本発明の一実施形態に係るコンソールボックスを、図1〜11を用いて説明する。本実施形態のコンソールボックス10は、自動車(図示せず)に設けられている。図1は、コンソールボックス10を示す斜視図である。コンソールボックス10は、例えば運転席(図示せず)と助手席(図示せず)との間に配置されている。
図1に示すように、コンソールボックス10は、車室内に露出するとともに複数のドリンクホルダ21などが形成されるコンソール本体20と、アッパートレイ30と、蓋部材40と、収容ボックス50(図2に示す)とを備えている。
コンソール本体20は、図に示すように、車室11内に露出している。コンソール本体20には、複数のドリンクホルダ21が形成されている。複数のドリンクホルダ21は、例えば車体前後方向Cに並んで配置されている。
図2は、図1に示されるF2−F2線に沿って示すコンソールボックス10の断面図である。図2は、コンソールボックス10を、ドリンクホルダ21が断面されるように、例えば車体前後方向に沿って断面されている。図2に示すように、コンソール本体20の周壁部22においてドリンクホルダ21が形成される部分は、車体下方に向かって凹む凹状に形成されている。このように、凹状に形成された部分が、ドリンクホルダ21として機能している。ドリンクホルダ21内には、飲料が入った缶などが収容可能である。
図1,2に示すように、コンソール本体20においてドリンクホルダ21より車体前後方向に沿って後側部分(車室11内に配置された際に、ドリンクホルダ21よりも車体後側に配置される部分)は、ドリンクホルダ21が形成される部分よりも車体上方に突出する形状である。
アッパートレイ30は、上記された車体上方に突出する部分に設けられている。具体的には、図2に示すように、コンソール本体20が車室11内に固定された状態においてドリンクホルダ21よりも車体後側に位置する部分には、開口23が形成されている。開口23は、当該開口23を通して、コンソール本体20の内側と外側とを連通している。
アッパートレイ30は、開口23を覆うように、かつ、開口23に対して着脱可能にコンソール本体20に設けられている。具体的には、アッパートレイ30は、開口23を覆う際に、開口23の周囲の縁部300上に配置される。開口23は、本発明で言う本体用開口の一例である。
アッパートレイ30は、車体上方に向かって開口するとともに車体下方に向かって凹む収容凹部31が形成されており、内部に物を収容可能である。アッパートレイ30は、本発明で言う蓋部の一例である。
蓋部材40は、コンソール本体20にヒンジ24を介して設けられている。具体的には、蓋部材40は、コンソール本体20において開口23よりも後部(車室11内に配置された際に車体後側に位置する部分)に、ヒンジ24を介して連結されている。
蓋部材40は、ヒンジ24のヒンジ軸25(図2に示す)回りに回動することによって、アッパートレイ30の収容凹部31を露出する位置と、収容凹部31を閉じる位置とで回動可能である。なお、図1は、蓋部材40が、収容凹部31を露出する位置にある状態を示している。
図3は、コンソール本体20から、アッパートレイ30と蓋部材40とが取り外された状態の一部を示す斜視図である。図2,3に示すように、コンソール本体20において、車体上方に向かって突出する突出部26(開口23が形成される部分)内には、収容ボックス50が収容されている。
図4は、収容ボックス50を示す斜視図である。図3,4に示すように、収容ボックス50は、基壁部51と、側壁部52とを有している。基壁部51は、例えば略矩形状である。側壁部52は、基壁部51の周縁の全周から立ち上がっており、基壁部51と反対側まで延びている。基壁部51が略矩形であることによって、収容ボックス50は、例えば略直方体状となっている。
側壁部52は、周方向につながっている。そして、側壁部52は、基壁部51と反対側に開口する開口53を規定している。上記したように、側壁部52が周方向(基壁部51の周縁の全周)につながっているので、開口53は、側壁部52の端縁54によって規定されている。開口53は、本発明で言う収容ボックス用開口の一例である。
図5は、図1に示されるF5−F5線に沿って示すコンソールボックス10の断面図である。図5は、コンソールボックス10を、当該コンソールボックス10が車内に配置された状態での車幅方向Dに沿って断面している。図5は、コンソール本体20内での収容ボックス50を示すとともに、収容ボックス50の車体への固定構造を示している。
図5に示すように、収容ボックス50は、ボルト61とナット62とによって固定されている。固定構造について具体的に説明すると、図6は、コンソール本体20内を車体下方から上方に向かって見た状態を示している。
