JP5156130B2 - 家畜用飼料組成物及びこれを用いた家畜の飼養方法 - Google Patents

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Description

本発明は家畜用飼料組成物及びこれを用いた家畜の飼養方法に関する。詳しくは、暑熱、密飼、過激な取扱い、長期移動など諸々のストレスを受けた家畜、虚弱又は衰弱で生まれてきた家畜などに特に有効に給与される栄養改善効果のある家畜用飼料組成物であって、高栄養価で且つ吸収率が良く、生体調整機能の維持、免疫機能の増強、健康の維持を図りつつ、高水準の生産性を保つことができる家畜用飼料組成物、及びこれを用いた家畜の飼養方法に関する。本発明における「家畜」とは、人がその生産物(乳、肉、卵など)を利用するために馴致ないし飼育している産業動物、ペットや鑑賞用の愛玩動物であり、例えば牛、豚、緬羊、山羊、馬、家禽、犬、猫などが含まれる。
近年、家畜から得られる生産物は、これまで以上に輸入に依存するようになり、生産コスト意識が極めて高くなっている。その為に、狭い日本においては高い飼育密度(単位面積当たりの家畜の数)での短期間飼育などの飼養形態が一層加速し、家畜は劣悪な環境での育成や畜体への高栄養負荷などによって、大きなストレスを受けることなり、疾病の発生、成長の低下などの生産性低下が問題となっている。さらに言えば、ストレスを受けることによって消化管等の内臓が虚弱化し、栄養成分の吸収を低下させる一方、腸内細菌叢の撹乱や免疫力の低下によって、細菌や原虫などの病原体が感染しやすくなることが、種々の生産性低下の間接的原因となっている。
また、生産物を利用するための家畜のみならず、犬、猫などの鑑賞を目的とした家畜についても、室内飼育などの飼育環境の変化によるストレスを受けることにより、疾病の発生、成長の低下などが問題視されている。
ストレスを受けた家畜への対処法として、たとえば栄養補給を目的とした、高級脂肪酸トリグリセライドと中鎖脂肪酸トリグリセライドなどを含有する家畜用栄養補給剤(特許文献1)や、栄養補給と消化管機能改善を目的とした、動植物性油脂や食物繊維などを含有する幼畜用代用乳組成物(特許文献2)などが報告されている。
特開平06−153812号公報 特開平10−127232号公報
しかしながら、脂肪酸トリグリセライドの補給だけ、または食物繊維との併用だけでは、家畜の活力が向上するまでに時間を要するので、病原体が感染する時間的余裕ができてしまい、生産性低下の改善が困難となってしまう。その上、栄養的、飼養管理的及び飼育環境的ストレスによって生じる生体調整機能や免疫機能の低下を改善すると共に、腸管粘膜、とくに絨毛などを修復しなければ、十分な成長、飼料効率などの生産性の改善や下痢などの疾病発生の改善は望めないなどの問題点がある。
本発明の目的は、上記の一連の事柄に着目し、栄養価が高く、消化吸収性に優れると共に、生体調節機能、免疫機能および腸管粘膜、とくに絨毛の修復機能があり、虚弱又は衰弱した家畜、ストレスを受けた家畜に給与して、その家畜の体質の改善と回復を図ることによって、生産性を改善し、疾病の発生を未然に防ぐことのできる家畜用飼料組成物、及びこれを用いた家畜の飼養方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、中鎖脂肪酸とグリセリンとから構成されたトリエステル、特定のビタミン、場合によりさらに鶏卵抗体粉末を含有する家畜用飼料組成物を創出し、さらにこれを特定の方法で家畜に投与して飼養することで、家畜の活力向上と病原体の排除能に優れ、疾病の発生や生産性低下を防ぐことができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の家畜用飼料組成物は、(A)中鎖脂肪酸とグリセリンとから構成されたトリエステル、(B)トコフェロール、(C)トコトリエノール、(D)カロテンを少なくとも含有する家畜用飼料組成物であって、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、(A)成分が97〜99.99質量部、(B)成分が0.001〜2質量部、(C)成分が0.001〜0.5質量部、(D)成分が0.001〜0.5質量部である。
また、本発明の家畜用飼料組成物は、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、さらに(E)鶏卵抗体粉末を0.1〜10質量部含有していても良い。
