JP5152025B2 - 燃料噴射弁のリフト量調整方法およびその方法に用いるリフト量調整装置 - Google Patents

燃料噴射弁のリフト量調整方法およびその方法に用いるリフト量調整装置 Download PDF

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Description

本発明は、燃料噴射弁のリフト量調整方法、およびその方法に用いるリフト量調整装置に関する。
内燃機関に燃料を供給する燃料噴射弁として特許文献1に開示されているような燃料噴射弁が知られている。
この燃料噴射弁は、筒状に形成されており、内部に基端側から先端に向けて燃料を流す燃料通路が形成されており、先端に燃料通路と連通する噴孔が形成されているボデーと、燃料通路内を往復移動可能に収容されている可動コアと、可動部材に取付けられ、燃料通路の内壁に離着座することにより、噴孔からの燃料の噴射を制御するニードルと、ニードルが燃料通路の内壁に着座している状態で可動コアとの間に所定の隙間を有するように可動コアよりも基端側の燃料通路の内壁に固定され、可動コアの基端側への移動を制限してニードルのリフト量を決定する固定コアと、を備えている。
この特許文献1によれば、固定コアのボデーに対する固定位置を調整することにより、可動コアと固定コアとの隙間を調整し、弁部材のリフト量を調整するという方法を採用している。固定コアはボデーに圧入した後、溶接することにより固定されている。
特許第4158348号公報
しかしながら、上述のような調整方法にてリフト量を調整すると、噴射量特性がばらつき燃料噴射弁の品質を低下させてしまう。ボデーや固定コアは、燃料噴射弁を構成する部品の中でも比較的体格の大きい構成部品である。このため、これらの部品を製造する際、これらの部品よりも体格の小さい構成部品よりも製造ばらつきが大きい。このため、製造ばらつきの大きい構成部品同士を圧入する際の圧入荷重も大きくばらついてしまう。ここで、圧入荷重とは圧入物品を被圧入物品に圧入させる際に圧入物品に加える荷重である。
燃料噴射弁は製造効率を高めるため、固定コアを圧入する際に加える荷重と、その荷重を加える時間により固定コアのボデーに対する圧入固定位置を調整している。このようにすることにより、圧入装置の移動量を測定装置にて逐一測定する必要がなくなり、固定コアの固定工程に費やされる時間を短くすることができる。
しかしながら、上述したように圧入荷重がばらついてしまうため、固定コアの圧入固定位置を調整することにより、弁部材のリフト量を調整する方法では、リフト量の調整精度を高めるのに限度がある。また、上述の燃料噴射弁では固定コアをボデーに圧入固定した後、溶接にて強固に固定している。固定コアをボデーに溶接することにより固定すると、溶接した周囲に熱歪みが発生し、リフト量が変化してしまい、製品ごとの噴射量特性がばらついてしまう。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、製品ごとの噴射量特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁を得ることができる燃料噴射弁のリフト量調整方法を提供することである。
また、他の目的は、製品ごとの噴射量特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁を得るためのリフト量調整方法に用いる調整装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、筒状に形成されており、内部に基端側から先端に向けて燃料を流す燃料通路が形成されており、先端に燃料通路と連通する噴孔が形成されているボデーと、燃料通路内を往復移動可能に収容されている可動部材と、可動部材に取付けられ、燃料通路の内壁に離着座することにより、噴孔からの燃料の噴射を制御する弁部材と、弁部材の基端側に圧入固定され、少なくとも可動部材が基端側に移動する際、可動部材と弁部材の相対的な移動を規制し、可動部材とともに弁部材を基端側に移動させる規制部と、弁部材が燃料通路の内壁に着座している状態で可動部材との間に所定の隙間を有するように可動部材よりも基端側の燃料通路の内壁に固定され、可動部材の基端側への移動を制限して弁部材のリフト量を決定する固定部材と、を備える弁部材のリフト量を調整する燃料噴射弁のリフト量調整方法であって、
可動部材および弁部材を燃料通路内に収容し、固定部材を燃料通路に固定した後、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整することによって、弁部材のリフト量を調整するリフト量調整工程を有することを特徴としている。
この発明によれば、可動部材および弁部材を燃料通路内に収容し、固定部材を燃料通路に固定させた後のリフト量調整工程にて、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整する。この圧入固定位置の調整により、弁部材が燃料通路の内壁に着座している状態における可動部材と固定部材との間の隙間が調整される。この隙間が調整されることにより、弁部材のリフト量が調整されることとなる。ここで、圧入物を非圧入物に圧入する際の圧入荷重は、圧入物と非圧入物との接触面積に依存する。また、この圧入荷重は、圧入物と非圧入物との製造ばらつきによりばらつく。
規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整して弁部材のリフト量を調整するようにしているため、規制部よりも体格の大きい固定コアを燃料通路の内壁に圧入させることにより弁部材のリフト量を調整する場合に比べ、圧入荷重のばらつきを極力小さくできる。
これによれば、規制部の弁部材に対する圧入固定位置の調整精度を従来技術のものに比べ格段に向上させることができる。よって、製品ごとの弁部材のリフト量のばらつきを抑えることができる。
また、この発明では、規制部のリフト量調整工程を、固定部材をボデーに保持させた後に行っている。このため、可動部材と固定部材との間の隙間が固定部材をボデーに溶接して固定する際に発生する熱歪みの影響を受けない。
以上、この発明のリフト量調整工程によれば、規制部の弁部材に対する圧入固定位置の調整精度が向上するので、製品ごとの弁部材のリフト量のばらつきを抑えることができ、製品ごとの噴射量特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、燃料噴射弁の基端に、燃料通路に燃料を導入する燃料導入部が設けられており、固定部材に、燃料通路と燃料導入部とを連通する縦孔が形成されており、燃料導入部、縦孔、および規制部が軸方向に沿った所定の直線上に並んで配置されており、リフト量調整工程では、規制部を燃料噴射弁の外部より燃料導入部、縦孔を介して先端側に押し込むことにより、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整することを特徴としている。
この発明によれば、燃料噴射弁の燃料導入部、縦孔、および規制部は軸方向に沿った直線上に並んで配置されているため、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整する行為が燃料噴射弁の外部より行うことが可能となる。この構成によれば、特殊な装置を用いずに構造の簡単な棒状の装置を用いることができる。
請求項3に記載の発明は、弁部材を往復移動させることにより弁部材のリフト量を測定するリフト量測定工程およびリフト量測定工程にて得られたリフト量と予め定められたリフト量の規格値とを比較して、調整すべきリフト量の目標調整量を定める目標調整量設定工程を有し、リフト量調整工程では、調整量設定工程にて定められた目標調整量に基づき、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整することを特徴としている。
