JP5155761B2 - 湧水圧および湧水量の測定装置、測定方法 - Google Patents
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このような油圧式削岩機を使用した岩盤探査によれば、油圧式削岩機から求められる測定データ等から容易に穿孔エネルギーを求めることができ、かつ、該穿孔エネルギーから地山の性状を予測できるようになっている。また、例えば、穿孔された孔から出る湧水の量を測定することにより、穿孔された地山に滞留している湧水量の推定を行うことができたり、湧水量の多い位置で穿孔エネルギーが高くなるような状態が見られれば、水を閉じ込めるような硬質の不透水層の存在を予測できたりする。
ところが、湧水量が多ければ多いほど大きな容器を用意しなければならないため、大きい容器を用意するにも限界があるという問題がある。一方、これとは反対に小さな容器を用いて湧水量を測定するとなると、水が溢れるまでの少ない時間で湧水量の計算をしなければならないため、大きい容器を用いて多くの湧水を受けた場合に比して測定誤差が多くなる場合があった。
ところで、このように、湧水圧を測定する場合は、正確な数値を出すために、湧水の流れを一旦止めなければならない。ところが、湧水は、岩盤の穿孔に用いた中空筒状の削孔ロッドの内部と、この削孔ロッドと孔壁との間の双方から出てくるため、これら双方の湧水を同時に止めてから湧水圧を測定しなければならず、容易かつ正確な測定が困難であった。
前記穿孔された孔に挿入されるとともに湧水圧を測定する湧水圧測定部と、この湧水圧測定部と連結されるとともに湧水量を測定する湧水量測定部とからなり、
前記湧水圧測定部は、先端部が、前記穿孔された孔に挿入されるとともに前記削孔ロッドの基端部に外挿される中空筒状の本体パイプと、
この本体パイプの先端部に設けられるとともに、この本体パイプの先端部と前記穿孔された孔の孔壁との間の隙間を塞ぐパッカーと、
前記本体パイプの基端部に設けられるとともに、この本体パイプの流路を開閉する開閉バルブと、
この開閉バルブの近傍に設けられるとともに、この開閉バルブによって前記本体パイプの流路が閉塞される際の流路内の水圧を測定する水圧計とを備えており、
前記湧水量測定部は、前記湧水圧測定部の本体パイプの基端部に接続されるとともに、折り曲げ自在な折曲管と、
この折曲管に接続されるとともに、この折曲管を折り曲げることによって鉛直に配置される鉛直パイプと、
この鉛直パイプに設けられるとともに、この鉛直パイプ内の流路を通過する湧水の量を測定する流量計とを備えていることを特徴とする。
前記湧水圧測定部の本体パイプの先端部を、この本体パイプを前記削孔ロッドの基端部に外挿するようにして前記穿孔された孔に挿入するとともに、この本体パイプの先端部に設けられたパッカーによって、この本体パイプの先端部と前記穿孔された孔の孔壁との間の隙間を塞ぎ、
次に、前記開閉バルブによって前記本体パイプの流路を閉塞してから、この本体パイプの流路内の水圧を前記水圧計で測定し、
湧水圧の測定後、前記開閉バルブによって前記本体パイプの流路を開放して湧水を前記湧水量測定部へと送水し、
この送水された湧水が前記鉛直パイプ内の流路を通過する量を、前記流量計によって測定することを特徴とする。
また、湧水圧の測定が終了してから開閉バルブを操作して、本体パイプの流路を開放することによって、湧水を、湧水量測定部へと送水することができる。この湧水量測定部では、送水された湧水が、折曲管を折り曲げることによって鉛直に配置された鉛直パイプ内の流路を、下方から上方へと水位が上昇するようにして通過することとなる。これによって、この鉛直パイプの流路内に空気が混入することを防ぐことができるので、空気が混入していない湧水の量を、鉛直パイプに設けられた流量計によって正確に測定することができる。また、このように湧水圧の測定が終わった湧水を湧水量測定部に送水し、鉛直パイプの流路を通過させるだけで湧水量の測定を正確に行うことができるので、湧水量を容易に測定することが可能となる。