図5,6に示すように、基壁部51において開口53と反対側には、台部60が形成されている。台部60は、基壁部51の一部が開口53とは反対側に突出することによって形成されており、基壁部51と一体に形成されている。収容ボックス50が車体に固定される際には、台部60が車体のフロアパネル13上に配置される。
図5に示すように、基壁部51において台部60が形成される部位には、ボルト61が貫通する一対の貫通孔56が形成されている。貫通孔56は、台部60も貫通している。図5に示すように、フロアパネル13には、貫通孔56と連通する貫通孔14が形成されている。
ボルト61が貫通孔56,14を通ってナット62と締結することによって、収容ボックス50がコンソール本体20内に収容された状態で、フロアパネル13に固定される。
このとき、収容ボックス50の開口53は、コンソール本体20の開口23と連通している。コンソール本体20の開口23の周縁部には、開口23とは反対側に向かって突出する第1の係合部71が形成されている。第1の係合部71は、例えば開口23の周縁の略全周にわたって形成されている。
第1の係合部71が内側に折れ曲がった形状であることによって、コンソール本体20の周壁部22と第1の係合部71との間には、隙間S1が規定されている。
図4に示すように、収容ボックス50の開口53の周縁部には、平坦部57と第2の係合部72とが形成されている。平坦部57は、開口53の略全周にわたって形成されており、表面が略平坦である。第2の係合部72は、平坦部57の周方向外側(開口53の縁部の最も外側)から立ち上がっており、コンソール本体20内に収容されたときに、隙間S1内に収容、例えば嵌合するように、基壁部51と反対側に突出している。
図5に示すように、収容ボックス50がコンソール本体20内に収容されてボルト61とナット62とによってフロアパネル13に固定された状態では、収容ボックス50の第2の係合部72は、コンソール本体20の隙間S1内に嵌合する。そして、第1の係合部71の内側の先端73は、収容ボックス50の平坦部57に当接する。
このことによって、コンソール本体20と収容ボックス50とは、収容ボックス50の開口53とコンソール本体20の開口23とが互いに連通した状態を保持したたま、互いに係合される。第1の係合部71と第2の係合部72とが係合した状態(第2の係合部72が隙間S1内に嵌合した状態)での収容ボックス50の位置は、本発明で言う、収容ボックスが所定位置にある状態である。
収容ボックス50がフロアパネル13に固定された状態での収容ボックス50の姿勢、つまり、コンソール本体20内に収容された状態での収容ボックス50の姿勢は、側壁部52のうち互いに略平行に配置されるとともに互いに向かい合う一対の部分91,92が車幅方向外側に面するとともに、残りの互いに略平行に配置されるとともに互いに向かい合う一対の部分93,94が車体前後方向に面するよう姿勢である。
また、図5に示すように、部分91,92は、基壁部51から開口53に向かうにつれて、次第に内側(収容ボックス50の内側)に傾く形状である。このため、開口53は、基壁部51よりも狭くなる。言い換えると、基壁部51を開口53よりも大きくすることができる。
図1,3に示すように、コンソール本体20において運転席側(図中上方)には、シフトレバー(図示せず)が収容される溝部27が形成されている。シフトレバーの一部は、基壁部51とフロアパネル13との間を通っている。このため、収容ボックス50においてシフトレバーが通る部分は、シフトレバーとの干渉避けるべく上方に位置するように、段差部100が形成されている。
図6は、段差部100を示している。図6に示すように、基壁部51においてシフトレバーが通る部分は、他の部分よりも上方(開口53側)に位置しており、それゆえ、基壁部51に段差部100が形成されている。
収容ボックス50には、補強構造110が施されている。図4に示すように、収容ボックス50の側壁部52において、車内に配置された状態で車幅方向に沿って外方向を向く部分91,92には、複数のリブ111が形成されている。リブ111は、部分91,92の外面に配置されており、外側に向かって延びている。
リブ111は、具体的には、収容ボックス50が車体に設置された状態での車体前後方向Cに複数延びる部分111aと、車体上下方向に複数延びる部分111bとを有している。これら111a,111bとは、互いに交差するように配置されており、リブ111を構成している。
