JP5157177B2 - 塗膜乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明は水性塗料を用いた塗膜の乾燥方法で、特に塗膜を予備乾燥する工程を備えた塗膜乾燥方法に関する。
近年、地球環境の観点から、溶剤塗装から水性塗装への置き換えが求められている。例えば自動車分野では、車輌ボディー塗装やバンパー塗装が水性塗装への置き換えが進められている。
水性塗装は、乾燥工程で熱風やヒータ等を利用して塗膜の外部から熱を加えて塗膜を乾燥させる。その際に工程の短縮化を狙って、急速乾燥させるべく急激に加熱すると、塗膜表面がまず固化し、その後塗膜内の水分が蒸発するため、ワキと呼ばれる外観不良が発生する問題がある。なお、ワキとは、塗膜表面にクレータ状の穴ぼこが形成される外観不良である。このようなワキの問題を解消するには、塗膜全体をできるだけ均一に温めるべく、できるだけゆっくり加熱する必要があり、溶剤を用いた塗装乾燥工程と比べて、乾燥時間が長くなる問題がある。
これに対して特許文献1では、被塗物の表面に常乾型又は強制乾燥型水性塗料を塗布する塗布工程、被塗物をそのまま常温で放置するセッティング工程、塗装物温度が35〜60℃になるまで塗装物を加熱するプレヒート工程、及び塗膜不揮発分97%以上になるまで塗装物を加熱する乾燥工程、を包含する塗膜乾燥方法で、プレヒート工程の加熱が、ΔNV/Δt=2〜5.5(%/分)(ΔNV:プレヒート工程中の不揮発分変化、Δt:プレヒート工程の時間)の関係を満足する条件で行われ、ワキの発生がなく乾燥時間を短縮する塗膜乾燥方法が開示されている。
また、特許文献2では、塗膜にマイクロ波を照射して予備乾燥させ、乾燥時間を短く抑える塗膜乾燥方法が開示されている。
また、特許文献3では、被塗物に水性塗料を塗布して被塗物上にウェット塗膜を形成する塗布工程と、マイクロ波出力を100〜500Wの範囲内に制御しつつ、ウェット塗膜にマイクロ波を照射するマイクロ波照射工程とを備え、マイクロ波照射工程では、マイクロ波出力を段階的に制御しつつマイクロ波を照射して、乾燥時間の短縮化を図りつつ、ワキの発生を抑える塗膜乾燥方法が開示されている。
特開2003−340361号公報 特開2004−344860号公報 特開2006−26547号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、塗装物を乾燥炉に入れエアブロー、熱風乾燥、又は赤外線加熱等の加熱方法を用いるが、塗装物は設置したまま動かさないので、塗装物が熱変形を起こしやすいプラスチック素材等の場合、その変形が懸念される。また、塗装物のスポット加熱による熱変形を防止し均一加熱するためには、加熱装置と塗装物に一定の間隔が必要であり、乾燥炉等の大型化を招いてしまう。
また、特許文献2に記載の従来技術では、マイクロ波は水分子を振動して急激に発熱するが、急激に発熱すると塗膜中の水分が沸騰してワキが発生する問題がある。また、プラスチック素材へ塗装する場合、塗装する被塗物は一般的に作業環境に存在する水分を吸収するため、マイクロ波による加熱では、被塗物自体も急激に加熱して変形し、寸法不良の問題がある。また、マイクロ波を使用する場合は、密閉金属容器で覆う設備が必要であり、コンベア移動する生産方式の塗装ラインでは、塗装物を一端ラインから外して処理する必要があり、生産性の低下、また高価な設備が必要なため生産コストの高騰を招来する問題がある。
また、特許文献3に記載の従来技術では、マイクロ波の出力制御を行うことでワキの発生、被塗物の変形を抑えることができるものの、マイクロ波を使用するため、密閉金属容器で覆う設備が必要であり、コンベア移動する生産方式の塗装ラインでは、塗装物を一端ラインから外して処理する必要があり、生産性の低下、またマイクロ波の出力制御を含む高価な設備が必要なため生産コストの高騰を招来する問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、水性塗料を用いた塗膜の乾燥で、ワキの発生がなく乾燥時間を短縮することができ、被塗物の変形を防止し、生産性が高く、従来と比べて小型で安価な設備で塗膜の予備乾燥が可能な塗膜乾燥方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、被塗物に水性塗料を塗布して該被塗物上に塗膜を形成する塗布工程と、前記被塗物に前記塗膜を塗布した塗装物を加熱して、前記塗膜の不揮発分が70〜90%になるまで予備乾燥する予備乾燥工程と、前記塗装物を加熱して、前記塗膜の不揮発分が97%以上になるまで乾燥する最終乾燥工程と、前記塗装物を手で取扱える温度まで冷却する冷却工程と、を備える塗膜乾燥方法において、前記予備乾燥工程は、前記塗装物を回転する回転装置と、前記塗装物の前記塗膜を加熱する予備加熱装置と、を備え、前記塗装物は前記回転装置により回転することで前記予備加熱装置との距離が変化して一定の周期で加熱と冷却を繰り返して、前記塗膜を予備乾燥すること、を特徴とする塗膜乾燥方法とした。
また、請求項に記載の発明は、回転装置は塗装物が予備加熱装置に対して40〜400mm/sの速度になるように回転する。
また、請求項に記載の発明は、予備加熱装置は中赤外線又は近赤外線で塗装物を加熱して予備乾燥する。
また、請求項に記載の発明は、回転装置に取り付けられる塗装物は、同一軌道上に複数個取り付けられ、複数個の予備加熱装置で加熱され予備乾燥する。
また、請求項に記載の発明は、塗装物は回転装置に奇数個取り付けられる。
請求項1に記載の発明では、予備乾燥工程で塗装物を一定の周期(例えば0.1〜2.0Hz)の周期で加熱と冷却を繰り返して塗膜を予備乾燥して、ワキの発生が無く塗膜の乾燥が促進され、乾燥時間の短縮化が可能になる。加熱と冷却を繰り返すことで乾燥が促進される理由について説明する。従来技術の塗装物を固定して加熱する場合と、加熱と冷却を繰り返す場合では、加熱と冷却を繰り返す場合の方が温度の振幅(高温側)が固定する場合より5℃程高くなると、水の飽和蒸気圧はおよそ25%高くなる。塗膜内の水分の乾燥と飽和蒸気圧は相関関係がある。赤外線等の加熱装置により塗膜が加熱されると、塗膜内の水分の温度が昇温する。昇温して温度が高くなると水の飽和蒸気圧の値が高くなる。飽和蒸気圧の値が高いと塗膜内の水分に加わる圧力が高くなり、塗膜内の水分の気化が促進され、塗膜が乾燥する。このとき塗装物の被塗物であるプラスチック素材等の温度は、加熱と冷却を繰り返すことで、振幅する温度の高温側より低く抑えることができる。よって、ワキの発生が無く塗膜の乾燥を促進しながら、塗装物の温度を抑えることができるため、温度高に起因する塗装物および被塗物の熱変形を防止し、寸法不良の問題を防止できる。
また、予備乾燥工程において、塗装物は回転装置により回転しながら加熱と冷却を繰り返すことで、塗膜の均一加熱する際の加熱装置と塗装物の間の必要な間隔を、塗装物が回転しない場合の300〜500mmから、回転する場合は30〜100mmに近接することができ、装置の小型化が可能になる。また、マイクロ波を使用する場合に必要な密閉金属容器で覆う高価な設備が不要である。また、コンベア移動する生産方式の塗装ラインでは、塗装物を一端ラインから外さなくてもインラインで処理が可能なため、従来と比べて高い生産性が得られる。また、従来と比べて高価な設備が不要なため生産コストを低く抑えることができる。
また、請求項に記載の発明では、回転装置は塗装物が予備加熱装置に対して40〜400mm/sの速度になるように回転する。塗装物が予備加熱装置に対して40〜400mm/sの速度で回転すると、塗装物が回転することでの対流による冷却の影響が少なく塗装物の表面温度の低下を抑えることができ、一般的に予備乾燥に適するとされる塗膜の塗着NV70%以上(NV:プレヒート工程中の不揮発分)に維持できる。
また、請求項に記載の発明では、中赤外線又は近赤外線は水性塗料に吸収されやすいため、塗膜内の水分を効率良く加熱することが可能で、ワキの発生が無く塗膜の乾燥を促進し、乾燥時間の短縮化が可能になる。また、中赤外線又は近赤外線による輻射での加熱のため、従来のマイクロ波が水分全体を内部から急激に加熱するのと比べて、塗膜の表面から温度が上昇し、塗装物(被塗物の表面に塗膜を備えるもの)の被塗物(塗膜を塗布する対象物)であるプラスチック素材等の温度の上昇を抑えることができ、塗装物および被塗物の熱変形を防止し、寸法不良の問題を防止できる。
