JP5145102B2 - 直腸内回転器、検知装置および直腸刺激装置 - Google Patents

直腸内回転器、検知装置および直腸刺激装置 Download PDF

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Description

本発明は、身体的障害があって排便時の介護が必要な要介護者、特に直腸に便が貯まっても便意を感ずる機能の低下、あるいは直腸の機能低下により自然排便が困難になっている要介護者に対して、直腸内で不規則回転して直腸内壁を適度に刺激して直腸の機能回復を図る直腸内回転器、直腸内回転器が直腸に到達したことを検知する検知装置、および直腸内回転器を直腸内で回転させて直腸内壁に刺激を与える直腸刺激装置に関する。
排便のメカニズムについて、図6を参照して簡単に説明する。
図6は、直腸・肛門部の断面構造を示す。直腸51は全長約15〜20cmの腸管で、直腸51の筋肉が肛門へ連なって内肛門括約筋52となり、その外側の外肛門括約筋53と重なり、内・外の肛門括約筋が肛門管54を形成する。肛門管54は、男性で3〜4cm、女性で2〜3cmである。
直腸51内に便がないときの肛門管54は、内肛門括約筋52の働きによって一定の圧力がかかり、意識しなくても閉じている。そして、腸の蠕動運動によって便が直腸51に移動し、直腸51内にある程度(150〜250 mL)の便が貯まると、その刺激に対する脊髄反射により内肛門括約筋52が弛緩して肛門管54を開こうとするが、このとき便意を感ずることにより外肛門括約筋53と肛門拳筋55を収縮させて肛門管54を閉じる。すなわち、無意識の状態で直腸51と内肛門括約筋52が便を保持し、便意を認識すると外肛門括約筋53等がもれを防ぐ仕組みである。そして、しゃがむことにより、直腸51と肛門管54の間の屈曲が拡大し、腹圧(イキミ)や直腸51の収縮によって直腸51内の内圧が高まると、反射的に外肛門括約筋53が弛緩して便が排泄される。排便が終了すると、内肛門括約筋52が収縮して肛門管54が閉じられる。
このような排泄行為は、人間が生きていく上で非常に重要であるが、身体的障害によって歩行が困難になり自らトイレに行くことができない状況になると、いろいろな問題が生じてくる。しかし、このような要介護者の中には、介護者の手助けを受けながらもトイレに行って排便することを希望する人が少なくない。一方、人員不足等のために介護者の手が回らない環境、例えば要介護者から便意の連絡を受けて直ちにトイレに連れていき、さらに排便が終わるまで付き添うような時間的余裕がない環境では、要介護者がベッドに寝かされ、止むを得ずオムツに排便させる方法がとられることがある。このような事態は、要介護者にとっても不幸なことであり、また介護者もオムツ交換などの汚物処理が必要になり、介護施設の衛生環境も悪くなる悪循環に陥る。
要介護者がオムツへの排便を強いられ、その機会が多くなると、直腸に便が貯まっても便意を感ずる機能が低下したり、さらに直腸の機能低下によって自然排便が困難になる場合が少なくない。そのため、ますますオムツの生活が常態化し、そのうちに肛門括約筋の筋力も落ちて正常な排泄ができなくなることがある。特に、便意に伴う排便の機会を逃すと、便は直腸から肛門管に達した段階で水分が吸収されて硬くなり、自力での排便が困難になる。
このようになると、例えば特許文献1に記載のように、腸内にバルーンを挿入し、軟化剤を注入しながら便を吸引するような処置が必要になり、要介護者にとっては精神的にも身体的にも大きな負担となる。
また、寝たきり認知症老人を対象として、温度センサ付きICタグをオムツに設置し、オムツの温度情報を無線信号で伝送し、その時間変化をモニタしてオムツへの排便を検知する排便検知システムが開発されている(非特許文献1)。しかし、このシステムは排便後のオムツ交換などに利用することを想定しており、要介護者の正常な排泄行為の手助けになるものではない。
また、内視鏡検査を容易にするために、口から飲み込んで肛門から排泄されるまでの間に所要の検査情報を収集する形態のカプセル型内視鏡が開発され、実用段階に入っている(特許文献2)。人体にとってこのような異物を飲み込んでも、排泄されることは実証されている。
実開平5−9554号公報 特開2003−210395号公報 米澤保人、他4名、「ICタグを用いた排便検知システムの開発」、石川県工業試験場平成19年成果発表会要旨集、http://irii.go.jp/theme/2007/pdf/study04.pdf
