以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態1の遊技機の説明図である。
実施形態1の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
ここで、表示装置41は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置として機能する。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、上記表示装置41での変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、上記表示装置41における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応した変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、を備えている。また、図示しないが、一括表示装置には、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態(時短モード)が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部等が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、特図1表示器51では例えば「3」又は「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示し、特図2表示器52では「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
ここで、特図1表示器51及び特図2表示器52は、表示装置41とは別に設けられ、表示装置41において実行される特図変動表示ゲームと同期して変動表示を行う特別図柄変動表示装置として機能する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(図示省略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
ここで、遊技制御装置100は、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段として機能する。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
ここで、遊技制御装置100は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52における変動表示を制御する遊技制御手段として機能する。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行なわれる。また、表示装置41では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、大当り(特別遊技状態)後に設定される確率状態(高確率状態、確率非報知状態、通常状態)に応じて変動パターンを決定するための変動パターン選択テーブルを記憶しており、変動パターン選択テーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
例えば、確変非報知状態における変動パターン選択テーブルには、はずれ変動パターンテーブル(図46(a)参照)と、大当り変動パターンテーブル(図46(b)参照)とがあり、当該大当り変動パターンテーブルに基づいて決定された変動パターンはリーチが発生するようになっている。
さらに、これらの変動パターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれており、図46(a),(b)に示すはずれ変動パターンテーブル、大当り変動パターンテーブルは、それぞれ後半変動パターンテーブルを表したテーブルである。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
また、確率非報知状態とは、大当り(特別遊技状態)終了後に大当り確率(確率状態)が高確率状態に設定されたのか通常状態に設定されたのかを曖昧な表示にとどめて遊技者に報知する状態である。そして、確率非報知状態には、大当り終了後、実際には高確率状態に設定される大当り(高確率Bモード)と、大当り終了後、実際には通常状態に設定される大当り(通常モード)と、が含まれる。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
ここで、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技を発生させる特別遊技制御手段として機能する。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態(通常状態)に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(時短モード)を発生可能となっている。即ち、特別遊技状態の終了後に実行される所定回数(例えば、20回、40回、100回)の特図変動表示ゲームは、変動時間が通常状態の変動時間よりも短い時短状態で行うようになっている。
ここで、遊技制御装置100は、特別結果態様が予め定めた特定結果態様であった場合に、特別遊技の終了後に遊技者に有利な特定遊技を発生させる特定遊技制御手段として機能する。
また、この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が2秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、2秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、この時短状態は、特図変動表示ゲームの結果として発生する大当りの種類に応じて時短回数が20回のモードと、時短回数が40回のモードと、時短回数が100回のモードとが設けられている。
そして、この実施形態では、時短モードが継続するか否かを報知する継続演出を、時短回数が20回のときは特図変動表示ゲームの20回転目(特殊停止表示期間;図45(d)参照)、時短回数が40回のときは特図変動表示ゲームの20回転目と40回転目(特殊停止表示期間;図45(d)参照)、時短回数が100回のときは特図変動表示ゲームの20回転目と40回転目と100回転目(特殊停止表示期間;図45(d)参照)にそれぞれ実行可能に設定されている。
具体的には、継続演出は、特殊停止表示期間(時短回数;20回転目、40回転目、100回転目)における特図停止表示時間が停止表示時間D(600ms)(図43参照)よりも長い特殊停止表示時間としての停止表示時間A(3600ms)、停止表示時間B(15000ms)又は停止表示時間C(15000ms)(図43参照)の何れかに設定されている場合に実行されるようになっている。
そして、例えば、ROM111Bには、時短状態の発生契機となった大当りにおける図柄番号と、何回転目の特図変動表示ゲームで継続演出を実行するかを決定するための特図停止情報とが対応付けられた特図停止情報テーブルが格納されている。具体的には、図44(a)に示すように、特別遊技状態の終了後に確率非報知状態(実際には通常状態)に設定される15R大当りの図柄番号が「1」である場合、時短回数が20回転目、40回転目、100回転目における特図変動表示ゲームの停止表示時間がいずれも停止表示時間A(特殊停止表示時間)に設定されているため、時短回数が20回転目、40回転目、100回転目の当該特図変動表示ゲームでは継続演出が行われることとなる。
なお、特図停止情報テーブルに記された斜線の欄(例えば、特別遊技状態の終了後に確変非報知状態(図柄番号が「15」の場合の時短回数が20回転目、40回転目に対応する欄)は停止表示時間Dを表したものであり、この場合、時短回数が20回転目、40回転目の特図変動表示ゲームでは継続演出が行われず、100回転目のときだけ継続演出が行われることとなる。
なお、図45(b)に示すように、特殊停止表示期間(時短回数;20回転目、40回転目、100回転目)の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、停止表示時間A〜Dの何れかが設定されるようになっている。一方、図45(a)に示すように、通常停止表示期間(時短回数;0〜19回転目、21〜39回転目、41〜99回転目、又は時短モード以外の通常モード等)の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合や、図45(c)に示すように、通常停止表示期間、特殊停止表示期間の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、停止表示時間Dが設定されるようになっている。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。
また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図6のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図6のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグを設定してから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブ(ステップS25)してから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行なってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔初期値乱数更新処理〕
次に、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS27)の詳細について説明する。
図7に示すように、初期値乱数更新処理では、大当り図柄初期値乱数1をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS271)、当り初期値乱数をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS272)、大当り図柄初期値乱数2をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS273)を順次行う。ここで、「大当り図柄初期値乱数1」は、特図1の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「大当り図柄初期値乱数2」は、特図2の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石エラー監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS42)の詳細について説明する。
図9(a)に示すように、入力処理においては、先ず入力ポート1、即ち、第1入力ポート123に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS421)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS422)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップS423)。その後、ステップS424で入力ポート2、即ち、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態を読み込むためのパラメータの準備を行なってから、スイッチ読込み処理(ステップS425)へ移行する。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップS425)の詳細について説明する。
図9(b)に示すように、スイッチ読込み処理においては、先ずステップS424にて準備されたパラメータで指定された入力ポート、即ち、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS251)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS252)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をRWM内のスイッチ制御領域2にセーブ(格納)する(ステップS253)。それから、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(ステップS254)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップS255)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS256)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をスイッチ制御領域2にセーブ(格納)する(ステップS257)。それから、1回目と2回目の読込みで変化したビット、即ち、信号を検出する(ステップS258)。
その後、今回の2回の読込み、即ち、ステップS251〜S258の処理で確定できるビットを抽出する(ステップS259)。一方、2回の読込みでは確定できないビットについては前回の割込み時におけるスイッチ読込み処理で読み込んだ値を抽出する(ステップS260)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。次に、ステップS259とS260で抽出した値を合成して、今回の読込み処理の確定状態としてRWMにセーブする(ステップS261)。その後、確定状態がハイレベルに変化したビットを検出して、対応する信号の立上りエッジの検出としてRWMにセーブして、スイッチ読込み処理を終了する(ステップS262)。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS43)の詳細について説明する。
図10に示すように、出力処理では、先ず一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート136(図3参照)をリセットする(ステップS431)。続いて、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新(ステップS432)し、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データをロードする(ステップS433)。次に、大入賞口ソレノイド38bの出力データをロードして上記デジット出力データと合成した後、普電ソレノイド37cの出力データをロードしてさらに合成する(ステップS434,S435)。そして、合成したデータを、ソレノイド・試験端子・デジットのデータ出力用のポート135へ出力する(ステップS436)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメントデータ領域からセグメント線の出力データを取得する(ステップS437)。そして、取得したデータをセグメント出力用のポート136に出力する(ステップS438)。続いて、外部情報端子71へ出力するデータをロードして合成し、外部情報出力用のポート137へ出力する(ステップS439,S440)。次に、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ1〜3をロードして合成し、中継基板70上に設けられている試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS441,S442)。
さらにその後、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ4〜6をロードして合成し、中継基板70上に設けられている試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS443,S444)。次に、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ7〜8をロードして合成し、中継基板70上に設けられている試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS445,S446)。また、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ9〜10をロードして合成し、中継基板70上に設けられている試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS447,S448)。さらに、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ11をロードして合成し、中継基板70上に設けられている試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップS449,S450)して、図10の出力処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS44)の詳細について説明する。
図11(a)に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS410)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS420)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
先ず、上述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS410)の詳細について説明する。
図11(b)に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、先ず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックする(ステップS411)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS412)。
このステップS412の判定で、設定コマンドなし(ステップS412;No)と判定した場合には当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS412の判定で、コマンドが設定されている(ステップS412;Yes)と判定した場合には次のステップS413でリードカウンタを更新(+1)する。そして、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS414)。それから、取得したコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS415)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS416)。それから、取得したコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS417)。しかる後、演出制御コマンド出力処理(ステップS418)へ移行する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS418)の詳細について説明する。
図12(a)に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS181)、コマンドデータ出力処理(ステップS182)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS183)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS184)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS185)を実行する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS182、S185)の詳細について説明する。
図12(b)に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS821)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS822)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS823)。そして、次のステップS824で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS824;No)と判定するとステップS822へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS824で、オフ時間が終了した(ステップS824;Yes)と判定するとステップS825へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS821でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS826)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS827)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS828)。
