JP5147523B2 - 経路情報提供装置及び経路情報提供システム - Google Patents
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Description
この経路案内装置では、所定の範囲毎に分割されたコマ図(イラスト図及び矢印から構成される図)が、案内文とともに提供される。また、この経路案内装置では、タグによりユーザの位置を検知して、検知した位置に対応するコマ図と案内文とをユーザの移動に合わせて順次配信する。
しかし、従来、ユーザへ1度に提供する経路情報の情報量を考慮した経路案内に関する技術はない。
上記経路情報の情報量に基づき、複数の区間経路情報の各区間経路情報の情報量が所定の閾値を超えないように、処理装置により上記経路情報を分割して複数の区間経路情報を生成する経路情報分割部と、
上記経路情報分割部が生成した複数の区間経路情報を出力装置へ出力する経路情報出力部と
を備えることを特徴とする。
この実施の形態では、経路情報の情報量に基づき、経路情報を分割してユーザへ提供する経路情報提供システム1について説明する。
経路情報提供システム1を利用する歩行者等のユーザは、空港、駅、地下街、ショッピングモール、ショッピングビル、オフィスビルなどの所定のエリア(以下、対象エリア)に設置された案内端末200(経路情報提供端末)にユーザ端末300をタッチすることで、目的位置までの経路情報を取得することができる。ユーザ端末300とは、例えば、非接触型IC(Integrated Circuit)カードを搭載した携帯電話機、ICカードなどである。なお、通信方法はこれに限らず、例えば、ユーザ端末300としてICカードや携帯電話の代わりに、QRコード(登録商標)等の二次元コードなどID情報が取得できる所定の機器であってもよい。
ユーザは、例えば、建物の入口に設置された案内端末200により、目的位置を設定する。すると、建物の入口に設置された案内端末200の表示装置には、現在位置から目的位置までの経路が表示される。しかし、経路が複雑である場合、ユーザは1度に目的位置までの経路を記憶した情報で正しく判断すること困難である。
そこで、ユーザは、案内端末200にユーザ端末300をタッチする。案内端末200にユーザ端末300をタッチするとは、案内端末200にユーザ端末300をかざすことである。すると、ユーザは、経路に設置されている次の案内端末200までに必要な経路情報を取得できる。例えば、ユーザ端末300が携帯電話機であれば、携帯電話機のメモリへタッチした案内端末200から経路情報をダウンロードできる。また、ユーザ端末300がICカードであれば、タッチした案内端末200の画面に次の案内端末200までの経路情報を表示する。あるいは、プリンタから紙などへ印刷して出力する。
ユーザは、取得した詳しい経路情報に従い、次の案内端末200まで進む。次の案内端末200に到着すると、再びその案内端末200にユーザ端末300をタッチする。すると、ユーザは、先ほどと同様に、次の案内端末200までの詳しい経路情報を取得できる。これを繰り返し行う。そして、目的位置の1つ前の案内端末200にユーザ端末300をタッチすると、目的位置までの詳しい経路情報を取得することができ、目的位置へ到着することができる。
例えば、一定の交差点数や一定の移動距離ごとに経路情報をまとめて提供することが考えられる。このとき、タッチ回数が少なくなるように交差点数を多く設定したり移動距離を長く設定すれば、1度に提供する情報量が多くなる。1回あたりに提供する情報量が多くなると、ユーザはその情報を記憶しきれなくなったり、経路の複雑さにより判断を誤ったりすることで、経路を逸脱する可能性が高くなる。一方、交差点数が少ない場合や移動距離が短い場合であっても、複雑な経路を含む場合は情報量が多くなる。そのため、ユーザが経路を逸脱する可能性が高くなる。また、ユーザが経路を逸脱する可能性を低くするため、極端に交差点数を少なく設定することや移動距離を短く設定することを行うと、ユーザに過度の負担をかけることとなる。さらに、経路上のどのタイミングでタッチするかが重要であり、単純にタッチする回数を多くすることで逸脱の可能性が低くなる訳ではない。
つまり、交差点数や移動距離によってタッチさせる案内端末200を決定することは、案内端末200にタッチさせる最適な位置を決定することにはならない。
ここでは、経路情報の情報量を、経路情報が示す経路の複雑度(複雑さ)から算出する。つまり、複雑な経路ほど、経路情報の情報量は多くなる。経路の複雑度とは、言い換えると、経路の難しさであり、ユーザが経路を逸脱する可能性の高さである。つまり、ユーザが逸脱する可能性の高い経路が複雑度の高い経路である。
ここでは、1度に提供する経路情報の情報量を、ユーザが記憶・判断しきれる情報量に制御するため、単純な(複雑でない)経路であれば、通過する交差点の数が多く、移動距離が長い範囲の経路情報が提供される。一方、複雑な経路であれば、通過する交差点の数が少なく、移動距離が短い範囲の経路情報が提供される。
ユーザは、目的位置まで辿り着くために、経路情報を基に、方向転換を行う位置においての進行方向の判断と、次の方向転換を行う位置の判断とを行い、判断に従い移動する。目的位置に確実に辿り着くためには、上記2つの判断を確実に実行する必要がある。反対に、上記2つの判断を誤ることがなければ、目的位置に確実に辿り着くことができる。つまり、上記2つの判断をすることが難しい経路が、逸脱する可能性の高い経路である。すなわち、複雑な経路である。そこで、経路の複雑度を、上記2つの判断をすることの難しさから算出する。
ここでは、上記2つの判断をすることの難しさを、経路情報が示す経路における交差点(方向転換する可能性があるエリア)毎に、その交差点の形状、見通し、通過する時の向き、経路の前後関係等によって、その交差点で上記2つの判断をすることの難しさを評価する。つまり、その交差点の複雑度を評価する。経路の複雑度は、その経路における交差点の複雑度の合計で表すことができる。つまり、ここでは、経路の複雑度を交差点の形状の複雑度で表す。
次に、交差点の複雑度の評価方法について説明する。
図2と図3とは、分岐エリアを説明するための図である。
図2(a)(b)に示すように、地図情報において、通路部分(通行可能なエリア)と非通路部分(部屋、通行不可エリアなど)を分類する。通路領域を抽出し、非通路部分との交点を抽出する。隣接する交点のうち、互いに通路領域にあり、互いの交点の間が通行可能である部分に、補助線を引く。補助線は、通路領域において進行方向を選択できる場所であることを示している。補助線によって多角形(領域)を成す場合に、それぞれの辺に進むことができることを示す。
補助線が多角形にはならず直線の場合、図3(a)に示すように、補助線の両端から通路領域の両側の線分を延長した延長補助線を引き、もう一方の通路領域と交差させる。そして、補助線と、延長補助線と、通路領域と非通路領域との境界線とから形成されたエリアを分岐エリアとする。例えば、斜めに交差する場合は、図3(b)のような平行四辺形になる。
図3(a)(b)に示す分岐エリアは、分岐先として通行できる方向が3つであるため「三叉路」である。図3(c)(d)(e)のように二つの通路が交差している場合は「二叉路」である。その他、分岐先として通行できる方向が4つである場合は「四叉路」、5つである場合は「五叉路」となる。
「分岐エリアの入口」とは、経路情報が示す経路において、ユーザがその分岐エリアへ入る可能性のある場所である。つまり、「分岐エリアの入口」とは、ユーザが通ってきた通路と分岐エリアの境界線(交差線)である。つまり、図4においては、A1−A2を結ぶ直線が分岐エリアの入口である。
「分岐エリアの出口」とは、経路情報が示す経路において、ユーザがその分岐エリアから出る可能性のある場所である。つまり、「分岐エリアの出口」とは、ユーザが次に通る通路と分岐エリアの境界線である。すなわち、「分岐エリアの出口」とは、経路上選択すべき通路と分岐エリアの境界線である。つまり、図4においては、B1−B2を結ぶ直線が分岐エリアの出口である。
まず、方向転換する位置での進行方向の判断の難しさ(向き複雑度)について説明する。
向き複雑度は、分岐エリアの入口における分岐エリアの出口の見通しと、分岐エリアの出口の曖昧さとから決定する。
分岐エリアの入口における分岐エリアの出口の見通しについて説明する。
図5は、分岐エリアの入口から、分岐エリアの出口が見通せる分岐エリアを示す図である。図5において、入口A1−A2から、出口B1−B2において以下の4つの条件を全て満たす場合、入口A1−A2から、出口B1−B2を見通せると定義する。
(1)B1・A1・A2が三角形を成し、その三角形内部に障害物が無く通行可能。
(2)B2・A1・A2が三角形を成し、その三角形内部に障害物が無く通行可能。
(3)B1・A1・A2が三角形を成す場合、A1、A2のいずれかからB1までの距離が所定の距離(例えば、20m)以下。
(4)B2・A1・A2が三角形を成す場合、A1、A2のいずれかからB2までの距離が所定の距離(例えば、20m)以下。
つまり、分岐エリアの入口の全ての地点から、分岐エリアの出口の全ての地点を見ることができることを、入口から出口を見通せることの条件とする。また、たとえ分岐エリアの入口の全ての地点から、分岐エリアの出口の全ての地点が見えるとしても、入口から出口までの距離が遠い場合には、入口から出口を見通せないものとしている。すなわち、向き複雑度は、分岐エリアの入口から分岐エリアの出口の識別することの難しさから求められる。
なお、上記(1)と(2)との定義を合わせて、A1・A2・B1・B2が四角形を成し、その四角形内部に障害物が無く入口A1、A2からB1、B2が見えると定義することも可能である。
また、(1)と(3)又は(2)と(4)とのいずれか一方だけを満たしていれば入口から出口を見通せるとしてもよい。つまり、分岐エリアの入口のどの地点からでも、分岐エリアの出口の一端を見ることができれば、入口から出口を見通せるとしてもよい。また、入口から出口を見通せるか否かの定義は、これに限らず他の定義であってもよい。
