JPH02218362A - 可聴域振動型排泄処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、排便困難症患者等に用い、可聴域周波数レベ
ルの機械的振動により直腸内の糞便を効率良く且つ安全
に破砕し、体外に吸引除去する排泄処理装置に関するも
のである。

〔従来の技術］ 人口の高齢化に伴い、寝たきり老人がますます増加して
いる。また、交通事故や先天的要因による肢体不自由者
も多く、その約半数が神経麻痺を伴なっている。これら
の人々にとって、排泄物の処理は日常生活上の一大問題
にも拘らず、排泄機器としては採尿器が開発されている
程度であり、糞便の処理に至っては緩下剤、浣腸、摘便
の方法によるしかなく、特に糞便の固い排便困難症を呈
する患者に対しては、これらの組み合わせにより処置さ
れているが、患者にとって肉体的、精神的苦痛を与える
と共に、排便施術者側にとってもこの排便作業に長時間
携されらねばならず、しかも糞便の臭気に耐えねばなら
ない嫌悪的な作業であった・ このような排便処理の諸問題を解決するための手段とし
て、本発明者らは、先に超音波周波数域の機械的振動に
よる糞便破砕吸引除去装置の発明をなし、特願昭６２−
３２５５０６号に開示したが、その周波数が高いが故に
、腸壁損傷に対する保護の方法に関して種々の安全対策
が必要であると共に、超音波による生殖器官への影響に
ついても懸念され、また装置も高価になるという弱点を
有していた。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、排便困難症患者等の固い糞便の患者に対して
、従来の浣腸或いは摘便等の従来の手法が、患者、施術
者及び介護人にとって長時間に亘って肉体的、精神的苦
痛を与える方式のものであり、また、超音波周波数レベ
ルの機械的振動による糞便破砕の方式が、その安全性を
付与せんがために複雑なる機構を必要とするものである
のに対して、比較的簡単なる構造にて安全性を十分付与
し得る、可聴周波数レベルの機械的振動により直腸内の
糞便を効率良く且つ安全に破砕吸引し、体外に除去し得
る排泄処理装置を提供せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、従来の手法の問題点を解決するものであり、
その構成は大きくは、 （１）肛門を介して直腸内に挿入され、その先端部が可
聴域レベルの周波数にて機械的振動をする挿入具部 （２）挿入具部先端部であるチップを機械的振動させる
ための振動発生部 （３）直腸内の便を軟化させると共に、浣腸処置を行な
うための洗浄液供給部 （４）洗浄液を予め加温する洗浄液加温部（５）機械的
振動によって破砕された糞便を体外へ吸引除去するため
の吸引部 からなる。

以下、図面に基づき、本発明の一実施例を詳述する。第
１図は本発明の全体構成図であり、大きくは振動発生部
、イリゲーション部及び吸引部とからなり、第２図は肛
門内へ挿入する挿入具、第３図は挿入具内に内蔵した機
械的振動部の一実施例をそれぞれ示すものである。

先ず、振動発生部について説明する。挿入具（１）はそ
の内部に振動伝達棒（２１）を内蔵し、挿入具（１）の
先端部であるチップ（２）は可聴域周波数レベルの機械
的振動をする。電源部（４）は振動源（３）を駆動する
ための電力をケーブル（５）を介して供給するための電
力発生部である。

次にイリゲーション部について説明する。イリゲーショ
ンポンプ（６）は、生理食塩水等の生体に等張、或いは
グリセリン水溶液等の無害な浣腸液等の洗浄液を収納し
ている洗浄液容器（７）からの洗浄液を、挿入具（１）
内を介して直腸内へ注液するローラー型等の送液用ポン
プであり、予熱器（８）は直腸内へ送液される前記洗浄
液を、直腸内温度近辺、例えば３５〜４２°Ｃ程度に予
め加温するだめのヒーター等を内蔵した加温器である。

この予熱器（８）は、挿入具（１）と洗浄液容器（力と
の間の任意の位置に設置すればよいが、洗浄液容器（７
）とイリゲーションポンプ（６）の間に設ける方が、イ
リゲーションポンプ（６）の圧送圧を受けずにすむので
望ましい。

また、イリゲーションポンプ（６）は、洗浄液容器（７
）を挿入具（１）より必要高さ、例えば５０〜１００ｃ
ｍ高くすれば落差によって流れるので省略してもよい。

これらの洗浄液を送液するのに必要なイリゲーション用
チューブ（９）は、軟質塩化ビニル樹脂、シリコーン樹
脂等適度な弾性があり、且つ使用する洗浄液による劣化
或いは成分の溶出等の少ない樹脂であれば使用可能であ
る。

