JP5145265B2 - 過給機 - Google Patents
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Description
本発明に係る過給機は、ハウジング内に収納した過給機タービンおよび圧縮機の軸部が連結され、前記ハウジング内の軸受台に設置した軸受が前記軸部を回転自在に支持するとともに、前記過給機タービンにより駆動される前記圧縮機が内燃機関の燃焼用空気を圧縮して燃焼室に供給する過給機であって、主潤滑油ポンプに連結されて前記軸受に潤滑油を供給する主潤滑油系統と、前記軸受台の底部に設けられて前記軸受を潤滑した後に落下する潤滑油を所定量だけ滞留させる油溜まりと、補助潤滑油ポンプに連結されて前記油溜まりに滞留している潤滑油を前記軸受に供給する補助潤滑油系統とを備え、前記軸部の回転数が低い低負荷運転領域で、かつ、前記ハウジング内の温度が所定値以下である場合に前記補助潤滑油ポンプが運転される。
また、潤滑油は軸部と軸受との摩擦によって暖められる(加熱される)ことになるので、潤滑油を暖める(昇温させる)ヒーター等の加熱手段を不要とすることができ、加熱手段で消費されるエネルギー損失をなくすことができる。
この結果、例えば、舶用ディーゼル機関の開放時等において、主潤滑油ポンプを停止してメンテナンス等の作業を実施する必要がある場合に、主潤滑油系統から過給機に対する潤滑油の供給が停止されても補助潤滑油系統から過給機の軸受に潤滑油を供給することができる。すなわち、機関室内の空気流入等に起因して過給機タービンの軸部が低速回転するような場合であっても、軸受に対して補助潤滑油系統から潤滑油を供給することができ、軸受損傷の発生を防止または抑制することができる。換言すれば、ディーゼル機関自体および/または過給機の解放整備を行う際、ハウジング内の軸部が低速回転する過給機において、潤滑油不足により軸受損傷が生じることを確実に防止または抑制することができる。
また、本発明に係る過給機を搭載した内燃機関によれば、燃費および信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
図1に示す過給機1は、内燃機関の吸気系に設置されて燃焼用空気を圧縮し、内燃機関本来の吸気量を超える混合気を吸入・爆発させることにより、見かけの排気量を超える出力を得るための装置である。
過給機1は、過給機タービン2および圧縮機3の軸部(ローター軸)4が連結され、後述するハウジング5内に収納された過給機ローター(同軸に連結された過給機タービン2および圧縮機3の回転体)が一体に回転する。過給機タービン2は、内燃機関から排出される排気ガスを導入し、排気ガスのエネルギー(温度および圧力)を利用して高速回転する。この過給機タービン2は、同軸の圧縮機3を回転させる駆動源となる。
図示の過給機1は、ハウジング5に設けた軸受台6の内部に軸部4が収納され、水平に配置されている。この軸部4は、ハウジング5の軸受台6に設置した軸受7によって回転自在に支持されている。すなわち、過給機タービン2と圧縮機3との中間部には軸受台6が設けられ、この軸受台6に設置した軸受7が軸部4を回転自在に支持している。
ところで、過給機1の運転を停止した場合、主潤滑油ポンプの運転も停止される。しかし、過給機ローターはしばらくの間惰性で回転するため、主潤滑油ポンプの停止後においても、ヘッドタンク8内に溜まった潤滑油を有効に利用して軸受7を潤滑することが必要となる。したがって、高さが異なる潤滑油流路10,11を設けておき、ヘッドタンク8内の潤滑油残量が多い状態では、入口高さの高い潤滑油流路10から全ての軸受7に潤滑油を供給し、ヘッドタンク8内の潤滑油残量が少ない状態では、入口高さの低い潤滑油流路11から温度の高い過給機タービン2側の軸受7にのみ潤滑油を供給する。
なお、図中の符号14は、潤滑油を軸受7から油溜まり12へ落下させる出口開口、符号15は油溜まり12の空気抜きである。
一方、過給機1の回転数が低くなり(低下し)、圧縮機3から送出される空気の圧力、または内燃機関の燃焼室に供給される空気の圧力が絶対圧力で0.2MPaよりも低くなったら、補助潤滑油ポンプ20が自動起動される。このとき、ハウジング5内の温度が、例えば、70℃以下である場合には、補助潤滑油ポンプ20から送出されてきた潤滑油を、補助潤滑油配管21を介してヘッドタンク8に導く流路が開かれ、潤滑油配管25を介して潤滑油回収配管13に導く流路が閉じられることになる。また、ハウジング5内の温度が、例えば、70℃を超える場合には、補助潤滑油ポンプ20から送出されてきた潤滑油を、潤滑油配管25を介して潤滑油回収配管13に導く流路が開かれ、補助潤滑油配管21を介してヘッドタンク8に導く流路が閉じられることになる。
また、主潤滑油配管9の適所には、必要に応じて圧力計32や温度計33が設けられ、主潤滑油配管9内を流れる潤滑油の状況を目視で判断できるようになっている。
また、図示の過給機1における補助潤滑油系統は、補助潤滑油ポンプ20と、補助潤滑油配管21、逆止弁22と、三方弁23と、潤滑油配管25と、ヘッドタンク8と、潤滑油流路11と、軸受7と、出口開口14と、油溜まり12とにより形成される閉回路の潤滑油循環経路である。
また、潤滑油は軸部4と軸受7との摩擦によって暖められる(加熱される)ことになるので、潤滑油を暖める(昇温させる)ヒーター等の加熱手段を不要とすることができ、加熱手段で消費されるエネルギー損失をなくすことができる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 過給機タービン
3 圧縮機
4 軸部
5 ハウジング
6 軸受台
7 軸受
12 油溜まり
20 補助潤滑油ポンプ
Claims (2)
- ハウジング内に収納した過給機タービンおよび圧縮機の軸部が連結され、前記ハウジング内の軸受台に設置した軸受が前記軸部を回転自在に支持するとともに、前記過給機タービンにより駆動される前記圧縮機が内燃機関の燃焼用空気を圧縮して燃焼室に供給する過給機であって、
主潤滑油ポンプに連結されて前記軸受に潤滑油を供給する主潤滑油系統と、
前記軸受台の底部に設けられて前記軸受を潤滑した後に落下する潤滑油を所定量だけ滞留させる油溜まりと、
補助潤滑油ポンプに連結されて前記油溜まりに滞留している潤滑油を前記軸受に供給する補助潤滑油系統とを備え、
前記軸部の回転数が低い低負荷運転領域で、かつ、前記ハウジング内の温度が所定値以下である場合に前記補助潤滑油ポンプが運転されることを特徴とする過給機。 - 請求項1に記載の過給機を備えていることを特徴とする内燃機関。
Priority Applications (1)
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JP2009039690A JP5145265B2 (ja) | 2009-02-23 | 2009-02-23 | 過給機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009039690A JP5145265B2 (ja) | 2009-02-23 | 2009-02-23 | 過給機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010196502A JP2010196502A (ja) | 2010-09-09 |
JP5145265B2 true JP5145265B2 (ja) | 2013-02-13 |
Family
ID=42821474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009039690A Active JP5145265B2 (ja) | 2009-02-23 | 2009-02-23 | 過給機 |
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- 2009-02-23 JP JP2009039690A patent/JP5145265B2/ja active Active
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