JP4037074B2 - 塗覆装鞘管内塗覆装埋設管の防食方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食方法及び防食装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製の管、すなわち金属管が土壌中に埋設された場合、濃淡電池作用、異種金属の接触作用、迷走電流の作用、バクテリアの作用、あるいはこれらの複合作用などにより腐食が進行する。このような腐食の発生は、土壌に水分や各種電解質が含まれていることに起因しており、これを防止するために、金属管に塗覆装を施して土壌と絶縁することが一般的である。しかし、塗覆装には、小石の食い込みなどにより傷が発生する場合がある。図1は、この状態を模式的に示したものである。塗覆装に傷が生じて、金属管の表面が出現した箇所は塗覆装欠陥と呼ばれ、ここで金属管と土壌が接することにより金属管の腐食が進行する。
【0003】
ところで、腐食の発生とその防止(防食)は、電流の流れとして説明される。塗覆装欠陥において腐食が進行している場合、金属管が炭素鋼等の鋼管の場合を例にすると、図2に示すように、鉄(Fe)の酸化反応が起こり、結果として電流は鋼管から土壌へ流出する方向に流れる。そこで、逆に土壌から鋼管へ電流を流入させれば、塗覆装欠陥における電流の流出を防ぐことができるため、鋼管の腐食を防止することが可能となる。これを電気防食と呼んでいる。
【0004】
図3〜4は、塗覆装を施した金属管に対して電気防食を適用する場合の状況を説明する図である。電気防食は、犠牲陽極法と呼ばれる方法と、外部電源法と呼ばれる方法とに大別される。図3は犠牲陽極法による電気防食、図4は外部電源法による電気防食をそれぞれ模式的に示したものである。
【0005】
まず、図3のとおり、犠牲陽極法では、金属管よりも自然電位が卑な(低い)金属を犠牲陽極として地中に埋め込み、電線などの導線を介して塗覆装金属管の金属管部分に連結しておく。これにより、犠牲陽極と金属管との間の異種金属による電池作用により金属管へ防食電流を流入させることで、塗覆装欠陥における金属管の腐食が防止される。
【0006】
一方、図4のとおり、外部電源法では、通電極を地中に埋め込み、この通電極と金属管に外部電源から電線などの導線を通じて電圧を印加する。これにより、通電極から土壌を経て金属管に防食電流を流入させることで、塗覆装欠陥における金属管の腐食が防止される。外部電源法では大電流を流すことが可能であり、また最高60Vまでの電圧を印加することができることから、大規模な埋設管の防食に適している。
【0007】
ところで、ガス管や水道管等を地中に埋設したり、河川や湖などに添架して敷設する場合、沈下による変位や熱応力による変位などを吸収するため、地中、あるいは河川や湖などの両岸の土壌中への埋設部分や添架部分に金属製鞘管を利用することがある。特に、河川や湖に添架するに際しては、橋や鉄橋の側部や下部に配管される場合が多く、この場合にも鞘管を利用することで、上記変位吸収の目的に加えて、ガス管や水道管の防護の目的も達成することができる。
【0008】
一方、推進工法により塗覆装金属製埋設管を新設するケースにおいても鞘管が使用されるが、この際の鞘管は通常金属製の裸管であり、鞘管内には充填材として発泡モルタル等が充填される。この場合にも腐食防止用の機構が必要である。図5はこの例を示す図で、腐食防止機構として外部電源法を適用した場合を示している。図5のとおり、通電極からの防食電流は裸管である鞘管から充填材に通じる。この場合、塗覆装金属製埋設管の塗覆装に欠陥が生じても、防食電流が鞘管及び充填材を通じて塗覆装欠陥に流入するので、金属製埋設管の腐食は防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように添架して敷設する際などにおける塗覆装金属製埋設管と鞘管からなる二重管構造では、鞘管の変位吸収の機能を持続させるために、恒久的ないし半永久的に使用できるように鞘管に対しても電気絶縁性の高い塗覆装を施して腐食を防ぐことがある。しかし、この場合の二重管構造では、鞘管表面に塗覆装が施されているうえ、鞘管内は沈下や熱応力などによる変位吸収のため空隙状態となる。このため防食電流が金属管(金属製埋設管)に到達しない状況となり、万が一、鞘管内に水が浸入し、浸入箇所に塗覆装欠陥が存在すると、金属製埋設管が腐食を被ることになる。図6〜7は、そのような二重管構造の埋設管及びその腐食発生状況を説明する図である。
