JP5150842B2 - タッチパネル用部材およびタッチパネル - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネル用部材およびこれを用いたタッチパネルに関する。
従来、金属の保護や表面装飾のために金属表面に粘着シートを貼着することが広く行われている。該粘着シートを構成する粘着剤層には、金属の腐食防止効果を期待してベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系化合物を添加することが行われている(特許文献1および2参照)。
たとえば、特許文献1には、アクリル系共重合体にトリアゾール系化合物を添加した粘着剤組成物をイソシアネート系架橋剤で架橋した粘着剤層を有する銅配管用粘着テープが開示されている。しかしながら、該粘着テープでは、イソシアネート系架橋剤がトリアゾール系化合物と反応するため、粘着剤の架橋が充分に行われずに粘着剤の凝集力が低下するおそれがあった。
特許文献2には、アクリル酸アルキルエステル80〜99重量%と、水酸基含有モノマー1〜20重量%とからなるアクリル系共重合体に、架橋剤と、重金属不活性剤としてトリアゾール系化合物を添加してなる粘着剤層を有する金属貼着用粘着シートが記載されている。しかしながら、該粘着シートでは、水酸基含有モノマーがベンゾトリアゾール誘導体と反応するため、架橋が充分に行われずに粘着剤の凝集力が低下するおそれがあり、その一方で架橋を充分に行うために多量の水酸基含有モノマーを使用すると、粘着力が低下し、被着体である金属から該粘着シートが剥離しやすくなるという問題点があった。
また、従来、金属蒸着フィルムは、その反射性や遮光性から、包装材や建材などの様々な分野で使用されている。とくに、金属蒸着フィルムの金属層上にアクリル系共重合体からなる粘着剤層を形成した金属蒸着フィルムラベルは、取り扱いに便宜であり作業性に優れ、粘着剤層自体の透明性もよいことから広く普及している。
しかしながら、該金属蒸着フィルムの金属層は、通常Al、Cu、Agなどの金属を500Å程度の厚みで蒸着したものであるため、使用条件、とくに高温高湿環境下の使用によっては、金属層の腐食や粘着剤層の発泡などにより、その反射性や遮光性が損なわれることがあり、さらには粘着剤層を構成する粘着剤の架橋不足による凝集力低下による剥がれの発生などの問題があり、金属蒸着フィルムラベルを高温高湿環境下で長期にわたって安定な状態で使用することは困難であった。
これに対して、トリアゾール系化合物の腐食防止効果を期待して、金属蒸着フィルムの金属層の腐食を防止するために、アクリル系共重合体にトリアゾール系化合物を添加した粘着剤を使用することが提案されている(特許文献3〜4参照)。
たとえば、特許文献3には、アクリル系共重合体にベンゾトリアゾールを添加した粘着剤組成物、該粘着剤組成物をイソシアネート系架橋剤で架橋した粘着剤層を有するアルミ蒸着フィルムラベルが記載されている。しかしながら、該アクリル系共重合体として具体的に記載されているのは、アクリル酸エステル93重量部に対して、カルボキシル基含有モノマーを7重量部の割合で含むモノマー混合物を共重合してなるものであり、カルボキシル基含有モノマーの量が比較的多いため、金属層の腐食防止効果が充分ではなく、またイソシアネート系架橋剤がベンゾトリアゾールと反応するため、粘着剤の架橋が充分に行われずに粘着剤の凝集力が低下するおそれがあった。
特許文献4には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、カルボキシル基含有モノマーを3〜20重量%の量で含むモノマー混合物を共重合してなるアクリル系ポリマーにベンゾトリアゾール系金属腐食防止剤を添加し、さらにこのアクリル系ポリマーのカルボキシル基に対して、これと反応する官能基を有する官能基含有化合物を当量比が0.8以上となるように配合してなるアクリル系粘着剤層を有する再剥離性粘着テープが開示されている。しかしながら、該再剥離性粘着テープは、エッチング工程の際に被着材の表面を保護することを目的とし、エッチング終了後はただちに剥離される一時的な接着に用いられることを前提としており、長期の使用に際しては粘着剤の凝集力や粘着力が充分であるとは言いがたい。
また、いわゆるタッチパネルの分野においても、上部電極板および下部電極板に設けられた電極や引き回し回路は、Agなどの腐食しやすい金属を含む金属層からなり、タッチパネルは、これらの電極板が、粘着剤層などの絶縁層を介して、対向する電極板と貼着、接合され構成されているため、粘着剤に起因する金属層の腐食、粘着剤の凝集力や粘着力不足による剥離が問題視されていた。
たとえば、特許文献4の比較例3には、n−ブチルアクリレート100重量部、アクリル酸7重量部、可塑剤1重量部、ベンゾトリアゾール系金属腐食防止剤3重量部、エポキシ系架橋剤(テトラグリシジルキシレンジアミン)を使用した粘着テープの例が示されており、この粘着テープにおけるカルボキシル基に対する多官能性化合物当量比は0.5である。この粘着テープを用いることにより、金属の腐食の発生に関しては、ある程度の効果を有すると記載されているが、本発明者らの検討によると、このような粘着テープを、たとえばタッチパネルに使用すると、金属、とくにAgに対する腐食防止性と接着性とのバランスが悪く、上下電極板を強固に接着することができないと共に、過酷な条件下で長期間使用すると、Ag電極の接着部分から腐食することがあることが分かった。
特開平5−163473号公報 特開平01−256582号公報 特開平07−242863号公報 特開2001−19915号公報
本発明は、金属層の腐食や粘着剤層の発泡を防止するとともに、該粘着剤層を構成する粘着剤の凝集力や粘着力を高めたタッチパネル用部材およびこれを有するタッチパネルを提供することを目的としている。
さらに、本発明は、電極や引き回し回路といった金属層の腐食を防止するとともに、粘着剤の凝集力や粘着力を高めた粘着剤層を有するタッチパネル用部材およびタッチパネルを提供することも目的としている。
本発明のタッチパネル用部材は、基板の片面に金属回路を備えてなる電極板に、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、カルボキシル基含有モノマーが1重量%以上3重量%未満の量で共重合してなり、かつ実質的に水酸基含有モノマーが共重合されていないアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が1〜10重量部の量で含まれてなる粘着剤組成物と、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)とを、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が1:0.01〜1:0.4となるような量で用いて架橋して得られた粘着シートが、その粘着剤層を前記金属回路に当接するようにして貼着されていることを特徴としている。
上記タッチパネル用部材において、上記ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾールのK塩および3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のベンゾトリアゾール並びに/またはその誘導体(B)であることが好ましい。