また、この油圧式削岩機は、スリーブを介して前記削孔ロッド3に取り付けられるシャンクロッドに、ピストンを衝突させてビットに打撃力を与える打撃用の油圧シリンダ装置を備えた打撃用の油圧系と、穿孔時に岩盤から削岩機に加えられる穿孔反力を受けて吸収するための油圧シリンダ装置を備えたダンピング用の油圧系と、ビットを回転させるための回転用の油圧系とを備えている。
なお、本実施の形態においては、前記本体パイプ11の先端部に、輪状に形成されたパッカー12が複数設けられている。
また、これらパッカー12には、図1および図2に示すように、これらパッカー12の中空部に空気や水、油といった流体を送り込むための流体入れホース12aが接続されている。
そして、これらパッカー12は、この流体入れホース12aから中空部へと流体を送り込むことによって膨張し、この流体入れホース12aから流体を抜くことで収縮するように形成されている。これによって、これらパッカー12を膨張させて、仮に前記穿孔された孔2の孔壁2bに凹凸があったとしても、この凹凸の変化に膨張したパッカー12が追従して変形し、密接させることができるので、前記本体パイプ11を前記穿孔された孔2に対して固定することができるとともに、前記湧水A,Bの漏れを確実に防ぐことができる。
この水圧計14は、前記本体パイプ11の流路内に設けられる受感部(図示せず)を有して、この本体パイプ11の流路内の水圧を計測する圧力センサーであり、外部には測定値を視認できるようにダイヤルゲージ14aが設けられている。
また、この折曲管21は、前記流水圧測定部10の本体パイプ11の基端部に接続されるものであり、例えばネジ止めや、ワンタッチコネクターを用いて接続されている。
また、この鉛直パイプ22の鉛直状態を維持するには、上述のように前記折曲管21自体が折り曲げられた状態を保持できるものであるか、これとは別に、この鉛直パイプ22を鉛直に配置した状態で、これら鉛直パイプ22と折曲管21との間に架設されて、これら鉛直パイプ22と折曲管21とを固定する斜材やロープ等を用いるようにしてもよいものとする。
なお、この排水パイプ24は、上方に向かって開口する鉛直パイプ22に接続されるものであるため、例えば側方や下方に向かって排水できるように折り曲げ自在に形成されたものであることが好ましい。
なお、前記複数の削孔ロッド3は、穿孔を進めるにしたがって、これら削孔ロッド3の長さ方向に沿って継ぎ足していかなければならないため、直前まで穿孔を行っていた複数の削孔ロッド3のうちの最後列に位置する削孔ロッド3の基端部3aが、前記穿孔された孔2の孔口2aから突出している状態で、次の削孔ロッド3の先端部を、前記最後列に位置する削孔ロッド3の基端部3aに接続することとなる。また、このように削孔ロッド3,3同士を接続する時に、岩盤探査の各種データの集計や、湧水圧および湧水量の測定等を行うようにする。
そして、この本体パイプ11の先端部を前記穿孔された孔2に挿入した状態で、前記流体入れホース12aから流体を送り込んで前記パッカー12を膨張させ、前記本体パイプ11を前記穿孔された孔2に固定する。これによって、前記本体パイプ11の先端部の外周面と、前記穿孔された孔2の孔壁2bとの間の隙間を塞ぐことができるので、前記湧水Aだけでなく、前記削孔ロッド3と孔壁2bとの間から出てくる湧水Bも、前記本体パイプ11の流路へと導くことができる。
なお、このように湧水A,Bを送水する前段階までに、前記湧水量測定部20と前記湧水圧測定部10とを連結しておくことが好ましい。すなわち、これら湧水量測定部20と湧水圧測定部10とを、湧水圧の測定が終わった時点で連結してもよいし、岩盤探査を始める前や穿孔中に予め連結しておいてもよい。
また、前記鉛直パイプ22を鉛直に配置する作業も、前記湧水量測定部20と湧水圧測定部10とを連結する際に行うことが好ましいが、これに限られるものではなく、前記本体パイプ11の流路を開放して湧水A,Bを前記湧水量測定部20へと送水する際に前記鉛直パイプ22を鉛直に配置してもよい。
この時、湧水A,Bは、前記鉛直パイプ22の流路内を、下方から上方へと水位が上昇するようにして通過するので、この鉛直パイプ22の流路内への空気の混入を防ぎなら流量を測定できる。
以上のようにして、前記削孔ロッド3の内部と、この削孔ロッド3と孔壁2bとの間の双方から出る湧水A,Bの湧水圧および湧水量を測定することができる。