この発明によれば、リフト量調整工程の前に、弁部材のリフト量を測定するリフト量測定工程およびリフト量測定工程にて得られたリフト量に基づき調整すべきリフト量の目標調整量を定める目標調整量設定工程を実施して、リフト量調整工程にて、定められた目標調整量に基づき規制部の圧入固定位置を調整しているので、リフト量の調整精度を向上することができる。
請求項4に記載の発明は、リフト量調整工程では、規制部に加える荷重およびその荷重を加える時間を調整することにより規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整することを特徴としている。
この発明によれば、規制部に加える荷重およびその荷重を加える時間を調整することで、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整しているので、短時間で効率的に規制部の圧入固定位置を調整することができる。
ここで、従来技術の方法であると、可動コアと固定コアとの間の隙間を調整した後に固定コアをボデーに溶接にて固定していた。従来技術では上述のような手順で固定コアとボデーとを溶接にて固定するので、形成した隙間に溶接による熱歪みの影響を与えないように、スポット溶接して固定コアとボデーとを固定していた。スポット溶接を採用することにより、最低限の取り付け強度を確保しつつ、形成された隙間への熱歪みの影響を抑えていた。
従来技術では、燃料噴射弁の内部に燃料を導入する燃料導入部は固定コアと別部品であり、燃料導入部は全周に亘って溶接することによりボデーに強固に固定されていた。これは、燃料導入部に外部より導入される燃料の圧力の影響を強く受けるからである。
これに対し、請求項5に記載の発明は、燃料導入部は固定部材と一体的に形成されており、リフト量調整工程の前に、固定部材とボデーとを全周に亘って溶接して、固定部材とボデーとを固定する溶接工程を有することを特徴としている。
この発明によれば、リフト量調整工程の前に、固定部材とボデーとを溶接にて固定する溶接工程を有している。このため、可動部材と固定部材との間の隙間は、固定部材とボデーとを溶接することによる熱歪みの影響を受けない。よって、固定部材とボデーとを強固に固定すべく、全周に亘って溶接することが可能となる。固定部材とボデーとを強固に固定することが可能となるため、燃料圧力の影響を強く受ける燃料導入部を固定部材と一体化することが可能となる。
結果、リフト量調整工程の前に、固定部材を全周に亘って溶接する溶接工程を有することにより、燃料噴射弁の部品点数を減らすこと可能となる。このため、燃料噴射弁の製造コストを抑えることができる。また、固定部材と燃料導入部とを一体化することができるため、燃料噴射弁の軸方向の長さを短縮することができ、内燃機関への搭載性が向上する。
請求項6に記載の発明は、筒状に形成されており、内部に基端側から先端に向けて燃料を流す燃料通路が形成されており、先端に燃料通路と連通する噴孔が形成されているボデーと、燃料通路内を往復移動可能に収容されている可動部材と、可動部材に取付けられ、燃料通路の内壁に離着座することにより、噴孔からの燃料の噴射を制御する弁部材と、弁部材の基端側に圧入固定され、少なくとも可動部材が基端側に移動する際、可動部材と弁部材の相対的な移動を規制し、可動部材とともに弁部材を基端側に移動させる規制部と、弁部材が燃料通路の内壁に着座している状態で可動部材との間に所定の隙間を有するように可動部材よりも基端側の燃料通路の内壁に固定され、可動部材の基端側への移動を制限して弁部材のリフト量を決定する固定部材と、を備える燃料噴射弁の弁部材のリフト量を調整する燃料噴射弁のリフト量調整方法に用いられるリフト量調整装置であって、
ボデーを支える治具と、燃料噴射弁の基端側より規制部を先端側に押し込む押し込み部と、指令信号に基づき作動し、押し込み部を先端側に駆動する駆動部と、指令信号を生成し、駆動部に送信することにより、駆動部を制御する制御部と、を備え、制御部は、押し込み部の移動量を制御して規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整することによって、弁部材のリフト量を調整することを特徴としている。
この発明によれば、制御部は駆動部を作動させるための指令信号を生成し、その指令信号を駆動部に送る。そして、制御部からの指令信号を受けた駆動部は、その指令信号に基づいて作動し、押し込み部を先端側に移動させる。押し込み部は、規制部を基端側より先端側に押し込み、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整する。これにより、可動部材と固定部材との隙間が調整され、弁部材のリフト量が調整される。
この発明よれば、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整することにより、リフト量を調整する調整方法に適したリフト量調整装置を提供することができる。よって、この装置を用いることにより、規制部の弁部材に対する圧入固定位置の調整精度が向上し、製品ごとの弁部材のリフト量のばらつきを抑えることができ、製品ごとの噴射量特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁を提供することができる。
請求項7に記載の発明は、燃料噴射弁の基端に、燃料通路に燃料を導入する燃料導入部が形成されており、固定部材に、燃料通路と燃料導入部とを連通する縦孔が形成されており、燃料導入部、縦孔、および規制部が軸方向に沿った所定の直線上に並んで配置されており、押し込み部は、燃料導入部、縦孔に挿入可能となるような棒状に形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、燃料噴射弁の燃料導入部、縦孔、および規制部は軸方向に沿った直線上に並んで配置されているので、規制部を先端側に押し込む押し込み部の形状を構造が非常に簡単な棒状とすることができ、リフト量調整装置の構造を簡単にすることができる。
請求項8に記載の発明は、制御部は、駆動部を操作し押し込み部の先端側への移動量を制御することにより規制部の弁部材への圧入固定位置を調整することを特徴としている。
この発明によれば、押し込み部の先端側への移動量を制御するという簡単な制御にて規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整することができる。
請求項9に記載の発明は、燃料噴射弁のコイルに通電する通電部と、燃料導入部より燃料噴射弁に挿入され、先端が弁部材または可動コアに接触する測定針と、コイルへの通電・非通電が切替えられたときの測定針の軸方向の移動量を測定する測定部と、を有するリフト量測定装置を備え、制御部は、リフト量測定装置にて測定した調整前の弁部材の移動量と、燃料噴射弁のリフト量の規格値とを比較し、調整すべきリフト量の目標調整量を定め、その定めた目標調整量に基づき押し込み部の移動量を制御することを特徴としている。
この発明によれば、燃料噴射弁のコイルへの通電・非通電を切替えることができる通電部を有しているため、通電部よりコイルへの通電が可能となり、リフト量調整時に弁部材を作動させることができる。これにより、リフト量調整を行う際に、リフト量測定装置にて弁部材のリフト量を実測できる。そして、制御部は、このリフト量測定装置にて測定したリフト量に基づき目標調整量を定め、その定めた目標調整量に基づき駆動部を制御し、リフト量を調整している。
このように、この発明では、リフト量測定装置にてリフト量の実値を測りながらリフト量を調整することができるので、調整精度が格段に向上するので、製品ごとの弁部材のリフト量のばらつきを抑えることができ、製品ごとの噴射特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁を提供することができる。