次に、吸引部について説明する。貯溜容器０ωは、挿入
具（１）の先端部にあるチップ（２）によって破砕され
た糞便等の排泄物を、サクションチューブ（１０を介し
て貯溜するためのものであり、挿入具（１）とサクショ
ンポンプａ乙の間に設置し、プラスチック容器、ガラス
ビン、或いは使い捨て可能なプラスチック製の袋を内蔵
できる容器であり、吸引除圧０〜−７６０ｍＨｇを発生
するサクションポンプ０りの除圧に耐えるものであれば
よい、また、サクシランチューブ００は、軟質塩化ビニ
ル樹脂、シリコーン樹脂等サクシッンボンプ０２１の発
生する除圧に耐え、且つ過度な柔軟性を持つものであれ
ばよい。

第２図は、挿入具（１）の拡大詳細図であり、チップ（
２）の外側に、保護カバー（１３１を設け、この保護カ
バー０３１には洗浄液注入用のイリゲーションニップル
０４１をネジ接合、接着等の適宜な方法で設ける。

このイリゲーションニップル０４には、第１図に図示し
たイリゲーション用チューブ（９）を接続する。

振動源（３）が内蔵されている挿入具本体０９の後端の
挿入具裏蓋Ｏｅには、チップ（２）の機械的振動により
破砕された糞便等を吸引除去するためのサクションニッ
プル０７）を、挿入具ＭＭＱωに貫通状態にて設け、こ
のサクションニップル０７）に第１図に図示したサクシ
ョンチューブ００を接続する。このサクションニップル
０′ｌ）は、後述するが挿入具本体０５１の側面に設置
してもよい、挿入具裏蓋０６）には、挿入具本体０５）
内の振動源（３）に電力を供給するためのケープｔＨ（
５）を、挿入具裏蓋ａωに貫通状態にて設け、このケー
ブル（５）は第１図に図示した電源部（４）に接続する
。

保護カバー側は、機械的振動をするチップ（２）が肛門
或いは直腸壁に接触するのを防ぐためのちのであり、金
属、プラスチックス、ゴム等素材は問わないが、肛門挿
入時に滑りがよく、且つ冷たい感触を防ぐ目的ではプラ
スチックス、合成ゴムまたは天然ゴム製、もしくはこれ
らを組み合せたものが望ましく、必要ならば、この保護
カバーａ■の外表面にシェリー等の潤滑剤を塗布して使
用すると更に望ましい、この保護カバーのストレート部
（２７）の長さは、肛門から直腸内の糞便を破砕するの
に必要な長さであり、通常は３〜１２Ｃ１位で、望まし
くは５ｃｍ前後である。この保護カバー０３）のイリゲ
ーションニップル０４１より後面、即ち振動源（３）側
の内周に０−リング０８）を１〜３ケ、望ましくは２ケ
設置し、チップ（２）と保護カバー０■との間にできる
環状の洗浄液通路からの洗浄液が振動源（３）側へ流入
するのを防ぐ、保護カバーａ■の挿入具本体ａつへの接
続方法は、接着剤による接着、ネジ接続、或いは、はめ
合わせ接続等でよいが、チップ（２）の交換等を考慮す
れば、ネジ接続またははめ合わせ接続が望ましい。

振動源（３）を内蔵している挿入具本体ａωの材質は、
薬品等による腐蝕に強く、且つ軽量であり、また機械的
強度の高いものが望ましく、これらの材質としては、ア
ルミニウム合金、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスル
ホン樹脂、ポリイミド樹脂等があるが、ポリスルホン樹
脂系が本用途には最も望ましい。この挿入具本体０５１
の内面には、内蔵されている振動源（３）の前面側固定
板ＱＯ及び後面側固定板（２２）には、振動源（３）を
保持し且つ、振動源（３）の機械的振動を吸収するため
の緩衝材θつをそれぞれ設ける。この緩衝材０９の材質
は、天然ゴム、合成ゴムのどちらでも効果を発揮するが
、ネオプレンゴム、ブチルゴム等の合成ゴム系の方が緩
衝効果が大きく望ましい、緩衝材０９の形状は振動源の
形状によって決まるが、０−リング状或いはコの字形状
が望ましい、挿入具裏蓋ＯＯの材質は挿入具本体０５１
と同種の材質でよいが、この挿入具裏蓋０ωには前述の
通りサクシ５ンニツプルＱ′７）及びケーブル（５）が
貫通している故、この貫通部に隙間ができやすく、洗浄
液等の水分が挿入具本体００内に侵入する恐れがあり、
これを防ぐ目的で、この隙間に接着剤等を封入する必要
性もあり、材質上はポリスルホン系樹脂等接着性に優れ
た樹脂を用いるのが望ましい。