そして、次のステップS829で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS829;No)と判定するとステップS827へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS829で、オン時間が終了した(ステップS829;Yes)と判定するとステップS830へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS831)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS827で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS827〜S829のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS824及びステップS829は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔払出コマンド送信処理〕
先ず、上述のコマンド送信処理における払出コマンド送信処理(ステップS420)の詳細について説明する。
図13に示すように、払出コマンド送信処理においては、先ず入賞口別に設けられている入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかチェックする(ステップS201)。ここで、カウント数がない(ステップS202:No)と判定した場合には、ステップS203へ進んでチェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか判定する(ステップS204)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS204;Yes)と判定すると、当該コマンド送信処理を終了する。一方、ステップS204ですべてのチェックが終了していない(ステップS204;No)と判定すると、ステップS201へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS202で、カウント数がある(ステップS202;Yes)と判定した場合には、ステップS205へ移行して、入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)する。その後、入賞数カウンタ領域、即ち、入賞口に対応した払出コマンド(負論理のデータ)を取得する(ステップS206)。それから、データの読込みが有効か無効かを示すストローブ信号のオフ時間(例えばロウレベルに維持する時間)を設定する(ステップS207)。そして、次のステップS208で、上記ステップS206で取得した払出コマンド(負論理のデータ)とオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート131(図3参照)へ出力する。
しかる後、ステップS207で設定したオフ時間が経過したか否か判定し(ステップS209)、経過していない場合(ステップS209;No)にはステップS208へ戻り、経過した場合(ステップS209;Yes)にはステップS210へ進む。ステップS210では、ストローブ信号をオン状態(ハイレベル)に設定し、続いて負論理データの残り出力時間を設定する(ステップS211)。そして、次のステップS212で、引き続き払出コマンド(負論理のデータ)を出力するとともにオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する。その後、ステップS211で設定した負論理データの残り出力時間が経過したか否か判定し(ステップS213)、経過していない場合(ステップS213;No)にはステップS212へ戻り、経過した場合(ステップS213;Yes)にはステップS214へ進む。
ステップS214では、上記負論理の払出コマンドデータを反転して正論理の払出コマンドデータを生成する。それから、ストローブ信号のオン残り時間(ハイレベルの時間)を設定する(ステップS215)。そして、次のステップS216で、上記ステップS214で生成した払出コマンド(正論理のデータ)とオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する。しかる後、ステップS215で設定したオン時間が経過したか否か判定し(ステップS217)、経過していない場合(ステップS217;No)にはステップS216へ戻り、経過した場合(ステップS217;Yes)にはステップS218へ進む。
ステップS218では、ストローブ信号をオフ状態(ロウレベル)に設定し、続いて正論理データの残り出力時間を設定する(ステップS219)。そして、次のステップS220で、引き続き払出コマンド(正論理のデータ)を出力するとともにオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する。その後、ステップS219で設定した正論理データの残り出力時間が経過したか否か判定し(ステップS221)、経過していない場合(ステップS221;No)にはステップS220へ戻り、経過した場合(ステップS221;Yes)にはステップS222へ進む。ステップS222では、正論理の払出コマンドデータをポート状態保持データとしてRWMにセーブし、当該コマンド送信処理を終了する。
上記のように、負論理の払出コマンドデータを出力した後に正論理の払出コマンドデータを出力することによって、コマンド受信側では、負論理の払出コマンドデータと正論理の払出コマンドデータを読み込んで比較することによって、正しいコマンドを受信することができたか否かを判定することができる。例えば先に受信した負論理の払出コマンドデータを論理反転して、それと後で受信した正論理の払出コマンドデータとを比較して、同一でない場合にはコマンド受信エラーと判断し、コマンドの再送を遊技制御装置へ要求することで正確なコマンドを受信することが可能となる。
〔乱数更新処理1〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS45)の詳細について説明する。
乱数更新処理1は、図7の初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数1、当り乱数、大当り図柄乱数2の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
図14に示すように、乱数更新処理1においては、先ず乱数の更新状態を示すソフト乱数ステータスレジスタの値を読み込む(ステップS451)。そして、乱数が1周して次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数があるかチェックする(ステップS452)。ここで、初期値設定待ちの乱数がなければ当該乱数更新処理1を終了する(ステップS453:No)。一方、初期値設定待ちの乱数があるときはステップS454へ進む(ステップS453:Yes)。
ステップS454では、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数があるかチェックする。ここで、初期値設定待ちでなければステップS457へジャンプする(ステップS455:No)。一方、普図の当り乱数が初期値設定待ちであるときはステップS456へ進む(ステップS455:Yes)。ステップS456では、普図の当り乱数の次回の初期値を、対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定して、ステップS457へ進む。
ステップS457では、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数があるかチェックする。ここで、初期値設定待ちでなければステップS460へジャンプする(ステップS458:No)。一方、大当り図柄乱数1が初期値設定待ちであるときはステップS459へ進む(ステップS458:Yes)。ステップS459では、大当り図柄乱数1の次回の初期値を、対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定して、ステップS460へ進む。
ステップS460では、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数があるかチェックする。ここで、初期値設定待ちでなければ当該乱数更新処理1を終了する(ステップS461:No)。一方、大当り図柄乱数2が初期値設定待ちであるときはステップS462へ進む(ステップS461:Yes)。ステップS462では、大当り図柄乱数2の次回の初期値を、対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定して、当該乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS46)の詳細について説明する。
乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
なお、本実施例においては、変動パターン乱数として1バイトの乱数と、2バイトの乱数があり、図15の乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。
図15に示すように、乱数更新処理2においては、先ず更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS601)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応するテーブルアドレスを算出する(ステップS602)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS603)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンに設けられているDRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、Rレジスタと称する)のようなランダムな値が設定されるレジスタの値を読み込む(ステップS604)。Rレジスタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。ステップS604の次は、Rレジスタの値をマスクするためのマスク値を取得して、Rレジスタの値をマスクする(ステップS605)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数に設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。
次に、マスク値によってRレジスタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したものをマスク更新値とする(ステップS606)。マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。それから、上位1バイトを「0」とし、下位1バイトを上記マスク更新値としたものを加算値とする(ステップS607)。
それから、次のステップS608で、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかチェックする。ここで、上位1バイトでなければステップS611へジャンプする(ステップS609:No)。一方、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトであるときはステップS610へ進む(ステップS609:Yes)。ステップS610では、上位1バイトを上記マスク更新値、下位1バイトを「0」としたものを加算値として、ステップS611へ進む。
ステップS611では、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定する。その後、乱数値の下位1バイトとして、1バイト乱数又は2バイト乱数の下位1バイトをロードする(ステップS612)。そして、更新する乱数が1バイト乱数か否かチェックする(ステップS613)。ここで、更新する乱数が1バイト乱数であるときはステップS616へジャンプする(ステップS614:Yes)。一方、更新する乱数が1バイト乱数でないときはステップS615へ進む(ステップS614:No)。ステップS615では、乱数値の上位1バイトとして2バイト乱数の上位1バイトをロードして、ステップS616へ進む。
ステップS616では、乱数値にステップS607、S610で決定した加算値を加算した値を算出する。さらに、この算出値よりステップS603で取得した上限判定値を差し引いて更新値を求める(ステップS617)。そして、この更新値が「0」よりも小さいか判定する(ステップS618)。このステップで、更新値が「0」よりも小さくなければ(ステップS618;Noなら)ステップS620へジャンプする。一方、更新値が「0」よりも小さいときはステップS619へ進む(ステップS618:Yes)。ステップS619では、ステップS617で更新した更新値にステップS603で取得した上限判定値を加算したものを新たな更新値とし、ステップS620へ進む。
ステップS620では、更新値の下位1バイトを乱数領域の下位側にセーブする。それから、更新する乱数が1バイト乱数か否かチェックする(ステップS621)。ここで、更新する乱数が1バイト乱数であるときはステップS623をスキップして当該乱数更新処理2を終了する(ステップS622:Yes)。一方、更新する乱数が1バイト乱数でないときはステップS623へ進む(ステップS622:No)。ステップS623では、更新値の上位1バイトを乱数領域の上位側にセーブして、当該乱数更新処理2を終了する。
〔入賞口スイッチ/エラー監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)の詳細について説明する。
入賞口スイッチ/エラー監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、エラーの監視を行う処理である。
図16に示すように、入賞口スイッチ/エラー監視処理においては、先ずエラー監視処理が不要な入賞口スイッチの入賞監視テーブル(例えばエラー監視不要なスイッチを示すリスト)を準備する(ステップS471)。エラー監視処理が不要な入賞口スイッチについては、エラー監視はしないが入賞検出処理は行うので、ステップS471でその処理のために入賞監視テーブルを用意し、次のステップで、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS472)を実行する。この入賞数カウンタ更新処理の詳細な手順については、後に図17を用いて説明する。
入賞数カウンタ更新処理(ステップS472)の後は、特別変動入賞装置(大入賞口)38内のカウントスイッチ38aのエラー監視テーブル(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS473)。それから、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する入賞監視処理S474を実行する。この入賞監視処理の詳細な手順については、後に図18を用いて説明する。つまり、カウントスイッチ38aは、エラー監視処理が必要であるとして、ステップS471で外された入賞口スイッチの一つである。
入賞監視処理(ステップS474)の後は、普電(普通変動入賞装置37)内の始動口2スイッチ37aのエラー監視テーブルを準備する(ステップS475)。それから、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する入賞監視処理S476を実行する。つまり、始動口2スイッチ37aは、エラー監視処理が必要であるとして、ステップS471で外された入賞口スイッチの一つである。
次に、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新する(ステップS477)。続いて、払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ、オーバーフロースイッチ及び払出制御装置の異常監視用のエラー監視テーブルを準備する(ステップS478)。それから、これらのスイッチ及び払出制御装置に異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理S479を実行する。
その後、前枠開放検出スイッチ63及び遊技枠開放検出スイッチ64からの信号に基づく前枠(ガラス枠15)及び遊技枠(前面枠12)の開放監視用のエラー監視テーブルを準備する(ステップS480)。それから、前枠及び遊技枠の開放監視用エラースキャンカウンタを準備し(ステップS481)、これらのスイッチに異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理(ステップS482)を実行する。
〔入力数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における入力数カウンタ更新処理(ステップS472)の詳細について説明する。
図17に示すように、入力数カウンタ更新処理においては、先ず、ステップS471で取得した入賞監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS711)。次に、図9のステップS262でRWMにセーブしたスイッチ入力信号の立ち上がりエッジを取得する(ステップS712)。そして、監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)があるかチェックする(ステップS713)。ここで、入力がない(S714:No)と判定するとステップS719へジャンプし、入力がある(S714:Yes)と判定すると、次のステップS715で、更新対象である入賞数カウンタ領域の値をロードする。
それから、ステップS715でロードした値を更新(+1)してオーバーフローするかチェックする(ステップS716)。そして、オーバーフローが発生していない(ステップS717:No)と判定すると、ステップS718へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブしてからステップS719へ進む。一方、ステップS717でオーバーフローが発生している(S717;Yes)と判定すると、ステップS718をスキップしてステップS719へジャンプする。例えば、始動入賞のように、予め最大記憶数(例えば4個)が設定されているものにおいては、更新後の値がセーブされないこととなる。ステップS719では、全部のスイッチの監視処理が終了したか判定して、終了している場合(ステップS719:Yes)には当該入力数カウンタ更新処理を終了し、終了していない場合(ステップS719:No)にはステップS712へ戻り上記処理を繰り返す。
〔入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における入賞監視処理(ステップS474、S476)の詳細について説明する。
入賞監視処理は、大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理であり、入賞の検出の他に不正の監視をする。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)は、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いためである。
図18に示すように、入賞監視処理においては、先ず不正入賞数の加算値として「0」を設定する(ステップS741)。それから、図9のステップS262でRWMにセーブしたスイッチ入力信号の立ち上がりエッジをロードする(ステップS742)。そして、エラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37a)に入力があるかチェックする(ステップS743)。ここで、入力なし(ステップS744:No)と判定すると、ステップS746へジャンプし、入力がある(ステップS744:Yes)と判定すると、ステップS745へ進んで不正入賞数の加算値として「1」を設定してステップS746へ進む。ステップS746では、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをRWMからロードする。
その後、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正入賞エラー発生コマンドを取得する(ステップS747)。そして、次のステップS748で不正監視期間かつまり遊技状態として大入賞口(特別変動入賞装置38)が閉じている期間又は普電(普通変動入賞装置37)が閉じている期間かチェックし、不正監視期間でない(ステップS749:No)と判定するとステップS758へジャンプし、不正監視期間である(ステップS749:Yes)と判定すると、ステップS750へ進んで不正入賞数加算値が「0」かチェックする。ここで、不正入賞数加算値が「0」である(ステップS751:Yes)と判定するとステップS760へジャンプし、不正入賞数加算値が「0」でない(ステップS751:No)と判定すると、ステップS752へ進んでエラー監視対象の不正入賞数に「1」を加算する。