歩行が困難でもトイレで排便が可能な要介護者の場合は、排便のタイミングに合わせてトイレに連れて行ってもらい、自然排便することが理想的である。それが可能であれば、要介護者自身の尊厳を守るとともに身体的負担も軽減することができる。一方、介護者にとっても、事前に要介護者の排便のタイミングがわかれば、介護の段取りもつけやすくなり負担が大きく軽減される。すなわち、介護者は、要介護者の排便が近いという情報が得られるならば、即時に対応できなくてもある程度の段取りをつけて、要介護者をトイレに連れていくことは可能になる。そのためにも、要介護者の便意を感ずる機能や直腸の機能を維持し、便意を感ずる機能や直腸の機能が低下している場合にはそれを回復させることが必要になる。
なお、要介護者をベッドに寝かせるだけでなく、排便のタイミングに合わせて例えば車椅子等に座らせ、便を直腸に落ちやすくして便意を感じやすくする工夫が考えられる。このときに、介護者が要介護者の便意を検知できれば、要介護者をタイムリーにトイレへ連れていくことができ、また要介護者も便意に応じた排便が可能となり、精神的にも身体的にも大きなリハビリ効果が期待される。
本発明は、自然排便が困難になっている要介護者に対して、直腸内で不規則回転させることにより便意を感ずる機能や直腸の機能の回復に寄与する直腸内回転器、直腸内回転器が直腸に到達したことを検知する検知装置、および直腸内回転器を直腸内で回転させて直腸内壁に刺激を与える直腸刺激装置を提供することを目的とする。
本発明の直腸内回転器は、人体の消化器官で消化されない材質で形成され、要介護者が飲み込み可能な大きさの変形球体の内部に、N極面とS極面の大きさが異なる形状の磁石を含み、体外から与えられる磁気攪拌手段の磁力により直腸内で不規則回転する構成である。
また、変形球体の内部に、無線信号を送信する無線ICチップを配置した構成としてもよい。また、磁石の内部に無線信号を送信する無線ICチップを配置し、そのアンテナを磁石の外側に引き出し、変形球体の中に収容した構成としてもよい。また、無線ICチップは固有の識別情報を有し、無線信号に当該識別情報を含めて送信する構成としてもよい。
また、変形球体は、スチレン系ポリマーまたは植物性エラストマーの弾力性のある物質を用いて防水加工した前記磁石を包含するとともに、その表面から中心斜め方向に設けた隙間にオイルまたはグリスを充填させた構成としてもよい。
本発明の検知装置は、要介護者の体外の肛門に近い位置に設置され、所定の検知距離まで近づいた本発明の直腸内回転器の磁石の磁気を検知する磁気検知手段と、磁気検知手段が磁石の磁気を検知したときに、直腸内回転器が直腸に到達したことを示すアラーム信号を送信する送信手段とを備える。
本発明の検知装置は、要介護者の体外に設置され、所定の検知距離まで近づいた本発明の直腸内回転器の無線ICチップから送信される無線信号を検知する信号検知手段と、信号検知手段が無線信号を検知したときに、直腸内回転器が直腸に到達したことを示すアラーム信号を送信する送信手段とを備える。
本発明の検知装置は、要介護者の体外に設置され、所定の検知距離まで近づいた本発明の直腸内回転器の無線ICチップから送信される無線信号を検知する信号検知手段と、無線信号から直腸内回転器の固有の識別情報を検出し、直腸内に到達している直腸内回転器を判別する制御手段とを備える。
本発明の直腸刺激装置は、本発明の直腸内回転器と、要介護者の体外に設置され、磁力を発生して直腸内回転器を直腸内で不規則回転させ、直腸内壁に刺激を与える磁気攪拌手段とを備える。
本発明の直腸刺激装置は、要介護者の体外に設置され、所定の検知距離まで近づいた本発明の直腸内回転器の無線ICチップから送信される無線信号を検知する信号検知手段と、信号検知手段が無線信号を検知したときに、磁力によって直腸内回転器を直腸内で不規則回転させ、直腸内壁に刺激を与える磁気攪拌手段とを備える。
本発明の直腸内回転器は、要介護者が食事と一緒または前後に飲み込み、それが直腸に到達したときに、体外から与えられる磁気攪拌手段の磁力により直腸内で不規則回転することができる。これにより、直腸内回転器が直腸内壁を刺激し、便意を感ずる機能や直腸の機能の回復を図り、自然排便にもっていくことができる。また、直腸内の便を攪拌し、排便しやすくすることもできる。さらに、変形球体の表面から中心斜め方向に設けた隙間にオイルまたはグリスを充填させておくことにより、直腸内の不規則回転中または排便に伴って肛門管を通り抜けるときにオイルまたはグリスが排出され、肛門管の内壁や便の表面を滑りやすくして便の排出を容易にすることができる。
