JP2005013112A - 浮遊攪拌培養装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高度な攪拌能力を有しながら、構造が単純なため低コストで取り扱いが容易であり、口径が小さい様々な寸法の培養容器に対応でき、嵩張らずに培養容積を大きく減少させることのない浮遊攪拌培養装置を提供すること。
【解決手段】培養容器1の内部へ、柔軟素材より成る支持チューブ2を介して棒状マグネット3を縦方向に吊り下げ、培養容器1の下方に設置された回転磁石10により、棒状マグネット3を培養容器1の周方向に沿って移動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】培養容器1の内部へ、柔軟素材より成る支持チューブ2を介して棒状マグネット3を縦方向に吊り下げ、培養容器1の下方に設置された回転磁石10により、棒状マグネット3を培養容器1の周方向に沿って移動させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動物細胞や微生物の浮遊攪拌培養に用いる浮遊攪拌培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動物細胞の浮遊攪拌培養では、細胞に物理的なダメージを与えず、且つ、できるだけ分散させて細胞を懸濁させることが重要である。このため、既に種々の浮遊攪拌培養装置が開発されているが、単離浮遊細胞の分散を目的とする攪拌方式のものと、細胞を接着させたマイクロキャリアを浮遊懸濁させる攪拌方式のものとがある。
いずれも、溶液流動性に加え、攪拌により剪断力を与えて細胞を凝集させない仕様となっているが、後者は、大きめの攪拌翼で低速攪拌して、剪断力を小さく抑えながら、キャリアを含む液体培地を効果的に流動させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような攪拌翼を用いた培養装置は、容器の蓋を中心軸で貫通し、中心軸の下端部に円筒状の回転軸をはめ込み、攪拌翼を有するマグネット棒で回転軸を直角に貫通し、容器の下方に設置した回転磁石でマグネット棒及び攪拌翼を回転させるようになっている。
ところが、回転軸の下端面が開口しているため、この開口部に細胞が進入して凝集塊を形成しやすく、細胞の凝集を防ぐために回転軸の開口部を閉鎖したものは、構造が複雑である。また、太い回転軸及び大きく張り出した攪拌翼によって容器内の容積が減少してしまい、少量の攪拌培養には適しておらず、容器の寸法に応じて異なる攪拌翼を用いなければならない。
【0004】
また、容器内へ紐で永久磁石攪拌子を吊り下げ、容器の外方に設置されたソレノイドで永久磁石攪拌子を振り子運動させる撹拌装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、このものは、攪拌子が往復するだけなので攪拌能力が低く、攪拌子が容器の側壁に衝突しやすくて破損する虞があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−278076号公報
【特許文献2】
特開平6−140271号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、中心底部に渦巻き中心が発生して、細胞の凝集や集合が生じることの少ない、高度な攪拌能力を有しながら、構造が単純なため低コストで取り扱いが容易であり、口径が小さな様々な寸法の培養容器に対応でき、嵩張らずに培養容積を減少させにくい浮遊攪拌培養装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の浮遊攪拌培養装置は、培養容器の内部へ、柔軟素材より成る支持チューブを介して棒状マグネットを縦方向に吊り下げ、前記培養容器の下方に設置された回転磁石により、前記棒状マグネットを前記培養容器の周方向に沿って移動させる。
回転磁石が回転すると棒状マグネットに回転力が与えられ、支持チューブが撓んで棒状マグネットは斜めに傾斜した状態で、円錐面を描くように周方向に移動し、液体培地を攪拌する。