次に、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかチェックする(ステップS753)。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しない、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。ここで、判定個数を超えていない(ステップS754:No)と判定するとステップS758へジャンプし、判定個数を超えた(ステップS754:Yes)と判定するとステップS755へ進む。
ステップS755では、不正入賞数を不正発生判定個数に留め、次のステップS756で報知タイマ領域に初期値をセーブしてから、エラー発生フラグを準備する(ステップS757)。その後、ステップS767へ移行して、エラー監視対象の入賞口スイッチのエラーフラグ領域を準備して、ステータス更新処理S768を実行する。ステータス更新処理については、図22を用いて後に説明するが、エラーが発生しているとこの中でエラー報知コマンドが演出制御装置300へ送信され、エラー報知がなされる。
一方、ステップS754で判定個数を超えていない(ステップS754;No)と判定して移行したステップS758では、エラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37a)の入賞監視テーブルを準備する。その後、入賞数カウンタを更新するつまり賞球排出の対象として入賞数を計数する処理S759を実行してから、報知タイマ領域を更新(−1)する(ステップS760)。そして、次のステップS761で当該タイマがタイムアップしたか判定し、タイムアップしていない(ステップS761:No)と判定したときは一旦当該入賞監視処理を抜ける。また、報知タイマがタイムアップした(ステップS761:Yes)と判定したときは、ステップS762へ進んでエラー監視対象の入賞口スイッチの不正入賞エラー解除コマンドを設定する。つまり、所定時間経過しても不正入賞が所定個数以上発生しない場合には、不正入賞エラー解除コマンドを設定する。
ステップS762の後、エラー解除フラグを準備し(ステップS763)、エラー解除タイミングかチェックする(ステップS764)。ここで、エラー解除タイミングでない(ステップS765:No)と判定すると、ステップS767へジャンプし、エラー解除タイミングである(ステップS765:Yes)と判定すると、ステップS766へ進んで不正入賞数をリセットし、ステップS767へ進む。ステップS767では、エラー監視対象の入賞口スイッチのエラーフラグ領域を準備してステップS757で準備したエラー発生フラグ又はステップS763で準備したエラー解除フラグに対応した設定を行なってから、ステータス更新処理S768へ移行する。ステップS762で設定された不正入賞エラー解除コマンドは、このステータス更新処理S768の中で演出制御装置300へ送信され、エラー報知が解除される。
〔ステータス更新処理〕
次に、上述の入賞監視処理におけるステータス更新処理(ステップS768)の詳細について説明する。
図19に示すように、ステータス更新処理においては、ステップS757で準備したエラー発生フラグ又はステップS763で準備したエラー解除フラグが、ステップS767で準備したエラー監視対象のエラーフラグ領域の値と変化しているか(異なるか)チェックする(ステップS681)。
ここで、エラーフラグ領域の値から変化していない(ステップS682:No)と判定したときは当該ステータス更新処理を終了する。また、エラーフラグ領域の値から変化した(ステップS682:Yes)と判定したときは、ステップS683へ進んでエラーフラグをRWMにセーブする。その後、エラー報知コマンド(MODE)を準備し(ステップS684)、当該エラー報知コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップS685)を実行して、ステータス更新処理が終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図20に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
なお、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)の詳細については後述する。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
なお、特図変動中処理(ステップA10)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
なお、特図表示中処理(ステップA11)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
なお、ファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
なお、大入賞口開放中処理(ステップA13)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
なお、大入賞口残存球処理(ステップA14)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
なお、大当り終了処理(ステップA15)の詳細については後述する。
その後、分岐処理にて準備したテーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA16)。
そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
なお、図柄変動制御処理(ステップA18、A20)の詳細については後述する。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA17に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図21に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口36(第1始動口)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA111)、さらに、第1始動口による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA112)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113)を行う。
なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA120における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA114)、普通電動役物が作動中である(ステップA115;Yes)と判定すると、処理をステップA118に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA115にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA116)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA117)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA117;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA118)、さらに、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA119)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA120)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合(ステップA117;Yes)、ステップA118〜ステップA120をスキップして、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図22に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号制御出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。
続けて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図23に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。なお、ステップA235における大当り判定処理は、特図普段処理における大当り判定処理(図28(b)参照)と同様であり、その詳細については後述する。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合にも(ステップA234;Yes)、特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA236)を行った後、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA237;No)と判定すると、処理をステップA245に移行する。
一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA237;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(ステップA238)。
次に、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA239)、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA240;No)と判定すると、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に置き換えて、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(ステップA241)。
そして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA242)を行った後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA243)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA244)を行う。
また、ステップA240にて、始動口1スイッチ36aの入力であると判定された場合(ステップA240;Yes)は、処理をステップA242に移行して、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に基づいてそれ以降の処理を行う。
次に、大当り情報テーブルから始動口入賞演出情報を取得する処理(ステップA245)を行って、当該始動口入賞演出情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA246)。
続けて、大当り情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得する処理(ステップA247)を行って、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA249)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA250)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA251)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA252)を行う。
なお、ステップA250における特図情報設定処理、ステップA251における後半変動パターン設定処理、ステップA252における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理(図31参照)、後半変動パターン設定処理(図32参照)、変動パターン設定処理(図33参照)と同様であり、その詳細については後述する。
そして、変動パターンに対応する始動口入賞演出コマンドを準備し(ステップA253)、コマンド設定処理(ステップA254)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA253にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA255にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
ここで、遊技制御装置100は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と対応して記憶される遊技結果情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する遊技結果事前判定手段として機能する。
〔カウントスイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるカウントスイッチ監視処理の詳細について説明する。
図24に示すように、カウントスイッチ監視処理では、先ず、特別変動入賞装置38の大入賞口が開放中であるか否かをチェックして(ステップA261)、大入賞口が開放中である(ステップA262;Yes)と判定すると、カウントスイッチ38aの入力があるか否かをチェックして(ステップA263)、カウントスイッチ38aの入力がある(ステップA264;Yes)と判定すると、大入賞口カウンタの数値を更新(+1)する処理(ステップA265)を行う。
続けて、大入賞口カウンタのカウント数が上限値に達したか否かをチェックして(ステップA266)、大入賞口カウント数が上限値に達した(ステップA267;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理タイマを0クリアする処理(ステップA268)を行って、カウントスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA262にて、大入賞口が開放中でないと判定されるか(ステップA262;No)、或いは、ステップA264にて、カウントスイッチ38aの入力がないと判定されるか(ステップA264;No)、或いは、ステップA267にて、大入賞口カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(ステップA267;No)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図25に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。
そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。
そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。
一方、ステップA306にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。
次に、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA310)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する処理(ステップA312)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する処理(ステップA314)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。
すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図26に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。なお、ステップA321における大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。なお、ステップA322における特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。
続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグをロードして準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA327)。
続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
なお、ステップA329における特図情報設定処理、ステップA330における後半変動パターン設定処理、ステップA331における変動パターン設定処理、ステップA332における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図27に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、第2特図停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA343)。
続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA344)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA345)。
次に、特図2変動フラグをロードして準備し(ステップA346)、特図2変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA347)。
続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA348)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA349)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA350)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA351)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA352)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
以下に、図26に示す特図1変動開始処理における、大当りフラグ1設定処理(ステップA321)、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)、特図情報設定処理(ステップA329)、後半変動パターン設定処理(ステップA330)、変動パターン設定処理(ステップA331)、変動開始情報設定処理(ステップA332)の各々について説明する。
なお、図27に示す特図2変動開始処理における、大当りフラグ2設定処理(ステップA341)、特図2停止図柄設定処理(ステップA342)、特図情報設定処理(ステップA349)、後半変動パターン設定処理(ステップA350)、変動パターン設定処理(ステップA351)、変動開始情報設定処理(ステップA352)の各々は、特図1変動開始処理における、大当りフラグ1設定処理(ステップA321)、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)、特図情報設定処理(ステップA329)、後半変動パターン設定処理(ステップA330)、変動パターン設定処理(ステップA331)、変動開始情報設定処理(ステップA332)の各々と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA321)の詳細について説明する。
図28(a)に示すように、大当りフラグ1設定処理では、先ず、大当りフラグ1にはずれ情報をセーブした後(ステップA361)、RWMの乱数セーブ領域から大当り乱数をロードして準備し(ステップA362)、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA363)を行う。
なお、ステップA363における大当り判定処理の詳細については後述する。
そして、ステップA363における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA364;Yes)と判定すると、ステップA361にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1に大当り情報を上書きしてセーブした後(ステップA365)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA366)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、ステップA363における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA364;No)と判定すると、大当りフラグ1にはずれ情報がセーブされた状態で、処理をステップA366に移行して、それ以降の処理を行う。
〔大当り判定処理〕
次に、上述の大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA363)の詳細について説明する。