請求項10に記載の発明は、ボデーの外周側に配置され、可動コアと固定コアとの間に磁気吸引力を発生させるための磁界を発生する測定用コイルと、燃料導入部より燃料噴射弁に挿入され先端が弁部材または可動コアに接触する測定針と、測定用コイルへの通電・非通電が切替えられたときの測定針の軸方向の移動量を測定する測定部と、を有するリフト量測定装置を備え、制御部は、リフト量測定装置にて測定した調整前の弁部材の移動量と、燃料噴射弁のリフト量の規格値とを比較し、調整すべきリフト量の目標調整量を定め、その定めた目標調整量に基づき押し込み部の移動量を制御することを特徴としている。
この発明によれば、燃料噴射弁の可動コアと固定コアとの間に磁気吸引力を発生させるための磁界を発生する測定用コイルを有しているため、このコイルによりリフト量調整時に弁部材を作動させることができる。これにより、リフト量調整を行う際に、リフト量測定装置にて弁部材のリフト量を実測できる。そして、制御部は、このリフト量測定装置にて測定したリフト量に基づき目標調整量を定め、その定めた目標調整量に基づき駆動部を制御し、リフト量を調整している。
このように、この発明では、リフト量測定装置にてリフト量の実値を測りながらリフト量を調整することができるので、調整精度が格段に向上するので、製品ごとの弁部材のリフト量のばらつきを抑えることができ、製品ごとの噴射特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁を提供することができる。
請求項11に記載の発明は、押し込み部の移動量の制御は、規制部に加える荷重と、その荷重を加える時間とを制御することにより行われることを特徴としている。
この発明によれば、規制部に加える荷重およびその荷重を加える時間を調整することで、押し込み部の移動量を調整し、規制部の弁部材に対する圧入固定位置を調整しているので、短時間で効率的に規制部の圧入固定位置を調整することができる。
本発明の第1実施形態による燃料噴射弁の全体構造を示す断面図である。 図1に示す燃料噴射弁におけるニードルのリフト量を調整するリフト量調整装置の概略を示す構成図である。 リフト量を調整する前の燃料噴射弁の組立体の要部を拡大した断面図である。 リフト量を調整した後の燃料噴射弁10の組立体11の要部を拡大した断面図である。 第2実施形態によるリフト量調整装置の概略を示す構成図である。 図5に示すリフト量調整装置を使用した場合のリフト量調整手順を示すフローチャートである。 第3実施形態によるリフト量調整装置の概略を示す構成図である。 リフト量を調整するときのその他の実施形態による燃料噴射弁の組立体の要部を拡大した断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
まず始めに、図1を用いてリフト量調整の対象となる燃料噴射弁10の構造を説明する。
(基本構成)
図1は、燃料噴射弁10の全体構造を示す断面図である。
図1に示す燃料噴射弁10は、直噴式ガソリンエンジンに搭載される噴射弁である。なお、燃料噴射弁10は、直噴式ガソリンエンジンに限らず、ポート噴射式ガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンなどに搭載させても良い。直噴式ガソリンエンジンに搭載させる場合、燃料噴射弁10は図示しないシリンダヘッドに搭載される。燃料噴射弁10は、ボデー20、ニードル70および電磁アクチュエータ80などから構成されている。
ボデー20は、棒状に形成され、燃料噴射制御に必要な機能部品を保持する。ボデー20の内部に基端側から先端に向かって燃料が流れる燃料通路21が形成されている。そして、ボデー20の先端に燃料通路21と連通する噴孔22が形成されている。
ニードル70は、ボデー20の燃料通路21内に往復移動可能に設置されており、燃料通路21を断続することにより、噴孔22からの燃料の噴射を制御する。ニードル70が燃料通路21の内壁から離座すると、燃料通路21が開通し、噴孔22から燃料が噴射される。ニードル70が燃料通路21の内壁に着座すると、燃料通路21が遮断され、噴孔22からの燃料の噴射は停止する。
電磁アクチュエータ80は、ボデー20に装着され、通電・非通電を切替えることにより動力を発生し、発生したその動力にてニードル70を往復移動させるアクチュエータである。電磁アクチュエータ80に通電されることにより、電磁アクチュエータ80はニードル70を基端側に移動させ、ニードル70を燃料通路21の内壁から離座させる。電磁アクチュエータ80への通電を停止することにより、電磁アクチュエータ80はニードル70を先端側に移動させ、ニードル70を燃料通路21の内壁に着座させる。
以下、各要素を詳細に説明する。
ボデー20は、パイプ30、ノズルホルダ40およびノズルボデー50などから構成されている。パイプ30、ノズルホルダ40およびノズルボデー50はいずれも筒状に形成されており、各要素の軸心が一つの軸上に配置されるように組み付けられている。
パイプ30は軸方向へ概ね内径が同一に形成された金属製の筒状部材である。パイプ30は内側に燃料通路21の一部を形成する。パイプ30は、基端側より先端側に向かって、磁性部31および非磁性部32を有している。磁性部31および非磁性部32は、例えばレーザ溶接などにより一体に接続されている。なお、パイプ30は、筒状の一体物を熱加工などにより、筒状物の一部を磁性化または非磁性化させることにより形成しても良い。また、パイプ30を磁性材料のみで形成し、上記非磁性部32に相当する位置の断面積を他の部分よりも小さくするような構造としても良い。
パイプ30の先端側の端部にノズルホルダ40が設置されている。ノズルホルダ40は磁性材料にて筒状に形成されている。ノズルホルダ40の基端側の内径はパイプ30の内径とほぼ同じである。ノズルホルダ40は溶接などによりパイプ30に固定されている。
ノズルホルダ40の先端側の内径は基端側の内径よりも小さくなっている。ノズルホルダ40の先端側の端部にノズルボデー50が設置されている。ノズルホルダ40およびノズルボデー50は内側に燃料通路21の一部を形成する。パイプ30にて形成される燃料通路21およびノズルホルダ40およびノズルボデー50にて形成される燃料通路21は連通している。
ノズルボデー50は、底部を有する筒状部材であり、圧入または溶接のいずれか、または圧入後に溶接することによりノズルホルダ40の内壁に固定されている。ノズルボデー50の底部は先端に向かうほど内径が小さくなるような円錐面を形成している。円錐面にニードル70が着座する弁座51が形成されている。また、円錐面には弁座51よりも先端側に噴孔22が形成されている。噴孔22は燃料通路21と連通している。
ニードル70は、本体部71、弁部72および規制部73から構成されている。ニードル70は金属材料より棒状に形成されており、パイプ30、ノズルホルダ40およびノズルボデー50の軸心上に往復移動可能に設置されている。
弁部72は本体部71の先端側の端部に設けられ、基端側から弁座51に着座可能な形状となっている。弁部72が弁座51から離座すると、燃料通路21が開通され、燃料通路21と噴孔22とが連通し、噴孔22より燃料が噴射される。弁部72が弁座51に着座すると、燃料通路21が遮断され、燃料通路21と噴孔22との連通が断たれ、噴孔22からの燃料の噴射が停止する。
規制部73は本体部71とは別体であり、筒状に形成されている。規制部73は、本体部71の基端側の端部に圧入により取付けられており、本体部71より径方向外側に突出している。規制部73は、後述する可動コア81の接触部83と接触可能となっており、可動コア81とニードル70との相対移動を規制する部位である。
本体部71および規制部73にパイプ30部分に形成されている燃料通路21とノズルホルダ40部分に形成されている燃料通路21とを連通する連通路74が形成されている。連通路74は、規制部73の基端側の端部より本体部71の途中までニードル70の軸心線に沿って延びる第一連通路75と、第一連通路75から径方向に延び、第一連通路75と本体部71の外壁とを連通する第二連通路76とを有している。