【0008】
前記培養容器の上蓋に貫通孔を形成し、該貫通孔に柔軟で中空の固定支持用パッキングを挿通すると共に、固定支持用パッキングの中空部に中空接続管を挿通固定し、前記固定支持用パッキングから露出する中空接続管の下部に前記支持チューブを嵌合しても良い。これにより、支持チューブが確実に取り付けられ、上蓋の貫通孔を密封することができる。
また、前記棒状マグネットの外周に隆起部を形成することがある。この構成により、細胞が集合しやすい底面中心部分を、隆起部で拡散・攪拌できる。
棒状マグネットの外周に攪拌翼を着脱可能に嵌合することがある。この構成により、適した形状の攪拌翼を取り付けて、底面中心部分を拡散・攪拌できると共に、液体培地に対して培養される細胞の細胞間結合能等の特性に応じた剪断力を与えることができる。
【0009】
この場合、前記攪拌翼は、中間部に軸方向に沿う複数のスリットを形成した可撓性チューブとしても良い。可撓性チューブを棒状マグネットの下部外周に被せると、スリットで分割された各片が開いて翼状の張り出し部が形成される。そして、スリットを挟んだ上端部と下端部との距離を変えることにより、張り出し部の張り出し長さが変化する。また、可撓性チューブの上端部と下端部とを相対的に逆回転させると、張り出し部がねじられ、可撓性チューブの上端部及び下端部を内側へ折り返すと、張り出し部が略円弧状に湾曲する。
各スリットの両端部に略円形状の開口部を形成することがある。この構成により、スリットで分割される各片を変形操作する時に、各片の端部に加わる引っ張り負荷を分散できる。
支持チューブには、該支持チューブの回転可能な長さを規制する回転規制棒を挿脱可能にすると良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は、本発明の第1の実施形態を示す。
本発明の浮遊攪拌培養装置は、図1に示すように、培養容器1と、培養容器1の内部へ支持チューブ2を介して吊り下げた棒状マグネット3とを備える。
培養容器1の上面は開口しており、この開口面に上蓋4が着脱自在に装着される。また、上蓋4の中心には貫通孔5が形成される。この貫通孔5には、ポリメチルペンテン等の高圧滅菌可能な素材より成る中空接続管6aを挿通固定するため、中空の柔軟素材から成る肉厚状の固定支持用パッキング6を挿通し、固定支持用パッキング6の中空部に中空接続管6aを挿通固定してある(図3)。
【0011】
固定支持用パッキング6は、シリコン樹脂等の柔軟性のある素材より成り、貫通孔5に密着して簡単に抜け落ちないようになっている。また、中空接続管6aの下部は固定支持用パッキング6から露出しており、この露出した部分の外周には、支持チューブ2を安定して装着できるよう、複数のフランジ7が形成されている。
支持チューブ2は、耐熱無毒性の柔軟素材(例えばシリコン)より成り、その上端部が固定支持用パッキング6の下部外周に嵌合されている。
【0012】
棒状マグネット3は、適宜長さ及び直径の円柱状に形成され、その外面はポリ四フッ化エチレンで被覆されている。また、棒状マグネット3の上部外周囲には1本乃至複数本の係止溝8が形成され、この係止溝8が形成された部分を支持チューブ2の下部へ挿入してある。
なお、支持チューブ2の内径は、固定支持用パッキング6の中空接続管6aの外径及び棒状マグネット3の外径よりもやや小さく形成され、支持チューブ2の内部へ、固定支持用パッキング6の中空接続管6a及び棒状マグネット3を無理に押し込んで装着すると、簡単には外れないようになっている。
【0013】
このように棒状マグネット3を吊り下げた培養容器1へ液体培地を充填し、これをスターラ台9の上に載置する。そして、スターラ台9内に設置した回転磁石10を回転させると、固定支持用パッキング6に対する接続部分から支持チューブ2が撓み、棒状マグネット3が斜めに傾斜した状態で培養容器1の周方向に沿って移動し、液体培地が攪拌される。
