JP5153745B2 - 発光素子付光導波路、および、それを備えた光学式タッチパネル - Google Patents

発光素子付光導波路、および、それを備えた光学式タッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、一つの発光素子から複数の光線を生成するための新規な分岐構造を有する発光素子付光導波路に関する。また、その発光素子付光導波路を備えた光学式タッチパネルに関する。
従来、一つの発光素子から複数の光線を生成するための分岐構造を有する発光素子付光導波路が知られている(例えば、特許文献1)。この種の発光素子付光導波路は、光学式タッチパネルの座標入力領域に光線を出射するために、好適に用いられる。
図8に従来の分岐構造を有する、発光素子付光導波路40を示す。従来の発光素子付光導波路40は、発光素子41からの光を各分岐路46に分配するため、分岐点42が、コア43の主路44の導光方向45に直交する方向に設けられている。
このような構造の発光素子付光導波路40は、隣り合う分岐路46の間に間隙47が必要であるため、主路44の幅Wが広くなるという問題があった(間隙47にはクラッド層が充填されている)。また、各分岐路46の長さの差が大きいため、分岐路46間の光伝送効率に差が生じやすく、各分岐路46から出射される光の強度が不均一になりやすいという問題もあった。
米国特許公開2006/0188198号
従来の分岐構造を有する発光素子付光導波路40は、分岐点42が、主路44の導光方向45に直交する方向に設けられているため、主路44の幅Wが広いという課題がある。また、各分岐路46の長さの差が大きいため、各分岐路46から出射される光の強度が不均一になりやすいという課題がある。
本発明の目的は、従来よりも主路の幅が狭く、各分岐路から出射される光線の強度が均一である構造をもった、発光素子付光導波路を実現することである。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)本発明の発光素子付光導波路は、発光素子と、発光素子からの光を導いて複数の光線を生成するコアを含む光導波路とを有する発光素子付光導波路である。コアは、主路と、主路から複数の分岐点で分岐した複数の分岐路とを有する。主路は対向する二辺を有し、二辺のうち一辺は分岐点を備え、他辺は分岐点を備えない。複数の分岐点は、発光素子からの光が入射される主路の入射端面に直交する方向とほぼ平行な直線上に設けられる。「ほぼ平行」とは、各分岐点の載る直線と主路の入射端面に直交する方向との、真の平行方向からの外れが、0.1°未満であることをいう。主路は、発光素子から遠ざかるにしたがって幅が細くなる。分岐点を備えない他辺と、主路の入射端面に直交する方向とのなす角度θは、0.3°〜1.7°である。
(2)本発明の光学式タッチパネルは、本発明の発光素子付光導波路を備える。
本発明によれば、発光素子付光導波路のコアの主路の最大幅を、従来の発光素子付光導波路の主路の最大幅よりも、例えば40%以上狭くすることができる。本発明の発光素子付光導波路の主路は2つの辺を有し、1つの辺は分岐点を備え、他の辺は分岐点を備えていない。本発明の発光素子付光導波路は、分岐点を備えていない側の辺と、主路の入射端面に直交する方向とのなす角度θを、0.3°〜1.7°の範囲にすることにより、各分岐路から出射される光線の強度を均一にすることが出来る。
本発明の光学式タッチパネルは、本発明の発光素子付光導波路を用いることにより、いわゆる額縁部分を狭くすることができる。
本発明の発光素子付光導波路の説明図 本発明の光学式タッチパネルの説明図 (a)本発明の発光素子付光導波路の一例の説明図、(b)本発明の発光素子付光導波路の他例の説明図 光導波路内での光の伝播を示す説明図 受光素子付光導波路の説明図 本発明の発光素子付光導波路の光強度を測定するための構成図 本発明の発光素子付光導波路の実施例1の光強度分布グラフ 従来の発光素子付光導波路の説明図
[発光素子付光導波路]
図1に示すように、本発明の発光素子付光導波路10は、発光素子11と光導波路12を有する。光導波路12は発光素子11からの光を導くコア13を含む。コア13は主路14と複数の分岐路15を有する。各分岐路15は各分岐点16で主路14から分岐する。主路14は2つの辺14a、14bを有し、1つの辺14aは分岐点16を備えているが、他の辺14bは分岐点16を備えていない。