電磁アクチュエータ80は、可動コア81、コイル87、固定コア88、第一スプリング91、第二スプリング92、ハウジング90およびアッパハウジング95などから構成されている。
可動コア81は、磁性材料にて筒状に形成され、パイプ30およびノズルホルダ40の内側に往復移動可能に、かつニードル70の規制部73と弁部72との間に設置されている。可動コア81は、可動コア81の外壁がパイプ30およびノズルホルダ40の内壁と摺動可能に接している。これにより、可動コア81はパイプ30およびノズルホルダ40内で軸方向に往復移動可能となる。
可動コア81は、中央部に相対移動可能にニードル70を支持する支持孔82を有している。支持孔82の内径は、ニードル70の本体部71の外径よりも大きく、規制部73の外径よりも小さい。これにより、ニードル70は、可動コア81内で軸方向に往復移動可能となる。
また、可動コア81は基端側の端部に、規制部73と接触することにより、ニードル70と可動コア81とが互いに離れる方向の相対移動を規制する接触部83を有している。ニードル70の弁部72が弁座51に着座している状態では、可動コア81は規制部73よりも先端側で相対移動可能となっている。可動コア81の接触部83にニードル70の規制部73が接触してもなお、可動コア81が基端側に移動すると、ニードル70は可動コア81とともに基端側に移動する。これにより、ニードル70の弁部72が弁座51から離座する。
コイル87は、樹脂製の筒状部材であるボビンの外周に電線をボビンの軸心を中心に周回させることにより形成され、この電線に通電することにより磁界を発生する。コイル87は、パイプ30の外側に設置されている。電線の端部は、コイル87の基端側に設けられたコネクタ110のターミナル111に接続されている。ターミナル111は、外部の制御装置と電気的に接続されており、コイル87への通電は、このターミナル111を介して行われる。
固定コア88は、磁性材料にて筒状に形成され、可動コア81の基端側に設置されている。固定コア88は、パイプ30の内壁に圧入などにより固定されている。本実施形態では、固定コア88は、パイプ30の内壁に圧入された後、溶接によって固定されている。
本実施形態では、固定コア88は、パイプ30の外周壁より全周に亘って溶接することによりパイプ30に固定されている。このように全周に亘って溶接することにより、パイプ30に固定コア88を強固に固定することができる。
固定コア88の中央部には、軸方向に延びる縦孔89が形成されている。この縦孔89は燃料導入部100から導入された燃料を燃料通路21に導く。
固定コア88の基端側の端部には、燃料導入部100が形成されている。燃料導入部100は図示しない燃料配管に接続され、縦孔89に燃料を導く。本実施形態では、4MPa〜20MPaに圧力が高められた燃料が燃料配管を介して燃料導入部100に導入される。燃料導入部100は燃料中に含まれる異物を捕らえるフィルタ101を有している。また、燃料導入部100の外周側に燃料配管と隙間を埋めるOリング102が設けられている。
本実施形態では、図1に示すように、燃料導入部100、固定コア88の縦孔89、およびニードル70の規制部73は、パイプ30、ノズルホルダ40およびノズルボデー50の軸心上に配置されている。
ニードル70の規制部73よりも基端側に第一スプリング91が設置されている。第一スプリング91は、線状の弾性材料を周回させて螺旋状に巻いたスプリングであり、固定コア88の縦孔89内に収容されている。第一スプリング91の先端側の端部は、規制部73の基端側の端部に形成されている座部77に支持されている。
第一スプリング91の基端側の端部は、縦孔89内に圧入されている筒状のアジャスタパイプ113に支持されている。第一スプリング91は軸方向に圧縮された状態で規制部73とアジャスタパイプ113との間に設置されており、ニードル70および可動コア81を、可動コア81が固定コア88から離れる方向、つまり弁部72が弁座51に着座する方向へ押し付けている。以下、弁部72が弁座51に着座する方向を閉弁方向といい、その反対の方向を開弁方向と規定する。
可動コア81よりも先端側に第二スプリング92が設置されている。第二スプリング92は、線状の弾性材料を周回させて螺旋状に巻いたスプリングであり、ノズルホルダ40内に収容されている。
ノズルホルダ40は、ノズルホルダ40の内壁に、先端側に向かって凹むように形成され、底部に第二スプリング92の先端側の端部を支持する座部42を有している収容凹部41を備えている。収容凹部41は筒状に形成され、その収容凹部41の内径は第二スプリング92の外径とほぼ同じかそれよりも大きく形成されている。このため、第二スプリング92は収容凹部41の側壁にて径方向への移動が規制される。第二スプリング92の基端側の端部は、可動コア81に形成されている凹部84の底部に形成されている座部85にて支持されている。
この凹部84は、可動コア81の先端側の端部より固定コア88に向かって凹むように形成されている。凹部84は筒状に形成されており、その内径は収容凹部41の内径よりも大きく形成されている。第二スプリング92は軸方向に圧縮された状態で可動コア81の凹部84とノズルホルダ40の収容凹部41との間に設置されており、可動コア81を固定コア88側へ押し付けている。
ここで、第一スプリング91の押し付け力は第二スプリング92の押し付け力よりも大きい。このため、コイル87に通電されていない状態では、第一スプリング91により、ニードル70および可動コア81は閉弁方向に常時、押し付けられる。このとき、第二スプリング92の押し付け力により可動コア81の接触部83は、ニードル70の規制部73に接触している。
燃料導入部100に流入した燃料は、固定コア88の縦孔89およびアジャスタパイプ113を経由してニードル70の連通路74に流入する。そして、連通路74に流入した燃料は、第二連通路76よりニードル70の外部にあるノズルホルダ40部分の燃料通路21に排出され、噴孔22に至る。
ハウジング90は磁性材料にて筒状に形成され、パイプ30およびノズルホルダ40の外側に設置されている。ハウジング90の内径は、パイプ30およびノズルホルダ40の外径よりも大きく、ハウジング90とパイプ30およびノズルホルダ40との間に隙間が形成されるほどの大きさとなっている。形成される隙間には、コイル87が設置される。
ハウジング90の軸方向の長さは、パイプ30の非磁性部32を跨げる程度の大きさとなっている。ハウジング90の先端側の端部は、溶接などによりノズルホルダ40に固定されている。
アッパハウジング95は磁性材料にて円盤状に形成されている。アッパハウジング95の一部は切欠かれており、その切欠かれている部分にコネクタ110の一部が配置される。アッパハウジング95はコイル87の基端側に設置されており、外周側がハウジング90に接し、内周側がパイプ30の磁性部31に接している。
ここで、コイル87に通電されると、コイル87の内部および外部には、コイル87の電線に流れる電流の向きに応じた磁界が発生する。コイル87の周囲に磁界が発生すると、固定コア88、可動コア81、ノズルホルダ40、ハウジング90、アッパハウジング95、および磁性部31に磁束が流れ、磁気回路が形成される。磁気回路が形成されると、固定コア88と可動コア81との間に、固定コア88が可動コア81を引き付ける力である磁気吸引力が発生する。
以上、燃料噴射弁10の構成について説明した。次に、燃料噴射弁10の作動について説明する。
コイル87が通電されると、固定コア88と可動コア81との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力と第二スプリング92の押し付け力との和が、第一スプリング91の押し付け力、燃料圧力による先端側へのニードル押し付け力、可動コア81の自重、および可動コア81とパイプ30との摺動抵抗力の和よりも大きくなると、可動コア81が固定コア88に向かって移動する。このとき、可動コア81の接触部83がニードル70の規制部73に接触しているため、ニードル70も可動コア81とともに固定コア88に向かって、つまり開弁方向に移動する。