図6は、見通し線の角度を説明するための図である。
まず、分岐エリアの入口の中心から、分岐エリアの出口へ線を引く。また、分岐エリアの入口の中心から、入口以外の通路であって、出口の両隣の通路と分岐エリアとの交差線の中心に線を引く。つまり、入口以外の通路であって、出口の両隣の通路は、存在しない場合があるため、合計1〜3本の線が引かれる。これらの線を見通し線と呼ぶ。
出口の両隣への見通し線と経路の出口の見通し線との間の角度により、経路出口の曖昧さを評価する。つまり、出口と隣の通路との角度が小さい場合、どちらが出口であるか判断することは困難であると評価する。例えば、「左へ曲がる」と指示された場合に、左側に2つの通路がある場合、どちらを指しているのか曖昧であるためである。
図7は、分岐エリアの入口から、分岐エリアの出口が見通せない分岐エリアを示す図である。図7において、B1・A1・A2が三角形を形成しない(非通路部分に三角形が架かってしまう)。
<TYPE3>
分岐エリアの入口から、分岐エリアの出口が見通せない分岐エリア。
<TYPE2>
(1)分岐エリアの入口から分岐エリアの出口への見通し線の角度≦θ(例えば、θ=3π/8)となる分岐エリア、
又は、
(2)多角形の辺がN(例えば、N=5)以上の分岐エリア。
<TYPE1>
分岐エリアの入口から全分岐エリアの出口への見通し線の角度差>θ(例えば、θ=3π/8)の分岐エリア
図8は、分岐エリアの形状を説明するための図である。
図8(a)に示すように、分岐エリアの入口側の通路の幅をWとする。Wが大きいと、つまり、分岐エリアの入口側の通路の幅が広いと、その分岐エリアが三叉路であるか四叉路であるか等の判断を誤る可能性が高い。つまり、通路の幅が広いと、通路の向こう側で交わる通路を見逃す可能性が高い。
図8(b)に示すように、分岐エリアに接続された2つの通路の分岐エリアの入口側の通路の方向へのずれをLとする。Lが大きい場合、Wが大きい場合と同様に、その分岐エリアが三叉路であるか四叉路であるか等の判断を誤る可能性が高い。つまり、図8(b)の分岐エリアが三叉路と定義されているのか四叉路と定義されているのか判断することは難しく、判断を誤る可能性が高い。
<TYPE2>
以下の条件のいずれかに当てはまる分岐エリア。
(1)分岐エリアの入口から分岐エリアに接続されたいずれかの通路を見通せない分岐エリア。
(2)W>所定の幅(例えば、20m)である分岐エリア。
(3)L>所定の長さ(例えば、10m)である分岐エリア。
<TYPE1>
TYPE2以外の分岐エリアである。
なお、分岐エリアの入口から分岐エリアに接続されたいずれかの通路を見通せない分岐エリアであるか否かの判断は、上述した分岐エリアの入口から分岐エリアの出口が見通せるか否かの判断と同様の方法で行う。
つまり、特定性複雑度とは、方向転換する分岐エリアを認識することの難しさを示す。
情報量=向き複雑度*W1+特定性複雑度*W2(式1)
ここで、向き複雑度と特定性複雑度とには、TYPE毎に所定の情報量を持たせる。また、W1とW2とは、各々のパラメータの重みである。つまり、向き複雑度の情報量と特定性複雑度の情報量とに重みを付けして足し合わせることにより、その分岐エリアの情報量を算出する。そして、経路情報の情報量は、その経路情報が示す経路に含まれる分岐エリアの情報量の合計値となる。
1度に提供する経路情報が所定の情報量を超えていないということは、1度に提供する経路情報がユーザの記憶・判断ができる範囲の複雑さであるということである。つまり、ユーザは、その経路情報であれば、現在位置から次の地点までの進行方向と、次に方向転換を行う位置を判断、確認しながら進むことで、その経路情報が示す目的位置、つまり、次の案内端末200まで辿り着くことができる。また、情報量により経路情報を分割しているため、距離が長い場合(多くの分岐エリアがある場合)であっても、単純な経路であれば、1度にその経路情報を提供することになる。一方、距離が短い場合(少しの分岐エリアしかない場合)であっても、複雑な経路であれば、複数回に分けてその経路情報を提供することになる。
図9は、経路情報提供システム1の構成図である。図10は、経路情報提供システム1の機能を示す機能ブロック図である。図11は、経路情報提供システム1の動作を示すフローチャートである。
図9に示すように、経路情報提供システム1は、経路情報提供装置100と、複数の案内端末200とを備える。経路情報提供装置100と各案内端末200とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される。
経路情報提供装置100は、案内端末200からの指示に基づき、情報量を適切に制御した経路情報を生成する。そして、経路情報提供装置100は、生成した経路情報を案内端末200へ送信して、経路情報を案内端末200によりユーザへ提供させる。
案内端末200は、上記の通りユーザ端末300と通信して、経路情報を提供する。
図11に示すように、経路情報提供装置100の各機能と、案内端末200とは、以下のように動作する。
歩行ネットワーク生成部102は、地図情報10から歩行ネットワークを処理装置により生成する。
図12、図13に基づき、歩行ネットワークについて説明する。図12は、フロア図(地図情報10から通路領域を抽出した図)の一例を示す図である。図13は、図12に示すフロア図の歩行ネットワークを示す図である。
図13に示すように、歩行ネットワークとは、通路と、分岐エリアの重心である分岐点と備えるネットワークデータである。まず、歩行ネットワーク生成部102は、地図情報10から通路領域を抽出して、分岐エリアを特定する。次に、歩行ネットワーク生成部102は、図2のように定義した分岐エリアの重心である分岐点間を結ぶ通路で、各分岐点間を結び、歩行ネットワークを生成する。
なお、歩行ネットワーク生成部102は、作業者からの編集指示を入力装置を介して受け付け、生成した歩行ネットワークを変更する。また、歩行ネットワーク生成部102は、予め対象エリアの歩行ネットワークを生成しておき、記憶装置に記憶しておいてもよい。
<S102>
経路算出部104は、案内端末200から経路情報の取得要求があると、歩行ネットワーク生成部102が生成した歩行ネットワークに基づき、指示された位置(ユーザの現在位置)から目的位置までの経路を処理装置により算出する。そして、経路算出部104は、算出した経路を示す経路情報を生成する。経路算出部104は、例えば、ダイクストラ法等により経路を算出する。
ここでは、図14に示すような経路が算出されたとする。つまり、分岐エリア7、8、9、10、19、20、21の順に通る経路が算出されたとする。
<S103>
情報量算出部106は、歩行ネットワーク生成部102が生成した歩行ネットワークに基づき、経路算出部104が生成した経路情報の情報量を処理装置により算出する。
つまり、情報量算出部106は、経路算出部104が生成した経路情報に含まれる各分岐エリアについて、向き複雑度と特定性複雑度とがそれぞれどの分類に含まれるかを算出する。情報量算出部106は、算出した向き複雑度と特定性複雑度との分類に基づき、各分岐エリアの情報量を算出する。
ここでは、情報量算出部106は、分岐エリア7、8、9、10、19、20、21それぞれについて向き複雑度と特定性複雑度により、各分岐エリアの情報量を算出する。
情報量記憶部108は、情報量算出部106が算出した情報量を記憶装置に記憶する。
<S104>
経路情報分割部110は、情報量記憶部108が記憶した情報量に基づき、経路算出部104が生成した経路情報を処理装置により分割して、複数の区間経路情報を生成する。
経路情報分割部110は、経路情報が示す経路の始点(ユーザの現在位置)から順に経路を辿り、各分岐エリアの情報量を順に足していく。経路情報分割部110は、足していった情報量が所定の閾値を超えた場合、その前の時点までの経路情報を1つの区間経路情報とする。
ここでは、経路情報分割部110は、分岐エリア7から、分岐エリア8、分岐エリア9、・・・、分岐エリア21の順に経路を辿り、各分岐エリアの情報量を足していく。経路情報分割部110は、例えば、出発地点の分岐エリア7の向き複雑度、分岐エリア8、分岐エリア9、分岐エリア10、それぞれの特定性複雑度と向き複雑度、そして分岐エリア19の特定性複雑度を足した時点で、その情報量が閾値を超えたとする。この場合、分岐エリア19までは閾値内で到達することができないから、分岐エリア7から分岐エリア10に到達するまでの経路情報を1つの区間経路情報とする。次に、分岐エリア10の向き複雑度、分岐エリア19の特定性複雑度と向き複雑度、分岐エリア20の特定性複雑度を足し、さらに分岐エリア20の向き複雑度を足した時点で、その情報量が閾値を超えたとする。この場合、分岐エリア20までは閾値内で到達できるから、分岐エリア10から分岐エリア20に到達するまでの経路情報を1つの区間経路情報とする。そして、分岐エリア20の向き複雑度、分岐エリア21の特定性複雑度と足して情報量が閾値を超えなければ、分岐エリア20から分岐エリア21までの経路情報を1つの区間経路情報とする。つまり、経路情報分割部110は、合計3つの区間経路情報を生成する。
また、提示位置設定部112は、経路情報分割部110が生成した複数の区間経路情報に従い、どの案内端末200から各区間経路情報をユーザへ提供するかを処理装置により決定する。
つまり、提示位置設定部112は、上記のように区間経路情報が生成された場合には、各区間経路情報の始点に当たる分岐エリアに設置された案内端末200で、次の区間経路情報を提供することに決定する。すなわち、分岐エリア7、分岐エリア10、分岐エリア20で各区間経路情報を提供することに決定する。
<S105>
経路情報出力部114は、提示位置設定部112が決定した案内端末200へ、経路情報分割部110が生成した各区間経路情報を通信装置を介して送信する。
そして、各案内端末200は、ユーザ端末300がタッチされると、経路情報出力部114から送信された区間経路情報をユーザ端末300へ送信する。
