JP5156473B2 - 情報集約配信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報管理サーバから車載無線通信機器に効率的に各種情報を配信するようにした車載無線通信機器への情報配信技術に関する。
車載機に搭載した無線通信機器とアクセスポイントとの無線通信を介して、広域通信ネットワーク上で流通している大量の様々な情報を取得することが可能な情報通信システムが知られている。このような情報通信システムでは、車載無線通信機器が無線通信によってアクセスポイントと接続する際には認証手順の実行が必要となるが、多くの場合、アクセスポイント毎に認証情報が異なる。これを踏まえ、車両が目的地まで走行する間に、車載無線通信機器が複数のアクセスポイントと順次接続する際の各認証手順を効率的に実施する手段を備えた車載無線通信機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2005−341254号公報
一般に、アクセスポイントが無線通信サービスを提供可能なエリアはホットスポットと呼ばれている。通常、ホットスポットの半径は、無線通信で用いられている電波強度に起因して最大でも100メートル程度である。車載無線通信機器では、車両がホットスポットのエリア内に進入するとアクセスポイントからのビーコン信号を検知して認証手順を実行し、認証後にアクセスポイントと接続し、アクセスポイントを介して情報管理サーバとの通信が可能となる。
その後、車載無線通信機器は情報管理サーバに対してユーザ(車両の乗員)が取得を期待する情報の集約を要求する。ユーザからの要求に従って情報管理サーバは、情報を集約する処理と、集約した情報を配信データに加工する処理を行うが、これらの処理には比較的長い処理時間を要する。そのため、それらの処理が完了する前に、車両がホットスポットのエリア外に出てしまって、車載無線通信機器はユーザが期待する情報を取得できないという問題点があった。
本発明は、走行路に設置されている無線アクセスポイントを経由して車載無線通信機器が情報管理サーバとの間で通信を行って各種情報を受信する情報集約配信方法に適用される。この情報集約配信方法において、車載無線通信機器は、出発地から目的地までの経路上でアクセス権を有する複数の無線アクセスポイントを決定するとともに、決定された複数の無線アクセスポイント(以下、決定アクセスポイントと呼ぶ)のそれぞれへ車両が到着する予想時刻を算出し、複数の決定アクセスポイントと予想時刻とを、走行初期の決定アクセスポイントを経由して情報管理サーバへ送信する。また、情報管理サーバは、複数の決定アクセスポイントと予想時刻とを受信すると、複数の決定アクセスポイントのそれぞれの位置情報に基づいて検索範囲を特定し、複数の決定アクセスポイントのそれぞれで車載無線通信機器へ配信する配信情報を、検索範囲に含まれる複数のランドマークの中から予想時刻に応じて検索することによって予め生成して記憶する。車載無線通信機器は、複数の決定アクセスポイントのいずれかと接続すると、当該決定アクセスポイントに対して作成されて記憶されている配信情報を受信して出力する。
本発明によれば、車載無線通信機器を搭載した車両がホットスポットのエリア内を走行中に、ユーザが期待する情報を取得することができる。
図1〜8を参照して、本発明による情報集約配信方法をカーナビゲーション情報通信システムに適用した一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態のカーナビゲーション情報通信システムの全体構成を示す図である。
図1に示すカーナビゲーション情報通信システムは、車載無線LAN通信機器400と、無線LANアクセスポイント300と、情報管理サーバ200とを含んで構成されている。車載無線LAN通信機器400は、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能など、車両の走行に関する情報を提示する機能を兼ね備えたナビゲーション装置と、ホットスポット500における無線通信サービスを利用できる無線LAN通信インタフェースとを備えている。
無線LANアクセスポイント300は、ホットスポット500のエリア内に位置する車載無線LAN通信機器400に対して無線通信サービスを提供する機能を備えると共に、ゲートウェイノードとして広域通信ネットワーク100に接続される。
情報管理サーバ200は、ネットワークインタフェースを介して広域通信ネットワーク100に接続され、広域通信ネットワーク100内を流通している様々な情報を検索および収集する機能、収集した情報をデータベース化して管理する機能を兼ね備えたサーバである。この情報管理サーバ200はさらに、無線LANアクセスポイント300が使用可能か否か(以下、正常性と呼ぶ)を監視する機能、車載無線LAN通信機器400から送信されるユーザプロファイルの登録および管理を行う機能、車載無線LAN通信機器400からのクライアントメッセージ受信に対する情報集約および配信を行う機能を備えている。