その結果、ニードル70の弁部72が弁座51から離座する。開弁方向への移動は、可動コア81が固定コア88に接するまで移動する。このとき、ニードル70は最大リフト位置まで移動している。本実施形態では、弁部72が弁座51から離座し、可動コア81が固定コア88に接するまでのニードル70の移動量をニードル70のリフト量と定義している。
可動コア81が固定コア88に引き付けられ、ニードル70の弁部72が弁座51から離座すると、燃料通路21と噴孔22とが連通し、燃料通路21内の燃料が噴孔22より噴射される。
コイル87へ通電状態から通電しない状態にすると、固定コア88と可動コア81との間には磁気吸引力が発生していない。このため、ニードル70は第一スプリング91の押し付け力によって閉弁方向に移動する。このとき、可動コア81の接触部83はニードル70の規制部73に接触している。そのため、可動コア81も閉弁方向に移動する。ニードル70が閉弁方向に移動するため、弁部72は弁座51に着座し、燃料通路21が遮断され、噴孔22から燃料が噴射されない。
次に、燃料噴射弁10におけるニードル70のリフト量を調整する方法について説明する。
本実施形態では、固定コア88のパイプ30に対する圧入固定位置を調整することにより、ニードル70のリフト量を調整するのではなく、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置を調整することにより、ニードル70のリフト量を調整する。本実施形態では、このリフト量の調整を図2に示すリフト量調整装置120にて行う。
図2は、図1に示す燃料噴射弁におけるニードルのリフト量を調整するリフト量調整装置120の概略を示す構成図である。図2は、上で説明した燃料噴射弁10の構成部品のほとんどを組立てた状態の組立体11をリフト量調整装置120に設置した状態を示している。
ここで、組立体11は、第一スプリング91、アジャスタパイプ30およびフィルタ101以外の構成部品が組立てられたものである。
リフト量調整装置120は、治具121、ピン122、駆動部123および制御部124などから構成されている。
治具121は、リフト量調整を行う際に組立体11を支える。治具121は、中央部に組立体11の先端側を挿入可能な挿入孔121aおよび挿入孔121aの周縁部にハウジング90を支える支持部121bを有している。支持部121bは組立体11に加わる基端側から先端側への力が受けられるように構成されている。
ピン122は金属材料により棒状に形成されている。ピン122は燃料導入部100より組立体11の内部に侵入し、固定コア88の縦孔89を通ってニードル70の規制部73に達するように構成されている。ピン122を先端側に移動させることにより、先端部122aにて規制部73を押し込み、ニードル70に対する圧入固定位置を調整する。
駆動部123はピン122を先端側に移動させる駆動手段である。駆動部123は制御部124と電気的に接続され、制御部124からの指令信号を受ける駆動回路と、駆動回路からの電気信号により作動し、ピン122を先端側に移動させるアクチュエータなどから構成されている。駆動部123におけるアクチュエータは、ピン122を軸方向に移動可能となるものであればどのような形式のものであっても良い。アクチュエータは、電動機と、当該電動機の回転力を直線運動に変換する変換器より構成されているものであっても良いし、油圧発生部と発生した油圧を駆動源とする油圧装置とから構成されているものであっても良い。
制御部124は、指令信号を生成し、駆動部123に対して指令信号を送ることにより駆動部123の作動を制御する制御手段である。制御部124は、マイクロコンピュータとして構成されており、中央処理装置、各種メモリ、入出力装置などを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成されている。中央処理装置は、各種メモリに記憶されている処理プログラムに基づき上記指令信号を生成し、生成した指令信号が駆動部123に送られるよう入出力装置を制御する。
本実施形態では、中央処理装置が生成する指令信号は、ピン122が所定移動量だけ移動するよう駆動部123を作動させる信号である。
具体的には、指令信号は、駆動部123がピン122を介して規制部73に所定荷重Fを所定時間Tだけ加えるように駆動部123を作動させる信号である。
ニードル70の本体部71および規制部73が所定の寸法精度で製造されていれば、圧入荷重はほぼ同じであるため、規制部73に加える荷重Fと、その荷重Fを加える時間Tを調整することにより、ピン122の先端側への移動量、つまり規制部73のニードル70に対する圧入固定位置を調整することができる。
以上、ニードル70のリフト量を調整するリフト量調整装置120について説明した。次に、ニードル70のリフト量を調整する工程について詳細に説明する。
図3は、リフト量を調整する前の燃料噴射弁10の組立体11の要部を拡大した断面図である。図4は、リフト量を調整した後の燃料噴射弁10の組立体11の要部を拡大した断面図である。
まず、図2に示すように、リフト量調整工程に入る前に治具121に設置する組立体11を用意する。
パイプ30、ノズルホルダ40およびノズルボデー50を接合したものに、可動コア81、ニードル70、第二スプリング92を収容する。次に、固定コア88をパイプ30の所定の位置に圧入固定する。そして、固定コア88とパイプ30とを全周に亘って溶接し、固定コア88をパイプ30に強固に固定する。
さらに、コイル87およびハウジング90、アッパハウジング95をパイプ30の外周側に設置するとともに、ハウジング90とノズルホルダ40とを溶接にて固定する。最後に、ターミナル111を樹脂材料にてインサート成型することによりコネクタ110を形成する。上記のような工程を経て組立体11は作成される。
そして、図3に示すように、ピン122を燃料導入部100より固定コア88の縦孔89に挿入し、ピン122の先端部122aを規制部73に当接させる。このとき、可動コア81と固定コア88とのギャップG0が所望のリフト量の規格値よりも小さくなるように、規制部73が所定長さだけニードル70の本体部71に圧入されている。
本実施形態では、このときの規制部73が可動コア81の接触部83には接していない。したがって、可動コア81は固定コア88に接しており、上記ギャップG0はゼロとなっている。
調整前における規制部73のニードル70に対する圧入固定位置は、予め定められた位置となっている。したがって、制御部124は、この位置からピン122が所定の移動量だけ先端側に移動できるような指令信号を駆動部123に送る。本実施形態では、制御部124は、駆動部123がピン122を介して規制部73に所定の荷重Fを所定の時間Tだけ加えられるような指令信号を駆動部123に送る。
その信号を受けた駆動部123は、その信号に応じた荷重Fを時間Tだけピン122を駆動する。すると、ピン122は、所定の移動量だけ規制部73を先端側に押し込む。ピン122が先端側に移動すると、まず、規制部73が可動コア81の接触部83に当接する。ピン122はなおも先端側に移動するため、規制部73とともに可動コア81も先端側に移動する。ピン122が荷重Fと時間Tとに応じた移動量だけ移動し、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置が決定される。
このとき、図4に示すように可動コア81と固定コア88とのギャップG1が上記規格値となっている。このギャップG1がニードル70のリフト量となる。このような過程を経て、燃料噴射弁10のリフト量調整工程が終了する。
以上説明した本実施形態によれば、ニードル70のリフト量は、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置を調整することにより、可動コア81と固定コア88とのギャップを調整し、ニードル70のリフト量を調整している。