さらに、上記タッチパネル用部材が、カルボキシル基Xをエポキシ架橋剤(C)との架橋反応で全て使い果たさずに、架橋反応後のアクリル系共重合体中に少量のカルボキシル基が残存し、残余の少量のカルボキシル基は、湿熱環境下でH+と−COO-−とに解離し、該残余の少量のH+とはベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)によって安定化された粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されていることが好ましい。
また、本発明のタッチパネルは、
上部電極板と下部電極板とを備えた抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、
上部電極板と下部電極板とを接合している粘着剤層が、
アルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、カルボキシル基含有モノマーが1重量%以上3重量%未満の量で共重合してなり、かつ実質的に水酸基含有モノマーが共重合されていないアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が1〜10重量部の量で含まれてなる粘着剤組成物と、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)とを、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が1:0.01〜1:0.4となるような量で用いて架橋して得られたものであることを特徴としている。
上記タッチパネルにおいて、上記ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾールのK塩および3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のベンゾトリアゾール並びに/またはその誘導体(B)であることが好ましい。
また、本発明のタッチパネルは、上記タッチパネルが、カルボキシル基Xをエポキシ架橋剤(C)との架橋反応で全て使い果たさずに、架橋反応後のアクリル系共重合体中に少量のカルボキシル基が残存し、残余の少量のカルボキシル基は、湿熱環境下でH+と−COO-−とに解離し、該残余の少量のH+とはベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)によって安定化された粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されているものであることが好ましい。
さらに、本発明のタッチパネルでは、上記金属回路が銀を用いて形成されてなることが好ましい。
また、本発明のタッチパネルは、前記粘着剤層が、両面粘着テープ用芯材の両面に設けられた粘着剤層であることが好ましい。
さらに、本発明のタッチパネルは、基板の片面に金属回路を備えてなる電極板に、粘着剤層が前記金属回路に当接するようにして貼着されていることが好ましい。
また、本発明のタッチパネルは、上部電極板と下部電極板とを備えた抵抗膜方式のタッチパネルの、上部電極板と下部電極板との接合に上記粘着剤が用いられることが好ましい。
なお、本発明のタッチパネルでは、前記粘着剤層は、両面粘着テープ用芯材の両面に設けられた粘着剤層であることが好ましい。
本発明で用いる金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートおよびタッチパネル用粘着シートによれば、金属の腐食防止性と接着性とのバランスに優れ、高温高湿環境下で長期にわたって使用した場合でも剥がれや粘着剤層の発泡等が生じず、金属層の腐食を有効に防止することができる。したがって、本発明で用いる金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートおよびタッチパネル用粘着シートは、それぞれ、腐食性の高いAgなどの金属に対する貼着材、腐食性の高いAgなどの金属を使用した金属蒸着フィルムラベル、タッチパネル用部材およびタッチパネルに好適に適用することができる。
また、本発明のタッチパネル用部材およびタッチパネルは、上述のように、それぞれ、特定の粘着剤層を備えているため、高温高湿環境下で長期にわたって使用した場合でも剥がれや粘着剤層の発泡等が生じず、腐食性の高いAgなどを用いた場合でも金属蒸着層や金属回路などの金属層の腐食を有効に防止することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートおよびタッチパネル用粘着シート>
本発明で使用する金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートまたはタッチパネル用粘着シートはそれぞれ、
アルキル(メタ)アクリレートを主モノマー成分とし、カルボキシル基含有モノマーが1重量%以上3重量%未満の量で共重合してなり、かつ実質的に水酸基含有モノマーが共重合されていないアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が1〜10重量部の量で含まれてなる粘着剤組成物と、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)とを、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が1:0.01〜1:0.4となるような量で用いて架橋して得られる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されていることを特徴としている。
以下、まず前記粘着剤組成物を構成するアクリル系共重合体(A)とベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)、さらに該粘着剤組成物を架橋するためのエポキシ架橋剤(C)について順次説明する。
≪アクリル系共重合体(A)≫
本発明に用いられるアクリル系共重合体(A)は、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマー成分とし、カルボキシル基含有モノマーが1重量%以上3重量%未満の量で共重合してなり、かつ実質的に水酸基含有モノマーが共重合されていない重合体である。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレートおよびエトキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマーは、単独であるいは組み合わせて使用することができる。
これらのうちでは、アルキル基の炭素原子数が1〜8のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
該アルキル(メタ)アクリレートは、主モノマー成分として、モノマー全量を100重量%としたときに、通常は50〜99重量%、好ましくは80〜98重量%の量で共重合に供される。
カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびマレイン酸ブチル等を挙げることができる。これらのモノマーは、単独であるいは組み合わせて使用することができるが、これらのうちでは、(メタ)アクリル酸が好ましい。