【0010】
図6のとおり、外部電源法に基づく通電極が土壌中に埋設されている。二重管は、最内部に金属製埋設管があり、その外周には塗覆装が施され、該塗覆装の外周にはパイピングスムーサーが固定されている。金属製鞘管は、その塗覆装を囲んで配置され、鞘管の外周には、埋設管の場合と同じく、塗覆装が施されている。パイピングスムーサーは、埋設管と鞘管との間の間隔を保ち、埋設管が鞘管に直かに接触するのを防ぎ、併せて鞘管に埋設管を内挿する際に、その作業を円滑に行えるようにする役割も果たす。なお、パイピングスムーサーは、ポリプロピレンなどの材料で構成され、その円環状基体の外周面に放射状、等間隔に複数の凸部を設けるなどして構成される。
【0011】
上記のような、塗覆装金属製埋設管と塗覆装金属製鞘管との二重管構造では、鞘管表面に塗覆装が施されているうえ、沈下や熱応力などによる変位吸収のため、鞘管内は空隙状態である〔図6(b)〕。鞘管表面の塗覆装自体電気絶縁性であり、空隙も空気雰囲気であるので電気絶縁性である。
【0012】
図7は、鞘管内に水が浸入し、その浸入箇所において、金属製埋設管表面の塗覆装に欠陥が存在するか、発生した場合の状況を示す図である。図7のとおり、浸入した水が鞘管内に溜って塗覆装及び埋設管を浸すことになる。ここで、塗覆装鞘管の塗覆装は電気絶縁性であるため埋設管には外部電源法による防食電流は流入しない。このため、前述図2に示すように、塗覆装欠陥が存在するか、発生した場合、埋設管表面において腐食が進行することになる。
【0013】
本発明は、塗覆装金属製埋設管に塗覆装鞘管を配した二重管構造、すなわち埋設管にも鞘管にも塗覆装が施された特殊な二重管構造において生じる上記のような問題を解決するためになされたものであり、その腐食の問題を恒久的ないし半永久的に無くしてなる塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食方法及び防食装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は(1)塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食方法であって、該塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置することを特徴とする塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食方法を提供し、また、本発明は(2)塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食方法であって、該塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置するとともに、塗覆装鞘管に沿って犠牲陽極を配置することを特徴とする塗覆装鞘管内における金属製埋設管の防食方法を提供する。
【0015】
本発明は(3)塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食方法であって、該塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置するとともに、塗覆装鞘管に沿って犠牲陽極を配置し、且つ、塗覆装鞘管外における塗覆装金属製埋設管の電気防食のために、外部電源及び通電極を配置することを特徴とする塗覆装鞘管内における金属製埋設管の防食方法を提供する。
【0016】
本発明は(4)塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食装置であって、該塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置してなることを特徴とする塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食装置を提供し、また、本発明は(5)塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食装置であって、該塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置するとともに、塗覆装鞘管に沿って犠牲陽極を配置してなることを特徴とする塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食装置を提供する。