特に、この実施の形態に係る経路情報提供システム1は、分岐エリアの形状に基づき分岐エリアの複雑度を算出して、算出した分岐エリアの複雑度から分岐エリアの情報量を算出している。つまり、この実施の形態に係る経路情報提供システム1は、分岐エリアに存在する目印等の有無によらない分岐エリアの情報量の算出が可能である。そのため、この実施の形態に係る経路情報提供システム1は、建物内や地下街等の目印となるものが少ない場所や類似している場所、または目印が良く変更される場所など目印を判断材料として利用しにくい場所において、特に有効である。
実施の形態1では、向き複雑度と特定性複雑度とから情報量を算出して、経路情報を分割する経路情報提供システム1について説明した。この実施の形態では、情報量が閾値を超えた場合だけでなく、向き複雑度と特定性複雑度とが所定の組合せである場合にも経路情報を分割する経路情報提供システム1について説明する。
向き複雑度がTYPE3で、特定性複雑度がTYPE1であることは複雑度の定義からあり得ない。そのため、向き複雑度と特定性複雑度との組合せには、以下の(1)から(5)までの5種類ある。
(1)<向き複雑度TYPE3、特定性複雑度TYPE2>
入口の特定性が低く、経路の出口が見えない分岐エリア。
(2)<向き複雑度TYPE2、かつ特定性複雑度TYPE2>
入口の特定性が低く、経路の出口に曖昧さがある分岐エリア。
(3)<向き複雑度TYPE2、かつ特定性複雑度TYPE1>
入口の特定性が高いが、経路の出口に曖昧さがある分岐エリア。
(4)<向き複雑度TYPE1、かつ特定性複雑度TYPE2>
入口の特定性が低いが、経路の出口に曖昧さがない分岐エリア。
(5)<向き複雑度TYPE1、かつ特定性複雑度TYPE1>
入口の特定性が高く、経路の出口に曖昧さがない分岐エリア。
そこで、この分岐エリア((1)<向き複雑度TYPE3、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリア)でユーザ端末300を案内端末200にタッチさせることにより、ユーザが停止する場所、つまり進行方向を判断する場所を案内端末200の位置に固定する。つまり、この分岐エリアまでの経路を示す経路情報において、この分岐エリアの出口を見通せる位置に設置した案内端末200までユーザを誘導する情報を提供する。そして、案内端末200で、その案内端末200のある位置と向きに合わせた次の経路情報を提示する。これにより、経路情報と実空間とを確実にマッチングさせて出口への向きを確実に判断させることが可能になる。
また、出口が見える場所において、その案内端末200を操作する際の向きに合った経路情報を提供することで、向き複雑度が高い分岐エリアにおいて、向き複雑度を軽減して案内できる効果がある。
例えば、ここでは、図16に示すように、(1)<向き複雑度TYPE3、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリアだけでなく、(2)<向き複雑度TYPE2、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリアも必ず新たな経路情報をユーザへ提供する場所(案内地点)とする。
<S101>と<S102>とは、実施の形態1と同様である。
<S103>
情報量算出部106は、各分岐エリアについて、向き複雑度と特定性複雑度とがそれぞれどの分類に含まれるかを算出する。そして、情報量記憶部108は、情報量算出部106が算出した向き複雑度と特定性複雑度との分類を記憶する。
また、実施の形態1と同様に、情報量算出部106は、算出した向き複雑度と特定性複雑度との分類に基づき、各分岐エリアの情報量を算出して、情報量記憶部108は、算出した各分岐エリアの情報量を記憶する。
<S104>
経路情報分割部110は、情報量記憶部108が記憶した向き複雑度と特定性複雑度との分類から、(1)<向き複雑度TYPE3、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリアと、(2)<向き複雑度TYPE2、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリアとを抽出する。
ここでは、分岐エリア19が(2)<向き複雑度TYPE2、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリアとなる。経路上、分岐エリア19から分岐エリア20へ移動する場合に、分岐エリア19の入口から出口への見通し線と、両隣の分岐エリア26と分岐エリア12の見通し線との角度θ1、θ2が共に3/8π以下である。そのため、向き複雑度がTYPE2となる。また、分岐エリア10から分岐エリア19への入口は、右側の分岐通路と左側の分岐通路の位置にずれ(長さLのずれ)があるため、特定性複雑度がTYPE2となる。したがって、分岐エリア19は、(2)<向き複雑度TYPE2、特定性複雑度TYPE2>の分類となる。
経路情報分割部110は、抽出した分岐エリアで経路情報を分割する。つまり、ここでは、分岐エリア7から分岐エリア19までの区間経路情報と、分岐エリア19から分岐エリア21までの区間経路情報とに分割する。
そして、経路情報分割部110は、各区間経路情報について、経路の始点側から終点側へ順に経路を辿り、各分岐エリアの情報量を順に足していく。経路情報分割部110は、足していった情報量が所定の閾値を超えた場合、その前の時点までの経路情報を1つの区間経路情報とする。例えば、分岐エリア7から分岐エリア19までの区間経路情報であれば、上述したように、分岐エリア7から分岐エリア10までが1つの区間経路情報となり、残りの分岐エリア10から分岐エリア19までがもう1つの区間経路情報となる。残りの分岐エリア19から分岐エリア21までの経路情報については、分岐エリア19の向き複雑度、分岐エリア20の特定性複雑度と向き複雑度、分岐エリア21の特定性複雑度を足しても閾値を超えないため1つの区間経路情報とする。
提示位置設定部112は、実施の形態1と同様に、経路情報分割部110が生成した複数の区間経路情報に従い、案内地点を決定する。つまり、ここでは、分岐エリア7、分岐エリア10、分岐エリア19で各区間経路情報を提供することに決定する。
<S105>は、実施の形態1と同様である。
上記実施の形態では、経路の複雑度に基づきその経路を示す経路情報の情報量を算出する経路情報提供システム1について説明した。この実施の形態では、経路情報を記憶するためにユーザが記憶するデータ量を、その経路情報の情報量として算出する経路情報提供システム1について説明する。
そこで、この実施の形態に係る経路情報提供システム1では、ユーザが記憶する情報量を評価するために、経路情報から案内情報を作成する。案内情報とは、経路の案内(説明)をするために必要最低限の情報である。ここでは、通常人間が道案内をするときに説明する案内文を案内情報として生成する。
この実施の形態に係る経路情報提供システム1では、生成した案内情報の情報量を経路情報を記憶するためにユーザが記憶する情報量として算出する。そして、経路情報提供システム1は、算出した情報量に基づき経路情報を分割する。
例えば、図14に示す目的地最寄りの分岐エリア21までの経路を説明する案内文は、「出発地を直進して、右側三叉路を直進して、左側三叉路を直進して、四叉路を左折して、六叉路を右前に進んで、右側三叉路を右前へ進んで、右側三叉路まで進んだところ」などとなる。しかし、この案内文は、経路を案内するために必要最低限の情報とは言えない。そこで、例えば、「出発地を直進して、四叉路を左折して、六叉路を右前に進んで、三叉路を右前へ進んで、三叉路まで進んだところ」など必要最低限に抑えた情報を案内情報と呼ぶ。
図18は、案内情報を生成する処理の全体の流れを示すフローチャートである。
<S201>
経路情報から、経路情報が示す経路に含まれる分岐エリア毎に、その分岐エリアの特徴と、その分岐エリアでの進行方向を示す案内語を生成する。
<S202>
経路を説明する案内語のうち必須の案内語だけを抽出して案内要素とする。
<S203>
生成した案内要素を経路の順に並べ、案内情報とする。
上述したように、経路情報から、経路情報が示す経路に含まれる分岐エリア毎に、その分岐エリアの特徴と、その分岐エリアでの進行方向を示す案内語を生成する。図19は、図14に示す経路についての案内語を示す図である。
図20は、案内語を生成する処理の流れを示すフローチャートである。
ここでは、図14に示す経路を例として説明する。
<S301>
経路情報を読み込み、経路情報が示す経路の始点側の分岐エリアから順に分岐エリアの情報を取得する。つまり、図14に示す経路の始点である分岐エリア7から順に、分岐エリア8、分岐エリア9、・・・、分岐エリア21と辿り、各分岐エリアの情報を取得する。
<S302>
分岐エリアの特徴を表す情報(特定情報)を案内語として取得する。分岐エリアの特徴を表す情報とは、ニ叉路、三叉路、四叉路などの分岐種別や、その分岐エリアが突き当りであるか、交差する通路の幅が広いなど、その分岐エリアを特定するために使用される可能な情報である。
<S303>
各分岐エリアについて、その分岐エリアでの進行方向の情報を案内語として取得する。
<S304>
経路情報の最後の分岐エリアまで処理が終わったか否かを判定する。最後の分岐エリアまで処理が終わっていなければ<S304でNO>、次の経路ノード情報を読み込んで、<S302>へ戻り処理を繰り返す。最後のノードまで処理が終わっていれば<S304でYES>、案内語を生成する処理を終了する。
この処理の結果、図14に示す経路については、図19に示す案内語が生成される。
上述したように、経路を説明するのに必須の情報だけを案内語から抽出して案内要素を生成する。
図21は、案内要素を生成する処理の流れを示すフローチャートである。
<S401>
経路の始点側の分岐エリアから順に分岐エリアの案内語を読み込む。つまり、図19に示す案内語を上から(分岐エリア7から)順に読み込む。
<S402>