に形成されている。なお、図中では、部分91,92のうち一方(部分91)しか示されていないが、他方(部分92)にも同様にリブ111が形成されている。
図5に示すように、収容ボックス50がコンソール本体20内に収容された状態では、少なくとも一部のリブ111の先端112は、コンソール本体20の周壁部22の内面22aに当接するまで延びている。なお、本実施形態では、略全てのリブ111の先端112が内面22aに当接している。なお、一部のリブ111の先端112が内面22aに当接する構造であってもよい。または、全ての先端112が内面22aに当接する構造であってもよい。
少なくとも一部のリブ111の先端112がコンソール本体20の周壁部22の内面22aに当接することによって、コンソール本体20の剛性が向上する。
図2に示すように、収容ボックス50がコンソール本体20内に収容されて車体に固定された状態では、側壁部52において車体前後方向に面する部分93,94のうち車体後方に面する部分93は、コンソール本体20の周壁部22のうち車体後側部分22b(コンソール本体20が車体に固定された状態において車体後側に位置する部分)に接触する形状となっている。
この点について具体的に説明する。上記したように、コンソール本体20において開口23よりも後側部分(コンソール本体20が車体に固定された状態において開口53よりも車体後側に位置する部分)には、蓋部材40が連結されるヒンジ24が設けられている。このため、コンソール本体20において開口23よりも後ろ側部分には、ヒンジ24が設けられる固定部28がある。
このため、本実施形態では、収容ボックス50の部分93は、開口23から周壁部22の後側部分22bの内面22aまで延びるとともに後側部分の内面22aに面接触する接触部120を有している。接触部120は、側壁部52の一部が突出するように形成されており、側壁部52と一体に連続して形成されている。
接触部120において、周壁部22の後側部分22bの内面22aと対向する部分は、当該内面22aに面接触するように、内面22aに沿う形状である。また、図4に示すように、接触部120は、収容ボックス50の内側に向かって凹む2つの凹部121,122を有する段状に形成されている。凹部121,122により、接触部120の剛性が向上する。
図5に示すように、側壁部52において収容ボックス50がフロアパネル13に固定された状態で車幅方向外側に面する部分91,92の開口53の近傍には、段部59が形成されている。段部59は、当該段部59を挟んで基壁部側部分59aと開口側部分59bとをなだらかにつなげている。収容ボックス50の内部空間は、段部59を境に、開口53側が狭くなっている。図中には、CD(Compact Disk)が収容されるケース130が複数2点鎖線で図示されている。
段部59は、CDケース130が収容ボックス50内に収容された状態(CDケース130の下端が基壁部51に当接した状態)において、CDケース130の上端よりも開口53側に位置している。上記したように、開口53は、基壁部51よりも狭く、それゆえ、側壁部52のうち車幅方向外側に面する部分91,92は、内側に向かって傾斜している。この際に、なだらかな段部59があることによって、CDケース130を当該段部59に沿って、スムーズに取り出すことができる。なお、段部59の位置は、CDケース130を基準に定められることに限定されない。
なお、基壁部51において貫通孔56が形成される範囲Aは、フロアパネル13側に向かって突出しており、それゆえ、ボルト61を収容する凹部16が形成されている。このため、収容ボックス50内に収容されるもの(例えば、CDケース130など)がボルト61と干渉することが抑制される。このように、収容ボックス50において、ボルトが配置される部分を外側に突出させることによって、収容ボックス50内に収容されるものとボルトとが干渉することが抑制される。
また、基壁部51において図5中右側部分の下方は、図示しないシフトレバーが配置されており、図6に示すように段差部100が形成されている。図5中では、段差部100は図示されていないが、基壁部51において紙面奥側に段差部100が形成されており、それゆえ、図中CDケース130が中に浮いているように図示されている。CDケース130の下端は、他の部分(図示されていない部分)に形成される段差部100に当接している。
上記の形状を有する収容ボックス50は、第1の部材150と第2の部材160とを有しており、これら第1,2の部材150,160が互いに組み合わさることによって、収容ボックス50が形成される。
