JP5156313B2 - プロピレンの製造方法およびプロピレンの製造装置 - Google Patents

プロピレンの製造方法およびプロピレンの製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、ジメチルエーテルおよび/またはメタノールから脱水縮合反応によりプロピレンを製造するプロピレンの製造方法およびプロピレンの製造装置に関する。
現在、エチレンとプロピレンの需要の伸びの違いや、中東地区におけるエタンクラッカーの増設によるエチレンの供給率の上昇などから、プロピレンの選択的増産プロセスの必要性が増してきている。
プロピレンのほとんどは原油由来の原料を使用するナフサクラッカー、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)装置などから副製品として製造されている。これらの製造プロセスでは、炭素数が4のオレフィンおよび炭素数が5のオレフィンを多く含有する留分が存在するため、これらの留分のプロピレンへの有効な転換技術が望まれている。
従来、炭化水素(パラフィン系)を原料としたFCC装置において、ZSM−5型ゼオライト触媒を添加し、メタノールを炭化水素と同時に供給することにより、炭化水素の分解反応における吸熱をメタノールの脱水縮合反応の発熱により熱バランスを向上させつつ、パラフィン、芳香族類を生成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ゼオライト触媒を用い、メタノールおよび/またはジメチルエーテルと、炭化水素との混合物の接触変化により、エチレン、芳香族類を生成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−179592号公報 特開昭60−120790号公報
しかしながら、従来のFCC装置を用いた低級炭化水素の製造方法や、ナフサの熱分解を用いた低級炭化水素の製造方法では、プロピレンは副生成物であるため、これらの製造方法は、プロピレンのみを効率的に増産するには適していなかった。
また、上述したような従来の製造方法では、炭素数が4および/または5のオレフィン主体の炭化水素を副生成物として生成するものの、これら副生成物はガム質や炭素質析出の原因となるアルキン類やジエン類などが含有されている。従って、これをそのまま原料として使用した場合には、反応装置の配管や反応触媒上に固形の析出物が発生、付着する懸念があり、反応装置の配管が閉塞してしまったり、反応触媒が劣化するおそれがある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、反応装置の配管や反応触媒上に析出物が発生するのを抑制し、配管の閉塞や反応触媒の劣化を防止することができるプロピレンの製造方法およびプロピレンの製造装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種と、炭素数が4および/または5の炭化水素を含むフィードガスとを反応器に送り、反応触媒の存在下で反応させることによりプロピレンを製造する方法であって、前記炭素数が4および/または5の炭化水素は、アルキン類またはジエン類のうち少なくとも1種を含み、前記炭素数が4および/または5の炭化水素水素水添反応器に供給し、前記アルキン類またはジエン類を二重結合が1つのオレフィンに転化させた後、前記ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種とともに前記反応器に供給し、前記反応器によって生成された水素を分離器によって分離し、前記分離器によって分離された前記水素を前記水添反応器に還流させることを特徴とするプロピレンの製造方法が提供される。
前記炭素数が4および/または5の炭化水素は、オレフィン生成装置により生成された生成物を分離して得られたものを含んでいてもよい。また、炭素数が4および/または5の炭化水素はオレフィン主体の炭化水素であることが好ましい。
前記オレフィン生成装置は、炭化水素を熱分解する装置、炭化水素を接触分解する装置、および含酸素炭化水素を脱水縮合反応させる装置から選ばれる1以上の装置であればよい
前記反応触媒は、MFI構造ゼオライト触媒であればよい。
また、前記反応触媒は、アルカリ土類金属を含むMFI構造ゼオライト触媒であって、該MFI構造ゼオライトのSi/Alモル比は10以上、300以下、アルカリ土類金属/Alモル比は0.75以上、15以下であればよい。