この構造の発光素子付光導波路10は、隣り合う分岐路15の間に、従来のような間隙を置く必要が無いため、主路14の最大幅Wを狭くすることができる。また、各分岐路15の長さの差が少ないため、各分岐路15間の光伝送効率に差が生じにくく、各分岐路15から出射される光の強度を均一にすることができる。
[光学式タッチパネル]
好ましい実施形態において、図2に示すように、本発明の発光素子付光導波路10は、光学式タッチパネル20の発光側光導波路21および発光素子22として用いられる。
光学式タッチパネル20は、座標入力領域23と、発光側光導波路21と、発光素子22と、受光側光導波路24と、受光素子25とを備える。発光側光導波路21は、座標入力領域23を横断する光線26を生成する。受光側光導波路24は、座標入力領域23を横断した光線26を受光する。受光素子25は、受光側光導波路24で受光した光線26の強度を検出する。
光学式タッチパネル20は、座標入力領域23を通過する光線26の一部を指やペンなどで遮断すると、受光素子25の一部に入る光の強度が低下するため、指やペンなどの位置座標を認識することができる。
従来の光導波路を発光側光導波路として用いた場合、例えば、対角12.1インチの光学式タッチパネルで3mm程度の解像度を得るためには、コアの主路の幅は、約170本の分岐路と、各分岐路間の間隙の合計となる。
一方、本発明の発光素子付光導波路10を、同じ対角12.1インチの光学式タッチパネルに用いた場合、各分岐路15間の間隙が必要ないため、コア13の主路14の幅Wは、従来品と比較して最大で40%以上も狭くすることができる。
[発光素子]
本発明の発光素子付光導波路10に用いられる発光素子11は、光導波路12を通って座標入力領域23を横断する光線26を生成するものであれば、任意のものが用いられる。
発光素子11は、好ましくは、発光ダイオードまたは半導体レーザーであり、さらに好ましくは、VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)である。VCSELは、基板の垂直方向に光を共振させ、基板の垂直方向に光を出射させるため、光伝送に優れる。
発光素子11から出射される光の波長は、好ましくは、近赤外線領域(700nm〜2500nm)のいずれかである。
[光導波路]
本発明の発光素子付光導波路10に用いられる光導波路12は、発光素子11からの光を導いて複数の光線を生成するコア13を含む。コア13の主路14側の入射端面14cは、通常、発光素子11と光学的に結合され、発光素子11からの光が入射される(光結合という)。
光結合の方法は、特に制限はないが、例えば、発光素子11の光強度分布の中心位置とコア13の中心が一致するように調整する方法や、光路変換ミラーを用いる方法がある。光路変換ミラーとしては、例えば、ダイシング加工で形成されたV型の溝が用いられる。
コア13は、主路14と複数の分岐路15を有する。各分岐路15は、各分岐点16で主路14から分岐する。主路14は2つの辺14a、14bを有し、1つの辺14aは複数の分岐点16を備えているが、他の辺14bは分岐点16を備えていない。
本明細書において「分岐点16」とは、隣り合う分岐路15の側壁が合流する部分をいう。また、「導光方向17」とは、図4に示すように、コア13内を伝播する光19の進行方向をいうが、以下の説明では、図1に示すように、コア13から分岐路15が分岐する前の主路14内での光の進行方向のうち主路14の入射端面14cに直交する方向のことを指すものとする
コア13の主路14の最大幅Wは、光学式タッチパネルの大きさにもよるが、例えば、500μm〜10,000μmである。主路14の高さ(厚さ)は、好ましくは、30μm〜100μmである。
図3(a)および図3(b)に示すように、各分岐点16は、一直線上に載っており、その直線は、主路14の導光方向17にほぼ平行である。「ほぼ平行」とは、各分岐点16の載る直線と主路14の導光方向17との、真の平行方向からの外れが、0.1°未満であることをいう。
各分岐点16の載る直線が、主路14の導光方向17にほぼ平行であるような光導波路12の構造として、例えば、図3(a)に示すような、主路14の、分岐点16を備えた辺14aが、導光方向17に平行でない構造がある。また、例えば、図3(b)に示すような、主路14の、分岐点16を備えた辺14aが、導光方向17にほぼ平行な構造がある。
主路14は、主路14の導光方向17に沿って、発光素子11から遠ざかるにしたがい、幅が細くなる。主路14の、分岐点16を備えない側の辺14bと、主路14の導光方向17とのなす角度θは、0.3°〜1.7°であり、好ましくは0.3°〜1.5°であり、さらに好ましくは0.4°〜1.0°である。