なお、棒状マグネット3の回転半径が大きすぎる場合は、図2に示すように、固定支持用パッキング6の上端から支持チューブ2内の適宜深さまで剛性に富む回転規制棒11を差し込む。すると、支持チューブ2は、回転規制棒11の差し込んである部分が棒状マグネット3の移動に応じて撓むことができないので、棒状マグネット3の回転半径は小さくなる。このため、培養容器1の胴径(直径)に応じた回転半径を得ることができる。
【0014】
図4は、第2の実施形態を示す。
棒状マグネット3の下部外周囲に隆起部12を形成し、細胞が集合しやすい底面中心部分を拡散・攪乱する構造として、攪拌能力を高くしてある。この隆起部12は外面の皮膜と一体に簡単に形成でき、隆起部12の形状は図示以外の形状とすることもできる。
その他の構成及び使用方法は、第1の実施形態とほぼ同様なので、詳細な説明は省略する。
【0015】
図5及び図6は、第3の実施形態を示す。
図4に示すように、棒状マグネット3の下部外周に攪拌翼13を着脱可能に嵌合する。
攪拌翼13は、上下端部を除く中間部に、軸方向に沿って複数のスリット15を形成した可撓性チューブ14を、培養する細胞の細胞間結合能に応じて様々に変形させて用いることができる。このように変形させるため、可撓性チューブ14は、シリコン等の柔らかい材質で形成する。
なお、各スリット15の両端部に略円形の開口部17を形成して、可撓性チューブ14を変形操作した時に、スリット15で分割される各片の両端部に加わる引っ張り負荷を分散させても良い。
【0016】
可撓性チューブ14の変形例としては、図5に示すように、可撓性チューブ14を棒状マグネット3の下部外周に被せると、スリットで分割された各片が開いて翼状の張り出し部16が形成される。そして、スリット15を挟んだ上端部と下端部との距離を変えることにより、張り出し部16の張り出し長さが変化する。即ち、上端部と下端部とを接近させると、張り出し部16が側方へ長く張り出し、液体培地に対する攪拌翼13の接触面積が増加し、高い剪断力を得る。上端部と下端部とを離すと、張り出し長さが短くなる。
【0017】
また、図6の(ア)に示すように、可撓性チューブ14の上端部と下端部とを相対的に逆回転させると、張り出し部16が略螺旋状にねじれ、液体培地との接触面積がさらに増加し、より高い剪断力を得ることができて、細胞分散の効率が向上する。
図6の(イ)に示すように、可撓性チューブ14の上端部及び下端部を内側へ折り返すと、張り出し部16が略円弧状に湾曲する。
攪拌翼13の形状は、培養される細胞の特性に応じて、液体培地へ必要な剪断力を与えることができるように変形する。
【0018】
なお、棒状マグネット3に着脱自在に嵌合される攪拌翼は、棒状マグネット3を挿通する筒の外周囲に、固定的な形状の翼片を張り出したものとすることができる。
また、棒状マグネット3が小型で、支持チューブ2に加わる重量が軽い場合には、固定支持用パッキング6を用いず、支持チューブ2を直接上蓋4の貫通孔5に挿通固定しても良い。
更に、下部外周に隆起部や攪拌翼を取り付けた棒状マグネット3の上部に、別の隆起部を設けた構造にすると、液体培地の上部にいっそう流動性を与えるため、細胞の浮遊分散を効率的に行える。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、支持チューブを介して棒状マグネットが縦方向に設置されているので嵩張らず、口径の小さな培養容器でも使用でき、また、培養容器内の容積が大きく減少することが無く、しかも、構造が単純なので、製造コストが低廉で済み、組立・洗浄等の取り扱いが容易で、様々な用途に応用できる。
また、棒状マグネットが周方向に移動すると共に、支持チューブも撓みながら円錐面を描くよう移動するので、液体培地が支持チューブと棒状マグネットにより上部から下部までまんべんなく攪拌され、このため、容器の底面中心部に細胞の凝集や集合が生ずることが少ない。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、中空接続管によって支持チューブが確実に支持され、しかも、パッキングが貫通孔に密着して培養容器内部を外気から密封できる。