該カルボキシル基含有モノマーは、モノマー全量を100重量%としたときに、通常は1重量%以上3重量%未満、好ましくは1.5〜2.5重量%の量で共重合に供される。なお、該カルボキシル基含有モノマーのカルボキシル基は、後述するアクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対応している。
さらに、上記アクリル系共重合体(A)には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびアリルアリコールなどのような水酸基含有モノマーは、実質的に共重合されていない。
このようにアルキル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有モノマーとが上記範囲内の量で共重合され、かつ水酸基含有モノマーが実質的に共重合されていないと、得られるアクリル系共重合体(A)にベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)を配合し、エポキシ架橋剤(C)による架橋を行った場合に、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)の金属腐食防止効果を有効に発揮させると共に、アクリル系共重合体(A)をエポキシ架橋剤(C)によって充分に架橋することができ、金属腐食防止能、粘着剤の凝集力および粘着力を共に確保することが可能となる。
前者の金属腐食防止能の確保に関しては、前記アクリル系共重合体(A)の製造に際して、水酸基含有モノマーを用いていないため、アクリル系共重合体(A)中に水酸基が導入されることがなく、該水酸基がベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)と反応してその金属腐食防止効果を損なうようなことがなく、さらにカルボキシル基含有モノマーを特定の範囲内の量で使用しているため、カルボキシル基が導入されたアクリル系共重合体(A)に対しても(B)成分の金属腐食防止能が充分に発揮されるものと考えられる。
また、後者の粘着剤の凝集力および粘着力の確保に関しては、前記アクリル系共重合体(A)の製造に際して、水酸基含有モノマーを用いていないため、アクリル系共重合体(A)中に水酸基が導入されることがなく、該水酸基がベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)と反応することによって、架橋反応に関与する水酸基が減り、架橋が不充分となることがなく、充分な凝集力を確保することができる。また、多量の水酸基含有モノマーの使用に起因する粘着力の低下といった問題も生じないものと考えられる。
さらに、詳しくは後述するが、本発明では、エポキシ架橋剤(C)を、アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xとの関係で特定の範囲内の量で用いることから、粘着剤層の金属腐食防止能と接着性との双方のバランスに優れている。
なお、前記アクリル系共重合体(A)の製造に際しては、必要に応じて、その他のモノマーを使用してもよい。このような他のモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレンおよびヨードスチレンニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンなどのスチレン系モノマー;ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ジビニルベンゼン、酢酸ビニルおよびアクリロニトリルなどのビニル系モノマーなどを挙げることができる。これらのモノマーは、単独であるいは組み合わせて使用することができる。
上記他のモノマーは、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができ、具体的には、モノマー全量中に0〜50重量%、好ましくは0〜20重量%の範囲内の量で使用することができる。
アクリル系共重合体(A)は、公知の方法で共重合することにより製造することができ特に限定されないが、たとえば、上述したモノマーを反応溶媒に投入して、反応系内の空気を窒素ガス等の不活性ガスで置換した後、必要により反応開始剤の存在下に、加熱攪拌し重合反応させることにより製造することができる。
ここで用いられる反応溶媒としては、有機溶媒が使用され、具体的には、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコールおよびイソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。
また、反応開始剤を使用する場合には、反応開始剤として、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドおよびクメンハイドロパーオキサイド等を使用することができる。
上記の重合反応の反応温度は通常は50〜90℃、反応時間は通常は2〜20時間、好ましくは4〜12時間である。
上記のような反応において、各モノマーは、得ようとするアクリル系共重合体中における各繰り返し単位の量に対応して配合することができる。また、反応溶媒はモノマーの合計量100重量部に対して50〜300重量部の量で使用され、反応開始剤は、通常は0.01〜10重量部の量で使用される。
なお、該アクリル系共重合体(A)のポリスチレン換算による重量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定)は、30万〜150万の範囲内にあることが望ましい。重合平均分子量が上記範囲内にあると、最終的に得られる粘着剤層の凝集力を好ましい範囲内に調節することができ、金属蒸着フィルム用粘着シートまたは金属蒸着フィルムラベルの形態で被着材に貼着した場合に長期にわたって剥がれを防止することができ、さらに、後述するタッチパネルの粘着剤層として、上部電極板および下部電極板を貼着、接合した場合にも長期にわたって剥がれを防止することができる。
≪ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)≫
本発明に用いられるベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)としては、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾールのK塩、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールのいずれかである。これらは、単独であるいは組み合わせて使用することができるが、これらのうちでは、取り扱いの容易さや金属腐食防止効果の点からベンゾトリアゾールが好ましい。
該ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)は、前記アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、通常は1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部の量で、粘着剤組成物に含まれるように用いることが望ましい。
