JP2014159621A - 埋設管の電食・雷害防止方法及び電食・雷害防止構造 - Google Patents

埋設管の電食・雷害防止方法及び電食・雷害防止構造 Download PDF

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Abstract

【課題】地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管の電食・雷害防止方法において、落雷や迷走電流による大地電位の上昇に起因する埋設管の電食や雷害を合理的かつ好適に防止する。
【解決手段】埋設管20と電気的に不連続な電流発生源Xから大地10へ電流が流入する電流流入状態において大地電位の上昇が発生してその上昇変化率が認められる大地電位上昇変化領域A1に少なくとも一部が敷設されている埋設管を防食対象の処置対象埋設管21に選定し、処置対象埋設管21において電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる所定の特定箇所23を、地中11に埋設された金属製の接地物30を介して接地させる電食・雷害防止処置を施す。
【選択図】図1

Description

本発明は地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管の電食・雷害防止方法、及び、地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管に施される電食・雷害防止構造に関する。
地中に埋設されるガス管などの金属製の埋設管には、通常、地中との電気的な絶縁性を保つためにプラスチック被覆等の絶縁性被覆が外表面に施されている。このような埋設管において、何らかの原因で絶縁性被覆における傷などの欠陥部から地中に向けて電流が流れると、この欠陥部においてアノード反応が促進されて著しい腐食が発生する場合がある。特に図2に示すように、埋設管20と電気的に不連続な電流発生源Xから大地に流入した電流Iの少なくとも一部の電流I’が、地中11に埋設された埋設管20に流入及び流出することにより生じる著しい腐食を「電食」と呼ぶ。
埋設管の腐食を防止する方法としては、埋設管よりも卑な自然電位(腐食電位とも称する)を有するマグネシウムなどの卑電位材料で構成された陽極を地中と電気的に導通する状態で設け、当該陽極を介して埋設管を接地させることで、積極的に埋設管の対地電位を卑な方向へ分極させて埋設管から地中への直接的な電流の流出を防止する、いわゆる流電陽極法又は犠牲陽極法と呼ばれる方法がある(特許文献1を参照。)。また、地上に設置した直流電源装置により発生させた電流を、地中に設置した通電用電極から埋設管に対して強制的に印加することにより、埋設管から地中への直接的な電流の流出を防止することで、埋設管の腐食を防止する外部電源法と呼ばれる方法もある。一般的には、電食の影響が大きい埋設管に対しては外部電源法が適用される。
一方、図3に示すように、避雷針や鉄塔などのような避雷針2が雷50を受ける落雷時において、当該避雷針2と大地10とを電気的に導通させる接地電極3から大地10に向けて、10〜100kA程度の電流(以下、落雷に起因して生じる電流を総称して「サージ電流」と呼ぶ。)Iが短時間に流入する場合がある。このようなサージ電流Iの大地10への流入が発生すると、その付近の大地10の電位(以下、「大地電位」と呼ぶ。)の上昇が発生することが知られている(例えば、非特許文献1及び2を参照。)。
このような落雷による大地電位の上昇幅は、サージ電流Iを大地10に流入させる避雷針2の接地電極3付近が最も大きくなり、そこから周辺に遠ざかるにしたがって減少する。即ち、落雷時の大地10には、避雷針2の接地電極3から遠ざかるにしたがって降下する電位勾配が形成されることになる。
尚、このような大地電位の上昇は、図2に示すように、直流電気鉄道4から大地10に電流I(ここでは「迷走電流I」と呼ぶ。)が流出する場合でも同様に生じることが知られている(例えば、非特許文献3を参照。)。
特開2004−250779号公報(請求項2)
箕輪 昌幸、三辻 重賢、櫻野 仁志、中村 光一、「ロケット誘雷実験による鉄塔近傍での大地電位差測定」、電子情報通信学会技術研究報告、2000年、P.17−22 箕輪 昌幸、三辻 重賢、櫻野 仁志、「落雷時の大地電位上昇に関する一測定結果」、電気設備学会全国大会講演論文集、1998年、P147−148 杉田 重義(中川防食工業株式会社)、「鉄道に近接した埋設配管の電食防止」、建築設備と配管工事第18巻第4号、1980年、P86−94
図2に示すように、埋設管20が地中11に埋設されている大地10において、直流電気鉄道4に代表される埋設管20とは電気的に不連続な電流発生源Xから流出する迷走電流Iにより電位勾配が形成されると、埋設管20の外表面に施された絶縁性被覆25の欠陥部22(22a、22b)等を介して、埋設管20と地中11との間で迷走電流Iが流入及び流出する所謂直流干渉が発生する場合がある。具体的には、トンネルや踏切等のレール漏れ抵抗(接地抵抗)が低いレール部位4が、大地10に接地された電流発生源Xとなり、この電流発生源Xとなるレール部位4に近い位置にある埋設管20の欠陥部22aを介して、地中11を流れる迷走電流Iの少なくとも一部の迷走電流I’が埋設管20へ流入し、電流発生源Xとなるレール部位4から遠い位置にある埋設管20の欠陥部22bを介して、埋設管20を流れる迷走電流I’が地中へ流出する。
