって、他方が非防食ラインか或いは防食レベルの低いラインの場合に有効である。以下の説明では、一方を鋼管のカソード防食ライン、他方を接地抵抗が低い裸の鋳鉄管として説明するが、本発明の実施形態はこれに特に限定されるものではない。
図2は、本発明の実施形態に係るカソード防食システム及びこれによって実施されるカソード防食方法を説明する説明図である。ここでは、絶縁継手1を介して埋設パイプラインが接続されており、例えば一方のパイプラインL1(第1の埋設パイプライン)が鋼管のカソード防食ラインであって、他方のパイプラインL2(第2の埋設パイプライン)が裸の鋳鉄管からなる非防食ラインになっている。このような配管形態は、前述したように、延長距離の長い鋳鉄管に対して、大きな輪荷重がかかる幹線道路の交差点下等に鋼管を部分的に接続する場合等に構成される。パイプラインL1の鋼管は高抵抗率の塗覆装が施されており、パイプラインL2の鋳鉄管は裸の低接地体になっている。
カソード防食ラインであるパイプラインL1には、カソード防食電流の発生を定電流制御し得るカソード防食電流発生手段2が接続されている。ここでは、流電陽極20が流電陽極発生電流安定化装置21を介してパイプラインL1に接続されている。
また、絶縁継手1の両側で、パイプラインL1,L2の管対地電位(P/S,P/SII)をそれぞれ計測可能な管対地電位計測手段3(3A,3B)が設置されている。管対地電位計測手段3は、パイプラインL1又はL2と地面に設置された照合電極(例えば飽和硫酸銅電極)30とを接続した電線31,32間に電圧計33を接続したものである。
更に、絶縁継手1を介して接続されるパイプラインL1,L2の両方には、少なくとも逆並列接続したダイオード40A,40Bを絶縁継手1と並列に接続した絶縁継手保護手段4が接続されている。この絶縁継手保護手段4は、パイプラインL1からパイプラインL2に向かう方向を順方向としたダイオード40A(第1のダイオード)とパイプラインL2からパイプラインL1に向かう方向を順方向としたダイオード40B(第2のダイオード)を備えている。
このようなシステム構成において、一つの実施形態としては、管対地電位計測手段3(3A,3B)で計測される絶縁継手1の両側での管対地電位(P/S,P/SII)の差(Δ(P/S)=P/SII−P/S)がダイオード40Bの作動電位になるようにカソード防食電流発生手段2の発生電流を制御している。すなわち、ダイオード40Bが順方向に700mVの電圧が印加されたときに作動して電流を流し出すとすると、Δ(P/S)=P/SII−P/S=700mVとなるように、流電陽極20からの発生電流を制御して、その電流を設定値とした定電流制御を行う。
これによるとMg陽極などの接地抵抗の低い流電陽極20をパイプラインL1に接続しているにも拘わらず、流電陽極20からは常時設定された定電流が流出しているので、流電陽極20から直流迷走電流がパイプラインL1に流入することを実質的に防止することができる。
更には、Δ(P/S)の付加によって絶縁継手保護手段4を介してパイプラインL2からパイプラインL1に向かう電流方向を順方向とするダイオード40Bが常時作動状態になるので、低接地体である非防食ラインのパイプラインL2にカソード防食電流が流入した場合であっても、流入した電流をパイプラインL1側に逃がして、流電陽極20から流出させることができる。これによって、パイプラインL2の絶縁継手1近傍で生じるジャンピング腐食を効果的に防止することができる。
また、非防食ラインであるパイプラインL2からカソード防食ラインL1への電流の流れがダイオード40Bの常時作動によって確保されているので、パイプラインL1に接続された流電陽極20からの発生電流を効果的に非防食ラインであるパイプラインL2に流入させることができる。これによって、流電陽極20からの発生電流を過剰に大きくしなくても、パイプラインL2の腐食リスクを効果的に低減させることができ、パイプラインL1の過防食や他埋設パイプラインの直流干渉リスクを誘起することなく両パイプラインL1,L2の腐食リスクを低減させることができる。
パイプラインL1,L2の管対地電位P/S,P/SIIを如何に設定するかの具体例を説明すると、カソード防食ラインであるパイプラインL1が鋼管であり、非防食ラインであるパイプラインL2が鋳鉄管である場合には、パイプラインL2の管対地電位P/SIIを自然電位から設定電位だけマイナス側にシフトさせた値にする。土壌中での鋳鉄管の自然電位が例えば−500mVCSE(飽和硫酸銅電極CSE基準)であるとすると、最小100mVカソード分極を指標としたカソード防食基準を採用して、管対地電位P/SIIの目標値を−500−100=−600mVCSEとする。これによって、パイプラインL2の腐食速度を自然腐食速度よりも1桁小さいレベルにすることができる。
