JP7280439B2 - 燃料噴射弁のプレストローク調整方法 - Google Patents
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Description
本発明は、可動子の駆動により弁部材の開閉弁動作を行う燃料噴射弁のプレストローク調整方法に係り、弁部材と可動子との間に形成される空隙により規定されるプレストロークの大きさを調整するプレストローク調整方法に関する。
内燃機関に用いられる燃料噴射弁には、弁座と当接する弁体を有する弁部材と、弁部材に対して開閉弁方向に相対的に変位可能な可動子と備え、可動子の駆動により弁部材の開閉弁動作を行うものがある。このような燃料噴射弁の中には、弁部材(プランジャロッド)と可動子(アンカー)に対して間隙形成部材(中間部材)を当接可能に配置することで閉弁状態における弁部材と可動子との間にプレストロークを規定する間隙を形成し、可動子が弁部材を伴うことなく当該間隙の大きさ分を助走(変位)した後に(プレストロークの後に)弁部材の係合部に係合することで弁部材を開弁方向へ移動させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。当該技術は、助走により蓄えた可動子の運動エネルギを弁部材の開弁動作に利用することで、開弁動作の応答性向上を図ろうとするものである。
特許文献1に記載の燃料噴射弁においては、弁部材及びアンカーの他に、アンカーに対して磁気吸引力を作用させてアンカーを開弁方向に吸引する固定コアと、弁部材を閉弁方向に付勢する第1のばねと、アンカーを固定コアの反対側から開弁方向に付勢する第2のばねとを備えており、アンカーと弁部材との双方にアンカーが弁部材に対して開弁方向に変位した場合に係合してアンカーの開弁方向への変位を規制する係合部が設けられ、付勢力が第1のばねよりも小さく第2のばねよりも大きい第3のばねによってアンカーを固定コア側から閉弁方向に付勢している。また、間隙形成部材が弁部材の基準位置に位置づけられた状態でアンカーと当接することで弁部材側の係合部とアンカー側の係合部との間にプレストロークを規定する間隙を形成し、第3のばねが間隙形成部材を基準位置に位置づけるように閉弁方向に付勢している。
ところで、上述のプレストロークを規定する間隙が過小に形成された場合には、可動子(アンカー)の運動エネルギが低すぎて開弁動作に利用することができず、高圧力条件下(例えば、25MPa以上)において開弁することができなくなる。逆に、プレストロークを規定する間隙が過大に形成された場合には、可動子に対する磁気吸引力の作用が弱くなり、可動子を開弁方向へ引き寄せられず開弁することができない。このようなことから、開弁動作の応答性向上のためのプレストロークの大きさ(プレストローク量)は、ばらつきの許容範囲が±十数μmと狭くなっている。
特許文献1に記載の燃料噴射弁においては、間隙形成部材がアンカーに対向する端面側にプランジャロッドの係合部(鍔状の段付き部)を収容可能な凹部を備えており、間隙形成部材の凹部底面がプランジャロッドの係合部(基準位置)に位置づけられた状態で間隙形成部材の凹部開口側がアンカーに当接することで、プランジャロッドの係合部とアンカーの係合部との間にプレストロークを規定する間隙が形成されている。すなわち、間隙形成部材の凹部の深さ寸法からプランジャロッドの段付き部の両段部の間隔寸法(高さ寸法)を引いた寸法がプレストローク量に相当する。つまり、プレストローク量は、2部品間の寸法差によって規定されるものである。
このため、プレストローク量のばらつきを上述の許容範囲内に収めるために、部品単体の寸法公差を±数μmにすることが考えられる。しかし、このような寸法公差で部品を製造することは、工作機械の加工精度やコストの観点から難しい。一方、±数μmよりも大きな寸法公差の加工精度で加工した2部品を任意に組み付ける場合、プレストローク量のばらつきが上述の許容範囲を超えることがある。
そこで、所定の加工精度で加工した多数の2部品の寸法(間隙形成部材の凹部の深さ寸法及びプランジャロッドの段付き部の間隔寸法)を全数実測し、プレストローク量のばらつきが所定の許容範囲となるように2部品を選別して組み合わせている。このため、プレストローク量のばらつきを所定の許容範囲に収めるためには、多くの工数が必要となっている。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、部品の加工精度の高低によらずにプレストローク量のばらつきを低減することができる燃料噴射弁のプレストローク調整方法を提供することである。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、弁座に対して着座及び離座が可能な弁体を先端部に有する弁部材と、前記弁部材に対して開閉弁方向に相対的に変位可能かつ前記弁部材に係合可能な可動子と、前記弁部材及び前記可動子に対して開閉弁方向に相対的に変位可能に構成され、かつ、第1部分が前記弁部材の基準位置に位置づけられた状態で第2部分が前記可動子に当接することにより前記弁部材と前記可動子の係合部間にプレストロークを規定する空隙を形成する空隙形成部材とを備えた燃料噴射弁のプレストローク量を調整するプレストローク調整方法であって、前記空隙形成部材は、プレストローク量の調整前において調整代を有しており、前記弁部材に組み付けた状態の前記空隙形成部材に対して、前記第1部分から前記弁部材の前記基準位置に向かう方向の荷重を印加し、前記空隙形成部材を塑性変形させることで、前記第1部分と前記第2部分との間の相対的な長さを短縮させてプレストローク量を目標値にすることを特徴とする。
本発明によれば、弁部材に組み付けた状態の空隙形成部材を塑性変形させることで、弁部材と空隙形成部材の2部品間の所定の位置の寸法差(プレストローク量に相当)を目標値に短縮させることができるので、当該2部品が加工精度に起因した大きな寸法公差を有していても、調整後の2部品間の所定の位置の寸法差に対する当該寸法公差の影響を低下させることができる。すなわち、部品の加工精度の高低によらずに、プレストローク量のばらつきを低減することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の一実施の形態に係る燃料噴射弁のプレストローク調整方法について図面を用いて説明する。本実施の形態のストローク調整方法は、電磁的に弁部材を駆動する電磁式の燃料噴射弁に適用した例を説明している。
[一実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係るプレストローク調整方法を適用する燃料噴射弁の構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るプレストローク調整方法を適用する燃料噴射弁の構造を示す縦断面図である。図1は、弁部材が閉弁した状態、且つ、可動コアが静止した状態を示している。以下の説明では、図1に基づいて上下方向を定義している。この上下方向は、燃料噴射弁の実装状態における上下方向とは必ずしも一致するものではない。
[一実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係るプレストローク調整方法を適用する燃料噴射弁の構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るプレストローク調整方法を適用する燃料噴射弁の構造を示す縦断面図である。図1は、弁部材が閉弁した状態、且つ、可動コアが静止した状態を示している。以下の説明では、図1に基づいて上下方向を定義している。この上下方向は、燃料噴射弁の実装状態における上下方向とは必ずしも一致するものではない。
図1において、燃料噴射弁1は、弁部材30を電磁的に駆動させることで燃料噴射を行う電磁式のものである。具体的には、燃料噴射弁1は、内部に燃料を導入する燃料導入機構10と、導入された燃料を噴射するノズル機構20と、ノズル機構20の燃料噴射の許容及び遮断が可能な弁部材30と、弁部材30を電磁的に駆動させる電磁駆動機構40とを備えている。燃料噴射弁1は、燃料導入機構10に図示しない燃料配管が連結され、ノズル機構20が図示しない吸気管又は内燃機関の燃焼室形成部材(シリンダブロックやシリンダヘッド等)の取付穴に挿入されて取り付けられる。燃料噴射弁1は、燃料配管から燃料導入機構10内に導入された燃料をノズル機構20から吸気管又は燃焼室内に噴射する。燃料噴射弁1は、中心軸線Cを有し、中心軸線Cの延在する方向(図1中、上下方向)にほぼ沿って燃料が流れるように構成されている。
