JP5146862B1 - 変色麺の製造方法及び変色麺 - Google Patents

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【課題】 安価な材料と簡単な工程を用い、乾麺中の成分を基礎としたpH値の変化により確実に所定時間で麺の色相を変色させ、かつ適度の茹であがりタイミングを得る変色麺の製造方法及び変色麺を提供する。
【解決手段】
乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から他の色に変色させる変色麺の製造方法である。アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製する第1工程と、第1工程で調製した変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調整液を加えてpH調整する第2工程と、第2工程の加塩、pH調整後の変色基礎溶液を小麦粉と混練し、さらに麺線の作製、並びに乾燥を施して乾麺を調製する第3の工程と、を有し、第1工程で加えた炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を他の色に変色させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は乾麺を茹でる際に乾麺自体の色相を変化させる変色麺の製造方法及び変色麺に関する。
穀類などの食材から麺線を調製する麺は、主食あるいは副食として日常的に世界中の人々の食卓に提供されて食される人気の高い食品の一つである。わが国においても、うどん、そば、素麺、冷麦、ラーメン等々があり、専門店内で作り立て、あるいは打ちたての生麺を調理して提供するものがよく好まれる。一方、保存性並びにこしのある食感に優れた麺食品として乾麺があり、一般家庭用、贈答用、店舗用などでこれもよく利用されている。乾麺については、適度のこしをもった食感が得られる程度に茹でて食されるが、適度の茹で時間を知るためには時計やタイマで計時するか、作り手の経験や勘に頼らざるを得ない。時計やタイマによる場合は、管理が煩雑となる。また、経験や勘によると茹で過ぎや茹で不足を生じさせる。時計やタイマ等がなくとも適度な食感となる茹で加減を判別することができる麺について、従来、特許文献1の技術が提案されている。
特開平10−276694号
特許文献1は、加熱により色相に変化が生じる食用色素を含有する変色麺について提案している。たとえば、耐熱性の強い食用色素と、耐熱性の弱い食用色素との二種以上の食用色素を含有する麺では、茹で上げ中に麺体内部に沸騰水が侵入し、それにつれて耐熱性の弱い色素が破壊されて退色や変色が起こり、徐々に色相が変化していき、さらに麺体中心部まで沸騰水が到達すると茹で上げが完了し、耐熱性の強い色素のみが残存し、色相が完全に変化するとされている。また、耐熱性の弱い食用色素同士を併用して得た麺も、茹で上げ中に沸騰水の侵入により、色素が破壊されて退色や変色が生じ、当該色相変化により茹で加減が判別されるとされている。しかしながら、この特許文献1の変色麺では、変色が生じるまでの茹であがり時間が11分以上程度かかり、うどんや素麺等で通常よく食される麺線太さではこしのある食感の茹であがりが得られにくいとともに、各食用色素の色価残存率や耐熱性の強弱の把握、製麺時の混練等の具体的な製麺作業が煩雑で実用しにくいという問題があった。また、二種以上の特殊な食用色素を用いるから、材料コストも高いという問題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、安価な材料と簡単な工程を用い、加水加熱による乾麺中の成分を基礎としたpH値の変化により確実に所定時間で麺の色相を変色させ、かつ適度の茹であがりタイミングを得ることのできる変色麺の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、その変色麺の製造方法を用いて製造される変色麺を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は、乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から他の色に変色させる変色麺の製造方法であり、アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製する第1工程と、第1工程で調製した変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調整液を加えてpH調整する第2工程と、第2工程の加塩、pH調整後の変色基礎溶液に小麦粉を加えて混練し、さらに麺線の作製、乾燥を施して乾麺を調製する第3の工程と、を有し、第1工程で加えた炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を他の色に変色させることを特徴とする変色麺の製造方法から構成される。
