本発明の実施形態について、第1実施形態および第2実施形態を挙げて、以下に説明する。なお何れの実施形態も、タッチパネルを備えたマルチレイヤディスプレイ装置(MLD装置)に関するものである。
1.第1実施形態
[MLD装置の構成等について]
まず第1実施形態について説明する。図1は、当該MLD装置の構成に関するブロック図である。本図に示すように当該MLD装置1は、タッチパネル11、第1表示画面12、第2表示画面13、第3表示画面14、バックライト15、入力制御部16、表示制御部17、CPU[Central Processing Unit]18、操作ボタン19、内蔵メモリ20、画像情報入力部21、およびAV信号入力インタフェース22などを備えている。
また図2は、ユーザ(観察者)の観察方向に平行な面を断面とした場合の、MLD装置1の断面図である。本図に示すようにMLD装置1は、手前側(本願では、観察者に近い側を意味する)が開口している筐体10に、タッチパネル11、第1表示画面12、第2表示画面13、第3表示画面14、およびバックライト15が、手前側から奥側へ順に並ぶように配置されている。このように各表示画面(12〜14)は、手前側から奥側に向かう方向を層方向として、層状に配置されている。なお本実施形態では、3層の表示画面を有しているが、2層あるいは4層以上の表示画面を有していても構わない。
タッチパネル11は、各表示画面(12〜14)の面と同等の大きさの面(長方形の面)を有するパネルである。タッチパネル11は、ユーザの指等の物体(以降、単に「指等」と称する)が当該パネルの手前側の面に触れると、当該パネル上の何れの位置が触れられているかに応じた情報を生成する。この情報は、入力制御部16を通じてCPU18へリアルタイムに伝えられ、MLD装置1の動作に反映される。
これによりユーザは、タッチパネル11に指を触れること等による、MLD装置1の操作(以下、「タッチ操作」と称することがある)を行うことが可能となっている。またタッチパネル11は、全体的に透明の材質で形成されている。これによりユーザは、タッチパネル11を透かして、各表示画面(12〜14)に表示されている画像を見ることが可能である。
第1から第3の各表示画面(12〜14)は、RGB(赤・緑・青)の各画素が全面に配置された、それぞれ同等の大きさの面を有する液晶ディスプレイとして形成されている。各表示画面(12〜14)における画素ごとの光の透過度合は、表示制御部17によって調整される。これにより各表示画面(12〜14)においては、バックライト15から手前側に向けて放たれた光によって、画像が形成される。
バックライト15は、MLD装置1の光源として機能するものであり、例えば蛍光管やLED[Light Emitting Diode]によって形成されている。バックライト15は、各表示画面(12〜14)に画像を表示させるべき期間において、白色の光を継続的に放つように制御される。
入力制御部16は、タッチパネル11から送出されてきた情報に基づいて、現時点においてタッチパネル11上の何れの位置が触れられているかを判別する。当該判別の結果は、CPU18に伝送される。
表示制御部17は、内蔵メモリ20や画像情報入力部21等から伝送されてきた画像情報に基づいて、各表示画面(12〜14)に画像が形成されるように、各表示画面(12〜14)に設けられた各画素の光の透過度合を調整する。なおMLD装置1において用いられる画像情報の形式については、改めて説明する。
また入力制御部16と表示制御部17の各機能部は、別々の装置によって実現されていても良く、同じ装置によって実現されていても良い。またCPU18が、入力制御部16や表示制御部17の機能を兼ね備えるようにしても構わない。
CPU18は、MLD装置1の機能が発揮されるように(必要な動作が適切に遂行されるように)、MLD装置1の各部を適切に制御する。なおMLD装置において実行される主な動作の内容については、改めて詳細に説明する。
操作ボタン19は、ユーザによって操作される複数のボタンスイッチ(例えば押しボタンスイッチ)からなり、ユーザが操作できる位置に設けられている。操作ボタン19におけるユーザの操作内容は、CPU18に伝送され、MLD装置1の各種動作に反映される。
内蔵メモリ20は、書換え可能である不揮発性のメモリや、作業用メモリとして利用されるRAM等によって形成されており、画像情報や、動作方式に関する各種の設定情報(詳しくは後述する)などを記憶する。また画像情報入力部21は、AV信号入力インタフェース22を介して、外部から画像情報が入力されるようになっている。入力された画像情報は、例えば内蔵メモリ20に一旦記録される。
[MLD装置が行う主な動作について]
次に、MLD装置1が行う主な動作の内容について説明する。
MLD装置1は、これから述べるように、各表示画面(12〜14)に画像を表示させつつ、任意の表示画面に対する表示改変操作(タッチ操作の一態様)を受付けて、表示状態を改変する動作を行うようになっている。またMLD装置1においては、これらの動作がユーザの意向に沿った手順でなされるように、予めユーザが、各種の動作方式を設定することが可能となっている。まずこの動作方式の設定の流れについて、以下に説明する。
MLD装置1は、適宜、図3に示す動作方式に関する各項目について、どのように設定するかのユーザの指定を受付ける。なお、当該指定をどのように受付けるかについては、種々の態様とすることが可能である。例えば、操作ボタン19の一部が操作されると、図3に示す内容の画像が第1表示画面に表示され、ユーザはタッチ操作を通じて、各項目を所望の状態に設定することが可能となっている。以下、各項目の内容について説明する。
「操作対象画面の固定/可変」の項目は、操作対象画面(各表示画面(12〜14)のうち、タッチ操作の対象とするもの)の切替の可否に関わるものである。本項目が「固定」に設定されると、操作対象画面の設定は、最も手前側に位置している第1表示画面12に固定され、他の表示画面(13、14)を操作対象画面とすることは出来なくなる。つまりMLD装置1の動作状態は、標準状態(詳しくは後述する)に固定されることになる。
なお本実施形態では、このように、操作対象画面の設定が第1表示画面12に固定されるものとするが、どの表示画面に固定されるかについて、例えばユーザが自在に選択できるようにしても構わない。一方「可変」に設定されると、ユーザは所定の手順(詳しくは後述する)を通じて、操作対象画面を任意に切替えることが可能となる。
「操作対象画面の選択方式」の項目は、「操作対象画面の固定/可変」の項目が「可変」に設定されている場合に、操作対象画面をどのような手順でユーザに選択させるかに関わるものである。本項目については、任意の表示画面を直接指定させる方式である「直接指定モード」と、所定の切替操作がなされる度に表示画面を順次遷移させる方式である「順次遷移モード」の選択肢が用意されており、ユーザはこれらの何れかに設定することができる。
「自動復帰フラグ」の項目は、一定時間タッチ操作がなされなかった場合に、第1表示画面12が操作対象画面に設定された状態(標準状態)に自動復帰させるか否かに関わるものである。本項目が「ON」に設定されると、当該自動復帰の動作が実行され、「OFF」に設定されると、当該自動復帰の動作は実行されないようになる。
「透明化の度合」の項目は、表示画面(12〜14)の一つまたは複数に対して透明化を実施するにあたっての、透明化の度合に関わるものである。なお透明化は、操作対象画面の操作編集を容易とする等の目的のために、操作対象画面より手前側の他の表示画面における透明の度合(各画素の光の透過度合)を、現状よりも大きくなるように調節する処理である。透明化が実施されるための条件(実施されるタイミング)については、後述の説明で明らかとなる。