方向転換する分岐エリア(方向転換エリア)から、次の方向転換エリアまでの分岐エリアを1つのグループとする。つまり、案内語の進行方向の情報に従い、案内語をグループ分けする。
つまり、図14に示す経路であれば、分岐エリア10と分岐エリア19と分岐エリア20とで方向転換するため、分岐エリア7、分岐エリア8、分岐エリア9、分岐エリア10のグループと、分岐エリア10、分岐エリア19のグループと、分岐エリア19、分岐エリア20のグループと、分岐エリア20、分岐エリア21のグループとに分ける。
<S403>
各グループに含まれる分岐エリアの特徴から使用する特徴を抽出して、各グループの案内要素を生成する。ここで、各グループの最初の分岐エリアについては、進行方向に関する案内語のみを抽出し、その他の分岐エリアについては、特定性に関する案内語のみを抽出する。
例えば、以下の規則に従い、各グループに含まれる分岐エリアの特徴から使用する特徴を抽出する。
<規則1>
経路順に特定性に関する案内語を辿り、優先度がより高い案内語を有する分岐エリアが出てきたら、その前にある分岐エリアに関する案内語を省略する。
ここで、分岐エリアの特徴を表す情報についての優先順位を示す優先度情報を予め定めておく。分岐エリアの特徴を表す情報についての優先順位は、その情報が有する分岐エリアの特定性によって定められる。例えば、三叉路よりも突き当りの方がユーザが認識し易い。そのため、三叉路よりも突き当たりの方が、分岐エリアを特定しやすい。したがって、優先度は、三叉路よりも突き当たりの方が高く、「三叉路<突き当り」である。ここでは、優先順位として、「三叉路<四叉路<突当たり」という情報を記憶しているものとする。
<規則2>
同じ種類の分岐種別の分岐エリアが連続した場合は、その分岐エリアの案内語を1つにまとめ、まとめた案内語の数を、「2つ目」等の序数を示す案内語として追加する。
なお、各グループにおける進行方向の情報は、そのグループの初めの分岐エリアの進行方向の情報を使用する。つまり、図14に示す経路であれば、分岐エリア7、分岐エリア8、分岐エリア9、分岐エリア10のグループであれば分岐エリア7の進行方向の情報、分岐エリア10、分岐エリア19のグループであれば分岐エリア10の進行方向の情報、分岐エリア19、分岐エリア20のグループであれば分岐エリア19の進行方向の情報、分岐エリア20、分岐エリア21のグループであれば分岐エリア20の進行方向の情報を使用する。
<S404>
経路情報の最後のグループまで処理が終わったか否かを判定する。最後の分岐エリアまで処理が終わっていなければ<S404でNO>、次の案内語を読み込んで、<S402>へ戻り処理を繰り返す。最後のノードまで処理が終わっていれば<S404でYES>、案内要素を生成する処理を終了する。
(ex1)
4つの分岐エリアの案内語が図22に示す案内語である場合、つまり、3つの三叉路の後の四叉路まで直進する場合。
分岐エリア1〜分岐エリア3の案内語「三叉路」は、分岐エリア4の案内語「四叉路」よりも優先度が低い。そのため、4つの案内語のうち、分岐エリア1〜分岐エリア3の案内語を削除し、分岐エリア4の案内語だけを残す。
つまり、「直進」「四叉路」という案内語が抽出される。これは、直進して四叉路まで進むという意味を示す。
(ex2)
5つの分岐エリアの案内語が図23に示す案内語である場合、つまり、三叉路、四叉路、三叉路、四叉路の順に通過して、次の突き当りまで進む場合。
分岐エリア1〜分岐エリア4の案内語「三叉路」及び「四叉路」は、分岐エリア4の案内語「突き当り」よりも優先度が低い。そのため、4つの案内語のうち、分岐エリア1〜分岐エリア4の案内語を削除し、分岐エリア5の案内語を残す。
つまり、「直進」「突当たり」という案内語が抽出される。これは、直進して突き当りまで進むという意味を示す。
(ex3)
4つの分岐エリアの案内語が図24に示す案内語である場合、つまり、3つの四叉路の後に三叉路まで進む場合。
分岐エリア1〜分岐エリア3の案内語「四叉路」は、分岐エリア4の案内語「三叉路」よりも優先度が高い。したがって、分岐エリア1〜分岐エリア3の案内語は削除されない。分岐エリア1〜分岐エリア3の分岐種別はいずれも「四叉路」である。したがって、1つにまとめ、まとめた案内語の数から「3つ目の」という案内語を生成する。
つまり、「直進」「3つ目」「四叉路」/「右側」「三叉路」という案内語が抽出される。これは、直進して、三つ目の四叉路を越え、右側にある三叉路まで進むという意味を示す。
(ex4)
4つの分岐エリアの案内語が図25に示す案内語である場合、つまり、3つの四叉路の後に三叉路まで進む場合。
分岐エリア1〜分岐エリア3の案内語「三叉路」は、分岐エリア4の案内語「三叉路」と優先度が同じである。したがって、分岐エリア1〜分岐エリア3の案内語は削除されない。分岐エリア1〜分岐エリア3の分岐種別はいずれも「三叉路」である。しかし、分岐エリア1と分岐エリア2との三叉路は、右側に通路が接続された三叉路であるが、分岐エリア3の三叉路は左側に通路が接続された三叉路である。したがって、分岐エリア1と分岐エリア2とだけを1つにまとめ、まとめた案内語の数から「2つ目」という案内語を生成する。
つまり、「直進」「2つ目」「右側」「三叉路」/「左側」「三叉路」/「右側」「三叉路」という案内語が抽出される。これは、直進して、2つ目の右側の三叉路を越え、左の三叉路を越え、右側三叉路まで進むということを示す。
なお、「右側」「左側」によらず、上記4つの「三叉路」を同じ分類として1つにまとめて、「4つ目」「三叉路」という案内要素を生成することも可能である。これに対して、ここで示した案内要素は、同じ三叉路でも、右側にある「三叉路」と左側にある「三叉路」とを別の分類としてまとめずにユーザへの提供情報として抽出する。これにより、通路が全て右側にある「4つ目」「三叉路」よりも、右側と左側とに通路がある三叉路の方が情報量が多く、判断が複雑で間違いやすいことを示している。
また、(ex3)の場合のように、「四叉路」の後に、一つの「三叉路」しかなく、曖昧ではないので、「右側」「三叉路」の「右側」を削除して「三叉路」だけを残してもよい。つまり、「右側」と「左側」が混在していない場合は、その違いを示す案内語を削除してよいという規則を持たせ、案内要素を抽出してもよい。
まず、進行方向に関する案内語は、グループの最初の分岐エリアの案内語を取り出せばよい。
次に、特定性に関する案内要素の抽出の例と合わせて、案内要素の生成について説明する。
分岐エリア7、分岐エリア8、分岐エリア9、分岐エリア10のグループについては、分岐エリア8、分岐エリア9の案内語「三叉路」は、分岐エリア10の案内語「四叉路」よりも優先度が低い。そこで、分岐エリア8、分岐エリア9の案内語を削除して、分岐エリア10の案内語だけを残す。つまり、「直進」「四叉路」が抽出される。
分岐エリア10、分岐エリア19のグループは、対象が分岐エリア19のみであるため、分岐エリア19の案内語が抽出される。つまり、「左折」「六叉路」が抽出される。
分岐エリア19、分岐エリア20のグループは、対象が分岐エリア20のみであるため、分岐エリア20の案内語が抽出される。つまり、「右前」「三叉路」が抽出される。
分岐エリア20、分岐エリア21のグループは、対象が分岐エリア21のみであるため、分岐エリア21の案内語が抽出される。つまり、「右前」「三叉路」が抽出される。
上述したように、生成した案内要素を経路の順に並べ、案内情報とする。
図14に示す経路の案内情報を生成する例を説明する。
分岐エリア7、分岐エリア8、分岐エリア9、分岐エリア10のグループについての案内要素「直進」「四叉路」と、分岐エリア10、分岐エリア19のグループについての案内要素「左折」「六叉路」と、分岐エリア19、分岐エリア20のグループについての案内要素「右前」「三叉路」と、分岐エリア20、分岐エリア21のグループについての案内要素「右前」「三叉路」が順に並べられる。つまり、「直進」「四叉路」/「左折」「六叉路」/「右前」「三叉路」/「右前」「三叉路」が案内情報となる。
情報量=H(案内要素の数)*W3+H(通過する分岐エリアの数)*W4+H(方向転換回数)*W5(式2)
ここで、H(x)はxの情報量を示し、LOG2を計算した値である。つまり、H(案内要素の数)は、LOG2(案内要素の数)である。また、W3からW5までは、各々のパラメータの重みである。つまり、案内要素の数、分岐エリアの数、方向転換の回数の情報量に重みをつけて足し合わせることにより、その経路の情報量を算出する。
式2で案内要素の数、分岐エリアの数、方向転換回数を情報量算出の基礎としたのはそれぞれ以下の理由による。
案内要素の数は、案内情報のデータ量である。そのため、案内要素の数が増えることで記憶すべきデータ量(情報量)が増えるため情報量算出の基礎とした。
分岐エリアの数は、分岐エリアごとに、案内情報と実空間とのマッチングが必要なためである。つまり、分岐エリア毎にユーザが判断を行う必要があるため情報量算出の基礎とした。
方向転換回数は、方向転換する度に、案内情報を見た地点と違う角度での判断が必要になるため情報量算出の基礎とした。
1度に提供する経路情報が所定の情報量を超えていないということは、1度に提供する経路情報がユーザの記憶できる範囲のデータ量であるということである。つまり、ユーザは、その経路情報であれば、迷うことなく、その経路情報が示す目的位置、つまり、次の案内端末200まで辿り着くことができる。また、情報量により経路情報を分割しているため、距離が長い場合(多くの分岐エリアがある場合)であっても、単純な経路であれば、1度にその経路情報を提供することになる。一方、距離が短い場合(少しの分岐エリアしかない場合)であっても、複雑な経路であれば、複数回に分けてその経路情報を提供することになる。
図26は、案内情報に基づき情報量を算出する経路情報提供システム1の機能を示す機能ブロック図である。図27は、経路情報提供システム1の動作を示すフローチャートである。
この実施の形態に係る経路情報提供装置100は、図10に示した実施の形態1に係る経路情報提供装置100にさらに、案内情報生成部116、優先度情報記憶部118を備える。
