昨今の技術革新に伴い、デスクトップ型、タワー型、ノートブック型など各種パーソナル・コンピュータ(PC)が開発され市販されている。最近では、ノートブックPCよりさらに小型(例えばパームトップ・タイプ)のPC、いわゆる”PDA(Personal Digital Assistant)”も普及してきた。PDAは、一般には、ノートブックPCよりもさらに小型・軽量にデザインされており、したがって、モビリティがさらに強化されていると言えよう。
PDAの主な例として、米アップル社とシャープが共同開発した携帯型情報機器”Newton MessagePad”が挙げられよう。また、PDAの他の例としては、日本アイ・ビー・エム(株)が市販するPDA”IBM ChipCard VW−200”(以下、単に「VW−200」とする)が挙げられよう(図6参照)。
VW−200は、PCカード・タイプのPDAであり、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)/JEIDA(JapanElectronic Industry Development Association)のType−II(5.0mm×85.6mm×54.0mm)のフォーム・ファクタに合致する第1のハウジング部分と、この第1のハウジング部分の端縁に回動可能に支持された第2のハウジング部分とで構成される「折畳み式構造体」である。第1のハウジング部分は、例えばノートブックPC本体に設けられたPCカード・スロットに挿入可能であり、その他端面にはPC本体との機械的及び電気的接続を実現するためのPCMCIAコネクタが配設されている。また、第2のハウジング部分を第1のハウジング部分に折り畳んだ状態では、Type−IIIカード(10.5mm×85.6mm×
54.0mm)としてPCカード・スロットに挿入することも可能である。これら各ハウジング内の基板上には、PCMCIAインターフェース回路やメモリ(SRAMやEEPROM、漢字フォントROMなど)の他、PDAの動作を統括するための内部CPU(東芝製16ビットCPU”TLCS−9001”)が実装されている。第1のハウジング部分をPCカード・スロットに挿入した状態では、内部CPUはスリープ・モードに陥り、この結果、VW−200は通常のメモリ・カードとして機能する。また、PCカード・スロットから抜き取ると、内部CPUは動作を再開し、この結果、VW−200はPDAとして機能することができる。図6に示すように、第1のハウジング部分の上面には、PDAの入力装置としてのキーボードが配されている。また、第2のハウジング部分の表面には、液晶表示ディスプレイ(200×320ドット(全角12文字×20行表示)、STNモノクロ)が配設されている。
PDAの主な用途は、カレンダ、スケジュール、住所録、備忘録などの個人的な情報、すなわちPIM(Personal Information Manager)データの管理・閲覧である。また、PDAの他の用途は、モバイル環境下でのWebページの閲覧である。PDAの利点は、言うまでもなく卓越したモビリティにある。PDAのユーザは、モバイル環境でも容易に自身のPIM情報を参照・更新し、Webページを閲覧することができる。
PDAが扱うこれらのデータは、ユーザがPDA上で直接編集し、あるいはPDAが自らネットワークに接続して、WebサーバからHTMLファイルを直接取得する、という実施形態も可能である。しかしながら、PDAはノートブックPCよりもさらに小型であり、サイズに比例して、出力装置としてのディスプレイや入力装置としてのキーボード/タブレットも小サイズとならざるを得ない。言い換えれば、入力・編集のための作業環境は充実しているとは言い難い。また、充実したPIMソフトは、その分プログラム・サイズが大容量であり、PDA上で実行するには、CPUの演算能力やメモリ容量などの点で制約がある。また、Webデータの取得に関しても、複雑なTCP/IPプロトコルをPDA上でサポートすることは、技術上所定の困難を伴い、必然的にコスト・アップを招来することとなる。そもそもモバイル環境下では、インターネットへの接続が常に約束されているとは限らない。また、Webサーバへのアクセス及びデータ転送には少なくとも数分の時間を要するが、このような漫然と待機するだけの駆動時間は、比較的小型・小容量でしかないPDAの内蔵バッテリには無視し難いであろう。
このため、PDA用のPIMデータは、例えばホストPCとして働くデスクトップ又はノートブックPC上でPIMソフトを用いて予め編集しておき、ホストPCの外部記憶装置に保存しておいたPIMデータのうち必要部分のみを切り出して、PDA側にダウンロードする、ということが既に行われている。また、インターネットに接続されたホストPC側で所望のWebページからHTML(HyperText Markup Language)ファイルを予めダウンロードしておき、ホストPCはPDA側からの要求に応じて、保存しておいたHTMLファイル(例えばHTMLファイルのうちテキスト部分のみ)をPDA側にさらにダウンロードする、ということも既に行われている。
上述したVW−200の場合、PCMCIA/JEIDAが定めるType−IIに準拠した第1のハウジング部分を持っており、ホストPC側に用意されたカード・スロットに挿入することによってホストPCとのデータ交換を実現するようにデザインされている。すなわち、ホストPC側は、VW−200をカード・スロットに挿入している間に、予め取得しておいたデータ(例えばPIMデータやHTMLファイル)をPDA側にダウンロードしておけばよい訳である。その後、カード・スロットから抜き取ったときには、PDAは内蔵CPUと内蔵電源により自走機能を発揮するので、ダウンロード・データを閲覧に供することができる。PCカード・スロットに挿入中にPCカード・タイプPDAにPIMデータを転送する点については、例えば本出願人に既に譲渡されている特願平8−12790号(当社整理番号:JA996004)の明細書に開示されている。また、PCカード・スロットに挿入中にPCカード・タイプPDAにWebデータを転送する点については、例えば羽鳥外著「ChipScape for VW−200」(ソフトバンク)に開示されている。
VW−200のようなPCカード・タイプのPDAを用いた場合、ホストPCは、PDA装着用のカード・スロットを用意する(現在、殆ど全てのノートブックPCはカード・スロットを標準装備している!)とともに、PDAへのデータ転送用プログラムをインストールするだけで適用可能である。すなわち、[0008]で記述した2例を実現する上で、ホストPCに課されるハードウェア/ソフトウェア上の負担は最小限で済むであろう。しかしながら、ダウンロード先であるPDAはPCMCIA/JEIDAが定めたフォーム・ファクタに従うPCカード・タイプである必要があり、適用範囲が相当限定されてしまう。
他方、PCを始めとする各種電子計算機システムは、有線によるデータ通信を行うためのシリアル通信ポートなどを標準装備しているので、有線によるデータ・ダウンロードは技術的には不可能ではない。しかしながら、ホストPCからPDAへのダウンロードを有線すなわちケーブル接続によって実現するのでは、利便性が低い。何故ならば、ダウンロード可能な場所が接続ケーブルによって束縛され、さらに、ケーブル接続のための手間を要するからである。また、例えばデータの送信元(ダウンロード・データの格納場所)であるホストPCを複数のPDAで共有するような場合、ケーブルの着脱が各共有者によって比較的頻繁に行われるため、接続コネクタ部分を機械的に痛め易い(特に、ケーブルの着脱に不慣れな共有者がいるときにはコネクタの損傷は顕著であろう)。また、受信者であるPDAは、ホストPC側で用意されたケーブル・コネクタの規格に合致していなければならない。そもそも、ケーブルをPDAとともに携行しなければならず、モービリティを損なうことにもなる。