本項目については、0%(全く透明化されない)〜100%(完全に透明となる)の任意の値に設定することが可能となっている。例えば「透明化の度合」がn%に設定された場合、現在の光の透過度合がa%である画素が透明化の対象となると、当該光の透過度合は、a+{n(100−a)/100}%に調節される。なお、MLD装置1がデジタルサイネージ端末として用いられるものである場合、図3で示したような操作画面は、MLD装置が敷設される施設の管理者やMLD装置の所有者、或いはサービスマンのみが操作可能、もしくは視認できるよう設定され、一般のユーザは操作又は視認ができないように設定されていても良い。
なお上述した動作方式に関する各項目の意義などは、以降の説明でより明らかとなる。上述した各種の動作方式が設定された状態で、MLD装置1は、各表示画面(12〜14)に画像を表示させつつ、任意の表示画面に対する表示改変操作を受付けて、表示状態を改変する動作を行う。当該動作の流れについて、図4から図6に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
MLD装置1は、通常時、内蔵メモリ20に格納されている画像情報のうち、表示すべき画像についてのユーザの指定(例えば、画像情報に付けられたファイル名の指定)を受付ける。そして当該指定がなされると、CPU18は、指定された画像情報を表示対象の画像情報として特定する(ステップS1)。特定された画像情報は、例えば作業用メモリに読み出され、以降の動作に使用される。
ここでMLD装置1において扱われる画像情報には、第1表示装置12に表示される画像の情報である第1オリジナル画像情報、第2表示装置13に表示される画像の情報である第2オリジナル画像情報、および第3表示装置14に表示される画像の情報である第3オリジナル画像情報が含まれている。なお「オリジナル画像情報」の語は、後に登場する「修正画像情報」と区別するために、便宜的に定義したものである。
また第1から第3の各オリジナル画像情報に係る画像は、表示画面の枠に対応するフレームの中に、1個または複数個の前景(何らかの形状の輪郭を有するもの)が配置された形態となっている。そしてフレーム内の前景を除いた領域は、空白となっている。前景は色の情報も付与されており、表示画面に表示された際に、その色に表示されることとなる。またオリジナル画像が表示画面に表示されたとき、空白に対応する領域は完全に透明(つまり、より奥側の表示状態が、そのまま透けて見える状態)となる。各オリジナル画像情報は、少なくとも、各前景の形状、向き、色、およびフレーム内での位置を特定する情報となっている。
図7は、第1オリジナル画像情報ORG−1、第2オリジナル画像情報ORG−2、および第3オリジナル画像情報ORG−3の具体例を示したものである。これらの画像が、それぞれ対応する表示画面(12〜14)に表示されると、観察者からは、これらの画像情報が合わさって見えることになる。
ただし、第2および第3のオリジナル画像情報(ORG−2、ORG−3)が、それぞれ第2および第3の表示画面(13、14)にそのまま表示されると、観察者の視点からは、異なる画像情報の前景同士が重なり合う部分において色が混ざったように見えるため、観察者は違和感を覚えることになる。そこでCPU18は、このような重なり合いが解消されるように、第2および第3のオリジナル画像情報(ORG−2、ORG−3)について修正処理を施し、それぞれに対応する修正画像情報を生成する(ステップS2)。
より具体的には、各オリジナル画像情報(ORG−2、ORG−3)の前景における、より手前側に表示される各オリジナル画像情報の前景と重なり合う領域が、空白となるように修正が施される。すなわち、第2のオリジナル画像情報(ORG−2)については、図8の上段に示すように、第1のオリジナル画像情報(ORG−1)の前景と重なり合う領域が空白に修正され、第2の修正画像情報(COR−2)が生成される。また、第3のオリジナル画像情報(ORG−3)については、図8の下段に示すように、第1と第2のオリジナル画像情報(ORG−1、ORG−2)の前景と重なり合う領域が空白に修正され、第3の修正画像情報(COR−3)が生成される。
その後CPU18は、第1表示画面12に第1オリジナル画像情報ORG−1が、第2表示画面13に第2修正画像情報COR−2が、第3表示画面14に第3修正画像情報COR−3が、それぞれ表示されるように、表示制御部17に指示を与える(ステップS3)。これにより各表示画面(12〜14)には、当該指示通りに画像が表示される。
このようにMLD装置1は、各表示画面(12〜14)に画像を表示させることにより、これらの画像の各々が合わさって形成された、図9に示すような合成画像COMPを、層方向の手前側に向けて表示するようになっている。またステップS3の動作が完了した時点では、MLD装置1は、第1表示画面12が操作対象画面に設定された状態となっており、ユーザは、第1表示画面12に対するタッチ操作を行うことが可能となっている。
より具体的には、ユーザは、第1表示画面12の表示内容を改変するためのタッチ操作(以下、便宜的に「表示改変操作」と称することがある)を行うことが可能となっている。すなわちMLD装置1は、例えばタッチパネル11が指等でなぞられる度に、その軌跡を、既に表示されている第1オリジナル画像情報ORG−1に追加されるように、第1表示画面12に表示する。このようにしてユーザは、第1表示画面12に対するタッチ操作を行い、第1表示画面12の表示内容を、所望の状態に改変することが可能となっている。またユーザは、表示改変操作を終えた後、MLD装置1に、表示改変操作の完了指示を与えることが可能となっている。
なお詳しくは後述するが、MLD装置1においては、第1表示画面12だけでなく、第2或いは第3の表示画面(13、14)を操作対象画面に設定することも可能となっている。しかしMLD装置の一般的な使用環境では、これらの表示画面のうちの、最も手前側に配置されている第1表示画面12をタッチ操作する機会が、最も多くなると想定される。そこでMLD装置1では、操作対象画面が第1表示画面に設定されている状態が、標準的な状態(標準状態)となるように設計されている。
CPU18は、ステップS3の動作を行った後、ユーザによる表示改変操作の完了指示がなされたかの判断を行う(ステップS4)。そして当該完了指示がなされた場合は(ステップS4のY)、CPU18は、表示改変操作の内容に従って、第1オリジナル画像情報ORG−1(つまり、操作対象画面に対応した画像に関する情報)を更新した上で(ステップS5)、ステップS2の動作を再度行う。これにより、表示される合成画像COMPに、当該更新の内容が反映されることになる。
一方、当該完了指示がなされていない場合(ステップS4のN)、動作方式に係る「操作対象画面の固定/可変」の項目(図3を参照)が「固定」に設定されている場合には(ステップS6の「固定」)、CPU18は、ステップS4の動作を繰り返す。また「可変」に設定されている場合には(ステップS6の「可変」)、CPU18は、動作方式に係る「操作対象画面の選択方式」の項目(図3を参照)が、どのように設定されているかを判断する(ステップS7)。
ステップS7に係る判断の結果、「直接指定モード」に設定されている場合には(ステップS7の「直接指定モード」)、CPU18は、第1表示画面12を除く何れかの表示画面(13、14)が、ユーザによって直接指定されたか否かを判断する(ステップS8)。なお「操作対象画面の選択方式」の項目が「直接指定モード」に設定されている場合、ユーザは、例えば所定の操作ボタン19の操作を通じて、任意の表示画面(13、14)を直接指定することが可能となっている。