また、湧水圧の測定が終了してから前記開閉バルブ13を操作して、前記本体パイプ11の流路を開放することによって、湧水A,Bを、湧水量測定部20へと送水することができる。この湧水量測定部20では、送水された湧水A,Bが、前記折曲管21を折り曲げることによって鉛直に配置された鉛直パイプ22内の流路を、下方から上方へと水位が上昇するようにして通過することとなる。これによって、この鉛直パイプ22の流路内に空気が混入することを防ぐことができるので、前記鉛直パイプ22内の流路を通過し、かつ空気が混入していない湧水A,Bの量を、前記鉛直パイプ22に設けられた流量計23によって正確に測定することができる。また、このように湧水圧の測定が終わった湧水A,Bを湧水量測定部20に送水し、前記鉛直パイプ22の流路を通過させるだけで湧水量の測定を正確に行うことができるので、湧水量を容易に測定することが可能となる。
2 穿孔された孔
2a 孔口
2b 孔壁
3 削孔ロッド
3a 基端部
10 湧水圧測定部
11 本体パイプ
12 パッカー
13 開閉バルブ
14 水圧計
20 湧水量測定部
21 折曲管
22 鉛直パイプ
23 流量計
Claims (4)
- 油圧式削岩機によって岩盤探査を行う際に、基端部が、穿孔された孔の孔口から突出する中空筒状の削孔ロッドの内部と、この削孔ロッドと孔壁との間の双方から出る湧水の湧水圧および湧水量を測定する測定装置であって、
前記穿孔された孔に挿入されるとともに湧水圧を測定する湧水圧測定部と、この湧水圧測定部と連結されるとともに湧水量を測定する湧水量測定部とからなり、
前記湧水圧測定部は、先端部が、前記穿孔された孔に挿入されるとともに前記削孔ロッドの基端部に外挿される中空筒状の本体パイプと、
この本体パイプの先端部に設けられるとともに、この本体パイプの先端部と前記穿孔された孔の孔壁との間の隙間を塞ぐパッカーと、
前記本体パイプの基端部に設けられるとともに、この本体パイプの流路を開閉する開閉バルブと、
この開閉バルブの近傍に設けられるとともに、この開閉バルブによって前記本体パイプの流路が閉塞される際の流路内の水圧を測定する水圧計とを備えており、
前記湧水量測定部は、前記湧水圧測定部の本体パイプの基端部に接続されるとともに、折り曲げ自在な折曲管と、
この折曲管に接続されるとともに、この折曲管を折り曲げることによって鉛直に配置される鉛直パイプと、
この鉛直パイプに設けられるとともに、この鉛直パイプ内の流路を通過する湧水の量を測定する流量計とを備えていることを特徴とする湧水圧および湧水量の測定装置。 - 前記湧水圧測定部は、前記本体パイプの基端部に設けられるとともに、この本体パイプの流路内の空気を抜くための空気抜口を備えていることを特徴とする請求項1に記載の湧水圧および湧水量の測定装置。
- 前記パッカーは膨縮自在に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の湧水圧および湧水量の測定装置。
- 油圧式削岩機によって岩盤探査を行う際に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の湧水圧および湧水量の測定装置を用いて、前記削孔ロッドの内部と、この削孔ロッドと孔壁との間の双方から出る湧水の湧水圧および湧水量を測定する測定方法であって、
前記湧水圧測定部の本体パイプの先端部を、この本体パイプを前記削孔ロッドの基端部に外挿するようにして前記穿孔された孔に挿入するとともに、この本体パイプの先端部に設けられたパッカーによって、この本体パイプの先端部と前記穿孔された孔の孔壁との間の隙間を塞ぎ、
次に、前記開閉バルブによって前記本体パイプの流路を閉塞してから、この本体パイプの流路内の水圧を前記水圧計で測定し、
湧水圧の測定後、前記開閉バルブによって前記本体パイプの流路を開放して湧水を前記湧水量測定部へと送水し、
この送水された湧水が前記鉛直パイプ内の流路を通過する量を、前記流量計によって測定することを特徴とする湧水圧および湧水量の測定方法。
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