図1の一例では、車載無線LAN通信機器400を搭載した車両がホットスポット500Aを出発する際に、目的地までの経路探索を行った結果、出発地のホットスポット500Aの後にホットスポット500Bおよび500Cを順に通過して目的地に到着する推奨経路に沿って経路誘導されるものとする。車載無線LAN通信機器400は、ホットスポット500Aにおいては無線LANアクセスポイント300Aを経由して、ホットスポット500Bにおいては無線LANアクセスポイント300Bを経由して、ホットスポット500Cにおいては無線LANアクセスポイント300Cを経由して情報管理サーバ200に対しクライアントメッセージを送信することにより、情報管理サーバ200から配信情報を取得することができる。クライアントメッセージは、アクセスポイント属性情報やユーザプロファイルを含み、配信情報は、クライアントメッセージに基づいて情報管理サーバ200で予め集約されたユーザ毎の各種の情報である。アクセスポイント属性情報およびユーザプロファイルについては後述する。
図2は、車載無線LAN通信機器400のハードウェア構成を表すシステムブロック図である。車載無線LAN通信機器400はCPU410を備え、CPU410には、現在地検出装置470およびユーザ入力装置460が接続されている。現在地検出装置470は、車両の現在地を検出するためのセンサ類であり、たとえば車両の進行方位を検出するジャイロセンサ471、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ472、車速を検出する車速センサ473を含んで構成されている。
CPU410およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、ワークメモリ420、プログラムメモリ430、ディスプレイモジュール440、記憶装置450、無線LAN通信インタフェース480を含んで構成されている。ディスプレイモジュール440は、グラフィックコントローラ441、画像メモリ442、表示パネル443を含んで構成されている。
記憶装置450は、ナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI(Point of Interset:観光地や各種施設)情報などの情報を格納する記憶装置であり、ハードディスクドライブが用いられている。なお、記憶装置450は、ハードディスクドライブ以外にも、道路地図データが格納されたCD−ROMやDVD、その他の記録媒体、およびその読み出し装置であっても良い。
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データ(交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報など)などから成る。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点名称などから成るデータであり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。なお、道路地図データには無線LANアクセスポイント300の位置情報データも含む。
無線LAN通信インタフェース480は、車載無線LAN通信機器400を搭載した車両がホットスポットのエリア内に進入して無線LANアクセスポイント300のビーコンを検出すると認証手順を実行する。認証により接続が許可されると無線通信によるデータ転送が可能となる。CPU410が本機能を介してメッセージを送受信することにより、車載無線LAN通信機器400は外部サーバに対してクライアント動作を行うことができる。
図3は、情報管理サーバ200の機能ブロック構成を表すシステムブロック図である。210はネットワークインタフェースであり、広域通信ネットワークを介してデータ転送を行う。220はOS(Operating System)等を含むプラットフォームであり、ネットワークインタフェース201のドライバソフトウェアも含まれる。230〜290の各アプリケーションソフトウェアはプラットフォーム202上で動作する。
情報検索エンジン230は、広域通信ネットワーク100内を流通している様々な情報を検索および収集する。定期的な自律動作に基づいてこのような情報検索および収集を行っても良いし、情報管理サーバ200のオペレータコマンド受付部240を介したコマンドに基づいて情報検索や収集を行っても良い。あるいは、クライアントメッセージ受付部250を介したメッセージに基づいて情報検索および収集を行っても良い。収集された情報はデータベース260にて管理される。