その際、第2工程のpH値がpH6.0±0.2であるとよい。
また、アントシアニン系色素を含む可食植物が、ハーブマロウ又はエルダーベリーのいずれかであることとするとよい。
さらに、本発明は、乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から他の色に変色させる変色麺であり、アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製し、変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調製液を加えてpH調整済み基礎溶液とし、pH調整済み基礎溶液を小麦粉と混練し、さらに麺線の作製、並びに乾燥を施して乾麺とし、乾麺を茹でる際に炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を他の色に変色させることを特徴とする変色麺から構成される。
上記の変色麺において、変色基礎溶液にpH調製液を加えてpH調整済み基礎溶液とする際のpH値がpH6.0±0.2であるとよい。
さらに、上記の変色麺において、アントシアニン系色素を含む可食植物が、ハーブマロウ又はエルダーベリーのいずれかであるとよい。
本発明の変色麺の製造方法によれば、乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から他の色に変色させる変色麺の製造方法であり、アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製する第1工程と、第1工程で調製した変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調整液を加えてpH調整する第2工程と、第2工程の加塩、pH調整後の変色基礎溶液に小麦粉を加えて混練し、さらに麺線の作製、乾燥を施して乾麺を調製する第3の工程と、を有し、第1工程で加えた炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を他の色に変色させる構成であるから、簡単な準備と低コストによりタイマーや時計を用いることなく麺の色相の変化だけで確実に茹で上がり時間を知ることができる。また、薄赤紫色から緑色へ麺の色が変化するから調理者や子供に興趣を与えて作業を進んでやってもらえる。また、茹で上がりは爽やかな緑色あるいはヨモギ色を選択できるから作り手並びに食する者の食欲をそそることが可能である。
また、その際、第2工程のpH値がpH6.0±0.2である構成とすることにより、アントシアニン系色素を基礎とした乾麺色の色を無色あるいは無色に近い淡い色に設定するとともに、残留する炭酸水素イオン(HCO )の量をできるだけ多く確保させることができる。
また、アントシアニン系色素を含む可食植物が、ハーブマロウ又はエルダーベリーのいずれかである構成とすることにより、呼吸器系の炎症抑制作用、鎮静作用、消炎作用、美肌・美白作用並びに便秘・皮膚炎・風邪・インフルエンザなどへの薬効が期待でき、一種の薬膳食品としての作用を有する。
また、本発明の変色麺によれば、乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から他の色に変色させる変色麺であり、アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製し、変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調製液を加えてpH調整済み基礎溶液とし、pH調整済み基礎溶液に小麦粉を加えて混練し、さらに麺線の作製、並びに乾燥を施して乾麺とし、乾麺を茹でる際に炭酸水素ナトリウムの炭酸イオン化によるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を他の色に変色させる構成であるから、簡単な準備と低コストによりタイマーや時計を用いることなく面の色相の変化だけで確実に茹で上がり時間を知ることができる。また、薄赤紫色から緑色へ麺の色が変化するから調理者や子供に興趣を与えて作業を進んでやってもらえる。また、茹で上がりは爽やかな緑色あるいはヨモギ色を選択できるから作り手並びに食する者の食欲をそそることが可能である。