図28(b)に示すように、大当り判定処理では、先ず、大当り判定用の下限判定値を設定する処理(ステップA371)を行う。その後、大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、図28(a)のステップA362で読み込んだ大当り乱数の値が、当該大当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックして(ステップA372)、大当り乱数の値が下限判定値未満でない(ステップA373;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態である場合の上限判定値を設定する処理(ステップA374)を行う。
次に、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)となっているか否かを判定する処理(ステップA375)を行う。ここで、高確率状態となっている(ステップA375;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態である場合の上限判定値を設定する処理(ステップA376)を行った後、大当り乱数の値が上限判定値を超えたか否かをチェック、つまり、図28(a)のステップA362で読み込んだ大当り乱数の値が、当該大当り乱数の当り判定値の上限値よりも大きいかをチェックして(ステップA377)、大当り判定処理を終了する。
一方、ステップA375にて、高確率状態となっていない(ステップA375;No)と判定すると、ステップA376をスキップして、大当り乱数の値がステップA374にて設定された上限判定値より大きいか否かをチェックして(ステップA377)、大当り判定処理を終了する。
また、ステップA373にて、大当り乱数の値が下限判定値未満である(ステップA373;Yes)と判定すると、大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かの判定に係るステップA374〜A377の処理を行わずに、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。
特図1停止図柄設定処理は、第1特図変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理であり、図29に示すように、先ず、第1特図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号をセーブした後(ステップA381)、停止図柄パターン情報にはずれ時の停止図柄パターン番号をセーブする(ステップA382)。
次に、大当りフラグ1が大当りであるか否か、即ち、大当り情報がセーブされているか否かをチェックして(ステップA383)、大当りである(ステップA384;Yes)と判定すると、第1特図の大当り図柄テーブルを設定する処理(ステップA385)を行う。
続けて、RWMの乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードして(ステップA386)、当該大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する処理(ステップA387)を行い、第1特図停止図柄に大当り時の停止図柄番号をセーブする(ステップA388)。
次に、第1特図停止図柄(大当り図柄)に対応する停止図柄情報を設定する停止図柄情報設定処理(ステップA389)を行う。なお、ステップA389における停止図柄情報設定処理の詳細については後述する。
次に、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA390)を行う。また、ステップA384にて、大当りフラグ1が大当りでないと判定された場合(ステップA384;No)には、ステップA385〜ステップA389の処理を行わない、つまり、特図1停止図柄にはステップA381にてセーブしたはずれ時の停止図柄番号が、停止図柄パターン情報にはステップA382にてセーブしたはずれ時の停止図柄パターン番号がセーブされた状態で、処理をステップA390に移行して、それ以降の処理を行う。
続けて、停止図柄パターン情報に対応する飾り特図1コマンド(ACTION)を取得する処理(ステップA391)を行った後、飾り特図1コマンド(MODE)を取得する処理(ステップA392)を行って、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップA393)。
そして、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA394)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、上述の特図1停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理(ステップA389)の詳細について説明する。
図30に示すように、停止図柄情報設定処理では、先ず、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態である場合の大当り停止図柄情報テーブルを設定する処理(ステップA401)を行う。
次に、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かを判定する処理(ステップA402)を行う。
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中である(ステップA402;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)や、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合の大当り停止図柄情報テーブルを設定する処理(ステップA403)を行う。
なお、ステップA402にて、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA402;No)と判定すると、ステップA403における大当り停止図柄情報テーブルの設定処理を行わずに、処理をステップA404に移行させる。
続けて、ステップA401、或いはステップA403にて設定された大当り停止図柄情報テーブルを用いて、ステップA404以降の処理を行う。
即ち、停止図柄番号に対応する停止図柄パターン番号を取得する処理(ステップA404)を行った後、当該停止図柄パターン番号をRWMの停止図柄情報領域にセーブする(ステップA405)。
続けて、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得する処理(ステップA406)を行った後、当該確率変動判定フラグをRWMの確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA407)。
次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値データを取得する処理(ステップA408)を行った後、当該ラウンド数上限値データをRWMのラウンド数上限値判定フラグ領域にセーブする(ステップA409)。
続けて、停止図柄番号に対応する大入賞口開放データを取得する処理(ステップA410)を行った後、当該大入賞口開放データをRWMの大入賞口開放データ判定フラグ領域にセーブする(ステップA411)。
次に、停止図柄番号に対応する変動振り分けデータを取得する処理(ステップA412)を行った後、当該変動振り分けデータをRWMの変動振り分け判定フラグ領域にセーブして(ステップA413)、停止図柄情報設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA349)の詳細について説明する。
図31に示すように、特図情報設定処理では、先ず、第1特図及び第2特図のうち、設定対象の特図(例えば、第1特図等)を示すフラグを特図フラグにセーブする(ステップA421)。次に、第1特図及び第2特図のうち、対象の特図の保留数を保留数ポインタとしてロードする(ステップA422)。次に、変動振り分けポインタとして基本値0を設定する処理(ステップA423)を行った後、遊技モードポインタとして特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態の値を設定する処理(ステップA424)を行う。
次に、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かを判定する処理(ステップA425)を行う。
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中である(ステップA425;Yes)と判定すると、変動振り分けポインタとして変動パターン振り分け情報をロードした後(ステップA426)、保留数ポインタとして基本値0を設定する処理(ステップA427)を行い、続けて、遊技モードポインタとして普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態の値を設定する処理(ステップA428)を行う。
次に、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)となっているか否かを判定する処理(ステップA429)を行う。
ここで、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっている(ステップA429;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが高確率状態の場合に選択される値を、遊技モードポインタとして設定する処理(ステップA430)を行う。
ここで、遊技モードとしては複数の遊技モードが設定されており、特図変動表示ゲームにおける当りを判定するための確率が高確率状態である場合に、高確率モードAと高確率モードBを有するように構成されている。高確率モードAと高確率モードBとでは、特図変動表示ゲームにおける当り判定の確率は共通であるが、各々のモードにおける特図変動表示ゲームの変動パターン(演出パターン)が異なるように設定されている。
そして、ステップA430では、遊技モードポインタとして、高確率モードAに対応するものが設定され、遊技モードポインタに補正が必要かどうか変動パターン振り分け情報をチェックする処理(ステップA431)が行われる。つまり、現在の遊技モードが高確率モードAであるのか、高確率モードBであるのかをチェックすることとなる。
続けて、ステップA431におけるチェック処理に基づき、補正が必要である(ステップA432;Yes)と判定すると、遊技モードポインタを補正する処理(ステップA433)を行う。つまり、ステップA431におけるチェック処理により、現在の遊技モードが高確率モードBであると判定された場合は、遊技モードポインタとして高確率モードBに対応するものを設定(補正)することとなる。
続けて、第1特図及び第2特図のうち、設定対象の特図(例えば、第1特図等)の保留数が2未満か否かをチェックする(ステップA434)。
また、ステップA429にて、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっていないと判定されるか(ステップA429;No)、或いは、ステップA432にて、遊技モードポインタに補正が必要でないと判定された場合にも(ステップA432;No)、処理をステップA434に移行して、それ以降の処理を行う。
そして、保留数が2未満でない(ステップA435;No)と判定すると、保留数ポインタとして1を設定する処理(ステップA436)を行う。
次に、保留・遊技モードポインタとしての保留数ポインタと遊技モードポインタを加算する処理(ステップA437)を行って、当該保留・遊技モードポインタをRWMの対象となる前半変動情報1領域にセーブする(ステップA438)。
また、ステップA425にて、普通変動入賞装置37がサポート中でないと判定されるか(ステップA425;Yes)、或いは、ステップA435にて、保留数が2未満であると判定された場合には(ステップA435;Yes)、処理をステップA437に移行して、それ以降の処理を行う。
続けて、変動振り分けポインタをRWMの対象となる前半変動情報2領域にセーブした後(ステップA439)、停止図柄パターン情報をロードして(ステップA440)、当該停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報を設定する処理(ステップA441)を行う。
次に、特図フラグにセーブされているフラグをチェックして(ステップA442)、第1特図及び第2特図のうち、第1特図を示すフラグがセーブされていない、即ち、第2特図を示すフラグがセーブされている(ステップA443;No)と判定すると、変動選択グループ情報を補正する処理(ステップA444)を行う。
ここで、ステップA441にて設定される停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報は、第1特図変動表示ゲームに対応するものであるため、ステップA442のチェック処理により第2特図を示すフラグがセーブされていると判定された場合は、停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報として、第2特図変動表示ゲームに対応するものに設定する。
すなわち、ステップA441にて設定された停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報を、第2特図変動表示ゲームに対応するものに補正することとなる。
一方、第1特図を示すフラグがセーブされている(ステップA443;Yes)と判定すると、ステップA444の処理を行わずにステップA445へ移行する。
すなわち、ステップA441にて設定された停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報に基づいて以降の処理を実行することとなる。
続けて、保留数ポインタを変動選択グループ情報1にセーブした後(ステップA445)、変動選択グループ情報を変動選択グループ情報2にセーブする(ステップA446)。
次に、停止図柄パターンに対応する変動選択テーブルのアドレスを設定する処理(ステップA447)を行って、当該アドレスをRWMの対象となる変動テーブルセーブ領域にセーブする(ステップA448)。
続けて、変動選択グループ情報と変動振り分けポインタから特図情報を算出する処理(ステップA449)を行って、特図情報設定処理を終了する。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)の詳細について説明する。
図32に示すように、後半変動パターン設定処理では、先ず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA451)を行う。
次に、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターンがはずれ図柄パターンであるか否かをチェックして(ステップA452)、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである(ステップA453;Yes)と判定すると、設定対象の変動選択グループ情報1から保留数ポインタをロードした後(ステップA454)、当該保留数ポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA455)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA456)、ステップA455にてアドレスが算出された変動グループ選択テーブルを準備して(ステップA457)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA458)を行う。
また、ステップA453にて、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンでない(ステップA453;No)と判定されると、処理をステップA456に移行して、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA456)、ステップA451にてアドレスが算出された変動グループ選択テーブルを準備して(ステップA456)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA458)を行う。
次に、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA459)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(ステップA460)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理(ステップA461)を行う。
次に、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(ステップA462)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(ステップA463)、後半変動パターン設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA351)の詳細について説明する。
図33に示すように、変動パターン設定処理では、先ず、変動選択グループ情報2をロードして(ステップA471)、当該変動選択グループ情報2に対応する前半変動選択アドレステーブル(1st)を設定する処理(ステップA472)を行う。
次に、後半変動番号を対象の後半変動番号領域からロードして(ステップA473)、前半変動選択アドレステーブル(1st)の後半変動番号に対応するアドレスを算出する処理(ステップA474)を行う。続けて、算出されたアドレスから前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを取得する処理(ステップA475)を行った後、対象の前半変動情報1をテーブルポインタとしてロードする(ステップA476)。
次に、後半変動番号が1であるか否かをチェックして(ステップA477)、後半変動番号が1でない(ステップA478;No)と判定すると、対象の前半変動情報2をテーブルポインタとしてロードする(ステップA479)。
続けて、テーブルポインタに対応する前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを算出する処理(ステップA480)を行う。
また、ステップA478にて、後半変動番号が1である(ステップA478;Yes)と判定すると、処理をステップA480に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、ステップA480にて算出されたアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA481)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数3を対象の領域からロードして準備し(ステップA482)、前半変動番号を特定する振り分け処理(ステップA483)を行う。
次に、振り分け処理の結果得られた前半変動番号を取得する処理(ステップA484)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA352)の詳細について説明する。
図34に示すように、変動開始情報設定処理では、先ず、対象となる変動パターン乱数のRWMのセーブ領域をクリアした後(ステップA491)、変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値テーブルの値を取得する処理(ステップA492)を行い、続けて、後半変動パターン設定処理にて取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値テーブルの値を取得する処理(ステップA493)を行う。
次に、取得された前半変動時間値と後半変動時間値とを加算する処理(ステップA494)を行った後、加算値を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA495)。
続けて、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備した後(ステップA496)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA497)、コマンド設定処理(ステップA498)を行う。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA499)、コマンド設定処理(ステップA500)を行う。
続けて、表示装置41に表示される特図保留数に係る飾り特図1保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップA501)、RWMの第1特図の乱数セーブ領域のアドレスを準備する(ステップA502)。
次に、特図変動フラグ領域にセーブされている特図変動フラグが特図1変動フラグであるか特図2変動フラグであるかをチェックして(ステップA503)、特図1変動フラグでない、即ち、特図2変動フラグである(ステップA504;No)と判定すると、表示装置41に表示される特図保留数に係る飾り特図2保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップA505)、RWMの第2特図の乱数セーブ領域のアドレスを準備する(ステップA506)。
続けて、第1特図及び第2特図のうち、変動対象の特図保留数を更新(−1)する処理(ステップA507)を行う。