クライアントメッセージ受付部250にて受信したメッセージの内容に基づき、データ処理部270はデータベース260の情報を集約する。情報の集約については後述するが、予めユーザが情報管理サーバに登録した嗜好条件に基づいて、無線LANアクセスポイント300毎に配信情報が生成される。情報の集約に際して、アクセスポイント属性情報に基づいてアクセスポイント監視部280が当該無線LANアクセスポイント300の正常性監視確認を行う。情報管理サーバ200は、正常性の確認が取れた無線LANアクセスポイント300毎に、嗜好条件に基づいてユーザ(クライアント)向け配信データを生成する。これらの配信データは、情報配信制御部290よりクライアントに対して送信される。
図4を参照してカーナビゲーション情報通信システムにおける情報集約および配信処理シーケンスを説明する。上述したように、車載無線LAN通信機器400を搭載した車両がホットスポット500Aを出発し、ホットスポット500Bおよび500Cを順に通過して目的地に到着するような経路が探索されている。車載無線LAN通信機器400は、無線LANアクセスポイント300Aとの間で接続認証要求401を送信および接続認証許可応答402を受信した上で、情報管理サーバ200に対して次のようなメッセージをユーザID情報と共に送信する。すなわち、メッセージは、目的地到着予定時刻、経路上の各経由地通過予定時刻および無線LANアクセスポイント300A、300B、300Cのアクセスポイント属性情報を含む。なお、各経由地通過予定時刻には、後述するように、アクセス権を有する無線LANアクセスポイント300に対応するホットスポット500への到着予定時刻も含む。
アクセスポイント属性情報は次のようなデータを含む。
(1)車載無線LAN通信機器400を搭載した車両が目的地まで走行する間に接続が予定されている各無線LANアクセスポイント300の位置情報(緯度,経度)
(2)各無線LANアクセスポイント300の通信方式についての情報
(3)車載無線LAN通信機器400と各無線LANアクセスポイント300との接続予定時刻情報
情報管理サーバ200は、目的地到着予定時刻、各経由地通過予定時刻および各アクセスポイント属性情報を含むメッセージ491を受信すると、当該無線LANアクセスポイント300A、300B、300Cに対して正常性確認要求を送信する。情報管理サーバ200は、各無線LANアクセスポイント300から正常性確認応答を受信することで各無線LANアクセスポイント300の正常性を監視する。併せて各アクセスポイント属性情報から各無線LANアクセスポイント300の通信方式を学習し、当該IDのユーザ向け情報について無線LANアクセスポイント300毎の配信速度を判定する。また、各アクセスポイント属性情報には各無線LANアクセスポイント300の位置情報(緯度,経度)が含まれており、当該位置情報に基づいてユーザ向け配信情報検索範囲が判定される。
車載無線LAN通信機器400は、情報管理サーバ200に対して、ユーザプロファイル情報を含むメッセージ492をユーザID情報と共に送信する。当該メッセージを受信した情報管理サーバ200は、当該IDのユーザ向け配信情報を無線LANアクセスポイント300毎に検索して嗜好条件に基づいて配信情報を生成(集約)する。このとき、情報管理サーバ200は、ホットスポット500Aに位置している車載無線LAN通信機器400に向けて、無線LANアクセスポイント300Aを介して生成した情報を車載無線LAN通信機器400へ配信する(291)。
車載無線LAN通信機器400がホットスポット500Aを出た後、ホットスポット500Bに進入すると、車載無線LAN通信機器400は、無線LANアクセスポイント300Bに向けて接続認証要求403を送信する。無線LANアクセスポイント300Bから接続認証許可応答404を受信すると、車載無線LAN通信機器400は、情報管理サーバ200に対して、目的地到着予定時刻、各経由地通過予定時刻、および無線LANアクセスポイント300B、300Cの各属性情報を通知するメッセージ493をユーザID情報と共に送信する。
情報管理サーバ200は、目的地到着予定時刻、各経由地通過予定時刻および各アクセスポイント属性情報を含む通知メッセージ493を受信すると、属性情報を通知された各無線LANアクセスポイント300B、300Cに対して正常性確認要求を送信する。情報管理サーバ200は、各無線LANアクセスポイント300から正常性確認応答を受信すると、各無線LANアクセスポイント300の正常性を監視する。なお、アクセスポイント属性情報は既知であるため、ユーザ向け情報配信速度・検索範囲判定処理は行わなくてよい。
さらに、車載無線LAN通信機器400は、情報管理サーバ200に対してユーザプロファイル情報を含むメッセージ494をユーザID情報と共に送信する。当該メッセージを受信した情報管理サーバ200は、当該IDのユーザプロファイル情報を含む通知メッセージ492を既に受信してユーザ向け配信情報を無線LANアクセスポイント300毎に検索・集約を完了している。そのため、情報管理サーバ200は、直ちに無線LANアクセスポイント300Bを介してホットスポット500Bを移動中の車載無線LAN通信機器400に対して、予め集約して生成した情報を配信する(292)。