また、上記変色麺の変色基礎溶液にpH調製液を加えてpH調整済み基礎溶液とする際のpH値がpH6.0±0.2であることにより、アントシアニン系色素を基礎とした乾麺色の色を無色あるいは無色に近い淡い色に設定するとともに、残留する炭酸水素イオン(HCO )の量をできるだけ多く確保させることができる。
また、アントシアニン系色素を含む可食植物が、ハーブマロウ又はエルダーベリーのいずれかであることにより、呼吸器系の炎症抑制作用、鎮静作用、消炎作用、美肌・美白作用並びに便秘・皮膚炎・風邪・インフルエンザなどへの薬効が期待でき、一種の薬膳食品としての作用を期待することが可能である。
本発明の変色麺の製造方法による第2工程において、純水中に炭酸物質が溶けているときの、pHによって炭酸(HCO)と、炭酸水素イオン(HCO )の量比(モル比)がどのように変化するかを表わすグラフ図である。 本発明の変色麺の製造方法において、アントシアニン系色素のpHによる色の変化を表す表図である。 本発明の変色麺の製造方法を示すフローチャートである。
本発明は、乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から乾麺色以外の他の色に変色させる変色麺の製造方法であり、アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製する第1工程と、第1工程で調製した変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調製液を加えてpH調整する第2工程と、第2工程の加塩、pH調整後の変色基礎溶液に小麦粉を加えて混練し、さらに麺線の作製、乾燥を施して乾麺を調整する第3の工程と、を有し、第1工程で加えた炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて生じる所定の色に変色させる変色麺の製造方法から構成される。
アントシアニン系色素は、植物の光合成によってできるポリフェノールのうちの色素成分であり、紫色の色素である。アントシアニン(anthocyanin)は、植物界において広く存在する色素であって、アントシアン(anthocyan:果実や花の赤、青、紫を示す水溶性色素の総称)のうち、アントシアニジン(anthocyanidin)がアグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体成分である。アントシアニン系色素を含む可食植物として、例えば、クワ、クランベリー(苔桃)、ボイセンベリー、スグリ(ベリーの一種、別名カシス)、ハスカップ、ブルーベリー、ブラックベリー、プルーン、ビルベリー、アサイー、ブドウ、ラズベリー、イチゴ、ムラサキキャベツ(赤キャベツ)、ナス、黒米、黒大豆(黒豆)、黒ゴマ、有色サツマイモ(特にムラサキイモ)、ダイショ(ベニイモ)、アナスタシアブラック(ピーマンの一種)、ツバキ、小豆、赤たまねぎ、紅蓼、赤シソ、イワキベリー、ウスベニアオイ(ハーブマロウあるいはブルーマロウ)、エルダーベリーなどがある。
図3において、本発明の第一の工程では、アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製する。炭酸水素ナトリウム(NaHCO)は、水に溶けて炭酸水素イオン(HCO )を生成する。この変色基礎溶液に適宜の酸を加えてpH6.0に調整すると、元の炭酸水素イオンの約40%の炭酸水素イオン(HCO )が液中に残留し、さらに、この液と小麦粉、塩を用いて常法により製麺し、乾麺にしたときに含有される。そして、乾麺に加水し、加熱すると炭酸水素イオン(HCO )から気泡を生じて炭酸ガスが蒸発し、炭酸イオン(CO 2−)が増加して熱水をアルカリ化させ、そのときに、乾麺の薄赤紫の色相を所定時間経過時に緑色に変色させる。
すなわち、炭酸は水中で反応して炭酸水素イオンに解離する。
<HCO⇔H+HCO ・・・(化1)>
さらに、炭酸水素イオンは、水中で反応して炭酸イオンに解離する。
<HCO ⇔H+CO 2− ・・・(化2)>
したがって、炭酸水素ナトリウムを含む乾麺は、下記の化学式のように、加水加熱による茹で作業中に水中に炭酸イオン(CO 2−)を生成し、炭酸イオンの増加に伴って茹で液をアルカリ化させ、pHを高くする。
<2HCO →(heat)→ HO+CO 2−+CO↑ ・・・(化3)>
図1は、純水中に炭酸物質が溶けているときに、pHによって炭酸(HCO)と、炭酸水素イオン(HCO )の量比(モル比)がどのように変化するかを表している。図において、酸性領域では炭酸(HCO)が優勢であるが、pHが6.3程度より中性になると炭酸水素イオン(HCO )が優勢になる。