この点について具体的に説明する。図7は、収容ボックス50が分解された状態を示している。図7に示すように、収容ボックス50は、フロアパネル13に固定された際の車幅方向に2分割されており、車幅方向一方に配置される方が第1の部材150であり、車幅方向他方に配置される方が第2の部材160である。第1,2の部材150,160が組み合わさることによって、収容ボックス50が形成される。
第1の部材150は、第1の基壁部分151を有している。第2の部材160は、第2の基壁部分161を有している。第1,2の部材150,160が互いに組み合わされることによって、第1,2の基壁部分151,161が互いに連なり基壁部51が構成される。第1の基壁部分151は、基壁部51の一部である。第2の基壁部分161は、基壁部51の残り部の部分(基壁部51において第1の基壁部分151以外の部分)である。
なお、図5に示すように、台部60は、収容ボックス50がフロアパネル13に固定された際に車幅方向Dに延びている。このため、台部60も車幅方向Dに略中間の位置で分割される。第1,2の部材150,160が組み合わされると、台部60において第1,2の部材150,160に分けられた部位が互いに一体に組み合わされる。このことによって、台部60が形成される。
また、第1の部材150は、側壁部52のうち第1の基壁部分151の周縁に設けられる第1の側壁部分158を有している。第1の側壁部分158は、具体的には、車幅方向外側に面する部分91と、車体前後方向に面する部分93,94の一部である。なお、接触部120も2つに分割されており、一部が第1の側壁部分158に含まれる部分93に一体に連続して形成されている。
同様に、第2の部材160は、側壁部52のうち第2の基壁部分161の周縁に設けられる第2の側壁部分168を有している。第2の側壁部分168は、具体的には、車幅方向外側に面する部分92と、車体前後方向に面する部分93,94のうち残りの部分(第1の部材150に設けられた部分以外の部分)である。接触部120の残りの部分(第1の側壁部分158に含まれない部分)は、第2の側壁部分168の部分93に一体に連続して形成されている。
第1,2の部材150,160が組み合わされることによって、第1の部材150が有する部分93,94の一部と第2の部材160が有する部分93,94の他の部分とが互いに連なり、それゆえ、側壁部52のうち車体前後方向に面する部分93,94が構成される。
図6に示すように、側壁部52のうち第1の部材150に設けられる部分と第1の基壁部分151とのうち、側壁部52のうち第2の部材160に設けられる部分と第2の基壁部分161とに当接する部分には、外側に広がる第1のフランジ152が形成されている。
同様に、側壁部52のうち第2の部材160に設けられる部分と第2の基壁部分161とのうち、側壁部52のうち第1の部材150に設けられる部分と第1の基壁部分151とに当接する部分には、外側に広がる第2のフランジ162が形成されている。
なお、図2に示されるコンソールボックス10の断面図では、収容ボックス50は、第1,2の部材150,160が、第1,2のフランジ152,162の接合面で断面された状態を示している。このため、図2では、第1の部材150の第1のフランジ152が示されている。
第1の部材150と第2の部材160とが互いに結合されて収容ボックス50が形成された状態では、第1のフランジ152と第2のフランジ162とは、互いに当接(面接触)する。さらに、例えば、第1のフランジ152には、第2のフランジ162に向かって突出する複数の突起153が形成されている。第2のフランジ162には、突起153が嵌合する嵌合孔163が複数形成されている。
第1の部材150と第2の部材160とが結合されて収容ボックス50が形成された状態では、突起153が嵌合孔163内に嵌合する。それゆえ、第1,2のフランジ152,162が互いに接触した状態で互いに固定される。
図2に示すように、コンソール本体20内には、電源供給用のコネクタ200が収容されている。図2に示すように、収容ボックス50において当該収容ボックス50が車体に設置された際に車体前方に位置する部分94には、コネクタ200の端部202を収容ボックス50内に露出するとともにコネクタ200を保持する保持孔201が形成されている。図6に示すように、保持孔201を規定する縁201aの一部は、第1の部材150に形成され、縁201aの残りの部分は、第2の部材160に形成されている。なお、図6中では、コネクタ200は、省略されている。
コネクタ200において保持孔201を通して収容ボックス50の内部に露出する端部202には、例えば携帯電話などの電源ケーブルが電気的に接続される。図中コネクタ200は、2点鎖線で示されている。