ところで、最近では、機器間のデータ通信のために赤外線通信を用いることが多くなってきた。赤外線通信は、そもそもテレビジョンや空調などの家電製品のための遠隔制御(リモコン)用に普及してきたが、現在では、コンピュータ間のデータ交換にも多く採り入れられている。送信側は、デジタル信号を変調し、発光ダイオードを制御して、赤外線パルスを放出することで空中にデータを発信し、受信側はこれをフォト・ダイオードで受信し、増幅してデジタル信号に復調する。この基本原理は、リモコンもコンピュータ通信の場合も同様である。
赤外線通信法式の標準化(すなわち各メーカの機器間での相互運用の強化)のために、1993年にIrDA(Infra-red Data Association)が設立された。IrDAの勧告規格では、SDLC(SynchronousDataLink Control)型式の通信プロトコルで低価格の赤外線通信を達成するために、汎用非同期送受信器(UART:UniversalAsynchronous Receiver-Transmitter)を使用するようになっている。IrDAで定めている規格を端的に言えば、低出力、指向型(中心角15゜)、短距離(1mまで)、1対1又は1対N通信である。赤外線通信は、基本的に小型・軽量且つ安価であり、この意味で、グラム単位での重量削減や1円単位での低コスト化が図られている携帯型情報処理装置に受け入れられやすい特徴を有していると言えよう。例えば、日本アイ・ビー・エム(株)が市販するノートブックPC”ThinkPad”(”ThinkPad”は米IBM社の商標)シリーズでは、赤外線通信機能は標準装備されている。
IrDAが定めたデータ・リンクに関するプロトコル”IrLAP”では、赤外線データ通信は、「局発見(discovery)」、「コネクション」、「情報交換」、「コネクション切断」という一連のフェーズで構成される。「局発見」フェーズでは、送信側の局(親局:例えばホストPC)は、XID(eXchangeID)コマンドという赤外線フレームを送信し、受信局(子局:例えばPDA)はこれに対しXIDレスポンスという赤外線フレームを送信して応答するようになっている(ここで言うXIDコマンド/レスポンス・ルーチンは、”SerialInfrared Link Access Protocol (IrLAP) Ver 1.0”の6.8章で記述された”Discovery Procedure”全体を指すものとする)。コネクション設定のためには、送信局はSNRM(SetNormal Response Mode)フレームを送出し、受信局は、SNRMフレームの内容を受け入れ可能なときはUA(UnnumberedAcknowledgement)フレームを、そうでないときはDM(Disconnected Mode)フレームを返すようになっている。送信局がUAフレームを受理してコネクションが設定されると、情報交換が可能となり、送信局はIフレームと呼ばれるフレーム形式でデータ転送を行う。データ転送が完了すると、送信局は、DISC(Disconenction)フレームを送信することによってコネクションの切断を要求し、受信局からUAフレームを受け取ることによって、切断手続を完了させる。コネクションが切断された後、一般には、送受信各局は通信状態を初期化するようになっている。
ここで、話をホストPCとPDAとの間のデータ転送、すなわちPDAへのデータ・ダウンロードに再び戻す。この種のデータ転送に赤外線通信を利用するという試みも既に取り組まれている。例えば特開平8−79330号公報には、2つの情報処理装置間のデータ転送を赤外線通信によって行う点について記述されている。同公報の開示内容を、より詳細に言及すれば、赤外線通信機能を有するPDAは、ネットワークと接続する接続装置との赤外線による接続を成立させることにより、自らネットワーク上のサーバ・マシンからファイルを取得するようになっている。しかしながら、この場合の前提として、PDAは、自らモデムのプロトコル(例えばMNP(Microcom Metworking Protocol)など)を実装しなければならない。かかるプロトコルの装備は機器のハードウェア及びソフトウェア上の要求仕様が複雑化することを意味するものであり、機器コストのアップに繋がる。また、PDAはネットワーク上にサーバに自らアクセスすることから、アクセス成立及びデータ転送の全期間中、PDAは駆動状態を保つ必要があるため、バッテリの消耗も激しくなってしまう。
なお、例えばシャープ社の”カラーザウルス”、あるいは米マイクロソフト社が開発したPDA用のOS”Windows(R)CE”においては、PDAがWebデータを取得する技術が既に実現されている。すなわち、PDAは、上位の外部コンピュータ・システムの介在なく、直接Webデータを取得するようになっている。しかしながら、これらは、電波や有線を用いてPDAが自らネットワーク(例えばインターネット)に接続してデータを取得するものであり、アクセス時間やTCP/IPプロトコル制御など、PDAに課せられる負担は非常に大きい。
本発明の目的は、PDA(Personal Digital Assistant)のような外部機器との赤外線通信機能を持つ、優れた情報処理装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、アプリケーションの実行により得られた処理結果、あるいはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに従いWebサーバから取得したHTMLファイルなどの転送データを、赤外線通信機能を用いて外部機器(PDA)にスムースに転送することができる、優れた情報処理装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、アプリケーションの実行により得られた処理結果、あるいはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに従いWebサーバから取得したHTMLファイルなどの転送データを、外部機器(PDA)に負担をかけることなく転送することができる、優れた情報処理装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、赤外線通信機能を持つ情報処理装置において、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力手段と、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するための手段と、を具備することを特徴とする赤外線通信機能を持つ情報処理装置である。
また、本発明の第2の側面は、赤外線通信機能を持つ情報処理装置において、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力手段と、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するための手段と、ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行する手段と、ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態で待機するための手段と、を具備することを特徴とする赤外線通信機能を持つ情報処理装置である。
ここで、第1又は第2の側面に係る情報処理装置は、ユーザからの指示により局発見状態を解除する手段を含んでいてもよい。
また、本発明の第3の側面は、赤外線通信機能を持つ情報処理装置において、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ネットワークに接続するための接続装置と、前記赤外線送受信部の動作とは無関係に、ネットワーク経由で所定のサーバからファイルを取得するためのファイル取得装置と、取得したファイルをダウンロード・データとして格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力手段と、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するための手段と、を具備することを特徴とする赤外線通信機能を持つ情報処理装置である。