【0017】
さらに、本発明は(6)塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食装置であって、該塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置するとともに、塗覆装鞘管に沿って犠牲陽極を配置し、且つ、塗覆装鞘管外における塗覆装金属製埋設管の電気防食のために、外部電源及び通電極を配置してなることを特徴とする塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、塗覆装鞘管内における、すなわち塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食方法(腐食防止方法)及び防食装置(腐食防止装置)である。そして、本発明においては、該塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置してなることを特徴とする。本発明は、特に都市ガス等の金属製(特に炭素鋼製)ガス管に適用されるが、塗覆装鞘管と塗覆装金属製埋設管からなる二重管構造に構成された管(水道管等)についても適用される。
なお、本明細書中、塗覆装を施した鞘管を塗覆装鞘管と指称し、塗覆装(ポリエチレンなどの合成樹脂で構成される)を施した金属製埋設管を塗覆装金属製埋設管、あるいは塗覆装埋設管と指称している。
【0019】
前述のとおり、鞘管には電気絶縁性の高い塗覆装(ポリエチレンなど)が施されているうえ、鞘管内は沈下による変位や熱応力による変位などを吸収するため空隙状態となる。このため、鞘管内の塗覆装金属製埋設管には外部電源などからの防食電流が流入せず、鞘管内に水が浸入すると、金属製埋設管が腐食する(図7)。そこで、本発明においては、塗覆装鞘管内の塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置し、万が一、塗覆装鞘管内に浸水した場合でも、防食電流が流入できるようにしたものである。
【0020】
本発明で用いる犠牲陽極の材料としては、亜鉛又はその合金、あるいはアルミニウム合金なども使用し得るが、好ましくはマグネシウム又はその合金(=マグネシウム系陽極)が用いられる。マグネシウム系陽極は、自然電位が実用金属中最も卑で、単位面積当たりの発生電流が大きいという利点がある。マグネシウム合金(Mg合金)としては、マグネシウムにアルミニウム、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、希土類元素などの元素の一種又は2種以上を加えた合金が用いられる。
【0021】
本発明における犠牲陽極は、板状、円盤状、塊状、線状その他適宜の形状で構成されるが、好ましくは線状に構成される。板状、円盤状、塊状等の犠牲陽極を塗覆装金属製埋設管に対して配置する場合、それらの複数個を塗覆装埋設管に沿って、すなわち管表面に近接させ且つ管の長手方向に所定間隔で配置し、相互に電線で連結し、これを埋設管と電気的に接続して配置される。
【0022】
また、線状の犠牲陽極の場合は、これを塗覆装金属製埋設管に沿って、すなわちその表面に近接させ且つ管の長手方向に配置する。この場合、犠牲陽極を浸水しやすい埋設管の底部で且つその長手方向に平行に配置するのが好ましい。そして該犠牲陽極は埋設管と電気的に接続される。犠牲陽極は、ポリエチレン、ポリプロプレンその他のプラスチック製の電気絶縁性の網状体(ネット状体)で囲って構成するのが好ましい。網状体に代えて、ウレタンフォーム等の多孔質体を用いてもよい。これら網状体や多孔質体は、犠牲陽極が線状の場合はもちろん、板状、円盤状、塊状等の場合も同様に適用される。
【0023】
本発明は、塗覆装鞘管と塗覆装金属製埋設管からなる二重管構造における、塗覆装金属製埋設管に対する以上の防食機構に加え、塗覆装鞘管についても、犠牲陽極法による防食機構を配置してもよい。これにより、塗覆装金属製埋設管を確実に防食するのに加え、塗覆装鞘管についても確実に防食することができる。この場合、犠牲陽極の材料、その形状、配置の仕方等については、以上述べた塗覆装金属製埋設管に対する場合と同様に行うことができる。
【0024】