また、ステップA504にて、特図1変動フラグであると判定された場合にも(ステップA504;Yes)、処理をステップA507に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、第1特図及び第2特図のうち、変動対象の飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA508)、コマンド設定処理(ステップA509)を行う。
そして、第1特図及び第2特図のうち、変動対象の特図の乱数セーブ領域をシフトし、シフト後の空き領域をクリアする特図乱数シフト処理(ステップA510)を行って、変動開始情報設定処理を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。
図35に示すように、特図変動中処理では、先ず、普通変動入賞装置37のサポートがない場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA521)を行う。
次に、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かを判定する(ステップA522)。
ここで、普通変動入賞装置37サポート中である場合(ステップA522;Yes)、特図変動フラグに対応する大当りフラグをロードして当該大当りフラグに大当り情報がセーブされているかチェックして(ステップA523)、大当りフラグに大当り情報がセーブされていない場合(はずれ情報がセーブされている場合)(ステップA524;No)、ステップA522における普通変動入賞装置37のサポートが開始されてからの特図変動表示ゲームの実行回数が普電サポート継続演出1回目の時間短縮(時短)変動回数(例えば、20回目)かチェックする(ステップA525)。
そして、普電サポート継続演出1回目の時間短縮変動回数である(ステップA526;Yes)と判定した場合、RWMの特図停止情報領域(図44(b)参照)から普電サポート継続演出回数に対応する特図停止情報をロードする(ステップA531)。
具体的には、図44(b)に示すように、RWMの特別停止情報領域は、普電サポート継続演出1〜3回目のそれぞれの時間短縮変動回数における特図変動表示ゲームの特図停止情報を書き込むための「情報1」領域、「情報2」領域、「情報3」領域を有している。そして、特別停止情報領域には、ROM111Bに格納されている特図停止情報テーブル(図44(a)参照)に基づいて各領域に普電サポート開始の契機となった大当りに係る図柄番号に対応した特図停止情報「0」〜「3」の何れかが一時記憶されるようになっている。例えば、普電サポート開始の契機となった大当りに係る図柄番号が「1」の場合、普電サポート継続演出1回目の時間短縮変動回数に対応する「情報1」領域から特図停止情報「1」をロードする。
なお、図43(b)に示すように、特図停止情報「1」は特図変動表示ゲームの停止表示時間Aと、特図停止情報「2」は特図変動表示ゲームの停止表示時間Bと、特図停止情報「3」は特図変動表示ゲームの停止表示時間Cと、特図停止情報「0」は特図変動表示ゲームの停止表示時間Dと、対応付けられている。
また、特図停止情報「0」は普電サポート継続演出を行わない継続演出なしコード、特図停止情報「1」〜「3」のそれぞれは普電サポート継続演出を行う継続演出コードとなっている。
また、確率状態が高確率モードBに設定されている場合、すなわち実際には高確率状態である確率非報知状態において、特図停止情報「3」をロードした場合には高確率状態であることを報知する演出を行うようになっている。
ここで、遊技制御装置100は、特定遊技が高確率状態であり、該特定遊技における特図変動表示ゲームが所定回数となった場合に、確率非報知状態から確率状態が高確率状態であることを報知する確率報知状態へ移行する確率報知状態移行手段として機能する。
次に、特図停止情報が継続演出なしコードかチェックして(ステップA532)、継続演出なしコードでない(ステップA533;No)と判定した場合、普電サポート継続演出回数に対応する特図停止情報領域(「情報1」領域)のデータをリセットして(ステップA534)、特図停止時間ポインタとして特図停止情報を設定する(ステップA535)。
ここで、遊技制御装置100は、特殊停止表示時間設定手段(遊技制御装置100)により特殊停止表示時間(停止表示時間A〜C)が設定された場合に当該特殊停止表示時間において通常実行可能とされる通常演出態様(継続演出)を実行する通常演出実行手段として機能する。
次に、ステップA535にて設定された特図停止情報が普電サポート継続演出「3」コードかチェックして(ステップA536)、普電サポート継続演出「3」コードである(ステップA537;Yes)と判定した場合、変動パターン振り分け情報を変更して(ステップA538)、ステップA539へ移行する。一方、普電サポート継続演出「3」コードでない(ステップA537;No)と判定した場合、ステップA538をスキップして、ステップA539へ移行する。なお、ステップA538において変動パターン振り分け情報が変更されると、次回以降の変動表示ゲームにおける変動パターンの振り分けが変更されることとなる。具体的には、ステップA537にて特図停止情報「3」をロードして高確率状態であることを報知する演出が行われることで、遊技状態を確率非報知状態とする必要がなくなるため、以降の変動表示ゲームにおいて遊技状態が高確率状態である場合のみに選択される変動パターンが選択され得るようになる。
次に、A539にて、特図変動フラグと特図停止時間ポインタに対応する特図停止コマンドを準備して(ステップA539)、準備された特図停止コマンドに基づいてコマンド設定処理(ステップA540)を行う。
次に、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA541)を行う。そして、ステップA521、A535の何れかにて設定された特図停止時間ポインタに対応する停止時間、即ち、ステップA521にて設定された普電サポートなし時の特図停止時間ポインタ、ステップA535にて設定された普電サポート継続演出時の特図停止時間ポインタの何れかに対応する停止時間を取得する処理(ステップA542)を行った後、取得された停止時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA543)。
そして、特図表示中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA544)、具体的には、当該テーブルに、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行って、特図変動中処理を終了する。
また、ステップA526にて、普電サポート継続演出1回目でない(ステップA526;No)と判定すると、普電サポートが開始されてからの特図変動表示ゲームの実行回数が普電サポート継続演出2回目の時間短縮(時短)変動回数(例えば、40回目)かチェックして(ステップA527)、普電サポート継続演出2回目の時間短縮変動回数である(ステップA528;Yes)と判定すると、RWMの特図停止情報領域から普電サポート継続演出回数に対応する特図停止情報をロードする処理(ステップA531)を行う。具体的には、図44(b)に示すように、普電サポート開始の契機となった大当りに係る図柄番号が「1」の場合、「情報2」領域から特図停止情報「1」をロードする。そして、普電サポート継続演出1回目の場合と同様に、ステップA532以降の処理を行い、特図変動中処理を終了する。
また、ステップA528にて、普電サポート継続演出2回目でない(ステップA528;No)と判定すると、普電サポートが開始されてからの特図変動表示ゲームの実行回数が普電サポート継続演出3回目の時間短縮(時短)変動回数(例えば、100回目)かチェックして(ステップA529)、普電サポート継続演出3回目の時間短縮変動回数である(ステップA530;Yes)と判定すると、RWMの特図停止情報領域から普電サポート継続演出回数に対応する特図停止情報をロードする処理(ステップA531)を行う。具体的には、図44(b)に示すように、普電サポート開始の契機となった大当りに係る図柄番号が「1」の場合、「情報3」領域から特図停止情報「1」をロードする。そして、普電サポート継続演出1回目、2回目の場合と同様に、ステップA532以降の処理を行い、特図変動中処理を終了する。
一方、普電サポート継続演出3回目の時間短縮変動回数でない(ステップA530;No)と判定すると、ステップA539にジャンプしてそれ以降の処理を行い特図変動中処理を終了する。
また、ステップA522にて普電サポート中でない(ステップA522;No)と判定された場合、ステップA524にて、大当りに当選している(ステップA524;Yes)と判定された場合、ステップA533にて、普電サポート継続演出なしコードである(ステップA533、Yes)と判定された場合にも、ステップA539にジャンプしてそれ以降の処理を行い特図変動中処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの停止結果態様を所定の停止表示時間に亘って停止表示させる停止表示制御手段として機能するとともに、所定条件の成立に基づき停止表示制御手段(遊技制御装置100)によって停止結果態様が停止表示される時間として通常の停止表示時間(停止表示時間D)とは異なる特殊停止表示時間(停止表示時間A〜C)を設定する特殊停止表示時間設定手段として機能する。具体的には、遊技制御装置100は、時短遊技において所定の変動表示ゲーム実行回数に達する毎に特殊停止表示時間を設定可能とする。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図36に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA551)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA552)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA553)、大当りである(ステップA554;Yes)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA560)、ステップA561に処理を移行する。
一方、ステップA554にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA554;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA555)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA556)を行う。
続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA557)、大当りである(ステップA558;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA559)、ステップA561に処理を移行する。
そして、上述したステップA559における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA560における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA561)を行う。
次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得した後(ステップA562)、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA563)。続けて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得した後(ステップA564)、当該ラウンドLEDポイントをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA565)。
次に、図37に示すように、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA566)、コマンド設定処理(ステップA567)を行う。
続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された停止図柄パターン番号をRWMの停止図柄情報領域からロードし(ステップA568)、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA569)、コマンド設定処理(ステップA570)を行う。
その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA571)、コマンド設定処理(ステップA572)を行う。
次に、大入賞口開放情報判定フラグをロードして(ステップA573)、当該大入賞口開放情報判定フラグに対応する外部情報データをRWMにセーブする(ステップA574)。
続けて、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する外部情報データをRWMにセーブした後(ステップA575)、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定して(ステップA576)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA577)。
その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA578)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA579)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA580)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。
ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
また、ステップA558にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA558;No)と判定すると、図37に示すように、遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームを時短動作状態とし、普通変動入賞装置37の開放時間を延長する時短状態であるか否かを判定する処理(ステップA581)を行う。
ここで、遊技状態が時短状態でない(ステップA581;No)と判定すると、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA582)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA581にて、遊技状態が時短状態である(ステップA581;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数に係る時間短縮変動回数を更新(−1)した後(ステップA583)、当該更新後の時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA584)を行う。
ここで、時間短縮変動回数が0でない(ステップA584;No)と判定すると、処理をステップA582に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA584にて、時間短縮変動回数が0である(ステップA584;Yes)と判定すると、即ち、時短状態にて特図変動表示ゲームが時短動作状態での所定回数の実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA585)、コマンド設定処理(ステップA586)を行う。
次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する処理(ステップA587)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)の終了に係る情報等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)の詳細について説明する。
図38に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、先ず、特別遊技状態のラウンド数を更新(+1)する処理(ステップA591)を行った後、特別遊技状態の各ラウンドにおける大入賞口の開放時間(特別変動入賞装置38の開閉扉38cの開放時間)として開放時間の短い短開放(例えば、1秒等)を設定する処理(ステップA592)を行う。
次に、大入賞口開放情報判定フラグをロードし(ステップA593)、当該大入賞口開放情報判定フラグが大入賞口の開放時間の長い長開放(例えば、25秒等)であるか否かをチェックして(ステップA594)、大入賞口の開放時間が長開放である(ステップA595;Yes)と判定すると、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA596)、コマンド設定処理(ステップA597)を行う。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA598)、コマンド設定処理(ステップA599)を行う。
そして、特別遊技状態の各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開閉扉38cの開放時間(大入賞口の開放時間)として開放時間の長い長開放を設定する処理(ステップA600)を行った後、当該開放時間(長開放に係る開放時間)を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA601)。
また、ステップA595にて、大入賞口の開放時間が長開放でないと判定された場合にも(ステップA595;No)、即ち、大入賞口の開放時間が短開放である場合、処理をステップA601に移行して、当該開放時間(短開放に係る開放時間)を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA601)。
すなわち、大当りのラウンド数が15ラウンドである場合は、大入賞口の開放時間として長開放に係る開放時間が特図ゲーム処理タイマにセーブされ、大当りのラウンド数が2ラウンドである場合は、大入賞口の開放時間として短開放に係る開放時間が特図ゲーム処理タイマにセーブされることとなる。
次に、大入賞口開放中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA602)、具体的には、当該テーブルに、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」、大入賞口の開放に係る試験信号、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイド38bの駆動に係る制御信号(オン信号)、大入賞口への入賞数のクリアに係る情報等を設定する処理を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA13)の詳細について説明する。
図39に示すように、大入賞口開放中処理では、先ず、大入賞口開放情報判定フラグをロードし(ステップA611)、当該大入賞口開放情報判定フラグが大入賞口の開放時間の長い長開放(例えば、25秒等)であるか否かをチェックして(ステップA612)、大入賞口の開放時間が長開放である(ステップA613;Yes)と判定すると、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する処理(ステップA614)を行う。
ステップA614における判定の結果、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない(ステップA615;No)と判定すると、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA616)、コマンド設定処理(ステップA617)を行う。
続けて、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA618)、コマンド設定処理(ステップA619)を行う。