そして、カソード防食ラインであるパイプラインL1の管対地電位P/Sは、パイプラインL2の管対地電位P/SIIよりダイオード40Bの作動電位だけマイナス側にシフトした値で且つカソード防食基準に合格する値になるように目標値を設定する。ダイオード40Bの作動電位が700mVであるとすると、P/S=P/SII−700=−600−700=−1300mVCSEとする。この値は、カソード防食設計の防食電位の一例である−1000mVCSE(日本ガス協会編「ガス導管防食ハンドブック」,1993年4月,p.89)に合格する値になっている。
このような管対地電位P/S,P/SIIの値になるように、流電陽極20の発生電流を制御する。具体的には、詳細に後述する流電陽極発生電流安定化装置21の設定電流を徐々に高めていき、管対地電位P/S,P/SIIが前述した目標値に達したところで、定電流制御を行う。流電陽極20からの発生電流を定電流制御することで、パイプラインL1,L2の管対地電位P/S,P/SIIの値が経時的に維持されることになり、ダイオード40Bは常時作動状態が保持されることになる。
図3は、流電陽極発生電流安定化装置21の具体的な構成を示した説明図である。流電陽極発生電流安定化装置21は、パイプラインL1に一端が接続される電線20Aの他端がカソード防食ライン側端子21Aに接続され、流電陽極20に一端が接続される電線20Bの他端が流電陽極側端子21Bに接続されており、カソード防食ライン側端子21Aと流電陽極側端子21Bとの間を通電する主通電線21Dと、主通電線21D内に直列接続されるモニタ抵抗21Eと、定電流発生電源21Cを備え、定電流発生電源21Cは、主通電線21Dにスイッチング素子21Fを介して流電陽極20の側がプラスとなるように並列接続されている。定電流発生電源21Cの具体例としては、1.5Vの乾電池を複数個並列接続するものを用いることができる。
定電流発生電源21Cを接続・非接続制御する制御手段21Gは、モニタ抵抗21Eを流れる電流を設定時間毎に検出し、検出された検出電流値と設定電流値とを比較して、検出電流値が設定電流値より小さい場合にスイッチング素子21Fを閉状態にする制御を行うものである。
この際の設定時間は、流電陽極20から直流迷走電流が流入してこれがダイオード40Aを通ってパイプラインL2側に流入した場合にも腐食リスクが問題にならないように設定される。この設定時間を例えば4msecとした場合、流電陽極20に流入する直流迷走電流が4msec間で10A(直流電気鉄道車両の負荷電流を1000Aとしてその1%がレール漏れ電流になった場合を仮定)だとすると、鉄の腐食量はファラデーの法則により11.56μgとなり、この微小値が裸の鋳鉄管の表面から大地に分散して流出することになるが、この程度の値では鋳鉄管の維持管理上問題が無いと言える。
この流電陽極発生電流安定化装置21によると、流電陽極発生電流が設定電流値を超えている場合には、スイッチング素子21Fが開状態になって定電流発生電源21Cの接続は完全に遮断された状態になる。これによって、定電流発生電源21Cを乾電池で形成した場合であっても電池寿命を無駄に費やすことが無く、電池交換の頻度を最小限に抑えることが可能になる。
流電陽極発生電流安定化装置21内には、モニタ抵抗21Eを流れる電流を時系列的に記憶する記憶手段(フラッシュメモリ)を設けることができる。この記憶手段の記憶内容を定期的に確認することで、システム全体の正常作動を確認することが可能になる。
前述した設定電流値は、定電流設定手段22によって設定される。すなわち、定電流設定手段22は、定電流発生源21Cを電線20A,20B間に接続状態にして、パイプラインL1と流電陽極20間を流れる電流をモニタしながら、定電流制御のための設定電流値を所望の値に定めるものである。定電流設定手段22としては、図示のように、モニタ手段を有する演算処理装置(PC又はPDA等)22Aをケーブル(例えば、USBケーブル)23で流電陽極発生電流安定化装置21に接続して、この演算処理装置に22Aよって機能させることができる。
この定電流設定手段22は、パイプラインL1と流電陽極20間を流れる電流をモニタしながら、管対地電位計測手段3の電圧計33で計測された管対地電位P/S,P/SIIが前述した目標値に達したときのモニタ電流を定電流制御のための設定電流値に定める。