さらに本発明の家畜の飼養方法は、長さ1〜10cmのノズル部を有する、内容積1〜50mlの容器に本発明の家畜用飼料組成物を充填し、前記ノズル部の先端を家畜の口腔内に挿入して、前記家畜用飼料組成物を前記家畜に経口投与するものである。
本発明の家畜の飼養方法において、内容積10〜250Lの容器に入れられた本発明の家畜用飼料組成物を小分けして、前記内容積1〜50mlの容器に充填しても良い。
本発明の家畜用飼料組成物は、栄養価が高く、消化吸収性に優れると共に、生体調節機能、免疫機能および腸管粘膜、とくに絨毛の修復機能があることから、本発明の家畜用飼料組成物を例えば本発明の家畜の飼養方法により、虚弱又は衰弱した家畜、ストレスを受けた家畜に給与すれば、その家畜の体質の改善と回復によって、生産性を改善し、疾病の発生を未然に防ぐことができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の家畜用飼料組成物は、(A)中鎖脂肪酸とグリセリンとから構成されたトリエステル、(B)トコフェロール、(C)トコトリエノール、(D)カロテンを少なくとも含有する。まず、(A)中鎖脂肪酸とグリセリンとから構成されたトリエステルについて説明する。
本発明で用いられる(A)成分としてのトリエステルを構成する中鎖脂肪酸は、炭素数6〜10の飽和脂肪酸であり、具体的には、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸である。本発明で用いられる(A)トリエステルは、これら中鎖脂肪酸から選ばれる1種または2以上、好ましくはカプロン酸、カプリル酸およびカプリン酸から選ばれる1種または2以上の中鎖脂肪酸とグリセリンとから構成される。(A)成分の含有量は、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、97〜99.99質量部、好ましくは97〜99.95質量部である。(A)成分の含有量が97質量部未満、すなわち(B)〜(D)の各成分の総量が3質量部を越える場合は、(B)〜(D)の各成分の添加量に見合った効果が得られない。また(B)〜(D)の各成分を含有せず、(A)トリエステルのみでは、後述の比較例3に示すように、疾病や生産性の低下を防ぐには不十分である。
本発明で用いられる(B)成分としてのトコフェロールは、α,β,γおよびδ−トコフェロールのいずれか1種、またはそれら2種以上の混合物であっても良い。(B)成分の含有量は、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、有効分として0.001〜2質量部、好ましくは0.005〜2質量部である。(B)成分の含有量が0.001質量部未満では抗ストレス活性を得られることができず、また2質量部を超えても添加量に見合った効果は得られない。
本発明で用いられる(C)成分としてのトコトリエノールは、α,β,γおよびδ−トコトリエノールのいずれか1種、またはそれら2種以上の混合物であっても良い。(C)成分の含有量は、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、有効分として0.001〜0.5質量部、好ましくは0.005〜0.5質量部、より好ましくは0.01〜0.5質量部である。(C)成分の含有量が0.001質量部未満では抗ストレス活性を得られることができず、また0.5質量部を超えても添加量に見合った効果は得られない。
本発明で用いられる(D)成分としてのカロテンは、α,βおよびγ−カロテンのいずれか1種、またはそれら2種以上の混合物であっても良い。(D)成分の含有量は、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、有効分として0.001〜0.5質量部、好ましくは0.005〜0.5質量部、より好ましくは0.01〜0.5質量部である。(D)成分の含有量が0.001質量部未満では抗ストレス活性を得られることができず、また0.5質量部を超えても添加量に見合った効果は得られない。
