JP5146186B2 - 超高感度撮像装置 - Google Patents
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Description
これを解決するための従来技術として、固体撮像素子に電荷が蓄積される前に固体撮像素子の冷却を開始し、蓄積された画像を転送し画像の取り込みが完了するまでの間、冷却が行われるようにした撮像装置がある(例えば、特許文献1参照)。
図1は、実施の形態1に係る超高感度撮像装置の構成を示すブロック図である。図において、撮像レンズ1を介して入射された光は固体撮像素子2で結像され、被写体の光学像を生成する。この光学像を光電変換して電荷を発生させ、AFE(Analog Front End)3に出力される。AFE3は、入力した電荷を増幅し電気信号として出力する増幅部としてのアンプ、及びアナログ信号である電気信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog to Digital)変換器から構成されている。AFE3で変換されたデジタル信号は映像信号処理部4に出力される。映像信号処理部4では、入力されたデジタル信号に各種の画像処理を行い、映像信号を生成する。映像信号処理部4から出力された映像信号が映像信号出力部5により所定の映像フォーマットに変換されて外部の表示部(図示せず)に出力される。所定の映像フォーマットに変換された映像信号が撮像画像として表示部に表示される。
図において、横軸は超高感度撮像装置に設けられた照度測定部(図示せず)により測定された環境照度であり、図2は、この環境照度に応じて4つの輝度制御モードが切り替わることを示している。縦軸は、輝度制御モードに応じて決定するペルチェ素子8に流す電流値である。
まず、マイクロプロセッサ7は、照度測定部により測定された環境照度が照度Aより高い(外部が明るい)ときにはアイリスモードを駆動する。アイリスモードでは、マイクロプロセッサ7は、外部が暗く(環境照度が低く)なるにつれて撮像レンズ1に入射される光量が多くなるように絞り(図示せず)を開き、外部が明るくなるにつれて撮像レンズ1に入射される光量が少なくなるように絞りを閉じるよう絞りを制御して、明るいときに撮像画像が白飛びしたり、暗いときに撮像画像の被写体が見え難くならないようにしたりし、撮像画像の明るさを調節する。
輝度制御モードがAGCモードのときには、マイクロプロセッサ7はAFE3のアンプで使用しているAGCゲイン値を読み出し、図4に示すAGCゲイン値とペルチェ素子8へ供給する電流の電流値との関係を定義したテーブルに基づき、ペルチェ素子8に電流を供給するようペルチェ素子駆動回路9に指示する(S3−2)。ペルチェ素子駆動回路9は、マイクロプロセッサ7に指示された電流値の電流をペルチェ素子8に供給することで固体撮像素子2を冷却し(S3−3)、RETURNでSTARTに移行する。
図において、横軸は、アンプで使用するAGCゲイン値であり、縦軸は、ペルチェ素子8に流す電流値である。
図4(a)は、固体撮像素子2の温度が低いときには、AGCゲイン値が低い間はペルチェ素子8へは電流を供給していないが、AGCゲイン値が高くなりペルチェ制御指定値2に達したときにペルチェ素子8への電流供給を開始する。そして、AGCゲイン値が高くなるにつれてペルチェ素子8へ供給する電流の電流値を上げていき、さらにAGCゲイン値がペルチェ制御指定値1に達してからは所定の電流値の電流を流すようペルチェ素子8へ供給する電流の電流値を変化させている。そして、ペルチェ制御指定値1はAGC−BORDER値よりも低い値に設定している。
このように外部が徐々に暗くなり輝度制御モードが電子増倍モードに移行するまでに予め固体撮像素子2を冷却しておくことによって、ペルチェ素子8への電流供給を開始してから固体撮像素子2の冷却効果が表れるまでの間に、電子増倍により撮像画像が劣化してしまうことがないようにすることが可能となる。
また、電子増倍モードからAGCモードへ移行してきたときには一定期間、固体撮像素子2の冷却を継続した後、ペルチェ素子8の電流値を下げていくので、ペルチェ素子8の消費電流を抑えることができ、かつ、電子増倍モードでの固体撮像素子2の温度上昇が続くことによる撮像画像の劣化を防止することもできる。
さらに、AGCゲイン値がある程度高くなってから急激にペルチェ素子8へ供給する電流値を立ち上げるようにすることによって、AGCゲイン値が低いときの電流値を抑えることができる。
そして、固体撮像素子2の温度が高いほどAGCゲイン値が低いときのペルチェ素子8へ多くの電流を供給するようにしている。このように固体撮像素子2の温度に応じてペルチェ素子8へ流す電流の供給又は停止するタイミングを変化させることで、外部が暗くなるときには照度Bの状態になるまでに固体撮像素子2の温度が下がりきらないことを防止し、外部が明るくなるときには固体撮像素子2の温度が下がっていないにも関わらずペルチェ素子8の駆動を停止してしまうことを防止している。
このように、固体撮像素子2の温度に応じてペルチェ素子8への電流の供給を制御するようにしたので、アイリスモード及び電子増感モードではペルチェ素子8の不要な電流消費を低減することができる。
実施の形態1では、AGCモードにおいて、ペルチェ素子8への電流供給を開始及び停止するAGCゲイン値を同一のペルチェ制御指定値2と設定していたが、このペルチェ制御指定値2付近において環境照度が不安定であった場合には、ペルチェ素子8への電流供給の開始及び停止、つまり、ペルチェ素子8の駆動の切り替えが頻繁に起こってしまう。ところが、ペルチェ素子8への電流供給開始の瞬間にはすでに電流を供給している状態より多くの突入電流が必要となるため、ペルチェ素子8の駆動が頻繁に切り替わることにより多くの電流を消費してしまうことになる。