燃料導入機構10は、中心軸線Cに沿って延び、内部が燃料通路の一部を構成する燃料パイプ11と、燃料パイプ11の内部に配置されたフィルタ12とを備えている。燃料パイプ11は、燃料が導入される燃料導入口11aを一方側端部(図1中、上端部)に有している。フィルタ12は、燃料導入口11aにおいて燃料中に混入した異物を濾し取るものである。燃料パイプ11における燃料導入口11a側の外周部には、シール部材13が設けられている。シール部材13は、燃料パイプ11を燃料配管に取り付けた際に燃料配管との接続部からの燃料漏れを防止するものであり、例えば、Oリングで構成されている。燃料パイプ11の他方側端部(図1中、下端部)は、電磁駆動機構40の後述の固定コア41に取り付けられている。
ノズル機構20は、燃料を噴射する燃料噴射孔21a(図2も参照)を有するノズル部材21と、ノズル部材21を保持するノズルホルダ22とを備えている。ノズルホルダ22は、電磁駆動機構40の後述の固定コア41を介して燃料パイプ11に接続されており、燃料パイプ11の延在方向と同じ方向(中心軸線Cに沿って)延びる筒状体である。ノズルホルダ22は、内部が燃料通路の一部として機能すると共に内部に弁部材30及び電磁駆動機構40のいくつかの部材を収容するように構成されている。ノズルホルダ22は、外径が相対的に小さな小径筒状部23と、小径筒状部23よりも外径が大きい大径筒状部24とで構成されている。小径筒状部23の内部には弁部材30の大部分が配置され、大径筒状部24の内部には弁部材30の一部分及び電磁駆動機構40の後述の可動コア42及び空隙形成部材50などの部材が配置されている。
小径筒状部23の先端部の内部には、ノズル部材21が挿入された状態で固定されている。ノズル部材21は、例えば、カップ状に形成されたオリフィスカップと称する部材で構成されており、内面側に円錐状の弁座21b(図2も参照)を有している。オリフィスカップ21の先端面の外周端と小径筒状部23の先端部の開口端とが溶接されることで、オリフィスカップ21と小径筒状部23の接合部分がシールされている。オリフィスカップ21の内部には、ガイド部材26が圧入又は塑性結合により固定されている。ガイド部材26は、弁部材30の移動を開閉弁方向(中心軸線Cに沿った方向)に案内するものであり、弁部材30の外周面と摺接可能に構成されている。小径筒状部23におけるノズル部材21側の外周部には、環状の溝部23aが設けられている。当該溝部23aにはシール部材27が嵌め込まれている。シール部材27は、燃料噴射弁1が内燃機関に搭載される際に気密を維持するものである。シール部材27として、例えば、樹脂製のチップシールが用いられている。
弁部材30は、弁座21bに対して接離方向(図1中、上下方向)に移動可能にノズルホルダ22の内部に配置されている。弁部材30は、弁座21bに対する接離方向(中心軸線Cの延在方向)に延びる弁ロッド部31と、弁ロッド部31における弁座21b側の一方側端部(図1中、下端部)に設けられた弁体32と、弁ロッド部31における弁体32とは反対側の他方側端部(図1中、上端部)に設けられ、弁ロッド部31よりも径方向外側へ張り出した鍔部33と、鍔部33から弁ロッド部31とは反対側に延出する突起部34とを有している。弁体32は、オリフィスカップ21の弁座21bに対して着座及び離座が可能に構成されている。弁体32が弁座21bに当接する(着座する)ことで、燃料噴射孔21aへの燃料の流れが遮断される。一方、弁体32が弁座21bから離隔する(離座する)ことで、燃料噴射孔21aへの燃料の流れが許容される。鍔部33は、電磁駆動機構40の後述の可動コア42と係合する係合部として機能する部分である。弁部材30は、弁体32側(オリフィスカップ21側)に配置されたガイド部材26と鍔部33側に配置された可動コア42とによって、開閉弁方向(中心軸線Cの延在方向)に往復動するように案内される。突起部34の先端部には、キャップ36が圧入などによって取り付けられている。キャップ36は、電磁駆動機構40の後述の第1の付勢ばね61のばね座及び第3の付勢ばね63のばね座を構成する部材である。弁部材30及びキャップ36の構造の詳細は後述する。
電磁駆動機構40は、ノズルホルダ22の大径筒状部24の開口部に取り付けられた固定コア41と、大径筒状部24の内部に移動可能に配置された可動コア42と、固定コア41及び大径筒状部24の外周側に配置された環状又は筒状の電磁コイル43と、大径筒状部24及び電磁コイル43の外周部を取り囲みヨークとして機能するハウジング44とを備えている。ノズルホルダ22の大径筒状部24、固定コア41、可動コア42、ハウジング44によって、電磁コイル43を囲む環状の磁気通路が形成されている。
固定コア41は、一方側端部(図1中、下端部)の外周部がノズルホルダ22の大径筒状部24の内周部に圧入され、接触位置で溶接されている。当該溶接により、固定コア41の外周面とノズルホルダ22の大径筒状部24の内周面との隙間が封止されている。固定コア41は、中心部に中心軸線Cに沿って延在する貫通孔41aを有している。固定コア41の貫通孔41aは、燃料パイプ11の燃料導入口11a及びノズルホルダ22の内部空間と連通しており、燃料通路の一部を構成している。当該貫通孔41aは、キャップ36が取り付けられた弁部材30が挿通可能に形成されている。すなわち、貫通孔41aの内径は、キャップ36の外径よりも大きくなるように設定されている。固定コア41における電磁コイル43よりも燃料導入口11a側の外周部には、環状の一部分が欠落したC字状のコア部材45が嵌合されている。固定コア41は、可動コア42との間に磁気吸引力を作用させるための部材であり、可動コア42に対向する端面41b(図1中、下端面)を有している。
可動コア42は、固定コア41よりもノズル部材21側に位置しており、磁気吸引力が作用することで固定コア41側に引き寄せられる部材(可動子)である。可動コア42は、その外周面がノズルホルダ22の大径筒状部24の内周面に摺動することで、移動が開閉弁方向(大径筒状部24の延在方向)に案内される。すなわち、大径筒状部24が可動コア42の移動を案内するガイドとして機能している。可動コア42は、弁部材30の弁ロッド部31が挿通可能な挿通孔421を中心部に有しており、弁部材30に対して相対的に移動可能に構成されている。すなわち、可動コア42は、挿通孔421を形成する内周面が弁ロッド部31の外周面に対して摺動可能に構成されており、弁部材30の移動を案内するガイド機能を有している。可動コア42は、挿通孔421の周囲に、燃料通路を構成する貫通孔422を有している。可動コア42は、弁部材30の鍔部33に弁体32側(図1中、下側)から係合するように構成されている。可動コア42は、弁部材30と共に、ノズルホルダ22内で移動可能な可動部を構成している。可動コア42の構造の詳細は後述する。
電磁コイル43は、断面がU字状で径方向外側に開口する環状のボビン46に巻きつけられている。電磁コイル43の両端部には、剛性の高い導体部47が取り付けられている。導体部47は、固定コア41の外周に嵌合したコア部材45の欠落部分の空間に設けれられた穴部45aから引き出されている。
ハウジング44は、筒状に形成されており、ノズルホルダ22の大径筒状部24が内部に位置する状態で嵌合している。ハウジング44の内部には、固定コア41の大部分及び電磁コイル43がハウジング44の内周面から隙間を設けて配置されている。ハウジング44は、ノズルホルダ22の小径筒状部23と共に燃料噴射弁1の外郭の一部を構成している。
電磁コイル43、固定コア41、燃料パイプ11の固定コア41側の部分の外周側は、樹脂カバー48によって覆われている。樹脂カバー48は、ハウジング44の燃料導入口11a側の開口部から絶縁樹脂を注入することでモールド成形されている。樹脂カバー48は、高電圧電源やバッテリ電源からの電力を供給するためのプラグと接続可能なコネクタ48aを有している。導体部47は、その大部分が樹脂カバー48に埋設されているが、一部分がコネクタ48aのところで露出している。