主路14の、分岐点16を備えない側の辺14bと主路14の導光方向17とのなす角度θが0.3°未満であると、各分岐路15から出射される光線の強度を均一にすることが難しい。
また、前記の角度θが1.7°を超えると、主路14の最大幅Wが広くなり、従来の分岐構造を有する発光素子付光導波路40の主路44の幅Wに近くなるため、本発明の効果が十分に得られない。
主路14の、分岐点16を備えない側の辺14bと、主路14の導光方向17とのなす角度θを、0.3°〜1.7°とすることにより、各分岐路15から出射される光線の強度を均一にすることと、主路14の最大幅Wを狭くすることを両立させることができる。
1つの主路14から枝分かれする分岐路15の本数は、光学式タッチパネルの大きさにもよるが、好ましくは、40本〜500本である。隣り合う分岐点16の、導光方向17の間隔は、好ましくは、100μm〜1,000μmである。コア13(主路14および分岐路15)の断面形状は、特に制限はないが、パターニング性に優れた台形または矩形が好ましい。このような構成の光導波路12は、光線の出射特性が優れている。
コア13は、通常、クラッド層18に埋設され、クラッド層18よりも屈折率の高い材料により形成される。コア13を形成する材料は、好ましくは、パターニング性の優れた紫外線硬化樹脂である。
紫外線硬化樹脂としては、アクリル系紫外線硬化樹脂、エポシキ系紫外線硬化樹脂、シロキサン系紫外線硬化樹脂、ノルボルネン系紫外線硬化樹脂、ポリイミド系紫外線硬化樹脂などが挙げられる。
クラッド層18は、通常、コア13よりも屈折率の低い材料により形成される。クラッド層18の材料は、ガラス、シリコン、金属、樹脂など、特に制限はない。クラッド層18は単層でもよいし、多層でもよい。クラッド層18が2層の場合は、アンダークラッド層とオーバークラッド層とから形成される。クラッド層18の厚みtは、好ましくは、5μm〜20μmである。
コア13とクラッド層18との最大屈折率差は、好ましくは、0.01以上であり、さらに好ましくは、0.02〜0.2である。コア13およびクラッド層18を形成する樹脂の屈折率は、樹脂に導入する有機基の種類や含有量によって、適宜増加ないし減少させることができる。
例えば、環状芳香性の基(フェニル基など)を樹脂分子中に導入するか、あるいは、環状芳香性の基の、樹脂分子中の含有量を増大させることにより、樹脂の屈折率を増大させることができる。
他方、例えば、直鎖または環状脂肪性の基(メチル基、ノルボルネン基など)を樹脂分子中に導入するか、あるいは、直鎖または環状脂肪性の基の、樹脂分子中の含有量を増大させることにより、樹脂の屈折率を減少させることができる。
光導波路12の構造は、プラズマを用いたドライエッチング法、転写法、露光現像法、フォトブリーチ法などの任意の方法により、作製することができる。
[座標入力領域]
本発明において座標入力領域23とは、発光側光導波路21から生成される光線26が横断する領域をいう。本発明の光学式タッチパネル20は、座標入力領域23を横断する光線26を、指やペンで遮ることにより、座標入力を行なう。
座標入力領域23は、代表的には、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイの表示画面である。座標入力領域23の前面は空間でもよいし、耐傷性を増すために、表面にガラス板やアクリル板を備えてもよい。ガラス板やアクリル板の表面には、AR(アンチリフレクション)処理やAG(アンチグレア)処理が施されていてもよい。
[受光側光導波路]
本発明に用いられる受光側光導波路24は、座標入力領域23を横断した光線26を受光するものであれば、特に制限はない。図5に示すように、受光素子付光導波路30は、好ましくは、複数のコア31と、コア31を埋設するクラッド層34とを有する。受光素子付光導波路30において、コア31の一方の端部は座標入力領域23に向けて配置され、コア31の他方の端部は、受光素子33と光学的に結合される。
光導波路を用いた光学式タッチパネルの解像度は、原理上、受光素子33に光学的に結合(光結合)する受光側光導波路32のコア31の本数によって決まる。このため、コア31は複数本必要である。しかし、発光側光導波路12は、座標入力領域23に平行光26を出射できればよいので、発光素子11と光結合する部分のコア13の主路14は1本でよい。
[受光素子]