本発明の検知装置は、要介護者が飲み込んで直腸に到達した直腸内回転器の磁気や無線信号を体外から検知し、さらに検知したことをアラーム信号で介護者に通知することができるので、介護者は要介護者を磁気攪拌手段のところに連れていけば、直腸内の直腸内回転器に不規則回転を与えることができる。さらに、無線信号から直腸内回転器の固有の識別情報を検出することにより、直腸内に到達している直腸内回転器を判別し、便の溜まり具合等の判断に用いることができる。
本発明の直腸刺激装置は、直腸内回転器の磁気を検知したり、直腸内回転器から送信された無線信号を検知することにより、磁気攪拌手段を稼働させ、直腸内回転器を不規則回転させることにより、直腸の内壁や肛門括約筋に刺激を与えることができる。また、無線信号を検知する構成では、磁気攪拌手段から発生する磁気の影響を受けずに直腸内回転器を検知できるので、検知装置と磁気攪拌手段と一体に配置することができる。
このような直腸内回転器により要介護者の排便機能を回復させるとともに、直腸内回転器の検知により、介護者は要介護者の便意を察してタイムリーにトイレに連れていって自然排便させることが容易になる。これにより、介護者はオムツ交換などの汚物処理から開放され、負担軽減とともに介護施設の衛生環境改善を図ることができる。また、要介護者自身もトイレでの自然排便が可能になるので、オムツをあてられたり固まった便を取り出されるなど、屈辱的な介護から開放されて精神的に安定し、明るい気持ちで療養に専念することができる。
(直腸内回転器および検知装置の実施形態)
図1は、本発明の直腸内回転器および検知装置の実施形態を示す。
図において、直腸・肛門部の断面構造として示す直腸51、内肛門括約筋52、外肛門括約筋53、肛門管54、肛門拳筋55は、図6と同様である。
直腸内回転器10は、人体の消化器官で消化されない材質で形成され、要介護者が飲み込み可能な大きさの変形球体の内部に、N極面とS極面の大きさが異なる形状の磁石11を含み、磁気攪拌手段であるスターラーの上にお尻をもっていけば、その磁力を受けて直腸51内で不規則回転する構成である。すなわち、直腸内回転器10は、スターラーが稼働した際に回転する回転子として機能する。図1の直腸内回転器10は、直腸51内に滞留している状態を示す。なお、要介護者は、通常はベッドに横になっていても、食後数時間から10時間くらい経過したところで、腸の動きを促進して排便を促すために車椅子や専用の椅子等に着座させて体位を起こすことが望ましい。
図2は、直腸内回転器10の第1の構成例を示す。
図において、直腸内回転器10は、磁石11の全体をシリコンコーティングまたはテフロン(登録商標)コーティング等による皮膜12で防水加工し、さらにその上にスチレン系ポリマーやシリコンなどでコーティングするか、植物性エラストマー13を用いてコーティングした構成であり、弾力性があって表面がすべすべした変形球体の形状になっている。なお、一般的にエラストマーはスチレン系樹脂と鉱油からできているが、植物性エラストマー13はスチレン系樹脂の代わりに植物性樹脂(樹木から採取される樹脂)を用い、鉱油の代わりに植物性樹脂(椿油やごま油等)を用いて形成される。また、植物性エラストマー13には果汁や香料を添加してもよい。さらに、植物性エラストマー13の外部に、必要に応じて植物繊維または植物タンパク質などの繊維質やゲル状物質を用いた植物性コーティング剤(図示せず)を付加し、ブドウやグミの種と実の関係のような飲みやすい(食べやすい)形態としてもよい。
本構成例の直腸内回転器10の磁石11は円錐台を想定しているが、S極面とN極面の大きさ(重さ)が異なる形状であれば円錐台に限定されるものではない。
また、磁石11は例えばネオジム磁石のように磁束密度が高い材質を用い、植物性エラストマー13を含めて要介護者が飲みやすい大きさとして、例えばS極面直径1mm、N極面直径3mm、高さ4〜5mm程度とし、全体として薬剤のカプセルか錠剤程度の大きさの変形球体、例えば楕円球体とすることが望ましい。この形状は、直腸内回転器10の不規則回転を助長し、かつ直腸51の内壁を傷つけることなく適度な刺激を与えるためのものである。