ノズルホルダ22の大径筒状部24内には、空隙形成部材50が弁部材30の鍔部33(係合部)及び可動コア42に対して当接可能且つ弁部材30及び可動コア42に対して開閉弁方向(中心軸線Cの延在方向)に相対的に移動可能に配置されている。空隙形成部材50は、閉弁状態において弁部材30の鍔部33(係合部)と可動コア42との間にプレストロークを規定する開閉弁方向(中心軸線Cの延在方向)の空隙を形成する部材である。プレストロークは、開弁動作のときに、弁部材30の弁体32が閉弁状態のままで可動コア42が開弁方向へ移動することを指すものである。空隙形成部材50の構造の詳細は後述する。
固定コア41の貫通孔41aの内部には、第1の付勢ばね61が弁部材30よりも燃料導入口11a側(図1中、上側)の位置に配置されると共に、調整子64が第1付勢ばねよりも燃料導入口11a側の位置で圧入により固定されている。第1の付勢ばね61は、弁部材30を閉弁方向(図1中、下方向)に付勢するものである。第1の付勢ばね61は、一端部(図1中、下端部)が弁部材30の突起部34に取り付けられたキャップ36に当接すると共に、他端部(図1中、上端部)が調整子64に支持されている。調整子64は、固定コア41の貫通孔41a内での位置を調整可能に構成されており、閉弁状態の弁部材30に対する第1の付勢ばね61の付勢力を調整するものである。調整子64の一方側端部(図1中、下端部)は、第1の付勢ばね61の他端側のばね座を構成している。
ノズルホルダ22の大径筒状部24の内部には、可動コア42よりもノズル部材21側の位置に第2の付勢ばね62が配置されている。第2の付勢ばね62は、可動コア42を介して弁部材30を開弁方向(図1中、上方向)に付勢するものである。第2の付勢ばね62は、一端部(図1中、下端部)が大径筒状部24の内側部分に支持されると共に、他端部(図1中、上端部)が可動コア42に当接している。
キャップ36と空隙形成部材50の間に、第3の付勢ばね63が配置されている。第3の付勢ばね63は、空隙形成部材50を可動コア42側に付勢するものである。第3の付勢ばね63は、一端部(図1中、下端部)が空隙形成部材50に当接すると共に、他端部(図1中、上端部)がキャップ36に当接している。
上述した3つの付勢ばね61、62、63は、付勢力が大きい方から順に、第1の付勢ばね61、第3の付勢ばね63、第2の付勢ばね62である。
次に、燃料噴射弁の可動部を構成する各部材(キャップが取り付けられた弁部材、可動コア、空隙形成部材)の構造の詳細について図2を用いて説明する。図2は図1の符号Yに示す燃料噴射弁の一部分を拡大した状態で示す断面図である。図2は、弁部材が閉弁した状態、且つ、可動コアが静止した状態を示している。
図2において、弁部材30は、上述したように、弁体32、弁ロッド部31、鍔部33、突起部34が一体に形成されたものであり、例えば、マルテンサイト系の鋼材により形成され焼き入れされた高強度の部材である。弁体32は、先端面がノズル部材21の弁座21bに当接することで、燃料の燃料噴射孔21aへの流れを遮断するものである。弁ロッド部31は、可動コア42の挿通孔421に挿通されており、その外周面が挿通孔421を形成する内周面に摺動可能に構成されている。すなわち、弁ロッド部31は、その移動が可動コア42に案内されている。鍔部33は、その外径が可動コア42の挿通孔421の孔径よりも大きく形成されており、可動コア42と係合する係合部として機能する。
鍔部33は、弁体32側(図1中、下側)を向き、可動コア42と係合可能な環状の係合面33a(図2中、下端面)と、係合面33aとは反対側(図1中、上側)を向き、空隙形成部材に当接可能な環状の当接面33b(図2中、上端面)とを有している。鍔部33は、係合面33aと当接面33bとの間の寸法差である高さ寸法Hc(又は厚み)を有している。突起部34は、弁ロッド部31と略同じ外径を有すると共に、第3の付勢ばね63を配置可能な長さを有するロッド状の部分である。
鍔部33は、弁体32側(図1中、下側)を向き、可動コア42と係合可能な環状の係合面33a(図2中、下端面)と、係合面33aとは反対側(図1中、上側)を向き、空隙形成部材に当接可能な環状の当接面33b(図2中、上端面)とを有している。鍔部33は、係合面33aと当接面33bとの間の寸法差である高さ寸法Hc(又は厚み)を有している。突起部34は、弁ロッド部31と略同じ外径を有すると共に、第3の付勢ばね63を配置可能な長さを有するロッド状の部分である。
弁部材30に取り付けられるキャップ36は、固定コア41の貫通孔41aの内部に配置可能に構成されている。キャップ36は、例えば、突起部34と嵌合する筒状部37と、筒状部37の燃料導入口11a(図1参照)側(図2中、上側)の開口を閉塞すると共に筒状部37よりも径方向外側に張り出した底部38とで構成されている。キャップ36の底部38には、底部38を貫通してキャップ36の内外を連通させる貫通孔38bが設けられている。貫通孔38bは、キャップ36を弁部材30の突起部34に圧入する際の空気抜き用の孔として機能するものであり、キャップ36の突起部34への圧入作業を容易にする。キャップ36は、例えば、底部38の底面38aに弁部材30の突起部34の先端面34aが当接して貫通孔38bを閉塞するように取り付けられている。
キャップ36の底部38における燃料導入口11a側(図2中、上側)を向く第1外面38cは、第1の付勢ばね61の一方側のばね座を構成している。底部38における第1外面83cとは反対側を向く環状の第2外面38dは、第3の付勢ばね63の他方側のばね座を構成している。すなわち、キャップ36は、弁体32側に向かって(閉弁方向に)第1の付勢ばね61の付勢力を受ける一方、燃料導入口11a側に向かって(開弁方向に)第3の付勢ばね63の付勢力を受ける。上述したように、第1の付勢ばね61の付勢力が第3の付勢ばね63の付勢力よりも大きいので、キャップ36は、第1の付勢ばね61と第3の付勢ばね63の付勢力の差分よって突起部34に常時押し付けられている。したがって、キャップ36は、突起部34から抜ける方向の力が作用しないので、突起部34に圧入固定するだけで十分であり、溶接する必要はない。
可動コア42は、固定コア41側(図2中、上側)を向く第1端面42a(図2中、上端面)と第1端面42aとは反対側(図2中、下側)を向く第2端面42b(図2中、下端面)とを有している。可動コア42は、第1端面42aが固定コア41のノズル部材21側(図2中、下側)の端面41b(図2中、下端面)に対して対向するように構成されている。可動コア42は、弁部材30が閉弁状態のときに、第1端面42aが固定コア41の端面41bに対して隙間G1をあけて対向している。可動コア42は、電磁吸引力により固定コア41側に引き寄せられたとき、第1端面42aが固定コア41の端面41bに衝突するように構成されている。可動コア42の第2端面42bは、第2の付勢ばね62の他方側端部(図2中、上端部)が当接する部分であり、第2の付勢ばね62のばね座を構成している。第2端面42bは、ノズルホルダ22の大径筒状部24と小径筒状部23との段差面に対面しているが、第2端面42bと大径筒状部24との間に第2の付勢ばね62が介在していることで段差面に接触することはない(図1参照)。
可動コア42の第1端面42a側における中央部には、例えば、固定コア41側に開口する凹部423が形成されている。凹部423は、弁部材30の鍔部33及び空隙形成部材50の全体を収容可能な内径及び高さを有している。凹部423の底面423aは、弁部材30の鍔部33の係合面33a(図2中、下端面)と係合可能かつ空隙形成部材50の後述の周壁部52の先端部52aと当接可能な部分である。
可動コア42の挿通孔421は、凹部423の底面423aから第2端面42bまでを貫通する孔である。挿通孔421の孔径は、弁ロッド部31の鍔部33の外径よりも小さく、弁ロッド部31が摺動可能な大きさに設定されている。すなわち、可動コア42の挿通孔421を形成する内周面が弁ロッド部31の外周面と相対的に摺動する摺動面を構成する。可動コア42は、凹部423の底面423aが弁部材30の鍔部33の係合面33aに係合することで、閉弁状態から開弁状態に移行する開弁動作時または開弁状態から閉弁状態に移行する閉弁動作時において、弁部材30と協働して移動する。なお、可動コア42を下方へ動かす力又は弁部材30を上方へ動かす力が独立して作用した場合には、可動コア42は、弁部材30に対して相対的に変位するように移動する。