またステップS7に係る判断の結果、「順次遷移モード」に設定されている場合には(ステップS7の「順次遷移モード」)、CPU18は、操作対象画面の切替操作がなされたか否かを判断する(ステップS9)。なお操作対象画面の切替操作は、予め決められた所定条件を満たす操作である。一例としては、タッチパネル11の任意の箇所、或いは所定の箇所を、一定時間以上にわたって継続的にタッチする操作(つまり、同じ箇所をタッチし続ける操作)や、タッチパネル11の内側寄りの領域から端の方に向かって、タッチパネル11をドラッグ(タッチパネル11に触れたまま指を移動)する操作などが、操作対象画面の切替操作として採用される。
そしてステップS9に係る判断の結果、操作対象画面の切替操作がなされていない場合には(ステップS9のN)、CPU18は、ステップS4の動作を繰り返す。なお、何れかの表示画面が直接指定された場合(ステップS8のY)、若しくは、操作対象画面の切替操作がなされた場合(ステップS9のY)に行われる動作は、以下に説明する通りである。
[何れかの表示画面が直接指定された場合の動作について]
先述したステップS8に係る判断の結果、何れかの表示画面が直接指定された場合には(ステップS8のY)、CPU18は、指定された表示画面を操作対象画面として新たに設定する。また更にCPU18は、表示画面(12〜14)のうち、操作対象画面より手前側のものについては、透明化を実施し(既に透明化が実施されている場合には、その状態を維持させる)、操作対象画面より奥側のものについては、透明化を解除する(透明化が元々実施されていない場合には、そのままとする)(ステップS11)。
これにより、例えば第2表示画面13が操作対象画面に設定された場合には、これより手前側の第1表示画面12については、透明化が実施された状態となり、奥側の第3表示画面14については、透明化が実施されていない状態(つまり、通常の表示状態)となる。なお透明化の度合については、動作方式に係る「透明化の度合」の項目(図3を参照)の設定内容に従って決められる。
また操作対象画面が更新されたことにより、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面に対するタッチ操作を行うことが可能となっている。より具体的には、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面の表示内容を改変するための、表示改変操作(どのような操作かは先述した通り)を行うことが可能となっている。なおこのとき、操作対象画面については、修正画像情報ではなく、オリジナル画像情報が表示されるようになっていても良い。またユーザは、表示改変操作を終えた後、MLD装置1に、表示改変操作の完了指示を与えることが可能となっている。
ステップS11の動作の後、CPU18は、更に他の表示画面が直接指定されたか(ステップS12)、ユーザによる表示改変操作の完了指示がなされたか(ステップS13)、ユーザによる復帰の指示(MLD装置1を標準状態に復帰させる指示)がなされたか(ステップS14)、および動作方式に係る「自動復帰フラグ」の項目(図3を参照)が「ON」に設定されているか(ステップS15)を監視する。
そして他の表示画面が直接指定された場合(ステップS12のY)、その指定先が第1表示画面12であるときは(ステップS19のY)、CPU18は、操作対象画面の設定を第1表示画面12に戻し、透明化が実施されている表示画面(12〜14)がある場合には、その透明化を解除する(ステップS18)。一方、その指定先が第1表示画面12以外であるときは(ステップS19のN)、CPU18の動作は、ステップS11の動作に戻る。これにより、操作対象画面が適切に切替えられることになる。
また表示改変操作の完了指示がなされた場合は(ステップS13のY)、CPU18は、この表示改変操作の内容に従って、現在の操作対象画面に対応するオリジナル画像情報を更新する(ステップS16)。つまり、第2表示画面が操作対象画面である場合には、第2オリジナル画像情報ORG−2が更新され、第3表示画面が操作対象画面である場合には、第3オリジナル画像情報ORG−3が更新されることになる。
その後、CPU18の動作は、ステップS18の動作に進む。なおステップS18の動作が完了したら、CPU18の動作は、ステップS2の動作に戻るようになっている。これにより、表示される合成画像COMPに、オリジナル画像情報の更新内容が反映されることになる。
また復帰の指示がなされた場合にも(ステップS14のY)、CPU18の動作は、ステップS18の動作に進む。また「自動復帰フラグ」が「ON」に設定されている場合は(ステップS15のY)、CPU18は更に、タッチ操作が途絶えてから一定時間が経過しているか(つまり一定時間、タッチ操作がなされていないか)を判断する(ステップS17)。
その結果、一定時間が経過している場合には(ステップS17のY)、CPU18の動作はステップS18の動作に進み、一定時間が経過していない場合には(ステップS17のN)、ステップS12の動作に戻る。
[操作対象画面の切替操作がなされた場合の動作について]
先述したステップS9に係る判断の結果、操作対象画面の切替動作がなされた場合には(ステップS9のY)、CPU18は、現時点で操作対象画面に設定されている表示画面より一つ奥側の表示画面を、操作対象画面として新たに設定する。
また更にCPU18は、ステップS11の動作の場合と同様に、表示画面(12〜14)のうち、操作対象画面より手前側のものについては、透明化を実施し、操作対象画面より奥側のものについては、透明化を解除する動作を行う(ステップS21)。
また操作対象画面が更新されたことにより、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面に対するタッチ操作を行うことが可能となっている。より具体的には、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面の表示内容を改変するための、表示改変操作(どのような操作かは先述した通り)を行うことが可能となっている。なおこのとき、操作対象画面については、修正画像情報ではなく、オリジナル画像情報が表示されるようになっていても良い。またユーザは、表示改変操作を終えた後、MLD装置1に、表示改変操作の完了指示を与えることが可能となっている。
ステップS21の動作の後、CPU18は、更に操作対象画面の切替操作がなされたか(ステップS22)、ユーザによる表示改変操作の完了指示がなされたか(ステップS23)、ユーザによる復帰の指示(MLD装置1を標準状態に復帰させる指示)がなされたか(ステップS24)、および動作方式に係る「自動復帰フラグ」の項目が「ON」に設定されているか(ステップS25)を監視する。
そして操作対象画面の切替操作がなされた場合(ステップS22のY)、現時点の操作対象画面が最も奥側の表示画面(本実施形態では、第3表示画面14)であるときは(ステップS29のY)、CPU18は、操作対象画面の設定を第1表示画面12に戻し、透明化が実施されている表示画面(12〜14)がある場合には、その透明化を解除する(ステップS28)。一方、現時点の操作対象画面が最も奥側の表示画面でないときは(ステップS29のN)、CPU18の動作は、ステップS21の動作に戻る。これにより、操作対象画面が切替えられることになる。
また表示改変操作の完了指示がなされた場合は(ステップS23のY)、CPU18は、この表示改変操作の内容に従って、現在の操作対象画面に対応するオリジナル画像情報を更新する(ステップS26)。つまり、第2表示画面が操作対象画面である場合には、第2オリジナル画像情報ORG−2が更新され、第3表示画面が操作対象画面である場合には、第3オリジナル画像情報ORG−3が更新されることになる。
その後CPU18の動作は、ステップS28の動作に進む。なおステップS28の動作が完了したら、CPU18の動作は、ステップS2の動作に戻るようになっている。これにより、表示される合成画像COMPに、オリジナル画像情報の更新内容が反映されることになる。