図3は、直腸内回転器10の第2の構成例を示す。
本構成例の直腸内回転器10は、図2に示す第1の構成例において、磁石11の内部に無線信号を送信する無線ICチップ14を配置し、そのアンテナ15を磁石11の外側に引き出し、変形球体の植物性エラストマー13の中に収容した構成である。なお、アンテナ15にもシリコンコーティングまたはテフロンコーティング等による皮膜12で防水加工する。また、無線ICチップ14は、磁石11の内部ではなく、磁石11とともに植物性エラストマー13の中に収容してもよい。その他の構成は、図2に示す第1の構成例と同じである。また、無線ICチップは、内部に電池等の電源として必要とせず、外部から電磁誘導によって電源供給を行う構成としてもよい。
通常、直腸内回転器10の植物性コーティング剤は消化器官内で分離し、変形球体の植物性エラストマー13の状態で便とともに直腸51に到達する。このとき、直腸内回転器10はある程度の比重がある変形球体であるので、便本体より先に、あるいは便の先端部に混じって直腸51に到達しやすく、肛門管54に近い位置で一時滞留する。なお、直腸内回転器10が直腸51に到達したときに、直腸51内に便が十分に貯まっていない場合には、この時点で便意を感ずることは少ない。
ここで、本発明の検知装置20は、図1に示すように、要介護者が着座する椅子のクッション30およびその下部に設置される。検知装置20は、磁気センサ21、歪みセンサ22、各センサの検出情報を入力して情報処理する制御部24、制御部24の処理結果を外部にアラーム信号として送信する送信部25を備えた構成である。なお、図1の検知装置20の各部は回路ブロック図として記載している。
磁気センサ21は、要介護者がクッション30に着座したときに、肛門の近い位置になるようにクッション30のほぼ中央部に埋め込まれ、要介護者の直腸51に到達した直腸内回転器10内の磁石11の磁気を検出し、その大きさを計測して制御部24に出力する。なお、磁気センサ21が磁気を検出するセンサ部と、磁気の大きさを計測する計測部に分かれている場合には、少なくともセンサ部が要介護者の肛門近くになるように設置する。
通常、肛門管の長さは高々3〜4cmであり、直腸内回転器10の磁石11は肛門から3〜10cm程度の所に滞留すると推定される。一方、磁石11の磁束密度が例えば3000〜4000mG(ガウス)程度であれば、直腸51内の直腸内回転器10と磁気センサ21の距離が3〜4cmで1〜20mG、距離が4〜10cmで1mG弱の磁気を検出可能である。なお、地磁気の値は 0.2mG程度である。したがって、肛門から10cm以内の所に直腸内回転器10の磁石11があれば、磁気センサ21を用いて磁気を計測し、地磁気の 0.2mGを閾値として比較することにより、容易に直腸内回転器10の存在を検知することができる。
図4は、人体の直腸をイメージした磁気測定実験の結果を示す。ここでは、人の臀部を想定した大きさの10kgの豚肉ブロックを用い、その中に直径3cmのビニールチューブを通した。さらにチューブ内にゼリーを入れ、磁石を挿入した。チューブの下(肛門)から磁石までの距離(横軸)を変えながら磁気センサて磁気(縦軸)を計測し、ほぼ上記の結果が確認された。
制御部24は、磁気センサ21から磁気の計測値を入力し、磁気の計測値に応じて直腸内回転器10までの距離を推定する。例えば、磁気の計測値が1mG程度であれば、直腸内回転器10が直腸51の下部に到達し、便の先端が肛門の位置まで下りていると判断し、送信部25からアラーム信号を送信する。介護者はこのアラーム信号で通知を受けた場合には、要介護者を磁気攪拌手段であるスターラーのある場所につれていき、その上に要介護者のお尻をあてれば、直腸内回転器10がスターラーの磁力を受けて直腸51内で不規則回転する。これにより、直腸51の内壁が刺激を受けて便意を感ずるようになったり、これを繰り返すことにより直腸51の機能を回復させることができる。介護者は、適当なタイミングを見計らって要介護者をトイレに連れてゆくことにより、要介護者はトイレで自然排便が可能となる。
なお、本実施形態では、スターラーから発生する磁気により直腸内回転器10の検知が困難になる可能性があるので、検知装置20とスターラーを異なる場所に設置するようにしている。また、スターラーをトイレの便座にセットすれば、要介護者がトイレの便座に着座した状態で直腸内回転器10が不規則回転して直腸51を刺激し、反射的に内肛門括約筋52が弛緩して排便することも可能である。