空隙形成部材50は、可動コア42に対する係合部としての弁部材30の鍔部33の全体を収容可能な内部空間50aを有する有底の筒状体である。空隙形成部材50は、弁部材30の鍔部33の当接面33b(図2中、上端面)と当接可能な底面51aを有する底部51と、底部51の外周縁部から立ち上がり可動コア42側(図2中、下側)に開口する周壁部52とを有している。底部51の外面51b(図2中、上面)は、第3の付勢ばね63の一方側端部(図2中、下端部)が当接する部分であり、第3の付勢ばね63の一方側のばね座を構成している。空隙形成部材50は、周壁部52の開口部が可動コア42側を向いており、周壁部52の開口側端部(先端部)52aが可動コア42の凹部423の底面423aに当接可能な当接部である。底部51には、弁部材30の突起部34が挿通可能な挿通孔53が形成されていると共に、挿通孔53の開口縁から周壁部52とは反対側に延びる筒状の傾斜規制部54が設けられている。空隙形成部材50の挿通孔53及び傾斜規制部54の内径は弁部材30の鍔部33の外径よりも小さくなるように設定されている。傾斜規制部54は、弁部材30の突起部34の外周面に摺動可能に形成されており、空隙形成部材50が弁部材30に対して傾斜することを規制するものである。これにより、空隙形成部材50の弁部材30に対する傾斜によるプレストローク量のずれの発生を抑制することができる。空隙形成部材50は、塑性変形する荷重が弁部材30よりも小さい部材であり、例えば、オーステナイト系の鋼材により形成されている。
空隙形成部材50の内部空間は、その高さHs(底面51aから周壁部52の開口側先端までの長さ寸法)が鍔部33の高さHc(鍔部33の係合面33aと当接面33bとの間の長さ寸法)よりも大きく、且つ、その内径(周壁部52の内径)が鍔部33の外径よりも大きくなるように形成されている。空隙形成部材50は、弁部材30の鍔部33の当接面33b(基準位置)に位置づけられた状態において周壁部52の開口側端部52a(当接部)が可動コア42と当接することで、弁部材30の鍔部33の係合面33a(係合部)と可動コア42の凹部423の底面423a(係合部)との間にプレストロークを規定する空隙G2を形成させるものである。すなわち、プレストロークの大きさ(プレストローク量)は、空隙形成部材50の内部空間50aの高さ寸法Hsから鍔部33の高さ寸法Hcを引いた寸法D2となる。可動コア42が図2に示す状態から固定コア41側へ空隙G2が0になるまで変位するとき、弁部材は変位せずに閉弁状態が維持される。
図2に示すように、弁部材30が閉弁状態かつ可動コア42が静止状態の場合、空隙形成部材50は、第3の付勢ばね63の閉弁方向の付勢力を受けて、底面51aが弁部材30の鍔部33の当接面33b(基準位置)と当接することにより、弁部材30の基準位置(鍔部33の当接面33b)に位置づけられている。すなわち、空隙形成部材50の底面51aと弁部材30の鍔部33の当接面33bとの隙間G3の大きさ(寸法)は0である。一方、可動コア42は、第2の付勢ばね62の付勢力を受けて、挿通孔421の凹部423の底面423aが空隙形成部材50の周壁部52の開口側端部(先端部)52aに当接する。このとき、第2の付勢ばね62の付勢力が第3のばね134の付勢力よりも小さく、且つ、空隙形成部材50の内部空間50aの高さ寸法Hsが弁部材30の鍔部33の高さ寸法Hcよりも大きいので、可動コア42は第3の付勢ばね63により付勢された空隙形成部材50を押し返すことはできず、可動コア42の底面423aは弁部材30の鍔部33の係合面33aに係合しない。すなわち、可動コア42の底面423aと弁部材30の鍔部33の係合面33aとの隙間G2の大きさは、プレストローク量に相当するものであり、空隙形成部材50の内部空間50aの高さ寸法Hcから鍔部33の高さ寸法Hcを引いた大きさD2となる。プレストローク量D2は、可動コア42の第1端面42a(衝突面)と固定コア41の端面41b(衝突面)との隙間G1の大きさ(寸法)D1よりも小さくなるように設定されている(D2<D1)。
固定コア41の端面41b(衝突面)、可動コア42の第1端面(衝突面)42a、空隙形成部材50の底面51a、弁部材30の鍔部33の係合面33a及び当接面33bには、耐久性を向上させるために、メッキを施してもよい。例えば、可動コア42に比較的軟らかい軟磁性ステンレス鋼を用いた場合には、硬質クロムメッキや無電解ニッケルメッキを用いることで、耐久信頼性を確保することができる。
だたし、可動コア42と空隙形成部材50との当接部423a、52a及び弁部材30の鍔部33と空隙形成部材50との当接部33b、51aにおける衝突力は、固定コア41と可動コア42との衝突面41b、42aにおける衝突力に対してかなり小さい。そのため、、可動コア42と空隙形成部材50との当接部423a、52a及び弁部材30の鍔部33と空隙形成部材50との当接部33b、51aにおけるメッキの必要性は、固定コア41と可動コア42との衝突面41b、42aにおけるメッキの必要性に比べて格段に小さい。
なお、可動コア42と空隙形成部材50との当接部423a、52aや弁部材30の鍔部33と空隙形成部材50との当接部33b、51aにメッキを施す場合には、メッキの厚みを含めた寸法を基にプレストローク量が決定される。
また、弁部材30や可動コア42で構成される可動部のストローク調整は、以下のとおりである。ノズルホルダ22の大径筒状部24内に可動コア42を配置し、大径筒状部24の外周に電磁コイル43及びハウジング44を装着する。また、空隙形成部材50及び第3の付勢ばね63をこの順で弁部材30の突起部34側に組み付けた後に、弁部材30の突起部34にキャップ36を圧入する。次に、部材が組み付けられた弁部材30を固定コア41の貫通孔41aに挿通し、弁部材30の弁ロッド部31を可動コア42に挿通する。それから、固定コア41の貫通孔41aに第1の付勢ばね61及び調整子64をこの順で装着する。この状態で、治具により弁部材30を閉弁位置に押下し、電磁コイル43へ通電したときの弁部材30のストロークを検出しながら、ノズル部材21の圧入位置を決定する。これにより、可動コア42のストロークを調整する。例えば、第1の付勢ばね61の初期荷重が調整された状態で、固定コア41の端面41bが可動コア42の第1端面42aに対して約70~150μm程度の磁気吸引ギャップG1を隔てて対面するように調整される。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るプレストローク調整方法を適用する燃料噴射弁の開弁動作について図1~図4を用いて説明する。図3は図2に示す燃料噴射弁の開弁動作における初期状態(弁部材が閉弁静止状態、且つ、可動コアが変位状態)を示す拡大図である。図4は図2に示す燃料噴射弁の開弁動作における中途状態(弁部材及び可動コアが変位状態)を示す拡大図である。
図1に示す電磁コイル43には、導体部47を介して駆動電流が供給される。電磁コイル43への通電または非通電は、図示しないコントローラによって制御される。
電磁コイル43に通電されていない状態では、図2に示すように、第1の付勢ばね61と第2の付勢ばね62との付勢力から第3の付勢ばね63部材の付勢力を引いた力により、弁部材30の弁体32が弁座21bに当接することで、閉弁している。
このとき、可動コア42は、凹部423の底面423aが空隙形成部材50の周壁部52の開口側の先端部52aと当接した状態で静止している。この状態を閉弁静止状態という。閉弁静止状態では、可動コア42の第1端面42a(衝突面)と固定コア41の端面41b(衝突面)との間に間隙G1が存在する。一方、空隙形成部材50は、その周壁部52の先端部52aが可動コア42の凹部423の底面423aと当接していると共に、その底部51の底面51aが弁部材30の鍔部33の当接面33bと当接している。このため、弁部材30の鍔部33の係合面33aと可動コア42の凹部423の底面423aとの間に間隙G2が存在する。このとき、間隙G1の大きさ(寸法)はD1となっており(G1=D1)、間隙G2の大きさ(寸法)はD2となっている(G2=D2)。プレストロークの大きさ(プレストローク量)は、空隙形成部材50が弁部材30の基準位置(鍔部33の当接面33b)に位置づけられ且つ可動コア42と当接した状態において、弁部材30の係合部(鍔部33の係合面33a)と可動コア42の係合部(凹部423の底面423a)との空隙G2の大きさ(寸法)により規定される。したがって、この間隙G2の大きさD2がプレストローク量となる。なお、空隙形成部材50の底面51aと弁部材30の鍔部33の当接面33bとが接触しているので、空隙形成部材50の底面51aと弁部材30の鍔部33の当接面33bと間の隙間G3の大きさ(寸法)は0である。