規制部73は、固定コア88よりも体格が小さいため、固定コア88およびパイプ30よりも製造ばらつきの程度が小さくなる。また、規制部73とニードル70との接触面積も固定コア88とパイプ30との接触面積と比べ、小さい。これらの事象により、規制部73をニードル70に圧入する際の圧入荷重のばらつきが、パイプ30に固定コア88を圧入する際の圧入荷重のばらつきに比べ小さくなる。
ここで、生産ラインにおいては、固定コアをボデーの所定の位置に圧入固定させる際、所定時間Tだけ所定荷重Fを固定コアに加えることにより固定コアの圧入固定位置を調整している。ところが、上述したように製造ばらつきにより圧入荷重がばらつくと、固定コアの圧入固定位置の調整精度が悪化する可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、上述の理由により圧入荷重のばらつきが従来の調整方法に比べ小さくなるため、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置の調整精度を従来技術の調整方法に比べ格段に向上させることができる。
また、この実施形態によれば、規制部73の圧入固定位置を調整する工程を、固定コア88とパイプ30とを圧入・溶接する工程の後に行っている。このため、可動コア81と固定コア88との間のギャップG1が固定コア88をパイプ30に溶接して固定する際に発生する熱歪みの影響を受けない。
本実施形態のような調整方法および調整装置を利用して、燃料噴射弁10のリフト量を調整すれば、製品ごとのニードル70のリフト量のばらつきを抑えることができ、製品ごとの噴射量特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、燃料導入部100、縦孔89および規制部73が燃料噴射弁10の軸線上に配置されているため、ピン122を外部より燃料導入部100、縦孔89に挿入させて、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置を調整することが可能となる。
また、このような燃料噴射弁10によれば、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置を調整する際、構造の簡単な装置を用いることができ、容易に位置調整ができる。
さらに、本実施形態によれば、ピン122の移動量を規制部73に加える荷重Fと時間Tを調整することにより制御し、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置を調整しているので、都度、ピン122の移動量を測定しながら調整する必要がない。このため、短時間で効率的に規制部73の圧入固定位置を調整することができる。ひいては、燃料噴射弁10の製造コストを抑えることができる。
固定コア88をパイプ30などに圧入した後、溶接することによって固定コア88をパイプ30に固定すると、溶接部分に熱歪みが発生し、調整した可動コア81と固定コア88とのギャップが変化してしまうという問題が発生することを従来技術の問題点として説明した。
従来技術のような固定コアの圧入固定位置を調整することによるリフト量の調整方法では、上述したように溶接部分の熱歪みを極力小さくする必要が生じるため、スポット溶接などのように溶接面積を極力小さくすることで対応していた。また、燃料配管に接続される燃料導入部は、燃料配管中を流れる燃料の圧力を受けるため、パイプに対して強固に固定する必要がある。特に、本実施形態のような直噴式ガソリンエンジンに搭載される燃料噴射弁10では、取り扱う燃料の圧力が高いため、燃料圧力の影響を強く受ける。このため、燃料導入部をパイプに強固に固定する必要がある。
そこで、従来技術では、固定コアと燃料導入部とを別部品とし、可動コアと固定コアとのギャップが溶接による熱歪みの影響を受けないようにするために、固定コアをスポット溶接にてパイプに固定し、燃料導入部が燃料圧力の影響を受けないようにするために、燃料導入部を全周に亘って溶接してパイプに固定していた。
本実施形態にて説明したリフト量調整方法により作成される燃料噴射弁10では、可動コア81と固定コア88とのギャップG1、つまりニードル70のリフト量は溶接による熱歪みの影響を受けないので、固定コア88をパイプ30に強固に固定すべく、全周に亘って溶接することができる。固定コア88をパイプ30に強固に固定することができるため、比較的高圧の燃料が固定コア88に作用しても燃料噴射弁10の強度を確保することができる。このため、固定コア88と燃料導入部100とを一体化させることが可能となる。
このことにより、固定コア88と燃料導入部100とを別部品で用意する必要が無くなるため、燃料噴射弁10の部品点数を削減することができる。このため、燃料噴射弁10の製造コストを抑えることができる。また、固定コア88と燃料導入部100とが一体化させることが可能となるため、燃料噴射弁10の軸方向の長さを短縮することができ、内燃機関への搭載性が向上する。
なお、本実施形態では、可動コア81が特許請求の範囲に記載の可動部材に相当し、固定コア88が特許請求の範囲に記載の固定部材に相当し、規制部73が特許請求の範囲に記載の規制部に相当し、ニードル70が特許請求の範囲に記載の弁部材に相当する。また、ピン122が特許請求の範囲に記載の押し込み部に相当する。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。第2実施形態は、ニードル70のリフト量を測定するリフト量測定装置130(以下、単に測定装置130という)が加わっている点が第1実施形態のリフト量調整装置120と異なる。
図5は、第2実施形態によるリフト量調整装置120aの概略を示す構成図である。図5に示すリフト量調整装置120aには、組立体11aが設置されるようになっている。
この実施形態での組立体11aは、第1実施形態の組立体11と異なり、第一スプリング91、アジャスタパイプ30、フィルタ101、ターミナル111、およびコネクタ110以外の構成部品が組立てられたものである。この組立体11aでは、コイル87の基端側にターミナル111と電気的に接続されるコイル側ターミナル112が露出した状態となっている。この組立体11aにおいても、治具121に設置する前に固定コア88とパイプ30とは全周に亘って溶接して固定されている。
本実施形態のリフト量調整装置120aは、第1実施形態のリフト量調整装置120に加え、ニードル70の軸方向の移動量であるリフト量を測定する測定装置130を有している。この実施形態では、治具121、ピン122、駆動部123は第1実施形態のものと同様であるため、これらの要素の説明は省略する。
測定装置130は、測定ピン131、測定部132、通電部133および制御部124などから構成されている。
制御部124は、ピン122を移動させる駆動部123を制御する制御部124と共有している。制御部124は、当然、ピン122を移動させるための駆動部123を制御する制御部124と別のものであっても良い。
この実施形態での規制部73を押し込むピン122は円筒状に形成されている。測定ピン131は、柱状に形成されており、ピン122に形成されている孔部を貫通するように設置されている。測定ピン131の先端部131aは、ニードル70の本体部71に形成されている第一連通路75の底部に当接する。
測定部132は、測定ピン131の軸方向の移動量をニードル70のリフト量として測定し、測定部132と電気的に接続されている制御部124にその結果を送る測定手段である。測定部132は、測定ピン131の基端側の端部に設置されている。
通電部133はコイル87への通電・非通電を行う手段である。通電部133はコイル87のコイル側ターミナル112と電気的に接続されている。通電部133は制御部124と電気的に接続されており、制御部124からの指令により、コイル87への通電・非通電を行う。