また、本発明によれば、アルキン類またはジエン類のうち少なくとも1種を含む炭素数が4および/または5の炭化水素に水素を供給し、前記アルキン類またはジエン類を部分水添により二重結合が1つのオレフィンに転化させる水添反応器と、該水添反応器で得られた炭素数が4および/または5の炭化水素と、ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種とを含むフィードガスを触媒の存在下で反応させる反応器と、該反応器で得られた反応生成物からプロピレンと水素とそれぞれ分離する分離器と、該分離器で分離された水素を前記水添反応器に還流させる還流管と、を備えたことを特徴とするプロピレンの製造装置が提供される。
前記水添反応器は、パラジウムを含む水添触媒により好適に目的が達せられる
本発明のプロピレンの製造方法によれば、プロピレンを製造する反応器に供給されるフィードガスに含まれているアルキン類/ジエン類を、部分水添により二重結合が1つのオレフィンに転化させることができる。アルキン類/ジエン類を水添反応器によって二重結合が1つのオレフィンに転化させることにより、反応器に供給されるフィードガスは、アルキン類/ジエン類の含有量を極めて低くすることができる。
なお、上記水添反応は液相反応、気相反応のどちらでもよい。
アルキン類/ジエン類を水添反応器によって二重結合が1つのオレフィンに転化させ、反応器に供給されるフィードガスに含まれるアルキン類/ジエン類の含有量を極めて低くすることにより、反応器に接続される配管内や反応触媒上に炭素を含む固形の析出物が析出することを抑制できる。これにより、反応器に接続される配管が析出物によって閉塞されたり、反応器に充填された反応触媒上に析出物が付着して劣化を引き起こすなどの障害を確実に防止することが可能になる。
以下、本発明に係るプロピレンの製造方法およびプロピレンの製造方法の最良の形態について説明する。なお、ここで示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明のプロピレンの製造装置の概要、およびこの製造装置を用いた本発明のプロピレンの製造方法の流れを示す説明図である。
この実施形態のプロピレンの製造装置10は、オレフィン生成装置11、水添反応器12、反応器13、分離器14を備えている。オレフィン生成装置11は、供給された原料から低級オレフィンを含む生成物を生成する。水添反応器12は、生成装置11で生成された炭素数が4および/または5の炭化水素と、後述する分離器14から還流された炭素数が4および/または5の炭化水素に、水素を加えたものを反応させる。そして、これら炭素数が4および/または5の炭化水素に含まれているアルキン類/ジエン類を部分水添により二重結合が1つのオレフィンに転化させる。
反応器13は、水添反応器12で得られた炭素数が4および/または5の炭化水素に、ジメチルエーテル/メタノールを供給して反応させ、プロピレンを含む炭化水素を生成させる。分離器14は、反応器13で得られたプロピレンを含む炭化水素を分離、精製し、プロピレン、ガソリン、水、水素、および炭素数が4および/または5の炭化水素などの各成分を抽出する。この内、炭素数が4および/または5の炭化水素、および水素は、再び、水添反応器12に向けて還流される。
このような構成のプロピレンの製造装置を用いた、本発明のプロピレンの製造方法について説明する。まず、管1を介してオレフィン生成装置11に原料を送り込み、低級オレフィンを含む生成物を生成する。そして、この生成物を分離手段(図示せず)により分離することにより、炭素数が4および/または5の炭化水素を得る。この生成物の分離は分離器14にて行ってもよい。この場合、炭素数が4および/または5の炭化水素は管4を介して水添反応器12に送り込まれることとなり、プロピレンの製造装置全体における分離器が一つで済むため、装置およびプロセスの簡略化を図ることができる。
次に、生成装置11の生成物を分離して得られた炭素数が4および/または5の炭化水素を、管2を介して水添反応器12に送り込むとともに、水素を管3を介して水添反応器12に送り込む。この水素の少なくとも一部は、反応器13によって生成された水素を管4を介して還流させて水添反応器12に供給したものであってもよい。また、分離器14で分離された炭素数が4および/または5の炭化水素を、管4を介して水添反応器12に送り込んでもよい。
こうして水添反応器12に送り込まれた、炭素数が4および/または5の炭化水素と水素とを反応させ、炭素数が4および/または5の炭化水素に含まれているアルキン類/ジエン類を部分水添により二重結合が1つのオレフィンに転化させる。水添反応器12内には、水添触媒が充填されており、この水添触媒の作用により、二重結合が1つのオレフィンが主な生成物として生成する。この水添触媒としては、例えば、パラジウムを含む触媒が好ましく用いられる。