また、本発明の第4の側面は、赤外線通信機能を持つ情報処理装置において、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ネットワークに接続するための接続装置と、前記赤外線送受信部の動作とは無関係に、ネットワーク経由で所定のサーバからファイルを取得するためのファイル取得装置と、取得したファイルをダウンロード・データとして格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力手段と、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するための手段と、ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行する手段と、ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態で待機するための手段と、を具備することを特徴とする赤外線通信機能を持つ情報処理装置である。
ここで、第3又は第4の側面に係る情報処理装置は、ユーザからの指示により局発見状態を解除する手段を含んでいてもよい。
また、本発明の第5の側面は、自ら局発見のためのXIDコマンドを送信するとともに受信側からXIDレスポンスを受け取ることによって局発見してコネクションを成立させるとともに、自らDISCフレームを送信するとともに受信側からUAフレームを受け取ることによってコネクションを切断するタイプの赤外線通信機能を持つ情報処理装置において、DISCフレームを送信することによってコネクションの切断を試みる手段と、コネクションの切断とともにXIDコマンドを送信する局発見状態に戻る手段とを含むことを特徴とする赤外線通信機能を持つ情報処理装置である。
また、本発明の第6の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置とを含む情報処理装置の制御方法において、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するステップと、ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するステップと、ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するステップと、を具備することを特徴とする情報処理装置の制御方法である。
また、本発明の第7の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置とを含む情報処理装置の制御方法において、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するステップと、ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するステップと、ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するステップと、ユーザからの指示により、局発見状態を解除するステップと、を具備することを特徴とする情報処理装置の制御方法である。
また、本発明の第8の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置と、ネットワークに接続するための接続装置とを含む情報処理装置の制御方法において、(a)ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するステップと、(b)ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するステップと、(c)ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するステップと、(d)前記(a)乃至(c)のいずれのステップ実行中であるかに拘らず、ネットワーク経由で所定のサーバからファイルを取得するステップと、(e)取得したファイルをダウンロード・データとして格納するステップと、を具備することを特徴とする情報処理装置の制御方法である。
また、本発明の第9の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置と、ネットワークに接続するための接続装置とを含む情報処理装置の制御方法において、(a)ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するステップと、(b)ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するステップと、(c)ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するステップと、(d)前記(a)乃至(c)のいずれのステップ実行中であるかに拘らず、ネットワーク経由で所定のサーバからファイルを取得するステップと、(e)取得したファイルをダウンロード・データとして格納するステップと、(f)ユーザからの指示により、局発見状態を解除するステップと、を具備することを特徴とする情報処理装置の制御方法である。
また、本発明の第10の側面は、自ら局発見のためのXIDコマンドを送信するとともに受信側からXIDレスポンスを受け取ることによって局発見してコネクションを成立させるとともに、自らDISCフレームを送信するとともに受信側からUAフレームを受け取ることによってコネクションを切断するタイプの赤外線通信機能を持つ情報処理装置の制御方法において、DISCフレームを送信することによってコネクションの切断を試みるステップと、コネクションの切断とともにXIDコマンドを送信する局発見状態に戻るステップとを含むことを特徴とする赤外線通信機能を持つ情報処理装置の制御方法である。
また、本発明の第11の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置とを含むコンピュータ・システム上で稼働するコンピュータ・プログラムを有形的に格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するステツプと、ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するルーチンと、ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するルーチンと、を具備することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体である。
また、本発明の第12の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置とを含むコンピュータ・システム上で稼働するコンピュータ・プログラムを有形的に格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するルーチンと、ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するルーチンと、ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するルーチンと、ユーザからの指示により、局発見状態を解除するルーチンと、を具備することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体である。