上述した範囲内の量で該ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)を用いると、最終的に得られる粘着剤層における該(B)成分の含有量が、金属腐食防止能を有効に発揮するのに充分な量となる。
≪エポキシ架橋剤(C)≫
前記アクリル系共重合体(A)と前記ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)とを上述した範囲内の量で含んでなる粘着剤組成物に、前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)を、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が特定の比となるような量で添加し、成膜後あるいは成膜しながら架橋することにより、最終的な粘着剤層を得ることができる。
該粘着剤組成物は、通常の混合手法で、少なくとも前記アクリル系共重合体(A)と前記ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)とを混合することにより得ることができ、その手法はとくに限定されない。該粘着剤組成物は溶剤を含有していてもよく、該溶剤としては、たとえば前述した反応溶媒が挙げられる。
また、該粘着剤組成物にエポキシ架橋剤(C)を添加、混合する手法および架橋の条件は、公知の添加、混合手法および架橋条件から適宜選択することができ、特に限定されない。
本発明では、このように架橋剤として、エポキシ架橋剤(C)を用いているため、イソシアネート系架橋剤を用いた場合のように、架橋剤とベンゾトリアゾール類とが反応し架橋反応を阻害することがなく、比較的少量のエポキシ架橋剤(C)でもアクリル系共重合体(A)を充分に架橋することができ、最終的に得られる粘着剤層における粘着剤の凝集力を向上させることができる。
本発明に用いられるエポキシ架橋剤(C)は、前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有しており、該官能基Zとしては、エポキシ基、グリシジル基などが挙げられる。
前記エポキシ架橋剤(C)の例としては、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを挙げることができる。
該エポキシ架橋剤(C)は、前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が、通常は1:0.01〜1:0.4、好ましくは1:0.015〜1:0.1、より好ましくは1:0.015〜1:0.05となるような量で用いられる。
本発明では、エポキシ架橋剤(C)を、前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対して上記範囲内の量で用いることにより、カルボキシル基Xをエポキシ架橋剤(C)との架橋反応で全て使い果たさせず、粘着剤層における架橋反応後のアクリル系共重合体(A)中に少量のカルボキシル基が残存するようにしている。
架橋反応後のアクリル系共重合体(A)中に残存するカルボキシル基は、湿熱環境下で、H+と−COO-とに解離するが、これらのうち、H+は、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)に対して少量であるため、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)によって安定化される。したがって、粘着剤層と金属とが長期間接触したままの状態に置かれても金属腐食を起こし難い。さらに、−COO-が粘着剤層中に存在するため、被着体表面の水素などの電子求引性基と水素結合を生じ、被着体との強固な接着性が生じる。
≪金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートおよびタッチパネル用粘着シートの製造≫
上記のような金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートまたはタッチパネル用粘着シートはそれぞれ、上記のようにして得られる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されていることを特徴としている。
支持体としては、通常、粘着シートや粘着テープの支持体として用いられるものが挙げられる。たとえば、ポリノルボルネンなどのポリシクロオレフィン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等の樹脂フィルム、紙、不織布などが挙げられる。
さらに、上記のような金属蒸着フィルム用粘着シートまたはタッチパネル用粘着シートの場合には、該支持体は、粘着シートや粘着テープの剥離材として一般に用いられるものであることが好ましく、具体的には、上述した樹脂フィルム、紙、不織布などの片面あるいは両面にシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものを適宜使用することができる。
このような支持体の片面あるいは両面に、上記(A)成分および(B)成分を含んでなる粘着剤組成物にエポキシ架橋剤(C)を添加したものを、たとえば、ドクターブレード、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーターまたはグラビアコーターなどで塗布し、溶剤を除去することにより、該支持体の片面あるいは両面に粘着剤層を形成し、金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートまたはタッチパネル用粘着シートを得ることができる。
なお、該支持体は、通常、4〜100μmの厚さを有しており、該粘着剤層は、通常、5〜100μm、好ましくは10〜50μmの厚さを有している。
このようにして得られた金属貼着用粘着シート、金属蒸着フィルム用粘着シートまたはタッチパネル用粘着シートには、保管時にこれらの粘着剤層を保護するため、上述した剥離材を該粘着剤層上に貼りあわせておくことが好ましい。該剥離材は、使用の際に該粘着剤層から剥離し除去される。
<金属蒸着フィルムラベル>
次に、金属蒸着フィルムラベルについて説明する。
本発明で言う金属蒸着フィルムラベルは、基材の片面に金属蒸着層を有してなる金属蒸着フィルムの金属蒸着層上に、前記金属蒸着フィルム用粘着シートがその粘着剤層を前記金属蒸着層に当接するようにして貼着されていることを特徴としている。
具体的には、(1)前記粘着剤層が支持体の片面に形成されており、かつ、前記支持体が剥離材である金属蒸着フィルム用粘着シートが、その粘着剤層を、金属蒸着フィルムの金属蒸着層上に当接するようにして貼着されているか、あるいは(2)前記粘着剤層が支持体の両面に形成されている金属蒸着フィルム用粘着シートが、その粘着剤層を金属蒸着フィルムの金属蒸着層上に当接するようにして貼着されている構造を有している。
該金属蒸着フィルムラベルのより具体的な構造の一例(上記(1)の場合)を図1に基づいて以下に説明する。
図1に示すように、金属蒸着フィルムラベル1は、基材9の片面に金属蒸着層7を有してなる金属蒸着フィルム8の金属蒸着層7上に、支持体(剥離材)3の片面に粘着剤層5が形成されてなる金属蒸着フィルム用粘着シート4が、その粘着剤層5を金属蒸着層7に当接するようにして貼着されている。