図1に示す電磁コイル43に通電が開始されると、磁気通路を構成する固定コア41、ヨークとしてのハウジング44、可動コア42に磁束が生じ、固定コア41の端面41bと可動コア42の第1端面42aとの間に磁気吸引力が作用する。磁気吸引力が第3の付勢ばね63の付勢力よりも大きくなると、可動コア42が固定コア41側に向かって変位を開始する。このとき、空隙形成部材50は、可動コア42との当接状態が維持されているので、可動コア42の固定コア41側への変位に伴い固定コア41側へ変位する。一方、弁部材30は、第1の付勢ばね61の付勢力より変位せずに、弁体32が弁座21bに当接している状態が維持されている。
図3では、可動コア42が固定コア41側へ変位することで、可動コア42の凹部423の底面423aが弁部材30の鍔部33の係合面33aに係合した状態となっている。
すなわち、可動コア42の係合部(底面423a)と弁部材30の係合部(鍔部33の係合面33a)との空隙G2の大きさ(寸法)は0となる(G2=0)。このとき、可動コア42は、弁部材30を伴うことなく、閉弁静止状態のときの空隙G2の大きさ分の助走距離を変位することで、ある程度の速度をもって弁部材30の鍔部33に係合する。閉弁静止状態のときの空隙G2が必要なプレストローク量D2を有することで、可動コア42が弁部材30の鍔部33に係合したときに弁部材30を速やかに持ち上げることができ、その結果、弁体32の開弁動作が速やかに開始される。
すなわち、可動コア42の係合部(底面423a)と弁部材30の係合部(鍔部33の係合面33a)との空隙G2の大きさ(寸法)は0となる(G2=0)。このとき、可動コア42は、弁部材30を伴うことなく、閉弁静止状態のときの空隙G2の大きさ分の助走距離を変位することで、ある程度の速度をもって弁部材30の鍔部33に係合する。閉弁静止状態のときの空隙G2が必要なプレストローク量D2を有することで、可動コア42が弁部材30の鍔部33に係合したときに弁部材30を速やかに持ち上げることができ、その結果、弁体32の開弁動作が速やかに開始される。
また、可動コア42の固定コア41側への変位に伴い空隙形成部材50が固定コア41側へ変位することで、空隙形成部材50の底面51aと弁部材30の鍔部33の当接面33bと間に隙間G3が形成される。このとき、空隙形成部材50の周壁部52の開口側の先端部52aと可動コア42の底面423aとが当接している状態において、可動コア42の底面423aが弁部材30の鍔部33の係合面33aに係合しているので、隙間G3の大きさ(寸法)はプレストローク量と同じD2となる(G3=D2)。プレストローク量は、空隙形成部材50の内部空間50aの高さ寸法Hsから弁部材30の鍔部33の高さ寸法Hcを差し引いた寸法と一致する。すなわち、プレストローク量は、空隙形成部材50の周壁部52の開口側の先端部52aが可動コア42の底面423aに当接している状態において、弁部材30と可動コア42とが相対的に変位可能な大きさ(寸法)に相当する。
また、可動コア42が固定コア41側へ変位することで、その分、可動コア42の第1端面42aと固定コア41の端面41bとの間隙G1の大きさが小さくなっている。間隙G1の大きさ(寸法)は、閉弁静止状態のときのD1からプレストローク量D2を差し引いた大きさのD3となる(G1=D3<D1)。
可動コア42が弁部材30の鍔部33に係合したとき、電磁コイル43への通電により発生した磁気吸引力及びプレストローク量D2の助走距離分の加速による可動コア42の運動エネルギによって、可動コア42の開弁方向への推進力が第1の付勢ばね61の付勢力よりも大きくなっている。このため、可動コア42は、図4に示すように、弁部材30及び空隙形成部材50を伴い固定コア41側へ移動する。これにより、弁部材30の弁体32が弁座21bから離隔することで、開弁状態となる。
図4は、可動コア42の第1端面42aが固定コア41の端面41bに衝突した瞬間である。この場合、可動コア42の第1端面42aと固定コア41の端面41bとの間隙G1の大きさは0である(G1=0)。また、空隙形成部材50の周壁部52の開口側の先端部52a(当接部)が可動コア42の凹部423の底面423aに当接している状態が維持されていると共に、弁部材30の係合部(鍔部33の係合面33a)が可動コア42の係合部(凹部423の底面423a)に係合している状態が維持されている。このため、弁部材30の鍔部33の係合面33aと可動コア42の底面423aとの隙間G2の大きさ(寸法)は0(G2=0)であり、空隙形成部材50の底面51aと弁部材30の鍔部33の当接面33bとの隙間G3の大きさ(寸法)がプレストローク量D2(G3=D2)となっている。
その後、弁部材30の運動エネルギにより、弁部材30は可動コア42から離れる方向へ更に変位する。すなわち、弁部材30の係合部(鍔部33の係合面33a)と可動コア42の係合部(凹部423の底面423a)との係合が解除される。したがって、弁部材30の開弁状態が維持さている。
このように、燃料噴射弁1においては、空隙形成部材50が弁部材30の基準位置に位置づけられ且つ可動コア42と当接した状態において、弁部材30の鍔部33の係合部(鍔部33の係合面33a)と可動コア42の係合部(凹部423の底面423a)との間に空隙G2が形成される。この空隙G2がプレストロークを規定する。燃料噴射弁1がプレストロークを備えることで、可動コア42は、弁部材30との係合前に、プレストローク量分の助走により運動エネルギを獲得ことができる。これにより、可動コア42が弁部材30に係合したときに、可動コア42が弁部材30を速やかに持ち上げることができるので、弁体32の迅速な開弁動作が可能となり、開弁動作の応答性が向上する。
上述のプレストローク量が過小である場合には、可動コア42の運動エネルギが低すぎて開弁動作に利用することができず、高圧力条件下(例えば、25MPa以上)において開弁することができなくなる。逆に、プレストローク量が過大である場合には、可動コア42に対する磁気吸引力の作用が弱くなり、可動コア42を固定コア41側へ引き寄せられず、開弁することができない。このようなことから、プレストローク量のばらつきの許容範囲は、±十数μmと狭くなっている。
プレストローク量は、上述したように、空隙形成部材50と弁部材30の2部品の寸法差で規定されるものである。より具体的には、空隙形成部材50の内部空間50aの高さ寸法Hsから弁部材30の鍔部33の高さ寸法Hcを差し引いた大きさがプレストローク量D2に相当する。
このため、プレストローク量のばらつきを上述の許容範囲内に収めるために、各部品30、50の寸法公差を±数μmにすることが考えられる。しかし、このような寸法公差で部品30、50を製造することは、工作機械の加工精度やコストの観点から難しい。一方、±数μmよりも低い加工精度で加工した2部品30、50を任意に組み付けると、プレストローク量のばらつきが上述の許容範囲を超えることがある。そこで、多数の2部品30、50の寸法を全数実測し、プレストローク量のばらつきが当該許容範囲となるように2部品30、50を選別して組み合わせることが考えられる。しかし、この場合には、多くの工数が必要となり、コストが嵩む問題がある。
そこで、本実施の形態に係る燃料噴射弁1のプレストローク調整方法は、空隙形成部材50と弁部材30の2部品の寸法差で規定されるプレストローク量のばらつきを、部品30、50の加工精度の影響を受けることなく、所定の許容範囲内に収めることができるようにするものである。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射弁のプレストローク調整方法について図5~図7を用いて説明する。図5は本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射弁のプレストローク調整方法の第1段階を示す説明図である。図6は本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射弁のプレストローク調整方法の第2段階を示す説明図である。図7は本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射弁のプレストローク調整方法の第3段階を示す説明図である。