上記の(B),(C),(D)の各成分は、合成品または天然品のいずれでも用いることができ、天然品の場合は各々の成分を高濃度で含む植物体からの抽出物を用いることができる。また、(B),(C),(D)の各成分を配合するに際しては、各成分をそれぞれ配合しても良いが、(B),(C),(D)の各成分すべてを含む植物体からの抽出物を用いても良い。そのような抽出物としては、パーム油や米ぬか油などの植物体からの抽出物が挙げられ、特にパーム油由来のものが好ましい。
本発明の家畜用飼料組成物は、さらに(E)成分として鶏卵抗体粉末を含有していても良く、鶏卵抗体粉末を含有することにより、さらに高い効果を得ることができる。(E)成分としての鶏卵抗体粉末は、鶏に人工的に接種された各種の抗原を免疫することにより産生され、鶏卵の卵黄から得られる抗体を含有する粉末である。抗原としては、病原性大腸菌、毒素原性大腸菌、Salmonella TyphimuriumS.enteritidisS.dublinS.naestved、ウェルシュ菌、パラ結核菌、牛ロタウィルス、牛コロナウィルス、牛ウィルス性下痢・粘膜病ウィルス、牛アデノウィルス(1〜9型)、牛パルボウィルス、レオウィルス、牛エンテロウィルス、クラミジア、コクシジウム症に関与するEimeria bovisE.zuerniiE.acervulinaE.tenellaE.maxima、クリプトスポリジウム、牛鉤虫、Nematodirus helvetianus 、乳嘴桿菌、鞭虫、牛腸結節虫、カンピロバクター(Campylobacter )菌、ロタウィルス、クロストリジウム・パーフリンジェンスから選ばれるいずれか1種の抗原が接種される。(E)成分の鶏卵抗体粉末として、1種の抗体粉末、好ましくは2種類以上の抗体粉末を用いることができる。(E)成分の含有量は、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1〜10質量部である。(E)成分を0.1〜10質量部含有する場合には、抗病原体活性が効果的に得られるので好ましい。
本発明の家畜用飼料組成物は、家畜用飼料に、通常的に使用される添加剤、例えば各種ビタミン(但し、(B)〜(D)の各成分を除く)やミネラル、アミノ酸、オリゴ糖などの栄養素、グリセリン脂肪酸モノエステル等の乳化剤、香料、甘味料等を併用することができる。これら添加剤の含有量は、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、0.01〜5質量部程度である。
本発明の家畜用飼料組成物の形態としては、液状、ペースト状、粉状、粒状、ペレットなどいずれの形態でもよいが、液状またはペースト状のものは、中鎖脂肪酸トリグリセライドやビタミンの吸収性に優れること、家畜への投与が容易であることなどの理由から好ましい。なお、本発明の家畜用飼料組成物は、所望する形態に応じて、公知の方法にて調製することができる。
本発明の家畜用飼料組成物の給与量は、給与する家畜の種類、体重や状態などに応じて様々であるが、通常、家畜1頭(又は匹、羽などの他の助数詞)当たり1〜500ml(又はg)である。また、給与回数も給与する家畜の種類、体重や状態などに応じて様々であり、例えば所定量を単発的に又は継続的に(毎日もしくは所定時間の間隔を空けて)給与する方法、給与量を経時的(経日的)に増減させて給与する方法、所定期間内で給与すべき全量を任意の時期に分割して給与する方法などが挙げられる。さらに、本発明の家畜用飼料組成物は、単独で給与するだけでなく、他の飼料に混入させても良く、例えば代用乳に本発明の家畜用飼料組成物を添加して給与することが可能である。しかし、虚弱な家畜や病気に罹った家畜においては、自発的に飼料を摂取するのが困難なことが多く、このような家畜に対しては本発明の家畜用飼料組成物を直接、経口投与することが好ましい。
本発明の家畜の飼養方法は、本発明の家畜用飼料組成物を家畜に経口投与する手法の一例であって、ノズル部を有する容器に本発明の家畜用飼料組成物を充填し、前記ノズル部の先端を家畜の口腔内に挿入して、本発明の家畜用飼料組成物を前記家畜に経口投与するものである。本発明で用いる容器は、長さが1〜10cmのノズル部を有する容器であり、典型的にはチューブ容器であり、内容積は1〜50mlである。本発明で用いる容器は、充填する飼料組成物の物性(例えば、飼料組成物が液状やペースト状であれば、粘度)、経口投与する家畜の種類や体重などに適した形状や内容積を有するものであれば良い。例えば、(A)〜(D)の各成分のみからなり、25℃における粘度が約20mPa・sの液状飼料組成物を体重約30kgの子牛に給与する場合であれば、口径(直径)が2〜5mm、長さが3〜8cmのノズル部を有し、内容積が20〜40mlのチューブ容器が好適に用いられる。容器は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂などからなる単層または多層構造を有しており、例えば押出成型により製造することができる。なお、チューブ容器に代えて、筒(シリンジ)と可動式の押子(プランジャ)からなる注射筒に本発明の家畜用飼料組成物を充填して、家畜に経口投与することもできる。