次に、水添反応器12で得られた炭素数が4および/または5の炭化水素(含有するアルキン類/ジエン類が部分水添により二重結合が1つのオレフィンに転化されたもの)と、ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種とを、管5を介して反応器13に送り込む。なお、ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種には、これ以外に水蒸気、メタン、エタン、窒素、アルゴン、二酸化炭素などの気体が含まれていてもよい。
反応器13内には、反応触媒が充填されており、この反応触媒の作用により脱水縮合反応や接触分解反応などによりプロピレンが得られる。同時に、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどの炭素数6以下の低級炭化水素や、水、少量の水素が主な生成物として生成する。
反応器13内の反応触媒としては、MFI構造ゼオライト触媒、アルカリ土類金属含有MFI構造ゼオライト触媒、シリカアルミノリン酸系触媒などが用いられ、流動床、固定床、移動床などの方式が用いられる。これらの中でも、低級炭化水素が高い収率で得られることから、MFI構造ゼオライト触媒が好ましく、アルカリ土類金属含有MFI構造ゼオライト触媒がより好ましい。
反応器13における反応条件の一例として、上記のフィードガスを温度350℃以上、600℃以下にて反応触媒に接触させる。これとともに、単位触媒質量、単位時間当たりに供給されるジメチルエーテル(以下、「DME」と略す。)相当質量である重量基準空間速度(以下、「WHSV」と略す。)を0.025g−DME/(g−反応触媒・時間)以上、50g−DME/(g−反応触媒・時間)以下、圧力を常圧以上、1MPa以下の範囲で選ぶことが好ましい。
フィードガスを反応触媒に接触させる温度が350℃未満では、目的生成物の生成速度が低く経済的ではない。一方、フィードガスを反応触媒に接触させる温度が600℃を超えると、反応触媒の劣化が早く、メタンなどの副生成物の生成が多くなる。
また、WHSVが0.025g−DME/(g−反応触媒・時間)未満では、固定床反応器の単位容積当たりの生産性が低くなり経済的でない。一方、WHSVが50g−DME/(g−反応触媒・時間)を超えると、反応触媒の寿命が短くなったり、反応触媒の活性が不十分となる。
反応器13における反応条件を調節することにより、生成物中の目的とする低級炭化水素の含有率を変化させることができ、例えば、プロピレンの割合を高めるためには、反応圧力を低圧にすることが好ましい。
反応器13で得られたプロピレンを主成分とする生成物は、管6を介して図示しない熱交換器に送られて冷却されたのち、分離器14に送られ、ここで各成分、例えば、メタン、エタンなどの軽質な成分、エチレン、プロピレン、炭素数が4および/または5の炭化水素、炭素数6以上の重質の炭化水素などに分離される。
分離器14で分離された各成分のうち、炭素数が4および/または5の炭化水素は管4を介して水添反応器12に還流される。それ以外の成分は、それぞれ別々に回収される。
以上のような構成のプロピレンの製造装置、およびプロピレンの製造方法によれば、プロピレンを製造する反応器13に供給される、炭素数が4および/または5の炭化水素に含まれているアルキン類/ジエン類を、部分水添により二重結合が1つのオレフィンに転化させることができる。アルキン類/ジエン類を水添反応器12によって二重結合が1つのオレフィンに転化させることにより、反応器13に供給されるフィードガスは、アルキン類/ジエン類の含有量を極めて低くすることができる。
フィードガスにアルキン類/ジエン類が多く含まれていると、反応器13に接続される配管内や反応触媒上に炭素を含む固形の析出物が発生、付着する懸念がある。特に、ジメチルエーテルの供給量とメタノールの供給量の総量に対する、炭素数が4および/または5の炭化水素の供給量の総量の比が大きくなると、反応器13内における吸熱反応による温度低下が大きくなるため、フィードガス温度を高くする必要が生じるが、フィードガス温度を高くすると、こうした炭素を含む固形の析出物が極めて生じやすい。
しかしながら、本発明のように、アルキン類/ジエン類を水添反応器12によって二重結合が1つのオレフィンに転化させ、反応器13に供給されるフィードガスに含まれるアルキン類/ジエン類の含有量を極めて低くすることにより、反応器13に接続される配管内や反応触媒上に炭素を含む固形の析出物が析出することを抑制できる。これにより、反応器13に接続される配管が析出物によって閉塞されたり、反応器13に充填された反応触媒上に析出物が付着して劣化を引き起こすなどの障害を確実に防止することが可能になる。
