JP2001280053A - 地下水圧の測定方法 - Google Patents
地下水圧の測定方法Info
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Abstract
地下水圧を正確に測定することが可能となる地下水圧の
測定方法を提供する。 【解決手段】 坑道1から上方に掘削されたボーリング
孔2内に縦長の孔内装置3を挿入し、ボーリング孔2の
下端部を孔口固定装置70で封じると共に孔内装置3の
上端から下端まで連通した経路によってボーリング孔2
内の空気を抜きながら該ボーリング孔内に水を溜め、そ
の後、該孔内装置3に所定間隔をおいて設けられたパッ
カー10を膨張させ、該パッカー10によって区画され
た区画の水圧を該孔内装置3に設けられた圧力センサー
28で測定する。
Description
に係り、特に坑道から上方(鉛直上方又は斜め上方)に
穿設されたボーリング孔内の地下水圧の測定方法に関す
る。
内で地下水圧を測定するには、パッカーと呼ばれる流体
圧(空気や水)で膨張するゴムを孔内で膨らませ、これ
によって遮水された区間の地下水圧をこの区間に設置し
た圧力センサーで測定するという方法をとる。一般的に
ボーリング孔の直径は66mmあるいは76mmと非常
に小さいが、測定点数が少なければ、それぞれのパッカ
ー毎に流体圧を送るチューブを接続すること、また、そ
れぞれの圧力センサー毎にケーブルを接続することが可
能ではある。しかし、測定点数が増えればそれだけ狭い
ボーリング孔内のスペースはなくなり、そのような仕組
みは物理的に不可能となる。このため最近増えつづける
複数点で間隙水圧を長期連続測定するニーズに対応する
ため、複数のパッカーに流体圧を1本のチューブで送り
膨張させることや、また複数のセンサー信号をディジタ
ル伝送方式により一本の伝送路で送ることによりチュー
ブ、ケーブルの本数を最小数で済ますなどの工夫を行っ
ている。
下への建設にともない、地表からの地盤調査に加え、地
下のトンネルでの地盤調査も増えてきた。地表からの地
盤調査で掘削するボーリング孔の多くは鉛直下向きであ
るが、地下のトンネルでの地盤調査で掘削するボーリン
グ孔は鉛直下向きのものもあるものの多くは鉛直下向き
から角度を持たせた方向であり、場合によっては鉛直上
向きに掘削する場合もある。ボーリング孔の向きが水平
から下向きであれば自然に孔内には地下水が溜るが、水
平から上向きの場合ボーリング孔内から湧水する地下水
は自然に流れ出してしまい、ボーリング孔には地下水が
溜まらず空気が溜まってしまうことになる。したがって
このような条件で間隙水圧を測定する場合、パッカーが
膨張して閉じられた区間には空気が残留することにな
る。
の溜まらない条件で地下水圧を測定するためには以下の
条件が必要となる。 ボーリング孔内に水を溜める。 ボーリング孔内に溜まった水の上位に残留した空気を
水で置き換える。
地下水圧の測定方法を提供することを目的とする。
方法は、坑道から上方に掘削されたボーリング孔内に縦
長の孔内装置を挿入し、ボーリング孔の下端部を封じる
と共に孔内装置の上端から下端まで連通した経路によっ
てボーリング孔内の空気を抜きながら該ボーリング孔内
に水を溜め、その後、該孔内装置に所定間隔をおいて設
けられたパッカーを膨張させ、該パッカーによって分画
された区画の水圧を該孔内装置に設けられた圧力センサ
ーで測定することを特徴とするものである。
ーリング孔内の空気を抜くことにより、地下水圧を精度
良く測定することが可能となる。
水を送るためのパッカー送水経路が下端から上端にまで
延設されると共に、該パッカー送水経路の上端はボーリ
ング孔内に開放した孔内水導入管に連なっており、且つ
該孔内水導入管には、下方向への水の流れのみを許容す
る逆止弁が設けられており、該孔内水導入管及びパッカ
ー送水経路を介してボーリング孔内の空気を排出するこ
とが好ましい。
リング孔内に満水位まで水が溜ったことを検知すること
が好ましい。
孔内への注水部を設け、該注水部からボーリング孔内に
注水してボーリング孔内に水を溜めるようにしてもよ
い。
について説明する。図1〜3は実施の形態に係る地下水
圧の測定方法を示す全体図、図4(a),(b)はパッ
カーの構成図、図5はラバー部の断面図、図6はジョイ
ント部の断面図、図7はコネクタケースの断面図、図8
は圧力センサーケースの構成図、図9は最上位圧力セン
サーケースの断面図、図10は孔内装置の上端部の断面
図、図11は孔内装置の下端部の断面図である。
は、ボーリング孔内から湧水がない場合はもちろん、湧
水があったとしても、パッカーを設置することによりボ
ーリング孔内にはエアーが残留することとなる。ボーリ
ング孔内で測定するのは地下水圧であることから、エア
ーが残留することは測定上好ましくなく、パッカーを設
置した際にボーリング孔内にエアーが残留しないような
工夫が必要となる。鉛直上向き孔でのエアーの排除方法