イリゲーションニップル０４１及びサクションニップル
０ηの材質は、これらのニップルにイリゲーション用チ
ップ（９）及びサクションチューブ０１１を、各々施療
毎に接続、脱着を繰り返す故、強度に優れ且つ耐腐蝕性
のあるものがよく、ステンレス鋼系金属或いはポリサル
ホン系樹脂が望ましい。

本発明による可聴周波数領域、即ち１７ＫＨｚ以下の振
動を発生せしめる振動源（３）としては、大別すると機
械的なものと、電気的なものを使用できる。

機械的な振動源としては、モーター駆動によるカム式と
不平衡質量回転式が適用でき、前者は数１０ヘルツの振
動、後者は数１００ヘルツの振動まで発生でき、装置的
には大掛かりなものになるが、大振幅をとり得る利点が
ある。一方、電気的な振動源としては、圧電型、電歪型
、磁歪型及び電磁型を適用でき、圧電型としてはロッシ
ェル塩、ＡＤＰ　（燐酸アンモン）等の振動子があるが
、その周波数は２００Ｈｚ以上を出し得るが、振幅がせ
いぜい１μｍ程度と低く、本発明の用途にはあり通さな
い。電歪型はチタン酸バリウム、ジルコン酸チタン酸鉛
に代表される振動子であり、周波数的には１０ＫＨｚ以
上の振動に適し、しかも振動子自体の機械的強度が高い
故、これらの振動子に共振状態にて接続し得る工具の材
質、形状にもよるが、最大４００μｍ程度迄振幅をとり
得る。

磁歪型はニッケル合金、アルフェル合金等の強磁性体を
交番磁界内に置く事により、これらの合金を１０ＫＨｚ
以上で伸び縮みさせる方式であり、電歪型に比して無理
なく振幅をとり得、最大７００μｍ程度迄可能である。

電磁型はスピーカーバイブレータ−１電気髭剃器に代表
されるものであり８、磁性材料の周囲にコイルを捲き、
このコイルに交番磁界をかける事により磁性材料が正逆
両方向に移動する事で振動を発生する方式であり、その
周波数は２００Ｈｚ〜２５ＫＨｚ程度、振幅も数１００
μｍ〜数謹と広範囲にとれる利点がある。これらの電気
的な振動源には、その目的とする振動周波数と同じか、
またはほぼ近似の周波数を電源部である交流発生器にて
発生させる。

本発明による糞便破砕用の振動源として、前述の機械的
、電気的振動発生方式のいずれも適用可能であるが、こ
れらの内、比較的構造が簡単で小型軽量、且つ、糞便破
砕に必要な大振幅が得られ、可聴周波数レベルの振動数
故に安全な＠、磁梨型振動源内蔵した、本発明による挿
入具の内部構造の一実施例について第３図に基づき説明
する。

振動源（３）の材料としては、初透磁率がおおよそＩＯ
ｚ程度以上の値を持つ高透磁率材料、高い保磁力と残留
磁束密度に優れた永久磁石材料、或いは、全ヒステリシ
ス特性を生かせる半硬質磁性材料等が望ましい、高透磁
率材料としては、カルボニル鉄、電解鉄、水素還元鉄等
の純鉄、軟鉄或いは磁性鋼、無方向性ケイ素鋼、方向性
ケイ素鋼等のケイ素鋼、フェライト、アモルファス等の
パーマロイ等が適切であり、永久磁石材料としては、ア
ルニコ、Ｆｅ−Ｃｒ−Ｃｏ合金磁石、キュニフェ等の合
金磁石、バリウムフェライト系酸化磁石、布上類コバル
ト磁石、ＭｎＡ！磁石等が適切であり、また半硬質磁性
材料としては、焼入鋼、ＦｅＣｏ−Ｖ（Ｃｒ）系合金、
Ｆｅ−Ｍｎ系合金、高Ｃｏ−Ｆｅ系合金、Ｆｅ−Ｃｕ系
合金、またはＦｅ−Ｍｎ−Ｃｏ系合金等が適切である。

振動源（３）の周囲にはコイル（２６）を設置し、この
コイル（２６）はケーブル（５）を介して、交流発生器
である電源部（４）に接続される。電源部（４）にて発
生させた交流の周波数に応じた交番磁界が、振動源（３
）を貫通する方向にて発生し、その結果振動源（３）は
交流周波数の振動数にて軸方向の振動を発生する。