図27に示すように、経路情報提供装置100の各機能と、案内端末200とは、以下のように動作する。
<S501>と<S502>とは、実施の形態1に係る<S101>と<S102>と同様である。
<S503>
優先度情報記憶部118は、分岐エリアの特徴を表す情報についての優先順位を示す優先度情報を予め記憶装置に記憶している。案内情報生成部116は、上述したように、優先度情報記憶部118が記憶した優先度情報を使用して、経路情報から案内情報を処理装置により生成する。
<S504>
情報量算出部106は、案内情報生成部116が生成した案内情報に基づき、情報量を算出する。情報量算出部106は、上述した方法により、グループ毎に情報量を算出する。
<S505>
経路情報分割部110は、情報量算出部106算出した情報量に基づき、案内情報を分割する。
経路情報分割部110は、経路情報が示す経路の始点(ユーザの現在位置)から順に経路を辿り、各グループの情報量を順に足していく。経路情報分割部110は、足していった情報量が所定の閾値を超えた場合、その前の時点までの経路情報を1つの区間とする。
また、提示位置設定部112は、経路情報分割部110が生成した複数の区間に従い、どの案内端末200から各区間経路情報をユーザへ提供するかを決定する。
<S506>は、実施の形態1に係る<S105>と同様である。
情報量=Σ[H(案内語の種別)*W6]+H(案内要素の数)*W7+(案内地点の数)*W8+(案内地点以外の分岐エリアの数)*W9(式3)
ここで、案内語の種別は、案内要素で利用している案内語を種別によって、重み付けをし、その重み付けにより案内要素を評価した値を表している。また、W6からW9までは、各々のパラメータの重みである。つまり、案内語の種別、案内要素の数、案内地点の数、案内地点以外の分岐エリアの数の情報量に重みをつけて足し合わせることにより、その経路の情報量を算出する。
なお、この例で示す案内語の重み付けは、分岐種別等の地点に関する案内語はその分岐エリアの見つけやすさ(特定性)を考慮した重み付け、進行方向に関する案内語は、進む通路の判断の確実性を考慮した重み付けとする。また、分岐エリアの数には出発地点を含まないものとしてもよい。
また、さらに、式3に方向転換する回数を考慮した次の式4で情報量を計算するとしてもよい。W10はパラメータの重みである。
情報量=Σ[H(案内語の種別)*W6]+H(案内要素の数)*W7+(案内地点の数)*W8+(案内地点以外の分岐エリアの数)*W9+(方向転換回数)*W10(式4)
これに限らず他の評価式により情報量を計算するとしてもよい。
まず、案内情報を生成する処理の前提となる歩行ネットワークのデータ構造と、経路情報のデータ構造とを説明する。
図28は、歩行ネットワークのデータ構造の一例を示す図である。つまり、歩行ネットワーク生成部102は、地図情報10から図28に示すデータ構造のデータを生成する。
歩行ネットワークは、各分岐エリアの情報である分岐エリア情報と、各通路の情報である通路情報と、目印の情報である目印情報とを備える。
分岐エリア情報は、分岐エリアID、通路IDリスト、通路総数、分岐種別、特徴、座標情報等の情報を備える。分岐エリアIDは、分岐エリアを識別する識別子である。通路IDリストは、その分岐エリアに接続されている全ての通路の識別情報である通路IDである。通路総数は、その分岐エリアに接続されている通路の数である。分岐種別は、三叉路、四叉路、五叉路等の分岐形状である。特徴は、その分岐エリアの特徴であり、建物の入口である場合や、エレベータホールである場合等にその特徴が記憶される。座標情報は、その分岐エリアの分岐点のX、Y座標値が記憶される。例えば、地図情報10が示す対象エリアの左下(南西端)を(0,0)とした座標系で表す。
通路情報は、通路ID、通路種別、エリア属性、フロア階数、名称、分岐エリアIDリスト、特徴、通路幅、通路距離、目印有無フラグ、目印IDリスト等を備える。通路IDは、通路を識別する識別子である。通路種別は、通路、階段等の種別である。エリア属性は、通路が属するエリアであり、地下街、建物内等である。フロア階数は、通路が建物の何階かが記憶される。名称は、その通路の通路名が付されている場合には、その通路名が記憶される。分岐エリアIDリストは、その通路に接続された全ての分岐エリアの分岐エリアIDである。特徴は、その通路の特徴であり、傾斜に関する情報等が記憶される。通路幅は、その通路の道幅である。途中から道幅が変わる場合には、どの位置(座標)からどのように道幅が変わるかが記憶される。通路距離は、その通路の一端の分岐エリアから他端の分岐エリアまでの長さである。目印有無フラグは、その通路付近に存在する目印の有無を示す。ここでは、目印有無フラグが0の場合には目印無し、1の場合には目印ありを示す。目印IDリストは、目印を識別する識別子である。
目印情報は、目印ID、目印種別、座標情報を備える。目印IDは、目印を識別する識別子である。目印種別は、店舗情報、看板等のその通路付近で目印となるものである。座標情報は、その目印のX、Y座標値が記憶される。
また、分岐エリア情報の通路IDリストに記憶された通路IDにより、その分岐エリアに接続された通路の通路情報を辿ることができる。同様に、通路情報の分岐エリアIDリストに記憶された分岐エリアIDにより、その通路の両端(前と後と)の分岐エリアの分岐エリア情報を辿ることができる。また、通路情報の目印IDリストに記憶された目印IDにより、その通路の付近にある目印の目印情報を辿ることができる。
なお、特徴や目印情報については、地図情報10から自動生成しても良いし、作業者が手作業で追加登録してもよい。
経路情報は、基本情報と、経路に含まれる分岐エリアの情報である経路分岐エリア情報と、経路に含まれる通路の情報である経路通路情報と、経路に含まれる通路の付近にある目印の情報である目印情報と、交差する通路の変化についての情報である交差通路変化情報と、経路に含まれない通路であって、経路に含まれる分岐エリアに接続された通路である接続通路情報とを備える。
基本情報は、経路ID、経路総数、分岐エリア始点ID、分岐エリア終点ID、経路通路始点ID、分岐エリア総数、通路総数を備える。経路IDは、その経路を識別する識別子である。経路総数は、経路算出装置30が生成した経路情報の数である。ここでは、経路算出装置30は、所定の位置(現在位置)から目的位置までの経路を複数計算する。経路算出装置30は、例えば、所定のコストよりも低いコストの経路を全て計算してもよいし、所定の数の経路を計算してもよいし、全経路を計算してもよい。分岐エリア始点IDは、スタート地点の分岐エリアIDである。分岐エリア終点IDは、目的位置の(目的位置に最も近い)分岐エリアIDである。経路通路始点IDは、その経路において、始点に最も近い通路である。分岐エリア総数は、その経路に含まれる分岐エリアの数である。通路総数は、その経路に含まれる通路の数である。
経路分岐エリア情報は、分岐エリアID、通路ID、分岐種別、分岐エリア属性、接続通路IDリストを備える。分岐エリアIDは、分岐エリアを識別する識別子である。通路IDは、その経路において、次に通過する通路を示す識別子である。分岐種別、分岐エリア属性は、歩行ネットワークの分岐エリア情報の分岐種別と同じである。接続通路IDリストは、その分岐エリアに接続された通路であって、経路に含まれない通路である。
経路通路情報は、通路ID、始点分岐エリアID、終点分岐エリアID、方位差、突き当りフラグ、通路種別、通路属性、通路距離、通路変化フラグ、通路変化情報、交差通路変化フラグ、交差通路変化IDリスト、目印有無フラグ、目印IDリストを備える。通路IDは、通路を識別する識別子である。始点分岐エリアIDは、その通路の経路の始点側にある分岐エリアの分岐エリアIDである。終点分岐エリアIDは、その通路の経路の終点側にある分岐エリアの分岐エリアIDである。方位差は、経路において、その通路の前の通路に対するその通路の角度である。つまり、方位差は、その通路と前の通路との間の分岐エリアにおける進行方向を表す。方位差は、分岐エリアの座標値との関係から計算できる。突き当りフラグは、その通路の終点が突き当りであるか否かを示す。突き当りであるか否かは、その分岐エリアにおける通路の配置と、経路が示す進行方向とから算出できる。通路種別、通路属性、通路距離は、歩行ネットワークの通路種別、通路属性、通路距離と同様である。通路変化フラグは、経路上の通路に変化があるか否かを示す。通路変化情報は、通路に変化がある場合に、その変化を特定する情報を示す。例えば、通路変化情報は、通路が階段に変わることや、通路がスロープに変わることを示す。また、通路の幅が所定倍以上に広がる(狭まる)ことを示す。交差通路変化フラグは、経路上の通路か否かに関わらず、通路IDが示す通路と交わる通路について特徴があるか否かを示す。交差通路変化IDリストは、特徴がある交差通路のIDである。目印有無フラグ、目印IDリストは、歩行ネットワークの目印有無フラグ、目印IDリストと同様である。
目印情報は、目印ID、目印種別、分岐エリアからの距離、分岐エリアとの相対関係を備える。目印IDは、目印を識別する識別子である。目印種別は、店舗情報、看板等のその通路付近で目印となるものである。分岐エリアからの距離は、その通路の終点側の分岐エリアから目印までの距離である。分岐エリアからの相対関係は、その通路の終点側の分岐エリアと目印との位置関係を示す。分岐エリアとの相対関係は、例えば、分岐エリアとの位置の相対関係を示す。例えば、分岐エリアとの相対関係は、分岐エリアの左側前であること等をしめす。分岐エリアとの距離と分岐エリアからの相対関係とは、その通路の終点側の分岐エリアの分岐点の座標と目印の座標とから計算する。
交差通路変化情報は、交差通路変化ID、属性変化情報、幅変化情報を備える。交差通路変化IDは、交差通路変化情報を識別する識別子である。属性変化情報は、通路IDが示す通路と、交差通路との属性が異なる場合に、交差通路の属性を示す。例えば、属性変化情報は、通路IDが示す通路が通路である場合に、交差する通路が階段、スロープであることを示す。幅変化情報は、交差する通路の幅が広いことを示す。