以下、車載無線LAN通信機器400がホットスポット500Cに進入したときも、同様にして、情報管理サーバ200は、直ちに無線LANアクセスポイント300Cを介してホットスポット500Cを移動中の車載無線LAN通信機器400に対して、予め集約して生成した情報を配信する(293)。
図5のフローチャートを参照して、カーナビゲーション情報通信システムにおける車載無線LAN通信機器400の動作を説明する。図5のフローチャートによる処理は、車載無線LAN通信機器400のCPU410で所定のプログラムを実行して行われる。したがって、以下で説明する処理はCPU410が主体的に行う。
ステップS601では、メニュー表示画面を出力し、経路誘導機能や無線LANによる情報取得機能等、使用する各種機能の選択等に関するユーザ入力を受け付ける。ステップS602では、現在地検出装置による現在地の検出処理、ユーザ入力による目的地設定、およびそれらの情報に基づく経路探索処理を行う。ステップS603では、目的地までの推奨経路上に存在するホットスポット500に無線LANサービスを提供する無線LANアクセスポイント300を特定する。そして、特定されたホットスポット500の中でユーザがアクセス権を有している無線LANアクセスポイント300を選択してアカウント情報を入力する。さらにステップS603では、車載無線LAN通信機器400を搭載した車両がアクセス権を有する各無線LANアクセスポイント300に対応するホットスポット500へ到着する予想時刻、すなわち無線LAN接続予定時刻を算出する。
ステップS604では、ユーザプロファイルを生成する。ユーザプロファイルは要求する配信の条件(以下、配信条件と呼ぶ)を表す情報を含む。たとえば、乗員構成・乗車目的・時間的余裕といった情報をユーザが入力することにより生成される。乗員構成とは、たとえば、乗員人数、年齢構成、性別、お互いの関係(家族、友人、同僚、重役、顧客等)といった情報である。乗車目的とは、観光、レジャー、ショッピング、ビジネス、出張等の情報を指す。
時間的余裕として次のような2つを想定することができる。一つ目は、目的地までの到着を急いでいるために移動や途中で取る食事にあまり時間をかけたくない場合である。二つ目は、時間に余裕があるために経路近辺の立ち寄りスポットの情報やゆっくり食事が取れるレストランの情報を取得したい場合である。
さらに、ユーザプロファイルには、ユーザの嗜好に基づく情報取得をおこなう嗜好条件を設定することもできる。嗜好条件として次のような3つを想定することができる。一つ目は、12時ごろに走行していると予測される場所付近でのお子様ランチが提供されているレストランの情報を取得したい場合である。二つ目は、小児等が同乗しているために経路付近のトイレの場所を取得したい場合である。三つ目は、取引先への送金を行う必要があるために経路付近にある特定銀行の場所の情報を取得したい場合である。このような嗜好条件は、キーワードをAND条件やOR条件等で入力することにより設定することができる。具体的には、「13時」AND「お子様ランチ」と入力したり、「トイレ」と入力したり、「○○銀行」OR「△△銀行」と入力したりすることで設定する。
ステップS605において、CPU410は現在地の無線LANサービスを提供している無線LANアクセスポイント300を探索する。ステップS606では、CPU410は無線LANアクセスポイント300を検出したか否かを判定し、検出していなかった場合は探索を繰り返す。ステップS606にて無線LANアクセスポイント300を検出した場合は、CPU410は、ステップS607において、車載無線LAN通信機器400の動作開始以降に当該無線LANアクセスポイント300と接続した履歴があるか否か判定する。接続履歴があるとCPU410が判定すると、後述するステップS612に処理を移行する。接続履歴が無いとCPU410が判定すると、は、CPU410は、ステップS608において当該無線LANアクセスポイント300との接続認証処理を実行する。
ステップS609において、CPU410は、情報管理サーバ200にアクセスポイント属性情報を含むメッセージを送信する。上述したように、このメッセージには、推奨経路上で接続が予定されている各無線LANアクセスポイント300の位置情報(緯度,経度)、各無線LANアクセスポイント300の通信方式についての情報、当該車載無線LAN通信機器400と各無線LANアクセスポイント300との接続予定時刻情報、当該車載無線LAN通信機器400を搭載している車両の目的地・各経由地到着予定時刻情報を含む。
ステップS610において、CPU410は、前述の設定を通じてユーザプロファイル情報を生成し、情報管理サーバ200にユーザプロファイル情報を含むメッセージとして送信する。その後ステップ611において、CPU410は、当該メッセージを受信した情報管理サーバ200が転送してくるユーザ向け配信情報を取得して表示パネルの画面に出力する。出力には音声を用いても良い。