振動源（３）の振動振幅は、コイル（２６）に供給する
電力量の大小によって大小する。振動源（３）の前端部
及び後端部には、鍔状の前面側固定板（至）、後面側固
定板（２２）をそれぞれ設け、その外周にゴム等の弾性
体からなる緩衝材（至）を設置し、挿入具本体０ω内に
て適宜の方法で固定する。振動源（３）の前面側、即ち
チップ（２）側には、振動源（３）にて発生させた軸方
向の振動を、チップ（２）に伝達するための振動伝達棒
（２１）を設ける。この振動伝達棒は振動を吸収しない
材質がよく、鉄、鋼、ステンレススチール、ジュラルミ
ン、チタン合金等の金属か望ましく、とりわけジュラル
ミン、チタン合金等の軽量且つ、靭性に冨んだ材質が更
に望ましい。

直腸内にて糞便を破砕する工具となるチップ（２）は、
ネジ等により振動伝達棒（２１）と接続、固定する。チ
ップ（２）の材質は、耐腐蝕性に冨み、且つ靭性に優れ
た金属が望ましく、ステンレススチール、ジュラルミン
、チタン合金等が適切である。後面側固定板（２２）の
後端には、パイプ状の振動源ニップル（２３）を設け、
サクションニップルθ力との接続は、フッ素ゴム、シリ
コーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の弾性に優れ耐熱
性のある素材からなる接続チューブ（２４）にて行なう
、チップ（２）、振動伝達棒（２１）、振動源（３）、
振動源ニップル（２３）及びサクシランニップル０７）
内には、軸方向に貫通した吸引孔（２５）を設ける。

次に、直腸内の糞便を破砕吸引除去する作用機序を第１
図、第２図、第３図に基づいて説明する。

挿入具（１）の保護カバー側のストレート部（２７）を
、肛門から直腸部に適切な長さ挿入し、イリゲーション
ニップル（＋４１を介して、生理食塩水等の洗浄液を直
腸内に注入すると共に、電源部（４）から振動源（３）
に交流電力を供給することにより振動源（３）にて発生
した軸方向の機械的振動が、振動伝達棒（２Ｉ）を介し
て糞便に接触しているチップ（２）の先端部に伝達され
、糞便の破砕が始まる。洗浄液により糞便は乳化され、
サクシランポンプＱ２１によって発生させた除圧により
、チップ（２）内の吸引孔（２５）、サクションニップ
ル０刀、サクションチューブθ０を経て貯溜容器０ωに
排出され貯えられる。直腸内の糞便が破砕吸引除去され
ることにより、直腸が次第に収縮してゆく故、チップ（
２）の先端部には逐次糞便が供給される結果となり、直
腸内の全ての糞便を破砕し、吸引除去することができる
。

糞便ファントムである紙粘土による模擬実験及び豚によ
る動物実験の結果から、交流発生器である電源部（４）
から発生させる交流周波数は、可聴周波数傾城である数
１０Ｈ２からｌＯ数ＫＨｚ、望ましくは２００　Ｈｚ　
〜１５００　Ｈｚであり、また、チップ（２）先端部の
機械的振動の振幅は、数１００μｍから数■、望ましく
は７００〜１５００μｍであり、また電源部の必要な電
力は２０〜５００Ｗ、望ましくは１００〜２００Ｗとす
るのがよく、良好なる糞便破砕ができる。

尚、実施例は、電磁型振動源を用いたものにて説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、可聴周波
数域、即ち１７ＫＨｚ以下の振動を利用した糞便破砕型
の排泄処理装置を意図するものである。

（発明の効果） 上述のように本発明の構成に従うと、従来の浣腸、摘便
或いは坐剤等による排泄手法に比し、効率良く直腸内の
糞便を破砕、乳化して吸引除去でき、従来極めて困難で
あった極度に固い糞便に対しても、短時間で容品に破砕
し除去することができる。しかも、可聴周波数領域の振
動数を使用している故、直腸壁の損傷事故を起こすこと
もなく、超音波領域の音波自体による生殖器官に対する
影響を危惧する事も必要なく、快適な処置がとれると共
に、臭気等の発生も少なく、患者及び介護者にとっても
肉体的、精神的苦痛を与えることもなくなり、工業上、
医療上極めて優れた糞便排泄処理装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例となる排泄処理装置の全体構
成図、第２図は直腸内への挿入具の拡大図で、第３図は
挿入臭内に内蔵した振動部の概略図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）直腸内の糞便を排泄洗浄する装置であって、１７
   ＫＨｚ以下の機械的振動をするチップを肛門を介して直
   腸内に挿入し、直腸内の糞便を破砕することを特徴とす
   る排泄処理装置。
2. （２）機械的振動をするチップを内蔵する挿入具、洗浄
   液を直膓内へ注入するイリゲーション部、及び破砕乳化
   された糞便等を体外へ吸引除去する吸引部から構成され
   ることを特徴とする請求項（１）記載の排泄処理装置。