また、河川や湖に添架される部分及び両側の土壌埋設部における所定の延長部分(数m〜数十m)は二重管構造となるが、それ以外の箇所においては、塗覆装金属製埋設管は直接土壌に埋設される直埋部となる。このような直埋部に対しては、外部電源法による防食機構を設けることができる。これにより、塗覆装鞘管内塗覆装埋設管については犠牲陽極法により防食し、また直埋部埋設管については外部電源法により防食し、それら塗覆装鞘管内及び直埋部の塗覆装埋設管を確実に防食することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明が実施例に限定されないことはもちろんである。各実施例での犠牲陽極の構成材料としては、Al:5.3〜6.7%(wt%、以下同じ)、Zn:2.5〜3.5%、Mn:0.15〜0.60%、Fe:<0.003%、Ni:<0.001%、Cu:<0.02%、Si:<0.10%、残部:MgからなるMg合金を用いた。以下、適宜、線状Mg、鞘管防食用Mg等と略記している。
【0026】
〈実施例1〉
本実施例は、塗覆装鞘管内に配置された塗覆装埋設管(炭素鋼製鋼管、以下の実施例も同じ)に線状の犠牲陽極を適用した例である。図8のとおり、埋設管は、その外周にポリエチレン製(以下の実施例でも同じ)の塗覆装が施され、塗覆装の外面には厚さ約30mmのパイピングスムーサーが配置されている。パイピングスムーサーは、塗覆装埋設管の長手方向に等間隔に、且つ、塗覆装埋設管の周面に等間隔に配置されている。本例では、6箇所の凹凸があるパイピングスムーサーを使用しているが、凹凸の個数は適宜選定される。パイピングスムーサーの構成材料として本例ではポリプロピレンを用いているが、ポリエチレンその他プラスチックを用いることができる。
【0027】
塗覆装埋設管を囲って塗覆装鞘管が配置されている。鞘管は炭素鋼製で、その外周に電気絶縁性の高い塗覆装(ポリエチレン製、以下の実施例でも同じ)が施されている。塗覆装鞘管と塗覆装埋設管の間に、塗覆装埋設管の底部で且つその長手方向に線状Mgの犠牲陽極が配置され、該線状犠牲陽極の一端に導線が連結され、該導線の他端は塗覆装埋設管の埋設管に直かに(直接に)接して固定されている。
【0028】
塗覆装鞘管内に、万が一、水が浸入し、埋設管の塗覆装に欠陥があると(図7参照)、図2に示すように電流が流出し埋設管に腐食が発生するが、本発明によれば、犠牲陽極、導線及び埋設管の間で電池が形成される。Mg合金の電位は埋設管を構成する炭素鋼の構成材料である鉄(Fe)に対して卑であるので、電流は埋設管から導線、導線からMg合金の方向に流れる。これにより、防食電流が塗覆装欠陥に流入するため、塗覆装の欠陥箇所における埋設管の腐食が防止される。
【0029】
〈実施例2〉
本実施例は、実施例1のように塗覆装鞘管内に配置された塗覆装埋設管に線状の犠牲陽極を適用するのに加え、外部電源法による防食機構を配置した例である。図9のとおり、土壌中に通電極を配置し、外部電源が導線を介して埋設管と通電極に連結されている。鞘管内部に位置する埋設管以外の直埋部における埋設管(すなわち塗覆装鞘管が配されていない箇所の塗覆装埋設管)は、この外部電源による電流で防食される。
【0030】
本例においては、このようにして、塗覆装鞘管内に配置した塗覆装埋設管については犠牲陽極法により腐食を防止し、塗覆装鞘管が配されていない塗覆装埋設管については、外部電源法により腐食を防止することにより、塗覆装鞘管内に配置した塗覆装埋設管を確実に防食するとともに、塗覆装鞘管が配されていない箇所の塗覆装埋設管を確実に防食することができる。
【0031】
〈実施例3〉
本実施例は、実施例2のように塗覆装鞘管内に配置した塗覆装埋設管及び塗覆装鞘管が配されていない塗覆装埋設管を防食するのに加え、塗覆装鞘管についても犠牲陽極法により防食を行う例である。図10は本例を示す図で、犠牲陽極(図10中鞘管防食用Mg)を塗覆装鞘管の塗覆装面に近接して配置し、該犠牲陽極の一端に導線が連結され、該導線の他端は塗覆装鞘管の鞘管に直かに接して固定されている。犠牲陽極の形状は、図10に示すような断面楕円形状のほか、板状、円盤状、塊状、あるいは線状等適宜の形状とすることができる。
【0032】
本例においては、このようにして、塗覆装鞘管内に配置した塗覆装埋設管については犠牲陽極法により腐食を防止し、また塗覆装鞘管が配されていない塗覆装埋設管部分については、外部電源法により腐食を防止し、さらに塗覆装鞘管については、犠牲陽極法により腐食を防止する。これにより、塗覆装鞘管内に配置した塗覆装埋設管、塗覆装鞘管が配されていない塗覆装埋設管及び塗覆装鞘管を確実に防食することができる。なお、図10には、各パイピングスムーサーの管長手方向の間隔を約3mとした例を示しているが、その間隔は埋設管の径や肉厚等の条件に応じて適宜設定される。この点、他の実施例についても同様である。
