JP5142550B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜トランジスタを有する半導体装置に関する。
半導体装置に用いられる薄膜トランジスタは、その半導体装置の目的や機能によって、要求される特性が異なる。この要求を満たすように、薄膜トランジスタの特性を制御することは重要であり、使用目的にあった特性を持たすように薄膜トランジスタを作製するための技術も研究されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1においては、サイドウォールを用いて、LDD(Lightly Doped Drain)構造の不純物領域を具備した薄膜トランジスタを形成し、薄膜トランジスタのOFF時の漏洩電流を小さくしている。
特開平9−27624号公報
特に異なる機能を持つ複数の回路を同一基板上に設ける半導体装置においては、複数設けられる薄膜トランジスタには、それぞれ用いられる用途によって要求される電気的特性や機能が様々に異なっている。よって、それぞれの必要とされる機能や電気特性を有する薄膜トランジスタを作製する必要がある。
本発明は、一方は高速動作が可能で駆動電圧の低い薄膜トランジスタ、他方は電圧に対して高耐圧で信頼性の高い薄膜トランジスタの両方を有する半導体装置を提供することを目的とする。従って、低消費電力かつ高信頼性を付与された半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、同一基板上に半導体層の膜厚の異なる複数種の薄膜トランジスタを有することを特徴とする。高速動作を求められる薄膜トランジスタの半導体層を、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタの半導体層より薄膜化し、半導体層の膜厚を薄くする。また、ゲート絶縁層においても、高速動作を求められる薄膜トランジスタは、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタより膜厚が薄い方が好ましい。
例えば、メモリ等の回路を有する半導体装置の場合、メモリ内の特定の薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化してもよいし、メモリにはメモリ素子を含むメモリセルアレイ、昇圧回路部、駆動回路部、制御回路部等が設けられる場合、回路ごとに要求される機能によって半導体層の膜厚の異なる薄膜トランジスタを設けてもよい。メモリにおいては、高速動作を求められる駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化し、一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイのメモリ素子や薄膜トランジスタは半導体層の薄膜化を行わず、駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層より厚い膜厚とするとよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタの半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路に設けられる薄膜トランジスタの半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタのゲート絶縁層の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられる薄膜トランジスタのゲート絶縁層の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
半導体層は結晶性半導体層を用いればよく、非晶質半導体層を熱や光で結晶化した結晶性半導体層でも、単結晶半導体層でもよい。また、半導体層としては珪素(シリコン)を用いることができる。
高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられた薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などの面積の縮小が可能となり狭額縁化が達成でき、かつより高速動作が可能となり、駆動電圧も低くすることができる。従って、半導体装置を低消費電力とすることができる。
一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられた薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部、及び制御回路部などと比べ厚く保つことによって、電圧に対して耐圧性が高く、高信頼性とすることができる。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
なお、本発明において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置を指す。本発明を用いて半導体素子(トランジスタ、メモリ素子やダイオードなど)を含む回路を有する装置や、プロセッサ回路を有するチップなどの半導体装置を作製することができる。
本発明の半導体装置の一形態は、絶縁表面を有する基板上に設けられたメモリセルアレイ及び駆動回路部を含むメモリを有し、メモリセルアレイは、第1のゲート電極層、第1のソース領域及び第1のドレイン領域を含む第1の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層を含む第1の薄膜トランジスタを有し、駆動回路部は、第2のゲート電極層、第2のソース領域及び第2のドレイン領域を含み第1の半導体層より膜厚の薄い第2の半導体層、並びに第2のゲート絶縁層を含む第2の薄膜トランジスタを有する。
本発明の半導体装置の一形態は、絶縁表面を有する基板上に設けられたメモリセルアレイ及び駆動回路部を含むメモリを有し、メモリセルアレイは、第1のゲート電極層、第1のソース領域及び第1のドレイン領域を含む第1の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層を含む第1の薄膜トランジスタを有し、駆動回路部は、第2のゲート電極層、第2のソース領域及び第2のドレイン領域を含み第1の半導体層より膜厚の薄い第2の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層より膜厚の薄い第2のゲート絶縁層を含む第2の薄膜トランジスタを有する。
本発明の半導体装置の一形態は、絶縁表面を有する基板上に設けられたメモリセルアレイ及び駆動回路部を含むメモリを有し、メモリセルアレイは、第1のゲート電極層、第1のソース領域及び第1のドレイン領域を含む第1の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層を含む第1の薄膜トランジスタを有し、駆動回路部は、第2のゲート電極層、第2のソース領域及び第2のドレイン領域を含み第1の半導体層より膜厚の薄い第2の半導体層、並びに第2のゲート絶縁層を含む第2の薄膜トランジスタを有し、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層の側面にサイドウォール構造の絶縁層が設けられている。
本発明の半導体装置の一形態は、絶縁表面を有する基板上に設けられたメモリセルアレイ及び駆動回路部を含むメモリを有し、メモリセルアレイは、第1のゲート電極層、第1のソース領域及び第1のドレイン領域を含む第1の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層を含む第1の薄膜トランジスタを有し、駆動回路部は、第2のゲート電極層、第2のソース領域及び第2のドレイン領域を含み第1の半導体層より膜厚の薄い第2の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層より膜厚の薄い第2のゲート絶縁層を含む第2の薄膜トランジスタを有し、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層の側面にサイドウォール構造の絶縁層が設けられている。
本発明の半導体装置の一形態は、絶縁表面を有する基板上に設けられたメモリセルアレイ及び駆動回路部を含むメモリを有し、メモリセルアレイは、第1のゲート電極層、第1のソース領域及び第1のドレイン領域を含む第1の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層を含む第1の薄膜トランジスタを有し、駆動回路部は、第2のゲート電極層、第2のソース領域及び第2のドレイン領域を含み第1の半導体層より膜厚の薄い第2の半導体層、並びに第2のゲート絶縁層を含む第2の薄膜トランジスタを有し、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層の側面にサイドウォール構造の絶縁層と、第1のソース領域、第1のドレイン領域、第2のソース領域、及び第2のドレイン領域の表面にシリサイドとが設けられている。
本発明の半導体装置の一形態は、絶縁表面を有する基板上に設けられたメモリセルアレイ及び駆動回路部を含むメモリを有し、メモリセルアレイは、第1のゲート電極層、第1のソース領域及び第1のドレイン領域を含む第1の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層を含む第1の薄膜トランジスタを有し、駆動回路部は、第2のゲート電極層、第2のソース領域及び第2のドレイン領域を含み第1の半導体層より膜厚の薄い第2の半導体層、並びに第1のゲート絶縁層より膜厚の薄い第2のゲート絶縁層を含む第2の薄膜トランジスタを有し、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層の側面にサイドウォール構造の絶縁層と、第1のソース領域、第1のドレイン領域、第2のソース領域、及び第2のドレイン領域の表面にシリサイドとが設けられている。
上記構成において、第1の半導体層及び第2の半導体層は側面にサイドウォール構造の絶縁層をしていてもよい。また、第1の半導体層、及び第2の半導体層のどちらか一方、又は両方は第1のソース領域、第1のドレイン領域、及びソース領域及びドレイン領域より低濃度の一導電型を有する不純物領域を含んでもよい。
本発明の半導体装置は、同一基板上に半導体層の膜厚の異なる複数種の薄膜トランジスタを有することを特徴とする。高速動作を求められる薄膜トランジスタの半導体層を、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタの半導体層より薄膜化し、半導体層の膜厚を薄くする。
高速動作を求められる駆動回路部などの薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため駆動回路部の面積の縮小が可能となり狭額縁化が達成でき、かつより高速動作が可能となり、駆動電圧も低くすることができる。半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用する。従って、半導体装置を低消費電力とすることができる。
一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイなどに設けられた薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部などと比べ厚く保つことによって、電圧に対する耐圧性が高く、高信頼性とすることができる。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、低消費電力で、かつ高信頼性を付与することを目的とした半導体装置、及び半導体装置の作製方法を、図1乃至図3、及び図15を用いて詳細に説明する。
図1に本発明を用いた半導体装置の一形態を示す。図1(A)は本実施の形態の半導体装置の断面図である。
半導体層の下地膜として機能する絶縁層301が形成された基板300上に、薄膜トランジスタ322、323、絶縁膜311、絶縁層319が形成されている。薄膜トランジスタ322は、ソース領域又はドレイン領域である一導電型を有する不純物領域315a、315b、及びチャネル形成領域317を含む半導体層303、ゲート絶縁層308、ゲート電極層(第1のゲート電極層310、第2のゲート電極層313)を含んでいる。また、ソース領域又はドレイン領域である一導電型を有する不純物領域315a、315bに接続するソース電極層又はドレイン電極層である配線層320a、320b設けられており、配線層320a、320bによって薄膜トランジスタ322は他の半導体素子等と電気的に接続することができる。
一方、薄膜トランジスタ323は、ソース領域又はドレイン領域である一導電型を有する不純物領域316a、316b、及びチャネル形成領域318を含む半導体層305、ゲート絶縁層309、ゲート電極層(第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層314)を含んでいる。また、ソース領域又はドレイン領域である一導電型を有する不純物領域316a、316bに接続するソース電極層又はドレイン電極層である配線層321a、321b設けられており、配線層321a、321bによって薄膜トランジスタ322は他の半導体素子等と電気的に接続することができる。(図1参照。)。