図4は、本発明の実施形態における絶縁継手保護手段の具体的な構成例を示した説明図である。絶縁継手保護手段4は、前述したように、絶縁継手1を介して接続される両方のパイプラインL1,L2に接続され、少なくとも逆並列接続したダイオード40A,40Bを絶縁継手1と並列に接続したものであるが、ダイオードの接続形態としては、図示の例のように、パイプラインL1からパイプラインL2に向かう方向を順方向とするダイオード40A1,40A2を並列接続すると共に、パイプラインL2からパイプラインL1に向かう方向を順方向とするダイオード40B1,40B2を並列接続するものであってもよい。また、ダイオード40A1〜40B2の両側には、交流に対する抵抗体としてのコイルC1〜C4を直列接続させている。
また、絶縁継手保護手段4は、サージ印加時に導通するバイパス回路41を絶縁継手1に並列して接続し、バイパス回路41に直列した非防食ライン側の回路にサージ電流に耐えうるタイムラグ型のヒューズ42を設けている。バイパス回路41としては、アレスタ,バリスタ等のサージ対策素子を複数並列接続して挿入する。低接地体であって雷などのサージを受けやすいパイプラインL2側の回路には、初期段階のサージ電流を通過させるように、サージ電流に耐えて溶断速度の遅いタイムラグ型のヒューズ42が挿入されている。
このような本発明の実施形態によると、先ずは従来技術と同様に、パイプラインL1,L2間に絶縁継手1を設けているので、異種金属マクロセル且つ新旧管マクロセルによって鋼管側が腐食するのを防止することができる。また、絶縁継手1を跨いだ両側に絶縁継手保護手段4を接続しているので、サージ印加時に絶縁継手1の焼損や感電,火花発生が生じることを防止することができる。
それに加えて、カソード防食ラインであるパイプラインL1に設置されたカソード防食電流発生手段2の発生電流を定電流制御しているので、絶縁継手1の近傍両側でのパイプラインL1,L2の管対地電位状態を一定に維持することができる。そして、絶縁継手1の両側での管対地電位(P/S,P/SII)の差(Δ(P/S)=P/SII−P/S)が絶縁継手保護手段4におけるダイオード40Bの作動電位になるように発生電流を設定することで、ダイオード40Bを常時作動状態にしてダイオード40Bを介したパイプラインL2からパイプラインL1へ向かう電流流路を確保しているので、カソード防食ラインに設置したカソード防食電流発生手段2から発生するカソード防食電流をこれと絶縁継手1を介して接続された非防食ラインにも流入させることができ、絶縁継手1を挟んだ両側のパイプラインL1,L2の腐食リスクを効果的に低減させることができる。
また、カソード防食ラインである鋼管のパイプラインL1は、管対地電位P/Sがカソード防食基準に合格するようにカソード防食電流発生手段2の発生電流が設定されているので、このパイプラインL1に対しては適正な防食状態を維持することができる。一方、非防食ラインである鋳鉄管のパイプラインL2は、管対地電位P/SIIが最小100mVカソード分極を指標としたカソード防食基準(腐食速度を自然腐食速度よりも1桁小さいレベルにする基準)をクリアしているので、このパイプラインL2も適正な防食状態を維持することができる。
更には、パイプラインL2にカソード防食電流が流入した場合にも、これをパイプラインL1側に速やかに逃がして、絶縁継手1近傍でのジャンピング腐食を防止することができる。
落雷等のサージ(高電圧)印加がパイプラインL1,L2のいずれに起きた場合にも、絶縁継手保護手段4のバイパス回路41が機能して、絶縁継手4の焼損,感電,火花発生を絶縁継手4の両端の極性に関係なく回避することができる。また、カソード防食ラインであるパイプラインL1にサージ電流が流入した場合には、これを速やかに低接地体である非防食ラインのパイプラインL2に逃がすので、絶縁継手4の焼損だけでなく、流電陽極発生電流安定化装置21の回路素子の破損を防止することもできる。
流電陽極発生電流安定化装置21の電流モニタリング結果を定期的に確認することで、本発明のシステムの正常作動、即ち、絶縁継手保護手段4のダイオードが常時作動している状態を確認することができる。
