JP5143719B2 - 油圧制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧制御装置および制御方法に関する。
油圧式クラッチ又は油圧式ブレーキなどの油圧機器の制御装置は、油圧機器への供給油圧を調整する圧力制御弁を制御することによって、油圧機器への供給油の制御を行う。従来、供給油圧の制御において、油圧機器への作動油の充填の完了、すなわち、フィル完了のタイミングが種々の手段で検知されている。例えば、特許文献1では、圧力スイッチによってフィル完了を検知することが開示されている。また、特許文献2では流量検出弁によってフィル完了を検知することが開示されている。他にも、クラッチの入力回転数と出力回転数との差によりフィル完了を判定する方式も知られている。
上記のいずれの方式においても、フィル完了までに要する時間を短縮するために、作動油の供給開始から所定のトリガ時間の間、大流量の作動油が流されるという制御が行われている。この従来の制御では、トリガ時間のカウントはトリガ指令(例えば、変速指令)と同時に開始される。そして、トリガ時間の経過後は、係合時のショックを低減するために流量が低減される。ここで、上記のトリガ時間は、実験的に決められる固定値であり、1つの運転条件下では、トリガ時間は常に一定となっている。制御装置には、運転条件(例えば、油温、エンジン回転数など)に応じた複数のトリガ時間が予め記憶されており、運転条件に応じたトリガ時間を選択して油圧機器の制御を実行する。
特開2001-343042号公報 特開2003-83428号公報
万一、トリガ時間中にフィルが完了してしまうと、油圧機器において大きなショックが発生する恐れがある。このため、トリガ時間中にフィルが完了してしまわないように、トリガ時間を適切に設定する必要がある。しかし、トリガ指令が発生して作動油の供給が開始された時点から実際に油圧が所定値まで上昇するまでの時間については、圧力制御弁ごとにばらつきがあり個体差が大きい。一方、トリガ時間は実験的に定められる固定値である。このため、トリガ時間は、ばらつきを考慮して最も安全側の条件(すなわち短時間)となるよう設定される。
しかし、トリガ時間が短いと、大流量で作動油が供給される時間が短くなり、その結果、フィル時間が長くなってしまう。
本発明の課題は、フィル時間を短縮することができる油圧制御装置および制御方法を提供することにある。
第1発明に係る油圧制御装置は、油圧式クラッチ又は油圧式ブレーキからなる油圧機器を制御する装置であって、圧力制御弁と、油圧センサと、制御部とを備える。圧力制御弁は、油圧機器へ供給される作動油の供給油圧を調整する。油圧センサは、供給油圧を検知する。制御部は、油圧機器への作動油の供給を開始した後、供給油圧が所定の閾値以上となった時点から所定のトリガ時間が経過するまでは所定の第1流量で油圧機器へ作動油が供給されるように圧力制御弁を制御する。また、制御部は、トリガ時間の経過後は第1流量より小さい第2流量で油圧機器へ作動油が供給されるように圧力制御弁を制御する。制御部は、供給油圧が所定のフィル設定圧以上となると、供給油圧が、フィル設定圧より大きい所定の設定クラッチ圧まで増大するように、圧力制御弁を制御する。所定のトリガ時間は、固定値である。また、所定の閾値は、フィル設定圧より大きい。
この制御装置では、トリガ時間のカウントは、作動油の供給の開始と同時ではなく、その後、供給油圧が所定の閾値以上となった時点から開始される。このため、トリガ時間の設定に際して油圧機器の個体差の影響を考慮する必要が少なくなり、より適切なトリガ時間を設定することができる。これにより、従来よりもフィル時間を短縮することができる。
第2発明に係る油圧機器の制御方法は、油圧式クラッチ又は油圧式ブレーキからなる油圧機器の制御方法であって、以下のステップを備える。
(1)油圧機器へ供給される作動油の供給油圧を検知するステップ。
(2)油圧機器への作動油の供給を開始した後、供給油圧が所定の閾値以上となった時点から所定のトリガ時間が経過するまで所定の第1流量で油圧機器に作動油が供給されるように、供給油圧を調整する圧力制御弁を制御するステップ。
(3)トリガ時間の経過後に第1流量より小さい第2流量で油圧機器に作動油が供給されるように圧力制御弁を制御するステップ。
(4)供給油圧が所定のフィル設定圧以上となると、供給油圧が、フィル設定圧より大きい所定の設定クラッチ圧まで増大するように、圧力制御弁を制御するステップ。