本発明を用いた本実施の形態の半導体装置は、同一基板300上に半導体層の膜厚の異なる2種類の薄膜トランジスタ322、323を有する。高速動作を求められる薄膜トランジスタ322の半導体層303を、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ323の半導体層305より薄膜化し、半導体層303の膜厚を薄くする。また、ゲート絶縁層においても、高速動作を求められる薄膜トランジスタ322は、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ323より膜厚が薄い方が好ましい。
半導体層の膜厚の異なる薄膜トランジスタ322及び323は、同一回路内において必要な機能を果たすように、高速動作が求められる領域には薄膜トランジスタ322を、電圧に対して高耐性が求められる領域には薄膜トランジスタ323をそれぞれ設けることができる。例えば、メモリ等の回路を有する半導体装置の場合、メモリ内の特定の薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化し、逆に電流及び電圧が大きくかかる特定の薄膜トランジスタは半導体層を厚く保ったままとすればよい。
半導体装置に複数の回路が設けられる場合、回路ごとに要求される機能によって半導体層の膜厚の異なる薄膜トランジスタを設けてもよい。高速動作が求められる回路には薄膜トランジスタ322を、電圧に対して高耐性が求められる回路には薄膜トランジスタ323をそれぞれ選択的に設ければよい。例えば、メモリにはメモリ素子を含むメモリセルアレイ、昇圧回路部、駆動回路部、制御回路部等が設けられる場合、高速動作を求められる駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化し、一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイのメモリ素子や薄膜トランジスタは半導体層の薄膜化を行わず、駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層より厚い膜厚とするとよい。
メモリの他に、複数の回路を設ける半導体装置の場合、ロジック回路として高速動作を行う必要とする回路には半導体層を薄膜化した薄膜トランジスタを、電源回路などの高電圧が印加される回路には半導体層を薄膜化せず高電圧に耐えられる厚さの膜厚の薄膜トランジスタをそれぞれ設けるとよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタ322の半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路に設けられる薄膜トランジスタ323の半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタ322のゲート絶縁層308の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられる薄膜トランジスタ323のゲート絶縁層309の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
本実施の形態の高速動作を求められる薄膜トランジスタ322は、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ323よりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の高速動作を求められる薄膜トランジスタ322のチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、電圧に対して高い耐圧性を求められる電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路に設けられる薄膜トランジスタ323のチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
薄膜トランジスタにおいて、ゲート電極のソースとドレイン間の距離として表されるチャネル長の長さを短くしてトランジスタのチャネルを流れるキャリアの走行距離を短くすることによって、高速化を行うことができる。
しかし、薄膜トランジスタの高性能化のため、チャネル長を短くするとしきい値電圧の変化、弱反転状態におけるソースドレイン間のリーク電流の増加など、いわゆる短チャネル効果と呼ばれる現象が顕在化する。
チャネル形成領域の膜厚が厚いとチャネル長が短い場合には、ソース−ドレイン間の電界の影響により、ゲート電圧がしきい値電圧以下のサブスレッショルド領域でチャネル形成領域中の下側を電流が流れる。そのため、サブスレッショルド値が上昇し、しきい値電圧が低下する。チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル形成領域中の下側の電流が流れる経路が遮断されるために、漏れ電流が抑えられる。そのため、サブスレッショルド値の上昇が抑えられ、しきい値電圧の低下も抑えられる。そのため、チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル長の短い領域でのしきい値電圧のマイナスシフトが抑えられ、かつ、サブスレッショルド値が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。サブスレッショルド値が小さくなっているため、ゲート電圧0Vでのソース−ドレイン間に流れる電流を抑えつつ、しきい値電圧を下げることができる。
高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタにおける半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用し、短チャネル効果を抑制することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧を小さくすることができる。それにより、駆動回路部及び制御回路部などに設けられた薄膜トランジスタにおいて、微細化と高性能化を実現することができる。よって、半導体装置の低電圧駆動が可能となり低消費電力化を実現することができる。また、薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため、駆動回路部及び制御回路部の面積の縮小が可能となり、半導体装置をより小型化することができる。
一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられた薄膜トランジスタ323は、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部、及び制御回路部などと比べ厚く保つことによって、電圧に対して耐圧性が高く、半導体装置を高信頼性とすることができる。
半導体層303、305の側面は、側壁絶縁層として絶縁層307a、307b、307c、307dによって覆われている。半導体層303、305の側面と接する絶縁層307a、307b、307c、307dを設けることで、半導体層303、305の端部におけるゲート絶縁層308、309の被覆性を良好にすることができる。よって、半導体層303、305の端部におけるゲート絶縁層308、309の被覆不良に起因した不良、例えば半導体層とゲート電極層の短絡、リーク電流の発生、静電破壊等を防止することができる。
絶縁層307a、307b、307c、307dは、半導体層303、305を形成した後に、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜を堆積し、異方性エッチングにより加工することで自己整合的に形成することができる。また、絶縁層307a、307b、307c、307dは、半導体層303、305の端部を酸化処理することによって選択的に絶縁化し形成することもできる。酸化処理は、酸素を含む雰囲気下でのプラズマ処理によって行うことができる。また、水溶液を用いて表面を酸化処理(ウェット酸化ともいう)してもよい。プラズマ処理の前に半導体層側端部にフッ素や塩素などのハロゲンを導入してから、プラズマ処理を行ってもよい。ハロゲン添加を行うと、酸化速度が速いため酸化が優先的に進み、半導体層側端部において膜厚の厚い絶縁層を形成することができる。
マスクを用いて半導体層の端部を露出させ、半導体装置端部を選択的にウェット酸化する場合、ウェット酸化は、例えば、5ppm以上、望ましくは20ppm以上、より望ましくは100ppm以上のオゾン(O)を含む水溶液(代表的にはオゾン水)で半導体層端部の表面を処理することにより、半導体層の露出している部分に酸化膜からなる側壁絶縁層を形成することができる。なお、オゾンを含む水溶液にかえて、過酸化水素(H)を含む水溶液、硫酸(HSO)を含む水溶液、ヨウ素酸(HIO)を含む水溶液、又は硝酸(HNO)を含む水溶液等を用いることもできる。また、それぞれの水溶液は、酢酸やしゅう酸等の有機酸を含んでいてもよい。
半導体層の端部の露出している部分から酸化を進めることができるため、半導体層の端部に選択的に厚く酸化膜を形成することができる。よって、半導体層の端部付近における電界集中を緩和することができ、ゲートリーク不良を低減し、ゲート電極の耐圧を向上させることが可能となる。
また、プラズマ処理を用いて半導体層の端部に側壁絶縁層を形成する場合、ウェット酸化で説明したように半導体層の端部のみ露出させた状態で酸素を含む雰囲気下で半導体層の端部をプラズマ処理することにより、側壁絶縁層を形成してもよい。また、島状の半導体層全面にプラズマ処理行い、半導体層表面を覆うように絶縁層を形成してもよい。
ゲート絶縁層308、309により半導体層303、305の端部を十分に被覆する、好ましくは半導体層303、305の側面と接する領域の膜厚を厚くすることで、半導体層303、305の端部に掛かる電界を緩和することができ、リーク電流の発生等を防止することができる。
また、ゲート絶縁層308、309と比較して、絶縁層307a、307b、307c、307dの誘電率を小さくすることが好ましい。ゲート絶縁層308、309と比較して、絶縁層307a、307b、307c、307dの誘電率を小さくすることで、半導体層の端部、特にコーナー部(角部)に電界が集中することを緩和できる。例えば、絶縁層307a、307b、307c、307dを比誘電率が2.5以下の低誘電率材料で形成しても良い。低誘電率材料としては、CVD法で作製される多孔質酸化シリコン、炭素若しくはフッ素含有酸化シリコンなどを用いることができる。絶縁層307a、307b、307c、307dを低誘電率材料で形成することで、膜厚を厚くした場合と同様な効果を得ることができる。ゲート絶縁層308、309に局所的に過度な電界が掛かることを防止でき、ゲート絶縁層308、309の絶縁不良を防止することができる。よって薄膜トランジスタを歩留まり良く製造することができ、完成する半導体装置の信頼性を向上させることができる。
本実施の形態の半導体装置はゲート絶縁層の被覆不良によるゲート電極と半導体層とのショート及びリーク電流などの不良が防止された信頼性の高い半導体装置とすることができる。
また、図1では、不純物領域においてハッチングと白地で示されているが、これは、白地部分に不純物元素が添加されていないということを示すのではなく、この領域の不純物元素の濃度分布がマスクやドーピング条件を反映していることを直感的に理解できるようにしたためである。なお、このことは本明細書の他の図面においても同様である。
絶縁表面を有する基板である基板300としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、表面に絶縁層が形成された金属基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよいし、フィルムのような可撓性基板を用いても良い。プラスチック基板としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)からなる基板、可撓性基板としてはアクリル等の合成樹脂を用いることができる。
絶縁層301、ゲート絶縁層308、309、絶縁膜311、絶縁層319としては酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができ、単層でも2層、3層といった積層構造でもよい。なお本明細書中において酸化窒化珪素とは酸素の含有量が窒素の含有量より大きい物質であり、窒素を含む酸化珪素とも言える。同様に、窒化酸化珪素とは、窒素の含有量が酸素の含有量より大きい物質であり、酸素を含む窒化珪素とも言える。
また、絶縁層301、ゲート絶縁層308、309、絶縁膜311、絶縁層319の他の材料として、窒化アルミニウム、酸素含有量が窒素含有量よりも多い酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素、ポリシラザン、その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。シロキサンを含む材料を用いてもよい。なお、シロキサンとは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。
絶縁層301、ゲート絶縁層308、309、絶縁膜311、絶縁層319、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)、また、選択的にパターンを形成できる液滴吐出法や、パターンが転写または描写できる印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、その他スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。