図3に示すように、部分94において例えば保持孔201の周囲には、保持孔201を開閉可能な保持孔用蓋部材203が設けられている。コネクタ200に電源ケーブルが接続される際には、保持孔用蓋部材203は、端部202を露出すべく、開く。電源ケーブルが接続されない場合は、保持孔用蓋部材203は、端部202を覆うべく、閉じられる。保持孔用蓋部材203は、収容ボックス50の内側から開閉可能である。
コンソールボックス10には、コネクタ200に接続されたケーブル301を保持する構造が施されている。具体的には、コンソール本体20の開口23の縁部300とアッパートレイ30との間でケーブル301が挟まれることを防止する構造と、収容ボックス50の側壁部52に形成されてケーブル301を保持する保持構造とが施されている。
まず、コンソール本体20の開口23の縁部300とアッパートレイ30との間でケーブル301が挟まれることを防止する構造を説明する。
コンソール本体20の開口23の縁部300には、コネクタ200に接続されたケーブル301を収容する凹部302が形成されている。凹部302は、開口23の縁部300のうち、例えば助手席側の部分(収容ボックス50の部分92に対向する部分)の一部に形成されている。より具体的には、凹部302は、コンソール本体20が車体に固定された状態での車体後部側に配置されている。
コンソール本体20において凹部302の周辺を示すF3の範囲(2点鎖線で示す)を、図中拡大して示している。図1,3に示すように、凹部302は、アッパートレイ30と反対側に凹むことによって形成されている。凹部302は、底壁部303と、互いに向かい合う一対の側壁部304とを有している。凹部302は、底壁部303と側壁部304とによって規定されている。
図3に示すように、凹部302内には、ケーブル301を挟持して固定可能なクリップ部305が位置している。図4に示すように、クリップ部305は、収容ボックス50の第2の係合部72の一部に形成されている。クリップ部305は、開口53の縁部から基壁部51と反対側に向かって突出している。
図8は、コンソール本体20と収容ボックス50とが分解された状態において、凹部302とクリップ部305との近傍を拡大して示している。図8に示すように、コンソール本体20の凹部302を規定する底壁部303と一方の側壁部304とには、クリップ部305が通る貫通孔310が形成されている。貫通孔310は、コンソール本体20の内部と外部とを連通している。貫通孔310は、本発明で言う貫通孔の一例である。
第2の係合部72が第1の係合部71と係合した状態(第2の係合部72が隙間S1内に嵌合した状態)では、収容ボックス50に形成されるクリップ部305は、凹部302の挿通孔311を通って、凹部302内に配置される。
クリップ部305において、凹部302内に露出する部分には、開口53の内側から周方向外側に向かう方向に挿通孔311が形成されている。また、クリップ部305には、貫通孔310と外部とを連通する溝312が形成されている。
このため、図3に示すように、クリップ部305には、挿通孔311と溝312とを挟んで一方に第1の部分306が規定され、他に第2の部分307が規定されている。図3に示すように、第1の部分306は、クリップ部305が凹部302内に配置された際に、凹部302の底壁部303の表面と略面一となっている。第2の部分307は、第1の部分306と対向するように凹部302内に位置している。
第2の部分307の位置について具体的に説明する。図3に示すように、第2の部分307においてアッパートレイ30側の表面307aは、開口23の縁部300のアッパートレイ30側の表面300aと面一であるか、もしくは、表面300aよりも低くなるように設定されている。なお、ここで言う低くなるようにとは、表面307aが表面300aよりも凹部302の底壁部303側に位置することである。
第2の部分307が上記のように設定されることによって、図1に示すように、開口23を覆うべく縁部300の表面300a上にアッパートレイ30が載置されても、第2の部分307は、アッパートレイ30に干渉しない。なお、表面300aと表面307aとが面一の場合は、アッパートレイ30は、表面307aに接触するが、この接触は、面一であるのでアッパートレイ30が表面300a上に載置されることを阻害しない。
つぎに、収容ボックス50の側壁部52に形成されてケーブル301を保持する保持構造を説明する。図3に示すように、収容ボックス50の側壁部52のうち、凹部302が形成される側の部分(穂実施形態では、部分92)には、保持部350が形成されている。保持部350は、溝部351と、第1の突部352と、第2の突部353とを備えている。