本発明の家畜用飼料組成物は、容器に予め充填され、キャップなどで封入されていることが取扱い性や衛生面の観点から好ましいが、コストや在庫管理などの観点からは、家畜に給与する直前に、大容量(例えば10〜250L)の容器に入った家畜用飼料組成物を小分けして上記の容器に充填し、家畜に給与するのが好ましい。かかる大容量の容器としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂などからなる単層または多層構造を有する容器であり、典型的には、家畜用飼料組成物を小出しするためのコックが下方に付いた、内容積10〜250Lの容器が挙げられる。すなわち、本発明の家畜用飼料組成物は、長さ1〜10cmのノズル部を有する、内容積1〜50mlの小型容器に充填された状態で市場に提供されても良いし、内容積10〜250Lの大型容器に入った状態で市場に提供されても良い。
本発明の家畜の飼養方法における家畜用飼料組成物の給与(経口投与)量は、家畜の種類や体重(年齢)などにより異なる。例えば、上記の小型容器(内容積が20〜40ml)を用いて、液状ないしペースト状の家畜用飼料組成物を体重約30kgの子牛に経口投与する場合、1頭当たり、1日に1〜50ml、好ましくは2〜40mlを経口投与する。
本発明の家畜用飼料組成物は、牛、豚等の家畜に給与でき、特にストレスを受けた家畜、虚弱又は衰弱で生まれてきた家畜などに特に有効に給与できる。例えば、暑熱、寒冷、離乳、飼料切り替え、移動、過密等のストレスを受けた時期において、通常の飼料の摂取量を低下させることなく、体重の増加を維持し、病原体の感染を減らし、生産性を維持することができる。また、家畜が飼料を摂取できない状態、例えば虚弱な状態、誕生して間もない体力の付いていない時期、あるいは消化不良、下痢等を起こし体力が低下し衰弱している時期においても、本発明の家畜用飼料組成物の給与によって、その体力回復を計り、通常の飼料を摂取できるようにすることができる。
特に誕生して間もない体力の付いていない時期は、虚弱な状態の時期でもあり、また体力が低下し衰弱している時期と重なることが多いので、本発明の家畜用飼料組成物をこの時期に給与すれば、本発明による効果がより顕著なものとなり好ましい。ここで、誕生して間もない体力の付いていない時期とは、家畜の種類や性質により異なり、例えば哺乳類動物であれば哺乳期から離乳期の間であり、家禽であれば育雛期(特に幼雛期)である。具体的には、牛では生後から3カ月齢前後までの期間、豚では生後から2カ月齢前後までの期間、家禽ではふ化後から70日齢前後までの期間である。また、誕生して間もない体力の付いていない時期であり、かつ体力が低下し衰弱している時期としては、白痢症やコクシジウム症などの疾患を発症した期間が挙げられる。これらの疾患は下痢を伴い、衰弱が激しくなるので、消化器官を早急に回復させることが望ましい。
本発明の家畜用飼料組成物は、腸管粘膜、とくに絨毛の修復機能があるので、白痢症等の疾患に起因する下痢により損傷を受けた腸管粘膜、とくに絨毛を修復し、下痢等の症状を緩和させることが期待できる。また、本発明の家畜の飼養方法は、ストレスを受けた家畜、虚弱又は衰弱で生まれてきた家畜、体力が低下し衰弱しているために自発的に飼料を摂取するのが困難な家畜などに対して、本発明の家畜用飼料組成物を確実かつ容易に経口投与することができるので好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。以下、質量部を単に「部」と表記する。