そして、埋設管に流入した一部の迷走電流I’が流出する埋設管の欠陥部22bでは、著しい電食(この場合「押出し型電食」とも言う。)を生じる。
また、このような押出し型電食を防止するためには、埋設管20を流れる迷走電流Iを、排流器を介して強制的にレール部位4に戻す強制排流法や外部電源法による電気防食の実施が考えられるが、そのような施設の設置場所確保の問題や設置および維持管理に要する費用等の問題がある。
また、図3に示すように、埋設管20が地中11に埋設されている大地10において、上述したように、落雷により電位勾配が形成されると、埋設管20の外表面に施された絶縁性被覆25の欠陥部22(22a,22b)等を介して、埋設管20と地中11との間でサージ電流Iが流入及び流出する所謂直流干渉が短時間において発生する場合がある。具体的には、避雷針2の接地電極3が、大地10に接地された電流発生源Xとなり、その避雷針2の接地電極3に近い位置にある埋設管20の欠陥部22aを介して、地中11を流れるサージ電流Iの少なくとも一部のサージ電流I’が埋設管20へ流入し、避雷針2の接地電極3から遠い位置にある埋設管20の欠陥部22bを介して、埋設管20を流れるサージ電流I’が地中へ流出する。また、落雷によるサージ電流Iの一部が直接埋設管20へ流入しない場合でも、落雷時に発生する電磁誘導現象により埋設管20にサージ電流I’(誘導電流)が生じ、このサージ電流I’が欠陥部22bを介して地中へ流出する場合がある。
そして、サージ電流I’が流出する埋設管の欠陥部22bでは、短時間における直流干渉に起因した溶融現象や埋設管20に接続された関連施設の故障(以下、これらを総称して「雷害」と呼ぶ。)が発生する。
また、このような雷害を防止するために、例えばサージ保護装置を介して埋設管に犠牲陽極や鋼製ケーシング等の接地物を接続することによりサージ電流を、それらを介して地中に逃がす方法が考えられるが、その接地物の周囲の大地電位が落雷時に上昇すると、逆にその接地物を介して埋設管にサージ電流が地中から流入し易くなってしまい、逆に雷害を促進させてしまう恐れがある。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、大地電位の上昇に起因する埋設管の電食及び雷害を合理的かつ好適に防止する技術を提供する点にある。
この目的を達成するための本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法は、
地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管の電食・雷害防止方法であって、
その第1特徴構成は、
前記埋設管と電気的に不連続な電流発生源から大地へ電流が流入する電流流入状態において、大地電位の上昇が発生してその上昇変化率が認められる大地電位上昇変化領域に少なくとも一部が敷設されている埋設管を、防食対象の処置対象埋設管に選定し、
前記処置対象埋設管において、前記電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる所定の特定箇所を、地中に埋設された接地物を介して接地させる電食・雷害防止処置を施す点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1特徴構成によれば、上記大地電位上昇変化領域に少なくとも一部が敷設されている埋設管を、電食や雷害の発生を防止すべき処置対象埋設管として選定する。即ち、かかる処置対象埋設管については、電流発生源から大地に電流が流入する電流流入状態において、大地に形成される電位勾配に沿って敷設されていることになるため、絶縁性被覆の欠陥部等を介して地中との間で電流が流入及び流出する所謂直流干渉が発生しやすい。
具体的に、大地電位上昇変化領域では、大地への電流流入状態において大地電位が処置対象埋設管の通常時の対地電位よりも大幅に高くなることから、外表面の絶縁性被覆の欠陥部等を介して地中から処置対象埋設管へ電流が流入しやすくなる。よって、このような処置対象埋設管は、当該電流が地中へ流出する欠陥部等において電食や雷害が発生しやすいと判断できる。
尚、このような上記埋設管からの電流が流出する部位においては、上記埋設管に電気防食が施されていない場合は、自然電位より貴な対地電位を示す。また、上記埋設管に電気防食が施されている場合は、防食管理電位より貴な対地電位を示す。これらは何れも腐食促進若しくは不完全な防食状態を示し、対応が必要となる。このような上記埋設管からの電流の流出部位が存在する領域については、既設の埋設管においては、普段の維持管理における対地電位の計測値から確定でき、また、新規に敷設する埋設管においては、設計段階において公知の計算方法(例えば、非特許文献『中川雅央著、「電気防食法の実際」、地人書館、1976年、P157−159』を参照。)の各種パラメータを設定することで当該領域を推定することが可能である。