また、所定のトリガ時間は、固定値である。所定の閾値は、フィル設定圧より大きい。
この制御方法では、トリガ時間のカウントは、作動油の供給の開始と同時ではなく、その後、供給油圧が所定の閾値以上となった時点から開始される。このため、トリガ時間の設定に際して油圧機器の個体差の影響を考慮する必要が少なくなり、より適切なトリガ時間を設定することができる。これにより、従来よりもフィル時間を短縮することができる。
本発明では、トリガ時間の設定に際して油圧機器の個体差の影響を考慮する必要が少なくなり、より適切なトリガ時間を設定することができる。これにより、従来よりもフィル時間を短縮することができる。
〔全体構成〕
本発明の一実施形態にかかる油圧機器の制御装置が適用された作業車両1の構成を図1に示す。この作業車両1は、エンジン5、動力伝達機構6、走行機構9、油圧ポンプ8、油圧制御装置2、操作部10などを備えている。
エンジン5には、燃料噴射ポンプ83が付設されており、燃料噴射ポンプ83からエンジン5に燃料が供給される。その供給量は、後述する制御部3から電子ガバナ82に出力される指令信号によって制御される。なお、エンジン5の回転数は、エンジン回転数センサ81によって検知され、検知信号として制御部3へ送られる。制御部3は、電子ガバナ82へ指令信号を送ることにより、エンジン5への燃料の供給量を制御して、エンジン5の回転数を制御することができる。
動力伝達機構6は、エンジン5からの駆動力を駆動輪12に伝達するための機構であり、トルクコンバータ62およびトランスミッション60を有している。
トルクコンバータ62はエンジン5の出力側に接続されている。トルクコンバータ62には、トルクコンバータ62の入力軸と出力軸とを直結するロックアップクラッチ70が設けられている。ロックアップクラッチ70は、後述する油圧ポンプ8から供給される油圧により駆動される油圧式クラッチである。制御部3は、ロックアップクラッチ制御弁装置28に指令信号を送信することにより、ロックアップクラッチ70に供給される油圧を制御する。
トランスミッション60は、各種のクラッチ63〜69および図示しない複数の変速ギアなどを有している。
各種のクラッチ63〜69は、後述する油圧ポンプ8から供給される油圧により駆動される油圧式クラッチであり、FLクラッチ63、FHクラッチ64、Rクラッチ65、1stクラッチ66、2ndクラッチ67、3rdクラッチ68、4thクラッチ69がある。FLクラッチ63およびFHクラッチ64は、車両が前進する場合に係合状態となる。Rクラッチ65は、車両が後進する場合に係合状態となる。1stクラッチ66、2ndクラッチ67、3rdクラッチ68、4thクラッチ69は、それぞれ対応する変速ギアに駆動力を伝達する場合に係合状態となる。このトランスミッション60では、前進時には、FLクラッチ63およびFHクラッチ64のいずれかと、1stクラッチ66〜4thクラッチ69のいずれかとの組合せによって、1〜8速の速度段の選択が可能となっている。また、後進時には、Rクラッチ65と、1stクラッチ66〜4thクラッチ69のいずれかとの組合せによって、1〜4速の速度段の選択が可能となっている。
なお、FLクラッチ63およびFHクラッチ64への入力回転数は、入力回転数センサ85によって検知され、検知信号として制御部3へ送られる。また、FLクラッチ63およびFHクラッチ64からの出力回転数は、出力回転数センサ86によって検知され、検知信号として制御部3へ送られる。
走行機構9は、エンジン5からの駆動力を用いて車両を走行させるための機構である。走行機構9は、動力伝達機構6を介してエンジン5からの駆動力を伝達される。走行機構9は、図示しない最終減速機、駆動輪12を有している。トランスミッション60から出力された駆動力は、最終減速機を介して駆動輪12に伝達され、駆動輪12が回転駆動されることにより車両が走行する。


油圧ポンプ8は、エンジン5からの駆動力によって駆動され、各種クラッチ63〜70に供給される油圧を発生させる。
操作部10は、作業車両1の走行や図示しない作業機などを制御するためにオペレータによって作業される部分である。操作部10は、アクセルペダル14、インチングペダル13、変速レバー11などの操作部材を有している。アクセルペダル14は、エンジン回転数を所望の回転数に設定するための操作部材である。インチングペダル13は、FLクラッチ63又はFHクラッチ64に滑りを生じさせて車速を低減させるために操作される操作部材である。変速レバー11は、オペレータが手動でトランスミッション60の変速を行うために操作される操作部材である。操作部10の各操作部材が操作されると、その操作量に対応した操作信号が制御部3へ送られる。
