JP4710402B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
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Description
尚、前記特許文献5には、保持器の軸方向に関し、一方の開口縁の内径を他方の開口縁の内径に比べて小さくしたポケットと、これとは逆に他方の開口縁の内径を一方の開口縁の内径に比べて小さくしたポケットとを、上記保持器の円周方向に関し1個ずつ交互に配置した構造が記載されている。但し、上記特許文献5には、この様な構造を、トロイダル型無段変速機を構成するパワーローラを支持するスラスト玉軸受に適用する事は、その旨を示唆する記述を含めても、一切記載されていない。
このうちの第一、第二各ディスクは、相対回転を自在として互いに同心に支持される。 又、上記各パワーローラは、上記各ディスク同士の間に挟持される。
又、上記各トラニオンは、上記各パワーローラを回転自在に支持した状態で、それぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされる。
又、上記各スラスト玉軸受は、上記各トラニオンと各パワーローラとの間にそれぞれ設けられ、これら各パワーローラに加わる荷重を支承する。
又、上記各スラスト玉軸受は、複数の玉と、これら各玉を転動自在に保持する、円環状の保持器とを備える。
又、この保持器は、軸方向両側面同士を貫通する状態で形成されて、それぞれの内側に上記各玉を1個ずつ転動自在に保持する複数のポケットを備える。
そして、これら各ポケットの内面を、上記保持器の軸方向に関し、それぞれが互いに反対側の側面に開口する円筒面部と球面部とを、中間部で滑らかに連続させて成るものとしている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各ポケットは、上記球面部を上記保持器の軸方向に関し一方の側に設けると共に、同じく他方の側を内径を縮める事なく上記円筒面部のままとした第一ポケットと、上記球面部を上記保持器の軸方向に関し他方の側に設けると共に、同じく一方の側を内径を縮める事なく上記円筒面部のままとした第二ポケットとから成る。そして、これら第一のポケットと第二のポケットとを、上記保持器の円周方向に関し交互に配置している。
即ち、保持器の軸方向に関し、球面部の位置を軸方向に関して反対側とした第一ポケットと第二ポケットとを、上記保持器の円周方向に関し交互に配置している。この為、これら第一、第二各ポケットの各球面部を、上記各保持器の中心軸と直角に交わり、且つ、上記第一、第二各ポケットの軸方向中央を通過する仮想平面に関して対称に配置できる。又、上記保持器が軸方向に変位する傾向となっても、上記各第一ポケットに設けた球面部が各玉の転動面と摺接する事で、上記保持器が軸方向他方にそれ以上変位するのを阻止できると共に、同じく各第二ポケットに設けた球面部が各玉の転動面と摺接する事で、上記保持器が軸方向一方にそれ以上変位するのを阻止できる。この為、上記保持器の軸方向各側面と軌道輪の側面との距離を同じにできると共に、この保持器の軸方向変位量を小さくできる。
この様に構成すれば、ポケットの総数を8〜16程度とした、パワーローラを支持するスラスト玉軸受で、上述した発明の効果を有効に得られる。
即ち、上記保持器に局部的に力が加わっても、この様に局部的に加わる力を、連続して配置された複数の第一ポケットの組或いは第二ポケットの組により支承できる。又、運転時に上記保持器は高速で回転している為、上記局部的に加わる力を上記第一ポケットの組或いは第二ポケットの組の何れかにより支承でき、上記保持器全体としてバランスを崩れにくくできる。従って、これら第一ポケット並びに第二ポケットを1個ずつ交互に配置した場合に比べ、上述の様に局部的に加わる力の許容量を大きくでき、上記保持器の軸方向変位量をより小さくできる。
この様に構成すれば、各玉の公転速度がばらつく事による、保持器の耐久性の低下を防止できる。即ち、パワーローラを支持するスラスト玉軸受の場合、一般のスラスト玉軸受に比べて、各玉の公転速度がばらつき易い。図12は、ピッチ円直径が50〜60mm程度、各玉の直径が12〜18mm程度のスラスト玉軸受で、各玉の円周方向位置(方位角)が、基準位置(公転速度がばらつかずに一定であると仮定した場合の位置)に比べてどの様にずれるかを表している。この様な図12から明らかな様に、上記スラスト玉軸受を構成する上記各玉の公転速度は、円周方向位置に応じて早くなったり遅くなったりする。そして、この様に上記各玉の公転速度が変化すると、これら各玉の転動面が、上記保持器のポケットの内面と干渉し、この保持器に力が加わる。この様な力は、この保持器に繰り返し曲げ応力として加わり、長期間に亙る使用に伴って、上記保持器に亀裂等の損傷が発生する可能性がある。そこで、この様な損傷を防止すべく、上述の様に隙間を規制する。