また、請求項に記載の発明では、回転装置に取り付けられる塗装物は、同一軌道上に複数個取り付けられ、複数個の予備加熱装置で加熱されるため、回転装置が1回転する間に複数回の加熱と冷却を繰り返すことができ、塗膜の乾燥が促進され、乾燥時間の短縮化が可能になる。また、回転装置に同一軌道上に複数個の塗装物の取り付けが可能なため、従来よりも高い生産性が得られ、また高価な設備が不要なため生産コストを低く抑えることができる。
また、請求項に記載の発明では、塗装物は回転装置に奇数個取り付けられるため、回転装置に取り付けられた塗装物が一回転する間に、塗装物の裏面側も予備加熱装置で照射され、乾燥が促進される。したがって塗装物を表裏反転することなく塗膜の表裏の乾燥が可能になり、生産性が向上する。
以下、本発明の水性塗料の塗膜乾燥方法について、図1〜6に基づいて詳述する。本発明は、水性塗料で被塗物13(図3)の表面上に塗膜8,9(図3)を形成した後、塗装物2(図2)を短時間で取扱うことを可能にする塗膜8、9を乾燥させる技術に関し、水性塗料はアクリルエマルションを主成分とし、70〜90℃で硬化する1液タイプの低温硬化型水性塗料を使用する。また、被塗物13としては、自動車分野では、車輌のプラスチック素材のスポイラ等に用いられる外装自動車部品等である。
図1は、本発明の水性塗料を用いた塗膜乾燥方法の工程図で、塗布工程、予備乾燥工程、クリア塗料塗布工程、最終乾燥工程、冷却工程の5つの工程から成る。
塗布工程では、車輌のスポイラ等の外装自動車部品の被塗物13に水性塗料である低温硬化型水性塗料を塗布して被塗物13上にスプレー塗装法により塗膜8、9を形成する。
予備乾燥工程では、被塗物13に塗膜8、9を塗布した塗装物2を加熱と冷却を繰り返しながら乾燥し、塗膜8、9の不揮発分が70〜90%になるまで予備乾燥する。
クリア塗料塗布工程では、塗装物2にアクリル・ウレタンを主成分とした主剤にイソシアネートを主成分とした硬化剤を配合し、70〜90℃で硬化する2液タイプの低温硬化型溶剤塗料を塗布する。自動車部品等では、外装表面の部品は意匠性が要求されるが、予備乾燥工程と最終乾燥工程の間にクリア塗料塗布工程を設けることで、水性塗料を塗った被膜上に低温硬化型溶剤塗料のクリア塗装を行うことができる。
最終乾燥工程は、塗装物2を加熱して、塗膜8、9の不揮発分が97%以上になるまで乾燥する。加熱は、被塗物13や塗膜8、9が劣化しない限り高温で加熱することが好ましい。乾燥時間の短縮を図ることができるからである。乾燥促進のため、エアブローや赤外線による加熱を併用してもよい。
冷却工程は、塗装物2を手で取扱える温度まで冷却する。自然放冷させてもよいが、できるだけ短時間で冷却するために強制的に冷却してもよい。冷却は乾燥性が実質上問題とならない温度、例えば、塗装物2の表面温度が30〜60℃になるまで行う。冷却時間を短縮するためにエアブロー、冷風冷却等行うことが好ましい。
図2は、本発明の予備乾燥工程で用いる予備乾燥装置1である。予備乾燥装置1は、塗装物2を回転する回転装置3と、加熱手段である予備加熱装置4から構成される。
回転装置3は、上プレート5と下プレート6を備え、塗装物2を上プレート5と下プレート6の外周側で挟持される。上プレート5と下プレート6は外周径が100〜600mmの範囲で、シャフト7と連動し、図示しないモータ等の駆動手段により回転する。シャフト7が回転すると、上プレート5と下プレート6に保持された塗装物2も同時に回転する。回転装置3の回転は本実施例では5〜50rpmの範囲である。また、塗装物2は、上プレート5と下プレート6の外周の同一軌道上に等間隔に5個設けられる。