また復帰の指示がなされた場合にも(ステップS24のY)、CPU18の動作は、ステップS28の動作に進む。また「自動復帰フラグ」が「ON」に設定されている場合は(ステップS25のY)、CPU18は更に、タッチ操作が途絶えてから一定時間が経過しているか(つまり一定時間、タッチ操作がなされていないか)を判断する(ステップS27)。
その結果、一定時間が経過している場合には(ステップS27のY)、CPU18の動作はステップS28の動作に進み、一定時間が経過していない場合には(ステップS27のN)、ステップS22の動作に戻る。
[MLD装置の特長等について]
MLD装置1は上述した構成となっており、また上述した一連の動作を行うものとなっているため、次のような特長を有している。
MLD装置1は、ユーザによる複数の表示画面(12〜14)のうちの何れかの指定を受付けて、この指定のなされた表示画面を操作対象画面として設定する。そして更に、タッチパネル11の操作(タッチ操作)を、操作対象画面に対する操作として認識するようになっている。
これによりユーザは、複数の表示画面(12〜14)のうちの所望の表示画面に対してタッチ操作を行うことが可能となっている。そのためMLD装置1は、一つの表示画面だけに対してタッチ操作が可能であるものに比べて、より利便性が高いものとなっている。本実施形態の場合は、一つの表示画面に対する表示改変操作が可能であるにとどまらず、複数の表示画面(12〜14)の各々に対する表示改変操作が可能となっている。
またMLD装置1は、動作方式に関する「操作対象画面の固定/可変」の項目を、ユーザに切替自在に設定させるようになっている。そして更に、当該項目が「固定」(操作対象画面の切替が不可)に設定されることによって、操作対象画面の設定を、第1表示画面12(最も手前に配置された表示画面)に固定するようになっている(ステップS6の動作を参照)。これにより、第1表示画面12以外に対するタッチ操作が無効であるような場合に、第1表示画面12以外の表示画面が操作対象画面に誤って設定されてしまう事態を、回避することが可能となっている。
またMLD装置1は、複数の表示画面(12〜14)のうちの操作対象画面より手前側の各々について、透明化(バックライト15の光の透過度合を、予め決められた条件に従って大きくなるように調節する動作)を実施するようになっている(ステップS11、S21の動作を参照)。これにより、ユーザ(観察者)にとっては、操作対象画面の表示がより見易くなり、タッチ操作を適切に行うことが容易となる。
なお、透明化の度合が大きくなっている程、通常は、操作対象画面の表示は見易くなるが、その反面、透明化された表示画面の表示は見難くなる。そのため、透明化された表示画面の表示状態を参照しながら、操作対象画面をタッチ操作するような状況では、当該タッチ操作を行うことが難しくなるといった問題が生じ得る。MLD装置1によれば、ユーザによる透明化の度合の指定を予め受付けて、透明化の度合(光の透過度合)を当該指定に応じた値に調節するようになっているため、このような問題にも対処することが可能となっている。
またMLD装置1は、動作方式に関する「操作対象画面の選択方式」の項目を、ユーザに切替自在に設定させるようになっている。そして当該項目が「直接指定モード」に設定されている場合は、ユーザが複数の表示画面(12〜14)の何れをも直接指定できる状態とし、直接指定がなされた表示画面を、新たに操作対象画面として設定する。一方、「順次遷移モード」に設定されている場合は、ユーザが操作対象画面の切替動作(所定条件を満たすタッチ操作)を行ったときに、現在の操作対象画面より1個分だけ奥側の表示画面を、新たに操作対象画面として設定する。
これによりユーザは、そのときの状況や好みに合わせて当該項目を適切に設定し、何れの表示画面を操作対象画面とするかの選択を、より行い易くすることが可能となっている。
またMLD装置1は、動作方式に関する「自動復帰フラグ」の項目を、ユーザに切替自在に設定させるようになっている。そして当該項目が「ON」に設定されている場合、第1表示画面12(最も手前側の表示画面)以外のものが操作対象画面として設定されている際に、タッチ操作のなされなかった状態が予め決められた一定時間を越えて続いたときには、第1表示画面12を、新たに操作対象画面として設定する(ステップS15、17、25、S27等の動作を参照)。
これにより、ユーザが第1表示画面12以外についてのタッチ操作を終えた後、MLD装置1を自動的に標準状態に戻すことができる。そのため、MLD装置1は、ユーザにとってより利便性の高いものとなっている。
またMLD装置1は、第1表示画面12(最も手前側の表示画面)以外のものが操作対象画面として設定されている際に、ユーザによる復帰の指示(予め決められた操作)がなされると、第1表示画面12を、新たに操作対象画面として設定する(ステップS14、24等の動作を参照)。
これにより、第1表示画面12以外についてのタッチ操作を終えた後、ユーザは復帰の指示を行って、MLD装置1を直ちに標準状態に戻すことができる。そのため、MLD装置1は、ユーザにとってより利便性の高いものとなっている。
[操作対象画面を切替えるための別形態の動作について]
先述した通り、MLD装置1は、ユーザによる任意の表示画面の指定を受付け、操作対象画面を指定された表示画面に切替えることが可能となっている(ステップS8およびS12などを参照)。ここでMLD装置1は、簡潔なタッチ操作(後述するように、一度だけの長押し)によって、ユーザによる任意の表示画面の指定が実現されるようになっていても良い。この場合にMLD装置1によって行われる動作について、図10に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
予めMLD装置1には、一定の時間を表す2通りの閾値として、第1閾値(例えば3秒)と、第1閾値より長い第2閾値(例えば5秒)が設定されている。CPU18は、タッチパネル11の任意位置に指等が触れる度に、接触時間をカウントするようになっている。ここで接触時間は、指等がタッチパネル11の一定位置に(つまり、タッチパネル11上を動くことなく)、継続して触れている時間のことである。指等がタッチパネル11から離れたり、タッチパネル11上を動いたりしたときは、接触時間は途切れることになる。
そして接触時間が第1閾値には達したが(ステップ31のY)、第2閾値に達する前に途切れた場合には(ステップS32のN)、CPU18は今回の接触を、操作対象画面を一つ奥側の表示画面に切替えるための操作(切替操作)と認識する。そこでCPU18は、操作対象画面を一つ奥側の表示画面に切替える(ステップS34)。
また接触時間が第2閾値に達した場合には(ステップS33のY)、CPU18は今回の接触を、操作対象画面を二つ奥側の表示画面に切替えるための操作(切替操作)と認識する。そこでCPU18は、操作対象画面を二つ奥側の表示画面に切替える(ステップS35)。なおここでは、第3表示画面14より一つ奥側および二つ奥側の表示画面は、それぞれ第1表示画面12および第2表示画面13であるとする。例えば、現在の操作対象画面が「第3表示画面14」であるときに、操作対象画面が「一つ奥側」の表示画面に切替えられると、操作対象画面は「第1表示画面12」に切替えられることとなる。接触時間が第1閾値に達しなかった場合には(ステップS31のN)、今回の接触は切替操作とは認識されない。
先述したステップS8やS12の動作として、ステップS31からS35の一連の動作が実行されるようにすれば、ユーザは、操作対象画面を何れの表示画面に切替えようとする際にも、いわゆる長押しのタッチ操作を一度行うだけで済む(切替先をどの表示画面とするかによって、押しておくべき時間は変わる)。なお第1閾値や第2閾値の具体的な値については、ユーザが通常のタッチ操作を行うときに、誤って操作対象画面の切替操作がなされてしまうことがないように、適切な値に設定されることが望ましい。