請求項3に係る発明によれば、細胞が集合しやすい底面中心部分を拡散・攪拌できる。
請求項4に係る発明によれば、必要に応じて、培養される細胞の細胞間結合能等の特性に合わせた形状の攪拌翼を装着でき、細胞が集合しやすい底面中心部分を拡散・攪拌できる。
請求項5に係る発明によれば、1本の可撓性チューブを変形させて棒状マグネットに付け替えるだけで、細胞特性に合わせた攪拌能力を発揮できる。
請求項6に係る発明によれば、各スリットの両端部に形成された略円形の開口部が、スリットで分割された各片に加わる引っ張り負荷を分散させるので、可撓性チューブの変形操作時に各片の端部が破損しない。
請求項7に係る発明によれば、棒状マグネットの回転半径を調整することができるため、寸法の異なる培養容器に応用することが可能で、少量培養から大量培養まで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示す浮遊攪拌培養装置の断面図。
【図2】第1の実施形態を示す浮遊攪拌培養装置の別の使用状態における断面図。
【図3】中空接続管及びパッキングの縦断面図。
【図4】第2の実施形態に係る棒状マグネットの側面図。
【図5】第3の実施形態に係る棒状マグネット及び攪拌翼の側面図。
【図6】第3の実施形態に係る攪拌翼の別の使用態様を示す側面図。
【符号の説明】
1 培養容器
2 支持チューブ
3 棒状マグネット
4 上蓋
5 貫通孔
6 固定支持用パッキング
6a 中空接続管
7 フランジ
8 係止溝
9 スターラ台
10 回転磁石
11 回転規制棒
12 隆起部
13 攪拌翼
14 可撓性チューブ
15 スリット
16 張り出し部
17 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、動物細胞や微生物の浮遊攪拌培養に用いる浮遊攪拌培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動物細胞の浮遊攪拌培養では、細胞に物理的なダメージを与えず、且つ、できるだけ分散させて細胞を懸濁させることが重要である。このため、既に種々の浮遊攪拌培養装置が開発されているが、単離浮遊細胞の分散を目的とする攪拌方式のものと、細胞を接着させたマイクロキャリアを浮遊懸濁させる攪拌方式のものとがある。
いずれも、溶液流動性に加え、攪拌により剪断力を与えて細胞を凝集させない仕様となっているが、後者は、大きめの攪拌翼で低速攪拌して、剪断力を小さく抑えながら、キャリアを含む液体培地を効果的に流動させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような攪拌翼を用いた培養装置は、容器の蓋を中心軸で貫通し、中心軸の下端部に円筒状の回転軸をはめ込み、攪拌翼を有するマグネット棒で回転軸を直角に貫通し、容器の下方に設置した回転磁石でマグネット棒及び攪拌翼を回転させるようになっている。
ところが、回転軸の下端面が開口しているため、この開口部に細胞が進入して凝集塊を形成しやすく、細胞の凝集を防ぐために回転軸の開口部を閉鎖したものは、構造が複雑である。また、太い回転軸及び大きく張り出した攪拌翼によって容器内の容積が減少してしまい、少量の攪拌培養には適しておらず、容器の寸法に応じて異なる攪拌翼を用いなければならない。
【0004】
また、容器内へ紐で永久磁石攪拌子を吊り下げ、容器の外方に設置されたソレノイドで永久磁石攪拌子を振り子運動させる撹拌装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、このものは、攪拌子が往復するだけなので攪拌能力が低く、攪拌子が容器の側壁に衝突しやすくて破損する虞があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−278076号公報
【特許文献2】