一方、アントシアン色素はその水溶液のpHの変化により、色を変化させることが知られている。図2は、アントシアン色素のpHに対応した色の変化を示しており、中性以下では紫あるいは赤系統の色を発色させる。例えばpH6では、薄赤紫色であり、pH7〜8程度までは青色を呈する。すなわち、pH6〜pH7の間に薄赤紫色から青色に変色する領域があり、pH6からアルカリ性へ傾くにつれてしだいに薄赤紫色から青色へ変化し中性では明確な青色へと変化する。したがって、pHを6から7に変化させるように制御すると、この領域でアントシアン色素を含む乾麺色は薄赤紫色から青色へ変化する。化3式に示すように、炭酸水素イオン(HCO )の熱分解により炭酸イオン(CO 2−)を増加させて麺線中の水分をアルカリ化させる。
第2工程では、第1工程で調製した変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調製液を加えてpH調整する。麺製造において、小麦粉などとともに塩を用いるのは、グルテンの引締め(収斂作用)による食感の取得、生地の発酵抑制、防腐、生地の乾燥防止等のためである。この場合のpH値はpH6.0±0.2に設定するのが好適である。すなわち、第1工程においてアントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えた変色基礎溶液は、炭酸水素ナトリウムのアルカリ性よりpH7.9程度のアルカリ性を示す。さらに、この変色基礎溶液に乾麺製造に必要な塩を加える。次に、pH調整のために、例えばクエン酸(citric acid)液等を加えてpHを6.0程度に調整する。図1グラフから分かるように、pH6.0では炭酸物質のモル比約40%が乾麺の薄赤紫色から青色への変化に寄与することとなり、例えばpH5以下程度では元の炭酸水素イオン(HCO )の5%以下程度となって急激に炭酸イオンの生成量が低下する(化3式参照)。この条件で麺の色相変化を求める場合には多くの炭酸水素ナトリウムの量が必要となり、原料コスト高となる。一方、出発pHが7以上程度では、乾麺の茹で時間経過に対応する麺の色相変化が得られにくい。炭酸水素ナトリウム(NaHCO)やクエン酸(citric acid)は、低コストで容易に入手可能な食品添加物である。
第3工程では、変色基礎溶液を常法による製麺工程に加えて乾麺を調製する。すなわち、小麦粉に加塩、pH調整後の変色基礎溶液を加えて捏ね、製麺機により麺線を作る。この後、2,3時間風乾させ、薄赤紫色の乾麺を調製する。
pH6.0程度に調整された乾麺に加水し加熱して茹で作業を行なうと、化3式により、炭酸水素イオン(HCO )が変化し炭酸イオン(CO 2−)が増加してアルカリ化反応が進み、pH6.0からpH7.0となる。それに伴って乾麺の色相は薄赤紫から青色へと変化する。一方、pH上昇により茹で水がアルカリ度を高くするほうに傾くと、小麦粉中のフラボノイド色素は黄色に発色する。そして、アントシアニン系色素による薄赤紫から青色への乾麺色相変化と、小麦粉のフラボノイドによる黄色発色がともにpH変化を通じて生じることとなり、青色と黄色が合わさって緑色を呈し、これによって、乾麺色は、当初の薄赤紫色から緑色へ色相を変化させる。
なお、アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを添加した後、pHを約6.0に調整する第2工程において、酸化による液の褐変を防止するためにビタミンC等を含む酸化防止剤を加えても良い。
乾麺の色は変化がはっきりしやすいように出発色は理想的には無色、あるいは淡い色が好ましい。白色麺であるのが好ましいが、多少の淡い色相を帯びたものでもよい。乾麺の例としては、例えば、うどん、きしめん、ひやむぎ、素麺、中華麺についても適用できる。
次に、本発明の実施例について説明する。
<第1工程>ハーブマロウ3.0g粉末を常温水道水130mlに加えて、10分間放置後ハーブマロウを水抽出し、これを金網濾過して約120ml、pH約6.2のハーブマロウ抽出液(A液)を調製した。このときの液の色は紫色であった。このハーブマロウ抽出液に炭酸水素ナトリウム4.5gを加え、変色基礎溶液(A1液)を調製した。このときのpHは約7.9で液色は青色であった。
<第2工程>第1工程の変色基礎溶液(A1液)に食塩3.0gを加え(A1−1液)、さらに、クエン酸1gを常温水道水10mlに加えた溶液(B液)をA1−1液に滴下しpH約6.0に調整した(A2液)。詳細には、pH6.0程度に調整した基礎溶液(A2液)に、褐変防止用のイソアスコルビン酸ナトリウム1水和物1gを常温水道水100mlに溶かした溶液2.6ml〜6.5ml(0.02〜0.05重量%)(D液)を加え、5分間放置した(A2−1液)。その後、再度クエン酸溶液(B液)とアルカリ溶液(炭酸水素ナトリウム1g+常温水道水10ml(C液))をA2−1液に適宜加えてpH6.0とした(A3液)。なお、再度クエン酸溶液(B液)やアルカリ溶液(C液)を加えるのは、放置により炭酸ガスの気泡を生じ、わずかにpH値が変動する場合があるからである。