一方、直腸内回転器10が図3に示すような無線ICチップ14を有する構成であれば、磁気センサ21に代えて無線信号を受信する受信器(例えばICカードリーダー)を備えることにより対応可能である。この場合には、スターラーと組み合わせることが可能になるが、その構成については後述する。
検知装置20において、無線ICチップ14が送信する無線信号を受信器で検知する構成では、制御部24は無線信号に含まれる直腸内回転器10の固有の識別情報を検知し、その情報から直腸内回転器10を飲用した日時やそのときの状況を対応させ、適切な排便管理が可能となる。例えば、直腸51内に複数の直腸内回転器10の存在がわかれば、自然排便が困難な状況を察知し、強制的に排便させるなどの処置が可能となる。
歪みセンサ22は、要介護者がクッション30に着座したことを検出するもので、クッション30上の両大腿部が当たる位置および両臀部が当たる位置に設置される。なお、歪みセンサ22に代えて圧力センサを用いてもよい。要介護者が着座したことを歪みセンサ22に加わった歪みの大きさに応じて検出すると、検出信号を制御部24に出力する。制御部24は、この検出信号に応じて磁気センサ21および送信部25の電源をオンに制御する。また、要介護者がクッション30から離れたことを歪みセンサ22が検出すると、制御部24が磁気センサ21および送信部25の電源をオフに制御する。これにより、検知装置20の消費電力を低減することができる。
なお、検知装置20の送信部25と、その送信信号を受信する受信部からなる送受信システムは、例えば無線LANシステムを利用することができる。また、無線LANシステムとナースコールシステムを連携させたり、さらにPHSや携帯電話を介して介護者に検知装置20の検知情報を直接伝達するようなシステムを構成してもよい。
(直腸内回転器および直腸刺激装置の実施形態)
直腸刺激装置は、直腸内回転器10と、それを回転子として回転させるスターラーなどの磁気攪拌手段により構成される。すなわち、直腸内回転器10が直腸51に到達したことを検知する検知装置とは分離して構成する。特に、直腸内回転器10が磁石11のみを有する場合には、それを検知するための磁気センサがスターラーの磁気によって誤動作するので、それらを一つの装置内に収容することはできない。一方、直腸内回転器10が磁石11の他に無線ICチップ14を備える場合には、その無線信号を検知する検知装置とスターラーとの共存が可能である。以下、その構成例について説明する。
図5は、本発明の直腸内回転器および直腸刺激装置の実施形態を示す。
図において、直腸・肛門部の断面構造として示す直腸51、内肛門括約筋52、外肛門括約筋53、肛門管54、肛門拳筋55は、図6と同様である。
直腸内回転器10は、人体の消化器官で消化されない材質で形成され、要介護者が飲み込み可能な大きさの変形球体の内部に、N極面とS極面の大きさが異なる形状の磁石11および無線ICチップ14を含み、磁気攪拌手段であるスターラー31からの磁力を受けて、直腸51内で不規則回転する構成である。図1の直腸内回転器10は、直腸51内に滞留している状態を示す。
ここで、本発明の直腸刺激装置40は、図5に示すように、スターラー41、無線ICチップ14から送信される無線信号を受信する受信器(例えばICカードリーダー)42、受信器42の受信情報を入力して情報処理し、スターラー41を稼働させる制御部43を備えた構成である。また、制御部43の処理結果を外部にアラーム信号として送信する送信部44を備えてもよい。なお、図5の直腸刺激装置40の各部は回路ブロック図として記載している。
このような構成では、受信器42が無線ICチップ14から送信された無線信号を受信することにより、スターラー41を稼働させることができる。以下同様に、直腸51内で直腸内回転器10が不規則回転することにより、直腸51の内壁が刺激を受けて便意を感ずるようになったり、これを繰り返すことにより直腸51の機能を回復させることができる。
また、直腸内回転器10の内部にオイルまたはグリスを充填した貯蔵袋を備え、変形球体表面からその貯蔵袋まで斜め方向の隙間(孔または切り込み)を設ける。この変形球体に設けた隙間は、通常の無圧時ではエラストマーの粘着力によって閉じており、オイルまたはグリスが漏れでることはない。直腸内回転器10が直腸51内で不規則回転中や排便に伴って肛門管を通り抜けるときなど、変形球体に外側から圧力が加わったときにこの隙間が開き、貯蔵袋からオイルまたはグリスがしみ出てくる構造である。このしみ出たオイルまたはグリスにより、便が固くなることを防ぐとともに肛門管の内壁や便の表面が滑りやすくなり、便の排出を容易にすることができる。
