JP5149783B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
尚、本発明に関連するその他の先行技術文献としては、特許文献5〜8に記載された発明があるが、何れも上述の様な問題を解決できるものではない。
このうちの入力ディスク及び出力ディスクは、相対回転を自在として互いに同心に支持されている。
又、上記各トラニオンは、上記両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされている。
又、上記各支持軸は、上記各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に、1本ずつ設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記両ディスク同士の間に挟持されている。
又、上記各スラスト転がり軸受は、それぞれ、上記各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられている。
そして、上記各スラスト転がり軸受は、それぞれ、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成る。
そして、上記主体の軸方向両側面(内外両側面)の直径方向中間部のうちで、円周方向に隣り合うポケット同士の間部分に、これら各間部分と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との間に存在する空間(転動体間空間)の一部を塞ぐ凸部を設けている。
尚、これら各凸部により上記各空間を塞ぐ割合としては、前記図20に示した従来構造の場合の様に、上記各間部分に凸部を設けず、単に平坦面とした場合の空間の容積を100%とした場合に、少なくとも70%、好ましくは90%程度を塞ぐ事が好ましい。
更に、上記請求項1に係る発明を実施する場合に好ましくは、上記各凸部と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との間にそれぞれ形成される隙間の和を、内周縁部分に於ける隙間の和(軸方向厚さの合計)よりも大きく、且つ、外周縁部分に於ける隙間の和(軸方向厚さの合計)よりも小さくする。
又、上述した様な、請求項2に係る発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に係る発明の様に、上記各ポケットの内面を構成する球面部のピッチ円直径を、各転動体(玉)のピッチ円直径よりも小さくする。
尚、請求項2及び請求項3に係る発明を実施する場合には、スラスト転がり軸受を構成する転動体として、玉を使用する。
一方、請求項5に記載した発明の場合には、上記主体の軸方向に関する上記各凸部の先端部に、この主体の中心軸に直交する仮想平面に対し平行な平坦面を設ける。
又、請求項6に記載した発明の場合には、上記各凸部の外面形状を、上記内輪軌道及び上記外輪軌道の各軌道溝に沿う形状とする。
又、この様な請求項7に係る発明を実施する場合には、上記各ポケットと上記主体の外周縁とを連通する潤滑油流路を併せて設ける事もできる。即ち、前記図20及び図21に示した従来構造の場合と同様に、上記各ポケットを横切る状態で、潤滑油流路を設ける事ができる。
即ち、本発明の場合には、保持器を構成する主体の軸方向両側面の直径方向中間部のうちで、円周方向に隣り合うポケット同士の間部分と、内輪軌道及び外輪軌道との間に形成される空間の容積を、これら各間部分に凸部を設けない(単に平坦面とした)場合に比べて小さくできる。この為、上記各空間内に滞留可能な潤滑油量を少なくできる。従って、上記スラスト転がり軸受に供給される潤滑油量が多くなった場合にも、上記各空間内に滞留する潤滑油量を少なく抑えられる。又、上記各ポケット内に流入した潤滑油が、上記各空間内に流失する事も防止できる。この結果、スラスト転がり軸受の運転時に、上記各空間を各転動体が横切る場合に於ける、潤滑油の攪拌抵抗を低減して、上記スラスト転がり軸受のトルク損失(回転抵抗)を低減できる。更に、これら各空間内に流失する潤滑油量を少なく抑えられる事に伴い、上記各ポケット内に供給して、各転動体の転動面と、外輪軌道及び内輪軌道との転がり接触部の潤滑に供される潤滑油の量を増やす事もできる。
又、請求項5に係る発明によれば、上記各凸部の高さ管理を行い易くできると共に、これら各凸部の形状によっては、上記保持器が直径方向に変位した場合に、これら各凸部と上記内輪軌道及び上記外輪軌道とが干渉する事を防止する事もできる。
図1〜7は、請求項4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の特徴は、保持器10aを構成する主体11aの軸方向両側面のうち、円周方向に隣り合うポケット12、12同士の間部分の形状を工夫する事により、これら各間部分と、内輪軌道6及び外輪軌道8との間にそれぞれ形成される空間の容積を小さくし、これら各空間内に滞留する潤滑油量を少なくする点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図19〜21に示した従来構造と同様である為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図8〜11は、請求項2、4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の特徴は、保持器10bを構成する各ポケット12a、12aの内面形状を工夫した点にある。具体的には、これら各ポケット12a、12aの内面のうちで、主体11bの軸方向に関する両側部分を、各凸部24a、24aの円周方向側面により構成すると共に、上記各ポケット12a、12aの内面を、上記主体11bの直径方向に関して、内側の球面部25、25と、外側の円筒面部26、26とを中間部で滑らかに連続させた構成としている。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
図12は、請求項1、4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の特徴は、前述した実施の形態の第1例の構造に関して、保持器10cを構成する主体11cの軸方向両側面と、パワーローラ3の外側面及び外輪7の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の和を、上記主体11cの直径方向位置に応じて規制した点にある。具体的には、この主体11cの内周縁部分18と、上記パワーローラ3の内径側肩部21a及び上記外輪7の内径側肩部20aとの間にそれぞれ形成される隙間(の軸方向に関する厚さ)の和(ain +aout =Wi )を、上記主体11cの外周縁部分19と、上記パワーローラ3の外径側肩部21b及び上記外輪7の外径側肩部20bとの間にそれぞれ形成される隙間(の軸方向に関する厚さ)の和(bin +bout =Wo )よりも小さくしている(Wi <Wo )。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
図13は、請求項1、2、4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、前述した実施の形態の第2例の構造に関して、主体11dの軸方向両側面と、パワーローラ3の外側面及び外輪7の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の和を、上述した実施の形態の第3例の場合と同様に、上記主体11dの径方向位置に応じて規制している。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の第3例及び前述した実施の形態の第2例の場合と同様である。