所望の形状に加工するエッチング加工は、プラズマエッチング(ドライエッチング)又はウェットエッチングのどちらを採用しても良い。大面積基板を処理するにはプラズマエッチングが適している。エッチングガスとしては、CF、NFなどのフッ素系のガス、又はCl、BClなどの塩素系のガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスク層を形成する必要はない。
また、半導体層にプラズマ処理を行うことによってゲート絶縁層308、309を形成してもよい。
半導体層の代表例として珪素層の表面をプラズマ処理で酸化することで、界面に歪みのない緻密な酸化層を形成することができる。また、当該酸化層をプラズマ処理で窒化することで、表層部の酸素を窒素に置換して窒化層を形成すると、さらに緻密化することができる。それにより絶縁耐圧が高い絶縁層を形成することができる。
ただし、本発明においてプラズマ処理を行う際、トランジスタの電気特性に悪影響を与えない程度の条件で行う。
また、基板、絶縁層、層間絶縁層、その他半導体装置を構成する絶縁層、導電層などを形成した後も、プラズマ処理を用いて酸化処理または窒化処理を行うことにより前記基板、絶縁層、層間絶縁層表面を酸化処理または窒化処理してもよい。プラズマ処理を用いて半導体層や絶縁層を酸化処理または窒化処理すると、絶縁層の表面が改質され、CVD法やスパッタ法により形成した絶縁層と比較してより緻密な絶縁層とすることができる。よって、ピンホール等の欠陥を抑制し半導体装置の特性等を向上させることが可能となる。また上記の様なプラズマ処理は、ゲート電極層、ソース配線層、ドレイン配線層などの導電層などにも行うことができ、表面及び表面近傍を窒化処理又は酸化処理することができる。
半導体層303、305は、結晶性半導体で形成されたものを用いることが好ましい。例えば、基板上にスパッタリング法、プラズマCVD法若しくは減圧CVD法によって基板の全面に形成された半導体層を結晶化させ、形成することができる。半導体材料としては、シリコンが好ましく、その他にシリコンゲルマニウム半導体を用いることもできる。半導体層の結晶化法としては、レーザ結晶化法、瞬間熱アニール(RTA)又はファーネスアニール炉を用いた熱処理による結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる結晶化法又はこれら方法を組み合わせて行う方法を採用することができる。
半導体層303、305にはp型を付与する不純物元素が注入されていても良い。p型を付与する不純物元素として、例えばホウ素が用いられ、5×1015atoms/cm〜1×1016atoms/cm程度の濃度で添加されていても良い。これは、トランジスタのしきい値電圧を制御するためのものであり、チャネル形成領域317、318に添加されることで有効に作用する。
なお薄膜トランジスタ322、323と電気的に接続する配線層320a、230b、321a、321b、ゲート電極層(第1のゲート電極層310、312、第2のゲート電極層313、314)は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化珪素(SiO)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、又はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物から選ぶことができる。
本実施の形態に限定されず、薄膜トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
図1に示す本実施の形態の半導体装置の作製方法を図2、図3、図15を用いて詳細に説明する。
絶縁表面を有する基板300の上に下地膜として、下地膜である絶縁層3013を形成する。下地膜は、単層でも2層、3層といった積層構造でもよい。
下地膜の材料は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素などの無機材料、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いてもよい。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリレンエーテル、ポリイミドなどの有機材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いてもよい。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。
下地膜は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などを用いて形成することができる。また、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。
例えば、絶縁層301として、窒化酸化珪素膜を10〜200nm(好ましくは50〜150nm)と、酸化窒化珪素膜を50〜200nm(好ましくは100〜150nm)とをプラズマCVD法を用いて積層して形成すればよい。
次いで、下地膜上に半導体膜を形成する。本発明では、非晶質半導体膜を、レーザ結晶化し、結晶性半導体膜とするものを用いるのが好ましい。
次いで、下地膜上に半導体膜を形成する。半導体膜は25〜200nm(好ましくは50〜60nm)の厚さで手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜すればよい。本実施の形態では、半導体膜を形成後、選択的に所望の膜厚まで薄膜化する。本発明では、非晶質半導体膜を、レーザ結晶化し、結晶性半導体膜とするものを用いるのが好ましい。
半導体膜を形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法で作製される非晶質半導体(以下「アモルファス半導体:AS」ともいう。)を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或いは単結晶半導体などを用いることができる。
非晶質半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン、結晶性半導体としては代表的にはポリシリコンなどがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを添加し結晶化させたポリシリコンなどを含んでいる。また、このような薄膜プロセスに換えて、絶縁表面に単結晶半導体層を設けたSOI基板を用いても良い。SOI基板は、SIMOX(Separation by IMplanted Oxygen)法や、Smart−Cut法を用いて形成することができる。SIMOX法は、単結晶シリコン基板に酸素イオンを注入し、所定の深さに酸素含有層を形成した後、熱処理を行い、表面から一定の深さで埋込絶縁層を形成し、埋込絶縁層の上に単結晶シリコン層を形成する方法である。また、Smart−Cut法は、酸化された単結晶シリコン基板に水素イオン注入を行い、所望の深さに相当する所に水素含有層を形成し、他の支持基板(表面に貼り合わせ用の酸化シリコン膜を有する単結晶シリコン基板など)と貼り合わせる、加熱処理を行うことにより水素含有層にて単結晶シリコン基板を分断し、支持基板上に酸化シリコン膜と単結晶シリコン層との積層を形成する方法である。
結晶性半導体層の作製方法は、種々の方法(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等)を用いれば良い。また微結晶半導体をレーザ照射して結晶化し、結晶性を高めることもできる。結晶化を助長する元素を導入しない場合は、非晶質半導体層にレーザ光を照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非晶質半導体層の含有水素濃度を1×1020atoms/cm以下にまで放出させる。これは水素を多く含んだ非晶質半導体層にレーザ光を照射すると非晶質半導体層が破壊されてしまうからである。結晶化のための加熱処理は、加熱炉、レーザ照射、若しくはランプから発する光の照射(ランプアニールともいう)などを用いることができる。加熱方法としてGRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)法、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)法等のRTA法がある。GRTAとは高温のガスを用いて加熱処理を行う方法であり、LRTAとはランプ光により加熱処理を行う方法である。
また、非晶質半導体層を結晶化し、結晶性半導体層を形成する結晶化工程で、非晶質半導体層に結晶化を促進する元素(触媒元素、金属元素とも示す)を添加し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)により結晶化を行ってもよい。結晶化を助長する元素としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスニウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)及び金(Au)から選ばれた一種又は複数種類を用いることができる。
非晶質半導体層への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質半導体層の表面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタ法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体層の表面のぬれ性を改善し、非晶質半導体層の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を成膜することが望ましい。
結晶化を促進する元素を結晶性半導体層から除去、又は軽減するため、結晶性半導体層に接して、不純物元素を含む半導体層を形成し、ゲッタリングシンクとして機能させる。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素、p型を付与する不純物元素や希ガス元素などを用いることができ、例えばリン(P)、窒素(N)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ボロン(B)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)から選ばれた一種または複数種を用いることができる。結晶化を促進する元素を含む結晶性半導体層に、希ガス元素を含む半導体層を形成し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)を行う。結晶性半導体層中に含まれる結晶化を促進する元素は、希ガス元素を含む半導体層中に移動し、結晶性半導体層中の結晶化を促進する元素は除去、又は軽減される。その後、ゲッタリングシンクとなった希ガス元素を含む半導体層を除去する。
レーザと、半導体層とを相対的に走査することにより、レーザ照射を行うことができる。またレーザ照射において、ビームを精度よく重ね合わせたり、レーザ照射開始位置やレーザ照射終了位置を制御するため、マーカーを形成することもできる。マーカーは非晶質半導体層と同時に、基板上へ形成すればよい。
レーザ照射を用いる場合、連続発振型のレーザビーム(CW(CW:continuous−wave)レーザビーム)やパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このレーザは、CWで射出することも、パルス発振で射出することも可能である。CWで射出する場合は、レーザのパワー密度を0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。
なお、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。パルス幅がピコ秒台、或いはフェムト秒(10−15秒)台のパルスレーザを用いてもよい。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体層がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体層に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体層中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
媒質としてセラミック(多結晶)を用いると、短時間かつ低コストで自由な形状に媒質を形成することが可能である。単結晶を用いる場合、通常、直径数mm、長さ数十mmの円柱状の媒質が用いられているが、セラミックを用いる場合はさらに大きいものを作ることが可能である。
発光に直接寄与する媒質中のNd、Ybなどのドーパントの濃度は、単結晶中でも多結晶中でも大きくは変えられないため、濃度を増加させることによるレーザの出力向上にはある程度限界がある。しかしながら、セラミックの場合、単結晶と比較して媒質の大きさを著しく大きくすることができるため大幅な出力向上ができる。