本実施の形態に係る燃料噴射弁1のプレストローク調整方法は、空隙形成部材50の内部空間50aの高さ寸法Hs(底面51aから開口側端部52aまでの距離)から弁部材30の鍔部33の高さ寸法Hc(係合面33aから当接面33bまでの距離)を差し引いた寸法に相当するプレストローク量D2(図2参照)が所定の許容範囲内になるように調整するものである。本実施の形態に係るプレストローク調整方法の特徴は、図7に示すように、弁部材30に組み付けた空隙形成部材50に対して、底面51aから弁部材30の鍔部33(基準位置)に向かう方向の荷重Lを印加して塑性変形させ、空隙形成部材50と弁部材30の2部品間の所定の位置の寸法差を短縮させることで、当該寸法差に相当するプレストローク量D2を開弁動作の応答性向上が見込める目標値T2にすることである。プレストローク調整方法の具体的な手順は、次のとおりである。
第1に、空隙形成部材50は、プレストローク量の調整前に調整代A1を有している。
すなわち、調整代A1を有する空隙形成部材50M(プレストローク調整後の最終的な部品としての空隙形成部材50よりも所定部分の寸法が大きい中間材)、及び、最終的な部品としての調整代のない弁部材30を準備する。弁部材30及び中間材の空隙形成部材50Mは、所定の加工精度で加工されている。加工精度は低くて構わない。このとき、弁部材30及び中間材の空隙形成部材50Mの両部品には、加工精度に起因して部品寸法にばらつきが生じている。
すなわち、調整代A1を有する空隙形成部材50M(プレストローク調整後の最終的な部品としての空隙形成部材50よりも所定部分の寸法が大きい中間材)、及び、最終的な部品としての調整代のない弁部材30を準備する。弁部材30及び中間材の空隙形成部材50Mは、所定の加工精度で加工されている。加工精度は低くて構わない。このとき、弁部材30及び中間材の空隙形成部材50Mの両部品には、加工精度に起因して部品寸法にばらつきが生じている。
図5において、空隙形成部材50Mは、プレストローク量を調整する前の調整代A1を有する中間材である。空隙形成部材50Mは、底部51の底面51aが弁部材30の鍔部33の当接面33bに当接して基準位置に位置づけられている。中間材の空隙形成部材50Mの内部空間50aの高さ寸法Hs(b)から弁部材30の鍔部33の高さ寸法Hcを差し引いた寸法差が調整前のプレストローク量D2(b)に相当する。調整前のプレストローク量D2(b)の大きさをT1とする。このとき、調整前のプレストローク量D2(b)は、空隙形成部材50M及び弁部材30の加工精度に起因した寸法公差±αを有している。つまり、D2(b)=T1±αである。
この調整前のプレストローク量D2(b)をT1から最終的に目標値T2にする。そこで、調整前のプレストローク量D2(b)が当該目標値T2に調整代A1を合算した値になるように、中間材の空隙形成部材50Mの内部空間50aの高さHs(b)が設定されている。このとき、加工された弁部材30及び中間材の空隙形成部材50Mの寸法は、加工精度に起因した寸法公差を有している。すなわち、D2(b)=T1±α=T2+A1±αとなっている。最終的には、空隙形成部材50Mを塑性変形させることで、調整前の内部空間50aの高さ寸法Hs(b)を調整代A1分だけ短縮させることで、プレストローク量D2を目標値T2にするものである。
第2に、図6に示すように、中間材の空隙形成部材50Mを弁部材30に組み付けた状態で第1治具100と第2治具110の間にセットする。具体的には、第1治具100の上側に弁部材30および中間材の空隙形成部材50Mが配置され、弁部材30および中間材の空隙形成部材50Mを挟み込むように第2治具110が第1治具100の上側に配置される。
第1治具100は、弁部材30の弁ロッド部31を挿通可能な挿通穴部101を有している。挿通穴部101の直径は、弁部材30の鍔部33の外径よりも小さく、弁ロッド部31よりも僅かに大きくなるように設定されている。
また、第1治具100は、弁部材30の鍔部33の係合面33aに当接する環状の当接面102を挿通穴部101の開口縁部に有していると共に、空隙形成部材50の周壁部52の先端部52aが当接する第1加圧面103を当接面102の外周側に有している。当接面102は、第1加圧面103よりもプレストローク量D2の目標値T2分だけ高い位置に形成されている。すなわち、当接面102は、第1加圧面103に対してプレストローク量D2の目標値T2に相当する高さの段差S1を形成している。弁部材30の鍔部33の係合面33aが当接する当接面102の面積は、鍔部33が後述の荷重の印加によって塑性変形が生じる応力が発生することがないような大きさに設定されている。本実施の形態に係るプレストローク調整方法は、弁部材30の鍔部33を塑性変形させないものである。
第1治具100の段差S1の寸法精度は、厳密に管理された高精度のものであり、弁部材30および中間材の空隙形成部材50Mの寸法公差に比べて高精度のものである。したがって、当接面102の第1加圧面103に対する段差S1の高さ寸法の誤差は、弁部材30および中間材の空隙形成部材50Mの寸法公差と比べて無視できるものである。すなわち、S1=T2である。この段差S1の高さ寸法によって、2部品間の寸法差に相当するプレストロークを形成する。
また、当接面102と第1加圧面103は、第1テーパ部104によって接続されている。第1テーパ部104と第1加圧面103との接続部分は、中間材の空隙形成部材50Mの周壁部52の内周面よりも内側に位置している。また、挿通穴部101を形成する内周面と当接面102は、第2テーパ部105によって接続されている。第2テーパ部105は、弁部材30の弁体32及び弁ロッド部31の挿通穴部101への挿入を案内する機能を有している。
第2治具110は、中間材の空隙形成部材50Mの傾斜規制部54が挿通可能な嵌合穴部111を有している。嵌合穴部111の直径は、中間材の空隙形成部材50Mの周壁部52の外径よりも小さく、傾斜規制部54の外径よりも僅かに大きくなるように設定されている。また、第2治具110は、中間材の空隙形成部材50Mの底部51の外面51bに当接する第2加圧面113を有している。
このような構成の第1治具100に対して、弁部材30の弁ロッド部31を挿通穴部101に挿入して弁部材30の鍔部33の係合面33aを段差部の当接面102に当接させる。このとき、弁部材30に組み付けられている中間材の空隙形成部材50Mは、その周壁部52の開口側の先端部52aが第1加圧面に当接する。
このように、弁部材30及び中間材の空隙形成部材50Mが第1治具100にセットされた状態では、中間材の空隙形成部材50Mの底面51aと弁部材30の鍔部33の当接面33bとの間に空隙G4が形成されている。当該空隙G4の大きさはプレストロークの調整代A1に相当する(G4=A1)。
第3に、図7に示すように、中間材の空隙形成部材50Mを弁部材30に組み付けた状態で第1治具100と第2治具110とで挟み込み、中間材の空隙形成部材50Mに対して内部空間50aの高さ方向(図7中、上下方向)に荷重L(空隙形成部材50Mの降伏点を超える荷重)を印加することで、中間材の空隙形成部材50Mを塑性変形させる。なお、第1治具100及び第2治具110は、空隙形成部材50に荷重を印加したときに、塑性変形しない強度を有するように構成されている。
具体的には、空隙形成部材50の内部空間50aの底面51aが弁部材30の鍔部33の当接面33bに接触するまで空隙形成部材50(周壁部52)を塑性変形させる。これにより、空隙形成部材50の底面51aと鍔部33の当接面33bとの空隙G4の大きさが調整代A1から0となる(G4=0)。一方、第1治具100は変形しないので、第1治具100の当接面102の第1加圧面103に対する段差S1の大きさは、プレストローク量の目標値T2で不変である。これにより、調整後の内部空間50aの高さ寸法Hs(a)が調整前の内部空間50aの高さ寸法Hs(b)よりも調整代A1分だけ短縮する。したがって、空隙形成部材50の内部空間50aの高さ寸法Hs(a)から弁部材30の鍔部33の高さ寸法Hcを差し引いた寸法に相当するプレストローク量D2(a)が目標値T2となる。