特開平6−140271号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、中心底部に渦巻き中心が発生して、細胞の凝集や集合が生じることの少ない、高度な攪拌能力を有しながら、構造が単純なため低コストで取り扱いが容易であり、口径が小さな様々な寸法の培養容器に対応でき、嵩張らずに培養容積を減少させにくい浮遊攪拌培養装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の浮遊攪拌培養装置は、培養容器の内部へ、柔軟素材より成る支持チューブを介して棒状マグネットを縦方向に吊り下げ、前記培養容器の下方に設置された回転磁石により、前記棒状マグネットを前記培養容器の周方向に沿って移動させる。
回転磁石が回転すると棒状マグネットに回転力が与えられ、支持チューブが撓んで棒状マグネットは斜めに傾斜した状態で、円錐面を描くように周方向に移動し、液体培地を攪拌する。
【0008】
前記培養容器の上蓋に貫通孔を形成し、該貫通孔に柔軟で中空の固定支持用パッキングを挿通すると共に、固定支持用パッキングの中空部に中空接続管を挿通固定し、前記固定支持用パッキングから露出する中空接続管の下部に前記支持チューブを嵌合しても良い。これにより、支持チューブが確実に取り付けられ、上蓋の貫通孔を密封することができる。
また、前記棒状マグネットの外周に隆起部を形成することがある。この構成により、細胞が集合しやすい底面中心部分を、隆起部で拡散・攪拌できる。
棒状マグネットの外周に攪拌翼を着脱可能に嵌合することがある。この構成により、適した形状の攪拌翼を取り付けて、底面中心部分を拡散・攪拌できると共に、液体培地に対して培養される細胞の細胞間結合能等の特性に応じた剪断力を与えることができる。
【0009】
この場合、前記攪拌翼は、中間部に軸方向に沿う複数のスリットを形成した可撓性チューブとしても良い。可撓性チューブを棒状マグネットの下部外周に被せると、スリットで分割された各片が開いて翼状の張り出し部が形成される。そして、スリットを挟んだ上端部と下端部との距離を変えることにより、張り出し部の張り出し長さが変化する。また、可撓性チューブの上端部と下端部とを相対的に逆回転させると、張り出し部がねじられ、可撓性チューブの上端部及び下端部を内側へ折り返すと、張り出し部が略円弧状に湾曲する。
各スリットの両端部に略円形状の開口部を形成することがある。この構成により、スリットで分割される各片を変形操作する時に、各片の端部に加わる引っ張り負荷を分散できる。
支持チューブには、該支持チューブの回転可能な長さを規制する回転規制棒を挿脱可能にすると良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は、本発明の第1の実施形態を示す。
本発明の浮遊攪拌培養装置は、図1に示すように、培養容器1と、培養容器1の内部へ支持チューブ2を介して吊り下げた棒状マグネット3とを備える。
培養容器1の上面は開口しており、この開口面に上蓋4が着脱自在に装着される。また、上蓋4の中心には貫通孔5が形成される。この貫通孔5には、ポリメチルペンテン等の高圧滅菌可能な素材より成る中空接続管6aを挿通固定するため、中空の柔軟素材から成る肉厚状の固定支持用パッキング6を挿通し、固定支持用パッキング6の中空部に中空接続管6aを挿通固定してある(図3)。
【0011】
固定支持用パッキング6は、シリコン樹脂等の柔軟性のある素材より成り、貫通孔5に密着して簡単に抜け落ちないようになっている。また、中空接続管6aの下部は固定支持用パッキング6から露出しており、この露出した部分の外周には、支持チューブ2を安定して装着できるよう、複数のフランジ7が形成されている。
支持チューブ2は、耐熱無毒性の柔軟素材(例えばシリコン)より成り、その上端部が固定支持用パッキング6の下部外周に嵌合されている。
【0012】
棒状マグネット3は、適宜長さ及び直径の円柱状に形成され、その外面はポリ四フッ化エチレンで被覆されている。また、棒状マグネット3の上部外周囲には1本乃至複数本の係止溝8が形成され、この係止溝8が形成された部分を支持チューブ2の下部へ挿入してある。