そして、本発明の実施形態は直流迷走電流且つ又は交流迷走電流が存在する環状下においても有効である。図5は、直流迷走電流が存在する環境下に本発明の実施形態に係るカソード防食システムが設置された状態を示す説明図である。ここでは、レール漏れ抵抗の低い道路と交差する踏切部下に絶縁継手1を介して接続されたパイプラインL1,L2を埋設する場合を例に説明する。走行する直流電気鉄道車両の位置と変電所間のレールを流れる電流による電圧降下により、レールの大地に対する電位であるレール対地電位が生じる。レール対地電位は、直流電気鉄道車両の通過状態によってプラスの値を取る場合(図5(a)参照)とマイナスの値を取る場合(図5(b))がある。
道路と交差する踏切部では、レールは接地状態にあり、レールは大地との間に接地抵抗であるレール漏れ抵抗を有し、レールから大地への漏れ電流であるレール漏れ電流が生じる。このレール漏れ電流によって、踏切部近傍の大地には図示のような地中電位勾配(A→B:図5(a),C→D:図5(b))が生じる。踏切部直下に埋設されるパイプラインL1は、耐輪荷重が要求されること、腐食による事故を誘発してはならないことから、延性材料である鋼管が用いられ、この鋼管には腐食防止措置として高抵抗率の塗覆装を施した上に流電陽極方式によるカソード防食が施される。踏切部下に埋設され絶縁継手1を介して接続されたパイプラインL1,L2は、図示のように踏切部下に生じる地中電位勾配の中に存在することになる。
図5(a)に示すように、踏切部のレール対地電位がプラスの場合、レール漏れ電流はA点を中心に広がり、大地に地中電位勾配ABを生じる。この地中電位勾配の中に鋼管からなるパイプラインL1と鋳鉄管からなるパイプラインL2とが絶縁継手1を介して接続されて埋設されていると、地中電位勾配によりパイプラインL1側がプラスとなりパイプラインL2側がマイナスとなる電場がパイプラインL1,L2に作用して、レール漏れ電流はP1〜P2の区間でパイプラインL1,L2に流入しようとし、P2〜P3区間で流入した電流が大地に流出しようとする。流電陽極20をパイプラインL1に接続している場合には、接地抵抗の低い流電陽極20からパイプラインL1に流入することになる。
レール漏れ電流が流電陽極20からパイプラインL1に流入すると、鋼管のパイプラインL1にかかる電場が鋳鉄管のパイプラインL2に対してプラスになるので、流入した電流がパイプラインL1からパイプラインL2に流れようとする。そこで、パイプラインL1からジャンピング現象でパイプラインL2に電流が流入することによるジャンピング腐食を避けるために、絶縁継手1の周辺電場によってパイプラインL1とパイプラインL2間に生じる電位差が設定値を超えた場合に作動するようにダイオード40Aの作動電位を設定しておく。これによって、流電陽極20からパイプラインL1に流入したレール漏れ電流は、ダイオード40Aを通過して低接地のパイプラインL2に流入し、パイプラインL2から大地に流出される。
この際、流電陽極20に流入したレール漏れ電流は、流電陽極発生電流安定化装置21の作用によって抑制されて、腐食リスクの小さい微少電流がパイプラインL2から大地に分散されることになる。すなわち、流電陽極20にレール漏れ電流が流入すると、流電陽極発生電流が流電陽極発生電流安定化装置21の設定電流値より小さくなるので、スイッチング素子が作動して定電流発生電源21Cが接続され、流電陽極20からは設定された定電流値の電流が発生する。流電陽極発生電流安定化装置21の定電流制御は、設定時間毎に行われる発生電流の検出結果に基づいて行われるので、この設定時間を適正な値(例えば4msec)に設定しておけば、鋳鉄管の維持管理上問題のない微少値をパイプラインL2から分散流出させることができ、直流迷走電流が存在する環境下であってもパイプラインL1,L2を健全に維持することができる。
一方、図5(b)に示すように、踏切部のレール対地電位がマイナスの場合、地中電位勾配は前述した同図(a)の場合と逆になる。この地中電位勾配の中に鋼管からなるパイプラインL1と鋳鉄管からなるパイプラインL2とが絶縁継手1を介して接続されて埋設されていると、地中電位勾配によりパイプラインL2側がプラスとなりパイプラインL1側がマイナスとなる電場がパイプラインL1,L2に作用して、レール漏れ電流はP5〜P6の区間でパイプラインL1,L2に流入しようとし、P4〜P5区間で流入した電流が大地に流出しようとする。したがって、レール漏れ電流は接地抵抗の低いパイプラインL2(裸の鋳鉄管)に流入して、ダイオード40Bを通ってパイプラインL1に接続された流電陽極20に流れる。
この際、流電陽極発生電流は増大することになるので、スイッチング素子は開状態になり定電流発生電源21Cとの接続は遮断されるが、パイプラインL1と流電陽極20は導通状態にあるので、パイプラインL1から流電陽極20に電流は流れる。レール漏れ電流がパイプラインL2に流入しなくなったら、流電陽極20は流電陽極発生電流安定化装置20で設定された定電流値の発生電流を生じることになる。