予備加熱装置4は2つの550W〜1200Wの中赤外線ヒータから構成される。本実施例では中赤外線ヒータを使用したが、中赤外線以外の輻射タイプのヒータを用いてもよい。また、予備加熱装置4の数は2つに限定されるものではなく、3個以上でもよい。予備加熱装置4の数が増えれば、塗装物2の加熱と冷却の周波数を高めることができる。
図3は、本発明の予備乾燥工程で用いる予備乾燥装置1のI−I断面を模式図で示したものである。塗装物2と予備加熱装置4の距離が変化することで、塗装物2の表面側の塗膜8、裏面側の塗膜9の加熱と冷却を0.1〜2.0Hzの周期で繰り返す。加熱と冷却を周期的に繰り返すことで、塗装物2と予備加熱装置4の間隔は30〜100mmに近接可能になる。塗装物2は、回転装置3の上プレート5と下プレート6の外周の同一軌道上に等間隔に奇数個(5個)設けられるので、予備加熱装置4が隣り合う塗装物2の間に位置するときは、予備加熱装置4の中赤外線は、塗装物2の裏面側の塗膜9を照射する。
Figure 0005157177
表1は、塗装物2の回転方向の速度が変化した場合の1分後における塗装物2の塗膜の塗着NVと、塗装物2の表面温度である。40〜400mm/sの速度は、一般的には低速回転領域である。速度が40mm/sより少ないと冷却時間が長くなり、塗装物の表面の温度の上昇が鈍く、400mm/s以上の速度になると、回転する塗装物2と雰囲気の空気との対流の影響で冷却され、塗装物の表面の温度上昇が鈍くなる。回転方向の速度を40〜400mm/sにすることで、1分後の塗膜の塗着NVを予備乾燥で求められる70%以上にできる。
図4は塗装物の表面温度の変化を示したグラフで、中赤外線で塗装物2を回転した場合の温度変化10(本発明)と、中赤外線で塗装物2を回転しないで固定した場合の温度変化11と、温風により塗装物2を回転しないで固定した場合の温度変化12である。
本発明の中赤外線で塗装物2を回転した場合では、塗装物2の温度は、ワキの発生、被塗物13の変形を抑えながら塗膜8、9を乾燥する。これに対して中赤外線で塗装物2を回転しないで固定した場合は、塗装物2の表面温度は急激に上昇し、水の沸点100℃をすぐに超えてしまう。100℃を超えると突沸が生じ、ワキの発生、被塗物13の変形の原因となる。また、温風により塗装物2を回転しないで固定した場合は、温風の対流による熱伝達により塗装物2に伝熱されるが、温度の上昇は緩やかであり、塗膜8、9の予備乾燥に時間がかかる。
図5は、本発明の中赤外線で塗装物2を回転した場合の温度変化10のA部詳細で、塗装物2の表面の温度は、0.1〜2.0Hzで昇温と降温を繰り返し、温度の振幅は3〜20℃である。
本発明では、予備乾燥工程で塗装物を一定の周期(例えば0.1〜2.0Hz)の周期で加熱と冷却を繰り返して塗膜8、9を予備乾燥するため、ワキの発生が無く塗膜の乾燥が促進されて、予備乾燥時間が熱風炉による乾燥時間の半分以下の40〜150秒にすることができる。また、塗装物2の被塗物13であるプラスチック素材等の温度は、加熱と冷却を繰り返すことで、塗膜8、9の瞬間的な高温度より低く抑えることができる。よって、ワキの発生が無く塗膜の乾燥を促進しながら、塗装物2の温度を低く抑えることができるため、温度高に起因する被塗物13の熱変形を防止し、寸法不良の問題を防止できる。
また、予備乾燥工程において、塗装物2は回転装置3により回転しながら加熱と冷却を繰り返すことで、塗膜8、9の均一加熱に必要な間隔は、塗装物2を回転しない場合は300〜500mmであるのに対して、回転する場合は30〜100mmにでき、装置の小型化が可能になる。また、マイクロ波を使用する場合に必要な密閉金属容器で覆う高価な設備が不要である。また、コンベア移動する生産方式の塗装ラインでは、塗装物2をラインから外さなくてもインラインで処理可能なため、従来と比べて高い生産性が得られる。また、従来と比べて高価な設備が不要なため生産コストを低く抑えることができる。
また、回転装置3は塗装物2が予備加熱装置4に対して40〜400mm/sの速度になるように回転する。塗装物2が予備加熱装置4に対して40〜400mm/sの速度で回転すると、塗装物2が回転することでの対流による冷却の影響が少なく、一般的に予備乾燥に適するとされる塗膜8、9の塗着NV70%以上(NV:プレヒート工程中の不揮発分)に維持することができる。