さらに、セラミックの場合では、平行六面体形状や直方体形状の媒質を容易に形成することが可能である。このような形状の媒質を用いて、発振光を媒質の内部でジグザグに進行させると、発振光路を長くとることができる。そのため、増幅が大きくなり、大出力で発振させることが可能になる。また、このような形状の媒質から射出されるレーザビームは射出時の断面形状が四角形状であるため、丸状のビームと比較すると、線状ビームに整形するのに有利である。このように射出されたレーザビームを、光学系を用いて整形することによって、短辺の長さ1mm以下、長辺の長さ数mm〜数mの線状ビームを容易に得ることが可能となる。また、励起光を媒質に均一に照射することにより、線状ビームは長辺方向にエネルギー分布の均一なものとなる。またさらにレーザは、半導体層に対して入射角θ(0<θ<90度)を持たせて照射させるとよい。レーザの干渉を防止することができるからである。
この線状ビームを半導体層に照射することによって、半導体層の全面をより均一にアニールすることが可能になる。線状ビームの両端まで均一なアニールが必要な場合は、その両端にスリットを配置し、エネルギーの減衰部を遮光するなどの工夫が必要となる。
また、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。これにより、レーザ光の照射により半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じるしきい値のばらつきを抑えることができる。
非晶質半導体層の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。
本実施の形態では、絶縁層301上に、非晶質半導体膜を形成し、非晶質半導体膜をレーザ結晶化させることによって結晶性半導体膜である半導体膜302を形成する(図2(A)参照。)。
このようにして得られた半導体膜に対して、薄膜トランジスタのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを選択的に行う。この不純物元素のドーピングは、結晶化工程の前の非晶質半導体膜に行ってもよい。非晶質半導体膜の状態で不純物元素をドーピングすると、その後の結晶化のための加熱処理によって、不純物の活性化も行うことができる。また、ドーピングの際に生じる欠陥等も改善することができる。
半導体膜302を選択的に覆うマスク380を形成する。マスク380は後の工程により半導体層を薄膜化しない薄膜トランジスタが設けられる領域を覆っている。マスク380を用いて半導体膜302を選択的エッチングして薄膜化し、半導体膜381を形成する。従って半導体膜382より膜厚の薄い半導体膜381が形成される(図2(B)参照。)。
半導体層の薄膜化は、一回のエッチング工程で行ってもよいし、複数のエッチング工程によって薄膜化することもできる。また半導体層を直接エッチングガス(又はエッチング溶液)でエッチングしてもよいし、半導体層表面を部分的に処理して改質し、改質領域のみを選択的に除去してもよい。図15に複数の工程で半導体層を薄膜化する例を示す。図15(A)において、基板10上に下地膜11が設けられ、半導体層12が形成されている。半導体層12上に選択的にマスク13を形成する(図15(B)参照。)。プラズマ処理14によって半導体層12を選択的に改質し(本実施の形態では酸化)、改質(本実施の形態では酸化)領域15を形成する(図15(C)参照。)。半導体層12をエッチングせず、改質領域15のみ除去できるエッチング条件(エッチングガス、エッチング溶液)で改質領域15を除去し、部分的に薄膜化された半導体層16を形成する(図15(D)参照。)。この図15(C)(D)を繰り返すことで半導体層は所望の膜厚まで薄膜化することができる。
マスク380を除去し、次に半導体膜381及び半導体膜382を、マスクを用いて所望の形状に加工する。本実施の形態では半導体膜381及び半導体膜382上に形成された酸化膜を除去した後、新たに酸化膜を形成する。そして、フォトマスクを作製し、フォトリソグラフィ法を用いた加工処理により、半導体層303、及び半導体層305を形成する(図2(C)参照。)。
半導体層303の膜厚は、半導体層305より薄く、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、半導体層305の膜厚は、半導体層303より厚く、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
半導体層を薄膜化することで、短チャネル効果を抑制しすることが可能となる。また、トランジスタのしきい値電圧を小さくすることが可能であり、低電圧駆動をすることができる。半導体層の端部には傾斜角(テーパー角)を設ける。その角度は45度乃至95度とすることが好ましい。この領域に半導体層303、305の中央部と特性が異なる寄生トランジスタが形成されることの影響を避けるため、その傾斜角は垂直に近い方が好ましい。
なお、本明細書において、半導体層の「端部」とは、島状に形成された半導体層の縁部分(エッジ部分)を示す。半導体層の「側面」とは、半導体層の縁部分の面を示す。
エッチング加工は、プラズマエッチング(ドライエッチング)又はウェットエッチングのどちらを採用しても良いが、大面積基板を処理するにはプラズマエッチングが適している。エッチングガスとしては、CF、NF、Cl、BCl、などのフッ素系又は塩素系のガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスクを形成する必要はない。
本発明において、配線層若しくは電極層を形成する導電層や、所定のパターンを形成するためのマスクなどを、液滴吐出法のような選択的にパターンを形成できる方法により形成してもよい。液滴吐出(噴出)法(その方式によっては、インクジェット法とも呼ばれる。)は、特定の目的に調合された組成物の液滴を選択的に吐出(噴出)して所定のパターン(導電層や絶縁層など)を形成することができる。この際、被形成領域にぬれ性や密着性を制御する処理を行ってもよい。また、パターンが転写、または描写できる方法、例えば印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)なども用いることができる。
本実施の形態において、用いるマスクは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いる。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリレンエーテル、透過性を有するポリイミドなどの有機材料、シロキサン系ポリマー等の重合によってできた化合物材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いることもできる。或いは、感光剤を含む市販のレジスト材料を用いてもよく、例えば、代表的なポジ型レジストである、ノボラック樹脂と感光剤であるナフトキノンジアジド化合物、ネガ型レジストであるベース樹脂、ジフェニルシランジオール及び酸発生剤などを用いてもよい。液滴吐出法を用いる場合、いずれの材料を用いるとしても、その表面張力と粘度は、溶媒の濃度を調整する、界面活性剤等を加えるなどによって適宜調整する。
半導体層303、305の側面と接する絶縁層307a乃至307dを形成する(図2(D)参照。)。半導体層303、305の側面と接する絶縁層307a乃至307dを形成することで、半導体層303、305の端部におけるゲート絶縁層の被覆性を良好にすることができる。よって、半導体層303、305の端部におけるゲート絶縁層の被覆不良に起因した不良、例えば半導体層とゲート電極層の短絡、リーク電流の発生、静電破壊等を防止することができる。絶縁層307a乃至307dは、半導体層303、305を形成した後に、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜を堆積し、異方性エッチングにより加工することで自己整合的に形成することができる。
半導体層上の酸化膜を除去し、半導体層303、及び絶縁層307a、307bを覆うゲート絶縁層308、半導体層305及び絶縁層307c、307dを覆うゲート絶縁層309を形成する。ゲート絶縁層308及びゲート絶縁層309はプラズマCVD法またはスパッタ法などを用いて、絶縁膜を形成し、選択的にエッチングして薄膜化して膜厚の異なるゲート絶縁層308、及びゲート絶縁層309を形成する。ゲート絶縁層308の薄膜化は、薄膜トランジスタを低電圧で高速に動作させる効果がある。また、ゲート絶縁層309の膜厚が厚いと、薄膜トランジスタの高電圧に対する耐性が高くすることができ、信頼性を高めることができる。
ゲート絶縁層308及び309は酸化珪素、若しくは酸化珪素と窒化珪素の積層構造で形成すればよい。ゲート絶縁層308及び309は、プラズマCVD法や減圧CVD法により絶縁膜を堆積することで形成しても良いし、プラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化で形成すると良い。半導体層を、プラズマ処理により酸化又は窒化することにより形成するゲート絶縁層は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れているためである。
プラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理として、マイクロ波(代表的には2.45GHz)で励起され、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下、且つ電子温度が0.5eV以上1.5eV以下のプラズマを利用することが好ましい。固相酸化処理若しくは固相窒化処理において、500℃以下の温度において、緻密な絶縁膜を形成すると共に実用的な反応速度を得るためである。
このプラズマ処理により半導体層の表面を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば、酸素(O)又は一酸化二窒素(NO)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、若しくは酸素又は一酸化二窒素と水素(H)と希ガス雰囲気下)で行う。また、プラズマ処理により窒化をする場合には、窒素雰囲気下(例えば、窒素(N)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、窒素と水素と希ガス雰囲気下、若しくはNHと希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。また、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。
なお、プラズマ処理とは、半導体層、絶縁層、導電層に対する酸化処理、窒化処理、酸窒化処理、水素化処理、表面改質処理を含んでいる。これらの処理は、その目的に応じて、供給するガスを選択すれば良い。
半導体層を酸化処理若しくは窒化処理を行うには以下のようにすれば良い。まず、処理室内を真空にし、ガス供給部から酸素又は窒素を含むプラズマ処理用ガスを導入する。基板は室温若しくは温度制御部により100℃乃至550℃に加熱する。
次に、マイクロ波供給部からアンテナにマイクロ波を供給する。そしてマイクロ波をアンテナから誘電体板を通して処理室内に導入することによって、プラズマを生成する。マイクロ波の導入によりプラズマの励起を行うと、低電子温度(3eV以下、好ましくは1.5eV以下)で高電子密度(1×1011cm−3以上)のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)及び/又は窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体層の表面を酸化又は窒化することができる。プラズマ処理用ガスにアルゴンなどの希ガスを混合させると、希ガスの励起種により酸素ラジカルや窒素ラジカルを効率良く生成することができる。この方法は、プラズマで励起した活性なラジカルを有効に使うことにより、500℃以下の低温で固相反応による酸化、窒化若しくは酸化と窒化の同時処理を行うことができる。
プラズマ処理により形成される好適なゲート絶縁層の一例は、酸化雰囲気下のプラズマ処理により半導体層を3nm乃至6nmの厚さで酸化シリコン層を形成し、その後窒素雰囲気下でその酸化シリコン層の表面を窒化して窒化シリコン層を形成した積層構造である。半導体層の代表例としてのシリコン層の表面をプラズマ処理で酸化することで、界面に歪みのない緻密な酸化膜を形成することができる。また、当該酸化膜をプラズマ処理で窒化することで、表層部の酸素を窒素に置換して窒化層を形成すると、さらに緻密化することができる。それにより絶縁耐圧が高い絶縁層を形成することができる。
いずれにしても、上記のようなプラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理を用いることで、耐熱温度が700℃以下のガラス基板を用いても、950℃乃至1050℃で形成される熱酸化膜と同等な絶縁層を得ることができる。すなわち、トランジスタのゲート絶縁層として信頼性の高い膜を形成することができる。
また、ゲート絶縁層308、309として、高誘電率材料を用いても良い。ゲート絶縁層308、309に高誘電率材料を用いることにより、ゲートリーク電流を低減することができる。高誘電率材料としては、二酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、二酸化チタン、五酸化タンタルなどを用いることができる。また、プラズマ処理による固相酸化により酸化シリコン層を形成しても良い。