についての詳細を以下に述べる。
して下記より構成される。
外径70mmの円筒形である。パッカー送水経路として
のパッカーチューブや信号伝送ケーブルは、この円筒内
を通過しており、唯一試験区間長が長くなる区間のみ、
接続ロッド(外径35mm)の外周上にテープで固定さ
れている。孔内装置内を通過したパッカー送水経路は、
最上位圧力センサー30’より保護接続管内に配置した
孔内水導入管として孔底まで達している。詳細は後述す
るが、パッカー送水経路が孔の天底(天井)に達するこ
とで、ボーリング孔内のエアーの排除を可能としてい
る。
ンクから構成される。圧力調整器によって制御された高
圧ガスを送水タンク内に導入し、送水タンクから加圧さ
れた水をパッカー送水経路へと送る。また、手押しポン
プは、10kgf/cm2以上の水圧供給に用いる。
配置している。なお、逆止弁94の前後にフィルタ9
3,95を配置している。96は開閉弁を示す。仮に、
逆止弁94からパッカー加圧装置側の水圧が減少して
も、逆止弁94によりパッカー送水経路は閉じられ、水
圧が維持される。
めの装置である。孔口固定装置の詳細を図11に示す。
孔口固定装置70は、岩盤に設置された4本のアンカー
ボルト71で固定されたゴムパッキン押さえプレート7
4、該ゴムパッキン押さえプレート74と岩盤との間に
はさまれたゴム72,73(硬質及び軟質)、及びゴム
パッキン押さえプレート74に固定されたチャックロッ
ク75により構成される。
キン押さえプレート74にはさまれたゴム72,73
は、ゴムパッキン押さえプレート74をナット76で締
め付けることにより、岩盤面に圧着する。ただし、岩盤
面が平らでない場合には、ゴム72,73と岩盤面にウ
エスや粘土をつめ、ゴムパッキン押さえプレート74を
締め付ける。
出入プレート77、チャックリング78、チャックボデ
ー79から構成される。チャックボデー79はゴムパッ
キン押さえプレート74にボルトナット80で固定され
ており、このチャックボデー79の中心にチャックリン
グ78を入れ、チャックリング押出入プレート77をチ
ャックボデー79にボルトナット81で固定する。チャ
ックリング78は、チャックリング押出入プレート77
をボルトナット81で締め付けることにより内径が狭ま
り、外径70mmの孔内装置を円周上に働く圧縮力で固
定する。
(a),(b)に示す通り、パッカー10はラバー部1
1、ラバー部上端につながるジョイント部12、同じく
下端につながるジョイント部13の3つのパーツにより
構成されている。
イント部12の拡大図、図7はジョイント部13の拡大
図である。
されたチューブ17は、図7のテーパ状の挿入ガイドケ
ース14の溝15を通過し、外径70mmのコネクタケ
ース16内に侵入する。チューブ17は送水管コネクタ
18に接続され、チューブ17内の水は、両端に2本の
Oリングのついた送水管差し込み継手19を経て、図5
に示すマンドレル20とラバーパイプ21、パッカーラ
バー22間に供給される。パッカーラバー22の膨張
は、ここに高圧の水を送ることにより行われる。
1、パッカーラバー23間の水は、送水管差し込み継手
24(図6)を経て、送水管コネクタ25に接続された
チューブ26により、上側の装置へ送水される。ジョイ
ント部12,13には、圧力センサーからの信号伝送用
ケーブルの中継用のコネクタ12a,13aが設けられ
ている。
に示す。なお、図8(b),(c),(d)は図8
(a)のB−B線、C−C線及びD−D線に沿う断面図
である。
1の溝32を通過し、外径70mmのコネクタケース3
3内に引き込まれる。チューブ26は送水管コネクタ3
4に接続され、圧力センサーケース30内に配置した送
水継手管35を介して、反対側の送水管コネクタ36に
接続されたチューブ37へ送水される。
a,30bによって上室30A,中室30B、下室30
Cが形成されている。
通じており、この透口30cを介して上室30Aに流入
した水の静水圧が圧力センサー28によって検出され
る。センサー28の信号は、回路板28Cと隔壁30b
のコネクタ28Bを介して信号伝送用ケーブルによって
下段側へ伝達される。
号伝送ケーブルは上室30A内に引き込まれ、隔壁30
aのコネクタ28Aの上端に接続されている。該コネク
タ28Aの下端は、中室30B内を引き回されたリード
線によって回路板28Cに接続されている。
〜(c)に示す。なお、図9(b),(c),(d)は
図9(a)のB−B線、C−C線及びD−D線に沿う断
面図である。
ッカーチューブ39内の送水圧を測定する圧力センサー
38が配置されていることである。
通過し、コネクタケース42に引き込まれる。チューブ
39は、送水管コネクタ43に接続され、センサーケー
ス44内に配置した送水管45により上方の接続子46
内へ導入される。送水経路は、上方に向う流路と、それ
に直交する方向で圧力センサー38に連なる2方向に分
岐される。上方へ連なる経路を閉塞すれば、チューブ内
の送水圧を圧力センサー38で計測が可能である。