そして、このように合理的に選定した処置対象埋設管に対して、上記電食・雷害防止処置を施すことで、上記所定の特定箇所において、当該処置対象埋設管を流れる電流が地中に流出するにあたり、当該処置対象埋設管から直接地中に流出させるのではなく、当該処置対象埋設管に電気的に導通する接地物を介して流出させることができる。よって、接地物については電流が流出することでアノード反応が促進されて電食や雷害が発生するが、それに代えて、処置対象埋設管については電流の流出による電食や雷害が好適に防止されることになる。
したがって、本発明により、大地への電流流入状態における大地電位の上昇に起因する埋設管の電食・雷害を合理的かつ好適に防止する埋設管の電食・雷害防止方法を実現することができる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第2特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1特徴構成に加えて、
前記大地電位上昇変化領域から当該大地電位上昇変化領域の外側にあって大地電位の上昇変化率が認められない大地電位上昇非変化領域に亘って敷設されている埋設管を、前記処置対象埋設管とし、
前記大地電位上昇非変化領域に位置する前記処置対象埋設管の箇所を、前記所定の特定箇所とする点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第2特徴構成によれば、上記大地電位上昇変化領域から上記大地電位上昇非変化領域に亘って敷設されている埋設管を、電食や雷害の発生を防止すべき処置対象埋設管として選定する。
具体的に、大地電位上昇非変化領域では、大地への電流流入状態においてでも大地電位の上昇は起こるものの距離的な電位変化がほとんど見られず略その上昇変化率が認められない状態となる、又は、大地への電流流入状態において大地電位が略上昇しない状態となることから、処置対象埋設管を流れる電流が外表面の絶縁性被覆の欠陥部等を介して地中へ流出しやすくなる。よって、このような処置対象埋設管は、当該電流が地中へ流出する欠陥部等において電食や雷害が発生しやすいと判断できる。
そして、このように合理的に選定した処置対象埋設管に対して、上記電食・雷害防止処置を施すことで、大地電位上昇非変化領域での所定の特定箇所において、当該処置対象埋設管を流れる電流を、接地物を介して流出させることができ、電流の流出による電食や雷害を好適に防止することができる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第3特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第2特徴構成に加えて、
前記大地電位上昇変化領域と前記大地電位上昇非変化領域との境界線に沿った前記大地電位上昇非変化領域側の前記処置対象埋設管の箇所を、前記所定の特定箇所とする点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第3特徴構成によれば、大地電位上昇非変化領域における処置対象埋設管の電食や雷害を一層確実に防止することができる。
即ち、処置対象埋設管において、上記境界線に沿った大地電位上昇非変化領域側(大地への電流流入が生じる接地部から見て境界線よりも遠い側)の箇所を特定箇所とすれば、大地への電流流入状態における大地電位の上昇変化率が略0となる境界線と特定箇所との間の距離が小さくなるため、その境界線と特定箇所との間において電流が流出する可能性がある欠陥部や関連施設への悪影響を与える可能性が低くなるので、同間における電食や雷害の発生を抑制することができる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第4特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1特徴構成に加えて、
前記処置対象埋設管が、前記大地電位上昇変化領域内に敷設されている埋設管であり、
前記大地電位上昇変化領域内において、前記電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる前記処置対象埋設管の箇所を、前記所定の特定箇所とする点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第4特徴構成によれば、上記大地電位上昇変化領域内に敷設されている埋設管を、電食や雷害の発生を防止すべき処置対象埋設管として選定する。
具体的に、大地電位上昇変化領域内に敷設された埋設管は、大地への電流流入状態において周囲の大地において電位の上昇が発生し、大きな電位勾配が生じることから、対地電位が自然電位若しくは防食管理電位よりも貴となる箇所が生じやすくなり、処置対象埋設管を流れる電流がこのような箇所に存在する外表面の絶縁性被覆の欠陥部等を介して地中へ流出しやすくなる。よって、このような処置対象埋設管は、当該電流が地中へ流出する欠陥部等において電食や雷害が発生しやすいと判断できる。
そして、このように合理的に選定した処置対象埋設管に対して、上記電食・雷害防止処置を施すことで、大地電位上昇変化領域内における対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる処置対象埋設管の箇所において、当該処置対象埋設管を流れる電流を、接地物を介して流出させることができ、電流の流出による電食や雷害を好適に防止することができる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第5特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第4特徴構成に加えて、