油圧制御装置2は、油圧ポンプ8によって生成される油圧によって上述した各種のクラッチ63〜70の動作を制御するための装置である。油圧制御装置2は、制御弁装置21〜28および制御部3を有する。
制御弁装置21〜28は、制御部3によって電気的に制御されることにより、油圧を調整することができる電磁比例制御弁であり、第1〜第7クラッチ制御弁装置21〜27、ロックアップクラッチ制御弁装置28などがある。

第1〜第7クラッチ制御弁装置21〜27は、上述した各種のクラッチ63〜69へ供給される油圧を調整する。具体的には、第1クラッチ制御弁装置21は、FLクラッチ63へ供給される油圧を調整する。第2クラッチ制御弁装置22は、FHクラッチ64へ供給される油圧を調整する。第3クラッチ制御弁装置23は、Rクラッチ65へ供給される油圧を調整する。第4クラッチ制御弁装置24は、1stクラッチ66へ供給される油圧を調整する。第5クラッチ制御弁装置25は、2ndクラッチ67へ供給される油圧を調整する。第6クラッチ制御弁装置26は、3rdクラッチ68へ供給される油圧を調整する。第7クラッチ制御弁装置27は、4thクラッチ69へ供給される油圧を調整する。
ロックアップクラッチ制御弁装置28は、上述したように、ロックアップクラッチ70に供給される油圧を調整する。

また、制御部3は、操作部10からの操作信号や、各種センサからの検知信号などに基づいて、第1〜第7クラッチ制御弁装置21〜27を制御することにより、車両の状態に適した変速制御を行うことができる。例えば、制御部3は、第1クラッチ制御弁装置21へ指令信号を送信して、FLクラッチ63へ油圧を供給し、且つ、第7クラッチ制御弁装置27へ指令信号を送信して、4thクラッチ69へ油圧を供給する。これにより、FLクラッチ63および4thクラッチ69が係合状態となり、7速の速度段を選択することができる。また、第2クラッチ制御弁装置22へ指令信号を送信して、FHクラッチ64へ油圧を供給し、且つ、第4クラッチ制御弁装置24へ指令信号を送信して、1stクラッチ66へ油圧を供給する。これにより、FHクラッチ64および1stクラッチ66が係合状態となり、2速の速度段を選択することができる。
また、制御部3は、アクセルペダル14からの操作信号とエンジン回転数センサ81が検知したエンジン回転数とに基づいて、エンジン5への燃料の供給量を決定する。そして、制御部3は、決定された供給量に対応した指令信号を電子ガバナ82に送信する。これにより、燃料噴射ポンプ83からの燃料噴射量が、アクセルペダル14の操作量に見合った量に調整され、エンジン回転数が制御される。これにより、オペレータは、作業機の出力や車両の速度を制御することができる。
また、制御部3は、インチングペダル13が操作されている場合には、インチングペダル13からの操作信号に基づいて、第1クラッチ制御弁装置21又は第2クラッチ制御弁装置22への指令信号を調整することにより、FLクラッチ63又はFHクラッチ64へ供給される油圧を低減させる。これにより、動力伝達機構6から走行機構9へと伝達される駆動力が低減され、車速が低減する。
〔制御弁装置の構成〕
次に、制御弁装置21〜28の構成を図2に基づいて説明する。図2では、第1クラッチ制御弁装置21を図示しているが、他の制御弁装置22〜28も同様の構成である。
第1クラッチ制御弁装置21は、ハウジング20、圧力制御弁15、電磁制御弁18、油圧センサ16を有する。
ハウジング20には、入力ポート17、出力ポート19、第1ドレンポート31、第2ドレンポート32が形成されている。入力ポート17には油圧ポンプ8が接続される。出力ポート19にはFLクラッチ63が接続される。第1ドレンポート31および第2ドレンポート32には、図示しないタンクがそれぞれ接続される。