ステップS611の処理を終了またはステップS607の判定処理にて接続履歴があると判定したとき、CPU410は、ステップS613において、推奨経路上で接続可能な全ての無線LANアクセスポイント300との間で接続した履歴(以下、接続履歴)があるか否かを判定する。当該判定処理において、未接続の無線LANアクセスポイント300が存在すると判定したとき、CPU410は、前述のステップS605に処理を移行する。当該判定処理において、全ての無線LANアクセスポイント300との接続履歴があると判定すると、CPU410は、図5の処理を終了する。
図6のフローチャートを参照して、カーナビゲーション情報通信システムにおける情報管理サーバ200の動作を説明する。図6のフローチャートによる処理は、情報管理サーバ200のデータ処理部270で所定のプログラムを実行して行われる。したがって、以下で説明する処理はデータ処理部270が主体的に行う。
ステップS701では、オペレータ入力を受け付けて、参加店舗・企業・自治体・公共機関等の位置情報(緯度,経度)のデータベース登録を行う。ステップS702では、オペレータ入力を受け付けて、参加店舗・企業・自治体・公共機関等によるサービス・イベント情報のデータベース登録を行う。ステップS701およびステップS702は、オペレータ入力に起因して随時実行する処理であり、データベース登録情報は随時更新される。これらの各種情報のデータベースへの登録は、ユーザから送付(送信)される各種情報に基づいて、情報管理サーバ200の管理者のオペレータが予め行う。
情報管理サーバ200は、ステップS703において車載無線LAN通信機器400からのアクセスポイント属性情報を含むメッセージを受信すると、ステップS704において、当該メッセージに示されている全ての無線LANアクセスポイント300に対して正常性を確認する要求メッセージを送信する。情報管理サーバ200は、送信した要求メッセージに対する応答メッセージを受信するか否かにより、無線LANアクセスポイント300の正常性、すなわち、無線LANアクセスポイント300の使用可能状態を確認する。
情報管理サーバ200は、ステップS705において、ステップS703において受信したアクセスポイント属性情報に関するメッセージが以前に受信した既知のメッセージであるか否かを判定し、既知メッセージと判定すれば後述するステップS708に処理を移行する。当該判定で新規メッセージと判定すれば、情報管理サーバ200はステップS706に進む。ステップS706において、情報管理サーバ200は、無線LANアクセスポイント300の通信方式を学習し、当該通信方式に基づいて無線LANアクセスポイント300毎にユーザ向け情報配信速度(通信速度)を特定する。このとき、通信方式として、たとえば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)標準802.11系列およびIEEE標準802.16系列の中のいずれの規格に準拠しているかを学習する。準拠規格に定められる通信速度に応じて、後述するステップS713においてデータ容量およびデータ長が決定されることになる。
さらに、情報管理サーバ200はステップS707において、ステップS703にて受信したアクセスポイント属性情報に関するメッセージに示される目的地および経由地の位置情報(緯度,経度)に基づいてユーザ向け配信情報の検索範囲を特定する。そして、当該メッセージに示される無線LANアクセスポイント300の位置情報(緯度,経度)に基づいて、無線LANアクセスポイント300毎にユーザ向け配信情報検索範囲を設定する。
ステップS707の処理を終了すると、または、ステップS705において受信したアクセスポイント属性情報に関するメッセージが既知のメッセージであると判定すると、情報管理サーバ200は、ステップS708において、車載無線LAN通信機器400が現在接続中の無線LANアクセスポイント300を特定する。
情報管理サーバ200は、ステップS709において車載無線LAN通信機器400からのユーザプロファイル情報を含むメッセージを受信すると、ステップS710に進む。ステップS710では、当該メッセージが以前に受信した既知のメッセージであるか否かを判定し、既知メッセージと判定すれば後述するステップS714に処理を移行する。当該判定で新規メッセージと判定すれば、情報管理サーバ200はステップS711において、当該メッセージに示されるユーザプロファイルを解析し、当該ユーザプロファイルに基づいて、当該ユーザ向け配信情報の検索条件(配信条件)を設定する。
情報管理サーバ200は、ステップS712において、ステップS707にて設定した検索範囲とステップS711にて設定した検索条件とに基づき、データベース260にてユーザ向け配信情報の検索を行い、無線LANアクセスポイント300毎に集約して生成する。続くステップS713において、ステップS706にて特定した無線LANアクセスポイント300毎のユーザ向け情報配信速度に基づき、ステップS712における集約する情報の容量(データ生成容量)やデータ転送時の分割サイズ(データ長)を決定し、転送用の分割データを生成する。こうした転送データ生成条件の決定に際しては、前述したように、ステップS706にて特定したユーザ向け情報配信速度が考慮される。