また、本発明の第13の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置と、ネットワークに接続するための接続装置とを含むコンピュータ・システム上で稼働するコンピュータ・プログラムを有形的に格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、(a)ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するルーチンと、(b)ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するルーチンと、(c)ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するルーチンと、(d)前記(a)乃至(c)のいずれのルーチン実行中であるかに拘らず、ネットワーク経由で所定のサーバからファイルを取得するルーチンと、(e)取得したファイルをダウンロード・データとして格納するルーチンと、を具備することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体である。
また、本発明の第14の側面は、赤外線コードを送受可能な赤外線送受信部と、ダウンロード・データを格納する記憶装置と、ユーザが指示を入力するための入力装置と、ネットワークに接続するための接続装置とを含むコンピュータ・システム上で稼働するコンピュータ・プログラムを有形的に格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、(a)ユーザからのデータ・ダウンロード指示に従い、ダウンロード先を探索するための赤外線コードを送信する局発見状態で待機するルーチンと、(b)ダウンロード先から局発見の応答を示す赤外線コードを受信したことに応答して、ダウンロード・データを転送するための赤外線通信を実行するルーチンと、(c)ダウンロード先との赤外線通信の終了に応答して、局発見状態に復帰するルーチンと、(d)前記(a)乃至(c)のいずれのルーチン実行中であるかに拘らず、ネットワーク経由で所定のサーバからファイルを取得するルーチンと、(e)取得したファイルをダウンロード・データとして格納するルーチンと、(f)ユーザからの指示により、局発見状態を解除するルーチンと、を具備することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体である。
また、本発明の第15の側面は、自ら局発見のためのXIDコマンドを送信するとともに受信側からXIDレスポンスを受け取ることによって局発見してコネクションを成立させるとともに、自らDISCフレームを送信するとともに受信側からUAフレームを受け取ることによってコネクションを切断するタイプの赤外線通信機能を持つコンピュータ・システム上で稼働するコンピュータ・プログラムを有形的に格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、DISCフレームを送信することによってコネクションの切断を試みるルーチンと、コネクションの切断とともにXIDコマンドを送信する局発見状態に戻るルーチンとを含むことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体である。
本発明を考察する上で、(1)赤外線通信は局発見を行う(すなわちXIDコマンドを送付する)機器(親局)と、局発見に応ずる(すなわちXIDレスポンスを返す)機器(子局)という、言わば親子関係がある点、及び、(2)データを予め取得する情報処理装置(例えばPC)が親(主)として機能し、データのダウンロード先である外部機器(例えばPDA)が子(従)として機能している点を、充分理解されたい。
本発明の第1乃至第5の側面に係る情報処理装置、若しくは本発明の第6乃至第10の側面に係る制御方法を実現した情報処理装置は、下位の外部機器(例えばPDA)に対するデータ・ダウンロードは赤外線通信によって行う。そして、赤外線通信によるデータ転送が終了した後は、再び局発見状態に自動復帰するようになっている。このため、外部機器へのデータ・ダウンロードが一旦終了した後であっても、赤外線通信モードとなった外部機器を情報処理装置が局発見を行う領域(すなわち赤外線送信部の視野角内)にかざすだけで、両者間の接続が成立し、外部機器へのデータ・ダウンロード操作がスムースに展開されることになる。
また、本発明の第3及び第4の側面に係る情報処理装置、若しくは本発明の第8及び第9の側面に係る制御方法を実現した情報処理装置は、定期的に、インターネット等のネットワーク上の所定のサーバ・マシン(例えばWebサーバ)にアクセスして、所望のファイル(例えばHTMLファイル)を取得するようになっている。このファイル取得操作は、赤外線送受信部の動作(すなわち外部機器としてのPDAとの赤外線接続フェーズ)とは無関係に敢行される。言い換えれば、情報処理装置は、最新のダウンロード・データを、PDAのために常にキャッシングしておくように努めている訳である。この結果、外部機器としてのPDAは、赤外線通信モードにセットして、情報処理装置が局発見を行う領域(すなわち赤外線送信部の視野角内)にかざすだけで、両者間の接続が成立し、PDAは最新のデータを受け取ることができる。
例えばインターネット上のWebサーバにアクセスして1以上のWebページを転送し、且つ取得したWebページ(HTMLファイル)を自身のメモリ内に保持するには少なくとも数分の時間を要する。たとえネットワーク側の回線速度がいかに向上したとしても、プロトコルの制御、Webサーバのディスク・アクセス、ゲートウェイでのアクセス時間などを考量すると、今後ともWebページ取得の所要時間が1秒を切ることは当分望めないであろう。したがって、自らネットワークに接続して直接Webページを取得するタイプのPDAであれば、データ取得の間に、自身の内蔵バッテリの消耗は免れ得ないであろう。また、そもそも、TCP/IPプロトコルの制御といった作業を行うためには機器にはそれなりのインテリジェンス(すなわちハードウェア/ソフトウェア上の仕様)を備える必要がある。PDA自身がプロトコル制御などの作業をサポートするためには、小型・軽量・即時性を維持することが困難となり、機器のコストアップを招来することとなるであろう。
しかしながら、本発明の第3、第4、第8、及び第9の側面によれば、情報処理装置側がPDAのためにWebページの取得を肩代わりするとともに、常に最新のWebページを取得するよう努めている。すなわち、情報処理装置がPDAのためにダウンロード・データを常時キャッシュしている訳である。この情報処理装置には、例えばPDAよりも大型で電源容量も豊富なパーソナル・コンピュータが使用される。このため、Webページを受け取る外部機器としてのPDAは、自らWebサーバへのアクセスなどのプロトコル制御をサポートする必要はなく、小型・軽量性・即時性を維持することができるであろう。また、PDAはWebページを最終的に取得できるものの、自らWebサーバにアクセスする訳ではないので、データ取得に要する時間は短くて済み、比較的小容量なPDAの内蔵バッテリを消耗する必要性もない。
例えばデスクトップやノートブック型などの汎用パーソナル・コンピュータ(PC)は、本発明に係る情報処理装置として機能することができる。これらPCは、一般に、小サイズのPDAよりもインテリジェンス(例えばネットワーク・プロトコルやPIMアプリケーションなど)を備えることができる。本発明では、インテリジェンスのあるPC側をネットワーク接続し、さらに赤外線通信の主局(Primary Station)とすることにより、赤外線通信の従局(Secondary Station)となったPDAのシステム構成を簡単化し小型化することを可能にしている。また、PDA自身はモデムによる通信を行わないので、消費電力を大幅に節減することができる。PDAは小型・軽量・低消費電力が必須項目であるが、本発明に従えば、これらの要求に全く抵触しない。