圧力制御弁15は、FLクラッチ63に供給される油圧を調整する部材であり、スプール34を有している。スプール34は、ハウジング20内において軸方向(図2における左右方向)に移動可能に設けられている。ハウジング20内にはバルブ室35が形成されており、スプール34の軸方向における略中央部は、バルブ室35内に位置している。また、スプール34の軸方向一端部(以下、「基端部」と呼ぶ)の内部にはフィードバック室36が形成されている。バルブ室35とフィードバック室36とは、スプール34内に形成された流路37を介して連通している。また、フィードバック室36とハウジング20の内壁面との間には、バネ38が設けられており、バネ38によりスプール34は軸方向他端部(以下、「先端部」と呼ぶ)側に付勢されている。また、スプール34の先端部の内部にはパイロット室39が形成されており、スプール34の先端部の端面には受圧面40が形成されている。
スプール34が、バネ38の付勢力によって先端側(後述の電磁制御弁18の弁シート体41に当接する位置)に位置しているときには、スプール34は入力ポート17とバルブ室35とを遮断し、バルブ室35と第2ドレンポート32とを連通させる。また、スプール34が、バネ38の付勢力に抗して基端側に位置しているときには、スプール34は、入力ポート17とバルブ室35との間を連通させ、バルブ室35と第2ドレンポート32との間を遮断する(図3参照)。
また、ハウジング20内には流路43が形成されており、流路43を介して入力ポート17と受圧面40が配置されている空間とが連通している。流路43の入力ポート17側の部分は受圧面40側の流路44よりも拡径した流路45となっている。この流路45と流路44との接続部分には、ねじ栓46が設けられている。ねじ栓46のねじ部は、小径の流路44にねじ込まれており、ねじ栓46の頭部は、大径の流路45内に位置している。このため、ねじ栓46の頭部の外周面と流路45の内周面との間には、環状の微小な隙間47が形成されている。また、ねじ栓46の内部には、隙間47と流路44とを連通する絞り流路48が形成されている。
電磁制御弁18は、弁シート体41と、弁体50と、連結部材51と、比例ソレノイド52とを有している。
弁シート体41は、スプール34の先端部に対向して配置されており、連結部材51の一端に固定されている。弁シート体41の基端部にはパイロット室53が形成されている。弁シート体41の先端面とスプール34の先端面とは当接および離反することができ、弁シート体41のパイロット室53とスプール34のパイロット室39とは連通している。弁シート体41の内部には、弁収納室54が形成されている。また、弁シート体41内には、軸方向に延びるドレン流路55と、径方向に延びるドレン流路56とがそれぞれ形成されている。ドレン流路55は、パイロット室53と弁収納室54とを連通させる。ドレン流路56は、弁収納室54を通り径方向に弁シート体41を貫通している。ドレン流路56は、ドレン流路55と弁シート体41の外周側とを連通させており、ドレン流路56の一方の端部は、第1ドレンポート31に連通している。また、弁収納室54の右側内壁面には、弁シート面57が形成されている。
弁体50は、球状の形状を有しており、弁収納室54において左右方向に移動可能に収納されている。
連結部材51は、弁シート体41と比例ソレノイド52とを連結している。連結部材51の内部には、軸方向(図2における左右方向)に進退可能に設けられたプランジャ58が挿入されている。プランジャ58の先端部は、軸方向に移動可能に弁収納室54内に挿入されており、弁体50に当接している。
比例ソレノイド52は、制御部3から指令電流を入力されることによりプランジャ58を軸方向に進退させる。
制御部3から比例ソレノイド52への指令電流がゼロである場合、図2に示すように、プランジャ58は比例ソレノイド52側に移動して引き込まれた状態となる。このため、弁体50は、パイロット室39,53内の油圧によって押されて弁シート面57から離れる。これによりドレン流路55とドレン流路56が連通する。このため、油圧ポンプ8からの油は、入力ポート17、流路45の隙間47、ねじ栓46の絞り流路48、流路44、パイロット室39,53、ドレン流路55、ドレン流路56、第1ドレンポート31を順に流れてタンクへ排出される。この場合、パイロット室39内のパイロット圧が立たないため、スプール34はバネ38の付勢力によって右側に移動し、弁シート体41に当接して位置決めされる。このため、入力ポート17とバルブ室35との間は閉じられると共に、バルブ室35と第2ドレンポート32との間は連通する。従って、バルブ室35の圧は立たない。バルブ室35は、出力ポート19を介してFLクラッチ63に連通しているため、FLクラッチ63内に油圧は発生しない。このため、FLクラッチ63は開放状態となる。