前記処置対象埋設管において、前記電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる貴領域と同対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より卑となる卑領域との境界線に沿った前記貴領域側の箇所を、前記所定の特定箇所とする点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第5特徴構成によれば、大地電位上昇変化領域における処置対象埋設管の電食や雷害を一層確実に防止することができる。
即ち、処置対象埋設管において、大地電位上昇変化領域内において上記境界線に沿った上記貴領域側(大地への電流流入が生じる接地部から見て境界線よりも遠い側)の箇所を特定箇所とすれば、大地への電流流入状態における大地電位の上昇変化率が略0となる境界線と特定箇所との間の距離が小さくなるため、その境界線と特定箇所との間において電流が流出する可能性がある欠陥部や関連施設への悪影響を与える可能性が低くなるので、同間における電食や雷害の発生を抑制することができる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第6特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1乃至第5特徴構成の何れかに加えて、
前記電流発生源が、落雷によるサージ電流を大地に流出させる接地部であり、
当該接地部からの距離が50m以下となる領域を、前記大地電位上昇変化領域とする点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第6特徴構成によれば、大地電位上昇変化領域を定量的に特定することができる。
即ち、落雷時における大地電位の上昇幅は、落雷部の接地部からの距離が約50mに達した時点で略0mVとなることが、上述した非特許文献1及び2等により知られている。即ち、落雷部の接地部からの距離が50mまでの領域を、落雷時において大地電位の上昇が発生する大地電位上昇変化領域として設定し、一方、落雷部の接地部からの距離が50m以上となる領域を、落雷時において大地電位の上昇が発生しない大地電位上昇非変化領域として設定できる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第7特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1乃至第6特徴構成の何れかに加えて、
前記接地物を、前記処置対象埋設管を構成する金属よりも接地抵抗が小さな金属材料若しくは導電性非金属材料で構成する点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第7特徴構成によれば、処置対象埋設管の特定箇所において、上記埋設管に流入若しくは誘導によって生じた電流を、接地物を通じて好適に大地へ流出させることができる。
即ち、例えば処置対象埋設管を構成する金属が鉄鋼の場合には、鋼製シールドや残置矢板、銅棒や銅板等の接地抵抗が処置対象埋設管より低くなる低接地物や導電性樹脂や導電性ペースト等の接地抵抗が処置対象埋設管より低くなる接地物を用いることにより、処置対象埋設管に流入若しくは誘導によって生じた電流は、処置対象埋設管の絶縁性被覆の欠陥部より接地抵抗の低い接地物から大地へ流出することになり、処置対象埋設管の電食や雷害が抑制されることになる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第8特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1乃至第7特徴構成の何れかに加えて、
前記接地物を、前記処置対象埋設管を構成する金属よりも卑な自然電位を有する卑金属で構成する点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第8特徴構成によれば、処置対象埋設管の特定箇所において、接地物との接触による異種金属接触腐食を防止することができる。
即ち、例えば処置対象埋設管を構成する金属が鉄鋼の場合に接地物を当該鉄鋼よりも卑な自然電位を有するマグネシウムなどで構成するというように、処置対象埋設管を構成する金属の自然電位よりも卑な自然電位を有する卑金属で接地物を構成する。すると、落雷問題としている電食や雷害時においてはこの接地物から電流が大地へ流出するため電食や雷害を抑制し、また電食や雷害時以外の通常時においても、当該卑金属による接地物は犠牲陽極となってアノード反応が促進され、一方の処置対象埋設管の特定箇所では陰極となってカソード反応が促進されることにより腐食が抑制されることになる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第9特徴構成は、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1乃至第8特徴構成の何れかに加えて、