また、分離器14で炭素数が4および/または5の炭化水素を分離し、これらの炭化水素を還流させて、水添反応器12を介して反応器13に送り込むようにしているので、プロセス全体におけるプロピレンなどの目的生成物に対する選択性を高めることができ、目的生成物の最終収率を向上させることができる。
更に、炭素数が4および/または5の炭化水素のうち少なくとも1種を含むフィードガスを反応器13に供給することにより、反応器13に送り込まれたジメチルエーテルおよび/またはメタノールからプロピレンを製造する反応触媒の寿命が向上する。また、炭素数が4および/または5の炭化水素はオレフィン主体の炭化水素であることが好ましい。
炭素数が4および/または5のオレフィン主体の炭化水素の反応器13における反応は、総合的には吸熱反応であり、ジメチルエーテルおよび/またはメタノールの反応器13における発熱反応による昇温を緩和し、この結果、反応触媒の劣化が低減されるためである。このため、反応触媒の充填量の低減や、反応触媒の再生周期の延長などが可能となり、設備費、運転費を削減することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[反応触媒の調製]
特開2005−138000号公報に記載された調製方法によって、カルシウム含有MFI構造ゼオライトを調製した。次いで、塩酸を使用して通常の操作によりプロトン型とし、120℃にて5時間乾燥した後、空気中で520℃にて10時間焼成し、プロトン型カルシウム含有MFI構造ゼオライト触媒を得た。
[水添触媒]
水添触媒としては、炭酸カルシウムにパラジウムを担持させたリンドラー(Lindlar)触媒を使用することができる。部分水添用としては、副反応であるオレフィン類の水添反応を抑制させるため、Pbを添加したリンドラー触媒(5%Pd−Pb/CaCO3)を使用することができる。
[低級炭化水素の合成]
反応触媒として、上記のHCaMFIを用いて、ジメチルエーテル、ブタジエンを含む炭素数が4および/または5の炭化水素とから、または、ジメチルエーテルと、ブタジエンを含まない炭素数が4および/または5の炭化水素とから、あるいは、ジメチルエーテルのみから低級炭化水素を合成した。
「実施例1」
ジメチルエーテルを1291Ncm/時間、ブタジエンを含まない炭素数4または5の炭化水素の混合ガスを645Ncm/時間、窒素を646Ncm/時間の流量で混合させてHCaMFI触媒を充填した等温の反応器に送り、温度530℃、常圧で反応させた。触媒量に対する原料のジメチルエーテル(DME)の供給量比である重量基準空問速度(WHSV)については、9.6g−DME/(g−触媒・時間)とした。24時間反応後の触媒のTG測定結果よりCarbon生成速度を算出した。
「実施例2」
ジメチルエーテルを1291Ncm/時間、ブタジエンを5%含む炭素数4または5の炭化水素の混合ガスを645Ncm/時間、窒素を646Ncm/時間の流量で混合させてHCaMFI触媒を充填した等温の反応器に送り、温度530℃、常圧で反応させた。触媒量に対する原料のジメチルエーテル(DME)の供給量比である重量基準空問速度(WHSV)については、9.6g−DME/(g−触媒・時間)とした。24時間反応後の触媒のTG測定結果よりCarbon生成速度を算出した。
「比較例1」
ジメチルエーテルを1291Ncm/時間、ブタジエンを40%含む炭素数4または5の炭化水素の混合ガスを645Ncm/時間、窒素を646Ncm/時間の流量で混合させてHCaMFI触媒を充填した等温の反応器に送り、温度530℃、常圧で反応させた。触媒量に対する原料のジメチルエーテル(DME)の供給量比である重量基準空問速度(WHSV)については、9.6g−DME/(g−触媒・時間)とした。
24時間反応後の触媒のTG測定結果よりCarbon生成速度を算出した。
「比較例2」
ジメチルエーテルを1291Ncm/時間、窒素を1291Ncm/時間の流量で混合させてHCaMFI触媒を充填した等温の反応器に送り、温度530℃、常圧で反応させた。触媒量に対する原料のジメチルエーテル(DME)の供給量比である重量基準空問速度(WHSV)については、9.6g−DME/(g−触媒・時間)とした。24時間反応後の触媒のTG測定結果よりCarbon生成速度を算出した。
以上のような実施例1,2および比較例1,2の測定結果を表1に示す。
Figure 0005156313