【0033】
〈実施例4〉
図11は本実施例を示す図で、塗覆装鞘管内に配置された塗覆装埋設管に線状の犠牲陽極を適用する点では実施例1の場合と同様であるが、線状犠牲陽極を電気絶縁性の高いネット状材料で覆った例である。本例ではネット状材料の構成材料としてポリエチレンを使用している。こうして、ネット状材料で線状擬性陽極を保護するとともに、犠牲陽極が塗覆装鞘管内面と接触することを防止できる。本例の場合も、塗覆装鞘管内に万が一水が浸入すると、水がネットの空隙を満たすので、防食電流が塗覆装欠陥部分に向けて流れ、その箇所の埋設管部分の腐食を防止することができる。
【0034】
〈実施例5〉
本実施例は、小型の(板状)犠牲陽極の複数個を島状に配置した例であり、河川に添架される部分から土壌埋設部における所定の延長部分を二重管構造とした配管に適用した例である。図12は本例の特徴部分を示す図で、板状犠牲陽極を、塗覆装埋設管を囲って塗覆装鞘管が配置された二重管構造配管の曲管部に配置している。図12のとおり、板状犠牲陽極の複数個(図12では3個)を所定間隔(本例では1m間隔)に島状に配置している。各板状犠牲陽極は導線により連結され、最端部の板状犠牲陽極は塗覆装埋設管の埋設管に直かに接して固定された導線と連結されている。防食作用については実施例1の場合と同様である。
【0035】
本例では、曲管部以外の配管部分(配管のうち傾斜した部分の両側の水平部分)に対しては線状の犠牲陽極を配置しているが、この配管部分にも上記と同様に板状犠牲陽極を配置してもよい。また、図12中直埋部として示すように、それ以外の箇所においては塗覆装金属製埋設管は直接土壌に埋設されている。直埋部に対しては外部電源法による防食機構を設けてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、塗覆装金属製埋設管に塗覆装鞘管を配した二重管構造において、該塗覆装金属製埋設管に対して防食機構を配置することにより、塗覆装金属製埋設管の腐食を恒久的ないし半永久的に防止することができる。その際、鞘管内部以外の直埋部における埋設管(すなわち塗覆装鞘管が配されていない箇所の塗覆装埋設管)に対して外部電源法による防食機構を配置し、またこれに加えて、塗覆装鞘管についても犠牲陽極法による防食機構を配置することにより、塗覆装金属製埋設管を確実に防食し、塗覆装鞘管をも確実に防食することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗覆装埋設管に小石の食い込みなどにより発生する傷などの塗覆装欠陥を模式的に示した図
【図2】塗覆装欠陥において腐食が進行する態様を示す図(鋼管の場合)
【図3】塗覆装金属管に対して犠牲陽極法による電気防食を適用する場合の状況を説明する図
【図4】塗覆装金属管に対して外部電源法による電気防食を適用する場合の状況を説明する図
【図5】塗覆装金属管と鞘管とからなる二重管に腐食防止用の機構を配置した例を示す図
【図6】塗覆装金属製埋設管と鞘管とからなる二重管構造の埋設管及びその腐食発生状況を説明する図
【図7】塗覆装金属製埋設管と鞘管とからなる二重管構造の埋設管及びその腐食発生状況を説明する図
【図8】実施例1を示す図
【図9】実施例2を示す図
【図10】実施例3を示す図
【図11】実施例4を示す図
【図12】実施例5を示す図
Claims (6)
- 塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置であって、
(a)前記塗覆装金属製埋設管の外周面に、前記塗覆装金属製埋設管と前記塗覆装鞘管との間の間隔を保ち、前記塗覆装金属製埋設管が前記塗覆装鞘管に直かに接触するのを防ぎ、併せて前記塗覆装鞘管に前記塗覆装金属製埋設管を内挿する際に、その作業を円滑に行えるようにする役割も果たすパイピングスムーサーが配置され、
(b)前記パイピングスムーサーは、前記塗覆装埋設管の長手方向に等間隔に且つ前記塗覆装埋設管の周面に等間隔に配置され、
(c)前記塗覆装鞘管と前記塗覆装金属製埋設管の間に、前記塗覆装金属製埋設管の底部で且つその長手方向に線状の犠牲陽極が配置され、
(d)前記線状の犠牲陽極の一端に導線が連結され、前記導線の他端は前記塗覆装金属製埋設管の埋設管に直かに接して固定されてなり、