該金属蒸着層7は、通常Al、Cu、Agなどの金属を500Å程度、具体的には200〜700Åの厚みで基材9上に、蒸着することによって形成することができる。該基材9には、金属蒸着層7の反射性や遮光性を生かすために透明性を有することが求められ、そのような観点からは、ポリノルボルネンなどのポリシクロオレフィン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等の樹脂フィルムが好ましく挙げられ、その厚さは通常10〜200μmである。
このような金属蒸着フィルムの金属蒸着層上に、前記金属蒸着フィルム用粘着シートを、その粘着剤層を当接するようにして貼着することにより得られる金属蒸着フィルムラベルは、粘着剤層を構成する粘着剤の凝集力および粘着力が優れているため、長期にわたって使用しても被着体からの剥離などが生ずることがなく、また高温高湿下で使用した場合にも発泡など問題が生じない。さらに、金属腐食防止能が優れているため、いわゆる蒸着抜けと称される金属層の腐食による透明化などの弊害がなく、金属層を要する建材や包装材などの用途に好適に用いることができる。
なお、このようにして得られた金属蒸着フィルムラベルが上記(2)の構造を有する場合には、保管時に粘着剤層を保護するため、上述した剥離材を該粘着剤層上に貼りあわせておくことが好ましい。該剥離材は、使用の際に該粘着剤層から剥離し除去される。
<タッチパネル用部材>
次に、本発明のタッチパネル用部材について説明する。
本発明のタッチパネル用部材は、基板の片面に金属回路を備えてなる電極板に、前記タッチパネル用粘着シートがその粘着剤層を前記金属回路に当接するようにして貼着されていることを特徴としている。
具体的には、(1)前記粘着剤層が支持体の片面に形成されており、かつ、前記支持体が剥離材であるタッチパネル用粘着シートが、その粘着剤層を、前記電極板の金属回路上に当接するようにして貼着されているか、あるいは(2)前記粘着剤層が支持体の両面に形成されているタッチパネル用粘着シートが、その粘着剤層を前記電極板の金属回路上に当接するようにして貼着されている構造を有している。
なお、このようにして得られたタッチパネル用部材が上記(2)の構造を有する場合には、保管時に粘着剤層を保護するため、上述した剥離材を該粘着剤層上に貼りあわせておくことが好ましい。該剥離材は、使用の際に該粘着剤層から剥離し除去される。
上記電極板を構成する基板および金属回路については、下記タッチパネルの項において詳述する。
<タッチパネル>
次に本発明のタッチパネルについて説明する。
本発明のタッチパネルは、上部電極板と下部電極板とを備えた抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、上部電極板と下部電極板とを接合している粘着剤層が、
アルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、カルボキシル基含有モノマーが1重量%以上3重量%未満の量で共重合してなり、かつ実質的に水酸基含有モノマーが共重合されていないアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が1〜10重量部の量で含まれてなる粘着剤組成物と、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)とを、
前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が1:0.01〜1:0.4となるような量で用いて架橋して得られたものであることを特徴としている。
上部電極板と下部電極板とを備えた抵抗膜方式のタッチパネルとしては、公知のものが挙げられ、その構造や製造方法は特に限定されないが、具体的には、たとえば、片面の全面にITOなどの透明導電膜を有し、必要に応じてその外周部の透明導電膜が除去されており、かつ該外周部にAgなどの金属層からなる平行電極と引き回し回路と、これらの上に必要に応じて設けられた絶縁層とを有する上部電極板および下部電極板を、これらの平行電極が垂直となるように対向させ、粘着剤層を介して接合すると同時に、引き出し線用のFRP(フレキシブルプリント配線板)を異方導電性接着剤により接合することにより構成されるタッチパネルが挙げられる。なお、該タッチパネルは、下部電極の透明導電膜を有する部分にドットスペーサーを有することが好ましい。
このようなタッチパネルのより具体的な構成の例を、図2および図3に基づいて、その製造方法と共に説明する。
図3(a)は、上部電極板13を透明導電膜面側から見た概略図であり、上部電極板13は、基板12の片面の全面にITOなどの透明導電膜層27を設けた後、その外周部をエッチングし外周部の透明導電膜層27を除去し、この外周部にAgなどの金属を含有する金属ペーストを印刷し、金属層からなる平行電極および引き回し回路(配線部15)を設け、さらにこの配線部15およびその他の外周部の上に絶縁インキを印刷し、絶縁層17を形成することによって得られる。なお、基板12は、ハードコート膜や反射防止膜(図示せず)を透明導電膜面の反対側の面に備えていることが好ましく、高い透明性や押圧による可動性が要求されることから、基板12には、ポリノルボルネンなどのポリシクロオレフィン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等の樹脂フィルムが好ましく用いられ、その厚さは通常10〜200μmである。また、前記金属ペースト、絶縁インキとしては、公知のものを用いることができる。
図3(b)は、両面粘着テープ19を表している。両面粘着テープ19は、両面粘着テープ用芯材(図示せず)の両面に粘着剤層を設け、プレス機などで額縁状に打ち抜くことにより得られる。このような両面粘着テープ19としては、本発明のタッチパネル用粘着シートを好ましく用いることができる。
図3(c)は、下部電極板21を透明導電膜面側からみた概略図であり、下部電極板21は、基板20の片面の全面にITOなどの透明導電膜層27を設けた後、その外周部をエッチングし外周部の透明導電膜層27を除去し、この外周部にAgなどの金属を含有する金属ペーストを印刷し、金属層からなる平行電極および引き回し回路(配線部15)を設け、さらにこの配線部15およびその他の外周部の上に絶縁インキを印刷し、絶縁層17を形成し、さらに、引き回し回路の一部に設けられたFRP接続部に異方導電性接着剤を印刷して異方導電性接着剤層23を形成することによって得られる。なお、下部電極板21は、透明導電膜層27を有する部分にドットスペーサー(図示せず)を有することが好ましい。
また、基板20には、高い透明性が要求されることから、ポリノルボルネンなどのポリシクロオレフィン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等の樹脂フィルムやガラスなどが好ましく用いられ、その厚さは通常10〜200μmである。また、前記金属ペースト、絶縁インキ、異方導電性接着剤としては、公知のものを用いることができる。
図2は、上述した図3(a)(c)の上部電極板13および下部電極板21を、図3(b)の両面粘着テープ19を介して積層し、両面粘着テープ19の粘着剤層により貼着、接合すると同時に、FRP25を異方導電性接着剤層23を介して熱圧着して構成された、本発明のタッチパネルの一態様である、タッチパネル11のI−I’線概略断面図である。なお、FRP25としては、公知のものを用いることができる。