またここでは、MLD装置1に3個の表示画面が設けられているケースとなっているが、4個以上の表示画面が設けられているケースについても、同様に考えることが可能である。なおN個(N≧3)の表示画面が設けられている場合、先述した閾値として互いに異なるN−1通りの値を設定しておき、各閾値に、互いに異なる表示画面の各々(何れを操作対象画面とするか)を対応付けておけば良い。
これにより、操作対象画面を何れの表示画面に切替えようとする際にも、一度だけの長押しのタッチ操作で足りるようにすることが可能である。なお上述したステップS31からS35の動作によれば、第1閾値が「現在の操作対象画面より一つ奥側の表示画面」に対応付けられており、第2閾値が「現在の操作対象画面より二つ奥側の表示画面」に対応付けられているといえる。
[本実施形態の変形例等について]
また本実施形態では、各表示画面(12〜14)に対するタッチ操作によって、画像の要素(図形等)に係る情報を入力することが可能となっているが、タッチ操作によって入力可能である情報は、このようなものに限定されない。例えば、各表示画面(12〜14)にタッチボタンを示す画像を表示されている場合に、タッチパネル11における当該タッチボタンに対応する箇所をタッチすると、当該タッチボタンが押下されたと認識されるようにすることも可能である。
また本実施形態では、ある表示画面について透明化が実施される際、その表示画面の全領域が透明化の対象となるが、一部の領域だけが透明化の対象となるようにしても構わない。また、透明化の対象となっている表示画面について、必ずしも、常に透明化が実施されるようにする必要は無い。例えば、タッチ操作がなされている期間に限って、透明化が実施されるようにしても構わない。
またタッチ操作がなされたときに、透明化の対象である表示画像の各々における、タッチされた箇所を基準とした所定範囲(つまり、タッチされた箇所の周辺部分)に重なる領域が特定され、この特定された領域(当該領域に属する画素)に対してのみ、透明化が実施されるようにしても構わない。このようにすれば、周辺部分(タッチ操作に特に関わる領域)を透明化してタッチ操作の容易性を確保しつつ、MLD装置1の表示状態をできるだけ通常の状態に維持させることができる。
2.第2実施形態
[MLD装置の構成等について]
次に第2実施形態について説明する。本実施形態に係るMLD装置は、各種のアプリケーションソフト(以下、「アプリ」と略記することがある)をインストールしておき、このアプリに基づいて動作させることが可能となっている。なお本実施形態の説明にあたっては、主に第1実施形態と異なる部分について言及し、重複した説明を省略することがある。
図11は、当該MLD装置の構成に関するブロック図である。本図に示すように当該MLD装置1は、タッチパネル11、第1表示画面12(手前側の表示画面)、第2表示画面13(奥側の表示画面)、バックライト15、入力制御部16、表示制御部17、CPU18、操作ボタン19、内蔵メモリ20、およびAV情報入力インタフェース23などを備えている。なお、第1実施形態では3層の表示画面が設けられていたが、本実施形態では、2層の表示画面が設けられている(第3表示画面の配置が省略されている)とする。
また図12は、ユーザ(観察者)の観察方向に平行な面を断面とした場合の、MLD装置1の断面図である。本図に示すようにMLD装置1は、手前側が開口している筐体10に、タッチパネル11、第1表示画面12、第2表示画面13、およびバックライト15が、手前側から奥側へ順に並ぶように配置されている。このように各表示画面(12、13)は、手前側から奥側に向かう方向を層方向として、層状に配置されている。
なお、以下に特段の説明がある場合を除き、第1実施形態において説明したMLD装置1の各構成要素(11〜13、15〜20)の構成等は、基本的に第1実施形態のものと同様である。
AV情報入力インタフェース23は、有線ネットワーク(例えばEthernet(登録商標))信号を受信する受信部、あるいは、無線通信(無線LANや無線WiMax)信号を受信する無線受信部であり、各種情報の入力を受付ける。なおAV情報入力インタフェース23は、このような形態に限られず、例えば、PC等と接続するためのUSB端子であってもよい。AV情報入力インタフェース23に入力された情報は内蔵メモリ20に記録される。これによりMLD装置1は、各種情報の表示や、各種アプリのインストールが可能となっている。インストールされたアプリは、CPU18に適宜読み出され、その内容がMLD装置1の動作に反映される。これによりMLD装置1は、アプリの種類に応じた、種々の用途に利用することが可能となっている。
CPU18は、インストールされているソフトウェア(プログラム)に基づいて、MLD装置1の各部を制御する。なおMLD装置1は、各アプリに共通した利用環境を提供する基本ソフトウェア(OS[Operating System]に相当するもの)が記録されており、更に利用目的に応じて、適切なアプリがインストールされることになる。また表示制御部17は、CPU18の指示に従い、各表示画面(12、13)に画像が形成されるように、各表示画面(12、13)に設けられた各画素の光の透過度合を調整する。
ここで、MLD装置1が画像表示のために用いる画像データのフォーマットについて、図13を参照しながら説明する。図13に示すように、MLD装置1において用いられる画像データPICは、第1表示画面12に表示させる部分PIC−1が左側に、第2表示画面13に表示させる部分PIC−2が右側に、それぞれ並べられたフォーマットとなっている。なお画像データPICのサイズは、各表示画面(12、13)やタッチパネル11のサイズと整合するように設定されており、本実施形態では一例として、横1600×縦600ドットであるとする。これにより各表示画面(12、13)には、横800×縦600ドットの画像が表示されることとなる。
画像データPICは、AV信号入力インタフェース22から入力される。そして、表示制御部17において、左半分のデータと右半分のデータが分離される。すなわち、第1表示画面12用のデータと、第2表示画面13用のデータとに分離され、そして、各表示画面12、13に画像が表示される。なお、画像データPICが、第1、第2表示画面用のデータを合成させた構成としているのは、第1、第2表示画面に表示される画像の同期を容易にすることが目的である。
[MLD装置の基本動作について]
CPU18は、基本ソフトウェアに基づいた演算や各部の制御を行う。これによりMLD装置1は、各種アプリの実行の際に共通して必要となる、基本動作を実行するようになっている。基本動作には、指示に応じた電源のON/OFFの切替動作、操作対象画面(各表示画面のうち、操作の対象とするもの)上の任意位置を指定するタッチ操作(以下、「指定操作」と称することがある)を認識する動作、操作対象画面の設定方式の更新動作、および操作対象画面の切替の動作などが含まれる。
ここで、基本動作の一つである、指定操作を認識する動作について、以下に説明する。指定操作を受付けるべき期間において、CPU18は、指等がタッチパネル11に接触することを監視する。そして指等が接触したら、CPU18はこの接触を、操作対象画面に対するタッチ操作としての、指定操作として認識する。この指定操作は、操作対象画面における、指等が接触した位置に対応する位置(層方向に重なる箇所)を指定する操作である。
例えば図14に示すように、ユーザの指がタッチパネル11におけるPTの位置に接触したとき、第1表示画面12が操作対象画面である場合には、第1表示画面12におけるPT−1の位置が指定されたと認識され、第2表示画面13が操作対象画面である場合には、第2表示画面13におけるPT−2の位置が指定されたと認識される。なおPT−1およびPT−2の位置は、PTの位置と層方向に重なっている。