(e)前記犠牲陽極、前記導線及び前記埋設管の間で電池を形成することにより塗覆装の欠陥箇所における前記埋設管の腐食が防止するようにしてなる
ことを特徴とする塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置。 - 塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置であって、
(a)前記塗覆装金属製埋設管の外周面に、前記塗覆装金属製埋設管と前記塗覆装鞘管との間の間隔を保ち、前記塗覆装金属製埋設管が前記塗覆装鞘管に直かに接触するのを防ぎ、併せて前記塗覆装鞘管に前記塗覆装金属製埋設管を内挿する際に、その作業を円滑に行えるようにする役割も果たすパイピングスムーサーが配置され、
(b)前記パイピングスムーサーは、前記塗覆装埋設管の長手方向に等間隔に且つ前記塗覆装埋設管の周面に等間隔に配置され、
(c)前記塗覆装鞘管と前記塗覆装金属製埋設管の間に、前記塗覆装金属製埋設管の底部で且つその長手方向に線状の犠牲陽極が配置され、
(d)前記線状の犠牲陽極の一端に導線が連結され、前記導線の他端は前記塗覆装金属製埋設管の埋設管に直かに接して固定されてなり、
(e)前記犠牲陽極、前記導線及び前記埋設管の間で電池を形成することにより塗覆装の欠陥箇所における前記埋設管の腐食が防止するようにし、
且つ、
(f)土壌中に通電極を配置し、外部電源が導線を介して前記埋設管と前記通電極に連結され、前記鞘管内部に位置する埋設管以外の直埋部における埋設管は、この外部電源による電流で防食するようにしてなる
ことを特徴とする塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置。 - 塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置であって、
(a)前記塗覆装金属製埋設管の外周面に、前記塗覆装金属製埋設管と前記塗覆装鞘管との間の間隔を保ち、前記塗覆装金属製埋設管が前記塗覆装鞘管に直かに接触するのを防ぎ、併せて前記塗覆装鞘管に前記塗覆装金属製埋設管を内挿する際に、その作業を円滑に行えるようにする役割も果たすパイピングスムーサーが配置され、
(b)前記パイピングスムーサーは、前記塗覆装埋設管の長手方向に等間隔に且つ前記塗覆装埋設管の周面に等間隔に配置され、
(c)前記塗覆装鞘管と前記塗覆装金属製埋設管の間に、前記塗覆装金属製埋設管の底部で且つその長手方向に線状の犠牲陽極が配置され、
(d)前記線状の犠牲陽極の一端に導線が連結され、前記導線の他端は前記塗覆装金属製埋設管の埋設管に直かに接して固定されてなり、
(e)前記犠牲陽極、前記導線及び前記埋設管の間で電池を形成することにより塗覆装の欠陥箇所における前記埋設管の腐食が防止するようにし、
且つ、
(f)土壌中に通電極を配置し、外部電源が導線を介して前記埋設管と前記通電極に連結され、前記鞘管内部に位置する埋設管以外の直埋部における埋設管は、この外部電源による電流で防食するようにし、
さらに、
(g)犠牲陽極を塗覆装鞘管の塗覆装面に近接して配置し、前記犠牲陽極の一端に導線が連結され、前記導線の他端は前記塗覆装鞘管の鞘管に直かに接して固定され、これにより前記塗覆装鞘管の腐食を防止するようにしてなる
ことを特徴とする塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置。 - 上記塗覆装金属製埋設管の構成材料が鋼管であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置。
- 上記線状の犠牲陽極の構成材料が、マグネシウム又はマグネシウム基合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置。
- 上記線状の犠牲陽極をプラスチック製の網状体又は多孔質体で囲ってなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の防食装置。
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JP2001262273A JP4037074B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 塗覆装鞘管内塗覆装埋設管の防食方法及び装置 |
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