接続通路情報は、通路ID、始点分岐エリアID、終点分岐エリアID、方位差を備える。通路ID、始点分岐エリアID、終点分岐エリアID、方位差は、経路通路情報の通路ID、始点分岐エリアID、終点分岐エリアID、方位差と同じである。接続通路情報を有するため、三叉路において、進行方向以外にどの方向への通路が接続されているかを知ることができる。
つまり、上記説明においては、通路、分岐エリアの形状(分岐種別や突き当り)に基づき、案内情報を生成する例を説明したが、これに限らず、目印情報等を用いて案内情報を生成しても構わない。
例えば、通路変化情報に応じて、「四叉路」を通り越して直進する場合に、「四叉路」を「大通り」とすることで特定性が高くなり、わかりやすい案内となる。
なお、分岐種別については、例えば、二叉路の場合、突当たりのときのみ、突当たりを分岐エリアの特徴を表す情報として抽出する。また、三叉路、四叉路は、そのまま三叉路、四叉路を分岐エリアの特徴を表す情報として抽出する。また、五叉路以上の分岐エリアは、いずれも交差点に集約して分岐エリアの特徴を表す情報としてもよい。
また、分岐エリアの分類方法はこれに限らず、見通し線の角度や交差する通路の角度などによって分類することが可能である。
方位差の情報から接続された通路の方向や、進行方向へは、例えば、以下の規則に従い変換する。
(1)直進:0〜π/8、 15π/8〜2πの場合
(2)ななめ右方向:π/8〜3π/8 の場合
(3)右方向:3π/8〜5π/8 の場合
(4)ななめ右後ろ方向:5π/8〜7π/8 の場合
(5)後ろ方向:7π/8〜9π/8 の場合
(6)ななめ左後ろ方向:9π/8〜11π/8 の場合
(7)ななめ左方向:11π/8〜13π/8 の場合
(8)左方向:13π/8〜 15π/8 の場合
この実施の形態では、上記実施の形態を組合せて経路情報を分割する方法について説明する。
この実施の形態では、これらの機能を組合せて、経路情報を分割する経路情報提供システム1について説明する。
つまり、実施の形態1と同様に、情報量算出部106は、向き複雑度と特定性複雑度とを算出する。また、実施の形態3と同様に、案内情報生成部116は案内情報を生成する。そして、情報量算出部106は、例えば、次の式5により、向き複雑度と特定性複雑度と、案内情報とから情報量を算出する。
情報量=向き複雑度*W11+特定性複雑度*W12+H(案内要素の数)*W13+H(分岐エリアの数)*W14+H(方向転換回数)*W15(式5)
ここで、W11からW15までは、各々のパラメータの重みである。
ここでは、情報量算出部106は、案内情報を生成する際に作成したグループ毎に情報量を算出する。そして、経路情報が示す経路の始点(ユーザの現在位置)から順に経路を辿り、各グループの情報量を順に足していく。経路情報分割部110は、足していった情報量が所定の閾値を超えた場合、その前の時点までの経路情報を1つの区間とする。
つまり、まず、分岐エリアの形状が所定の形状である分岐エリアを抽出して、その分岐エリアで経路情報を分割する。そして、上述した実施の形態1で説明した経路情報提供システム1と、実施の形態3で説明した経路情報提供システム1とを組合せた経路情報提供システム1の経路情報分割方法により、分割された各区間経路情報を分割する。
この方法によれば、進行方向の判断位置を固定して、的確な判断を行えるようにするという効果を合わせて得ることができる。
上記実施の形態では、ある案内端末200で提供された区間経路情報による案内が終了すると、必ず次の案内端末200にタッチして新たな区間経路情報を取得するものとして説明した。この実施の形態では、案内端末200へタッチして新たな区間経路情報を取得する場合と、ユーザ端末300において新たな区間経路情報へ切り替える場合とを区別した経路情報提供システム1について説明する。
ユーザが1度に認識する経路情報は、上記実施の形態で説明した情報量の経路情報である。そのため、上記実施の形態と同様に、1度に認識する経路情報はユーザの記憶や判断ができる範囲である。しかし、ユーザは、区間毎に案内端末200にタッチするという作業を行う必要がなくなり、利便性が向上する。また、案内端末200の設置箇所を減少させることも可能となり、案内端末200の設置コストを下げることも可能である。
1つ目は、次の経路情報を確認する位置を固定するという効果である。つまり、実施の形態2で説明したように、進行方向を判断する位置によっては分岐エリアの出口を間違える可能性が高くなる場合もある。このような場合に、案内端末200にタッチさせることで、分岐エリアの出口を判断する位置を案内端末200付近に固定することにより、経路の逸脱を防ぐことができる。
2つ目は、累積した誤差(間違いや不安)をキャンセルするという効果がある。つまり、ユーザは、経路を進むと、進んでいる道が案内されている通りであるか不安になる。しかし、案内端末200に改めてタッチすることにより、進んでいる道が正しかったことが確認され、不安を解消することができる。また、間違った道を進んでいる場合であっても、案内端末200にタッチすることにより、正しい道へ戻す案内をすることができる。つまり、間違った道を進んでいる場合には、間違いを正すことができる。
上記1つ目の効果を主に考えた方法で、間違える可能性の高い複雑な分岐エリアでは案内端末200にタッチさせる方法である。つまり、間違える可能性の高い分岐エリアでは案内端末200にタッチして新たな区間経路情報を取得し、その他の場所ではユーザ端末300において新たな区間経路情報に切り替える方法である。
例えば、実施の形態4で説明した、実施の形態1と実施の形態2と実施の形態3とで説明した経路情報提供システム1を組合せて経路情報を分割する方法において、実施の形態2で説明した分岐エリアの形状が所定の形状である分岐エリアでは、案内端末200にタッチさせて新たな区間経路情報を提供して、その他の場所ではユーザ端末300において新たな区間経路情報に切り替える方法である。
つまり、まず、分岐エリアの形状が所定の形状である分岐エリアを抽出して、その分岐エリアで経路情報を分割する。そして、ここで分割した地点(分岐エリア)では案内端末200にタッチさせて新たな区間経路情報を提供する。
次に、上述した実施の形態1で説明した経路情報提供システム1と、実施の形態3で説明した経路情報提供システム1とを組合せた経路情報提供システム1の経路情報分割方法により、各区間経路情報を分割する。ここで分割した地点(分岐エリア)では案内端末200にタッチすることなくユーザ端末300において新たな区間経路情報に切り替えさせる。
この方法によれば、複雑な分岐エリアでは、経路情報を確認する位置を固定することができ、経路逸脱の可能性を低く抑えることができるとともに、タッチ回数を減少させユーザの利便性を向上させることができる。
上記2つ目の効果を主に考えた方法で、情報量がある閾値(第2の閾値)を超えた場合に案内端末200にタッチさせ、その他の場所ではユーザ端末300において新たな区間経路情報に切り替える方法である。
つまり、実施の形態1や実施の形態3で説明したように、経路情報が示す経路の始点(ユーザの現在位置)から順に経路を辿り、情報量が閾値(第1の閾値)を超えた場合に経路を分割する。ここで分割された地点(分岐エリア)では、新たな区間経路情報へ切り替える、又は新たな区間経路情報を取得することになる。
次に、改めて経路情報が示す経路の始点から順に経路を辿り、上記分岐エリアの中から、情報量が第2の閾値を超える分岐エリアを探す。ここで見つかった分岐エリアでは、案内端末200にタッチさせて新たな区間経路情報を提供することにする。そして、その他の新たな区間経路情報を取得する分岐エリアでは、ユーザ端末300において新たな区間経路情報に切り替えさせる。
この方法によれば、ある程度の間、案内端末200へタッチせずに進んだ場合に、案内端末200にタッチすることになる。そのため、案内端末200へタッチせずに進んだ場合に累積した誤差をキャンセルすることができる。
(1)不安度を示すパラメータ。
記憶・判断・確認の情報が十分であっても、移動距離や移動時間が長い場合など、ユーザが不安となる。そこで、移動距離や移動時間等、ユーザが不安となる要素を情報量算出のための基礎とする。
(2)案内するエリアの変化。
複数の施設などエリアが変化する場合には、通路情報だけではなく、施設が変わることを確認できる。そこで、分岐エリアの情報に施設を分けるエリアであるか否かの情報を持たせ、これを情報量算出の基礎とする。
(3)区間経路情報の切り替えの回数。
ユーザが自分で切り替える回数が増えた場合に、順番に一つずつ切り替えたつもりでも切り替えの処理を忘れる、間違えて二つ先に切り替えてしまう等により、見るべき区間経路情報を間違える可能性がある。そこで、区間経路情報の切り替えの回数を情報量算出の基礎とする。
(4)ユーザ端末300の種類。ユーザ端末300が表示機能を持っている場合は、案内端末200がない途中の分岐エリアでも、経路情報をもう一度見たり、区間経路情報の切り替えたりすることが可能であるが、表示機能がない場合は、案内端末200の場所でのみ経路情報を見ることができる。従って、扱うユーザ端末の種類を情報量算出のための基礎とする。
この実施の形態では、予め対象エリアの各地点間の経路情報について情報量を算出しておき、算出した情報量に基づき経路を算出する経路情報提供システム1について説明する。
しかし、予め対象エリアの全ての分岐エリアについて、全ての進行方向に対する情報量を算出しておき、情報量記憶部108が記憶しておく。つまり、実施の形態1で説明した方法により、全ての分岐エリアの全ての進行方向に対する情報量を算出してあるものとする。
経路算出部104は、情報量記憶部108が記憶した情報量をコストとして、最もコストの低い経路を探索する。つまり、経路算出部104は、最も通過する分岐エリアの複雑度が低い経路を探索する。
つまり、この方法によれば、ユーザへ最も間違いづらい経路の経路情報を提供することができる。
つまり、この方法によれば、ユーザへ最も覚えやすい経路の経路情報を提供することができる。