次に、大入賞口残存球処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA620)、具体的には、当該テーブルに、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」、特図ゲーム処理タイマにセーブする大入賞口残存球処理に係る処理時間、大入賞口を閉塞するための大入賞口ソレノイド38bの駆動に係る制御信号(オフ信号)等を設定する処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、ステップA615にて、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである(ステップA615;Yes)と判定すると、特別遊技状態の終了の際にエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA621)、コマンド設定処理(ステップA622)を行った後、処理をステップA618に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA618)、コマンド設定処理(ステップA619)を行った後、大入賞口残存球処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA620)を行う。具体的には、当該テーブルに、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」、特図ゲーム処理タイマにセーブする大入賞口残存球処理に係る処理時間、大入賞口を閉塞するための大入賞口ソレノイド38bの駆動に係る制御信号(オフ信号)等を設定する処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ステップA613にて、大入賞口の開放時間が長開放でない(ステップA613;No)と判定すると、即ち、大入賞口の開放時間が短開放(例えば、1秒)である場合、インターバルコマンドの設定(ステップA617)、飾り特図コマンドの設定(ステップA619)、エンディングコマンドの設定(ステップA622)を行うことなく、処理をステップA620に移行して、大入賞口残存球処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA620)を行う。具体的には、当該テーブルに、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」、特図ゲーム処理タイマにセーブする大入賞口残存球処理に係る処理時間、大入賞口を閉塞するための大入賞口ソレノイド38bの駆動に係る制御信号(オフ信号)等を設定する処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、特別遊技状態の終了の際に、遊技制御装置100のCPU111Aは、特別変動入賞装置38の開閉扉38cの変換が終了してから特別遊技状態が終了するまでの期間において、当該特別遊技状態の終了に係るエンディング表示画面の制御コマンドを演出制御装置300に送信する。そして、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311の制御下にて映像制御用マイコン(2ndCPU)312は、遊技制御装置100から送信された制御コマンドに基づいて、表示装置41を制御して表示画面にエンディング表示画面を表示させることで、特別遊技状態の終了を報知する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA14)の詳細について説明する。
図40に示すように、大入賞口残存球処理では、先ず、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA631)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、特図ゲーム処理タイマにセーブするファンファーレ/インターバル中処理に係る処理時間、特別変動入賞装置38の作動終了を示す試験信号等を設定する処理を行う。
次に、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する処理(ステップA632)を行う。
そして、ステップA632における判定の結果、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである(ステップA633;Yes)と判定すると、停止図柄パターンに対応するエンディング時間(例えば、少なくとも30秒)を設定する処理(ステップA634)を行った後、当該エンディング時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA635)。
次に、大当り終了処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA636)、具体的には、当該テーブルに、大当り終了処理に係る処理番号「6」、大入賞口の閉塞に係る試験信号、特別遊技状態における各パラメータのクリアに係る情報(例えば、大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数の上限値のクリアに係る情報、ラウンド数の上限値判定用のフラグのクリアに係る情報、大入賞口の開放時間が長開放か短開放かの開放情報判定用のフラグのクリアに係る情報)等を設定する処理を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、ステップA632における判定の結果、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない(ステップA633;No)と判定すると、ステップA634〜A636をスキップして、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。
図41に示すように、大当り終了処理では、先ず、大当り終了設定テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA641)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された確率変動判定フラグをロードした後(ステップA642)、当該確率変動判定フラグに対応する大当り終了設定テーブルを取得する処理(ステップA643)を行って、取得した大当り終了設定テーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA644)。
ここで、大当り終了設定テーブルは、特別遊技状態の終了後に発生する遊技状態の種類、例えば、時短状態や確変状態に応じて設定されるようになっている。
当該大当り終了設定テーブルは、具体的には、外部情報端子に出力用の普通変動入賞装置37の開放延長機能の作動中に係る信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す試験信号、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を点灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、時間短縮変動回数を指示する情報等を規定するものである。
次に、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA645)、コマンド設定処理(ステップA646)を行う。
そして、特図停止情報テーブルを設定して(ステップA647)、特図停止情報テーブルを参照して特図停止図柄パターン番号(図柄番号)に対応する特図停止情報「1」〜「3」のうち何れかを取得する(ステップA648)を行う。そして、取得した特図停止情報をRWMの特図停止情報領域にセーブする処理(ステップA649)を行う。
具体的には、例えば、特図停止図柄パターン番号(図柄番号)が「12」の場合、図44(b)に示すように、図44(a)に示す特図停止情報テーブルを参照し、RWMの特図停止情報領域の「情報1」領域には特図停止情報「1」、「情報2」領域には特図停止情報「0」、「情報3」領域には特図停止情報「3」をセーブする。
次に、変動振り分け判定フラグをロードして(ステップA650)、ロードした値をRWMの変動パターン振り分け情報領域にセーブする処理(ステップA651)を行った後、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA652)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、大当り終了処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA18、A20)の詳細について説明する。
図柄変動制御処理は、第1特図や第2特図等の特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理であり、図42に示すように、先ず、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(停止用)を取得する処理(ステップA671)を行う。
次に、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る特図変動中フラグが変動中であるか否かをチェックして(ステップA672)、当該特図変動中フラグが変動中である(ステップA673;Yes)と判定すると、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(変動用)を取得する処理(ステップA674)を行う。
続けて、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る変動タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA675)、タイムアップした(ステップA676;Yes)と判定すると、特図変動制御タイマ初期値を当該制御タイマの変動タイマにセーブする(ステップA677)。
その後、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る図柄番号を更新(+1)する処理(ステップA678)を行った後、当該更新後の図柄番号に対応する表示データを取得する処理(ステップA679)を行う。
また、ステップA673にて、特図変動中フラグが変動中でないと判定されるか(ステップA673;No)、或いは、ステップA676にて、タイムアップしていないと判定された場合にも(ステップA676;No)、処理をステップA679に移行して、ステップA678による更新処理にて更新されていない図柄番号に対応する表示データを取得する処理(ステップA679)を行う。
その後、ステップA679にて取得された表示データを、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係るセグメント領域にセーブして(ステップA680)、図柄変動制御処理を終了する。
これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器(例えば、特図1表示器51等)に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
次に、上記演出制御装置300によって実行される制御について説明する。
演出制御装置300による制御処理は、図47(a)に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われる図47(b)に示す割込み処理とからなる。メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
図47(a)に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理は、電源投入時の初期化処理(ステップB1)と、タイマを起動する処理(ステップB2)である。その後、演出制御装置300は、メインループ処理ステップB3〜B10を行う。
このループ処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップB3)を行う。このメインコマンド解析処理(ステップB3)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(例えば、負論理データ)と、第2コマンド(例えば、第1コマンドをビット反転した正論理データ)との一対のデータにより構成されている。そして、受信した第1コマンドと第2コマンドが矛盾しない場合(例えば、一方の反転ビットが他方に一致する場合)に正しくコマンドを受信したと判定するようになっている。
その後、所定条件の成立に基づき、表示装置41で実行される演出表示の内容を変更する演出変更処理(ステップB4)、一括表示装置50の変動表示部51、52における特図変動表示ゲームと並行して表示装置41で実行される飾り特図変動表示ゲームの変動時間や変動パターン等の制御に関するゲーム制御処理(ステップB5)、表示装置41における演出表示およびこれらの表示に関連してセンターケースに設けられた状態報知ランプ等を駆動する表示制御処理(ステップB6)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)である音制御処理(ステップB7)、前面枠12に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB8)を行う。さらに、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行うエラー監視処理(ステップB9)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB10)を行い、メインコマンド解析処理(ステップB3)に戻る。
ここで、演出制御装置300は、表示装置41における特図変動表示ゲームを制御する変動表示ゲーム制御手段として機能する。
一方、演出制御装置300における割込み処理では、図47(b)に示すように、先ず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップB11)を行い、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB12)、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップB13)を行う。その後、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB14)を行い、割込み処理を終了する。
〔演出変更処理〕
次に、上述のメイン処理の演出変更処理(ステップB4)の詳細について説明する。
図48に示すように、演出変更処理では、先ず、遊技制御装置100から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB41)。
ここで、変動停止コマンドを受信した(ステップB41;Yes)と判定すると、遊技制御装置100にも格納されている特図停止表示時間テーブル(図44(a)参照)と同様の特図停止表示時間テーブルをPROM321から読み出して設定し(ステップB42)、特図停止時間ポインタに対応する停止表示間を取得する(ステップB43)。一方、変動停止コマンドを受信していない(ステップB41;No)と判定すると、演出変更処理を終了する。
次に、取得した停止表示時間が特殊停止表示時間(停止表示時間A、停止表示時間B、又は停止表示時間Cのうちの何れか)であるか否かを判定する(ステップB44)。
ここで、取得した停止表示時間が特殊停止表示時間である(ステップB44;Yes)と判定すると、次の特図変動表示ゲームの大当り情報を取得する(ステップB45)。一方、取得した停止表示時間が特殊停止表示時間でない、すなわち停止表示時間Dである(ステップB44;No)と判定すると、演出変更処理を終了する。
次に、取得した大当り情報に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップB46)。
ここで、大当り情報に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである(ステップB46;Yes)と判定すると、次の特図変動表示ゲームの変動パターン番号(後半変動番号)を取得する処理(ステップB47)を行う。一方、大当り情報に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りでない(ステップB46;No)と判定すると、演出変更処理を終了する。
次に、取得した変動パターン番号(後半変動番号)が「34」であるか否かを判定する(ステップB48)。ここで、変動パターン番号が「34」の変動パターンは、図46(b)に示すように、遊技結果が大当りとなる場合に設定される大当り変動パターンテーブルのうち変動時間が一番長いSP(スペシャル)2リーチDを発生させる変動パターン(後半変動パターン)である。
そして、変動パターン番号が「34」である(ステップB48;Yes)と判定すると、演出変更乱数を抽出して(ステップB49)、演出変更乱数値に応じた分岐処理を行う(ステップB50)。
ここで、演出制御装置300は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果及び特殊停止表示時間設定手段(遊技制御装置100)による設定状態に基づき、特殊停止表示時間において実行する演出態様を決定する演出態様決定手段として機能する。
そして、ステップB50にて、演出変更乱数値が「0」の場合、演出内容を変更することなく時短モードの継続演出を行うための継続演出情報を設定(ステップB51)して、演出変更処理を終了する。
ここで、演出制御装置300は、特殊停止表示時間設定手段(遊技制御装置100)により特殊停止表示時間(停止表示時間A〜C)が設定された場合に当該特殊停止表示時間において通常実行可能とされる通常演出態様(継続演出)を実行する通常演出実行手段として機能する。
ここで、時短モードの継続演出について、図49及び図50を用いて説明する。
図49には、上記のような制御を行う遊技機において、時短モードの継続演出が行われる特図変動表示ゲームの結果が「はずれ」となり、次の特図変動表示ゲームの結果が「大当り」となる場合における図柄の変動と演出のタイミングが示されている。図において、「特別図柄」とは遊技盤右下の一括表示装置50の変動表示部51又は52で実行される変動表示、「飾り図柄」とは遊技盤中央の表示装置41で実行される識別図柄の変動を意味する。
図49に示すように、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止する特図停止タイミングt0になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれはずれ図柄が表示される。そして若干の時間をおいて継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41にて、継続演出が開始される。そして、特図停止時間終了タイミングt2になると、継続演出が終了され、次の特図変動表示ゲームの変動が開始され、「特別図柄」及び「飾り図柄」の変動(前半変動)と、表示装置41における前半変動演出とが開始される。それから、前半変動終了タイミングt3になると、「飾り図柄」の変動がリーチ状態の変動(後半変動)に変わるとともに、表示装置41では後半変動演出(リーチ演出)が開始される。また、「特別図柄」の変動は継続される。そして、特図停止タイミングt4になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれ当り図柄が表示される。
図50(a)〜(d)には、時短モードにおける継続演出の具体例が示されている。
図50(a)に示すように、継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41の画面中央で継続演出が開始される。この実施例では、「ももたろう」と「鬼」の画像が表示されるとともに、ももたろうが勝てば時短モードが継続する旨の文字表示がなされる。また、画面下にはこのときの特図変動表示ゲームの始動記憶数を表す○印の始動記憶のマークが表示される。なお、左4つのマークは特図1変動表示ゲームの始動記憶を、右4つのマークは特図2変動表示ゲームの始動記憶を表したものである。
続けて、図50(b)に示すように、「ももたろう」と「鬼」が対決する様子が表示される。そして、時短モードが継続する場合には、図50(c)に示すように、「ももたろう」が「鬼」に勝利して画面中央に「ももたろう」が表示されるとともに、「鬼」が画面左上へ飛ばされるような表示がなされる。そして、このときの確率状態が確率非報知状態であれば、引続き高確率状態であるか低確率状態であるかを遊技者に非報知とする。また、画面下には時短モードが継続する旨の「継続」の文字表示がなされ、特図停止時間終了タイミングt2に合わせて継続演出が終了する。
一方、時短モードが継続しない場合には、図50(d)に示すように、「ももたろう」が「鬼」に負けて画面中央に「鬼」が表示されるとともに、「ももたろう」が画面右上へ飛ばされるような表示がなされ、通常モード(低確率状態)に戻ることとなる。また、画面下には時短モードが継続しない旨の「残念」の文字表示がなされ、特図停止時間終了タイミングt2に合わせて継続演出が終了する。
つまり、遊技制御装置100及び演出制御装置300は、特殊停止表示時間が設定された場合に、特定遊技(時短モード(確変非報知情報))が高確率状態または低確率状態であるかを遊技者が推測するための補助となる推測補助演出(通常状態復帰手段(遊技制御装置100)により通常状態に復帰するのか否かを示す演出、または、確率報知状態移行手段(遊技制御装置100)により確率報知状態へ移行するのか否かを示す演出)を、継続演出として実行したこととなる。また、遊技制御装置100は、特定遊技が低確率状態であり、該特定遊技における特図変動表示ゲームが所定回数となった場合に、確率非報知状態から確率状態が低確率状態であることを報知する通常状態に復帰する通常状態復帰手段として機能する。
また、ステップB50にて、演出変更乱数値が「1」〜「85」の場合、継続演出の代わりに次の特図変動表示ゲームの結果を予告するストーリー演出1(予告演出)を行うためのストーリー演出1情報を設定(ステップB52)して、演出変更処理を終了する。