<第3工程>中力小麦粉(pH5.98〜5.96)300gに第3工程でpH6.0に調整したA3液、130mlを添加しそぼろ状になるまで良く混合した。次に丸く餅状にしラップで包み30分間放置したものを製麺機にかけて厚さ×幅が1mm×2mmの麺線を調製した。これを常温風で2〜3時間乾燥することにより、薄赤紫色の乾麺を調製した。
<茹で工程>容器に水を加え、加熱沸騰する湯中に上記製麺に係る乾麺を投入して吹きこぼれない程度の強火で茹でると、6〜7分後にpH6.8程度で乾麺は色相を緑色に変化させた。これを茹でた後、水道水で冷却したときに麺の柔かさは茹で時間7分で適度の歯ごたえをもった良好な食感を有することが確認された。
なお、乾麺の出発pHを6.0とするのは、アントシアニン系色素を基礎とした乾麺色の色を無色あるいは無色に近い淡い色に設定するとともに、残留する炭酸水素イオン(HCO )の量をできるだけ多く確保させるためである。第2工程のpH値はpH6.0±0.2であるとよい(図1参照)。また、酸化防止剤(D液)は、アントシアニン系色素を有する可食植物や麺成分によって褐変しにくいものであったり、第1工程から第2工程を処理した後第3工程に入るまでの時間間隔が短い場合には、必ずしも用いなくともよい。
アントシアニン系色素を有する可食植物は、より好適には、ハーブマロウ又はエルダーベリーであるとよい。ハーブマロウ(和名:ウスベニアオイ)は、のどの炎症・気管支炎などの呼吸器系の炎症抑制作用、鎮静作用、消炎作用、美肌・美白作用があるとされており、乾麺の色の変化による効果とともに、一定の薬効を期待することができる。また、エルダーベリーは、スイカズラ科ニワトコ属の植物で、便秘・皮膚炎・風邪・インフルエンザなどへの効能が期待されているハーブであり、乾麺への薬効成分の含有が望める。
本発明の変色面の製造方法およびその方法を用いて製造した変色麺は、乾麺の色が白色系か淡い色の麺から丁度良い茹で上がり時間に変色させる麺全般に適用することができる。

Claims (6)

  1. 乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から他の色に変色させる変色麺の製造方法であり、
    アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製する第1工程と、
    第1工程で調製した変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調整液を加えてpH調整する第2工程と、
    第2工程の加塩、pH調整後の変色基礎溶液に小麦粉を加えて混練し、さらに麺線の作製、乾燥を施して乾麺を調製する第3の工程と、を有し、
    第1工程で加えた炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を他の色に変色させることを特徴とする変色麺の製造方法。
  2. 第2工程のpH値がpH6.0±0.2であることを特徴とする請求項1記載の変色麺の製造方法。
  3. アントシアニン系色素を含む可食植物が、ハーブマロウ又はエルダーベリーのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の変色麺の製造方法。
  4. 乾麺に水を加えて加熱し所定の茹で時間経過により茹でる前の乾麺の色から他の色に変色させる変色麺であり、
    アントシアニン系色素を含む可食植物の抽出水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えて変色基礎溶液を調製し、
    変色基礎溶液に塩を加えさらにpH調製液を加えてpH調整済み基礎溶液とし、
    pH調整済み基礎溶液を小麦粉と混練し、さらに麺線の作製、並びに乾燥を施して乾麺とし、
    乾麺を茹でる際に炭酸水素ナトリウムの炭酸イオンによるアルカリ化を通じて茹でる前の乾麺色を他の色に変色させることを特徴とする変色麺。
  5. 変色基礎溶液にpH調製液を加えてpH調整済み基礎溶液とする際のpH値がpH6.0±0.2であることを特徴とする請求項4記載の変色麺。
  6. アントシアニン系色素を含む可食植物が、ハーブマロウ又はエルダーベリーのいずれかであることを特徴とする請求項4又は5記載の変色麺の製造方法。
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