本発明のタッチパネルでは、このような構成のタッチパネルにおいて、上部電極板と下部電極板とを接合している粘着剤層が、前記アクリル系共重合体(A)と前記ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)とを上述した範囲内の量で含んでなる粘着剤組成物に、前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)を、前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が特定の比となるような量で用いて架橋することにより得られたものであることを特徴としている。
このような粘着剤層としては、上述の金属蒸着フィルム用粘着シートの粘着剤層として説明したものが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中とくに断らない限り、部および%は重量基準である。
また、アクリル系共重合体溶液の不揮発分および粘度、アクリル系共重合体の重量平均分子量は下記の方法で求めた。
<アクリル系共重合体溶液の不揮発分>
精秤したブリキシャーレ(n1)にアクリル系共重合体溶液を1g程度入れ、合計重量(n2)を精秤した後、105℃で3時間加熱した。その後、このブリキシャーレを室温のデシケータ内に1時間静置し、次いで再度精秤し加熱後の合計重量(n3)を測定した。
得られた重量測定値(n1〜n3)を用いて下記式から不揮発分を算出した。
不揮発分(%)=100×[加熱後重量(n3−n1)/加熱前重量(n2−n1)]
<アクリル系共重合体溶液の粘度の測定>
Viscometer model BM(東機産業(株)製)を使用して、室温にて測定した。
<アクリル系共重合体の分子量測定>
HLC-8120(東ソー(株)製)を用いて、ポリスチレンを標準物質として、下記の条件で重量平均分子量を測定した。
使用カラム;G7000HXL×1本、GMHXL×2本、G2000HXL×1本、溶媒;THF、流速;1.0ml/min、測定温度;40℃。
[製造例1]
<アクリル系共重合体の重合>
窒素置換可能な4つ口フラスコにアクリル酸ブチルエステル(以下、BAと略す。)98.5部、アクリル酸(以下、AAと略す)1.5部、酢酸エチル150部を入れ、窒素置換下で68℃まで加熱し、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す。)0.15部を添加し、重合を開始した。重合開始後2、4、5時間後にそれぞれAIBN0.15部を添加し、さらに重合開始後6時間30分で酢酸エチル150部を追加して重合を終了させた。
得られたアクリル系共重合体溶液の不揮発分は24.8%、粘度は3.0Pa・sであった。また、アクリル系共重合体(不揮発分)のポリスチレン換算重量平均分子量は、80万であった。
<金属蒸着フィルム用粘着シートおよび金属蒸着フィルムラベルの作成>
得られたアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を5部、エポキシ架橋剤としてエポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)を0.05部混合し、塗剤を調製し(アクリル系共重合体中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤中の官能基Zの当量比(X:Z)は、1:0.026)、剥離ポリエチレンテレフタレートフィルムPET3811(リンテック(株)製)の剥離処理面にドクターブレードで乾燥後の膜厚が25μmとなるように該塗剤を塗工して乾燥することにより粘着剤層を形成し、金属蒸着フィルム用粘着シートAを得た。その後、25μm厚アルミ蒸着PET(東レ(株))製のアルミ蒸着面に該金属蒸着フィルム用粘着シートAの粘着剤層が当接するようにして貼合し、室温で1週間熟成を行い、金属蒸着フィルムラベルAを作成した。
<実装試験>
上記金属蒸着フィルムラベルAを幅50mm×長さ120mmに裁断し、PET3811を剥がした後、露出した粘着剤層を介して、幅70mm×長さ150mm×厚さ2mmのガラス板に貼合し、50℃×5kg/cm2×20分オートクレーブ処理を行い、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した。その後、外観の変化を目視により観察したところ、表1に示したように外観の変化は見られず、良好な反射性と遮光性を示した。
[製造例2]
表1の配合割合に従い、BAを97.7部、AAを2.3部に変更したほかは製造例1と同様にしてアクリル系共重合体溶液を得た。該アクリル系共重合体溶液の不揮発分は24.9%、粘度は4Pa・sであった。また、アクリル系共重合体(不揮発分)のポリスチレン換算重量平均分子量は、82万であった。
得られたアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を5部、エポキシ架橋剤としてエポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)を0.05部混合し、塗剤を調製(アクリル系共重合体中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤中の官能基Zの当量比(X:Z)は、1:0.017)したほかは、実施例1と同様の方法で金属蒸着フィルム用粘着シートBおよび金属蒸着フィルムラベルBを作成した。
上記金属蒸着フィルムラベルBを用いて、製造例1と同様に実装試験を行ったところ、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した後でも、外観の変化は見られず、良好な反射性と遮光性を示した。
[製造例3]
製造例2で調製したアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を1.5部、エポキシ架橋剤としてエポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)を0.05部混合し、塗剤を調製(アクリル系共重合体中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤中の官能基Zの当量比(X:Z)は、1:0.017)したほかは、製造例1と同様の方法で金属蒸着フィルム用粘着シートCおよび金属蒸着フィルムラベルCを作成した。
上記金属蒸着フィルムラベルCを用いて、製造例1と同様に実装試験を行ったところ、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した後でも、外観の変化は見られず、良好な反射性と遮光性を示した。
[製造例4]
製造例1で調製したアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を5部、エポキシ架橋剤としてエポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)を0.7部混合し、塗剤を調製(アクリル系共重合体中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤中の官能基Zの当量比(X:Z)は、1:0.37)したほかは、製造例1と同様の方法で金属蒸着フィルム用粘着シートDおよび金属蒸着フィルムラベルDを作成した。