これによりユーザは、例えば、操作対象画面に表示されている画像の一部を指定すべき状況において、あたかもその部分に触れるような感覚で、当該指定を行うことが可能となっている。なお、指定操作の情報がどのように扱われるかについては、そのときに実行されているアプリによることとなる。
次に、操作対象画面の設定方式の更新動作について、以下に説明する。CPU18は、操作対象画面の設定方式の更新指示を、継続的に待機するようになっている。
なお操作対象画面の設定方式としては、「可変」、「手前側の画面に固定」、および「奥側の画面に固定」の3通りが用意されており、MLD装置1においては、何れか一つが有効に設定される。またユーザは適宜、操作ボタン19の所定操作を通じて、これらのうちの一つを任意に指定することが可能となっている。
そして現在有効である設定方式と異なる設定方式が指定されたとき、CPU18は、操作対象画面の設定方式の更新指示(指定した設定方式に更新させるための指示)がなされたとみなす。
ここで「可変」の設定方式は、操作対象画面の切替操作(後述する、特定のタッチ操作)がなされる度に、操作対象画面が切替えられるようにする設定方式である。また「手前側の画面に固定」の設定方式は、操作対象画面を第1表示画面12(手前側の表示画面)に固定し、操作対象画面の切替操作を受付けないようにする設定方式である。また「奥側の画面に固定」の設定方式は、操作対象画面を第2表示画面13(奥側の表示画面)に固定し、操作対象画面の切替操作を受付けないようにする設定方式である。
操作対象画面の設定方式の更新指示がなされたら、CPU18は、この指示に従って、有効とする操作対象画面の設定方式を更新する。これによりユーザは、使用されるアプリの種類等に応じて、所望の設定方式を有効にすることが可能となっている。
なお、操作対象画面の設定方式の更新指示が、何らかのタッチ操作によって実現されるようになっていると、例えばユーザがこのタッチ操作を無意識に行ってしまうことにより、意図に反して操作対象画面に固定される表示画面が更新されたり、固定が解除されたりするおそれがある。この点、MLD装置1は、タッチパネル11とは別に設けられた操作ボタン19(情報受付手段の一形態)の所定操作を、設定方式の更新指示として受付ける。
このようにMLD装置1は、操作ボタン19の操作を通じて任意の表示画面(12、13)の指定を受付け、操作対象画面を、この指定のなされた表示画面に固定するようになっている(但し、「可変」が指定されたときは、操作対象画面を固定しない)。そのためMLD装置1は、意図に反して操作対象画面に固定される表示画面が更新されたり、固定が解除されたりすることが、極力防止されるようになっている。但し、設定方式の更新指示が、何らかのタッチ操作によって実現されるようにすることも可能である。
次に、操作対象画面の切替の動作について、図15に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。CPU18は、操作対象画面が固定されていない(つまり有効な操作対象画面の設定方式が「可変」である)状況では(ステップS41のN)、タッチパネル11の任意位置に指等が触れる度に、接触時間をカウントするようになっている。ここで接触時間は、指等が、タッチパネル11の一定位置に(つまり、タッチパネル11上を動くことなく)、継続して触れている時間のことである。指等がタッチパネル11から離れたり、タッチパネル11上を動いたりしたときは、接触時間は途切れることになる。
そしてCPU18は、接触時間が予め設定されている時間についての閾値(例えば3秒)に達すると(ステップS42のY)、操作対象画面を他方の表示画面に切替える(ステップS43)。すなわち接触時間が閾値に達した場合、今回のタッチパネル11への接触が、操作対象画面を切替えるためのタッチ操作(切替操作)と認識される。そしてこの切替操作がなされたら、操作対象画面が、第1表示画面12と第2表示画面13との間で切替えられる。
なお接触時間が閾値に達しなかった場合(ステップS42のN)、或いは、操作対象画面が固定されている(つまり有効な操作対象画面の設定方式が「可変」以外である)場合には(ステップS41のY)、今回の接触は切替操作とは認識されない(但し、指定操作と認識される可能性はある)。
ステップS41からS43の一連の動作が実行されることにより、ユーザは、いわゆる長押しのタッチ操作(特定のタッチ操作)を行い、操作対象画面を切替させることが可能となっている(但し、操作対象画面が固定されている場合を除く)。また閾値の具体的な値については、ユーザの意に反して、タッチ操作が切替操作と認識されてしまうことがないように、適切な値(通常行われるタッチ操作に比べ、十分に長い時間)に設定されることが望ましい。
また接触時間が閾値に達したとき、そのときの接触(タッチ操作)は、操作対象画面を切替えるための切替操作と認識されるとともに、指定操作(指等が触れていた箇所に対応した操作対象画面上の位置を、指定する操作)としても、認識されるようにしても構わない。このようにすれば、ユーザは、切替操作と指定操作を同時に行う場合に、それぞれのためのタッチ操作を別個に行う必要がない。
例えば、第1表示画面12が操作対象画面であって、図14に示すPT−2の位置(第2表示画面13上の位置)を指定すべき状況である場合、ユーザは、タッチパネル11上のPTの位置を、一度だけ長押しすれば良い。このように操作されると、操作対象画面が第2表示画面13に切替えられた上で、更に、PTに重なっているPT−2の位置が指定されたと認識されるため、目的が達せられることになる。なお、固定モードの場合、S42における接触時間のカウントは行われず、ユーザのタッチパネルの操作内容にかかわらず、操作対象画面は切り替わらない。
なおこのときにMLD装置1が行う動作は、切替前の操作対象画面における任意位置(例えばPT−1)の指定を、切替後の操作対象画面における当該位置と層方向に重なる位置(例えばPT−2)の指定とみなす動作であるとも言える。またこの動作は、画像データPIC上の任意位置の指定を、800ドット分だけ横方向にずらした位置の指定とみなす動作に相当する。
[各種アプリに応じた動作例について]
次に、各種アプリのインストールされたMLD装置1が、そのアプリに基づいて実行する動作について、幾つかの具体例を挙げながら以下に説明する。まず、MLD装置1を擬似的なスロットマシン(パチスロ機)として利用できるようにするアプリが、MLD装置1にインストールされているケースについて説明する。
MLD装置1が本アプリに基づいて動作するとき、まず初期状態として、各表示画面(12、13)に、図16に示すような画像が表示された状態となる。より具体的には、第1表示画面12には、スロットマシンのレバーP11、3個のストップボタンP12、およびコイン枚数P13などが表示される。また第1表示画面12の一部には、空白(より奥側の表示状態が、そのまま透けて見える状態)が設けられている。
第2表示画面13には、3個のシンボル(図柄)P14が表示され、その他の部分は空白となっている。各シンボルP14は、第1表示画面12に設けられた空白と、重なる位置に配置されている。また3個のストップボタンP12の各々は、3個のシンボルP14の各々に対応するように表示されている。
MLD装置1はこの状態において、レバーP11を指定する指定操作がなされると、コイン枚数P13を所定値だけ減らし、あたかもリールが回転していると見えるように、シンボルP14の表示状態を継続的に変化させる。MLD装置1は、更にこの状態において、ストップボタンP12を指定する指定操作がなされると、そのストップボタンP12に対応したシンボルP14の表示状態を固定する。MLD装置1は、全てのシンボル14の表示状態が固定されると、シンボル14の揃い具合に応じてコイン枚数P13の値を増大させ、初期状態に戻る。