溝部351は、側壁部52を貫通しているとともに直線状に延びており、側壁部52の部分92においてコネクタ200側の一端部から凹部302側の他端部まで延びている。
第1の突部352は、溝部351の縁のうち、開口23側に設けられている。第1の突部352は、溝部351が延びる方向に所定間隔をあけて複数形成されている。第1の突部352は、縁のうち当該第1の突部352が形成される側354と対向する355に向かって突出している。第1の突部352は、溝部351の縁のうち第1の突部352が形成される側354と対向する側355には当接しておらず、第1の突部352の先端と溝部351の対向する側355との間には、隙間が規定されている。
本実施形態では、第1の突部352は、一例として5個形成されている。しかしながら、第1の突部352の数は、5個に限定されない。他の複数個であってもよい。例えば、3つや4つなどであってもよい。
第2の突部353は、溝部351の縁部351aのうち第1の突部352が形成される側354に対向する側355に形成されている。第2の突部353は、縁部351aのうち第1の突部352が形成される側354に向かって突出している。第2の突部353は、溝部351の縁351aのうち第1の突部352が形成される側354には当接しておらず、第2の突部353の先端と溝部351の縁351aのうち第1の突部352が形成される側354と間には、隙間が規定されている。
第2の突部353は、溝部351が延びる方向所定間隔をあけて複数形成されている。第1の突部352と第2の突部353とは、溝部351が延びる方向に交互になるように配置されている。このとき、第1の突部352と第2の突部353との間には隙間が規定されており、互いに接触していない。
第1の突部352と第2の突部353とが上記のように形成されることによって、溝部351内には、当該溝部351の一端から他端まで連続する隙間S2が形成される。
図9は、コネクタ200に、例えば携帯電話(電源コネクタにケーブルを介して電気的に接続可能な装置の一例)などの装置のケーブル301が接続されている状態での収容ボックス50内を示している。
図9に示すように、コネクタ200の端部には、ケーブル301側のコネクタ360が電気的に接続されている。ケーブル301は、保持部350の溝部351の隙間S2を通って収容ボックス50の側壁部52の外側(側壁部52とコネクタ本体20の周壁部22との間)に出ている。
このとき、ケーブル301が第1,2の突部352,353に引っかかることによって、当該ケーブル301が隙間S2内に保持される。ケーブル301においてコネクタ360と反対側は、凹部302内を通るとともに、クリップ部305の第1,2の部分306,307間に挟持される。
図1に示すように、凹部302を通ったケーブル301は、コンソールボックス10の外側に出る。
溝312の第1の部分306側の縁には、挿通孔311からケーブル301が抜けにくくするために、第2の部分307側に向かって突出する突部306aが形成されている。同様に、溝312の第2の部分307側の縁には、挿通孔311からケーブル301が抜けにくくするために、第1の部分306側に向かって突出する突部307bが形成されている。突部306a,307bは、互いに接触しておらず、それゆえ、溝312は塞がれていない。
第1,2の突部351,352間の間隔と、隙間S2の間隔は、一般的なケーブルを挟持できるように考慮されている。
つぎに、収容ボックス50の第1,2の部材150,160の製造方法について、説明する。図10は、第2の部材160を形成する工程を示している。図11は、第1の部材150を形成する工程を示している。
図10,11に示すように、第1,2の部材150,160は、例えば射出成形される。具体的には、第1の部材150は、一対の型155,156を用いて成形される。第2の部材160は、一対の型165,166が用いて成形される。第1,2の部材150,160は、例えば、熱可塑性の樹脂が材料として用いられる。
図10は、型165,166が互いに組み合わさった状態を実線で、型165,166が互いに離間した状態を2点鎖線で示している。型165,166が互いに組み合わさった状態では、型165,166との間には、第2の部材160の形状を規定する空間が形成される。当該空間内に熱可塑性樹脂を流しこむ(射出)ことによって、第2の部材160が形成される。