また、薄い酸化珪素膜の形成方法としては、GRTA法、LRTA法等を用いて半導体領域表面を酸化し、熱酸化膜を形成することで、膜厚の薄い酸化珪素膜を形成することもできる。なお、低い成膜温度でゲートリーク電流の少ない緻密な絶縁膜を形成するには、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませ、形成される絶縁膜中に混入させると良い。
次いで、ゲート絶縁層308、309上にゲート電極層として用いる膜厚20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜とを積層して形成する。第1の導電膜及び第2の導電膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の手法により形成することができる。第1の導電膜及び第2の導電膜はタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジウム(Nd)から選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、第1の導電膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、AgPdCu合金を用いてもよい。また、2層構造に限定されず、例えば、第1の導電膜として膜厚50nmのタングステン膜、第2の導電膜として膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、第3の導電膜として膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。また、単層構造であってもよい。本実施の形態では、第1の導電膜として窒化タンタル(TaN)を膜厚30nm形成し、第2の導電膜としてタングステン(W)を膜厚370nm形成する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、第1の導電膜及び第2の導電膜を所望の形状に加工し、第1のゲート電極層310、第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層313、及び第2のゲート電極層314を形成する(図3(A)参照。)。ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層を所望のテーパー形状を有するようにエッチングすることができる。また、テーパー形状は、マスクの形状によっても角度等を制御することができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はOを適宜用いることができる。
本実施の形態では第1のゲート電極層、第2のゲート電極層を垂直な側面を有して形成する例を示すが、本発明はそれに限定されず、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層両方がテーパー形状を有していてもよいし、どちらか一方のゲート電極層の一層のみがテーパー形状を有し、他方は異方性エッチングによって垂直な側面を有していてもよい。テーパー角度も積層するゲート電極層間で異なっていても良いし、同一でもよい。テーパー形状を有することによって、その上に積層する膜の被覆性が向上し、欠陥が軽減されるので信頼性が向上する。
ゲート電極層を形成する際のエッチング工程によって、ゲート絶縁層308、309は多少エッチングされ、膜厚が減る(いわゆる膜減り)ことがある。
本実施の形態では、薄膜トランジスタを高速動作が可能とするために、ゲート電極層(第1のゲート電極層310、第2のゲート電極層313)をチャネル方向の幅を細く形成する。
ゲート電極層をチャネル方向の幅を細く形成する2つの方法を以下に示す。
第1の方法はゲート電極層のマスクを形成した後、マスクを幅方向にエッチング、アッシング等により細らせ、さらに幅の細いマスクを形成する。あらかじめ幅細い形状に形成されたマスクを用いることによって、ゲート電極層も幅細い形状に形成することができる。
次に、第2の方法は通常のマスクを形成し、そのマスクを用いてゲート電極層を形成する。次に得られたゲート電極層を幅方向にさらにサイドエッチングして細らせる。よって最終的に幅の細いゲート電極層を形成することができる。以上の工程を経ることによって、後にチャネル長の短い薄膜トランジスタを形成することが可能であり、高速動作が可能な薄膜トランジスタを作製することが可能である。
次に、第1のゲート電極層310、第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層313、及び第2のゲート電極層314をマスクとして、一導電型を付与する不純物元素304を添加し、ソース領域又はドレイン領域である一導電型を有する不純物領域315a、315b、316a、316bを形成する。また、半導体層303、305にチャネル形成領域317、318が形成される(図3(B)参照。)。一導電型を付与する不純物元素は、n型を付与する不純物元素(例えばリン(P)やヒ素(As)等)であっても、p型を付与する不純物元素(例えばボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等)であってもよい。本実施の形態では、一導電型を付与する不純物元素としてn型を付与する不純物元素であるリン(P)を用いる。本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてホスフィン(PH)を用いる。ここでは、ソース領域又はドレイン領域である一導電型を有する不純物領域315a、315b、316a、316bに、一導電型を付与する不純物元素が5×1019〜5×1020/cm程度の濃度で含まれるように添加する。
本実施の形態では、不純物領域がゲート絶縁層を介してゲート電極層と重なる領域をLov領域と示し、不純物領域がゲート絶縁層を介してゲート電極層と重ならない領域をLoff領域と示す。
一導電型を有する不純物領域315a、315b、316a、316bは、ソース領域又はドレイン領域として機能する。
不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、又はレーザ光の照射を行ってもよい。活性化と同時にゲート絶縁層へのプラズマダメージやゲート絶縁層と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。
次いで、ゲート電極層、ゲート絶縁層を覆う層間絶縁層を形成する。本実施の形態では、水素を含む絶縁膜311と、絶縁層319との積層構造とする(図3(C)参照。)。絶縁膜311と、絶縁層319は、スパッタ法、またはプラズマCVDを用いた窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜でもよく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または3層以上の積層構造として用いても良い。
さらに、窒素雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。好ましくは、400〜500℃で行う。この工程は層間絶縁層である絶縁膜311に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。本実施の形態では、410度(℃)で1時間加熱処理を行う。
絶縁膜311と、絶縁層319としては他に窒化アルミニウム(AlN)、酸化窒化アルミニウム(AlON)、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム(AlNO)または酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜(CN)その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、有機絶縁性材料を用いてもよく、有機材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、ポリシラザンを用いることができる。平坦性のよい塗布法によってされる塗布膜を用いてもよい。
絶縁膜311、絶縁層319は、ディップ、スプレー塗布、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、CVD法、蒸着法等を採用することができる。液滴吐出法により絶縁膜311、絶縁層319を形成してもよい。液滴吐出法を用いた場合には材料液を節約することができる。また、液滴吐出法のようにパターンが転写、または描写できる方法、例えば印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)なども用いることができる。
次いで、レジストからなるマスクを用いて絶縁膜311、絶縁層319に半導体層に達するコンタクトホール(開口部)を形成する。エッチングは、用いる材料の選択比によって、一回で行っても複数回行っても良い。エッチングによって、絶縁膜311、絶縁層319を除去し、ソース領域又はドレイン領域である一導電型を有する不純物領域315a、315b、316a、316bに達する開口部を形成する。エッチングは、ウェットエッチングでもドライエッチングでもよく、両方用いてもよい。ウェットエッチングのエッチャントは、フッ素水素アンモニウム及びフッ化アンモニウムを含む混合溶液のようなフッ酸系の溶液を用いるとよい。エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はOを適宜用いることができる。また用いるエッチング用ガスに不活性気体を添加してもよい。添加する不活性元素としては、He、Ne、Ar、Kr、Xeから選ばれた一種または複数種の元素を用いることができる。
開口部を覆うように導電膜を形成し、導電膜をエッチングして各ソース領域又はドレイン領域の一部とそれぞれ電気的に接続するソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層320a、320b、321a、321bを形成する。配線層は、PVD法、CVD法、蒸着法等により導電膜を成膜した後、所望の形状にエッチングして形成することができる。また、液滴吐出法、印刷法、電界メッキ法等により、所定の場所に選択的に導電層を形成することができる。更にはリフロー法、ダマシン法を用いても良い。配線層の材料は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba等の金属、及びSi、Ge、又はその合金、若しくはその窒化物を用いて形成する。また、これらの積層構造としても良い。本実施の形態では、チタン(Ti)を膜厚60nm形成し、窒化チタン膜を膜厚40nm形成し、アルミニウムを膜厚700nm形成し、チタン(Ti)を膜厚200nm形成して積層構造とし、所望な形状に加工する。
以上の工程で高速動作の可能な半導体層の薄膜化された薄膜トランジスタ322、及び半導体層を薄膜化せず高電圧に対する耐圧性が高い薄膜トランジスタ323を含む半導体装置を作製することができる(図3(D)参照。)。
従って、本発明を用いると、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、低消費電力で、かつ高信頼性を付与することを目的とした他の半導体装置、及びその作製方法を、図4を用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態1で作製した半導体装置において、薄膜トランジスタのゲート電極層の側面にサイドウォール構造の絶縁層を設ける例を示す。よって、同一部分又は同様な機能を有する部分の繰り返しの説明は省略する。
図4(A)は、作製工程にある半導体装置であり、実施の形態1で示した図3(A)の半導体装置の作製工程の次工程である。図4において、同一基板上に特性の異なる薄膜トランジスタを選択的に作製する。
次に、第1のゲート電極層310、第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層313、及び第2のゲート電極層314をマスクとして、一導電型を付与する不純物元素330を添加し、一導電型を有する第1の不純物領域331a、331b、335a、332bを形成する(図4(A)参照。)。一導電型を付与する不純物元素は、n型を付与する不純物元素(例えばリン(P)やヒ素(As)等)であっても、p型を付与する不純物元素(例えばボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等)であってもよい。本実施の形態では、一導電型を付与する不純物元素としてn型を付与する不純物元素であるリン(P)を用いる。本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてホスフィン(PH)を用いる。ここでは、一導電型を有する第1の不純物領域331a、331b、335a、332bに、一導電型を付与する不純物元素が1×1017〜5×1018/cm程度の濃度で含まれるように添加する。