次に、制御部3から比例ソレノイド52に所定値の指令電流が印加されると、プランジャ58は、指令電流の大きさに応じた力で弁50側に突き出され、先端部で弁体50を弁シート面57に押しつける。このため、図3に示すように、ドレン流路55,56間が絞られてパイロット室39と第1ドレンポート31の間が絞られる。
これにより、パイロット室39には指令電流の大きさに応じたパイロット圧が立つ。すると、スプール34はこのパイロット圧とバネ38の付勢力とがバランスする位置まで基端側に移動する。この状態では、バルブ室35と第2ドレンポート32の間は閉じられ、バルブ室35と入力ポート17の間が連通される。このため、油圧ポンプ8からの油は、入力ポート17、バルブ室35及び出力ポート19を経由してFLクラッチ63に流れ込む。なお、このときの圧力制御弁15の開度は、比例ソレノイド52への指令電流の大きさに応じて変化する。
油圧センサ16は、バルブ室35に連通する流路59に面して設けられており、バルブ室35に供給される油圧を検知する。バルブ室35は出力ポート19に繋がっているため、油圧センサ16は、FLクラッチ63に供給される油圧を検知することができる。油圧センサ16によって検知された油圧(以下、「供給油圧」と呼ぶ)は検知信号として制御部3に送られる。
〔油圧制御装置による制御〕
次に、油圧制御装置によって実行される変速時のクラッチへの油圧制御について、図4に示すフローチャートおよび図5に示すタイムチャートを参照して説明する。ここでは、制御対象であるクラッチが開放状態から係合状態に切り換えられる場合を例として説明する。なお、図5において横軸は時間(t)を表している。また、図5(a)の縦軸は、比例ソレノイド52への指令電流(I)を表している。図5(b)の縦軸は、油圧センサ16によって検知された供給油圧(P)を表している。
クラッチが開放状態である場合には、図5(a)に示すように、制御部3から比例ソレノイド52への指令電流Iは零となっている(時点t0)。
ステップS1では、油圧センサ16によって供給油圧が検知される。なお、油圧センサ16による供給油圧の検知は、エンジン始動後、常に継続して行われる。
ステップS2では、制御部は、変速指令が発生したか否かを判定する。変速指令が発生した場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、制御部3は、トリガ指令を出力する。このとき、制御部3は、所定のトリガ電流値I1の指令電流を比例ソレノイド52に出力する(時点t1)。これにより、クラッチへの作動油の供給が開始され、図5(b)に示すように供給油圧が上昇し始める。また、制御部3は、指令電流Iを電流値I1に維持する。

次に、ステップS4において、制御部3は、供給油圧(P)がトリガ設定圧閾値(P1)以上であるか否かを判定する。そして、供給油圧(P)がトリガ設定圧閾値(P1)以上である場合には、ステップS5に進む。
ステップS5では、制御部3は、タイマーTのカウントをスタートさせる。すなわち、図5(b)に示すように、供給油圧(P)がトリガ設定圧閾値(P1)に達したとき(時点t2)からタイマーTのカウントが開始される。
次に、ステップS6において、制御は、タイマーTが所定のトリガ時間Ttに達したか否かを判定する。タイマーTが所定のトリガ時間Ttに達した場合には、ステップS6に進む。タイマーTが所定のトリガ時間Ttに達していない場合は、指令電流Iはトリガ電流値I1のまま維持される。
ステップS7では、制御部3は、指令電流Iをフィル指定電流値I2(図5(a)参照)に低減させる。これにより、供給油圧が低下する(時点t3)。このように、制御部3は、供給油圧がトリガ設定圧閾値以上となった時点t2からトリガ時間Ttが経過するまではトリガ電流値I1に対応した比較的大きな流量(第1流量)でクラッチへ作動油が供給されるように圧力制御弁15を制御する。また、制御部3は、トリガ時間Ttの経過後は、フィル指定電流値I2に対応した比較的小さな流量(第2流量)でクラッチへ作動油が供給されるように圧力制御弁15を制御する。これにより、図5(b)に示すように、供給油圧が低下する(時点t3)。