ここで、パイプラインL2は、裸鋳鉄管の表面積が大きいので、レール漏れ電流が流入したとしても鋳鉄管のカソード分極量は小さく、ダイオード40Bは常時作動状態が維持される。踏切部のレール対地電位がマイナスの場合、踏切部により近い部位は地中電位勾配が大きく、より激しく腐食する懸念があり、この部位の腐食は重大な事故を誘発しうるので絶対に避けなければならない。本発明の実施形態によると、パイプラインL2に流入したレール漏れ電流を流電陽極20から確実に大地に流出させることができるので、踏切部直下の腐食リスクを排除することができるという大きな利点を有する。
更には、パイプラインL1が高圧交流送電線等によって交流誘導電圧の影響を受けている場合には、鋼管であるパイプラインL1の管対地電位を計測する電圧計33によって、例えば0.1msecのデータサンプリング間隔で電位計測を行い、交流の周波数が50Hzであるならばその1周期の20msecでの管対地電位の実効値を求め、その実効値が3.0Vを超えていたら交流腐食リスク有りと判定する。交流腐食リスク有りと判定された場合には、適正な流電陽極本数にして、パイプラインL1の接地抵抗を低くし交流腐食リスクを排除する。すなわち、本発明の実施形態に係るカソード防食システムは、流電陽極20の設置本数を適宜設定することで、交流迷走電流が存在する状況であっても有効に機能する。
従来技術の説明図である。 本発明の実施形態に係るカソード防食システムのシステム構成を説明するための説明図である。 本発明の実施形態における流電陽極発生電流安定化装置の具体的な構成を示した説明図である。 本発明の実施形態における絶縁継手保護装置の具体的な構成を示した説明図である。 直流迷走電流が存在する環境下に本発明の実施形態に係るカソード防食システムが設置された状態を示す説明図である。
符号の説明
1:絶縁継手,2:カソード防食電流発生手段,20:流電陽極,
21:流電陽極発生電流安定化装置,
3:管対地電位計測手段,30:照合電極,31,32:電線,33:電圧計,
4:絶縁継手保護手段,40A,40B,40A1〜40B1:ダイオード,
41:バイパス回路,42:ヒューズ,
L1,L2:パイプライン

Claims (8)

  1. 絶縁継手を介して接続される埋設パイプラインに対するカソード防食システムであって、
    前記埋設パイプラインの一方に接続され、カソード防食電流の発生を定電流制御し得るカソード防食電流発生手段と、
    前記絶縁継手の両側での管対地電位をそれぞれ計測可能な管対地電位計測手段と、
    前記埋設パイプラインの両方に接続され、少なくとも逆並列接続したダイオードを前記絶縁継手と並列に接続した絶縁継手保護手段とを備え、
    前記カソード防食電流発生手段は、前記管対地電位計測手段で計測される前記絶縁継手の両側での管対地電位の差が前記ダイオードの作動電位になるように発生電流が制御されていることを特徴とする埋設パイプラインに対するカソード防食システム。
  2. 絶縁継手を介して第1の埋設パイプラインとこれより接地抵抗が低い第2の埋設パイプラインを接続した埋設パイプラインに対するカソード防食システムであって、
    前記第1の埋設パイプラインに流電陽極を接続してカソード防食ラインとし、
    前記流電陽極を接続する電線間に該流電陽極からの発生電流を設定電流値に定電流制御しうる流電陽極発生電流安定化装置を接続し、
    前記第1の埋設パイプラインから前記第2の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第1のダイオードと、前記第2の埋設パイプラインから前記第1の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第2のダイオードを備えた絶縁継手保護手段を、前記絶縁継手と並列して前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプラインに接続し、
    前記流電陽極発生電流安定化装置は、前記絶縁継手の両側での管対地電位の差が前記第2のダイオードの作動電位になるように設定電流値が設定されており、
    前記第1のダイオードは、前記絶縁継手の周辺電場によって前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプライン間に生じる電位差が設定値を超えた場合に作動するようにその作動電位が設定されており、