このとき、空隙形成部材50の周壁部52が塑性変形により径方向に拡がるので、周壁部52の内径が、中間材の空隙形成部材50Mのときの内径よりも大きくなっている。また、空隙形成部材50の周壁部52の開口側の先端部52aが第1治具100の第1加圧面103に押圧されて塑性変形することで、ツールマークが潰れる。これにより、空隙形成部材50の先端部52aは、面粗度が向上すると共に、塑性変形により加工硬化することから耐久性が向上する。
また、空隙形成部材50及び弁部材30の加工精度によっては、空隙形成部材50の底面51aが弁部材30の鍔部33の当接面33bに対して幾分傾いてた状態に形成されることがある。しかし、本実施の形態においては、空隙形成部材50の底面51aが弁部材30の鍔部33の当接面33bに当接するまで中間材の空隙形成部材50Mを塑性変形させるので、塑性変形後の空隙形成部材50の底面51aにおける鍔部33の当接面33bとの当接部分は当接面33bの形状に倣った変形状態となる。したがって、空隙形成部材50の底面51aと弁部材30の鍔部33の当接面33bとの衝突面積を最大化することができる。これにより、空隙形成部材50の底面51a及び弁部材30の鍔部33に生じる両部品の衝突時の応力を低減することができ、両部品30、50の耐久性が向上する。
上述したように、本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射弁1のプレストローク調整方法は、弁座21bに対して着座及び離座が可能な弁体32を先端部に有する弁部材30と、弁部材30に対して開閉弁方向に相対的に変位可能かつ弁部材30に係合可能な可動コア42(可動子)と、弁部材30及び可動コア42(可動子)に対して開閉弁方向に相対的に変位可能に構成され、かつ、第1部分51aが弁部材30の基準位置33bに位置づけられた状態で第2部分52aが可動コア42(可動子)に当接することにより弁部材30と可動コア42(可動子)の係合部33a、423a間にプレストロークを規定する空隙G2を形成する空隙形成部材50とを備えた燃料噴射弁1のプレストローク量D2を調整するものである。空隙形成部材50はプレストローク量D2の調整前において調整代A1を有している。当該プレストローク調整方法は、弁部材30に組み付けた状態の空隙形成部材50に対して第1部分51aから弁部材30の基準位置33bに向かう方向の荷重Lを印加し、空隙形成部材50を塑性変形させることで第1部分51aと第2部分52aとの間の相対的な長さ(内部空間の高さ寸法Hs)を短縮させてプレストローク量D2を目標値T2にする。
この方法によれば、弁部材30に組み付けた空隙形成部材50を塑性変形させることで、弁部材30と空隙形成部材50の2部品間の所定の位置の寸法差(プレストローク量に相当)を目標値T2に短縮させることができるので、当該2部品30、50が加工精度に起因した大きな寸法公差を有していても、調整後の2部品30、50間の所定の位置の寸法差に対する当該寸法公差の影響を低下させることができる。すなわち、部品30、50の加工精度の高低によらずに、プレストローク量D2のばらつきを低減することができる。
また、本実施の形態に係るプレストローク調整方法においては、空隙形成部材50に対する荷重Lの印加が弁部材30に組み付けた状態の空隙形成部材50を第1治具100と第2治具110とで挟み込むことで行われる。
この方法によれば、複雑な手順を踏むことなく、弁部材30と空隙形成部材50の2部品を2つの治具100、110によって単純に挟み込むだけで、2部品30、50間の所定の位置の寸法差(プレストローク量D2に相当)の調整が可能である。したがって、プレストローク量D2の調整を容易に実行することができる。
また、本実施の形態に係るプレストローク調整方法において、第1治具100は、弁部材30の鍔部33の係合面33a(係合部または第1側部分)が当接する当接面102および空隙形成部材50の開口側端部52a(第2部分)が当接する第1加圧面103を有している。当接面102は、第1加圧面103に対してプレストローク量の目標値T2に相当する高さの段差S1を形成している。空隙形成部材50に対する塑性変形は、弁部材30の鍔部33の係合面33a(係合部または第1側部分)を第1治具100の当接面102に当接させた状態かつ空隙形成部材50の開口側端部52a(第2部分)を第1治具100の第1加圧面103に当接させた状態において、空隙形成部材50の底面51a(第1部分)が弁部材30の鍔部33の当接面33b(基準位置または第2側部分)に当接するまで行われる。
この方法によれば、空隙形成部材50の底面51a(第1部分)が弁部材30の鍔部33の当接面33b(基準位置または第2側部分)に当接するまで空隙形成部材50を塑性変形させるだけで、空隙形成部材50の開口側端部52a(第2部分)と弁部材30の鍔部33の係合面33a(係合部または第1側部分)との間に第1治具の段差S1の高さ分の空隙を形成することができる。したがって、空隙形成部材50と弁部材30の2部品の加工精度の影響を受けずに、第1治具の段差S1の高さ寸法の精度に応じたプレストローク量D2に調整することができる。したがって、部品30、50の加工精度の影響を受けずに、プレストローク量D2のばらつきを容易に低減することができる。
また、本実施の形態のプレストローク調整方法を用いる燃料噴射弁1において、弁部材30は、弁体32が一方側端部に設けられ開閉弁方向に延びる弁ロッド部31と、弁ロッド部31の他方側端部に設けられ弁ロッド部31よりも径方向外側に突出する鍔部33とを有している。鍔部33は、弁体32側を向く係合面33a(第1側部分)が可動コア42(可動子)に対する係合部を構成すると共に、弁体32側とは反対側を向く当接面33b(第2側部分)が基準位置を構成する。空隙形成部材50は、鍔部33を収容可能な内部空間50aを有し、可動コア42(可動子)側に開口する有底の筒状体である。空隙形成部材50の内部空間50aの底面51aから開口端までの高さ寸法Hsは、鍔部33の係合面33a(第1側部分)から当接面33b(第2側部分)までの高さ寸法Hcよりも大きくなるように設定されている。空隙形成部材50は、底面51aが第1部分を構成すると共に、開口側端部52aが第2部分を構成する。空隙形成部材50に対する塑性変形は、空隙形成部材50の開口側端部52aと弁部材30の鍔部33の係合面33a(第1側部分)との間の寸法差がプレストローク量D2の目標値T2になるように空隙形成部材50および弁部材30を配置させた状態において、空隙形成部材50の底面51aが鍔部33の当接面33b(第2側部分)に当接するまで行われる。
この構成によれば、空隙形成部材50の底面51aが弁部材30の鍔部33の当接面33bに当接するまで空隙形成部材50を塑性変形させるだけで、空隙形成部材50の開口側端部52aと弁部材30の鍔部33の係合面33aとの間の寸法差(プレストローク量D2に相当)を目標値T2にすることができる。したがって、空隙形成部材50と弁部材30の2部品の加工精度の影響を受けずに、プレストローク量D2を目標値に調整することができる。したがって、部品30、50の加工精度の影響を受けずに、プレストローク量D2のばらつきを容易に低減することができる。
また、本実施の形態に係るプレストローク調整方法において、第1治具100は弁部材30の弁体32及び弁ロッド部31が挿通可能な挿通穴部101を有しており、第1治具100の当接面102は挿通穴部101の開口縁部に形成されている。空隙形成部材50に対して荷重Lを印加するときに、弁部材30は弁体32及び弁ロッド部31が第1治具100の挿通穴部101に挿通された状態で鍔部33が第1治具100の当接面102に当接している。
この構成によれば、弁部材30の第1治具100に対する位置決めが容易であると共に、空隙形成部材50に対する荷重Lの印加時に弁部材30及び空隙形成部材50の位置ずれを抑制することができる。