即ち、この保持器7bの軸方向に関し、球面部19の位置を軸方向に関して互いに反対側とした第一ポケット20、20と第二ポケット21、21とを、上記保持器7bの円周方向に関し交互に配置している。この為、これら第一、第二各ポケット20、21の各球面部19を、上記各保持器7bの中心軸α(図2)と直角に交わり、且つ、上記第一、第二各ポケット20、21の軸方向中央を通過する仮想平面イ(図2)に関して対称に配置できる。そして、上記保持器7bが軸方向他方(図1、2、4の下方)に変位する傾向になった場合には、上記各第一ポケット20、20に設けた球面部19、19が各玉6、6の転動面と摺接する事で、上記保持器7bが軸方向他方にそれ以上変位するのを阻止する。これに対して、上記保持器7bが軸方向一方(図1、2、4の上方)に変位する傾向になった場合には、上記各第二ポケット21、21に設けた球面部19、19が各玉6、6の転動面と摺接する事で、上記保持器7bが軸方向一方にそれ以上変位するのを阻止する。この為、上記保持器7bの軸方向各側面とパワーローラ3並びに外輪8の各側面との距離をほぼ同じにできると共に、この保持器7bの軸方向変位量を小さくできる。
その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、重複する説明は省略する。
この様な本実施例の場合には、保持器7bの軸方向に加わる力が、この保持器7bの円周方向に関し局部的に加わる等により不均一になる場合でも、この保持器7bの軸方向のバランスを崩れにくくして、この保持器7bの軸方向両側面とパワーローラ3並びに外輪8(図1参照)の各側面とが摺接するのを防止できる。
即ち、この保持器7bに局部的に力が加わっても、この様に局部的に加わる力を、連続して配置された複数の第一ポケット20、20の組、或いは、第二ポケット21、21の組により支承できる。従って、これら第一ポケット20、20並びに第二ポケット21、21を1個ずつ交互に配置した場合に比べ、上述の様に局部的に加わる力の許容量を大きくでき、上記保持器7bの軸方向変位量をより小さくできる。
その他の構成及び作用は、前述した実施例1〜2と同様であるから、重複する説明は省略する。
2 出力側ディスク
3 パワーローラ
4 トラニオン
5 スラスト玉軸受
6 玉
7、7a、7b 保持器
8 外輪
9 内輪軌道
10 外輪軌道
11、11a ポケット
12 スラストニードル軸受
13 支持軸
14 枢支軸
15 給油孔
16 凹溝
17 内面
18 円筒面部
19 球面部
20 第一ポケット
21 第二ポケット
Claims (4)
- 相対回転を自在として互いに同心に支持された第一、第二各ディスクと、これら各ディスク同士の間に挟持された複数のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した状態でそれぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数のトラニオンと、これら各トラニオンと各パワーローラとの間にそれぞれ設けられ、これら各パワーローラに加わる荷重を支承する複数のスラスト玉軸受とを備え、これら各スラスト玉軸受は、複数の玉と、これら各玉を転動自在に保持する、円環状の保持器とを備えたものであり、この保持器は、軸方向両側面同士を貫通する状態で形成されて、それぞれの内側に上記各玉を1個ずつ転動自在に保持する複数のポケットを備えており、これら各ポケットの内面は、上記保持器の軸方向に関し、それぞれが互いに反対側の側面に開口する円筒面部と球面部とを、中間部で滑らかに連続させて成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、上記各ポケットは、上記球面部を上記保持器の軸方向に関し一方の側に設けると共に、同じく他方の側を内径を縮める事なく上記円筒面部のままとした第一ポケットと、上記球面部を上記保持器の軸方向に関し他方の側に設けると共に、同じく一方の側を内径を縮める事なく上記円筒面部のままとした第二ポケットとから成り、これら第一ポケットと第二ポケットとを、上記保持器の円周方向に関し交互に配置した事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
- 第一ポケットと第二ポケットとを1個ずつ、保持器の円周方向に関し交互に配置した、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
- それぞれ複数個ずつの第一ポケット又は第二ポケットとから成る組を、保持器の円周方向に関し交互に配置した、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
- 各玉の中心と各ポケットの中心とを一致させた状態で、保持器の円周方向に関する、これら各ポケットの内面と各玉の転動面との間の最小隙間を、0.2〜0.5mmとした、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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