本発明の直腸内回転器および検知装置の実施形態を示す図。 直腸内回転器10の第1の構成例を示す図。 直腸内回転器10の第2の構成例を示す図。 人体の直腸をイメージした磁気測定実験の結果を示す図。 本発明の直腸内回転器および直腸刺激装置の実施形態を示す図。 直腸・肛門部の断面構造を示す図。
符号の説明
10 直腸内回転器
11 磁石
12 皮膜
13 植物性エラストマー
14 無線ICチップ
15 アンテナ
20 検知装置
21 磁気センサ
22 歪みセンサ
24 制御部
25 送信部
30 クッション
40 直腸刺激装置
41 スターラー
42 受信器
43 制御部
44 送信部
51 直腸
52 内肛門括約筋
53 外肛門括約筋
54 肛門管
55 肛門拳筋

Claims (10)

  1. 人体の消化器官で消化されない材質で形成され、要介護者が飲み込み可能な大きさの変形球体の内部に、N極面とS極面の大きさが異なる形状の磁石を含み、体外から与えられる磁気攪拌手段の磁力により直腸内で不規則回転する構成である
    ことを特徴とする直腸内回転器。
  2. 請求項1に記載の直腸内回転器において、
    前記変形球体の内部に、無線信号を送信する無線ICチップを配置した構成である
    ことを特徴とする直腸内回転器。
  3. 請求項1に記載の直腸内回転器において、
    前記磁石の内部に無線信号を送信する無線ICチップを配置し、そのアンテナを前記磁石の外側に引き出し、前記変形球体の中に収容した構成である
    ことを特徴とする直腸内回転器。
  4. 請求項2または請求項3に記載の直腸内回転器において、
    前記無線ICチップは固有の識別情報を有し、前記無線信号に当該識別情報を含めて送信する構成である
    ことを特徴とする直腸内回転器。
  5. 請求項1に記載の直腸内回転器において、
    前記変形球体は、スチレン系ポリマーまたは植物性エラストマーの弾力性のある物質を用いて防水加工した前記磁石を包含するとともに、その表面から中心斜め方向に設けた隙間にオイルまたはグリスを充填させた構成である
    ことを特徴とする直腸内回転器。
  6. 要介護者の体外の肛門に近い位置に設置され、所定の検知距離まで近づいた請求項1に記載の直腸内回転器の磁石の磁気を検知する磁気検知手段と、
    前記磁気検知手段が前記磁石の磁気を検知したときに、前記直腸内回転器が前記直腸に到達したことを示すアラーム信号を送信する送信手段と
    を備えたことを特徴とする検知装置。
  7. 要介護者の体外に設置され、所定の検知距離まで近づいた請求項2または請求項3に記載の直腸内回転器の無線ICチップから送信される無線信号を検知する信号検知手段と、
    前記信号検知手段が前記無線信号を検知したときに、前記直腸内回転器が前記直腸に到達したことを示すアラーム信号を送信する送信手段と
    を備えたことを特徴とする検知装置。
  8. 要介護者の体外に設置され、所定の検知距離まで近づいた請求項4に記載の直腸内回転器の無線ICチップから送信される無線信号を検知する信号検知手段と、
    前記無線信号から前記直腸内回転器の固有の識別情報を検出し、直腸内に到達している前記直腸内回転器を判別する制御手段と
    を備えたことを特徴とする検知装置。
  9. 請求項1に記載の直腸内回転器と、
    前記要介護者の体外に設置され、磁力を発生して前記直腸内回転器を直腸内で不規則回転させ、直腸内壁に刺激を与える磁気攪拌手段と
    を備えたことを特徴とする直腸刺激装置。
  10. 要介護者の体外に設置され、所定の検知距離まで近づいた請求項2または請求項3に記載の直腸内回転器の無線ICチップから送信される無線信号を検知する信号検知手段と、
    前記信号検知手段が前記無線信号を検知したときに、磁力を発生させて前記直腸内回転器を直腸内で不規則回転させ、直腸内壁に刺激を与える磁気攪拌手段と
    を備えたことを特徴とする直腸刺激装置。
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