第1のゲート電極層310、第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層313、及び第2のゲート電極層314の側面にサイドウォール構造の絶縁層333a乃至333dを形成する(図4(B)参照。)。絶縁層333a乃至333dは、ゲート絶縁層308、309、第1のゲート電極層310、第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層313、及び第2のゲート電極層314を覆う絶縁層を形成した後、これをRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法による異方性のエッチングによって加工し、第1のゲート電極層310、第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層313、及び第2のゲート電極層314の側壁に自己整合的にサイドウォール構造の絶縁層333a乃至333dを形成すればよい。ここで、絶縁層について特に限定はなく、TEOS(Tetra−Ethyl−Orso−Silicate)若しくはシラン等と、酸素若しくは亜酸化窒素等とを反応させて形成した段差被覆性のよい酸化珪素であることが好ましい。絶縁層は熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD、スパッタリング等の方法によって形成することができる。
また、本実施の形態では、絶縁層をエッチングする際、第2のゲート電極層上の絶縁層を除去し、第2のゲート電極層を露出させるが、絶縁層を第2のゲート電極層上に残すような形状に絶縁層333a乃至333dを形成してもよい。本実施の形態では、後工程で第2のゲート電極層上に保護膜として絶縁膜341を形成する。このように第2のゲート電極層を保護することによって、エッチング加工する際、第2のゲート電極層の膜減りを防ぐことができる。また、ソース領域及びドレイン領域にシリサイドを形成する場合、シリサイド形成時に成膜する金属膜とゲート電極層とが接しないので、金属膜の材料とゲート電極層の材料とが反応しやすい材料であっても、化学反応や拡散などの不良を防止することができる。エッチング方法は、ドライエッチング法でもウェットエッチング法でもよく、種々のエッチング方法を用いることができる。本実施の形態では、ドライエッチング法を用いる。エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はOを適宜用いることができる。
第1のゲート電極層310、第1のゲート電極層312、第2のゲート電極層313、第2のゲート電極層314、及び絶縁層333a乃至333dをマスクとして、一導電型を付与する不純物元素334を添加し、一導電型を有する第2の不純物領域335a、335b、336a、336b、第3のn型不純物領域337a、337b、337c、337dが形成される。本実施の形態では一導電型を付与する不純物元素334としてn型を付与する不純物元素であるリン(P)を用いる。一導電型を有する第2の不純物領域335a、335b、336a、336bに一導電型を付与する不純物元素が5×1019〜5×1020/cm程度の濃度で含まれるように添加する。また、半導体層303にチャネル形成領域339、半導体層305にチャネル形成領域340が形成される(図6(A)参照。)。
一導電型を有する第2の不純物領域335a、335b、336a、336bは高濃度不純物領域であり、ソース、ドレインとして機能する。一方、第3のn型不純物領域337a、337b、337c、337dは低濃度不純物領域であり、LDD(LightlyDoped Drain)領域となる。第3のn型不純物領域337a、337b、337c、337dは第1のゲート電極層310、312、第2のゲート電極層313、314に覆われていないLoff領域に形成されるため、オフ電流を低減する効果がある。この結果、さらに信頼性の高く、低消費電力の半導体装置を作製することが可能である。
ゲート絶縁層308、309、第1のゲート電極層310、312、第2のゲート電極層313、314、及び絶縁層333a乃至333d上に絶縁膜341を形成し、絶縁膜341上に絶縁層342を形成する(図4(D)参照。)。ゲート絶縁層308、309、絶縁膜341及び342に半導体層のソース領域又はドレイン領域に達する開口を形成し、開口にソース電極層又はドレイン電極層である配線層343a、343b、344a、344bを形成する。絶縁膜341、絶縁層342、配線層343a、343b、344a、344bは実施の形態1で示した絶縁膜311、絶縁層319、配線層320a、320b、321a、321bとそれぞれ同様の材料及び工程で形成することができる。
以上の工程でLoff領域に低濃度不純物領域を有する薄膜トランジスタ345、Loff領域に低濃度不純物領域を有する薄膜トランジスタ346を有する半導体装置を作製することができる(図4(E)参照。)。
本発明を用いた本実施の形態の半導体装置は、同一基板300上に半導体層の膜厚の異なる2種類の薄膜トランジスタ345、346を有する。高速動作を求められる薄膜トランジスタ345の半導体層303を、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ346の半導体層305より薄膜化し、半導体層303の膜厚を薄くする。また、ゲート絶縁層においても、高速動作を求められる薄膜トランジスタ345は、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ346より膜厚が薄い方が好ましい。
半導体層の膜厚の異なる薄膜トランジスタ345及び346は、同一回路内において必要な機能を果たすように、高速動作が求められる領域には薄膜トランジスタ345を、電圧に対して高耐性が求められる領域には薄膜トランジスタ346をそれぞれ設けることができる。例えば、メモリ等の回路を有する半導体装置の場合、メモリ内の特定の薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化し、逆に電流及び電圧が大きくかかる特定の薄膜トランジスタは半導体層を厚く保ったままとすればよい。
半導体装置に複数の回路が設けられる場合、回路ごとに要求される機能によって半導体層の膜厚の異なる薄膜トランジスタを設けてもよい。高速動作が求められる回路には薄膜トランジスタ345を、電圧に対して高耐性が求められる回路には薄膜トランジスタ346をそれぞれ選択的に設ければよい。例えば、メモリにはメモリ素子を含むメモリセルアレイ、昇圧回路部、駆動回路部、制御回路部等が設けられる場合、高速動作を求められる駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化し、一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイのメモリ素子や薄膜トランジスタは半導体層の薄膜化を行わず、駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層より厚い膜厚とするとよい。
メモリの他に、複数の回路を設ける半導体装置の場合、ロジック回路として高速動作を行う必要とする回路には半導体層を薄膜化した薄膜トランジスタを、電源回路などの高電圧が印加される回路には半導体層を薄膜化せず高電圧に耐えられる厚さの膜厚の薄膜トランジスタをそれぞれ設けるとよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタ345の半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路に設けられる薄膜トランジスタ346の半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタ345のゲート絶縁層308の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられる薄膜トランジスタ346のゲート絶縁層309の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
本実施の形態の高速動作を求められる薄膜トランジスタ345は、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ346よりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の高速動作を求められる薄膜トランジスタ322のチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、電圧に対して高い耐圧性を求められる電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路に設けられる薄膜トランジスタ346のチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
薄膜トランジスタにおいて、ゲート電極のソースとドレイン間の距離として表されるチャネル長の長さを短くしてトランジスタのチャネルを流れるキャリアの走行距離を短くすることによって、高速化を行うことができる。
チャネル形成領域の膜厚が厚いとチャネル長が短い場合には、ソース−ドレイン間の電界の影響により、ゲート電圧がしきい値電圧以下のサブスレッショルド領域でチャネル形成領域中の下側を電流が流れる。そのため、サブスレッショルド値が上昇し、しきい値電圧が低下する。チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル形成領域中の下側の電流が流れる経路が遮断されるために、漏れ電流が抑えられる。そのため、サブスレッショルド値の上昇が抑えられ、しきい値電圧の低下も抑えられる。そのため、チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル長の短い領域でのしきい値電圧のマイナスシフトが抑えられ、かつ、サブスレッショルド値が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。サブスレッショルド値が小さくなっているため、ゲート電圧0Vでのソース−ドレイン間に流れる電流を抑えつつ、しきい値電圧を下げることができる。
高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタにおける半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用し、短チャネル効果を抑制することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧を小さくすることができる。それにより、駆動回路部及び制御回路部などに設けられた薄膜トランジスタにおいて、微細化と高性能化を実現することができる。よって、半導体装置の低電圧駆動が可能となり低消費電力化を実現することができる。また、薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため、駆動回路部及び制御回路部の面積の縮小が可能となり、半導体装置をより小型化することができる。
一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられた薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部、及び制御回路部などと比べ厚く保つことによって、電圧に対して耐圧性が高く、半導体装置を高信頼性とすることができる。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、低消費電力で、かつ高信頼性を付与することを目的とした他の半導体装置、及びその作製方法を、図5、6を用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態1及び2で作製した半導体装置において、薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域にシリサイドを設ける例を示す。よって、同一部分又は同様な機能を有する部分の繰り返しの説明は省略する。
図5(A)は、作製工程にある半導体装置であり、実施の形態2で示した図4(C)の半導体装置と対応している。図5及び図6において、同一基板上に特性の異なる薄膜トランジスタを選択的に作製する。
本実施の形態では、図5に示すように、第1のゲート電極層351、352と第2のゲート電極層353、354の形状が異なっており、第1のゲート電極層351、352と第2のゲート電極層353、354との端部は一致していない。第1のゲート電極層351、352の端部は第2のゲート電極層353、354の端部より外側に位置している。半導体層への不純物元素の添加は、第2のゲート電極層353、354をマスクとして行うので、第1のゲート電極層351、352において第2のゲート電極層353、354と積層していない領域に重なる半導体層には不純物領域が形成される。
従って、第1のゲート電極層321と一部重なって一導電型を有する第3の不純物領域355a、355bが、第1のゲート電極層352と一部重なって一導電型を有する第3の不純物領域356a、356bがそれぞれ形成されている。このようにゲート絶縁層を介してゲート電極層が不純物領域を一部覆っているLov領域は、ドレイン近傍の電界を緩和し、ホットキャリアによるオン電流の劣化を抑制することができる。この結果、高速動作が可能な薄膜トランジスタを形成することができる。