ここで、演出制御装置300は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づいて、特殊停止表示時間の終了後に実行される変動表示ゲームの演出態様に関連した関連演出態様(ストーリー演出)を、当該特殊停止表示時間において実行可能な関連演出実行手段として機能する。具体的には、演出制御装置300は、特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームの演出態様として実行されるリーチ演出に対応した演出態様を、関連演出態様として当該特殊停止表示時間において実行可能とする。
ここで、ストーリー演出1(Episode1)について、図51〜図53を用いて説明する。
図51には、上記のような制御を行う遊技機において、ストーリー演出1が行われる特図変動表示ゲームの結果が「はずれ」となり、次の特図変動表示ゲームの結果が「大当り」となる場合における図柄の変動と演出のタイミングが示されている。
図51に示すように、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止する特図停止タイミングt0になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれはずれ図柄が表示される。そして若干の時間をおいて継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41にて、ストーリー演出1が開始される。そして、特図停止時間終了タイミングt2になると、ストーリー演出1が終了する。なお、この特図停止時間終了タイミングt2以降の図柄の変動と演出のタイミングは上記の継続演出の場合と同様のため、その説明は省略する。
図52(a)には、ストーリー演出1の具体例、図52(b),(c)及び図53には次の変動表示ゲームにおける飾り図柄変動中の演出の具体例が示されている。
図52(a)に示すように、継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41の画面中央でストーリー演出1が開始される。この実施例では、「お婆さん」が川に洗濯をしに行く様子が表示されるとともに「桃」が川上から流れてくる様子が表示され、特図停止時間終了タイミングt2に合わせてストーリー演出1が終了する。また、画面下にはこのときの特図変動表示ゲームの始動記憶数を表す○印の始動記憶のマークが表示される。
次に、図52(b)に示すように、ストーリー演出1が終了すると、次の特図変動表示ゲームの変動が開始される。そして、前半変動終了タイミングt3になると、図52(c)に示すように、左図柄と右図柄がそれぞれ「7」の図柄で停止し中図柄だけが変動中であるリーチ発生表示がなされた後、図53に示すように、後半変動演出(リーチ演出)が開始される。
具体的には、図53(a)に示すように、後半変動演出が開始されると、先ず、「お爺さん」と「お婆さん」が「桃」を割る様子が表示される。また、このとき画面左上には左図柄(「7」図柄)が、画面右上には右図柄(「7」図柄)が小さく表示される。さらに、後半変動演出が開始されると、それまで画面下に表示されていた特図変動表示ゲームの始動記憶のマークを表示しないようにする。これにより、リーチ演出時の変動時間は通常の変動時間よりも長く、このリーチ演出時に始動記憶が溜まり易いが、始動記憶のマーク表示を行わないことにより、始動記憶が上限値に達したか否かを判別し難くすることで、遊技者の止め打ちを適切に防止することができる。
そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、図53(b)に示すように、割られた「桃」から「ももたろう」が誕生する様子が表示され、最後に図53(c)に示すように、大当りの停止図柄が特図停止タイミングt4まで画面の中央に表示される。
一方、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、図53(d)に示すように、割られた「桃」から「湯気」が立つ様子が表示され、最後に図53(e)に示すように、はずれの停止図柄が特図停止タイミングt4まで画面の中央に表示される。
また、ステップB50にて、演出変更乱数値が「86」〜「170」の場合、継続演出の代わりに次の特図変動表示ゲームの結果を予告するストーリー演出2(予告演出)を行うためのストーリー演出2情報を設定(ステップB53)して、演出変更処理を終了する。
ここで、演出制御装置300は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づいて、特殊停止表示時間の終了後に実行される変動表示ゲームの演出態様に関連した関連演出態様(ストーリー演出)を、当該特殊停止表示時間において実行可能な関連演出実行手段として機能する。具体的には、演出制御装置300は、特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームの演出態様のうち、リーチ演出が実行されるまで関連演出態様を継続して実行可能とする。
ここで、ストーリー演出2(Episode2)について、図54(a)及び図55を用いて説明する。
図54(a)には、上記のような制御を行う遊技機において、ストーリー演出2が行われる特図変動表示ゲームの結果が「はずれ」となり、次の特図変動表示ゲームの結果が「大当り」となる場合における図柄の変動と演出のタイミングが示されている。
図54(a)に示すように、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止する特図停止タイミングt0になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれはずれ図柄が表示される。そして若干の時間をおいて継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41にて、ストーリー演出2が開始される。そして、特図停止時間終了タイミングt2になると、前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出2の続きが表示される。なお、前半変動終了タイミングt3以降の図柄の変動と演出のタイミングは上記の継続演出の場合と同様のため、その説明は省略する。
図55には、ストーリー演出2の具体例が示されている。
図55(a)に示すように、継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41の画面中央でストーリー演出2が開始される。この実施例では、「お爺さん」が山に芝刈りに行く様子が表示され、特図停止時間終了タイミングt2になると、前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出2の続きとして「お婆さん」が川に洗濯しに行く様子が表示されるとともに「桃」が川上から流れてくる様子が表示されてストーリー演出2が終了する。また、このストーリー演出2の続きとして「お婆さん」が川に洗濯しに行く様子が表示されている間は「飾り図柄」が前半変動中であり、画面右上に識別図柄(変動図柄)が表示される。そして、図55(c)に示すように、ストーリー演出2が終了(前半変動終了タイミングt3)になると、左図柄と右図柄がそれぞれ「7」の図柄で停止し中図柄だけが変動中であるリーチ発生表示がなされる。なお、後半変動演出(リーチ演出)の内容は上記ストーリー演出1の場合の演出と同様のため、その説明は省略する。
また、ステップB50にて、演出変更乱数値が「171」〜「255」の場合、継続演出を途中で終了する演出を行った後、次の特図変動表示ゲームの結果を予告するストーリー演出(予告演出)を行う強制終了演出情報を設定(ステップB54)して、演出変更処理を終了する。
ここで、演出制御装置300は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づいて、特殊停止表示時間の終了後に実行される変動表示ゲームの演出態様に関連した関連演出態様(ストーリー演出)を、当該特殊停止表示時間において実行可能な関連演出実行手段として機能する。具体的には、演出制御装置300は、通常演出実行手段(演出制御装置300)により実行される通常演出態様に割り込ませて、関連演出態様を実行可能とする。
ここで、強制終了演出について、図54(b)及び図56を用いて説明する。
図54(b)には、上記のような制御を行う遊技機において、強制終了演出が行われる特図変動表示ゲームの結果が「はずれ」となり、次の特図変動表示ゲームの結果が「大当り」となる場合における図柄の変動と演出のタイミングが示されている。
図54(b)に示すように、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止する特図停止タイミングt0になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれはずれ図柄が表示される。そして若干の時間をおいて継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41にて、継続演出が開始される。そして、強制終了タイミングt5になると、継続演出強制終了演出が表示され、その後、特図停止時間終了タイミングt2までの間、ストーリー演出3が行われる。そして、特図停止時間終了タイミングt2から前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出3の続きが表示される。なお、前半変動終了タイミングt3以降の図柄の変動と演出のタイミングは上記の継続演出の場合と同様のため、その説明は省略する。
図56には、強制終了演出の具体例が示されている。
図56(a)に示すように、継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41の画面中央で継続演出が開始される。そして、強制終了タイミングt5になると、図56(b)に示すように、継続演出強制終了演出として画面が破裂する様子が表示された後、表示装置41の画面でストーリー演出3が開始される。この実施例では、図56(c)に示すように、「昔々あるとことに」、「おじいさんは山に芝刈りに」、「おばあさんは川に洗濯に」及び「桃がどんぶらこ」等の文字が表示され、特図停止時間終了タイミングt2になると、図56(d)に示すように、前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出3の続きとして、ストーリー演出2と同様に、「お婆さん」が川に洗濯しに行く様子が表示されるとともに「桃」が川上から流れてくる様子が表示されてストーリー演出3が終了する。そして、図56(e)に示すように、ストーリー演出3が終了(前半変動終了タイミングt3)になると、左図柄と右図柄がそれぞれ「7」の図柄で停止し中図柄だけが変動中であるリーチ発生表示がなされる。なお、後半変動演出(リーチ演出)の内容は上記ストーリー演出1の場合の演出と同様のため、その説明は省略する。
以上、実施形態1の遊技機10によれば、通常の停止表示時間(停止表示時間D)とは異なる特殊停止表示時間(停止表示時間A〜C)が設定された場合に、演出態様決定手段により決定された一の演出態様を当該特殊停止表示時間において実行することで、停止表示時間を遊技者に変動表示ゲームの停止結果態様を認識させるために割り当てるのみでなく、演出態様を実行するために割り当てることも可能となり、当該停止表示時間において遊技者を飽きさせない斬新な演出を行うことができる。
また、演出態様として、特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームの演出態様に関連したストーリー演出を実行することができるので、従来にない斬新な演出態様を実行することが可能となる。
また、特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームの演出態様に関連した関連演出態様を特殊停止表示時間において実行することで、当該特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームにおける遊技者の特別遊技発生への期待感を高めることができる。
また、遊技結果事前判定手段によって、特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームにおいて特別遊技が発生すると判定されている場合は、当該特殊停止表示時間を、遊技者の特別遊技発生への期待感をより高めるための演出態様に用いることができ、当該特殊停止表示時間を有効に活用することができる。
また、ストーリー演出を特殊停止表示時間において差し込むだけで、当該特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームとストーリー演出との一連の演出態様を容易に構成させることができる。従って、既存の変動パターンと、継続演出又はストーリー演出を組み合わせることで、新たな変動パターンを設けることなく多様な演出態様を実行可能となり、遊技制御装置の記憶容量を節約することができる。
また、特殊停止表示時間が設定された場合に、特定遊技が高確率状態または低確率状態であるかを遊技者が推測するための補助となる推測補助演出を、継続演出として実行することができるので、遊技者は継続演出が実行された際に期待感を持つようになり、停止表示時間において斬新な演出態様を実行することが可能となる。
また、通常状態復帰手段により通常状態に復帰するのか否かを示す演出、または、確率報知状態移行手段により確率報知状態へ移行するのか否かを示す演出を、継続演出として実行することができるので、特殊停止表示時間において当該継続演出が実行される毎に遊技者を一喜一憂させることができるという、斬新な演出態様を実行することが可能となる。
また、特殊停止表示時間においてストーリー演出を実行するだけで、その後の特図変動表示ゲームで実行されるリーチ演出に対応した演出態様を実行することが可能となる。すなわち、単にリーチ演出を行うよりも、通常とは異なる演出態様が実行されているという感覚を遊技者に与えることができ、その特図変動表示ゲームにおける特別遊技発生への期待感を高めることができる。
また、リーチ演出が実行される直前までストーリー演出を実行させることができるので、ストーリー演出の終了とリーチ演出の開始とを自然につなぐことができるようになり、違和感のない演出態様とすることができる。
従って、遊技者をリーチ演出に集中させることができるようになり、以て、興趣を高めた状態でゲームに遊技者をのめり込ませることができる。
また、継続演出の途中でストーリー演出を割り込ませ、継続演出がストーリー演出に切り替わることによって、遊技者に意外性を与えることができ、演出態様に注目を集めることができる。また、ストーリー演出に切り替わった後は遊技者に何かが起きるのではないかという期待感を抱かせることができる。
<変形例1>
以下に、変形例1の遊技機10について図57及び図58を用いて説明する。
変形例1の遊技機10は、継続演出を行う特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームにおける変動パターン番号(後半変動番号)が「34」の場合よりも変動時間が短い「22」の場合に演出変更処理を可能とするものである。
なお、変形例1の遊技機10にあっては、演出変更処理以外の構成は実施形態1の遊技機10と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
〔演出変更処理〕
変形例1の遊技機10における演出変更処理の詳細について説明する。
図58に示すように、演出変更処理では、上記実施形態1と同様に、遊技制御装置100から変動停止コマンドを受信したか否かを判定(ステップB41)して、変動停止コマンドを受信した(ステップB41;Yes)と判定すると、PROM321から特図停止表示時間テーブルを読み出して設定し(ステップB42)、特図停止時間ポインタに対応する停止表示時間を取得する(ステップB43)。
次に、取得した停止表示時間が特殊停止表示時間(停止表示時間A、停止表示時間B、又は停止表示時間Cのうち何れか)であるか否かを判定(ステップB44)して、取得した停止表示時間が特殊停止表示時間である(ステップB44;Yes)と判定すると、次の特図変動表示ゲームの大当り情報を取得する(ステップB45)。
次に、取得した大当り情報に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定(ステップB46)して、大当り情報に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである(ステップB46;Yes)と判定すると、次の特図変動表示ゲームの変動パターン番号(後半変動番号)を取得する処理(ステップB47)を行う。
次に、取得した変動パターン番号(後半変動番号)が「22」であるか否かを判定する(ステップB101)。ここで、変動パターン番号「22」の変動パターンは、図46(b)に示すように、変動パターン番号「34」の変動パターンの変動時間(60s)よりも短い変動時間(40s)のSP(スペシャル)1リーチBを発生させる変動パターン(後半変動パターン)である。
そして、変動パターン番号が「22」である(ステップB101;Yes)と判定すると、演出変更乱数を抽出して(ステップB49)、演出変更乱数値に応じた分岐処理を行う(ステップB50)。
そして、ステップB50にて、演出変更乱数値が「0」の場合、継続演出情報を設定(ステップB51)して、演出変更処理を終了する。また、演出変更乱数値が「1」〜「85」の場合、ストーリー演出1情報を設定(ステップB52)して、演出変更処理を終了する。また、演出変更乱数値が「86」〜「170」の場合、ストーリー演出2情報を設定(ステップB53)して、演出変更処理を終了する。
さらに、演出変更乱数値が「171」〜「255」の場合、強制終了演出情報を設定し、変動パターン番号「34」に対応する演出情報を設定(ステップB103)し、変更処理を終了する。
ここで、変動パターン番号「34」に対応する演出(強制終了演出及びストーリー演出3)について、図57を用いて説明する。
図57には、上記のような制御を行う遊技機において、強制終了演出が行われる特図変動表示ゲームの結果が「はずれ」となり、次の特図変動表示ゲームの結果が「大当り」となる場合における図柄の変動と演出のタイミングが示されている。
図57に示すように、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止する特図停止タイミングt0になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれはずれ図柄が表示される。そして若干の時間をおいて継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41にて、継続演出が開始される。そして、強制終了タイミングt5になると、継続演出強制終了演出が表示され、その後、特図停止時間終了タイミングt2までの間、ストーリー演出3が行われる。そして、特図停止時間終了タイミングt2から前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出3の続きが表示される。なお、強制終了タイミングt5から特図停止タイミングt4までの時間は変動パターン「34」に基づく特図変動表示ゲームの変動表示に要する時間、特図停止時間終了タイミングt2から特図停止タイミングt4までの時間は変動パターン「22」に基づく特図変動表示ゲームの変動表示に要する時間となっている。したがって、演出内容を実行するための時間としては、本来であれば変動パターン「22」に対応する演出を実行するための時間しか確保できないが、特図停止時間を利用し、この特図停止時間から次ぎの変動表示ゲームの演出内容を開始(強制終了タイミングt5から変動パターン「34」に対応する演出を開始)することで本来の時間よりも長い時間(変動パターン「22」に対応する演出の実行時間よりも長い時間)を確保することができるようになる。
ここで、演出制御装置300は、遊技制御手段(遊技制御装置100)によって制御される特図1表示器51または特図2表示器52における変動表示の開始タイミングと停止タイミングに対応させて特図変動表示ゲームを実行し、特殊停止表示時間設定手段(遊技制御装置100)によって特殊停止表示時間が設定された場合には、少なくとも特図1表示器51または特図2表示器52における変動表示の停止タイミングに対応させて特図変動表示ゲームを実行するようにしたこととなる。
以上、変形例1の遊技機10によれば、特殊停止表示時間設定手段(遊技制御装置100)によって特殊停止表示時間が設定された場合には、少なくとも特図1表示器51または特図2表示器52における変動表示の停止タイミングに対応させることを条件として、変動表示ゲーム制御手段(演出制御装置300)が遊技制御手段(遊技制御装置100)によって制御される特図1表示器51または特図2表示器52における変動表示による制約を受けることなく、(飾り)特図変動表示ゲームを実行することができる。
また、変動表示ゲーム制御手段に特図変動表示ゲームを実行する上での裁量を与えることができ、バラエティに富んだ演出態様を実行することができるようになる。
なお、図48および図58のステップB46とステップB47を削除し、図46(a)に示すはずれ変動パターンテーブルに対して、図46(b)に示す大当り変動パターンテーブルの変動パターン番号「34」と同様の変動パターンを割り当てて、特図停止表示時間が特殊停止表示時間となった後の変動表示ゲームがはずれとなる場合にも、ステップB48以降の処理を行うようにしてもよい。このようにすると、ストーリー演出1、2、3等が実行されたとしても大当りが発生するのか、はずれとなるのかを曖昧に報知することができ、その変動表示ゲームが終了するまでどちらの結果となるのかという期待感を遊技者に抱かせることができるようになる。
<実施形態2>
以下に、実施形態2の遊技機10について図59〜図62を用いて説明する。