ステップS713の処理を終了すると、または、ステップS710の判定処理にて受信したユーザプロファイル情報に関するメッセージが既知のメッセージであると判定すると、情報管理サーバ200は、車載無線LAN通信機器400への分割データを当該車載無線LAN通信機器400が現在接続中の無線LANアクセスポイント300を介して転送する。転送処理終了後、情報管理サーバ200は、ステップS715において、無線LANアクセスポイント300毎のユーザ向け情報配信が全て実行されたか否かを配信履歴に基づいて判定する。当該判定処理において、未配信の無線LANアクセスポイント300毎のユーザ向け情報が存在すると判定した情報管理サーバ200は、前述のステップS703に処理を移行する。当該判定処理において、全ての無線LANアクセスポイント300毎にユーザ向け情報配信履歴があると判定した情報管理サーバ200は、処理を終了する。
以上説明した実施形態によるカーナビゲーション情報通信システムにおける情報集約配信方法では、
(A)車載無線LAN通信機器400は、出発地から目的地までの経路上でアクセス権を有する複数の無線LANアクセスポイント300A〜300Cを決定し、決定された複数の無線LANアクセスポイント(以下、決定アクセスポイント)300を、出発地の(走行開始時の)決定アクセスポイント300Aを経由して情報管理サーバ200へ送信する。また、
(B)情報管理サーバ200は、複数の決定アクセスポイント300A〜300Cを受信すると、複数の決定アクセスポイント300A〜300Cのそれぞれで車載無線LAN通信機器400へ配信する配信情報を予め生成して記憶し、車載無線LAN通信機器400は、複数の決定アクセスポイント300のいずれかと接続すると、当該決定アクセスポイント300に対して作成されて記憶されている配信情報を受信して出力する。
このようなカーナビゲーション情報通信システムにおいては次のような作用効果を奏することができる。
(1)車両が推奨経路に沿って目的地まで走行する際、各ホットスポット500に進入したとき、車載無線LAN通信機器400(ユーザ)が希望する情報を確実に受信することができる。
(2)車載無線LAN通信機器400(ユーザ)は、情報管理サーバ200へ受信を希望する配信情報の条件を送信し、情報管理サーバ200は、配信情報の条件に応じて、決定した各無線LANアクセスポイント300A〜300Bにおける配信情報を生成するようにした。したがって、同一の無線LANアクセスポイント300において、ユーザ毎に最適な情報を配信することができる。
(3)車載無線LAN通信機器400(ユーザ)が希望する情報の配信条件は、ユーザプロファイルとして第1番目の無線LANアクセスポイント300Aにて情報管理サーバ200へ送信し、情報管理サーバ200は、この配信条件にしたがって、事前に無線LANアクセスポイント300毎の配信情報を集約して生成するようにした。したがって、車両が各ホットスポット500に進入する際に情報を集約して生成する必要がなく、各無線LANアクセスポイント300にて配信情報を確実に受信できる。
(4)第1番目の無線LANアクセスポイント300Aのホットスポット500Aにおいて、車載無線LAN通信機器400は、経路探索演算を行って推奨経路を決定し、ユーザがアクセス権を有する無線LANアクセスポイント300を予め特定し、そのホットスポット500への到着予想時刻、すなわち、無線LAN接続予定時刻を算出して情報管理サーバ200へ送信するようにした。したがって、情報管理サーバ200は、車両をリアルタイムに追跡する必要がないので、当該情報管理サーバ200の処理負荷を低減することができる。
(5)情報管理サーバ200は、車両のホットスポット500への予想到着時刻に応じて配信情報を生成するようにしたので、当該車両が当該ホットスポット500を通過する時刻に適した情報を配信することができる。
(6)情報管理サーバ200は、決定された複数の無線LANアクセスポイント300A〜300Cにおける通信方式に応じて、配信情報のデータ容量を決定するようにした。すなわち、転送データ生成条件が各無線LANアクセスポイント300の通信速度に応じたものとなるので、効率的な情報配信が可能である。
上述の説明では、無線LANアクセスポイント300の通信方式の情報については、車載無線LAN通信機器400が、アクセスポイント属性情報に関するメッセージに含めて情報管理サーバ200へ通知するように説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、情報管理サーバ200が正常性確認の目的で各無線LANアクセスポイント300に要求メッセージを送信した際、各無線LANアクセスポイント300が各々の通信方式の情報を応答メッセージに含めるようにしてもよい。