なお、支持チューブ2の内径は、固定支持用パッキング6の中空接続管6aの外径及び棒状マグネット3の外径よりもやや小さく形成され、支持チューブ2の内部へ、固定支持用パッキング6の中空接続管6a及び棒状マグネット3を無理に押し込んで装着すると、簡単には外れないようになっている。
【0013】
このように棒状マグネット3を吊り下げた培養容器1へ液体培地を充填し、これをスターラ台9の上に載置する。そして、スターラ台9内に設置した回転磁石10を回転させると、固定支持用パッキング6に対する接続部分から支持チューブ2が撓み、棒状マグネット3が斜めに傾斜した状態で培養容器1の周方向に沿って移動し、液体培地が攪拌される。
なお、棒状マグネット3の回転半径が大きすぎる場合は、図2に示すように、固定支持用パッキング6の上端から支持チューブ2内の適宜深さまで剛性に富む回転規制棒11を差し込む。すると、支持チューブ2は、回転規制棒11の差し込んである部分が棒状マグネット3の移動に応じて撓むことができないので、棒状マグネット3の回転半径は小さくなる。このため、培養容器1の胴径(直径)に応じた回転半径を得ることができる。
【0014】
図4は、第2の実施形態を示す。
棒状マグネット3の下部外周囲に隆起部12を形成し、細胞が集合しやすい底面中心部分を拡散・攪乱する構造として、攪拌能力を高くしてある。この隆起部12は外面の皮膜と一体に簡単に形成でき、隆起部12の形状は図示以外の形状とすることもできる。
その他の構成及び使用方法は、第1の実施形態とほぼ同様なので、詳細な説明は省略する。
【0015】
図5及び図6は、第3の実施形態を示す。
図4に示すように、棒状マグネット3の下部外周に攪拌翼13を着脱可能に嵌合する。
攪拌翼13は、上下端部を除く中間部に、軸方向に沿って複数のスリット15を形成した可撓性チューブ14を、培養する細胞の細胞間結合能に応じて様々に変形させて用いることができる。このように変形させるため、可撓性チューブ14は、シリコン等の柔らかい材質で形成する。
なお、各スリット15の両端部に略円形の開口部17を形成して、可撓性チューブ14を変形操作した時に、スリット15で分割される各片の両端部に加わる引っ張り負荷を分散させても良い。
【0016】
可撓性チューブ14の変形例としては、図5に示すように、可撓性チューブ14を棒状マグネット3の下部外周に被せると、スリットで分割された各片が開いて翼状の張り出し部16が形成される。そして、スリット15を挟んだ上端部と下端部との距離を変えることにより、張り出し部16の張り出し長さが変化する。即ち、上端部と下端部とを接近させると、張り出し部16が側方へ長く張り出し、液体培地に対する攪拌翼13の接触面積が増加し、高い剪断力を得る。上端部と下端部とを離すと、張り出し長さが短くなる。
【0017】
また、図6の(ア)に示すように、可撓性チューブ14の上端部と下端部とを相対的に逆回転させると、張り出し部16が略螺旋状にねじれ、液体培地との接触面積がさらに増加し、より高い剪断力を得ることができて、細胞分散の効率が向上する。
図6の(イ)に示すように、可撓性チューブ14の上端部及び下端部を内側へ折り返すと、張り出し部16が略円弧状に湾曲する。
攪拌翼13の形状は、培養される細胞の特性に応じて、液体培地へ必要な剪断力を与えることができるように変形する。
【0018】
なお、棒状マグネット3に着脱自在に嵌合される攪拌翼は、棒状マグネット3を挿通する筒の外周囲に、固定的な形状の翼片を張り出したものとすることができる。
また、棒状マグネット3が小型で、支持チューブ2に加わる重量が軽い場合には、固定支持用パッキング6を用いず、支持チューブ2を直接上蓋4の貫通孔5に挿通固定しても良い。
更に、下部外周に隆起部や攪拌翼を取り付けた棒状マグネット3の上部に、別の隆起部を設けた構造にすると、液体培地の上部にいっそう流動性を与えるため、細胞の浮遊分散を効率的に行える。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、支持チューブを介して棒状マグネットが縦方向に設置されているので嵩張らず、口径の小さな培養容器でも使用でき、また、培養容器内の容積が大きく減少することが無く、しかも、構造が単純なので、製造コストが低廉で済み、組立・洗浄等の取り扱いが容易で、様々な用途に応用できる。