また、中赤外線は水性塗料に吸収されやすいため、塗膜8、9内の水分を加熱することが可能で、ワキの発生が無く塗膜8、9の乾燥を促進し、乾燥時間の短縮化が可能になる。また、中赤外線での輻射による加熱のため、従来のマイクロ波が水分全体を内部から急激に加熱するのに比べて、塗装物2の表面から温度が上昇するため、塗装物2の被塗物13であるプラスチック素材等の温度の上昇を抑えることができ、被塗物13の熱変形を防止し、寸法不良の問題を防止できる。
また、回転装置3に取り付けられる塗装物2は、同一軌道上に複数個取り付けられ、2つ予備加熱装置4で加熱されるため、回転装置3が1回転する間に複数回の加熱と冷却を繰り返すことで、塗膜8、9の乾燥が促進され、乾燥時間の短縮が可能になる。また、回転装置3に同一軌道上に5個取り付けるため、従来よりも高い生産性が得られ、また高価な設備が不要なため生産コストを低く抑えることができる。
また、塗装物2は回転装置3に奇数個取り付けられるため、回転装置2に取り付けられた塗装物が一回転する間に、塗装物2の裏面側の塗膜9も予備加熱装置4で照射できる。したがって塗装物2を表裏反転することなく塗膜8の乾燥が可能になり、生産性が向上する。
また、水性塗料にアクリルエマルションを主成分とし、70〜90℃で硬化する、1液タイプの低温硬化型水性塗料を使用し、塗装物2を回転させながら中赤外線又は近赤外線を照射することにより乾燥が促進され、乾燥時間の短縮化が可能になる。
また、塗布工程と最終乾燥工程の間に、塗装物2にアクリル・ウレタンを主成分とした主剤にイソシアネートを主成分とした硬化剤を配合し、70〜90℃で高価する2液タイプの低温硬化型溶剤塗料を塗布するクリア塗料塗布工程を備えることで、水性塗料を塗った被膜上に低温硬化型溶剤塗料のクリア塗装を行うことができる。
本発明の水性塗料を用いた塗膜乾燥方法の工程図である。 本発明の予備乾燥工程で用いる予備乾燥装置である。 予備乾燥装置のI−I断面を模式図的に示したものである。 塗装物の表面温度の変化を示したグラフである。 本発明の中赤外線で塗装物を回転した場合の温度変化のA部詳細である。
符号の説明
1 予備乾燥装置
2 塗装物
3 回転装置
4 予備加熱装置
8 塗膜(表面側)
9 塗膜(裏面側)
13 被塗物

Claims (5)

  1. 被塗物に水性塗料を塗布して該被塗物上に塗膜を形成する塗布工程と、
    前記被塗物に前記塗膜を塗布した塗装物を加熱して、前記塗膜の不揮発分が70〜90%になるまで予備乾燥する予備乾燥工程と、
    前記塗装物を加熱して、前記塗膜の不揮発分が97%以上になるまで乾燥する最終乾燥工程と、
    前記塗装物を手で取扱える温度まで冷却する冷却工程と、
    を備える塗膜乾燥方法において、
    前記予備乾燥工程は、前記塗装物を回転する回転装置と、前記塗装物の前記塗膜を加熱する予備加熱装置と、を備え、前記塗装物は前記回転装置により回転することで前記予備加熱装置との距離が変化して一定の周期で加熱と冷却を繰り返して、前記塗膜を予備乾燥すること、を特徴とする塗膜乾燥方法。
  2. 前記回転装置は、前記塗装物が前記予備加熱装置に対して40〜400mm/sの速度になるように回転すること、を特徴とする請求項に記載の塗膜乾燥方法。
  3. 前記予備加熱装置は中赤外線又は近赤外線で前記塗装物を加熱して予備乾燥すること、を特徴とする請求項1または2に記載の塗膜乾燥方法。
  4. 前記回転装置に取り付けられる前記塗装物は、同一軌道上に複数個取り付けられ、複数個の前記予備加熱装置で加熱され予備乾燥すること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗膜乾燥方法。
  5. 前記塗装物は前記回転装置に奇数個取り付けられること、を特徴とする請求項に記載の塗膜乾燥方法。
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