前記処置対象埋設管の特定箇所と前記接地物との接続部に、前記処置対象埋設管から前記接地物へ向かう方向の電流を許容すると共に、その方向とは逆の方向の電流を遮断する逆流防止器を設ける点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第9特徴構成によれば、接地物近傍の大地電位が何らかの要因で一時的に高くなった場合でも、上記逆流防止器を設けることで、地中から接地物を介して処置対象埋設管への電流の流入を遮断することができ、その電流が絶縁性被覆の欠陥部等から流出することによる電食を防止することができる。また、かかる逆流防止器は、処置対象埋設管から接地物へ向かう方向の電流を許容することから、これまで説明したような処置対象埋設管に流入したサージ電流については、接地物を介して地中へ流出させることができる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法の第10特徴構成は、上記埋設管の電食防止方法の第1乃至第9特徴構成の何れかに加えて、
前記処置対象埋設管の特定箇所と前記接地物との接続部に、雷に起因するサージ電流を前記処置対象埋設管から前記接地物を介して前記地中へ流出させるサージ保護装置を設ける点にある。
上記埋設管の電食・雷害防止方法の第10特徴構成によれば、処置対象埋設管と接地物の間に雷により印加されるサージ電圧に起因するサージ電流又は落雷時の電磁誘導によりパイプラインに誘起される誘導電流であるサージ電流は短時間でかつ電圧が高いためサージ保護装置(SPD、保安器、避雷器、サージプロテクタとも称する)を設置することにより、これらのサージ電流を前記処置対象埋設管から大地へ流出させることができる。
この目的を達成するための本発明に係る埋設管の電食・雷害防止構造は、
地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管に施される電食・雷害防止構造であって、
その特徴構成は、
前記埋設管が、前記埋設管と電気的に不連続な電流発生源から大地へ電流が流入する電流流入状態において、大地電位の上昇が発生してその上昇変化率が認められる大地電位上昇変化領域に少なくとも一部が敷設されている防食対象の処置対象埋設管であると共に、上記埋設管の電食・雷害防止方法の第1乃至第10特徴構成の何れかを具備した本発明に係る埋設管の電食・雷害防食方法における電食・雷害防止処置が施されている点にある。
即ち、上記埋設管の電食・雷害防止構造によれば、これまで説明してきた本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法が実行されることで選定される処置対象埋設管に設けられ、その処置対象埋設管の特定箇所にこれまで説明してきた電食・雷害防止処置が施された構造を有することから、落雷による大地電位の上昇に起因する埋設管の雷害を合理的かつ好適に防止する埋設管の電食・雷害防止構造を実現することができる。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法を施した処置対象埋設管の敷設状態を示す状態図(a)、及び落雷時における大地電位の上昇状態を示すグラフ図(b) 従来の埋設管の電食状態を説明する図 従来の埋設管の雷害状態を説明する図
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法及びその電食・雷害防止構造の実施形態について、大地電位上昇源として落雷を代表例として、図面に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、ビルなどの建造物1には、通常、当該建造物1への落雷の直撃を回避するために、避雷針2(落雷部の一例)が設けられている。かかる避雷針2は、大地10との電位差をなくすことで雷50を呼び込み、その呼び込んだ雷50によるサージ電流Iを大地10と電気的に導通する接地電極3から地中11に逃がすように構成されている。即ち、この接地電極3は、後述する埋設管20と電気的に不連続であり、大地10に電流を流入させる電流発生源Xであるといえる。
避雷針2へ雷50が直撃する落雷時には、当該避雷針2の接地電極3から大地10へ向けて10〜100kA程度のサージ電流Iが短時間に流入する。すると、図1(b)に示すように、その接地電極3周辺の大地電位が大幅に上昇する。そして、このような落雷時における大地電位の上昇幅は、接地電極3付近を最大として、そこから周辺に遠ざかるにしたがって減少する状態となり、大地10には、避雷針2の接地電極3から遠ざかるにしたがって降下する電位勾配が形成される。
具体的に、落雷時における大地電位の通常時の大地電位に対する上昇幅は、避雷針2の接地電極3からの距離Dが約50mに達した時点で略0mVとなる。
そして、避雷針2の接地電極3からの距離Dが50mまでの領域、言い換えれば、落雷時において大地電位の上昇が発生してその上昇変化率が認められる領域を、大地電位上昇変化領域A1と呼び、一方、避雷針2の接地電極3からの距離Dが50m以上となる領域、言い換えれば大地電位上昇変化領域A1の外側にあって大地電位の上昇変化率が認められない領域を、大地電位上昇非変化領域A2と呼ぶ。