また、情報処理装置とPDAとの間での赤外線通信は、ネットワーク内におけるプロトコルとは完全に独立させることが可能であり、したがって、ネットワーク内の通信方式に変更が加えられたり或は進歩したりしても、PDAへのデータ・ダウンロードに支障はない。言い換えれば、PDAはネットワーク内での事象を全く意識する必要はない。
以上を約言すれば、本発明に係る情報処理装置によれば、ダウンロード先であるPDAに負担をかけることなく、PIMデータやWebページなどのデータをPDA側に、スムースにダウンロードすることができる訳である。
また、本発明の第11乃至第15の側面に係るコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ・プログラムの機能を実現するための、コンピュータ・プログラムと記憶媒体との構造上又は機能上の協働的関係を定義したものである。換言すれば、該コンピュータ記憶媒体をコンピュータ・システムに装着する(若しくはコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールする)ことによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1乃至第10の側面と同様の作用効果を得ることができるのである。
なお、Basic Rate ISDN(Integrated Services Digital Network)のデータ転送速度が64kbpsであるのに対して、赤外線通信は通常数Mbps程度のデータ転送速度を有している。本発明における赤外線通信を用いたデータ・ダウンロード動作によれば、自らISDNに接続するタイプのPDAよりも高速にデータを取得できる、という点も充分理解されたい。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以上詳記したように、本発明によれば、アプリケーションの実行により得られた処理結果、あるいはTCP/IPプロトコルに従いWebサーバから取得したHTMLファイルなどの転送データを、赤外線通信機能を用いて外部機器(PDA)にスムースに転送することができる、優れた情報処理装置及びその制御方法を提供することができる。
また、本発明によれば、アプリケーションの実行により得られた処理結果、あるいはTCP/IPプロトコルに従いWebサーバから取得したHTMLファイルなどの転送データを、外部機器(PDA)に負担をかけることなく転送することができる、優れた情報処理装置及びその制御方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
A.パーソナル・コンピュータ(PC)のハードウェア構成
図1には、本発明を実現するのに適した典型的なパーソナル・コンピュータ(PC)100のハードウェア構成を模式的に示している。本発明を実現するPCの一例は、OADG(PC Open Architecture Developer's Group)仕様に準拠したタイプである。また、PCは、オペレーティング・システムとして米マイクロソフト社が市販する”Windows(R)95”、又は、米IBM社の”OS/2”のようなマルチタスク環境を提供するタイプのものが好ましい。以下、各部について説明する。
メイン・コントローラであるCPU11は、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種プログラムを実行するようになっている。CPU11は、例えば米インテル社製のCPUチップ”Pentium(R)”でよい。
CPU11は、自身の外部ピンに直結したプロセッサ・バス12、ローカル・バスとしてのPCI(Peripheral Component Interconnect)バス16、及び、ISA(Industry StandardArchitecture)バス18という3階層のバスを介して、各ハードウェア・ブロック(後述)と相互接続している。
プロセッサ・バス12とPCIバス16とは、ブリッジ回路(ホスト−PCIブリッジ)13によって連絡されている。本実施例のブリッジ回路13は、メイン・メモリ14へのアクセス動作を制御するメモリ・コントローラや、両バス12,16間の速度差を吸収するためのデータ・バッファなどを含んだ構成となっ
ている。
メイン・メモリ14は、実行プログラムの読み込み領域として、あるいは実行プログラムの作業領域として用いられる書き込み可能メモリである。メイン・メモリ14は、一般には複数個のDRAM(ダイナミックRAM)チップで構成され、例えば16MBが標準装備され、128MBまで増設可能である。ここで、実行プログラムには、Windows(R)95のようなOSや、本発明の実施に供される「オート・プル・ステーション」(仮称)アプリケーションのような各種ソフトウェア・プログラムが含まれる。
L2−キャッシュ15は、メイン・メモリ14へのアクセス時間を吸収するための高速メモリであり、CPU11が頻繁にアクセスするごく限られたコードやデータが一時格納される。L2−キャッシュ15は、一般にはSRAM(スタティックRAM)チップで構成され、その容量は、例えば256KBである。
PCIバス16は、比較的高速なデータ転送が可能なタイプのバス(バス幅32/64ビット、最大動作周波数33/66MHz、最大データ転送速度132/264MBps)であり、ビデオ・コントローラ20やカードバス・コントローラ23のような比較的高速で駆動する周辺デバイス類が接続される。なお、PCIアーキテクチャは、米インテル社の提唱に基づいており、PnP(プラグ・アンド・プレイ)機能を実現している。
ビデオ・コントローラ20は、CPU11からの描画命令を実際に処理するための専用コントローラであり、処理した描画情報を画面バッファ(VRAM)21に一旦書き込むとともに、VRAM21から描画情報を読み出して液晶表示ディスプレイ(LCD)、若しくはCRTディスプレイ22にビデオ出力するようになっている。ビデオ・コントローラ20は、VGA(Video Graphic Array)機能若しくはSVGA(Super Video Graphic Array)機能をサポートしている。
カードバス・コントローラ23は、PCIバス16上のバス信号をPCカード・スロット24Aに直結させるための専用コントローラである。カード・スロット24Aには、PCMCIA(Personal Computer Memory Card InternationalAssociation)/JEIDA(JapanElectronic Industry Development Association)が策定した規格(例えば”PC Card Specification 95”)に準拠したPCカード24Bを挿入可能である。PCカード24Bには、モデム・カードやLANカードのようにネットワーク接続を実現するための装置がある。このようなタイプのPCカードを挿入することにより、PC100をインターネットのような広域的なネットワークに接続させることが可能である。
PCIバス16とISAバス18とは、ブリッジ回路(PCI−ISAブリッジ)19によって相互接続されている。本実施例のブリッジ回路19は、DMAコントローラや、プログラマブル割込みコントローラ(PIC)、プログラマブル・インターバル・タイマ(PIT)を含んだ構成となっている。
また、本実施例のブリッジ回路19は、IDE(Integrated Drive Electronics)に準拠した外部記憶装置を接続するためのIDEコネクタも備えている。IDEコネクタには、例えばIDEハード・ディスク・ドライブ(HDD)25やIDE CD−ROMドライブ26が接続される。なお、ハード・ディスクやCD−ROM上のファイルへのアクセスは、OSのサブシステムの1つである「ファイル・マネージャ」によって実行される。HDD25は、アクセス速度の点で他の外部記憶装置よりも優れており、ソフトウェア・プログラム(OSやデバイス・ドライバ、アプリケーションなど)をHDD25のディスク上にコピーする(すなわちシステムに「インストール」する)ことにより、該プログラムはシステムにとって使用が準備された状態となる。また、CD−ROMドライブ26は、主として、コンパクト・ディスク(CD)に格納されたソフトウェア・プログラムをシステムにインストールするために利用される。