次に、ステップS7では、制御部3は、供給油圧(P)が所定のフィル設定圧(P2)以上であるか否かを判定する。フィル設定圧は、クラッチへの作動油の充填が完了したと判断される基準となる供給油圧の値である。供給油圧がフィル設定圧に達していない場合には、指令電流Iはフィル指定電流値I2のまま維持される(時点t3〜t4)。
供給油圧がフィル設定圧以上である場合には、制御部3は、フィルが完了したと判断して、ステップS8においてモジュレーションを開始する(時点t4)。モジュレーションでは、制御部3は、図5(a)に示すように、所望の供給油圧がクラッチに供給されるように、指令電流Iを変化させる。ここで、制御部3には、図6に示すIP特性L1が記憶されている。IP特性とは、制御部3から比例ソレノイド52に出力される指令電流と、供給油圧との関係を示す特性である。制御部3は、このIP特性L1に基づいて、所望の供給油圧がクラッチに供給されるように、指令電流の値を算出する。具体的には、図5(a)に示すように、供給油圧がフィル設定圧P2から所定の設定クラッチ圧P3まで変化するような指令電流をIP特性L1から算出して比例ソレノイド52に出力する。これにより、制御部3は、図5(a)に示すように、フィル設定圧P2に対応するフィル指定電流値I2から設定クラッチ圧P3に対応する設定電流値I3まで指令電流を徐々に増大させる。そして、時点t5で供給油圧が設定クラッチ圧P3に達すると、クラッチの開放状態から係合状態への切替が完了する。
なお、上述したIP特性は、圧力制御弁15の個体差によって、ばらつきがある。このため、一律に設定されたIP特性が用いられると、供給油圧に誤差が生じる恐れがある。そこで、この油圧制御装置2では、一律に設定された基準IP特性を補正プログラムによって補正して上記のIP特性L1を取得している。補正プログラムは、制御部3に記憶されており、作業車両の出荷時やメンテナンス時に実行される。以下、補正プログラムによるIP特性の補正方法について説明する。
まず、制御部3には、図6に示す基準IP特性L0が記憶されている。基準IP特性L0は、実験やシミュレーションなどによって求められた理想的なIP特性であり、予め制御部3に記憶されている。
補正プログラムが実行されると、制御部3は、図7に示すように、上記と同様にしてクラッチへの作動油の供給を開始させる。そして、フィルが完了した後、制御部3は、モジュレーションを開始させる。このとき、制御部3は、基準IP特性L0に基づいて指令電流を算出して比例ソレノイド52に出力すると共に、複数の時点ta,tb,tcにおいて、油圧センサ16が検知した供給油圧の値Pa,Pb,Pcを記憶する。
次に、制御部3は、基準IP特性L0において供給油圧の値Pa,Pb,Pcに対応する指令電流の値Ia’,Ib’,Ic’と、供給油圧の値Pa,Pb,Pcが得られたときの実際の指令電流の値Ia,Ib,Icとの差ΔIa,ΔIb,ΔIcを求める。そして、制御部3は、図6に示すように、基準IP特性L0をΔIa,ΔIb,ΔIcを用いて補正したIP特性L1を算出して記憶する。以上のように、基準IP特性L0を全電流域で補正したIP特性L1が得られ、その後の制御において用いられる。
〔特徴〕
(1)この油圧制御装置2では、トリガ時間Ttのカウントは、作動油の供給の開始と同時ではなく、その後、供給油圧がトリガ設定圧閾値P1以上となった時点t2(図5参照)から開始される。このため、トリガ時間の設定に際して制御弁装置の個体差の影響を考慮する必要が少なくなり、より適切なトリガ時間を設定することができる。
ここで、従来技術のように、トリガ時間Ttのカウントが作動油の供給の開始と同時に開始された場合の供給油圧の変化を図8(a)に示し、本実施形態のように、供給油圧が所定の閾値P1以上となった時点t2から開始された場合の供給油圧の変化を図8(b)に示す。従来技術の場合では、供給油圧が上昇して作動油が大流量で供給されるようになるまでに時間がかかった場合、作動油が大流量で供給される時間が短くなってしまう(時点t1〜t3’参照)。これに対して、本実施形態の場合では、作動油が大流量で供給される時間を適切に確保することができる(時点t2〜t3参照)。このため、本実施形態の場合において作動油の供給開始からフィル完了までに要する時間(時点t1〜t4参照)は、従来技術の場合において要する時間(時点t1〜t4’参照)と比べて短くなる。