図11は、型155,156が互いに組み合わさった状態を実線で、型155,156が互いに離間した状態を2点鎖線で示している。型155,156が互いに組み合わさった状態では、型155,156との間には、第1の部材150の形状を規定する空間が形成される。当該空間内に熱可塑性樹脂を流しこむ(射出)ことによって、第1の部材150が形成される。
このため、第1の部材150,160とは、一対の型によって成形することができるように考慮して、収容ボックス50を2分割して構成されている。例えば、上記したように、基壁部51は、略矩形であるので、第1,2の部材150,160は、基壁部51を略均等に2分するように、分けられてもよい。
このようにすることによって、第1の基壁部分151に一体に形成される第1の側壁部分158は、収容ボックス50の内側に向かって開口する凹状となる。同様に、第2の基壁部分161に一体に形成される第2の側壁部分168は、収容ボックス50の内側に向かって開口する凹状となる。
第2の部材160に形成されるクリップ部305の挿通孔311と溝312と、保持部350の隙間S2(第1,2の突部352,353を規定する隙間)とは、型165,166を外す方向Bに型165,166に干渉しないように考慮されている。例えば、挿通孔311と溝312と隙間S2とは、外す方向Bに沿うように形成されている。
このため、第1,2の部材150,160を、各々、一対の型を用いて成形しても、第1,2の部材150,160には、型を外す際に型に干渉する部分がなくなるので、型を用いて第1,2の部材150,160を成形できるようになる。
側壁部52において車幅方向外側に面する部分91に形成されるリブ111は、図中矢印で示すように、型165,166どうしが互いに外す方向Bに平行に延びている。同様に、部分92に形成されるリブ111は、図中矢印で示すように、型155,156どうしが互いに外す方向B1に平行に延びている。第1,2の部材150,160に分割される台部60は、各々、外す方向B,B1に沿って延びている。
外す方向B,B1とは、第1,2の部材150,160の成形が終了し、互いに組み付いた状態の型155,56と型165,166を外して第1,2の部材150,160を取り出す際の、型155,156を互いに外す方向および型165,166を互いに外す方向である。
また、第2の基壁部分161が、型165,166が互いに外す方向Bに平行に延びている。リブ111と第2の基壁部分161(台部60も含む)とを、型165,166を互いに外す方向Bに平行にすることによって、型165,166を用いた成形(例えば射出成形)であっても、第2の部材160を形成できるようになる。また、型165,166を用いて形成することによって、部分91,92を傾斜(基壁部51に対して)させることができる。
同様に、第1の基壁部分151(台部60も含む)が、型155,156が互いに外す方向Bに平行に延びている。リブ111と第1の基壁部分151とを、型155,156を互いに外す方向Bに平行にすることによって、型155,156を用いた成形(例えば射出成形)であっても、第1の部材150を形成できるようになる。また、型155,156を用いて形成することによって、部分91,92を傾斜(基壁部51に対して)させることができる。
なお、リブ111と、第1,2の基壁部分151,161は、外す方向Bに平行であることに限定されない。リブ111と第1,2の基壁部分151,161とは、型を外す方向Bに当該型に干渉しなければよい。
なお、基壁部51に形成される貫通孔56は、射出成形によって第1,2の部材150,160の形状が形成された後、例えばドリルなどを用いた機械加工で形成されてもよい。また、図5,6に示すように、台部60には、貫通孔56以外にも複数の溝が形成されている。当該溝は、外す方向B,B1と交差する方向に延びている。しかしながら、型165,66には、上記溝を形成するスライドコア170が設けられている。同様に、型155,156には、上記溝を形成するスライドコア175が設けられている。
スライドコア170は、型165,155が互いに外される際に上記溝から出る方向にスライドする。スライドコア175は、型155、156が互いに外される際に上記溝から出る方向にスライドする。
このように、型165,166にスライドコア170が設けられ、型155,156にスライドコア175が設けられることによって、第1の部材150を成形する際に、台部60の一部(第1の部材50に一体に形成される部分)を同時に成形することができる。
同様に、第2の部材160を成形する際に、台部60の他の部分(第2の部材160と一体に形成される部分)を同時に成形することができる。なお、本実施形態では、貫通孔56は、スライドコア170,175によって成形されている。