尚、避雷針2の接地電極3からの距離Dが50mとなる円周が、大地電位上昇変化領域A1と大地電位上昇非変化領域A2との境界線Lとなる。
このような大地10の地中11には、ガス管や水道管などの金属製の埋設管20が埋設されており、その埋設管20の外表面には、大地10との絶縁性を維持するための絶縁性被覆25が施されている。このような埋設管20としては、鋼管の外表面をポリエチレンやポリウレタンなどの樹脂で被覆したプラスチック被覆鋼管などが利用される。
埋設管20の外表面を覆う絶縁性被覆25は、他社工事による損傷などの原因で傷などの欠陥部22が発生することがあり、この欠陥部22(22a,22b)において大地10との絶縁状態が維持されなくなる場合がある。
尚、図1(a)に示す状態では、埋設管20の外表面を覆う絶縁性被覆25において、2つの欠陥部22a,22bがあり、一方の欠陥部22aは、上記避雷針2の接地電極3近傍の位置、具体的には大地電位上昇変化領域A1の位置に存在し、他方の欠陥部22bは、同接地電極3から遠い位置、具体的には大地電位上昇非変化領域A2の位置に存在するものとする。
地中11に埋設されている金属製の埋設管20は、通常時における電食を抑制するために、外部電源等に接続するなどして、通常時の大地電位よりも若干低い対地電位(例えば飽和硫酸銅電極基準で−1V以下)が保たれており、その埋設管20の欠陥部22から地中11への電流の流出が抑制されている。
しかし、落雷による大地電位の上昇が発生した場合には、大地10において電位勾配が形成されることで、埋設管20の欠陥部22を介して、埋設管20と地中11との間で、接地電極3から大地10に流入したサージ電流Iの少なくとも一部のサージ電流I’が流入及び流出する所謂直流干渉が短時間に発生する場合がある。
具体的には、避雷針2の接地電極3に近い位置にある埋設管20の欠陥部22aを介して、地中11を流れるサージ電流I’が埋設管20へ流入し、避雷針2の接地電極3から遠い位置にある埋設管20の欠陥部22bを介して、埋設管20を流れるサージ電流I’が地中11へ流出する。そして、このようにサージ電流I’が流出すると、その流出部において著しい雷害が発生することが懸念される。
そこで、本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法を実行すれば、このような欠陥部22bにおけるサージ電流I’の流出を防止して、落雷による雷害を合理的かつ好適に防止することができ、その詳細について以下に説明を加える。
本発明に係る埋設管の電食・雷害防止方法では、まず、図1(a)に示すように、落雷時において大地電位の上昇が発生してその上昇変化率が認められる大地電位上昇変化領域A1から当該大地電位上昇変化領域A1の外側にあって大地電位の上昇変化率が認められない大地電位上昇非変化領域A2に亘って敷設されている埋設管20を、雷害の発生を防止するための電食・雷害防止処置を施すべき処置対象埋設管21として選定する。
即ち、かかる処置対象埋設管21については、落雷時に大地10に形成される電位勾配に沿って敷設されていることになるため、絶縁性被覆25の欠陥部22(22a,22b)等を介して地中11との間でサージ電流I’が流入及び流出する所謂直流干渉による雷害の発生が懸念される。よって、このように選定した処置対象埋設管21に対して以下に説明する電食・雷害防止処置を施す。
上記電食・雷害防止処置では、処置対象埋設管21において電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる所定の特定箇所23、具体的には処置対象埋設管21における大地電位上昇非変化領域A2に位置する所定の特定箇所23を、当該大地電位上昇非変化領域A2に位置する地中11に埋設された金属製の接地物30を介して接地させる。
すると、落雷時において、大地電位上昇変化領域A1に位置する欠陥部22aから処置対象埋設管21に流入したサージ電流I’は、当該欠陥部22aに対して特定箇所23よりも遠い位置にある欠陥部22bに到達することなく、この特定箇所23から接地物30を介して地中11に流出することになる。
したがって、欠陥部22b等を介して処置対象埋設管21から地中11に直接サージ電流I’が流出することがないので、欠陥部22bの雷害が好適に防止される。
また、接地物30については、サージ電流I’が流出することでアノード反応が促進されて雷害が発生するが、それに代えて、処置対象埋設管21の特定箇所23についてはサージ電流I’の流出による雷害が好適に防止されることになる。
上述したように、避雷針2の接地電極3からの距離Dが50mとなる境界線Lの外側(接地電極3側とは反対側)の領域を、落雷時において大地電位が上昇しない大地電位上昇非変化領域A2とした場合に、この大地電位上昇非変化領域A2に、接地物30を介して接地された処置対象埋設管21の特定箇所23を配置している。このことにより、処置対象埋設管21の特定箇所23は、避雷針2の接地電極3に対する距離Dが50m以上の範囲内となる箇所となり、落雷時においてその周囲の大地電位は上昇することはない。よって、落雷時に処置対象埋設管21を流れるサージ電流I’は、この特定箇所23から接地物30を介して地中11に好適に流出することになる。