本発明に用いられる受光素子33は、光信号を電気信号に変換する機能を有し、受光側光導波路32で受光した光の強度を検出する。受光素子33により検出される光の波長は、好ましくは、近赤外線領域(700nm〜2500nm)のいずれかである。
受光素子33の構造は、受光部(例えばフォトダイオード)を横一列に並べた、一次元イメージセンサが好ましい。このような受光素子33としては、CMOSイメージセンサや、CCDイメージセンサが挙げられる。
[実施例1]
<クラッド層形成用ワニス調製>
(成分A)脂環骨格を有するエポキシ系紫外線硬化樹脂(アデカ社製EP4080E) 100重量部
(成分B)光酸発生剤(サンアプロ社製CPI−200K) 2重量部
上記の成分を混合してクラッド層形成用ワニスを調製した。
<コア形成用ワニスの調製>
(成分C)フルオレン骨格を含むエポキシ系紫外線硬化樹脂(大阪ガスケミカル社製オグソールEG) 40重量部
(成分D)フルオレン骨格を含むエポキシ系紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製EX−1040) 30重量部
(成分E)1,3,3−トリス(4−(2−(3−オキセタニル))ブトキシフェニル)ブタン 30重量部(特開2007−070320実施例2に準じて合成)
上記成分B 1重量部
乳酸エチル 41重量部
上記の成分を混合してコア形成用ワニスを調製した。
<発光素子付光導波路作製>
厚み188μmのポリエチレンナフタレートフィルムの表面に、クラッド層形成用ワニスを塗布し、紫外線を1,000mJ/cm照射し、次に80℃で5分間加熱処理をして、厚み20μmのアンダークラッド層を得た。波長830nmにおける、アンダークラッド層の屈折率は1.510であった。
アンダークラッド層の表面に、コア形成用ワニスを塗布し、100℃で5分間乾燥処理をして、コア層を形成した。次に、所定のパターンが印刷されたフォトマスクをコア層に被せて(ギャップ100μm)、紫外線を2,500mJ/cm照射し、さらに100℃で10分間加熱処理をした。
次にコア層の紫外線未照射部分を、γ−ブチロラクトン水溶液で溶解除去し、120℃で5分間加熱処理をして、コアのパターンを形成した。パターンニングされたコアは主路(最大幅2,780μm、高さ50μm)と、主路の導光方向(入射端面に直交する方向)に沿って、順次枝分かれした274本の分岐路(幅15μm、高さ50μm)とからなる。主路の、分岐点を備えた側の辺は、主路の導光方向(入射端面に直交する方向)に平行である(図3(b)の構造)。波長830nmにおける、コアの屈折率は1.592であった。
次に、コア全体を覆うように凹型モールド(石英製)を配置し、凹型モールドの内部にクラッド層形成用ワニスを充填した。凹型モールドの表面(外側)から、紫外線を2,000mJ/cm照射した後、80℃で5分間加熱処理をし、その後、凹型モールドを剥離した。これにより、先端部の側断面形状が、ほぼ1/4円弧状の凸レンズ(曲率半径1.5mm)であるような、厚み1mmのオーバークラッド層を形成した。波長830nmにおける、オーバークラッド層の屈折率は1.510であった。
次に、コアの主路側の入射端面に、波長850nmの光を出射する発光素子(オプトウェル社製VCSEL)を、紫外線硬化樹脂を介して結合し、発光素子付光導波路を作製した。
図1に示すように、この発光素子付光導波路10に含まれるコア13は、主路14と、主路14から枝分かれした複数の分岐路15とを有する。主路14は2つの辺14a、14bを有し、一方の辺14aには分岐点16があり、他方の辺14bには分岐点がない。主路14は、発光素子11に結合された入射端面14cから遠ざかるに従って、幅Wが狭くなる。主路14の、分岐点16を備えた側の辺14aは、主路14の導光方向17に平行である。主路14の、分岐点を備えていない側の辺14bと、主路14の導光方向17とのなす角度θは、0.6°である。
[実施例2]
フォトマスクを変更して、主路14の、分岐点を備えていない側の辺14bと、主路14の導光方向17とのなす角度θを、0.4°とした。これ以外は実施例1と同様にして、発光素子付光導波路10を作製した。
[実施例3]
フォトマスクを変更して、主路14の、分岐点を備えていない側の辺14bと、主路14の導光方向17とのなす角度θを、1.0°とした。これ以外は実施例1と同様にして、発光素子付光導波路10を作製した。
[比較例1]