このように構成されるコンソールボックス10では、コンソール本体20の縁部300に凹部302が形成されており、ケーブル301は凹部302内に収容される。このため、アッパートレイ30と縁部300との間でケーブル301が挟まれることに起因してアッパートレイ30の縁部300への設置が阻害されることが抑制される。
さらに、凹部302内にクリップ部305が設けられて当該クリップ部305がケーブル301を挟持することによって、アッパートレイ30の開閉に関わらずにケーブル301が凹部302内で保持される。このため、アッパートレイ30を取り外した場合であっても、ケーブル301が凹部302内から外れてしまうことが抑制される。この結果、アッパートレイ30を一旦取り外した後、再びアッパートレイ30を取り付けても、その間にケーブル301が凹部302内から外れることがない。それゆえ、ケーブル301の位置がずれることに起因してアッパートレイ30を設置しにくくなるということがない。
以上のように、コンソールボックス10の使い勝手が向上する。
また、コンソールボックス10が収容ボックス50を備えるとともに、収容ボックス50にクリップ部305が形成されている。そして、コンソール本体20の凹部302に形成される貫通孔310を通してクリップ部305を凹部302内に位置させている。
この構造によって、凹部302内にクリップ部305が設けられるという複雑な構造を、コンソール本体20と収容ボックス50とに分けることができる。分けられた部分(凹部302とクリップ部305)は、各々比較的簡素な構造である。このため、凹部302内にクリップ部305を設けるという構造を、比較的簡素に形成することができるようになる。
また、収容ボックス50の側壁部52には、保持部350が形成されている。このため、収容ボックス50内でのケーブル301の位置を固定できるので、収容ボックス50内に収容されるものとケーブル301とが干渉することを抑制することができる。
また、保持部350は、溝部351と、第1,2の突部352,353とを備える構造である。このため、これらを側壁部52だけで構成することができるので、保持部350は、比較的簡素な構造にすることができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
本体用開口が形成されるコンソール本体と、
前記本体用開口を開閉可能に覆う蓋部と
を具備し、
前記本体用開口の縁部に、前記開口を閉じた位置にある前記蓋部と反対側に凹む凹部が形成され、
前記凹部内には、ケーブル部材を挟持可能な挟持部が設けられる
ことを特徴とするコンソールボックス。
[付記2]
付記1の記載において
前記コンソール本体内に収容され、かつ、基壁部と当該基壁部の縁部に形成される側壁部とを備えるとともに前記側壁部によって規定されて前記本体用開口と連通する収容ボックス用開口が設けられる収容ボックスを具備し、
前記コンソール本体において前記凹部を規定する壁部には、前記壁部を貫通する貫通孔が形成され、
前記挟持部は、前記収容ボックスにおいて当該前記収容ボックスが前記コンソールボックス内の所定位置に配置された際に前記貫通孔と対向する部分に設けられ、前記収容ボックスが前記コンソールボックス内の前記所定位置に配置された際に前記貫通孔を通って前記凹部内に配置される
ことを特徴とする付記1に記載のコンソールボックス。
[付記3]
前記収容ボックスには、前記ケーブル部材を保持する保持部が設けられる
ことを特徴とする付記2に記載のコンソールボックス。
[付記4]
前記保持部は、
前記側壁部に設けられて互いに向かい合う一対の縁部を有する溝部と、
前記一対の縁部うち一方の縁部に形成されて前記一対の縁部のうち他方の縁部に向かって前記他方の縁部に接触しない位置まで突出する複数の第1の突部と、
前記他方の縁部に複数形成されて前記一方の縁部に向かって前記一方の縁部に接触しない位置まで突出するとともに前記第1の突部と交互に配置される第2の突部と
を具備することを特徴とする付記3に記載のコンソールボックス。
10…コンソールボックス、20…コンソール本体、23…開口(本体用開口)、30…アッパートレイ(蓋部)、50…収容ボックス、51…基壁部、52…側壁部、53…開口(収容ボックス用開口)、300…縁部、302…凹部、303…底壁部(凹部を規定する壁部)、304…側壁部(凹部を規定する壁部)、305…クリップ部(挟持部)、310…貫通孔、350…保持部、351…溝部、351a…縁部、352…第1の突部、353…第2の突部、