一方、接地物30が接続される処置対象埋設管21の特定箇所23を、上記境界線Lに沿った大地電位上昇非変化領域A2側の位置、即ち、大地電位上昇非変化領域A2において境界線Lにできるだけ近い位置に配置している。具体的には、境界線Lが避雷針2の接地電極3からの距離Dが50mとなる円周とした場合には、処置対象埋設管21の特定箇所23を、避雷針2の接地電極3に対する距離Dが50mに近くなる範囲内となる箇所に配置している。このことにより、処置対象埋設管21において、境界線Lと処置対象埋設管21との間隔は短くなるため、その間に絶縁性被覆25の欠陥部22が存在する可能性が小さくなる。よって、落雷時において処置対象埋設管21を流れるサージ電流I’が、特定箇所23に到達することなく、境界線Lと処置対象埋設管21との間に位置する欠陥部22から地中11に流出することが好適に抑制されることになる。
上記接地物30は、処置対象埋設管21を構成する金属よりも接地抵抗が低くなる金属材料若しくは導電性非金属材料で構成される。このような接地物30として、鋼製シールドや残置矢板、接地アースとして使用される銅棒や銅板等の接地抵抗が処置対象埋設管21より低くなる低接地物や導電性樹脂や導電性ペースト等の接地抵抗が処置対象埋設管21より低くなる接地物が挙げられる。このような接地物30を用いることにより、処置対象埋設管21に流入したサージ電流I’は、処置対象埋設管21の絶縁性被覆25の欠陥部22bより接地抵抗の低い接地物30から大地10へ流出することになり、欠陥部22bから流出することが好適に抑制されることになる。
更に、上記接地物30は、処置対象埋設管21を構成する金属よりも卑な自然電位を有する卑金属で構成されている。具体的には、処置対象埋設管21を構成する金属が鉄鋼である場合には、その自然電位が鉄鋼の自然電位よりも低いマグネシウムや亜鉛などで接地物30が構成されている。
すると、落雷時以外の通常時においても、当該接地物30では犠牲陽極となってアノード反応が促進され、一方の処置対象埋設管21の特定箇所23ではカソード反応が促進されるため腐食が抑制されることになる。
更に、処置対象埋設管21の特定箇所23と接地物30との接続部には、処置対象埋設管21から接地物30へ向かう方向の電流を許容すると共にその逆方向の電流を遮断するダイオードなどで構成された逆流防止器31が設けられている。
よって、接地物30近傍の大地電位が何らかの要因で一時的に高くなった場合でも、地中11から接地物30を介して処置対象埋設管21への電流の流入が上記逆流防止器31により遮断されるので、その電流が絶縁性被覆25の欠陥部22等から流出することによる電食が防止される。
一方、処置対象埋設管21から接地物30へ向かう方向の電流の流出は上記逆流防止器31により許容されるので、落雷時において処置対象埋設管21を流れるサージ電流I’は接地物30を介して好適に地中11へ流出される。
またこのような接地物30にはサージ保護装置32が装着されることが望ましい。特定箇所23にある接地物30においては落雷による大地電位上昇にともない大地10側から接地物30を通じて処置対象埋設管21にサージ電流I’が逆流するような位置ではないため、このような逆流による影響は皆無となる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、避雷針2の接地電極3からの距離Dが50mの円周を大地電位上昇変化領域A1と大地電位上昇非変化領域A2との境界線Lとしたが、地域等によって落雷時の大地電位の上昇状態等の状況が異なったり、電流発生源の種類によって大地電位の上昇状態等の状況が異なることから、この接地電極3から境界線Lまでの距離Dを状況に合わせて変化させても構わない。
例えば、電流発生源が、迷走電流を流出させる直流電気鉄道である場合には、当該電源発生源からの距離が1km以下となる領域を、大地電位上昇変化領域とすることもできる。即ち、直流電気鉄道から大地への迷走電流の流出による大地電位の上昇幅は、直流電気鉄道からの距離が約1kmに達した時点で略0mVとなることが、上述した非特許文献3等により知られている。即ち、直流電気鉄道からの距離が1kmまでの領域を、迷走電流による大地電位の上昇が発生する大地電位上昇変化領域として設定し、一方、直流電気鉄道からの距離が1km以上となる領域を、迷走電流による大地電位の上昇が発生しない大地電位上昇非変化領域として設定することができる。
(2)上記実施形態では、ビルなどの建造物1の避雷針2を落雷部とし、その避雷針2を地中11に接地する接地電極3を電流発生源Xとしたが、例えば、鉄塔などのように、自身が落雷を受ける建造物の場合には、その建造物を落雷部とし、その建造物の基礎部分を電流発生源Xとして、本発明に係る埋設物の電食・雷害防止方法を適用することができる。
(3)上記実施形態では、大地電位上昇変化領域A1から大地電位上昇非変化領域A2に亘って敷設されている埋設管20を処置対象埋設管21として選定し、その処置対象埋設管21における大地電位上昇非変化領域A2に位置する所定の特定箇所23を、接地物30を介して接地させた。