ISAバス18は、PCIバスに比しデータ転送速度が低く(バス幅16ビット、最大データ転送速度4MBps)、ROM17や、キーボード/マウス・コントローラ(KMC)27、I/Oコントローラ30、オーディオ・コントローラ34、リアル・タイム・クロック40などの、比較的低速駆動するタイプの周辺デバイス類を接続するのに用いられる。
ROM17は、キーボード28やビデオ・コントローラ20などの各ハードウェア(キーボード28やFDD31など)を操作するためのコード群(BIOS:基本入出力システム)や、電源投入時のテスト・プログラム(POST:Power On Self Test)などを恒久的に格納するための不揮発性メモリである。
キーボード/マウス・コントローラ27は、キーボード28からの入力スキャン・コードや、マウス29からの入力座標値を、コンピュータ・データとして取り込むための専用コントローラである。
I/Oコントローラ30は、フロッピー(R)・ディスク・ドライブ(FDD)31の駆動制御や、パラレル・ポート32やシリアル・ポート33を介して接続された外部機器とのパラレル的又はシリアル的なデータ入出力を制御するための周辺コントローラである。パラレル・ポート32には例えばプリンタ(図示しない)が接続される。また、シリアル・ポート33にはモデム50が接続される。モデム50は、デジタル的なコンピュータ・データをアナログ電話回線経由で伝送するための装置であり、送信データの変調や受信データの復調を行うようになっている。モデム50を装備することにより、PC100をインターネットのような広域的なネットワークに接続させることが可能である。
FDD31は、HDD25やCD−ROM26と同様、外部記憶装置の1つである。FDD31は、主として、フロッピー(R)・ディスク(FD)の形態で供給されたソフトウェア・プログラムをシステムにインストールしたり、あるいは作業データ/ファイルをFD上に保管するために用いられる。
オーディオ・コントローラ34は、オーディオ信号の入出力処理を行うための専用コントローラであり、マイク35から入力されたオーディオ信号をコンピュータ・データとして取り込んだり、オーディオ・データをDA変換等してスピーカ36からオーディオ出力するようになっている。
リアル・タイム・クロック(RTC)40は、現在時刻を計測するための装置である。RTC40は、一般に、CMOSメモリ(図示しない)とともに1チップ上に実装されている。このCMOSメモリは、例えばシステム・コンフィギュレーション情報やパワー・オン・パスワードのような、システム100にとって重要な情報を一時保管するために用いられる。RTC/CMOS40は、リザーブ・バッテリ(通常はコイン・バッテリ:図示しない)によってバック・アップされており、PC100のパワー・オフ時も計測/記憶内容を失わないようになっている。
IRコントローラ52は、外部機器(本実施例ではPDA200:後述)との間で、IrDA(前述)に従った赤外線コードの交換を実現するための専用コントローラである。IR送受信部53は、実際に赤外線データの送信及び受信を行うモジュールである。
バス16及び18の一端には、少なくとも1つのバス・スロット16A/18Aが配設されている。バス・スロット16A及び18Aには、それぞれPCI対応アダプタ・カード16B及びISA対応アダプタ・カード18Bを装着可能である。各アダプタ・カード16B/18Bは、各カード専用のデバイス・ドライバを用いてハードウェア操作可能である。アダプタ・カードの一例は、LAN(Ethernet(R)やTokenringなど)への接続を実現するためのネットワーク・カードがある。かかるカードをバス・スロットに装着することにより、LAN経由でインターネットのような広域的なネットワークに接続させることが可能である。
パーソナル・コンピュータ100の典型的なユーザは、キーボード又はマウスを介してシステムを操作して、ワープロ、表計算、通信などのような各種アプリケーション・プログラムを実行し、ディスプレイ・スクリーン(すなわちデスクトップ)上で自らの業務遂行に役立てることができる。ユーザは、所望のアプリケーションをCD−ROMドライブ26又はFDD31からHDD25にコピーすることによって、これらをシステムにインストールすることができる。あるいは、WebサーバからHDD25にダウンロードすることによっても、所望のアプリケーションをシステムにインストールすることができる。本発明がインストールされたアプリケーション・プログラムという形態で実現可能である点に充分留意されたい。
現在市販されているいわゆるパーソナル・コンピュータは、図1に示したコンピュータ・システム100として充分機能を発揮するであろう。なお、コンピュータ・システム100を構成するためには、図1に示した以外にも多くの電気回路等が必要である。但し、これらは当業者には周知であり、また、本発明の要旨を構成するものではないので、本明細書中では省略している。また、図面の錯綜を回避するため、図中の各ハードウェア・ブロック間の接続も一部しか図示していない点を了承されたい。
B.情報処理端末(PDA)のハードウェア構成
図2には、本実施例においてデータ・ダウンロード先となるPDA200のハードウェア構成を模式的に示している。
メイン・コントローラであるCPU61は、クロック発振器(OSC)72から供給される動作クロックを基調にして動作する。CPU61は、例えば東芝製の16ビット・マイクロコンピュータ”TLCS−9001”でよい。CPU61の外部ピンは内部バス62に連結しており、内部バス62経由で各部と相互接続されている。
SRAM63は、リフレッシュ動作が不要なタイプの書き込み可能メモリであり、主としてCPU61の作業エリアとして用いられる。FontROM64は、液晶表示ディスプレイ(LCD)パネル11に表示可能な各キャラクタ・イメージ(すなわちフォント)を格納した読み出し専用メモリである。EEPROM65は、所定条件下でのみデータ消去可能なタイプの読み出し専用メモリであり、主として各部をハードウェア操作するための制御コードや製造番号などのセキュリティ・データを恒久的に格納するのに用いられる。
IRコントローラ66は、IR送受信部67で送受する赤外線コードを処理してコンピュータ・データとして取り込むための専用コントローラ・チップである。
参照番号68は液晶表示ディスプレイ・パネルである。本実施例のCPU61はFontROM64中のフォント・イメージを用いてディスプレイ68を駆動するようになっている。
スイッチ69は、PDA200の筐体表面に設けられた入力装置の1つである。このスイッチ69に対し所定の操作(例えば押下操作)を加えることによって、PDA200は赤外線受信(すなわちデータ・ダウンロード)モードに遷移するようにデザインされている。
また、CPU61は、トーン・ダイアラ70をしてスピーカ71に所定波長の音声を発生させるようになっている。
なお、PDA200を構成するためには、図2に示した以外にも多くの電気回路等が必要である。但し、これらは当業者には周知であり、また、本発明の要旨を構成するものではないので、本明細書中では説明を省略している。また、図面の錯綜を回避するため、図中の各ハードウェア・ブロック間の接続も一部しか図示していない点を了承されたい。
B.パーソナル・コンピュータのソフトウェア構成
図3には、本発明の実施に供されるパーソナル・コンピュータ100上で実行可能なソフトウェア・プログラムの階層的構成について模式的に示している。
ハードウェア制御層:
最下層であるハードウェア制御層は、上位のソフトウェア(オペレーティング・システムやアプリケーションなど)に対して、各ハードウェアの物理的な相違(メーカやバージョンによる相違など)を見えなくするためのソフトウェア層である。例えば、ハードウェア制御層のあるモジュールは、上位ソフトウェアが発する一般的な形式のコマンドを、ハードウェアの駆動に適した固有の形式に変換するようになっている。ハードウェア制御層は、ROM17中に格納されたBIOS(基本入出力システム)という形態で、マザー・ボード上に標準添付されている場合もある。あるいは、ハードウェア制御層は、デバイス・ドライバ(例えばマウス・ドライバやプリンタ・ドライバ、CD−ROMドライバなど)や、HAL(Hardware Abstraction Layer)という形態で、システムにインストールされることもある。
オペレーティング・システム(OS):
オペレーティング・システム(OS)は、システムのハードウェア及びソフトウェアを総合的に管理するための基本ソフトウェアであり、先述の”OS/2”や”Windows(R)95”の他、”UNIX(R)”などがこれに該当する。本発明に係る時刻表示を好適に実現するためには、オペレーティング・システムはマルチタスク環境を備えていることが好ましい。オペレーティング・システムは、一般には、カーネル(Kernel)領域とユーザ領域とで構成される。
カーネル領域とは、PC100全体の動作を監視して、アプリケーションなどの各種プログラムの実行を支援するための各基本機能が集まった部分である。カーネル領域のコア部分には、HDD25などの補助記憶装置へのファイルの記録等を管理するための「ファイル・マネージャ」、タスク実行の順序や優先度を管理するための「スケジューラ」、メモリ領域の割り当てを行うための「メモリ・マネージャ」、I/OアドレスやDMAレベルなどのシステム・リソースを管理するための「リソース・マネージャ」などが含まれている。
一方、ユーザ領域とは、主に、ユーザが選択したアプリケーションを支援するための機能ルーチン部分からなり、具体的には、「ユーザ・インターフェース」や「ウィンドウ・システム」が含まれている。このうち、「ユーザ・インターフェース」('shell'ともいう)は、ユーザからの指令を解釈してカーネルのコア部分に伝えるとともに、コア部分からの応答をユーザに伝える機能を有している。また、「ウィンドウ・システム」は、ディスプレイ22上のウィンドウ表示を実行する機能部分であり、例えばUNIX(R)の'X Window'やOS/2の'Presentation Manager'がこれに該当する。また、複数のソフトウェアで共通の処理を行うための関数やデータの集まりであるライブラリ(「シェアド・ライブラリ」又は「ダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL)」ともいう)も、ユーザ領域に含まれる。なお、ユーザ・インターフェースとしては、ビットマップ形式で表示を行い、マウスによるアイコンのクリック/ドラッグ・アンド・ドロップ操作機能をサポートした”GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)”が、現在定着してきている。
アプリケーション:
最上位層のアプリケーション・プログラムは、システム100を実務的な目的のために使うプログラムのことであり、例えばワープロ・ソフト、データベース・ソフト、表計算ソフト、通信ソフトなどがこれに該当する。また、ユーザの使い勝手を向上させるためのユーティリティ・プログラム(「ツール」ともいう)も、アプリケーションの一種である。また、本発明の実施に供されるソフトウェア・プログラム「オート・プル・ステーション」(仮称:後述)もアプリケーションの一例である。
通常、ユーザは、自身が必要とするソフトウェア・プログラム(OSやデバイス・ドライバ、アプリケーションなど)を、FDやCD−ROMなどの記憶媒体に格納した形態で入手することができる。そして、これら記憶媒体を対応するドライブ・ユニットに装填し、格納された所望のソフトウェア・プログラムをHDD25のディスク上にコピーする(すなわちシステムに「インストール」する)ことにより、システムにとって使用が準備された状態となる(前述)。また、最近では、ネットワーク接続された外部コンピュータ・システム(例えばWebサーバ)からダウンロードすることによって、所望のプログラムをシステムにインストールするケースも増えてきている。
D.赤外線通信によるデータ転送オペレーション
前項までで、本発明を具現するコンピュータ・システム100及び200のハードウェア及びソフトウェア構成を説明してきた。本項では、かかるシステム環境で動作可能な「オート・プル・ステーション」(仮称)アプリケーションの処理手順を説明することにする。
「オート・プル・ステーション」アプリケーションは、例えば、該アプリケーション・プログラムを有形的に格納したCDやFDなどの記憶媒体をCD−ROMドライブ26又はFDD31などの記憶装置に装着して、ハード・ディスクにコピーすることによってシステム100にインストールされる。あるいは、該アプリケーション・プログラムを格納した他のコンピュータ・システム(例えばWebサーバ)からネットワーク(例えばインターネット)経由でダウンロードすることによってシステム100にインストールされたり、あるいはメモリ14上に一時的にロードされたりする。なお、名称「オート・プル・ステーション」の「プル」は、いわゆる「プッシュ・アンド・プル」のプルを意味している(ネットワークの世界では、一般に、サーバ側がクライアント側に一方的にデータを掃き出す(すなわち放送する)ことを「プッシュ」と言い、クライアント側がファイル名を指定したことに従ってデータを読み取る(すなわち引き出す)ことを「プル」と言う)。
図4には、PC100が赤外線通信によってPDA200へのデータ・ダウンロードを試みるときの処理手順(すなわち「オート・プル・ステーション」の動作)をフローチャートで示している。「オート・プル・ステーション」は、例えば”Windows(R)95”又は”OS/2”などのオペレーティング・システムによって提供されているPC100のデスクトップ画面上にアイコンとして存在している(図示しない)。ユーザは、例えばこのアイコンの選択動作(すなわちマウス29のダブルクリック操作)を敢行することによって、「オート・プル・ステーション」を起動することができる。
「オート・プル・ステーション」は、ダウンロード・データ取得フェーズ(図4中のステップS100〜S106に該当)と、赤外線通信によるデータ・ダウンロード・フェーズ(図4中のステップS200〜S208に該当)とで構成される。各フェーズは、マルチタスク環境下で同時・並列的に実行される。
データ取得フェーズでは、まず、「オート・プル・ステーション」の起動により、所定のタイム・アウト値(例えば10分)を持つタイマが設定される(ステップS100)。タイム・アウト値が消滅する度に、タイマ・イベントが発生する(ステップS102)。
このタイマ・イベントの発生に応答して、予め登録されているHTML(HyperText Markup Language)ファイルを、インターネット上の所定のWebサーバから取得する(ステップS104)。インターネットへの接続は、通常、TCP/IPプロトコルに従って行われる(周知)。また、所望のWebサーバ上のHTMLファイルは、通常、URL(UniformResource Locator)文字列によって指定可能である(周知)。また、WebサーバへのアクセスはURLで記述されたプロトコル(例えば”http(HyperTextTransfer Protocol)”)に従って行われる(周知)。なお、特定のHTMLファイルのみを取得するのは、PDA(すなわちモバイル環境)のユーザは特定の情報(例えば新聞記事、株式市況、天気予報、交通情報などのWebページ)のみを好む、という一般論に従ったものである。