(A)中鎖脂肪酸(カプリル酸とカプリン酸の質量比で7:3混合物)とグリセリンとから構成されたトリエステル、(B)〜(D)パーム油由来天然ビタミン混合物(トコフェロール、トコトリエノール、カロテンの混合物、カロチーノ社:「カロチーノトコトリエノール」)、(B)トコフェロール、(D)カロテン、3種の(E)鶏卵抗体粉末I,II,III(いずれもゲン・コーポレーション製:商品名「グローアップ」、Iは大腸菌、IIはサルモネラ菌、III はロタウィルスを抗原として得られる抗体)を用いて、表1および表2に示す飼料組成物を調製した。なお、共通成分として、イソマルトオリゴ糖0.05部、(B)〜(D)成分以外の脂溶性ビタミン合計0.015部(ビタミンAが0.01部、ビタミンD3が0.005部)を、(A),(B),(C),(D)の合計100部に対して配合した。
表1および表2に示す各飼料組成物を生後すぐの黒毛和牛子牛20頭に1頭あたり30ml/日、1ヶ月間毎日投与した。投与に際しては、各飼料組成物を複数の大型容器のそれぞれに入れ、各大型容器内の飼料組成物を小分けして、小型容器に充填した後、子牛に経口投与した。使用した大型容器は、内容積が10Lであり、下方にコックが付いたポリエチレン製の容器である。使用した小型容器は、先端の口径(直径)が5mmあり長さ5cmのノズル部を有する、内容量35mlのポリプロピレン製チューブ容器であり、ノズル部の先端を黒毛和牛子牛の口腔内に挿入して、各飼料組成物を子牛に経口投与した。経口投与した子牛20頭について、下痢の発生状態を観察し、1ヵ月後の増体を測定した。下痢を発生した子牛の割合(頭数)、および1頭当たりの増体量の平均値を表3に示す。
Figure 0005156130
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表3から、本発明の家畜用飼料組成物(実施例1〜5)を経口投与した場合の下痢の発生率は0〜20%であるのに対し、比較例1〜4を経口投与した場合は30〜50%の下痢の発生率を示し、本発明の家畜用飼料組成物を用いた場合、下痢症の発生率が低いことが認められた。また、本発明の家畜用飼料組成物を経口投与した場合の1日当たりの増体量は0.42〜0.51kg/日であるのに対し、比較例1〜4を投与した場合は0.25〜0.30kg/日となり、本発明の家畜用飼料組成物を投与することで、子牛の増体量が改善されることが認められた。本発明の家畜用飼料組成物の給与によって、このような効果が得られる理由は明らかではないが、本発明の家畜用飼料組成物は栄養価が高く、消化吸収性に優れると共に、生体調節機能、免疫機能および腸管粘膜、とくに絨毛の修復機能があることに大きく起因し、したがって、生後すぐの子牛の体質が改善、回復したためと考えられる。
以上、特定の態様を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲において様々な変更および修正が可能であることは当業者にとって明らかである。なお、本出願は2009年9月24日出願の日本国特許出願(特願2009−219812)に基づいており、その日本国特許出願全体が引用によって援用される。また、本書で引用されるすべての参照は全体として本書に取り込まれる。
本発明の家畜用飼料組成物は、牛、豚等の家畜全般に給与でき、特に虚弱又は衰弱した家畜、ストレスを受けた家畜に給与することによって、家畜の体質の改善と回復を図ることができ、生産性を改善し、疾病の発生を未然に防ぐことができる。

Claims (4)

  1. (A)中鎖脂肪酸とグリセリンとから構成されたトリエステル、(B)トコフェロール、(C)トコトリエノール、(D)カロテンを少なくとも含有する家畜用飼料組成物であって、(A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、(A)成分が97〜99.99質量部、(B)成分が0.001〜2質量部、(C)成分が0.001〜0.5質量部、(D)成分が0.001〜0.5質量部である家畜用飼料組成物。
  2. (A)〜(D)の各成分の総量100質量部に対して、さらに(E)鶏卵抗体粉末を0.1〜10質量部含有する請求項1に記載の家畜用飼料組成物。
  3. 長さ1〜10cmのノズル部を有する、内容積1〜50mlの容器に請求項1に記載の家畜用飼料組成物を充填し、前記ノズル部の先端を家畜の口腔内に挿入して、前記家畜用飼料組成物を前記家畜に経口投与する、家畜の飼養方法。
  4. 内容積10〜250Lの容器に入れられた前記家畜用飼料組成物を小分けして、前記内容積1〜50mlの容器に充填した後、前記家畜に経口投与する、請求項3に記載の飼養方法。
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