図7は、情報管理サーバ200に格納されているデータベース260の一例を表したものである。ここではジャンル261を飲食店に限定したが、本発明は飲食店に限るものではなく、食料品店、服飾・雑貨店、電器店、金融機関、官公庁、公共サービス営業所等、様々な業種を含めて良い。カテゴリに関する情報欄262には、業態や商品に基づいて、ジャンル261を細かく分類した属性データが登録される。ファミリーユースまたはビジネスユース、若者または中高年、男性または女性といったユーザプロファイルに基づく検索に適した分類が行われることが好ましい。
ランドマークの名称欄263にはランドマークの名称が登録される。ランドマークの名称は、たとえば、店舗の店名である。所在地欄264には、ランドマークの位置情報(緯度,経度)が登録される。商品の情報欄265には、主な商品の情報が登録される。商品の情報は、たとえば飲食店のメニューである。写真データ欄266には、写真データについての情報が登録される。写真データについての情報は、たとえばランドマークの外観や主な商品の写真データの容量と格納場所(ディレクトリ)である。営業時間・定休日・イベント情報欄267には、たとえばランドマーク内の店舗の営業時間・定休日や開催されるイベントの情報が登録される。
前述したように、情報管理サーバ200は、車載無線LAN通信機器400から受信するユーザプロファイル情報に基づき、データベース260にてユーザ向け配信情報を検索する条件を設定する。また、情報管理サーバ200は、無線LANアクセスポイント300の通信方式に応じて、車載無線LAN通信機器400へ配信する集約情報の容量を調整する。たとえば、集約情報の最小データをデータ261〜264に基づいて生成し、検索条件や集約情報容量に基づき、当該データにデータ265、266、267に基づいて抽出した情報を加えることができる。なお、集約情報容量の調整に関しては、前述した無線LANアクセスポイント300毎のユーザ向け配信情報検索範囲を調整することで実施しても良い。
図8は、情報管理サーバ200が、アクセスポイント属性情報801によって設定した検索範囲およびユーザプロファイル802によって設定した検索条件に基づき、データベース260にてユーザ向け配信情報の検索を行い、複数ユーザに関してユーザID別で無線LANアクセスポイント300毎に配信する集約情報803を設定する処理を表したものである。処理の詳細は前述の通りである。
上述の説明では、情報管理サーバ200が、アクセスポイント属性情報801によって設定した検索範囲およびユーザプロファイル802によって設定した検索条件に基づき、ユーザ向け配信情報の検索を行う対象をデータベース260としたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、情報管理サーバ200が外部記憶装置のデータベースを検索しても良いし、当該サーバが接続されている広域通信ネットワークに接続された別のサーバに格納されたデータベースまたは記憶装置のデータベースを検索しても良い。
上記実施の形態では、出発地をホットスポット500Aとし、車載無線LAN通信機器400は、走行開始前に経路探索結果に基づいて推奨経路上の無線LANアクセスポイント300A〜300Cを決定し、無線LANアクセスポイント300Aを経由して情報管理サーバ200へ無線LANアクセスポイント300A〜300C等についての情報を含むクライアントメッセージを送信した。しかしながら、出発地がホットスポット500に含まれない場合も想定される。したがって、車載無線LAN通信機器400は、走行開始後に到達するホットスポット(走行初期のホットスポット)500において、クライアントメッセージを情報管理サーバ200へ送信してもよい。走行初期のホットスポット500は、たとえば、走行開始後に最初に到達するホットスポット500である。あるいは、目的地までの走行距離がたとえば100kmを越えるような長距離推奨経路では経路上に多数のホットスポット500が存在し得るので、走行初期のホットスポット500は、たとえば、2番目あるいは3番目に到達するホットスポット500であってもよい。この場合、車載無線LAN通信機器400は、最初のホットスポット500ではクライアントメッセージを送信せずに、2番目あるいは3番目に到達するホットスポット500でクライアントメッセージを送信する。情報管理サーバ200はクライアントメッセージを受信すると無線LANアクセスポイント300毎の配信情報を予め生成するので、それ以降に走行中の車両が到達するホットスポット500において、ユーザが希望する情報を車載無線LAN通信機器400へ迅速かつ的確に配信することができる。
情報管理サーバ200は、車両が無線LANアクセスポイント300に到着する前に、記憶した配信情報を対応する無線LANアクセスポイント300へ転送しておき、各無線LANアクセスポイント300は転送された配信情報を予め保存し、当該車両が各無線LANアクセスポイント300に到着すると、保存した配信情報を当該車両に搭載された車載無線LAN通信機器400へ配信するようにしてもよい。
本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における機器構成に何ら限定されない。