上記金属蒸着フィルムラベルDを用いて、製造例1と同様に実装試験を行ったところ、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した後でも、外観の変化は見られず、良好な反射性と遮光性を示した。
[製造例5]
製造例1で調製したアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を10部、エポキシ架橋剤としてエポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)を0.7部混合し、塗剤を調製(アクリル系共重合体中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤中の官能基Zの当量比(X:Z)は、1:0.37)したほかは、製造例1と同様の方法で金属蒸着フィルム用粘着シートEおよび金属蒸着フィルムラベルEを作成した。
上記金属蒸着フィルムラベルEを用いて、製造例1と同様に実装試験を行ったところ、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した後でも、外観の変化は見られず、良好な反射性と遮光性を示した。
[比較製造例1]
表1の配合割合に従い、AA2.3部の代わりにアクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEAと略す。)2.3部を使用したほかは製造例2と同様にしてアクリル系共重合体溶液を得た。該アクリル系共重合体溶液の不揮発分は24.8%、粘度は3.5Pa・sであった。また、アクリル系共重合体(不揮発分)のポリスチレン換算重量平均分子量は、85万であった。
得られたアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を5.0部、エポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)の代わりにイソシアネート系架橋剤コロネートL(日本ポリウレタン(株)製)を2.0部混合し、塗剤を調製したほかは、製造例1と同様の方法で金属蒸着フィルム用粘着シートFおよび金属蒸着フィルムラベルFを作成した。
上記金属蒸着フィルムラベルFを用いて、製造例1と同様に実装試験を行ったところ、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した後、金属蒸着フィルムラベルFの全面に発泡が生じ良好な反射性を示さなかった。
[比較製造例2]
表1の配合割合に従い、BAを98.5部から93部に変更し、AA1.5部を7部に変更したほかは製造例1と同様にしてアクリル系共重合体溶液を得た。該アクリル系共重合体溶液の不揮発分は24.8%、粘度は6.0Pa・sであった。また、アクリル系共重合体(不揮発分)のポリスチレン換算重量平均分子量は、82万であった。
得られたアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を5.0部、エポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)を0.05部混合し、塗剤を調製(アクリル系共重合体中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤中の官能基Zの当量比(X:Z)は、1:0.006)したほかは、製造例1と同様の方法で金属蒸着フィルム用粘着シートGおよび金属蒸着フィルムラベルGを作成した。
上記金属蒸着フィルムラベルGを用いて、製造例1と同様に実装試験を行ったところ、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した後、金属蒸着フィルムラベルGの全面に蒸着抜け(金属層の腐食)が生じ、良好な反射性と遮光性を示さなかった。
[比較製造例3]
比較製造例2で調製したアクリル系共重合体溶液の不揮発分100部に対して、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を3.0部、エポキシ系硬化剤テトラッドX(三菱ガス化学(株)製)を8.65部混合し、塗剤を調製(アクリル系共重合体中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤中の官能基Zの当量比(X:Z)は、1:0.991)したほかは、製造例1と同様の方法で金属蒸着フィルム用粘着シートHおよび金属蒸着フィルムラベルHを作成した。
上記金属蒸着フィルムラベルHを用いて、製造例1と同様に実装試験を行ったところ、60℃、相対湿度95%の環境に500時間静置した後、金属蒸着フィルムラベルHの剥がれが生じ、良好な反射性と遮光性を示さなかった。
[実施例1〜5および比較例1〜3]
<タッチパネル用粘着シートの作成>
製造例1〜5および製造比較例1〜3と同様にして、それぞれ塗剤を調製し、これらの塗剤を用いて、剥離ポリエチレンテレフタレートフィルムPET3811(リンテック(株)製)の剥離処理面にドクターブレードで乾燥後の膜厚が25μmとなるように該塗剤を塗工して乾燥することにより第1の粘着剤層を形成した後、該粘着剤層上に、25μm厚PETフィルム(東レ(株)製、商品名;ルミラー)を積層し粘着シートを作成した。
次に、剥離ポリエチレンテレフタレートフィルムPET3801(リンテック(株)製)の剥離処理面に、上記粘着シートの作成に用いたのと同じ塗剤を、ドクターブレードで乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗工して乾燥することにより第2の粘着剤層を形成し、この第2の粘着剤層と、先に作成した上記第1の粘着剤層を有する粘着シートの25μm厚PETフィルム面とが当接するようにして積層した後、室温で7日間熟成し、両面粘着テープ厚75μm(第1の粘着剤層厚25μm+25μm厚PETフィルム(両面粘着テープ用芯材)+第2の粘着剤層厚25μm=75μm)のタッチパネル用粘着シートA〜H(それぞれ順に製造例1〜5および製造比較例1〜3で用いた塗剤に対応する)を作成した。
<電極腐食性試験>
幅50mm×長さ100mmの188μm厚PETフィルム(東レ(株)製、商品名;ルミラー)の片面上に、Ag紛フィラー入り導電性ペースト(東洋紡績(株)製、商品名;DW−259H−5)を、乾燥、熱硬化後の導電層の膜厚が5μm、幅2mm×長さ100mmとなるように塗工を行い、試料aを作成した。
上記導電層(幅2mm×長さ100mm)が試験片の中央部に位置するように、上記試料aを幅20mm×長さ100mmに裁断し、試験片aを作成した。
次に、タッチパネル用粘着シートAからPET3801を剥がし、これに代えて25μm厚PETフィルム(東レ(株)製、商品名;ルミラー)を第2の粘着剤層に貼り合わせた後、幅15mm×長さ90mmに裁断した。裁断したタッチパネル用粘着シートAからPET3811を剥がし第1の粘着剤層を介して、該タッチパネル用粘着シートAを、上記導電層の両端部を残しつつそれ以外の導電層の部分を覆うように試験片aの中央部に貼着した。