また、本実施の形態に係るプレストローク調整方法においては、弁部材30が鍔部33から弁ロッド部31の反対側に延出する突起部34を有しており、空隙形成部材50が弁部材30の突起部34に摺動可能な筒状の傾斜規制部54を有している。第2治具110は、傾斜規制部54が嵌合可能な嵌合穴部111を有していると共に、嵌合穴部111の外周側に空隙形成部材50の底部51に当接する第2加圧面113を有している。空隙形成部材50に対する荷重Lの印加は、第2治具110の嵌合穴部111を空隙形成部材50の傾斜規制部54に嵌合させた状態において、第2治具110の第2加圧面113を空隙形成部材50の底部51に当接させることで行われる。
この構成によれば、第2治具110の弁部材30及び空隙形成部材50に対する位置決めが容易になる。さらに、空隙形成部材50に対して荷重Lを印加した時に、空隙形成部材50の弁部材30に対する傾斜が抑制されるので、空隙形成部材50に対して荷重Lを適正な方向に印加することできるので、プレストローク量D2を適切に調整することができる。
なお、上述した一実施の形態においては、弁部材30を電磁的に駆動する電磁式の燃料噴射弁1に本ストローク調整方法を適用した例を説明した。しかし、本ストローク調整方法は、圧電効果や磁歪現象により弁部材30を駆動する燃料噴射弁に対しても適用可能である。
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
例えば、上述した一実施の形態においては、可動コア42の第1端面42aと固定コア41の端面41bとが当接する構成の例を示した。しかし、可動コア42の第1端面42a及び固定コア41の端面41bの少なくとも一方に突起部を設け、一方の部材の突起部と他方の部材の端面、又は、両部材の突起部同士が当接するように構成することも可能である。この場合、上述した空隙G1は、固定コア41と可動コア42の両当接部間の空隙である。
また、上述した一実施の形態においては、可動コア42に凹部423を形成した構成の例を示した。しかし、可動コア42に凹部423を形成しない構成も可能である。この場合、可動コア42の第1端面42aが、弁部材30の鍔部33の係合面33aと係合すると共に、空隙形成部材50の周壁部52の開口側の先端部52aと当接する当接部となる。この場合でも、上述した一実施形態と同様な効果を得ることができる。
1…燃料噴射弁、 21b…弁座、 30…弁部材、 31…弁ロッド部、 32…弁体、 33…鍔部(係合部)、 33a…係合面(係合部、第1側部分)、 33b…当接面(基準位置、第2側部分)、 34…突起部、 33b…当接面(基準位置)、 41…固定コア、 42…可動コア(可動子)、 423a…底面(係合部)、 50…空隙形成部材、 50a…内部空間、 51a…底面(第1部分)、 52a…開口側端部(第2部分)、 54…傾斜規制部、 100…第1治具、 101…挿通穴部、 102…当接面、 103…第1加圧面、 110…第2治具、 111…嵌合穴部、 113…第2加圧面、 G2…空隙、 Hs…内部空間の高さ寸法、 Hc…鍔部の高さ寸法、 S1…段差、
Claims (7)
- 弁座に対して着座及び離座が可能な弁体を先端部に有する弁部材と、
前記弁部材に対して開閉弁方向に相対的に変位可能かつ前記弁部材に係合可能な可動子と、
前記弁部材及び前記可動子に対して開閉弁方向に相対的に変位可能に構成され、かつ、第1部分が前記弁部材の基準位置に位置づけられた状態で第2部分が前記可動子に当接することにより前記弁部材と前記可動子の係合部間にプレストロークを規定する空隙を形成する空隙形成部材とを備えた燃料噴射弁のプレストローク量を調整するプレストローク調整方法であって、
前記空隙形成部材は、プレストローク量の調整前において調整代を有しており、
前記弁部材に組み付けた状態の前記空隙形成部材に対して、前記第1部分から前記弁部材の前記基準位置に向かう方向の荷重を印加し、
前記空隙形成部材を塑性変形させることで、前記第1部分と前記第2部分との間の相対的な長さを短縮させてプレストローク量を目標値にする
ことを特徴とするプレストローク調整方法。 - 請求項1に記載のプレストローク調整方法において、
前記空隙形成部材に対する荷重の印加は、前記弁部材に組み付けた状態の前記空隙形成部材を第1治具と第2治具とで挟み込むことで行われる
ことを特徴とするプレストローク調整方法。 - 請求項2に記載のプレストローク調整方法において、
前記第1治具は、前記弁部材の係合部が当接する当接面および前記空隙形成部材の前記第2部分が当接する第1加圧面を有し、
前記当接面は、前記第1加圧面に対して前記プレストローク量の目標値に相当する高さの段差を形成しており、
前記空隙形成部材に対する塑性変形は、前記弁部材の前記係合部を前記第1治具の前記当接面に当接させた状態かつ前記空隙形成部材の前記第2部分を前記第1治具の前記第1加圧面に当接させた状態において、前記空隙形成部材の前記第1部分が前記弁部材の前記基準位置に当接するまで行われる
ことを特徴とするプレストローク調整方法。 - 請求項1に記載のプレストローク調整方法において、
前記弁部材は、前記弁体が一方側端部に設けられ開閉弁方向に延びる弁ロッド部と、前記弁ロッド部の他方側端部に設けられ前記弁ロッド部よりも径方向外側に突出する鍔部とを有し、
前記鍔部は、前記弁体側を向く第1側部分が前記可動子に対する係合部を構成すると共に、前記弁体側とは反対側を向く第2側部分が前記基準位置を構成し、
前記空隙形成部材は、前記鍔部を収容可能な内部空間を有し、前記可動子側に開口する有底の筒状体であり、
前記空隙形成部材の前記内部空間の底面から開口端までの高さ寸法は、前記鍔部の前記第1側部分から前記第2側部分までの高さ寸法よりも大きくなるように設定され、
前記空隙形成部材は、前記底面が前記第1部分を構成すると共に、開口側端部が前記第2部分を構成し、
前記空隙形成部材に対する塑性変形は、前記空隙形成部材の前記開口側端部と前記弁部材の前記鍔部の前記第1側部分との間の寸法差が前記プレストローク量の目標値になるように前記空隙形成部材および前記弁部材を配置させた状態において、前記空隙形成部材の前記底面が前記鍔部の前記第2側部分に当接するまで行われる
ことを特徴とするプレストローク調整方法。 - 請求項4に記載のプレストローク調整方法において、
前記空隙形成部材に対する荷重の印加は、前記弁部材に組み付けた状態の前記空隙形成部材を第1治具と第2治具とで挟み込むことで行われ、
前記第1治具は、前記鍔部の前記第1側部分が当接する当接面および前記空隙形成部材の前記開口側端部が当接する第1加圧面を有し、
前記当接面は、前記第1加圧面に対して前記プレストローク量の目標値に相当する高さの段差を形成しており、
前記空隙形成部材に対する塑性変形は、前記弁部材の前記鍔部の前記第1側部分を前記第1治具の前記当接面に当接させた状態かつ前記空隙形成部材の前記開口側端部を前記第1治具の前記第1加圧面に当接させた状態において、前記空隙形成部材の前記底面が前記鍔部の前記第2側部分に当接するまで行われる
ことを特徴とするプレストローク調整方法。 - 請求項5に記載のプレストローク調整方法において、
前記第1治具は、前記弁部材の前記弁体及び前記弁ロッド部が挿通可能な第1挿通穴部を有し、
前記第1治具の前記当接面は、前記第1挿通穴部の開口縁部に形成されており、
前記空隙形成部材に対して荷重を印加するときに、前記弁部材は、前記弁体及び前記弁ロッド部が前記第1治具の前記第1挿通穴部に挿通された状態で前記鍔部が前記第1治具の前記当接面に当接している
ことを特徴とするプレストローク調整方法。 - 請求項6に記載のプレストローク調整方法において、
前記弁部材は、前記鍔部から前記弁ロッド部の反対側に延出する突起部を有し、
前記空隙形成部材は、前記弁部材の前記突起部に摺動可能な筒状の傾斜規制部を有し、
前記第2治具は、前記傾斜規制部が嵌合可能な嵌合穴部を有すると共に、前記嵌合穴部の外周側に前記空隙形成部材の底部に当接する第2加圧面を有し、
前記空隙形成部材に対する荷重の印加は、前記第2治具の前記嵌合穴部を前記空隙形成部材の前記傾斜規制部に嵌合させた状態において、前記第2治具の前記第2加圧面を前記空隙形成部材の底部に当接させることで行われる
ことを特徴とするプレストローク調整方法。
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