1として用いるステンレス管は、先端圧力センサーケー
ス60下端のチューブ継手62に接続される。この孔内
水導入管61は、保護管64内をとおり、ボーリング孔
2の天部まで延びている。図に示すように、この管には
逆止弁65とフィルター66が配置されている。逆止弁
65は、クラッキング圧0.02kgf/cm2で管端
から流入した流体が孔口方向(下方向)へ流れることは
許すが、パッカー送水経路に送られた水が逆止弁65か
ら管端を通り孔外へ流出する方向(上方向)への流れは
許さない構造になっている。
ーリング孔内のエアー抜き方法について次に説明する。
ー抜きの工程を図2,3に示す。
パッカー送水経路は、圧力制御弁97が組み込まれた経
路99と、バルブ92が組み込まれた経路91の2つが
ある。これらの経路は、孔口で1つの経路となり、パッ
カー10から圧力センサーケース30を通過し、最上位
センサーケース30’を通り、ボーリング孔2の上端ま
で達している。
70による口元のシールが充分でないため、ボーリング
孔2内に自然湧水があれば、孔口より漏水する。このと
き、ボーリング孔2内及びパッカー送水経路はエアーで
満たされている。また、パッカー送水経路のバルブ92
が開いているため、パッカー送水経路は大気圧開放され
ていて、孔内水導入管61に位置する逆止弁65はその
クラッキング圧により閉鎖している。
水を止めると、孔内に水が溜まり始める。ボーリング孔
2内で水の体積が増えると、残りのエアーの圧力が上昇
し、この圧力が逆止弁65のクラッキング圧を上回ると
逆止弁65が開く。孔内水導入管61には、ボーリング
孔2内のエアーが導入され、パッカー送水経路に空気が
侵入し、開いているバルブ92を通って経路外へ排気さ
れる。
ーケース30,30’が水没する。各ケース30,3
0’の圧力センサー28の出力値は、センサー28の位
置とボーリング孔2内の水面位置との位置水頭差を示
す。また、各圧力センサー28が水没すればそれらの出
力差は、各圧力センサー28の位置水頭差を示す。孔2
内の水面の上昇とともに、孔2内のエアー体積は減少
し、やがて孔内水導入管61よりパッカー送水経路に侵
入し、開いているバルブ92を通って排気される。
61の上端に達し、孔内水導入管61の上端より孔内水
が侵入する。孔内水導入管61に侵入した孔内水は、パ
ッカー送水経路内のエアーを排除しながら、孔口へ向か
い始める。
2より孔内水の排水が認められ始める。エアーの混入が
認められなくなったら、バルブ92を閉じ、バルブ96
を開け、パッカー加圧装置100から高圧で送水する。
弁65位置でのパッカー送水経路内の圧力が同じ位置で
の孔内水導入管61の圧力を上回ると、孔内逆止弁65
が閉じる。さらに送水をつづけると、パッカー送水経路
に水圧がかかるとともに、パッカーが膨張を開始する。
これによってボーリング孔内のエアーの排除、及びパッ
カーの設置(孔2の内面への密着)が完了する。
水圧を測定する。
上方向に穿孔したボーリング孔内の地下水圧を正確に測
定することが可能となる。
体図である。
体図である。
体図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 坑道から上方に掘削されたボーリング孔
内に縦長の孔内装置を挿入し、ボーリング孔の下端部を
封じると共に孔内装置の上端から下端まで連通した経路
によってボーリング孔内の空気を抜きながら該ボーリン
グ孔内に水を溜め、 その後、該孔内装置に所定間隔をおいて設けられたパッ
カーを膨張させ、 該パッカーによって分画された区画の水圧を該孔内装置
に設けられた圧力センサーで測定することを特徴とする
地下水圧の測定方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記孔内装置には前
記パッカーに水を送るためのパッカー送水経路が下端か
ら上端にまで延設されると共に、該パッカー送水経路の
上端はボーリング孔内に開放した孔内水導入管に連なっ
ており、 且つ該孔内水導入管には、下方向への水の流れのみを許
容する逆止弁が設けられており、該孔内水導入管及びパ
ッカー送水経路を介してボーリング孔内の空気を排出す
ることを特徴とする地下水圧の測定方法。 - 【請求項3】 請求項2において、該孔内水導入管の先
端から逆止弁を介して流入した孔内水がパッカー送水経
路から流出することを検知すると共に、孔内水面までの
水圧を検知してボーリング孔内に満水位まで水が溜った
ことを検知することを特徴とする地下水圧の測定方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000098549A JP4370669B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 地下水圧の測定方法 |
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