絶縁層333a乃至333d、第1のゲート電極層351、352、及び第2のゲート電極層353、354をマスクとしてゲート絶縁層308及びゲート絶縁層309をエッチングし、半導体層303、305のソース領域及びドレイン領域を露出させる。ゲート絶縁層308及びゲート絶縁層309は選択的にエッチングされ、ゲート絶縁層357、358となる(図5(B)参照。)。本実施の形態では、半導体層への不純物元素の添加(ドーピング)は、ゲート絶縁層を介して行う例をしめすが、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層の側面を覆う絶縁層333a乃至333dを形成する際に、ゲート絶縁層308及び309もエッチングし、半導体層を露出した状態で不純物元素を添加しても良い。
半導体層303、305、絶縁層333a乃至333d、第2のゲート電極層353、354上に導電膜359を形成する(図5(C)参照。)。導電膜359の材料としては、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、Ha(ハフニウム)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ネオジム(Nb)、クロム(Cr)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等を有する膜を成膜する。ここでは、スパッタリング法により、ニッケル膜を成膜する。
次に、加熱処理、GRTA法、LRTA法等により、露出されたソース領域及びドレイン領域の半導体層中の珪素と導電膜359とを反応させて、シリサイド360a、360b、シリサイド361a、361bを形成する。また、レーザ照射やランプによる光照射によってシリサイドを形成しても良い。この後、半導体層と反応しなかった導電膜359を除去する(図5(D)参照。)。
次いで、パッシベーション膜として水素を含む絶縁膜362を形成する。この絶縁膜365としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成すればよく、実施の形態1で示す絶縁膜311と同様な材料及び工程で形成することができる。
さらに、窒素雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。好ましくは、400〜500℃で行う。この工程は絶縁膜772に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。
次いで、層間絶縁膜となる絶縁層363を形成する(図5(D)参照。)。本発明において、平坦化のために設ける層間絶縁膜としては、耐熱性および絶縁性が高く、且つ、平坦化率の高いものが好ましい。絶縁層363は、実施の形態1で示す絶縁層319と同様な材料及び工程で形成することができる。
レジストからなるマスクを用いて絶縁膜362、絶縁層363に半導体層303、305に達するコンタクトホール(開口部)を形成する。エッチングは、用いる材料の選択比によって、一回で行っても複数回行っても良い。エッチングによってソース領域又はドレイン領域であるシリサイド360a、360b、シリサイド361a、361bに達する開口部を形成する。
導電膜を形成し、導電膜をエッチングしてシリサイド360a、360b、シリサイド361a、361bとそれぞれ電気的に接続するソース電極層又はドレイン電極層である配線層364a、364b、365a、365bを形成する。配線層364a、364b、365a、365bは、PVD法、CVD法、蒸着法等により導電膜を成膜した後、所望の形状にエッチングして形成することができる。また、液滴吐出法、印刷法、電界メッキ法等により、所定の場所に選択的に導電層を形成することができる。更にはリフロー法、ダマシン法を用いても良い。配線層364a、364b、365a、365bの材料は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba等の金属、Si、Ge、又はその合金、若しくはその金属窒化物を用いて形成する。また、Ti/Al/Tiのようなこれらの積層構造としても良い。
シリサイド360a、360b、シリサイド361a、361bはソース領域及びドレイン領域である不純物領域表面に形成される例を示すが、不純物領域全域、またはより広領域にわたってシリサイドが形成されてもよい。シリサイドは導電膜の膜厚や、加熱条件(温度、時間)によって制御することができる。図6(B)に示す薄膜トランジスタ370はソース領域及びドレイン領域全域にシリサイド372a、372bが形成されている例であり、薄膜トランジスタ371のソース領域及びドレイン領域にもより広領域にわたってシリサイド373a、373bが形成されている。
以上の工程でLov領域及びLoff領域に低濃度不純物領域を有する薄膜トランジスタ366、Lov領域及びLoff領域に低濃度不純物領域を有する薄膜トランジスタ367を有する半導体装置を作製することができる(図6(A)参照。)。さらに、薄膜トランジスタ336、367はシリサイド構造であるため、ソース領域及びドレイン領域の低抵抗化が可能であり、半導体装置の高速化が可能である。また、低電圧での動作が可能であるため、消費電力を低減することが可能である。
本発明を用いた本実施の形態の半導体装置は、同一基板300上に半導体層の膜厚の異なる2種類の薄膜トランジスタ370、371を有する。高速動作を求められる薄膜トランジスタ370の半導体層303を、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ371の半導体層305より薄膜化し、半導体層303の膜厚を薄くする。また、ゲート絶縁層においても、高速動作を求められる薄膜トランジスタ370は、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ371より膜厚が薄い方が好ましい。
半導体層の膜厚の異なる薄膜トランジスタ370及び371は、同一回路内において必要な機能を果たすように、高速動作が求められる領域には薄膜トランジスタ370を、電圧に対して高耐性が求められる領域には薄膜トランジスタ371をそれぞれ設けることができる。例えば、メモリ等の回路を有する半導体装置の場合、メモリ内の特定の薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化し、逆に電流及び電圧が大きくかかる特定の薄膜トランジスタは半導体層を厚く保ったままとすればよい。
半導体装置に複数の回路が設けられる場合、回路ごとに要求される機能によって半導体層の膜厚の異なる薄膜トランジスタを設けてもよい。高速動作が求められる回路には薄膜トランジスタ370を、電圧に対して高耐性が求められる回路には薄膜トランジスタ371をそれぞれ選択的に設ければよい。例えば、メモリにはメモリ素子を含むメモリセルアレイ、昇圧回路部、駆動回路部、制御回路部等が設けられる場合、高速動作を求められる駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層を選択的に薄膜化し、一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイのメモリ素子や薄膜トランジスタは半導体層の薄膜化を行わず、駆動回路部、制御回路部等に設けられる薄膜トランジスタの半導体層より厚い膜厚とするとよい。
メモリの他に、複数の回路を設ける半導体装置の場合、ロジック回路として高速動作を行う必要とする回路には半導体層を薄膜化した薄膜トランジスタを、電源回路などの高電圧が印加される回路には半導体層を薄膜化せず高電圧に耐えられる厚さの膜厚の薄膜トランジスタをそれぞれ設けるとよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタ370の半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路に設けられる薄膜トランジスタ371の半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタ370のゲート絶縁層308の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられる薄膜トランジスタ371のゲート絶縁層309の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
本実施の形態の高速動作を求められる薄膜トランジスタ370は、電圧に対して高い耐圧性を求められる薄膜トランジスタ371よりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の高速動作を求められる薄膜トランジスタ322のチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、電圧に対して高い耐圧性を求められる電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路に設けられる薄膜トランジスタ371のチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
薄膜トランジスタにおいて、ゲート電極のソースとドレイン間の距離として表されるチャネル長の長さを短くしてトランジスタのチャネルを流れるキャリアの走行距離を短くすることによって、高速化を行うことができる。
チャネル形成領域の膜厚が厚いとチャネル長が短い場合には、ソース−ドレイン間の電界の影響により、ゲート電圧がしきい値電圧以下のサブスレッショルド領域でチャネル形成領域中の下側を電流が流れる。そのため、サブスレッショルド値が上昇し、しきい値電圧が低下する。チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル形成領域中の下側の電流が流れる経路が遮断されるために、漏れ電流が抑えられる。そのため、サブスレッショルド値の上昇が抑えられ、しきい値電圧の低下も抑えられる。そのため、チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル長の短い領域でのしきい値電圧のマイナスシフトが抑えられ、かつ、サブスレッショルド値が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。サブスレッショルド値が小さくなっているため、ゲート電圧0Vでのソース−ドレイン間に流れる電流を抑えつつ、しきい値電圧を下げることができる。
高速動作を求められる駆動回路部、及び制御回路部などに設けられる薄膜トランジスタにおける半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用し、短チャネル効果を抑制することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧を小さくすることができる。それにより、駆動回路部及び制御回路部などに設けられた薄膜トランジスタにおいて、微細化と高性能化を実現することができる。よって、半導体装置の低電圧駆動が可能となり低消費電力化を実現することができる。また、薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため、駆動回路部及び制御回路部の面積の縮小が可能となり、半導体装置をより小型化することができる。
一方、電圧に対して高い耐圧性を求められるメモリセルアレイ及び電源回路などに設けられた薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部、及び制御回路部などと比べ厚く保つことによって、電圧に対して耐圧性が高く、半導体装置を高信頼性とすることができる。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、低消費電力で、かつ高信頼性を付与することを目的とする半導体装置としてメモリを有する半導体装置の一例に関して図面を用いて説明する。
本実施の形態の半導体装置はメモリにメモリセルアレイ及びメモリセルアレイを駆動する駆動回路部を有する。メモリセルアレイに設けられるメモリ素子及び制御用薄膜トランジスタは駆動電圧が高く電圧に対して高耐性を求められ、一方駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタは高速動作を求められるため、メモリセルアレイ206及び駆動回路部204では異なる膜厚の半導体層を有する半導体素子を作製する。
絶縁表面を有する基板100の上に下地膜として、絶縁層101を形成する。本実施の形態では、絶縁層101として積層構造を用い、窒化酸化珪素膜を10〜200nm(好ましくは50〜150nm)形成し、酸化窒化珪素膜を50〜200nm(好ましくは100〜150nm)形成する。本実施の形態では、プラズマCVD法を用いて絶縁層101を形成する。下地膜は、単層でも2層、3層といった積層構造でもよい。
絶縁層101の材料は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素などの無機材料、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いてもよい。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリレンエーテル、ポリイミドなどの有機材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いてもよい。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。