実施の形態2では、ペルチェ素子8へ電流供給の駆動が頻繁に切り替わることによる突入電流の消費を軽減させるために、ペルチェ素子8への電流供給を開始及び停止するAGCゲイン値にヒステリシス特性を持たせた場合について説明する。
輝度制御モードがAGCモードのときには、マイクロプロセッサ7はAFE3のアンプで制御しているAGCゲイン値を読み出して、読み出したAGCゲイン値の変化量を算出する(S6−2)。
S6−2で、AGCゲイン値の変化量が減少である場合、S6−4へ移行する。
S6−2で、AGCゲイン値の変化量が増加である場合、マイクロプロセッサ7は読み出したAGCゲイン値とペルチェ制御指定値2との大小関係を比較する(S6−3)。
S6−3で、読み出したAGCゲイン値がペルチェ制御指定値2より大きければ、S6−6へ移行する。
S6−4で、読み出したAGCゲイン値がペルチェ制御指定値3より大きければ、マイクロプロセッサ7は読み出したAGCゲイン値とペルチェ制御指定値1との大小関係を比較する(S6−6)。
S6−6で、読み出したAGCゲイン値がペルチェ制御指定値1以下であれば、AGCゲイン値とペルチェ素子8へ供給する電流の電流値との関係を定義したテーブルに基づき、ペルチェ素子8に電流を供給するようペルチェ素子駆動回路9に指示する(S6−7)。ペルチェ素子駆動回路9は、マイクロプロセッサ7に指示された電流値をペルチェ素子8に供給することで固体撮像素子2を冷却し(S6−8)、RETURNでSTARTに移行する。
2 固体撮像素子
3 AFE
4 映像信号処理部
5 映像信号出力部
6 温度検出回路
7 マイクロプロセッサ
8 ペルチェ素子
9 ペルチェ素子駆動回路
10 電子増倍制御回路
11 固体撮像素子駆動回路
Claims (5)
- 光を光電変換し電荷を発生させて出力する固体撮像素子と、
この固体撮像素子から出力された上記電荷を増幅し電気信号として出力する増幅部と、
この増幅部が出力した上記電気信号から表示させるための映像信号を生成して出力する映像信号出力部と、
電流が流れることにより上記固体撮像素子を冷却するペルチェ素子と、
外部の照度を測定する照度測定部と、
上記固体撮像素子の温度を測定する温度測定部を備え、
上記映像信号が表示されるときの撮像画像の明るさを調整するための複数の輝度制御モードとして、上記固体撮像素子から出力された上記電荷の量に応じて上記増幅部に増幅させる電荷の増幅率を変化させるAGC(Auto Gain Control)モード、このAGCモードの上記増幅率の大きさがボーダー値を超えたときに駆動される、上記固体撮像素子が光電変換した電荷を増倍して出力する電子増倍モードを含み、これらの輝度制御モードを上記照度測定部により測定した照度に応じて切り替えるとともに、上記輝度制御モードが上記AGCモードのときには上記増幅率が第二の制御値から第一の制御値に達するまで、上記ペルチェ素子に流す電流量を所定の電流値まで上げていき、上記増幅率の大きさが上記第一の制御値から上記ボーダー値の間、及び上記電子増倍モードが駆動されているときに上記ペルチェ素子に上記所定値の電流を流すよう制御するとともに、環境照度が明るくなり、上記輝度制御モードが上記電子増倍モードから上記AGCモードに移行したときには、上記増幅率が上記ボーダー値と上記第一の制御値の間、上記ペルチェ素子に流す電流量を一定期間上記所定値の電流を流すように制御し、上記増幅率が第一の制御値から第二の制御値に達するまで、上記ペルチェ素子に流す電流量を下げていくように制御する制御部とを備えたことを特徴とする超高感度撮像装置。 - 入射される光の光量を調整する絞りと、
この絞りによって調整されて入射された光を上記固体撮像素子に結像させる撮像レンズとを備え、
上記固体撮像素子は、結像されて生成された光学像を光電変換し、
上記輝度制御モードは、上記照度測定部により測定された上記照度に応じて上記絞りを調節するアイリスモードを含み、
上記制御部は、上記輝度制御モードが上記アイリスモードのときには上記温度測定部が測定した上記固体撮像素子の温度に応じて、上記ペルチェ素子へ電流を流さないよう制御することを特徴とする請求項1記載の超高感度撮像装置。 - 上記輝度制御モードは、上記固体撮像素子が光電変換した電荷を一定期間蓄積してから出力する電子増感モードを含み、
上記制御部は、上記輝度制御モードが上記電子増感モードのときには上記温度測定部が測定した上記固体撮像素子の温度に応じて、上記ペルチェ素子へ電流を流さないよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の超高感度撮像装置。 - 上記制御部は、輝度制御モードが電子増倍モードのときには上記温度測定部の測定結果により上記固体撮像素子の温度に基づいて上記ペルチェ素子へ流す電流量を変化させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超高感度撮像装置。
- 上記制御部は、上記増幅率の大きさに基づいて上記ペルチェ素子への電流供給を開始及び停止し、
上記ペルチェ素子への電流供給を開始するときの増幅率より上記ペルチェ素子への電流供給を停止するときの増幅率を低く設定することを特徴とする請求項1記載の超高感度撮像装置。
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