以降、MLD装置1は、同様の動作を繰返し実行する。これによりユーザは、MLD装置1を、擬似的なスロットマシンとして利用することが可能となっている。また二つの表示画面(12、13)を用いてスロットマシンが表現されるため、ユーザは、より立体感のある画像を見ることが可能となっている。
ここで本アプリの利用の際に行われるタッチ操作は、基本的に、レバーP11を指定する指定操作、および押しボタンP12を指定する指定操作に限られている。そのため、第2表示画面13に対するタッチ操作は、行われることがないと考えられる。そこでMLD装置1を、専ら本アプリを実行させて利用するような場合には、先述した操作対象画面の設定方式については、「手前側の画面に固定」を有効に設定しておくことが望ましい。これにより、操作対象画面が、意に反して第2表示画面13に切替ってしまうことを、未然に防ぐことが可能となる。
次に、MLD装置1をカーナビゲーションシステム(カーナビ)用の表示装置として利用できるようにするアプリが、MLD装置1にインストールされているケースについて説明する。
MLD装置1が本アプリに基づいて動作するとき、まず初期状態として、第2表示画面13に、図17に示すような画像が表示された状態となる。より具体的には、現在地(車の位置)を中心とした地図が、第2表示画面13に表示された状態となる。なお地図などの情報は本アプリに含まれており、予めMLD装置1に記録されている。また最新の現在地の情報(例えばGPSを利用して得られたもの)は、MLD装置1に継続的に伝送されるようになっている。また初期状態では、第1表示画面12は全体的に空白となっている。
MLD装置1はこの状態において、当該地図上の任意の地点を指定する指定操作がなされると、指定された地点を中心とした拡大対象領域(地図上の領域)を特定し、第1表示画面12に、この拡大対象領域の拡大図を表示させる。より具体的には図18に示すように、拡大対象領域として領域A11が特定された場合、第1表示画面12にフレームF11(第1表示画面12の一部の領域)が設けられ、フレームF11の中に領域A11の拡大図が表示される。
なお、拡大図をより見易くするべく、第2表示画面13におけるフレームF11に重複する領域は、表示が薄くなる、或いは空白となるようにしても構わない。またフレームF11が設けられることなく、拡大対象領域の拡大図は、第1表示画面12の全域を使って表示されるようにしても構わない。
MLD装置1は、第1表示画面12に拡大図を表示させた後、例えば一定時間が経過すると、第1表示画面12の全域を空白に戻し、初期状態とする。以降、MLD装置1は、同様の動作を繰返し実行する。これによりユーザは、MLD装置1を、カーナビ用の表示装置として利用することが可能となっている。またMLD装置1は、奥側の表示画面に地図を表示しつつ、必要に応じて、その拡大図を手前側の表示画面に浮き出すように表示し、立体感のある画像表示を行うものとなっている。
ここで本アプリの利用の際に行われるタッチ操作は、基本的に、地図上の任意の地点を指定する指定操作に限られている。そのため、第1表示画面12に対するタッチ操作は、行われることがないと考えられる。そこでMLD装置1を、専ら本アプリを実行させて利用するような場合には、先述した操作対象画面の設定方式については、「奥側の画面に固定」を有効に設定しておくことが望ましい。これにより、操作対象画面が、意に反して第1表示画面12に切替ってしまうことを、未然に防ぐことが可能となる。
なおMLD装置1は、第1表示画面12に拡大図が表示されている状態において、この拡大図に対する何らかのタッチ操作を、受付けるようになっていても構わない。例えば、拡大図の任意の地点を指定する指定操作がなされると、表示される拡大図が、指定された地点を中心としたものに更新されるといった具合である。
この場合は、操作対象画面の設定方式について「可変」を有効に設定しておけば、ユーザが操作対象画面の切替操作を適宜行い、拡大図(第1表示画面12の一部)に対する指定操作を行うことも可能となる。
また操作対象画面の設定方式について「奥側の画面に固定」が有効に設定されていても、第1表示画面12に拡大図が表示されており、かつ、フレームF11内に対応する位置に指等が接触したときに限り、この接触が、第1表示画面12に対する指定操作とみなされるようにしても良い。すなわち、操作対象画面が第2表示画面13に固定されていても、拡大図が表示されている状況でなされた、フレームF11内に対応した位置への接触によるタッチ操作については、第1表示画面12に対する操作として認識されるようにしても良い。このことは、例えば基本ソフトウェアの内容の一部が、本アプリによって適切に修正されるようにすることで、実現可能となる。この場合も、ユーザによる、拡大図に対する指定操作が可能となる。
次に、MLD装置1を施設案内板(利用客などへの施設の案内に使われる装置)として利用できるようにするアプリが、MLD装置1にインストールされているケースについて説明する。
MLD装置1が本アプリに基づいて動作するとき、まず初期状態として、第2表示画面13に、図19に示すような画像が表示された状態となる。より具体的には、所定の商業施設(商店街など)における各店舗(図19では、A店〜G店が示されている)などの位置を表す地図が、第2表示画面13に表示された状態となる。なお地図などの情報は本アプリに含まれており、予めMLD装置1に記録されている。また初期状態では、第1表示画面12は全体的に空白となっている。
また本アプリには、当該商業施設における店舗ごとの詳細情報(画像の情報)も含まれている。各詳細情報は、当該地図における、その店舗が示されている位置に対応付けられている。そしてMLD装置1はこの状態において、当該地図上の任意の店舗(店舗を示している箇所)を指定する指定操作がなされると、第1表示画面12に、指定された店舗の詳細情報を表示させる。より具体的には図20に示すように、第1表示画面12にフレームF12(第1表示画面12の一部の領域)が設けられ、フレームF12の中に指定された店舗(図20は、A店が指定されたケースとなっている)の詳細情報が表示される。
なお、詳細情報をより見易くするべく、第2表示画面13におけるフレームF12に重複する領域は、表示が薄くなる、或いは空白となるようにしても構わない。またフレームF12が設けられることなく、詳細情報が、第1表示画面12の全域を使って表示されるようにしても構わない。
MLD装置1は、第1表示画面12に詳細情報を表示させた後、例えば一定時間が経過すると、第1表示画面12の全域を空白に戻し、初期状態とする。以降、MLD装置1は、同様の動作を繰返し実行する。これによりユーザは、MLD装置1を、施設案内板として利用することが可能となっている。またMLD装置1は、奥側の表示画面に各店舗の位置などを表す地図を表示しつつ、必要に応じて、店舗の詳細情報を手前側の表示画面に浮き出すように表示し、立体感のある画像表示を行うものとなっている。
ここで本アプリの利用の際に行われるタッチ操作は、基本的に、地図上の任意の店舗を指定する指定操作に限られている。そのため、第1表示画面12に対するタッチ操作は、行われることがないと考えられる。そこでMLD装置1を、専ら本アプリを実行させて利用するような場合には、先述した操作対象画面の設定方式については、「奥側の画面に固定」を有効に設定しておくことが望ましい。これにより、操作対象画面が、意に反して第1表示画面12に切替ってしまうことを、未然に防ぐことが可能となる。