図14、15は、請求項2〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、前述した実施の形態の第2例の構造に関して、各ポケット12b、12bの内面を構成する球面部25a、25aのピッチ円直径(PCD25a )を、内輪軌道6と外輪軌道8との間に設けられる玉9、9(図1等参照)のピッチ円直径(PCD9 )よりも小さくしている(PCD25a <PCD9 )。この為に、本例の場合には、上記各球面部25a、25aの曲率中心を、上記第2例の場合に比べて、主体11dの直径方向内側に位置させている。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第2例の場合と同様である。
図16〜18は、請求項2、3、5、7に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、上述した実施の形態の第5例の構造に関して、主体11eの軸方向に関する各凸部24a、24aの先端部に、この主体11eの軸方向に直交する仮想平面に対して平行な平坦面28、28を形成している。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第5例の場合と同様である。
2 出力ディスク
3 パワーローラ
4 トラニオン
5、5a スラスト玉軸受
6 内輪軌道
7 外輪
8 外輪軌道
9 玉
10、10a、10b 保持器
11、11a〜11e 主体
12、12a、12b ポケット
13 支持軸部
14 枢支軸部
15 給油孔
16 分岐孔
17 凹溝
18 内周縁部分
19 外周縁部分
20a 内径側肩部
20b 外径側肩部
21a 内径側肩部
21b 外径側肩部
22 平坦面部
23、23a、23b 転動体間空間
24、24a 凸部
25、25a 球面部
26 円筒面部
27 隙間
28 平坦面
Claims (7)
- 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で上記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、
この保持器が、円輪状の主体と、この主体の円周方向複数個所に間欠的に形成され、それぞれの内側に上記各転動体を転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、上記主体の軸方向両側面の直径方向中間部のうちで、円周方向に隣り合うポケット同士の間部分に、これら各間部分と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられており、
上記主体の軸方向両側面と、上記パワーローラの外側面及び上記外輪の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の和が、上記主体の外周縁部分よりも内周縁部分で小さい事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で上記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、
この保持器が、円輪状の主体と、この主体の円周方向複数個所に間欠的に形成され、それぞれの内側に上記各転動体を転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、上記主体の軸方向両側面の直径方向中間部のうちで、円周方向に隣り合うポケット同士の間部分に、これら各間部分と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられており、
上記主体の円周方向に関して上記各凸部の両側面が、上記各ポケットの内面の一部を構成しており、これら各ポケットの内面が、上記主体の直径方向に関して、内側の球面部と外側の円筒面部とを中間部で滑らかに連続させて成るものであり、これら各円筒面部が上記主体の外周面に連通している事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 各ポケットの内面を構成する球面部のピッチ円直径が、各転動体のピッチ円直径よりも小さい、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機。
- 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で上記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、
この保持器が、円輪状の主体と、この主体の円周方向複数個所に間欠的に形成され、それぞれの内側に上記各転動体を転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、上記主体の軸方向両側面の直径方向中間部のうちで、円周方向に隣り合うポケット同士の間部分に、これら各間部分と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられており、
これら各凸部の母線形状が単一円弧状であり、これら各凸部の母線形状の曲率半径が、上記内輪軌道及び上記外輪軌道の曲率半径よりも小さい事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で上記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、
この保持器が、円輪状の主体と、この主体の円周方向複数個所に間欠的に形成され、それぞれの内側に上記各転動体を転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、上記主体の軸方向両側面の直径方向中間部のうちで、円周方向に隣り合うポケット同士の間部分に、これら各間部分と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられており、
上記主体の軸方向に関して上記各凸部の先端部に、この主体の中心軸に直交する仮想平面に対し平行な平坦面が設けられている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で上記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、
この保持器が、円輪状の主体と、この主体の円周方向複数個所に間欠的に形成され、それぞれの内側に上記各転動体を転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、上記主体の軸方向両側面の直径方向中間部のうちで、円周方向に隣り合うポケット同士の間部分に、これら各間部分と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ、これら内輪軌道及び外輪軌道の各軌道溝に沿う外面形状を有する凸部が設けられている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 主体の軸方向側面に、この主体の内周縁と各ポケットとを連通する潤滑油流路が設けられている、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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