(2)従来のフィルスイッチを用いたフィル完了の判定方法では、供給油圧がフィルスイッチに設定されたフィル設定圧に達したときに、フィルスイッチがオフ状態からオン状態に切り替わる。そしてフィルスイッチからのオン信号が制御部3に入力されることにより、フィル完了が検知される。このフィル設定圧は、フィルスイッチに固定的に設定されるため、運転条件に応じてフィル設定圧を変えることはできない。このため、フィル設定圧を複数設けるためには、それに応じてフィルスイッチの数を増やす必要がある。
これに対して、本実施形態に係る油圧制御装置2では、油圧センサ16によって検知された供給油圧がフィル設定圧に達した場合にフィル完了と判定される。このため、フィル設定圧の変更は、コントローラ内のデータを変更するだけで行うことができる。従って、部品点数を増やすことなく、運転条件により適した制御を行うこともできる。
〔他の実施形態〕
(a)上記のフィル指定電流値I2とフィル設定圧P2(図5参照)とは、選択された変速モードに応じて可変的に設定されてもよい。例えば、レスポンス重視の変速モードが選択された場合には、フィル指定電流値I2とフィル設定圧P2とが高めの値に設定される。また、ショック低減重視の変速モードが選択された場合には、フィル指定電流値I2とフィル設定圧P2とが低めの値に設定される。また、他の運転条件に応じてフィル指定電流値I2とフィル設定圧P2とが可変的に設定されてもよい。
(b)
上記の実施形態では、クラッチの制御に対して本発明が適用されているが、ブレーキの制御にも適用可能である。
(c)上記の実施形態では、圧力制御弁15により電流値に応じた圧力の制御を行っているが、ソレノイド電流をデューティー制御(PWM制御)することにより圧力を制御する方式に対しても本発明を適用可能である。
本発明は、フィル時間を短縮することができる効果を有し、油圧制御装置および制御方法として有用である。
作業車両の構成を示すブロック図。 クラッチ制御弁装置の構成を示す断面図。 クラッチ制御弁装置の構成を示す断面図。 油圧制御装置による油圧制御のフローチャートを示す図。 油圧制御での指令電流と供給油圧の変化を示す図。 IP特性の一例およびIP特性の補正方法を示す図。 IP特性の補正方法を示す図。 従来の油圧制御と本実施形態の油圧制御とついて供給油圧の変化を比較した図。
符号の説明
2 油圧制御装置
3 制御部
15 圧力制御弁
16 油圧センサ
63〜70 クラッチ
P1 トリガ設定圧閾値(所定の閾値)
Tt トリガ時間

Claims (2)

  1. 油圧式クラッチ又は油圧式ブレーキからなる油圧機器を制御する装置であって、
    前記油圧機器に供給される作動油の供給油圧を調整する圧力制御弁と、
    前記供給油圧を検知する油圧センサと、
    前記油圧機器への作動油の供給を開始した後、前記供給油圧が所定の閾値以上となった時点から所定のトリガ時間が経過するまでは所定の第1流量で前記油圧機器へ作動油が供給されるように前記圧力制御弁を制御し、前記トリガ時間の経過後は前記第1流量より小さい第2流量で前記油圧機器へ作動油が供給されるように前記圧力制御弁を制御し、前記供給油圧が所定のフィル設定圧以上となると、前記供給油圧が、前記フィル設定圧より大きい所定の設定クラッチ圧まで増大するように、前記圧力制御弁を制御する制御部と、
    を備え
    前記所定のトリガ時間は、固定値であり、
    前記所定の閾値は、前記フィル設定圧より大きい、
    油圧制御装置。
  2. 油圧式クラッチ又は油圧式ブレーキからなる油圧機器を制御する方法であって、
    前記油圧機器に供給される作動油の供給油圧を検知するステップと、
    前記油圧機器への作動油の供給を開始した後、前記供給油圧が所定の閾値以上となった時点から所定のトリガ時間が経過するまで所定の第1流量で前記油圧機器に作動油が供給されるように、前記供給油圧を調整する圧力制御弁を制御するステップと、
    前記トリガ時間の経過後に前記第1流量より小さい第2流量で前記油圧機器に作動油が供給されるように、前記圧力制御弁を制御するステップと、
    前記供給油圧が所定のフィル設定圧以上となると、前記供給油圧が、前記フィル設定圧より大きい所定の設定クラッチ圧まで増大するように、前記圧力制御弁を制御するステップと、
    を備え、
    前記所定のトリガ時間は、固定値であり、
    前記所定の閾値は、前記フィル設定圧より大きい、
    油圧制御方法。
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