本実施の形態のカーナビゲーション情報通信システムの全体構成を示す図。 車載無線LAN通信機器400のハードウェア構成を表すシステムブロック図。 情報管理サーバ200の機能ブロック構成を表すシステムブロック図。 カーナビゲーション情報通信システムにおける情報集約および配信処理シーケンスを示す図。 カーナビゲーション情報通信システムにおける車載無線LAN通信機器400の動作を示す図。 カーナビゲーション情報通信システムにおける情報管理サーバ200の動作を示す図。 情報管理サーバ200に格納されているデータベース260の一例を表した図。 複数ユーザに関してユーザID別で無線LANアクセスポイント300毎に配信される集約情報803の設定処理を示す図。
符号の説明
100 広域通信ネットワーク
200 情報管理サーバ
201 ネットワークインタフェース
202 プラットフォーム(OS)
230 情報検索エンジン
240 オペレータコマンド受付部
250 クライアントメッセージ受付部
260 データベース
270 データ処理部
280 アクセスポイント監視部
290 情報配信制御部
300 無線LANアクセスポイント
400 車載無線LAN通信機器
410 CPU
420 ワークメモリ
430 プログラムメモリ
440 ディスプレイモジュール
441 グラフィックコントローラ
442 画像メモリ
443 表示パネル
450 記憶装置
460 ユーザ入力装置
470 現在地検出装置
471 ジャイロセンサ
472 GPSセンサ
473 車速センサ
480 無線LAN通信インタフェース

Claims (6)

  1. 走行路に設置されている無線アクセスポイントを経由して、車両に搭載される車載無線通信機器が情報管理サーバとの間で通信を行って各種情報を受信する情報集約配信方法において、
    前記車載無線通信機器は、出発地から目的地までの経路上でアクセス権を有する複数の無線アクセスポイントを決定するとともに、前記決定された複数の無線アクセスポイント(以下、決定アクセスポイントと呼ぶ)のそれぞれへ前記車両が到着する予想時刻を算出し、前記複数の決定アクセスポイントと前記予想時刻とを、走行初期の決定アクセスポイントを経由して前記情報管理サーバへ送信し、
    前記情報管理サーバは、前記複数の決定アクセスポイントと前記予想時刻とを受信すると、前記複数の決定アクセスポイントのそれぞれの位置情報に基づいて検索範囲を特定し、前記複数の決定アクセスポイントのそれぞれで前記車載無線通信機器へ配信する配信情報を、前記検索範囲に含まれる複数のランドマークの中から前記予想時刻に応じて検索することによって予め生成して記憶し、
    前記車載無線通信機器は、前記複数の決定アクセスポイントのいずれかと接続すると、当該決定アクセスポイントに対して作成されて記憶されている配信情報を受信して出力することを特徴とする情報集約配信方法。
  2. 請求項1に記載の情報集約配信方法において、
    前記車載無線通信機器は、現在地から目的地までの経路探索演算を行い、推奨経路上のアクセス権を有するアクセスポイントを前記複数の決定アクセスポイントとして決定することを特徴とする情報集約配信方法。
  3. 請求項1または2に記載の情報集約配信方法において、
    前記車載無線通信機器は、前記情報管理サーバへ受信を希望する配信情報の条件を送信し、
    前記情報管理サーバは、前記配信情報の条件に応じて、各決定アクセスポイントにおける配信情報を生成することを特徴とする情報集約配信方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報集約配信方法において、
    前記情報管理サーバは、前記決定アクセスポイントにおける通信方式に応じて、前記配信情報のデータ容量を決定することを特徴とする情報集約配信方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報集約配信方法において、
    前記情報管理サーバは、前記車両が前記決定アクセスポイントに到着すると、前記記憶した配信情報を対応する決定アクセスポイントを経由して前記車載無線通信機器へ配信することを特徴とする情報集約配信方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報集約配信方法において、
    前記情報管理サーバは、前記車両が各決定アクセスポイントに到着する前に、前記記憶した配信情報を対応する前記各決定アクセスポイントへ転送し、
    前記決定アクセスポイントは転送された配信情報を保存し、前記車両が前記各決定アクセスポイントに含まれる無線アクセスポイントに到着すると、当該無線アクセスポイントは、前記保存した配信情報を前記車載無線通信機器へ配信することを特徴とする情報集約配信方法。
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