実施形態2の遊技機10は、「特別図柄」が前半変動中の間(特図停止時間終了タイミングt2から前半変動終了タイミングt3までの間)は、継続演出、ストーリー演出1、ストーリー演出2又はストーリー演出3において、表示装置41の画面上に飾り図柄(変動図柄)が表示されないようにしたものである。
なお、実施形態2の遊技機10にあっては、メイン処理及び飾り図柄変動開始遅延処理以外の構成は実施形態1の遊技機10と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
〔メイン処理〕
実施形態2の遊技機10におけるメイン処理の詳細について説明する。
図59に示すように、メイン処理では、上記実施形態1と同様に、電源投入時の初期化処理(ステップB1)、タイマ起動処理(ステップB2)、メインコマンド解析処理(ステップB3)、演出変更処理(ステップB4)を行う。
その後、演出制御装置300は、特別図柄が前半変動中の間、継続演出、ストーリー演出1、ストーリー演出2又はストーリー演出3において、表示装置41の画面上に飾り図柄(変動図柄)が表示されないようにするための飾り図柄変動開始遅延処理(ステップB201;詳細後述)を行う。
そしてまた、上記実施形態1と同様に、ゲーム制御処理(ステップB5)、表示制御処理(ステップB6)、音制御処理(ステップB7)、装飾制御処理(ステップB8)、エラー監視処理(ステップB9)、乱数更新処理(ステップB10)を行い、メインコマンド解析処理(ステップB3)に戻る。
〔飾り図柄変動開始遅延処理〕
次に、上述のメイン処理の飾り図柄変動開始処理(ステップB201)の詳細について説明する。
図60に示すように、飾り図柄変動開始遅延処理では、先ず、特図変動表示ゲームの前半変動中に飾り図柄を表示させないための飾り図柄変動開始遅延情報があるか否かを判定する(ステップB201a)。
ここで、飾り図柄変動開始遅延情報がない(ステップB201a;No)と判定すると、制御対象となる特図変動表示ゲームの変動パターン番号が「34」であるか否かを判定する(ステップB201b)。一方、飾り図柄変動開始遅延情報がある(ステップB201a;Yes)と判定すると、ステップB201f以降の処理を行う。
次に、ステップB201bにて、制御対象となる特図変動表示ゲームの変動パターン番号が「34」でない(ステップB201b;No)と判定すると、飾り図柄変動開始遅延処理を終了し、制御対象となる特図変動表示ゲームの変動パターン番号が「34」である(ステップB201b;Yes)と判定すると、取得した前半変動番号に基づき前半変動時間値を取得(ステップB201c)する。
次に、飾り図柄変動開始遅延タイマに前半変動時間値をセーブ(ステップB201d)して、飾り図柄変動開始遅延情報をセット(ステップB201e)する。これによって、飾り図柄変動開始遅延タイマによる計時が開始され、制御対象となる特図変動表示ゲームの前半変動パターンに係る前半変動時間が経過するまで表示装置41には飾り図柄の表示が行われないこととなる。
次に、飾り図柄変動開始遅延タイマの値がタイムアップしたか否かを判定(ステップB201f)する。
ここで、飾り図柄変動開始遅延タイマの値がタイムアップした(ステップB201f;Yes)と判定すると、飾り図柄変動開始遅延情報をクリア(ステップB201g)して、飾り図柄変動開始遅延処理を終了する。これにより、特図変動表示ゲームの後半変動パターンに係る演出から飾り図柄の表示が行われることとなる。
一方、飾り図柄変動開始遅延タイマの値がタイムアップしていない(ステップB201f;No)と判定すると、飾り図柄変動開始遅延情報をクリアせずに飾り図柄変動開始遅延処理を終了する。
ここで、演出制御装置300は、ストーリー演出が実行されている間には表示装置41における識別情報の変動表示の開始を保留させる変動開始遅延手段として機能する。具体的には、演出制御装置300は、特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームの演出態様としてリーチ演出が実行されると、表示装置41における識別情報の変動表示の開始保留を解除することとなる。
また、演出制御装置300は、変動開始遅延手段によって表示装置41における識別情報の変動表示の開始を保留している場合であっても、特図変動表示ゲームの実行時間の計時を行うゲーム実行時間計時手段として機能する。
次に、実施形態2の遊技機10におけるストーリー演出2(Episode2)について、図61及び図62を用いて説明する。
図61には、上記のような制御を行う遊技機において、ストーリー演出2が行われる特図変動表示ゲームの結果が「はずれ」となり、次の特図変動表示ゲームの結果が「大当り」となる場合における図柄の変動と演出のタイミングが示されている。
図61に示すように、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止する特図停止タイミングt0になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれはずれ図柄が表示される。そして若干の時間をおいて継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41にて、ストーリー演出2が開始される。そして、特図停止時間終了タイミングt2になると、前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出2の続きが表示される。
また、特図停止時間終了タイミングt2から前半変動終了タイミングt3までの間、「特別図柄」の前半変動表示が行われるが、「飾り図柄」では前半変動表示が行われないようになっている。
図62には、ストーリー演出2の具体例が示されている。
図62(a)に示すように、継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41の画面中央でストーリー演出2が開始される。この実施例では、「お爺さん」が山に芝刈りに行く様子が表示され、特図停止時間終了タイミングt2になると、前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出2の続きとして「お婆さん」が川に洗濯しに行く様子が表示されるとともに「桃」が川上から流れてくる様子が表示されてストーリー演出2が終了する。また、このストーリー演出2の続きとして「お婆さん」が川に洗濯しに行く様子が表示されている間は「特別図柄」については前半変動中であるが、「飾り図柄」については、上記のように、飾り図柄変動開始遅延情報がセット(ステップB201e)されているため、表示装置41の画面上に飾り図柄(変動図柄)の表示が行われないようになっている。そして、図62(c)に示すように、ストーリー演出2が終了(前半変動終了タイミングt3)になると、飾り図柄変動開始遅延情報がクリア(ステップB201g)されて、左図柄と右図柄がそれぞれ「7」の図柄で停止し中図柄だけが変動中であるリーチ発生表示がなされる。なお、後半変動演出(リーチ演出)の内容は上記ストーリー演出1の場合の演出と同様のため、その説明は省略する。
なお、図示は省略するが、継続演出、ストーリー演出1及びストーリー演出3が実行される場合にも、ストーリー演出2が実行されるときと同様に、特図停止時間終了タイミングt2から前半変動終了タイミングt3までの間は、「特別図柄」については変動表示が行われるが、「飾り図柄」については、上記のように、飾り図柄変動開始遅延情報がセット(ステップB201e)されているため、表示装置41の画面上に識別図柄(変動図柄)の表示が行われないようになっている。
以上、実施形態2の遊技機10によれば、ストーリー演出が実行されている間には表示装置41における識別情報の変動表示の開始を保留させることができるので、識別情報の変動表示によりストーリー演出が遮られないようにすることができ、ストーリー演出をじっくりと見ることができる。
また、特殊停止表示時間の終了後に実行される特図変動表示ゲームの演出態様としてリーチ演出が実行されると、表示装置41における識別情報の変動表示の開始保留を解除することができるので、このとき表示装置41では識別情報の変動表示が開始され、リーチ演出が実行されていることを確実に報知できる。
従って、リーチ演出が実行されるまでは遊技者にストーリー演出をじっくりと堪能させ、リーチ演出が実行されると当該リーチ演出を集中して見るように遊技者を仕向けることができる。
また、ゲーム実行時間計時手段(演出制御装置300)によって、変動開始遅延手段(演出制御装置300)によって表示装置41における識別情報の変動表示の開始を保留している場合であっても、特図変動表示ゲームの実行時間の計時を行うことができるので、特図変動表示ゲームが不用意に長引くことを防止でき、特図変動表示ゲームの消化頻度が低下することを防止できる。
<変形例2>
以下に、実施形態2の変形例2について図63及び図64を用いて説明する。
変形例2の遊技機10は、継続演出、ストーリー演出1、ストーリー演出2又はストーリー演出3において、特図変動表示ゲームの前半変動中に飾り図柄(変動図柄)が表示されないようにするだけではなく、特別図柄については変動表示を行わない、すなわち前半変動中は特別図柄が変動停止するようにしている。
なお、変形例2の遊技機10にあっては、図柄変動制御処理以外の構成は実施形態2の遊技機10と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
<図柄変動制御処理>
以下に、図柄変動制御処理の詳細について説明する。
図63に示すように、図柄変動制御処理では、先ず、上記実施形態と同様に、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(停止用)を取得する処理(ステップA671)を行う。そして、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る特図変動中フラグが変動中であるか否かをチェックして(ステップA672)、当該特図変動中フラグが変動中である(ステップA673;Yes)と判定すると、飾り図柄変動開始遅延情報があるか否かを判定(ステップA701)する。
ここで、飾り図柄変動開始遅延情報がない(ステップA701;No)と判定すると、制御対象となる特図変動表示ゲームの変動パターン番号が「34」であるか否かを判定する(ステップA702)。一方、飾り図柄変動開始遅延情報がある(ステップA701;Yes)と判定すると、ステップA705以降の処理を行う。
次に、ステップA702にて、制御対象となる特図変動表示ゲームの変動パターン番号が「34」である(ステップA702;Yes)と判定すると、前半変動時間値テーブルから前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得(ステップA703)して、ステップA704に移行する。一方、制御対象となる特図変動表示ゲームの変動パターン番号が「34」でない(ステップA702;No)と判定すると、ステップA674以降の処理を行う。
次に、ステップA704にて、飾り図柄変動開始遅延タイマに前半変動時間値をセーブ(ステップA704)し、飾り図柄変動開始遅延タイマの値がタイムアップしたか否かを判定(ステップA705)する。
ここで、飾り図柄変動開始遅延タイマの値がタイムアップしていない(ステップA705;No)と判定すると、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(変動用)を取得せずに、ステップA675に移行する。つまり、飾り図柄変動開始遅延タイマの値がタイムアップせず、飾り図柄の表示が行われていない間は特図表示テーブル(変動用)を取得できないため、特別図柄は変動停止の状態となる。
一方、ステップA705にて、飾り図柄変動開始遅延タイマの値がタイムアップした(ステップA705;Yes)と判定すると、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(変動用)を取得する処理(ステップA674)を行う。
続けて、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る変動タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA675)、タイムアップした(ステップA676;Yes)と判定すると、特図変動制御タイマ初期値を当該制御タイマの変動タイマにセーブする(ステップA677)。
その後、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る図柄番号を更新(+1)する処理(ステップA678)を行った後、当該更新後の図柄番号に対応する表示データを取得する処理(ステップA679)を行う。
また、ステップA673にて、特図変動中フラグが変動中でないと判定されるか(ステップA673;No)、或いは、ステップA676にて、タイムアップしていないと判定された場合にも(ステップA676;No)、処理をステップA679に移行して、ステップA678による更新処理にて更新されていない図柄番号に対応する表示データを取得する処理(ステップA679)を行う。
その後、ステップA679にて取得された表示データを、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係るセグメント領域にセーブして(ステップA680)、図柄変動制御処理を終了する。
次に、変形例2の遊技機10におけるストーリー演出2(Episode2)について、図64を用いて説明する。
図64には、上記のような制御を行う遊技機において、ストーリー演出2が行われる特図変動表示ゲームの結果が「はずれ」となり、次の特図変動表示ゲームの結果が「大当り」となる場合における図柄の変動と演出のタイミングが示されている。
図64に示すように、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止する特図停止タイミングt0になると、「特別図柄」と「飾り図柄」の変動が停止されて、それぞれはずれ図柄が表示される。そして若干の時間をおいて継続演出開始タイミングt1になると、表示装置41にて、ストーリー演出2が開始される。そして、特図停止時間終了タイミングt2になると、前半変動終了タイミングt3までの間、ストーリー演出2の続きが表示される。
また、特図停止時間終了タイミングt2から前半変動終了タイミングt3までの間(前半変動中)は、上記飾り図柄変動開始遅延処理にて、飾り図柄変動開始遅延情報がセット(ステップB201e)されているため「飾り図柄」では前半変動表示が行われず、また、図柄変動制御処理にて、特図表示テーブル(変動用)を取得(ステップA674)できないため、「特別図柄」は変動停止の状態となる。
以上、変形例2の遊技機10によれば、ストーリー演出が実行されている間には表示装置41における識別情報の変動表示の開始を保留させることができるとともに、特図1表示器51或いは特図2表示器52における特別図柄の変動表示を停止させることができる。従って、ストーリー演出が実行されている間は特図変動表示ゲームが行われていないかのように見せかけて、後半変動演出であるリーチ演出があたかも突然開始されたかのような変則的な演出の実行が可能となる。すなわち、前半変動演出を行った後、単にリーチ演出を行うよりも、通常とは異なる演出態様が実行されているという感覚を遊技者に与えることができ、その特図変動表示ゲームにおける特別遊技発生への期待感を高めることができる。
なお、図示は省略するが、継続演出、ストーリー演出1及びストーリー演出3が実行される場合にも、ストーリー演出2が実行されるときと同様に、特図停止時間終了タイミングt2から前半変動終了タイミングt3までの間は、「特別図柄」については変動停止の状態となり、「飾り図柄」については、上記のように、飾り図柄変動開始遅延情報がセット(ステップB201e)されているため、表示装置41の画面上に識別図柄(変動図柄)の表示が行われないようになっている。
<実施形態3>
以下に、実施形態3の遊技機10について図65を用いて説明する。
実施形態3の遊技機10は、特別遊技状態の終了後に確変非報知状態に設定される15R大当り(以下、15R確率非報知大当り)の他に、特別遊技状態の終了後に確変非報知状態に設定される2R大当り(以下、2R確率非報知大当り)、及び小当りに当選した場合にも、時短回数又は小当り後のゲーム回数が20回転目、40回転目、100回転目の特図変動表示ゲームにおいて継続演出の実行を可能としたものである。
なお、実施形態3の遊技機10にあっては、特図停止情報テーブル以外の構成は実施形態1の遊技機10と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
以下に、実施形態3の遊技機10における特図停止情報テーブルの詳細について図65を用いて説明する。
図65に示すように、実施形態3の遊技機10における特図停止情報テーブルは、15R確率非報知大当りの他に、2R確率非報知大当り、及び小当りの場合にも、時短回数又は小当り後のゲーム回数が20回転目、40回転目、100回転目の特図変動表示ゲームにおいて、継続演出の実行が可能となる特殊停止表示時間(停止表示時間A〜C)を設定可能となっている。
また、実施形態3の遊技機10における特図停止情報テーブルは、15R確率非報知大当りの場合も2R確率非報知大当りの場合も、実際には高確率状態に設定された確率非報知大当りよりも実際には通常状態に設定された確率非報知大当りの方が、特殊停止表示時間(停止表示時間A〜C)の発生(設定)頻度が高くなるように設定がなされている。
具体的には、図65に示すように、15R確率非報知大当りの場合、図柄番号が「8」〜「15」の大当り(確率状態;高確率B)よりも図柄番号が「1」〜「5」の大当り(確率状態;通常)の方が特殊停止表示時間の発生頻度が高くなるように設定されている。同様に、2R確率非報知大当りの場合、図柄番号が「27」〜「29」の大当り(確率状態;高確率B)よりも図柄番号が「21」〜「23」の大当り(確率状態;通常)の方が特殊停止表示時間の発生頻度が高くなるように設定されている。
ここで、遊技制御装置100は、大当りが発生した場合に当該大当りを発生させることとなった特別結果態様に応じて、大当りの終了後に実行される特図変動表示ゲームにおいて特殊停止表示時間を設定する頻度を決定したこととなる。
また、実施形態3の遊技機10における特図停止情報テーブルは、15R確率非報知大当りの場合も2R確率非報知大当りの場合も、実際には高確率状態に設定された確率非報知大当りよりも実際には通常状態に設定された確率非報知大当りの方が、停止表示時間の短い特殊停止表示時間の設定割合が高くなっている。
具体的には、図65に示すように、15R確率非報知大当りの場合、図柄番号が「8」〜「15」の大当り(確率状態;高確率B)よりも図柄番号が「1」〜「5」の大当り(確率状態;通常)の方が停止表示時間の短い特殊停止表示時間の設定割合が高くなっている。同様に、2R確率非報知大当りの場合にも、図柄番号が「27」〜「29」の大当り(確率状態;高確率B)よりも図柄番号が「21」〜「23」の大当り(確率状態;通常)の方が停止表示時間の短い特殊停止表示時間の設定割合が高くなっている。
ここで、遊技制御装置100は、特定遊技(時短状態(確率非報知状態))が高確率状態であるか低確率状態であるかに応じて、特殊停止表示時間を設定する頻度を変更したこととなる。
また、小当り後の特図変動表示ゲームでは、図柄番号が「27」〜「29」の2R確率非報知大当り(確率状態;高確率B)よりも特殊停止表示時間の発生頻度が高くなるように設定されている。
また、小当り後の特図変動表示ゲームでは、図柄番号が「21」〜「23」の2R確率非報知大当り(確率状態;通常)よりも停止表示時間の長い特殊停止表示時間の設定割合が高くなっている。
以上、実施形態3の遊技機10によれば、停止表示時間が特殊停止表示時間に設定される頻度が多種多様となり、遊技(特定遊技)が単調となることを防止できる。
また、特殊停止表示時間の設定頻度を確認することで、特定遊技が高確率状態であるのか低確率状態であるのかを推測することが可能となり、遊技者に飽きを生じさせることなく期待感を持たせた遊技を行うことができるようになる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、継続演出が可能な時短回数又は小当り後のゲーム回数は適宜変更可能であって、20回転目、40回転目、100回転目以外の特図変動表示ゲームにおいて実行可能としても良い。
また、実施形態3の遊技機10の特図停止情報テーブルにて、15R確率非報知大当りの場合も2R確率非報知大当りの場合も、実際には高確率状態に設定された確率非報知大当りよりも実際には通常状態に設定された確率非報知大当りの方が、特殊停止表示時間(停止表示時間A〜C)の発生(設定)頻度が高くなるように設定したが、かかる設定内容は適宜変更可能であって、例えば、実際には高確率状態に設定された確率非報知大当りよりも実際には通常状態に設定された確率非報知大当りの方が、特殊停止表示時間の発生(設定)頻度が低くなるように設定しても良い。
また、15R確率非報知大当りの場合も2R確率非報知大当りの場合も、実際には高確率状態に設定された確率非報知大当りよりも実際には通常状態に設定された確率非報知大当りの方が、停止表示時間の短い特殊停止表示時間の設定割合が高くなるように設定したが、かかる設定内容は適宜変更可能であって、例えば、実際には高確率状態に設定された確率非報知大当りよりも実際には通常状態に設定された確率非報知大当りの方が、停止表示時間の短い特殊停止表示時間の設定割合が低くなるように設定しても良い。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。