つまり、この方法によれば、ユーザへ最も間違いづらく覚えやすい経路の経路情報を提供することができる。
上記実施の形態では、生成した区間経路情報を、指定された位置で提供するということを述べた。しかし、区間経路情報の提供方法については、特に言及しなかった。この実施の形態では、区間経路情報の提供方法について説明する。
そのため、例えば、実施の形態3において案内情報を構成する案内要素として抽出された案内語に該当する部分を強調して表示する。又は、案内情報を構成する案内要素として抽出された案内語を、案内情報を構成する案内要素でない案内語とは区別して表示する。つまり、ユーザは、この強調された部分又は区別して表示された部分のみを記憶し判断すればよい。これにより、ユーザが記憶・判断・確認する手間・負担を軽減する効果がある。
この実施の形態では、区間経路情報毎にユーザへの提示方法、提供方法を切り替える経路情報提供システム1について説明する。
例えば、情報量が所定の閾値より多い区間経路情報の場合は画像(地図画像)により提供する。一方、情報量が所定の閾値より少ない区間経路情報の場合には、文言(文章)により提供する。
また、移動距離に対する情報量が多い区間経路情報の場合には、複雑でわかりづらい経路であると判断して、画像(地図画像)により区間経路情報を提供する。一方、移動距離に対する情報量が少ない区間経路情報の場合には、単純でわかり易い経路であると判断して、文言(案内文)により区間経路情報を提供する。
また、移動距離に対する情報量でなく、分岐エリアの数に対する情報量が多い場合には画像(地図画像)により区間経路情報を提供し、分岐エリアの数に対する情報量が少ない区間経路情報の場合には、文言(案内文)により区間経路情報を提供するとしてもよい。
また、所定の閾値以上の区間経路情報については方向転換する分岐エリアの角の店舗の情報や目印情報を必ず提示するとしてもよい。
例えば、(1)<向き複雑度TYPE3、特定性複雑度TYPE2>と、(2)<向き複雑度TYPE2、特定性複雑度TYPE2>とを含む区間経路情報の場合には、画像(地図画像)により区間経路情報を提供する。一方、その他の場合には、文言(案内文)により区間経路情報を提供する。
もちろん、他の向き複雑度と特定性複雑度との組合せの場合にも画像(地図画像)により区間経路情報を提供してもよい。
例えば、経路情報提供システム1は、ユーザ端末300を案内端末200にタッチした際、ユーザ端末300を使用するユーザを識別する識別情報を取得する。そして、その識別情報に応じて経路情報の提供方法を切り替える。
図31は、ユーザに応じた経路情報の提供方法を切り替える経路情報提供システム1の機能を示す機能ブロック図である。ユーザに応じた経路情報の提供方法を切り替える経路情報提供システム1は、実施の形態1に係る経路情報提供システム1に加え、情報受信部120を備える。情報受信部120は、案内端末200にタッチしたユーザ端末300のユーザの識別情報を取得して、経路情報の提供方法を処理装置により判断する。情報受信部120は、例えば、ユーザ毎に経路情報の提供方法を予め記憶装置に記憶しておき、取得した識別情報により経路情報の提供方法を記憶装置から取得して、経路情報の提供方法を決定する。
また、年齢、性別、目的位置等によって、複雑でも距離の短い経路、距離が長くても簡単な経路、階段よりもエレベータやエスカレータを使った経路の案内などを行うとしてもよい。経路の好み等に関しては、案内語の内容、情報量、距離、方向転換角度等の評価式で評価をすることで、環境条件と合わせて、案内必要度、認知誤差、累積誤差より条件にあった経路を提供することできる。
また、例えば、ユーザが購入したチケットをユーザ端末300に登録している場合には、そのチケットから行き先を判断して経路情報を提供するとともに、チケットの情報(例えば、開演時間、搭乗時間等)に変更がある場合には、変更された新しい目的位置への経路情報や、その変更情報等を合わせて提供するとしてもよい。さらに、開演時間、搭乗時間等の時間が遅くなったことにより、その間の時間を有効に使うために寄り道可能な情報と案内を合わせて提供してもよい。
上記実施の形態では、どの案内端末200にタッチさせて経路情報を提供するかについて説明した。つまり、上記実施の形態で説明した方法により案内端末200にタッチすると決定した分岐エリアには案内端末200があるものとして説明した。この実施の形態では、どの分岐エリアに案内端末200を設置するかを決定する方法について説明する。
案内端末200を設置すべき分岐エリアを決定する方法は、ユーザ端末300が携帯電話機等の表示装置を備える端末のみの場合と、ユーザ端末300に表示装置を備えていない端末を含む場合とに分けられる。これは、ユーザ端末300が携帯電話機等の表示装置を備える端末のみの場合と、ユーザ端末300に表示装置を備えていない端末を含む場合とで、案内端末200を必要とする理由が異なるためである。
ユーザ端末300が携帯電話機等の表示装置を備える端末のみの場合であれば、案内端末200は少なくとも対象エリアの入口に設置されていればよい。つまり、入口でユーザ端末300へ分割された全ての区間経路情報を提供しておき、ユーザ端末300において順次区間経路情報を切り替えながら経路を進むことができるためである。そのため、ユーザ端末300が携帯電話機等の表示装置を備える端末のみの場合、対象エリアの入口以外に設置する案内端末200は、利便性を向上させることを目的とする。つまり、この場合、設置コストと利便性の向上とのバランスを取る必要がある。
一方、ユーザ端末300に表示装置を備えていない端末を含む場合、ユーザ端末300側で次の区間経路情報へ切り替えることはできない。そのため、この場合、所定の場所に案内端末200が設置されていないと、情報量に基づき経路情報を分割するという考えが成り立たなくなる。つまり、1度に提供する区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができなくなる。したがって、ユーザ端末300に表示装置を備えていない端末を含む場合、設置する案内端末200を最少にして、1度に提供する区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることを可能にすることを目的とする。また、次の段階として、利便性を向上させることを目的とする。利便性を向上させることを目的とする場合、設置コストと利便性の向上とのバランスを取る必要がある。
このような目的から、例えば案内端末200の設置位置を以下のように決定することが考えられる。
例えば、向き複雑度と特定性複雑度とが所定の組合せである場合に設置する。例えば、分岐エリアのうち、図15の(1)<向き複雑度TYPE3、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリアと(2)<向き複雑度TYPE2、特定性複雑度TYPE2>の分岐エリアとに案内端末200を設置する。すなわち、判断を間違える可能性の高い複雑な分岐エリアには案内端末200を設置する。
この分岐エリアに案内端末200を設置することにより、実施の形態5で説明した複雑な分岐エリアにおける区間経路情報を確認する位置を固定することができるという効果が得られる。また、複雑な分岐エリアは情報量が多いため、この分岐エリアで経路情報が分割される可能性は、他の分岐エリアと比べ高い。したがって、この分岐エリアに案内端末200を設置するということは、使用される可能性の高い分岐エリアに案内端末200を設置することにもなる。
まず、ユーザ端末300が携帯電話機等の表示装置を備える端末と同様に、対象エリアの入口と、向き複雑度と特定性複雑度とが上記組合せである分岐エリアとに設置する。そして、この案内端末200の配置では区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができなくなる目的位置がある場合には、さらに以下の方法で案内端末200を設置する位置を決定する。ここで、区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができなくなる目的位置があるとは、いずれかの入口からその目的位置へ到達するためのどの経路であっても、区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができない場合である。つまり、例えば遠回りとなる経路であっても、区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができる経路があるのであれば、区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができなくなる目的位置があるとは言わない。
例えば、対象エリアの入口から、対象エリアの全地点への経路を求める。この場合に、新たな確認地点となった分岐エリアに案内端末200を設置する。
しかし、新たな確認地点となった分岐エリアの数が多い場合もある。この場合には、例えば、区間経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができなくなる目的位置がなくなるまで、新たな確認地点として選択した経路情報が多い分岐エリアから順に案内端末200を設置する。
なお、ここでは、入口から対象エリア内の全ての場所までの経路だけを検討対象とした。しかし、対象エリア内の全ての場所から対象エリア内の全ての場所までの経路を対象としてもよい。つまり、対象エリアの全地点から、対象エリアの全地点への経路を求め、新たな確認地点となった分岐エリアに案内端末200を設置する。また、新たな確認地点となった分岐エリアの数が多い場合、1度に提供する経路情報の情報量を閾値以下に抑えることができなくなる地点の組合せがなくなるまで、新たな確認地点として選択した経路情報が多い分岐エリアから順に案内端末200を設置する。
この実施の形態では、上記実施の形態で説明した経路情報提供方法の実験結果について説明する。
図33に示すフロア図において、斜線部は分岐エリアを示す。また、出発位置から目的位置までの経路を破線で示す。つまり、出発位置から目的位置までの経路は、A、B、C、D、F、J、K、L、N、O、P、Q、R、S、Tの順に分岐エリアを辿る。