    前記流電陽極発生電流安定化装置は、前記第1の埋設パイプラインと前記流電陽極とを接続する電線にスイッチング素子を介して前記流電陽極側がプラスとなる定電流発生電源を並列接続し、前記発生電流を設定時間毎に検出した検出電流値が前記設定電流値より小さい場合に前記スイッチング素子を閉状態にする制御がなされていることを特徴とする埋設パイプラインに対するカソード防食システム。
  3. 前記第1の埋設パイプラインが塗覆装を有する鋼管であり、前記第2の埋設パイプラインが裸の鋳鉄管であって、
    前記第2の埋設パイプラインの管対地電位が自然電位から100mVだけマイナス側にシフトした値になり、前記第1の埋設パイプラインの管対地電位が前記第2の埋設パイプラインの管対地電位より前記第2のダイオードの作動電位だけマイナス側にシフトした値で且つカソード防食基準に合格する値になるように、前記流電陽極発生電流安定化装置の設定電流値が設定されていることを特徴とする請求項2に記載された埋設パイプラインに対するカソード防食システム。
  4. 前記設定時間が4msecに設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載された埋設パイプラインに対するカソード防食システム。
  5. 前記絶縁継手保護手段は、サージ印加時に導通するバイパス回路を前記絶縁継手に並列して接続し、前記バイパス回路に直列した前記非防食ライン側の回路にサージ電流に耐えうるタイムラグ型のヒューズを設けることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載された埋設パイプラインに対するカソード防食システム。
  6. 絶縁継手を介して第1の埋設パイプラインとこれより接地抵抗が低い第2の埋設パイプラインを接続した埋設パイプラインに対するカソード防食方法であって、
    前記第1の埋設パイプラインに流電陽極を接続してカソード防食ラインとし、
    前記流電陽極を接続する電線間に該流電陽極からの発生電流を設定電流値に定電流制御しうる流電陽極発生電流安定化装置を接続し、
    前記第1の埋設パイプラインから前記第2の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第1のダイオードと、前記第2の埋設パイプラインから前記第1の埋設パイプラインに向かう方向を順方向とした第2のダイオードを備えた絶縁継手保護手段を、前記絶縁継手と並列して前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプラインに接続し、
    前記絶縁継手の両側での管対地電位の差が前記第2のダイオードの作動電位になるように前記流電陽極発生電流安定化装置の設定電流値を設定し、
    前記流電陽極に流入する電流によって前記第1の埋設パイプラインと前記第2の埋設パイプライン間の電位差が設定値を超えた場合に作動するように前記第1のダイオードの作動電位を設定し、
    前記流電陽極発生電流安定化装置は、前記第1の埋設パイプラインと前記流電陽極とを接続する電線にスイッチング素子を介して前記流電陽極側がプラスとなる定電流発生電源を並列接続し、前記発生電流を設定時間毎に検出した検出電流値が前記設定電流値より小さい場合に前記スイッチング素子を閉状態にする制御を行うことを特徴とする埋設パイプラインに対するカソード防食方法。
  7. 前記第1の埋設パイプラインが塗覆装を有する鋼管であり、前記第2の埋設パイプラインが裸の鋳鉄管であって、
    前記第2の埋設パイプラインの管対地電位が自然電位から100mVだけマイナス側にシフトした値になり、前記第1の埋設パイプラインの管対地電位が前記第2の埋設パイプラインの管対地電位より前記第2のダイオードの作動電位だけマイナス側にシフトした値で且つカソード防食基準に合格する値になるように、前記設定電流値を設定することを特徴とする請求項6に記載された埋設パイプラインに対するカソード防食方法。
  8. 前記流電陽極に流入した直流迷走電流が前記第1のダイオードを通って前記第2の埋設パイプラインから腐食リスク無く分散流出できるように、前記設定時間を設定することを特徴とする請求項6又は7に記載された埋設パイプラインに対するカソード防食方法。
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