新たに取得されたHTMLファイルは、ダウンロード・データとして保存すべく、HDD25に格納された同名ファイルと置換される。この結果、PC100のハード・ディスク内には、最新のHTMLファイルが常時キャッシュされていることになる。なお、取得されたHTMLファイルを、ダウンロードに適した形態、若しくはダウンロード先が処理可能な形態に変換してもよい。例えば、HTMLファイル中の画像部分を排除してテキスト部分のみを残すようにしたり、所定のルールに基づき所定ファイル・サイズに切り取ったりしてもよい。
他方、データ・ダウンロード・フェーズでは、PC100は、局発見(Station Search)、すなわちデータのダウンロード先であるPDA200を探索すべく、IR送受信部53より”XID(eXchangeID)コマンド”フレームの送信を開始する(ステップS200)。PC100は、ユーザからの明示的なIR通信中断の指示がない限りは、局発見動作を継続する(ステップS202)。
IR通信モードとなったPDA200のIR送受信部67がPC100側のIR送受信部53の視野角に入ると(通常は、ユーザがPDA200をPC100にかざすことにより為される)、PDA200はXIDコマンド(前述)に応答して”XIDレスポンス”フレームを発することによって、局発見が成立する。XIDコマンド及びXIDレスポンスの各フレームには、各々のデバイス・アドレスが含まれており、互いのアドレスを確認し合うことができる。なお、ここで言うXIDコマンド/レスポンス・ルーチンは、”Serial Infrared Link Access Protocol (IrLAP) Ver 1.0”の6.8章で記述された”DiscoveryProcedure”全体を指すものとする。
次いで、PC100とPDA200との間でコネクションの設定が行われる(ステップS204)。ここで言うコネクションの設定とは、両装置100,200間でフレームの通信速度やデータ・サイズなどを決めるための交渉手続のことである。コネクションの設定のためには、PC100側はSNRM(Set NormalResponse Mode)フレームを送出する。他方のPDA200は、SNRMフレームの記述内容を受け入れるときにはUA(UnnumberedAcknowledgement)フレームを返し、受け入れられないときにはDM(Disconencted Mode)フレームを返す。
PC100がPDA200からUAフレームを受理してコネクションが成立すると、ようやくIR通信による情報交換(communication)が可能な状態となる(ステップS206)。PC100は、自身のHDD25内に蓄積しているダウンロード・データをI(Information)フレームという形態で順次送信する。
PDA200側へのダウンロード・データは、例えばWebサーバから予め取得しておいたHTMLファイルである。上述したように、PC100は、予め登録されているHTMLファイルを所定のWebサーバから定期的に取得し、HDD25内に保管するようになっている(ステップS104,S106参照)。すなわち、PC100は、PDA200が利用するダウンロード・データを定期的にアップデートしており、言わばPDA200のキャッシュとして機能している訳である。他方、受信モードに入ったPDA200は、IR送受信部53の視野角に置かれるだけで、ダウンロード・データが即座にIR転送される。PDA200は、Webページなどの所望のデータの取得のために、TCP/IPプロトコルのような複雑な機能をサポートする必要は全くない。また、PDA200は、自ら直接ネットワーク(例えばインターネット)に接続しないので、接続確立やサーバへのアクセスに伴う複雑な処理手順を実行する必要はなく、且つ、アクセス時間に伴うバッテリ消耗もない。また、IR通信は数Mbps程度のデータ転送速度を有しており(Basic Rate ISDNは64kbps)、所望のデータ(例えばHTMLファイル)を受信するのに数秒も要しない。
データ転送が完了すると、コネクション切断が行われる(ステップS208)。このとき、PC100は、コネクション切断を要求するためのDISC(Disconnection)フレームを送信し、PDA200はUAフレームを返すことによってこれに応じる。
コネクションが切断された後は、PC100は通信状態を初期化し、PDA200は通信モードが解除される。但し、PC100は、局発見モード(ステップS200)に復帰し、ユーザにより明示的に送信状態が解かれない限りは、XIDコマンドを送信して局発見を試行し続ける。このため、ユーザが通信モードに設定されたPDA200(若しくは他のPDA)を再びPC100側にかざしただけで、上述と同様のデータ・ダウンロード動作が展開されることになる。局発見の間も、ダウンロード・データ(例えばHTMLファイル)は逐次アップデートされており、PDA200側は最新のデータを円滑且つ瞬時に取得することができる。
図5には、PC100とPDA200との間の、IR転送におけるトランザクションを模式的に示している。
まず、PC100は、XIDコマンドを送信し続けることにより、局(PDA200)の探索を行う。
PC100側のIR送受信部53の視野角に入ったPDA200は、XIDコマンドに対してXIDレスポンスで応答する。この結果、PC100は局発見を実現する。
次いで、PC100は、コネクションの設定内容(例えばフレームの通信速度やデータ・サイズ)をSNRMフレームに乗せて送信する。PDA200は、SNRMフレームの内容を受け入れることができればUAレスポンスを行い、コネクションの設定が実現する。他方、PDA200はSNRMの内容を受け入れられなければDMレスポンスを行い、この結果、同種のコネクション設定手続が繰り返される。
両装置100,200間のコネクションが成立すると、情報交換が可能な状態となる。本実施例では、情報伝送は、PC100側からPDA200に、略一方向的に行われる。すなわち、PC100は、Iフレームにダウンロード・データを乗せて、PDA200側にIR転送する。これに対し、PDA200は、タイマがタイム・アウトする度にPC100側にレスポンスを返すことで、両者100,200間でIフレームの受信確認が行われる。PDA200が返すレスポンスは、自身が送るべき情報があるときはIフレームで、ないときはRR(Receive Ready)レスポンス又はRNR(Receive Not Ready)レスポンスを発信する。
所定のデータのダウンロードが終了するとPC100は、DISCフレームを送信することにより、PDA200にコネクションの切断を要求する。これに対し、PDA200がUAレスポンスを返すことによって、コネクション切断が成立する。
コネクションが切断された後は、PC100は通信状態を初期化とともに、PDA200は通信モードを終了する。但し、PC100は、再びXIDコマンドの送信を開始し、局(PDA200)の探索を敢行する。この局探索は、ユーザにより明示的に送信状態が解かれない限りは、継続される。このため、ユーザが通信モードに設定したPDA200(若しくは他のPDA)を再びPC100側にかざすだけで、即時的に、上述と同様のIR転送動作が展開されることになる。
E.追補
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
本実施例では、OADG仕様に準拠したいわゆるPC/AT互換機(”PC/AT”は米IBM社の商標)をベースに説明したが、他のタイプのマシン(例えばNECのPC98シリーズや米アップル社のMacintosh、及びこれらの互換機であっても、本発明が同様に実現可能であることは言うまでもない。
また、本実施例では、PDAによるWebデータの取得を例にとって説明してきたが、ネットワーク経由で取得可能な他のデータ(例えばLotus Notes、FTP(File Transfer Protocol)サイトのファイル、Gopher、NewsReaderなど)にも適用できることは言うまでもない。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。