表1に示す実施例および比較例の測定結果によれば、炭素数が4および/または5の炭化水素を原料ガス中に含んでいない比較例2に対し、ブタジエン濃度が40%である炭素数が4および/または5の炭化水素を原料ガスに混合した比較例1のほうが、Carbon生成速度が早い。すなわち、高濃度のブタジエンを含有した炭素数が4および/または5の炭化水素を、ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種とともに反応器に供給した場合には、炭素数が4および/または5の炭化水素を反応器に供給しない場合と比較して触媒劣化に対する影響が大きいことが確認された。
また、比較例1および実施例1、2との対比から、ブタジエンの濃度が40%と高い比較例1に対し、ブタジエン濃度が5%と低い実施例2のほうがCarbon生成速度が遅く、ブタジエンが含まれていない実施例1のCarbon生成速度は比較例1のCarbon生成速度に比べて大幅に低下した。すなわち、炭素数が4および/または5の炭化水素を反応器に供給する場合であっても、ブタジエンを部分水添してジエン類の濃度を下げることによりCarbon生成速度を低くすることができ、触媒への負荷を大幅に低減できることが確認された。
更に、ブタジエン濃度が低い実施例1、2では問題なく反応試験が実施できたが、ブタジエン濃度が高い比較例1では予熱配管(約400℃)において、炭素質の析出によりΔPが上昇し、配管閉塞の問題が生じることが確認された。
このことから、ブタジエンなどのジエン類が含まれる炭素数4または5の炭化水素から、部分水添によりこうしたジエン類をオレフィンに転化しておくことにより、Carbon生成速度を低くして、配管への固形分の析出を効果的に防止できることが確認された。
また、反応器に充填された反応触媒の耐久性が高められることも確認された。
本発明のプロピレンの製造装置およびこれを用いた製造方法の一例を示す説明図である。
符号の説明
10 プロピレンの製造装置、11 オレフィン生成装置、12 水添反応器、13 反応器、14 分離器。

Claims (7)

  1. ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種と、炭素数が4および/または5の炭化水素を含むフィードガスとを反応器に送り、反応触媒の存在下で反応させることによりプロピレンを製造する方法であって、
    前記炭素数が4および/または5の炭化水素は、アルキン類またはジエン類のうち少なくとも1種を含み、
    前記炭素数が4および/または5の炭化水素水素水添反応器に供給し、前記アルキン類またはジエン類を二重結合が1つのオレフィンに転化させた後、前記ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種とともに前記反応器に供給し、
    前記反応器によって生成された水素を分離器によって分離し、
    前記分離器によって分離された水素を前記水添反応器に還流させることを特徴とするプロピレンの製造方法。
  2. 前記炭素数が4および/または5の炭化水素は、オレフィン生成装置により生成された生成物を分離して得られたものを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロピレンの製造方法。
  3. 前記オレフィン生成装置は、炭化水素を熱分解する装置、炭化水素を接触分解する装置、および含酸素炭化水素を脱水縮合反応させる装置から選ばれる1以上の装置であることを特徴とする請求項2に記載のプロピレンの製造方法。
  4. 前記反応触媒は、MFI構造ゼオライト触媒であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法。
  5. 前記反応触媒は、アルカリ土類金属を含むMFI構造ゼオライト触媒であって、該MFI構造ゼオライトのSi/Alモル比は10以上、300以下、アルカリ土類金属/Alモル比は0.75以上、15以下であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法。
  6. アルキン類またはジエン類のうち少なくとも1種を含む炭素数が4および/または5の炭化水素に水素を供給し、前記アルキン類またはジエン類を部分水添により二重結合が1つのオレフィンに転化させる水添反応器と、該水添反応器で得られた炭素数が4および/または5の炭化水素と、ジメチルエーテルまたはメタノールのうち少なくとも1種とを含むフィードガスを触媒の存在下で反応させる反応器と、該反応器で得られた反応生成物からプロピレンと水素とそれぞれ分離する分離器と、該分離器で分離された水素を前記水添反応器に還流させる還流管と、を備えたことを特徴とするプロピレンの製造装置。
  7. 前記水添反応器は、パラジウムを含む水添触媒を有することを特徴とする請求項に記載のプロピレンの製造装置。
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