フォトマスクを変更して、図8に示すような、主路44と、分岐点42が主路44の導光方向45に直交するように配置された274本の分岐路46とを含むコア43を形成した。コア43の主路44の最大幅Wは8,205μm、高さは50μmであり、分岐路46の幅は15μm、高さは50μmであり、隣り合う分岐路46間の間隙47は15μm(×273個)である。これ以外は実施例1と同様にして、発光素子付光導波路40を作製した。
[比較例2]
フォトマスクを変更して、主路14の、分岐点を備えていない側の辺14bと、主路14の導光方向17とのなす角度θを、0.2°とした。これ以外は実施例1と同様にして、発光素子付光導波路10を作製した。
[評価1]
実施例1〜3、および比較例1で得られた発光素子付光導波路の、コアの主路の最大幅を、表1に示す。実施例1〜3の発光素子付光導波路は、比較例1の発光素子付光導波路よりも、コア主路の最大幅が40%以上狭いことがわかる。
Figure 0005153745
[評価2]
<光強度測定用サンプル作製>
フォトマスクを変更し、コア31を図5の構造にして、受光素子付光導波路30を作製した。コア31の本数は274本であり、コア31の幅は15μmであり、高さは50μmである。これ以外は実施例1と同様にして、受光素子付光導波路30を作製した。
受光素子付光導波路30の、受光側光導波路32のコア31の末端に、受光素子33(浜松ホトニクス社製CMOSリニアセンサーアレイ)を、紫外線硬化樹脂を介して光結合した。
光強度を測定するため、図6に示すように、作製した発光素子付光導波路10と受光素子付光導波路30を、座標入力領域を介さず、直接対向させた。受光素子33の制御部を、フレキシブルプリント基板を介して、USB取り込みユニット(ナショナルインスツルメント社製)に接続し、USBポートを介して、光強度をモニター可能なコンピュータに接続した。
発光素子付光導波路10の発光素子11から、波長850μm、強度7μWの光を出射した。光は発光側光導波路12、受光側光導波路32を通過して、受光素子33に達し、図7に示すような光強度分布が検出された。
得られた光強度分布の有効領域(立ち上がり、立ち下がり部分を除いた領域)における、光強度のばらつき(最大値−最小値)を表2に示す。実施例1〜3の発光素子付光導波路は、比較例2の発光素子付光導波路より、各分岐路から出射される光の均一性に優れていることがわかる。
Figure 0005153745
[測定方法]
[屈折率]
クラッド層形成用ワニスとコア形成用ワニスを、それぞれシリコンウェハ上にスピンコートにより成膜して屈折率測定用サンプルを作製し、プリズムカプラー(サイロン社製)を用いて屈折率を測定した。
[コア幅、コア高さ]
作製した光導波路をダイサー式切断機(DISCO社製DAD522)を用いて断面切削し、切削面をレーザー顕微鏡(キーエンス社製)で観察して、コア幅、コア高さを測定した。
本発明の発光素子付光導波路を用いた光学式タッチパネルの用途は、特に制限はないが、パソコンモニター、ATM、ゲーム機、タブレットPCなどに用いられる。
10 発光素子付光導波路
11 発光素子
12 発光側光導波路
13 コア
14 主路
14a 主路の一辺
14b 主路の他辺
14c 主路の入射端面
15 分岐路
16 分岐点
17 導光方向
18 クラッド層
19 光
20 光学式タッチパネル
21 発光側光導波路
22 発光素子
23 座標入力領域
24 受光側光導波路
25 受光素子
26 光線
30 受光素子付光導波路
31 コア
32 受光側光導波路
33 受光素子
34 クラッド層
40 発光素子付光導波路
41 発光素子
42 分岐点
43 コア
44 主路
45 導光方向
46 分岐路
47 分岐路間の間隙

Claims (2)

  1. 発光素子と、前記発光素子からの光を導いて複数の光線を生成するコアを含む光導波路とを有する発光素子付光導波路であって、
    前記コアは、主路と、前記主路から複数の分岐点で分岐した複数の分岐路とを有し、
    前記主路は対向する二辺を有し、前記二辺のうち一辺は前記分岐点を備え、他辺は前記分岐点を備えず、
    前記複数の分岐点は、前記発光素子からの光が入射される前記主路の入射端面に直交する方向とほぼ平行な直線上に設けられ、
    前記主路は、前記発光素子から遠ざかるにしたがって幅が細くなり、
    前記分岐点を備えない他辺と、前記主路の入射端面に直交する方向とのなす角度θは、0.3°〜1.7°であることを特徴とする、発光素子付光導波路。
  2. 請求項1に記載の発光素子付光導波路を備えたことを特徴とする、光学式タッチパネル。
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