制御部124は、コイル87への通電・非通電を行うべく通電部133に指令を送り、ニードル70を開弁・閉弁動作させる。そして、制御部124は、このとき測定部132より送られてくるニードル70のリフト量の情報を受け取り、その情報に基づきピン122を所定の移動量だけ移動させるべく駆動部123に指令信号を送る。
以上、測定装置130について説明した。次に、測定装置130を有しているリフト量調整装置120によるニードル70のリフト量を調整する手順について図5および図6を用いて説明する。図6は、図5に示すリフト量調整装置を使用した場合のリフト量調整手順を示すフローチャートである。
ステップS10(以下、単に「S10」という。他のステップについても同様とする。)では、図5に示すように、組立体11aを治具121に設置する。そして、ピン122および測定ピン131を燃料導入部100より固定コア88の縦孔89に挿入し、ピン122の先端部122aを規制部73に当接させるとともに、測定ピン131の先端部131aを第一連通路75の底部に当接させる。さらに、通電部133をコイル87のコイル側ターミナル112に接続する。
S20では、制御部124は、コイル87への通電・非通電を行うべく通電部133を制御する。そして、測定部132は、測定されるニードル70のリフト量を制御部124に送る。制御部124は、測定部132よりニードル70のリフト量の情報を受け取る。
S30では、制御部124は、受け取ったリフト量の情報と、予め設定されているリフト量の規格値とを比較し、調整すべきリフト量の目標調整量を定める。
そして、S40では、制御部124は、S30にて定めた目標調整量に基づき、ピン122の移動量を定め、その移動量に応じて駆動部123を制御する。本実施形態では、第1実施形態同様に、制御部124は、この位置からピン122が所定の移動量だけ先端側に移動できるような指令信号を駆動部123に送る。具体的には、制御部124は、駆動部123がピン122を介して規制部73に所定の荷重Fを所定の時間Tだけ加えられるような指令信号を駆動部123に送る。
その信号を受けた駆動部123は、その信号に応じた荷重Fを時間Tだけピン122を駆動する。すると、ピン122は、所定の移動量だけ規制部73を先端側に押し込む。ピン122が先端側に移動すると、まず、規制部73が可動コア81の接触部83に当接する。ピン122はなおも先端側に移動するため、規制部73とともに可動コア81も先端側に移動する。ピン122が荷重Fと時間Tとに応じた移動量だけ移動し、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置が決定される。
その後、S50では、再び、S20での処理と同じように制御部が通電部133を制御し、測定部132によりニードル70のリフト量を測定する。
S60では、測定部132にて測定したリフト量が、所望のリフト量の規格値となっているか否かを判定する。S60にて、測定部132にて測定したリフト量が所望のリフト量の規格値となっていればリフト量調整が終了する。S60にて、測定したリフト量が所望のリフト量の規格値となっていなければ、再びS30にて目標調整量を設定し、S40にてリフト量を再調整し、S50にてリフト量を測定して、再びS60の処理を行う。この処理は、S60にて、リフト量が規格値となるまで繰り返し行われる。
本実施形態では、特にリフト量調整装置120は、第1実施形態と異なりリフト量を測定する測定装置130を有し、測定装置130にて測定したリフト量と所望のリフト量の規格値とに基づき目標調整量を定め、その定められた目標調整量に基づき規制部73の圧入固定位置を調整しているため、圧入固定位置の調整精度が格段に向上する。よって、ニードル70のリフト量の製品ごとのばらつきが抑えられる。その結果、製品ごとの噴射特性のばらつきが抑えられた品質の良い燃料噴射弁10を提供することができる。
なお、本実施形態では、治具121に設置する組立体11aは、ターミナル111およびコネクタ110を形成していないものであるが、第1実施形態のような組立体11(図2参照)であっても良い。この際、通電部133は、ターミナル111に接続されることとなる。
本実施形態では、測定ピン131が特許請求の範囲に記載の測定針に相当する。また、本実施形態では、S20での処理が特許請求の範囲に記載のリフト量測定工程に相当し、S30での処理が特許請求の範囲に記載の目標調整量設定工程に相当する。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。第3実施形態は、組立体11aが有しているコイル87を利用してニードル70を作動させるのではなく、測定装置130aが備えている測定用コイル134によりニードル70を作動させるという点が第2実施形態と異なる。
図7は、第3実施形態によるリフト量調整装置120の概略を示す構成図である。この実施形態での組立体11aは、第2実施形態の組立体11aと同じである。
以下、第2実施形態と異なる部分だけを説明する。
本実施形態の測定装置130aは、通電部133に替えて、制御部124にて制御される測定用コイル134を有する。この測定用コイル134は、組立体11aのハウジング90の外周側に設置される。測定用コイル134は、制御部124に制御され、通電されることにより、固定コア88と可動コア81との間に磁気吸引力を発生するような磁界を発生する。
これにより、組立体11aのコイル87に通電せずとも、測定用コイル134を作動させることにより、ニードル70を作動させることができ、ニードル70のリフト量を測定することができる。
リフト量の調整手順およびリフト量の測定手順については、図6にて説明したフローと同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施形態では、治具121に設置する組立体11aは、ターミナル111およびコネクタ110を形成していないものであるが、第1実施形態のような組立体11(図2参照)であっても良い。
(その他の実施形態)
以上、本発明の第1〜第3実施形態について説明した。本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば、第1〜第3実施形態に示すリフト量調整方法およびリフト量調整装置は、図8に示すような形式の燃料噴射弁にも適用可能である。
第1〜第3実施形態による燃料噴射弁10の可動コア81とニードル70とが相対移動可能であるのに対し、図8に示す燃料噴射弁の可動コア81とニードル70とは常に固定されている。なお、この実施形態の燃料噴射弁において、第1〜第3実施形態における燃料噴射弁10の構成部品と同様の機能を有する部品は、同じ符号を付与している。
図8は、その他の実施形態による燃料噴射弁の組立体11bの要部を示している。組立体11bの可動コア81の先端側の端部に規制部73を備えている。規制部73は、ニードル70の本体部71における基端側の端部に圧入固定されている。このような形式の燃料噴射弁では、可動コア81とニードル70とは相対移動が常に禁止されている。
このような形式の燃料噴射弁では、リフト量調整装置120のピン122を固定コア88の縦孔89より挿入し、可動コア81を先端側に押し込むことにより、規制部73のニードル70に対する圧入固定位置を調整する。このようにして、可動コア81と固定コア88とのギャップG1を調整する。
また、測定装置130にてニードル70のリフト量を測定する際には、測定ピン130をニードル70の基端側の端部に当接させ、図5に図示されているような通電部133や図7に図示されているような測定用コイル134にてニードル70を作動させ、測定部132にてリフト量を測定する。