これに対し、別の実施形態として、大地電位上昇変化領域A1に少なくとも一部が敷設されている埋設管20、具体的には大地電位上昇変化領域A1内に敷設されている埋設管20を処置対象埋設管21として選定してもよい。また、この場合には、その処置対象埋設管21において電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる箇所、具体的には、電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる貴領域と同対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より卑となる卑領域との境界線に沿った貴領域側の箇所を所定の特定箇所23とし、その特定箇所23を、接地物30を介して接地させることで、好適に電食及び雷害を防止することができる。
本発明は、地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管の電食・雷害防止方法として好適に利用可能である。
3 :接地電極
10 :大地
11 :地中
20 :埋設管
21 :処置対象埋設管
22 :欠陥部
22a :欠陥部
22b :欠陥部
23 :特定箇所
25 :絶縁性被覆
30 :接地物
31 :逆流防止器
32 :サージ保護装置
A1 :大地電位上昇変化領域
A2 :大地電位上昇非変化領域
L :境界線
I、I’ :電流
X :電流発生源

Claims (11)

  1. 地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管の電食・雷害防止方法であって、
    前記埋設管と電気的に不連続な電流発生源から大地へ電流が流入する電流流入状態において、大地電位の上昇が発生してその上昇変化率が認められる大地電位上昇変化領域に少なくとも一部が敷設されている埋設管を、防食対象の処置対象埋設管に選定し、
    前記処置対象埋設管において、前記電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる所定の特定箇所を、地中に埋設された接地物を介して接地させる電食・雷害防止処置を施す埋設管の電食・雷害防止方法。
  2. 前記大地電位上昇変化領域から当該大地電位上昇変化領域の外側にあって大地電位の上昇変化率が認められない大地電位上昇非変化領域に亘って敷設されている埋設管を、前記処置対象埋設管とし、
    前記大地電位上昇非変化領域に位置する前記処置対象埋設管の箇所を、前記所定の特定箇所とする請求項1に記載の電食・雷害防止方法。
  3. 前記大地電位上昇変化領域と前記大地電位上昇非変化領域との境界線に沿った前記大地電位上昇非変化領域側の前記処置対象埋設管の箇所を、前記所定の特定箇所とする請求項2に記載の埋設管の電食・雷害防止方法。
  4. 前記処置対象埋設管が、前記大地電位上昇変化領域内に敷設されている埋設管であり、
    前記大地電位上昇変化領域内において、前記電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる前記処置対象埋設管の箇所を、前記所定の特定箇所とする請求項1に記載の電食・雷害防止方法。
  5. 前記処置対象埋設管において、前記電流流入状態での対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より貴となる貴領域と同対地電位が自然電位若しくは防食管理電位より卑となる卑領域との境界線に沿った前記貴領域側の箇所を、前記所定の特定箇所とする請求項4に記載の埋設管の電食・雷害防止方法。
  6. 前記電流発生源が、落雷によるサージ電流を大地に流出させる接地部であり、
    当該接地部からの距離が50m以下となる領域を、前記大地電位上昇変化領域とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電食・雷害防止方法。
  7. 前記接地物を、前記処置対象埋設管を構成する金属よりも接地抵抗が小さな金属材料若しくは導電性非金属材料で構成する請求項1〜6の何れか1項に記載の埋設管の電食・雷害防止方法。
  8. 前記接地物を、前記処置対象埋設管を構成する金属よりも卑な自然電位を有する卑金属で構成する請求項1〜7の何れか1項に記載の埋設管の電食・雷害防止方法。
  9. 前記処置対象埋設管の特定箇所と前記接地物との接続部に、前記処置対象埋設管から前記接地物へ向かう方向の電流を許容すると共に、その方向とは逆の方向の電流を遮断する逆流防止器を設ける請求項1〜8の何れか1項に記載の埋設管の電食・雷害防止方法。
  10. 前記処置対象埋設管の特定箇所と前記接地物との接続部に、雷に起因するサージ電流を前記処置対象埋設管から前記接地物を介して前記地中へ流出させるサージ保護装置を設ける請求項1〜9の何れか1項に記載の埋設管の電食・雷害防止方法。
  11. 地中に埋設されて外表面に絶縁性被覆が施された金属製埋設管に施される電食・雷害防止構造であって、
    前記埋設管が、前記埋設管と電気的に不連続な電流発生源から大地へ電流が流入する電流流入状態において、大地電位の上昇が発生してその上昇変化率が認められる大地電位上昇変化領域に少なくとも一部が敷設されている防食対象の処置対象埋設管であると共に、請求項1〜10の何れか1項に記載の埋設管の電食・雷害防食方法における電食・雷害防止処置が施されている電食・雷害防止構造。
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