図34は、均等に案内端末200にタッチするとした場合のタッチ回数と、その場合における区間経路情報の情報量の最大値とを示す図である。
図34において、案内端末200で案内する分岐エリアの数が1とは、各案内端末200では次の案内端末200までの案内を行うことを意味する。つまり、出発地の分岐エリアAでは、次の分岐エリアBまでの経路情報を提供する。そして、分岐エリアBでは、次の分岐エリアCまでの経路情報を提供する。これを繰り返し、目的位置まで案内する。そのため、出発地の分岐エリアAから順に、B、C、D、F、J、K、L、N、O、P、Q、R、Sまでの合計14回案内端末200にタッチする必要がある。また、情報量としては、分岐エリアAから分岐エリアBまで、分岐エリアBから分岐エリアCまで、・・・、分岐エリアSから分岐エリアTまでの最大値を抽出して、5.00である。
同様に、案内端末200で案内する分岐エリアの数が2とは、各案内端末200では2つ先の案内端末200までの案内を行うことを意味する。つまり、出発地の分岐エリアAでは、2つ先の分岐エリアCまでの経路情報を提供する。そして、分岐エリアCでは、次の分岐エリアFまでの経路情報を提供する。これを繰り返し、目的位置まで案内する。そのため、出発地の分岐エリアAから順に、C、F、K、N、P、Rまでの合計7回案内端末200にタッチする必要がある。また、情報量としては、分岐エリアAから分岐エリアCまで、分岐エリアCから分岐エリアFまで、・・・、分岐エリアRから分岐エリアTまでの最大値を抽出して、7.00である。
図34には、以下、同様にタッチ回数と情報量と記載されている。
ここで、情報量の計算には、式5を用いている。また、式5のW11からW15までの各重みは、W11=2、W12=2、W13=1、W14=1、W15=1とした場合である。また、向き複雑度と特定性複雑度との情報量については、図15の(1)(2)の分岐エリア場合には、いずれも1であり、その他の場合にはいずれも0としている。
さらに、W11とW12とについては、複雑な分岐エリア(図15の(1)(2)の分岐エリア)において、案内端末200にタッチする場合には、重みを1/2倍にしている。これは、複雑な分岐エリアであっても案内端末200にタッチすることでユーザが停止する場所と進行方向を判断する位置と向きを固定できるため、その複雑さを軽減することができるからである。つまり、案内端末200にタッチする場合には、案内端末200にタッチしない場合に比べ、その分岐エリアを通過することは容易になる。そのため、容易になった分だけ情報量を減らして計算する。この重みの軽減方法については、分岐エリアの特定性の複雑さや向きの複雑さに応じて変更しても良い。一方、複雑でない分岐エリアでは案内端末200にタッチした場合であってもしない場合であっても、それほどその分岐エリアを通過することの難しさは変わらないと考えられる。そのため、重みを1/2にしていない。ここでは、そもそも複雑でない分岐エリアの向き複雑度と特定性複雑度との情報量を0としているのでW11とW12とを1/2にする必要はない。
ここで、情報量の計算式は上記と同じ式5であり、情報量の閾値は8とした。
つまり、情報量を基準に判断すると、案内端末200で案内する分岐エリアの数が2の場合と概ね同じ情報量である。しかし、案内端末200で案内する分岐エリアの数が2の場合はタッチ回数7回であるのに比べ、上記実施の形態に係る方法ではタッチ回数3回である。すなわち、ユーザにとって記憶・判断し易い経路情報を提供しつつ、案内端末200へのタッチ回数が減っている。
一方、タッチ回数を基準に判断すると、案内端末200で案内する分岐エリアの数が5から6までの場合と同じである。しかし、案内端末200で案内する分岐エリアの数が5から6までの場合は情報量が10.58から11.91であるのに比べ、上記実施の形態に係る方法では7.58である。つまり、案内端末200へのタッチ回数を抑えつつ、ユーザにとって記憶・判断し易い経路情報を提供できている。
以上のように、実験結果からも上記実施の形態に係る方法では、ユーザが経路を逸脱する可能性を抑えつつ、案内端末200へのタッチ回数を削減することができるという結果が得られた。
なお、上記説明では、様々な視点における情報量を考慮して評価を行い経路情報を分割した。上記説明で用いた評価方法以外にも、例えば、短期記憶に関する容量限界の定量化としては、Miller(1956年)による「マジックナンバー7±2」を利用して、案内語数に制限を掛けた評価や、または案内する地点(新たな区間経路情報を提供する場所、新たな区間経路情報へ切り替えする場所)の数の最大値や、案内地点と確認地点の数の最大値を設けた制限を掛けることにより、経路情報の情報量を抑えることも可能である。
階段やエレベータ、エスカレータも、高さを移動するための通行エリアとして、通路の場合と同様に歩行ネットワークを生成可能であり、乗り場、降り場をノード、その間を通路としてデータ定義できる。通路の属性に、階段、エレベータ、エスカレータ等を設定することで通路属性の違いを把握可能であり、案内情報としても利用できる。通路から階段に変わる場合には、通路属性の変化によって定義できる。また、分岐エリアとの関係を示すことにより、目印としても利用可能である。
経路探索を行うために使われる距離、坂道の傾斜、屋根の有無、高さ移動をするための手段等のパラメータは、目的地に歩いて到達するための歩行者の負荷(コスト)を制御するためのものであった。
また、先行例では、ユーザが目的地に到達するための判断・確認を行うための情報として、目印を利用していた。しかし、場所によっては、目印が少ない場合や目印が類似してあいまいな場合があるが、このような場合については考慮がなされていなかった。
これらに対して、上記実施の形態に係る経路情報提供システム1は、ユーザの判断・確認の作業に加えて、1度に記憶できるデータ量を考慮した経路情報の評価を行う。これによって、経路情報を持ち歩かなくても次の地点(サブゴール)まで移動できる。又は、移動中経路情報を確認しなくても記憶した情報を元に判断・確認を行いながら移動することを可能とする。
特に、上記実施の形態に係る経路情報提供システム1は、複雑な分岐エリアでは、経路情報を見せ判断させ、単純な分岐エリアでは経路情報を覚えさせ判断させる。また、単純な分岐エリアでも、記憶しきれないデータ量となる場合は、途中までの経路情報を覚えさせて進ませ、その経路情報の最後の分岐エリアに到達したことを確認したら、それまでの経路情報は忘れて次の経路情報を覚えさせる、というようにリセットすることが可能である。
図35は、経路情報提供装置100、案内端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図35に示すように、経路情報提供装置100、案内端末200は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、キーボード902、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
ファイル群924には、上記の説明において「歩行ネットワーク」、「経路情報」、「案内情報」等として説明した情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。「ファイル」や「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
Claims (7)
- 所定の位置から目的位置までの経路を示す経路情報を、上記経路情報が示す経路に設置された複数の経路情報提示端末から提供する経路情報提供装置であり、
上記経路情報が示す経路において2つ以上の通路が交わる分岐エリアの形状の複雑さから計算される上記経路情報の情報量に基づき、複数の区間経路情報の各区間経路情報の情報量が所定の閾値を超えないように、上記経路情報提示端末の設置位置で上記経路情報を分割して複数の区間経路情報を生成する経路情報分割部と、
上記経路情報分割部が生成した複数の区間経路情報を、区間経路情報毎に、その区間経路情報の経路の開始地点に設置された経路情報提示端末へ送信して、上記経路情報提示端末から利用者へ提供させる経路情報出力部と
を備えることを特徴とする経路情報提供装置。 - 上記経路情報分割部は、上記分岐エリアを認識することの難しさから算出された情報量に基づき、上記経路情報を分割する
ことを特徴とする請求項1に記載の経路情報提供装置。 - 上記経路情報分割部は、上記分岐エリアにおいて、上記経路が示す進行方向を特定することの難しさから算出された情報量に基づき、上記経路情報を分割する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の経路情報提供装置。 - 上記経路情報出力部は、上記区間経路情報毎に経路情報の出力方法を変更する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の経路情報提供装置。 - 上記経路情報出力部は、上記区間経路情報の情報量に応じて、経路情報の出力方法を変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の経路情報提供装置。 - 上記経路情報提供装置は、さらに、
ユーザにより入力された情報を通信装置を介して受信する情報受信部を備え、
上記経路情報出力部は、上記情報受信部が受信した情報に応じて、経路情報の出力方法を変更する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の経路情報提供装置。 - 請求項1から6までのいずれかに記載の経路情報提供装置と、
上記経路情報提供装置の上記経路情報出力部が出力した区間経路情報をユーザへ提供する上記経路情報提示端末と
を備えることを特徴とする経路情報提供システム。
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