10 燃料噴射弁、11 組立体、20 ボデー、21 燃料通路、22 噴孔、30 パイプ、40 ノズルホルダ、50 ノズルボデー、51 弁座、70 ニードル(弁部材)、71 本体部、72 弁部、73 規制部、74 連通路、75 第一連通路、76 第二連通路、81 可動コア(可動部材)、87 コイル、88 固定コア(固定部材)、89 縦孔、100 燃料導入部、110 コネクタ、111 ターミナル、120 リフト量調整装置、121 治具、122 ピン(押し込み部)、122a 先端部、123 駆動部、124 制御部、130 リフト量測定装置、131 測定ピン、131a 先端部、132 測定部、133 通電部、134 測定用コイル

Claims (11)

  1. 筒状に形成されており、内部に基端側から先端に向けて燃料を流す燃料通路が形成されており、先端に前記燃料通路と連通する噴孔が形成されているボデーと、
    前記燃料通路内を往復移動可能に収容されている可動部材と、
    前記可動部材に取付けられ、前記燃料通路の内壁に離着座することにより、前記噴孔からの燃料の噴射を制御する弁部材と、
    前記弁部材の基端側に圧入固定され、少なくとも前記可動部材が基端側に移動する際、前記可動部材と前記弁部材の相対的な移動を規制し、前記可動部材とともに前記弁部材を基端側に移動させる規制部と、
    前記弁部材が前記燃料通路の内壁に着座している状態で前記可動部材との間に所定の隙間を有するように前記可動部材よりも基端側の燃料通路の内壁に固定され、前記可動部材の基端側への移動を制限して前記弁部材のリフト量を決定する固定部材と、を備える弁部材のリフト量を調整する燃料噴射弁のリフト量調整方法であって、
    前記可動部材および前記弁部材を前記燃料通路内に収容し、前記固定部材を前記燃料通路に固定した後、前記規制部の前記弁部材に対する圧入固定位置を調整することによって、前記弁部材のリフト量を調整するリフト量調整工程を有することを特徴とする燃料噴射弁のリフト量調整方法。
  2. 前記燃料噴射弁の基端に、前記燃料通路に燃料を導入する燃料導入部が設けられており、
    前記固定部材に、前記燃料通路と前記燃料導入部とを連通する縦孔が形成されており、
    前記燃料導入部、前記縦孔、および前記規制部が軸方向に沿った所定の直線上に並んで配置されており、
    前記リフト量調整工程では、前記規制部を前記燃料噴射弁の外部より前記燃料導入部、前記縦孔を介して先端側に押し込むことにより、前記規制部の前記弁部材に対する圧入固定位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁のリフト量調整方法。
  3. 前記弁部材を往復移動させることにより前記弁部材のリフト量を測定するリフト量測定工程および前記リフト量測定工程にて得られたリフト量と予め定められたリフト量の規格値とを比較して、調整すべきリフト量の目標調整量を定める目標調整量設定工程を有し、
    前記リフト量調整工程では、前記目標調整量設定工程にて定められた目標調整量に基づき、前記規制部の前記弁部材に対する圧入固定位置を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁のリフト量調整方法。
  4. 前記リフト量調整工程では、前記規制部に加える荷重およびその荷重を加える時間を調整することにより前記規制部の前記弁部材に対する圧入固定位置を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁のリフト量調整方法。
  5. 前記燃料導入部は前記固定部材と一体的に形成されており、
    前記リフト量調整工程の前に、前記固定部材と前記ボデーとを全周に亘って溶接して、前記固定部材と前記ボデーとを固定する溶接工程を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁のリフト量調整方法。
  6. 筒状に形成されており、内部に基端側から先端に向けて燃料を流す燃料通路が形成されており、先端に前記燃料通路と連通する噴孔が形成されているボデーと、
    前記燃料通路内を往復移動可能に収容されている可動部材と、
    前記可動部材に取付けられ、前記燃料通路の内壁に離着座することにより、前記噴孔からの燃料の噴射を制御する弁部材と、
    前記弁部材の基端側に圧入固定され、少なくとも前記可動部材が基端側に移動する際、前記可動部材と前記弁部材の相対的な移動を規制し、前記可動部材とともに前記弁部材を基端側に移動させる規制部と、
    前記弁部材が前記燃料通路の内壁に着座している状態で前記可動部材との間に所定の隙間を有するように前記可動部材よりも基端側の燃料通路の内壁に固定され、前記可動部材の基端側への移動を制限して前記弁部材のリフト量を決定する固定部材と、を備える燃料噴射弁の前記弁部材のリフト量を調整する燃料噴射弁のリフト量調整方法に用いられるリフト量調整装置であって、
    前記ボデーを支える治具と、
    前記燃料噴射弁の基端側より前記規制部を先端側に押し込む押し込み部と、
    指令信号に基づき作動し、前記押し込み部を先端側に駆動する駆動部と、
    前記指令信号を生成し、前記駆動部に送信することにより、前記駆動部を制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、前記押し込み部の移動量を制御して前記規制部の前記弁部材に対する圧入固定位置を調整することによって、前記弁部材のリフト量を調整することを特徴とする燃料噴射弁のリフト量調整装置。
  7. 前記燃料噴射弁の基端に、前記燃料通路に燃料を導入する燃料導入部が形成されており、
    前記固定部材に、前記燃料通路と前記燃料導入部とを連通する縦孔が形成されており、
    前記燃料導入部、前記縦孔、および前記規制部が軸方向に沿った所定の直線上に並んで配置されており、
    前記押し込み部は、前記燃料導入部、前記縦孔に挿入可能となるような棒状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料噴射弁のリフト量調整装置。
  8. 前記制御部は、前記駆動部を操作し前記押し込み部の先端側への移動量を制御することにより前記規制部の前記弁部材への圧入固定位置を調整することを特徴とする請求項6または7に記載の燃料噴射弁のリフト量調整装置。
  9. 前記燃料噴射弁の前記コイルに通電する通電部と、前記燃料導入部より前記燃料噴射弁に挿入され、先端が前記弁部材または前記可動コアに接触する測定針と、前記コイルへの通電・非通電が切替えられたときの前記測定針の軸方向の移動量を測定する測定部と、を有するリフト量測定装置を備え、
    前記制御部は、前記リフト量測定装置にて測定した調整前の前記弁部材の移動量と、前記燃料噴射弁のリフト量の規格値とを比較し、調整すべきリフト量の目標調整量を定め、その定めた目標調整量に基づき前記押し込み部の移動量を制御することを特徴とする請求項6または7に記載の燃料噴射弁のリフト量調整装置。
  10. 前記ボデーの外周側に配置され、前記可動コアと前記固定コアとの間に磁気吸引力を発生させるための磁界を発生する測定用コイルと、
    前記燃料導入部より前記燃料噴射弁に挿入され先端が前記弁部材または前記可動コアに接触する測定針と、前記測定用コイルへの通電・非通電が切替えられたときの前記測定針の軸方向の移動量を測定する測定部と、を有するリフト量測定装置を備え、
    前記制御部は、前記リフト量測定装置にて測定した調整前の前記弁部材の移動量と、前記燃料噴射弁のリフト量の規格値とを比較し、調整すべきリフト量の目標調整量を定め、その定めた目標調整量に基づき前記押し込み部の移動量を制御することを特徴とする請求項6または7に記載の燃料噴射弁のリフト量調整装置。
  11. 前記押し込み部の移動量の制御は、前記規制部に加える荷重と、その荷重を加える時間とを制御することにより行われることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁のリフト量調整装置。
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