また、棒状マグネットが周方向に移動すると共に、支持チューブも撓みながら円錐面を描くよう移動するので、液体培地が支持チューブと棒状マグネットにより上部から下部までまんべんなく攪拌され、このため、容器の底面中心部に細胞の凝集や集合が生ずることが少ない。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、中空接続管によって支持チューブが確実に支持され、しかも、パッキングが貫通孔に密着して培養容器内部を外気から密封できる。
請求項3に係る発明によれば、細胞が集合しやすい底面中心部分を拡散・攪拌できる。
請求項4に係る発明によれば、必要に応じて、培養される細胞の細胞間結合能等の特性に合わせた形状の攪拌翼を装着でき、細胞が集合しやすい底面中心部分を拡散・攪拌できる。
請求項5に係る発明によれば、1本の可撓性チューブを変形させて棒状マグネットに付け替えるだけで、細胞特性に合わせた攪拌能力を発揮できる。
請求項6に係る発明によれば、各スリットの両端部に形成された略円形の開口部が、スリットで分割された各片に加わる引っ張り負荷を分散させるので、可撓性チューブの変形操作時に各片の端部が破損しない。
請求項7に係る発明によれば、棒状マグネットの回転半径を調整することができるため、寸法の異なる培養容器に応用することが可能で、少量培養から大量培養まで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示す浮遊攪拌培養装置の断面図。
【図2】第1の実施形態を示す浮遊攪拌培養装置の別の使用状態における断面図。
【図3】中空接続管及びパッキングの縦断面図。
【図4】第2の実施形態に係る棒状マグネットの側面図。
【図5】第3の実施形態に係る棒状マグネット及び攪拌翼の側面図。
【図6】第3の実施形態に係る攪拌翼の別の使用態様を示す側面図。
【符号の説明】
1 培養容器
2 支持チューブ
3 棒状マグネット
4 上蓋
5 貫通孔
6 固定支持用パッキング
6a 中空接続管
7 フランジ
8 係止溝
9 スターラ台
10 回転磁石
11 回転規制棒
12 隆起部
13 攪拌翼
14 可撓性チューブ
15 スリット
16 張り出し部
17 開口部
Claims (7)
- 培養容器の内部へ、柔軟素材より成る支持チューブを介して棒状マグネットを縦方向に吊り下げ、前記培養容器の下方に設置された回転磁石により、前記棒状マグネットを前記培養容器の周方向に沿って移動させることを特徴とした浮遊攪拌培養装置。
- 前記培養容器の上蓋に貫通孔を形成し、該貫通孔に柔軟で中空の固定支持用パッキングを挿通すると共に、固定支持用パッキングの中空部に中空接続管を挿通固定し、前記固定支持用パッキングから露出する中空接続管の下部に前記支持チューブを嵌合した請求項1に記載の浮遊攪拌培養装置。
- 前記棒状マグネットの外周に隆起部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の浮遊攪拌培養装置。
- 前記棒状マグネットの外周に攪拌翼を着脱可能に嵌合した請求項1〜3のいずれかに記載の浮遊攪拌培養装置。
- 前記攪拌翼は、中間部に軸方向に沿う複数のスリットを形成した可撓性チューブである請求項4に記載の浮遊攪拌培養装置。
- 前記スリットの両端部に略円形状の開口部を形成した請求項5に記載の浮遊攪拌培養装置。
- 前記支持チューブには、該支持チューブの回転可能な長さを規制する回転規制棒を挿脱可能にした請求項1〜6のいずれかに記載の浮遊攪拌培養装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003183118A patent/JP2005013112A/ja active Pending
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