なおMLD装置1は、第1表示画面12に店舗の詳細情報が表示されている状態において、この詳細情報に対する何らかのタッチ操作を、受付けるようになっていても構わない。例えば、詳細情報が複数ページに亘る場合、フレームF12内の任意の位置を指定する指定操作がなされると、次のページの詳細情報が表示されるといった具合である。
この場合は、操作対象画面の設定方式について「可変」を有効に設定しておけば、ユーザが操作対象画面の切替操作を適宜行い、フレームF12内(第1表示画面12の一部)に対する指定操作を行うことも可能となる。
また操作対象画面の設定方式について「奥側の画面に固定」が有効に設定されていても、第1表示画面12に店舗の詳細情報が表示されており、かつ、フレームF12内に対応する位置に指等が接触したときに限り、この接触が、第1表示画面12に対する指定操作とみなされるようにしても良い。すなわち、操作対象画面が第2表示画面13に固定されていても、詳細情報が表示されている状況でなされた、フレームF12内に対応した位置への接触によるタッチ操作については、第1表示画面12に対する操作として認識されるようにしても良い。このことは、例えば基本ソフトウェアの内容の一部が、本アプリによって適切に修正されるようにすることで、実現可能となる。この場合も、ユーザによる、フレームF12内に対する指定操作が可能となる。
MLD装置1にインストールされるアプリとしては、上述したものの他、例えばMLD装置1をATM[Automated Teller Machine]のユーザインタフェース(ATM端末)として機能させるアプリ等、種々のものが挙げられる。MLD装置1をATM端末として用いる場合、操作対象画面を第1表示画面12に固定するようにしても良い。またMLD装置1に、予め複数種のアプリをインストールしておき、実行されるアプリが適宜変更できるようにしておいても構わない。
[別の形態の切替操作について]
本実施形態のMLD装置1は、操作対象画面を切替えるための切替操作として、長押しのタッチ操作を受付けるようになっていたが、指定操作と誤って認識されないように配慮されていれば、別の形態のタッチ操作を受付けるようにしても構わない。以下に、いわゆるスライドのタッチ操作を切替操作として受付けるようにした場合の、操作対象画面の切替の動作について、図22に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
CPU18は、操作対象画面が固定されていない状況において(ステップS51のN)、現在の操作対象画面が第1表示画面12である場合には(ステップS52の「第1表示画面」)、タッチパネル11の右端に達するスライドの操作がなされたかを監視する(ステップS53)。すなわち、指等がタッチパネル11に触れたまま、タッチパネル11の右端(外縁の一辺)まで動かされたかが監視される。
そして当該操作がなされた場合には(ステップS53のY)、CPU18は、操作対象画面を第2表示画面13に切替える(ステップS54)。すなわち右端に達するスライドの操作が、操作対象画面を切替えるためのタッチ操作(切替操作)と認識される。
一方、現在の操作対象画面が第2表示画面13である場合には(ステップS52の「第2表示画面」)、タッチパネル11の左端に達するスライドの操作がなされたかを監視する(ステップS55)。すなわち、指等がタッチパネル11に触れたまま、タッチパネル11の左端(外縁の一辺であり、右端の対辺と見ることも出来る)まで動かされたかが監視される。
そして当該操作がなされた場合には(ステップS55のY)、CPU18は、操作対象画面を第1表示画面12に切替える(ステップS54)。すなわち左端に達するスライドの操作が、操作対象画面を切替えるためのタッチ操作(切替操作)と認識される。
上述したステップS51からS55の一連の動作によれば、タッチパネル11の右端に達するスライドの操作がなされると、操作対象画面が第2表示画面13に切替えられ、タッチパネル11の左端に達するスライドの操作がなされると、操作対象画面が第1表示画面12に切替えられる。
そのためユーザにとっては、図21に示すように、第1表示画面12の表示内容が左側に、第2表示画面13の表示内容が右側にそれぞれ配置された、一つの画像をイメージしながら、切替操作を行うことが可能となっている。すなわちユーザは、例えば、当該画像中の指定可能な領域を左側から右側に移動させるイメージの切替操作(タッチパネル11の右端に達するスライドの操作)を行い、このイメージ通りの結果(実際には、操作対象画面が、第2表示画面13に切替る)を得ることが可能となっている。
その結果、ユーザは、切替操作をより直感的に行うことが可能となる。なおここでは、
第1表示画面12の表示内容が左側に、第2表示画面13の表示内容が右側にそれぞれ配置された画像を、ユーザにイメージさせるようにしているが、左右が逆であっても構わず、各表示内容が上下方向に配置された画像をイメージさせる(切替操作を、タッチパネル11の上下の端に達するスライドの操作とする)ようにしても構わない。
またMLD装置1は、タッチパネル11に対する操作が、タッチパネル11の中央部から外縁部に移動するものであるとき、画像データPIC(合成画像データ)上の操作対象位置に応じて、操作対象位置ならびに操作対象画面を設定するようになっていても良い。
3.その他
以上までに説明した通り、各実施形態のMLD装置1は、複数の表示画面が層状に配置され、これらの表示画面の各々に画像を表示させることにより、各画像が合わさって形成された画像を層方向の手前側に向けて表示するものとなっている。またMLD装置1は、複数の表示画面より手前側に、これらの表示画面の各々と層方向に重なるように配置され、ユーザによるタッチ操作を受付けるタッチパネル11を備えている。
そして更にMLD装置1は、タッチ操作を操作対象画面に対する操作として認識する機能部(操作認識部)と、所定の切替操作に応じて、操作対象画面を他の表示画面に切替える機能部(画面切替部)と、操作対象画面の切替がなされないように、操作対象画面を指定された表示画面に固定する機能部(画面固定部)と、を備えている。
そのためMLD装置1によれば、切替操作に応じて操作対象画面が切替えられ、複数の表示画面の各々に対するタッチ操作が可能となっている。そして更にMLD装置1によれば、操作対象画面を固定させることにより、操作対象画面の無用な切替を未然に回避することが可能となっている。
なお先述したように、カーナビ用の表示装置として利用される場合、MLD装置1は、第2表示画面13に地図(メイン画像)を表示させる。そしてMLD装置1は、第2表示画面13に対するタッチ操作としてタッチパネル11が触れられたとき、この触れられた位置に対応した当該地図の拡大図を、第1表示画面12に表示させるようになっている。
また先述したように、施設案内板として利用される場合、MLD装置1は、第2表示画面13に地図(メイン画像)を表示させる。そしてMLD装置1は、第2表示画面13に対するタッチ操作としてタッチパネル11が触れられたとき、この触れられた位置に対応した地図に対応付けられている詳細情報の画像を、第1表示画面12に表示させるようになっている。
これらの例のように、第1表示画面12に対するタッチ操作のニーズが無い場合(拡大図或いは詳細情報の画像に対する、タッチ操作がなされる場合等を除く)は、操作対象画面を第2表示画面13に固定させておくことにより、操作対象画面の無用な切替が未然に回避される。
以上の通り、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。例えば第2実施形態において、MLD装置1は図13に示すフォーマットの画像データを用いるものとしたが、これに限定されることなく、他のフォーマットの画像データが用いられるようにしても構わない。また本発明を実施するにあたっては、本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の変形を加えることが可能である。