この試験片aの導電層両端部の電気抵抗値R0をテスター(三和電気計器(株)製、;デジタルマルチメーター PC510)で測定した後、試験片aを80℃、相対湿度90%に設定した恒温恒湿槽に入れ、500時間静置した。その後、試験片aの導電層両端部の電気抵抗値R1を上記テスターで測定した。
なお、タッチパネル用粘着シートB〜Hについても、上記と同様にして、電気抵抗値R0およびR1を測定した。
測定したR0およびR1の値から求めたR1/R0の値を抵抗値変化率として、タッチパネル用粘着シートA〜Hの電極腐食性を評価した。結果を表2にまとめて示す。
<耐剥がれ試験>
188μm厚PETフィルム(東レ(株)製、商品名;ルミラー)の片面上にアンチグレアハードコート用樹脂溶液a(日本化薬(株)製、KAYANOVA FOP-1100)およびb(日本化薬(株)製、KAYANOVA FOP-200A)を固形分重量比50/50で混合して調製した塗剤を、乾燥、UV硬化後のアンチグレアハードコート層の膜厚が5μmとなるように塗工を行い、幅70mm×長さ150mmに裁断し、試料bを作成した。
幅70mm×長さ150mm×厚さ2mmのガラス板の4辺に、2mm幅に切断したタッチパネル用粘着シートAを、該タッチパネル用粘着シートAからPET3811を剥離して第1の粘着剤層を介して貼着し、さらに、該タッチパネル用粘着シートAからPET3801を剥離して第2の粘着剤層を介して、前記試料bのアンチグレアハードコート層面とは反対側の面と貼り合わせることにより、試験片bを作成した。
この試験片bを85℃の恒温槽に500時間入れた後、外観の変化を目視で観察した。
なお、タッチパネル用粘着シートB〜Hについても、上記と同様にして外観の変化を観察した。
結果を表2にまとめて示す。
図1は、金属蒸着フィルムラベルの一例を示す概略図である。 図2は、本発明のタッチパネルの一態様を示す概略断面図である。 図3は、本発明のタッチパネルの一態様を構成する部材の概略図である。
1:金属蒸着フィルムラベル
3:支持体(剥離材)
4:金属蒸着フィルム用粘着シート
5:粘着剤層
7:金属蒸着層
8:金属蒸着フィルム
9:基材
11:タッチパネル
12:上部基板
13:上部電極板
15:配線部
17:絶縁層
19:両面粘着テープ(粘着剤層)
20:下部基板
21:下部電極板
23:異方導電性接着剤層
25:FRP
27:透明導電膜層

Claims (10)

  1. 基板の片面に金属回路を備えてなる電極板に、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、カルボキシル基含有モノマーが1重量%以上3重量%未満の量で共重合してなり、かつ実質的に水酸基含有モノマーが共重合されていないアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が1〜10重量部の量で含まれてなる粘着剤組成物と、
    前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)とを、
    前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が1:0.01〜1:0.4となるような量で用いて架橋して得られた粘着シートが、その粘着剤層を前記金属回路に当接するようにして貼着されていることを特徴とするタッチパネル用部材。
  2. 上記ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾールのK塩および3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のベンゾトリアゾール並びに/またはその誘導体(B)であることを特徴とする請求項第1項記載のタッチパネル用部材。
  3. 上記タッチパネル用部材が、カルボキシル基Xをエポキシ架橋剤(C)との架橋反応で全て使い果たさずに、架橋反応後のアクリル系共重合体中に少量のカルボキシル基が残存し、残余の少量のカルボキシル基は、湿熱環境下でH+と−COO-−とに解離し、該残余の少量のH+とはベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)によって安定化された粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする請求項第1項記載のタッチパネル用部材。
  4. 上部電極板と下部電極板とを備えた抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、
    上部電極板と下部電極板とを接合している粘着剤層が、
    アルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、カルボキシル基含有モノマーが1重量%以上3重量%未満の量で共重合してなり、かつ実質的に水酸基含有モノマーが共重合されていないアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が1〜10重量部の量で含まれてなる粘着剤組成物と、
    前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xと反応し得る官能基Zを有するエポキシ架橋剤(C)とを、
    前記アクリル系共重合体(A)中のカルボキシル基Xに対する前記エポキシ架橋剤(C)中の官能基Zの当量比(X:Z)が1:0.01〜1:0.4となるような量で用いて架橋して得られたものであることを特徴とするタッチパネル。
  5. 上記ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)が、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾールのK塩および3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のベンゾトリアゾール並びに/またはその誘導体(B)であることを特徴とする請求項第4項記載のタッチパネル。
  6. 上記タッチパネルが、カルボキシル基Xをエポキシ架橋剤(C)との架橋反応で全て使い果たさずに、架橋反応後のアクリル系共重合体中に少量のカルボキシル基が残存し、残余の少量のカルボキシル基は、湿熱環境下でH+と−COO-−とに解離し、該残余の少量のH+とはベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体(B)によって安定化された粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする請求項第4項記載のタッチパネル。
  7. 上記金属回路が銀を用いて形成されてなることを特徴とする請求項第4項記載のタッチパネル。
  8. 前記粘着剤層が、両面粘着テープ用芯材の両面に設けられた粘着剤層であることを特徴とする請求項第4項記載のタッチパネル。
  9. 基板の片面に金属回路を備えてなる電極板に、粘着剤層が前記金属回路に当接するようにして貼着されていることを特徴とする請求項第4項記載のタッチパネル。
  10. 上部電極板と下部電極板とを備えた抵抗膜方式のタッチパネルの、上部電極板と下部電極板との接合に用いられることを特徴とする請求項第4項記載のタッチパネル。
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