絶縁層101は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などを用いて形成することができる。また、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。
基板100としてはガラス基板、石英基板を用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよいし、フィルムのような可撓性基板を用いても良い。プラスチック基板としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)からなる基板、可撓性基板としてはアクリル等の合成樹脂を用いることができる。
次いで、絶縁層101上に半導体膜を形成する。半導体膜は25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜すればよい。
本実施の形態では、絶縁層101上に、非晶質半導体膜を形成し、非晶質半導体膜をレーザ結晶化させることによって結晶性半導体膜である半導体膜102を形成する(図7(A)参照。)。
このようにして得られた半導体膜に対して、薄膜トランジスタのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを選択的に行う。この不純物元素のドーピングは、結晶化工程の前の非晶質半導体膜に行ってもよい。非晶質半導体膜の状態で不純物元素をドーピングすると、その後の結晶化のための加熱処理によって、不純物の活性化も行うことができる。また、ドーピングの際に生じる欠陥等も改善することができる。
半導体膜102を選択的に覆うマスク157を形成する。マスク157はメモリセルアレイ206を覆っている。マスク157を用いて半導体膜102を選択的エッチングして薄膜化し、駆動回路部204において半導体膜158を形成する。従ってメモリセルアレイ206における半導体膜159より膜厚の薄い駆動回路部204における半導体膜158が形成される(図7(B)参照。)。
半導体層の薄膜化は、一回のエッチング工程で行ってもよいし、複数のエッチング工程によって薄膜化することもできる。また半導体層を直接エッチングガス(又はエッチング溶液)でエッチングしてもよいし、半導体層表面を部分的に処理して改質し、改質領域のみを選択的に除去してもよい。
マスク157を除去し、次に半導体膜158及び半導体膜159を、マスクを用いて所望の形状に加工する。本実施の形態では半導体膜158及び半導体膜159上に形成された酸化膜を除去した後、新たに酸化膜を形成する。そして、フォトマスクを作製し、フォトリソグラフィ法を用いた加工処理により、半導体層103、半導体層104、半導体層105、及び半導体層106を形成する(図7(C)参照。)。
駆動回路部204に設けられる半導体層103、及び半導体層104の膜厚は、メモリセルアレイ206に設けられる半導体層105、及び半導体層106より薄く、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、メモリセルアレイ206に設けられる半導体層105及び半導体層106の膜厚は、駆動回路部204に設けられる半導体層103、及び半導体層104より厚く、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
半導体層を薄膜化することで、短チャネル効果を抑制しすることが可能となる。また、トランジスタのしきい値電圧を小さくすることが可能であり、低電圧駆動をすることができる。半導体層の端部には傾斜角(テーパー角)を設ける。その角度は45度乃至95度とすることが好ましい。この領域に半導体層103、104の中央部と特性が異なる寄生トランジスタが形成されることの影響を避けるため、その傾斜角は垂直に近い方が好ましい。
エッチング加工は、プラズマエッチング(ドライエッチング)又はウェットエッチングのどちらを採用しても良いが、大面積基板を処理するにはプラズマエッチングが適している。エッチングガスとしては、CF、NF、Cl、BCl、などのフッ素系又は塩素系のガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスクを形成する必要はない。
半導体層103、104、105、106の側面と接する絶縁層107a乃至107hを形成する(図7(D)参照。)。半導体層103、104、105、106の側面と接する絶縁層107a乃至107hを形成することで、半導体層103、104、105、106の端部におけるゲート絶縁層の被覆性を良好にすることができる。よって、半導体層103、104、105、106の端部におけるゲート絶縁層の被覆不良に起因した不良、例えば半導体層とゲート電極層の短絡、リーク電流の発生、静電破壊等を防止することができる。
絶縁層107a乃至107hは、半導体層103、104、105、106を形成した後に、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜を堆積し、異方性エッチングにより加工することで自己整合的に形成することができる。
また、絶縁層107a乃至107hは、半導体層103乃至106の端部を酸化処理することによって選択的に絶縁化し形成することもできる。酸化処理は、酸素を含む雰囲気下でのプラズマ処理によって行うことができる。また、水溶液を用いて表面を酸化処理(ウェット酸化ともいう)してもよい。プラズマ処理の前に半導体層側端部にフッ素や塩素などのハロゲンを導入してから、プラズマ処理を行ってもよい。ハロゲン添加を行うと、酸化速度が速いため酸化が優先的に進み、半導体層側端部において膜厚の厚い絶縁層を形成することができる。
ゲート絶縁層により半導体層103、104、105、106の端部を十分に被覆する、好ましくは半導体層103、104、105、106の側面と接する領域の膜厚を厚くすることで、半導体層103、104、105、106の端部に掛かる電界を緩和することができ、リーク電流の発生等を防止することができる。
また、ゲート絶縁層108、109と比較して、絶縁層107a乃至107hの誘電率を小さくすることが好ましい。ゲート絶縁層108、109と比較して、絶縁層107a乃至107hの誘電率を小さくすることで、半導体層の端部、特にコーナー部(角部)に電界が集中することを緩和できる。例えば、絶縁層107a乃至107hを比誘電率が2.5以下の低誘電率材料で形成しても良い。低誘電率材料としては、CVD法で作製される多孔質酸化シリコン、炭素若しくはフッ素含有酸化シリコンなどを用いることができる。絶縁層107a乃至107hを低誘電率材料で形成することで、膜厚を厚くした場合と同様な効果を得ることができる。ゲート絶縁層に局所的に過度な電界が掛かることを防止でき、ゲート絶縁層の絶縁不良を防止することができる。よって薄膜トランジスタを歩留まり良く製造することができ、完成する半導体装置の信頼性を向上させることができる。
半導体層105上に絶縁層110を形成する。絶縁層110は酸化シリコン若しくは酸化シリコンと窒化シリコンの積層構造で形成すればよい。絶縁層110は、プラズマCVD法や減圧CVD法により絶縁層を堆積することで形成しても良いが、好ましくはプラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化で形成すると良い。半導体層(代表的にはシリコン層)を、プラズマ処理により酸化又は窒化することにより形成した絶縁層は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れているためである。絶縁層110は、電荷蓄積層521に電荷を注入するためのトンネル絶縁層として用いるので、このように丈夫であるものが好ましい。この第1の絶縁層520は1nm〜20nm、好ましくは3nm〜6nmの厚さに形成することが好ましい。
プラズマ処理により形成される好適な絶縁層110の一例は、酸化雰囲気下のプラズマ処理により半導体層上に3nm〜6nmの厚さで酸化珪素層を形成し、その後窒素雰囲気下でその酸化珪素層の表面を窒化プラズマで処理した窒素プラズマ処理層を形成する。具体的には、まず、酸素雰囲気下でのプラズマ処理により半導体層上に3nm〜6nmの厚さで酸化珪素層を形成する。その後、続けて窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより酸化珪素層の表面又は表面近傍に窒素濃度の高い窒素プラズマ処理層を設ける。なお、表面近傍とは、酸化珪素層の表面から概略0.5nm〜1.5nmの深さをいう。例えば、窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって、酸化珪素層の表面からほぼ1nmの深さに窒素を20〜50原子%の割合で含有した構造となる。
半導体層の代表例としての珪素層の表面をプラズマ処理で酸化することで、界面に歪みのない緻密な酸化層を形成することができる。また、当該酸化層をプラズマ処理で窒化することで、表層部の酸素を窒素に置換して窒化層を形成すると、さらに緻密化することができる。それにより絶縁耐圧が高い絶縁層を形成することができる。
いずれにしても、上記のようなプラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理を用いることで、耐熱温度が700℃以下のガラス基板を用いても、950℃〜1050℃で形成される熱酸化膜と同等な絶縁層を得ることができる。すなわち、不揮発性メモリ素子のトンネル絶縁層として信頼性の高いトンネル絶縁層を形成することができる。
電荷蓄積層111を絶縁層110上に形成する。この電荷蓄積層111は、単層でもよいし、複数の層を積層して設けてもよい。
電荷蓄積層111としては、半導体材料または導電性材料の層または粒子で形成し浮遊ゲートとすることができる。半導体材料としては、シリコン、シリコンゲルマニウム等がある。シリコンを用いる場合、アモルファスシリコンやポリシリコンを用いることができる。さらには、リンがドープされたポリシリコンを用いることができる。導電性材料としては、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)から選ばれた元素、前記元素を主成分とする合金、前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金膜、Mo−Ta合金膜)、あるいは導電性を付与した珪素膜で形成すれば良い。このような材料から成る導電層の下には窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)膜、窒化モリブデン(MoN)などの窒化物、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、モリブデンシリサイドなどのシリサイドを形成しておいても良い。更には、上記半導体材料同士、導電性材料同士、または半導体材料及び導電性材料の積層構造としてもよい。例えば、シリコン層及びゲルマニウム層の積層構造としてもよい。
また、電荷蓄積層111として、絶縁性であり、電荷を保持するトラップを有する層で形成することもできる。このような材料の代表例として、代表的にはシリコン化合物、ゲルマニウム化合物がある。シリコン化合物としては、窒化珪素、酸窒化珪素、水素が添加された酸窒化珪素等がある。ゲルマニウム化合物としては、窒化ゲルマニウム、酸素が添加された窒化ゲルマニウム、窒素が添加された酸化ゲルマニウム、酸素及び水素が添加された窒化ゲルマニウム、窒素及び水素が添加された酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等がある。
半導体層上の酸化膜を除去し、半導体層103、半導体層104、及び絶縁層107a乃至107dを覆うゲート絶縁層108、半導体層105、半導体層106、絶縁層107e乃至107h、絶縁層110、電荷蓄積層111を覆うゲート絶縁層109を形成する。ゲート絶縁層108及びゲート絶縁層109はプラズマCVD法またはスパッタ法などを用いて、絶縁膜を形成し、駆動回路部204のみを選択的にエッチングして薄膜化して膜厚の異なるゲート絶縁層108、及びゲート絶縁層109を形成する。ゲート絶縁層108の薄膜化は、駆動回路部204においてトランジスタを低電圧で高速に動作させる効果がある。またメモリセルアレイ206においてはゲート絶縁層109の膜厚が厚いと、薄膜トランジスタ及びメモリ素子の高電圧に対する耐性が高くすることができ、信頼性を高めることができる。
なお、半導体層105の上方に形成されたゲート絶縁層109は、後に完成するメモリ素子においてコントロール絶縁層として機能するが、半導体層106上に形成される薄膜トランジスタにおいてはゲート絶縁層として機能するために本明細書では、ゲート絶縁層109とよぶこととする。
本発明の半導体装置において、駆動回路部204に設けられる薄膜トランジスタのゲート絶縁層108の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、メモリセルアレイ206に設けられる薄膜トランジスタのゲート絶縁層109の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
ゲート絶縁層108及び109は酸化珪素、若しくは酸化珪素と窒化珪素の積層構造で形成すればよい。ゲート絶縁層108及び109は、プラズマCVD法や減圧CVD法により絶縁膜を堆積することで形成しても良いし、プラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化で形成すると良い。半導体層を、プラズマ処理により酸化又は窒化することにより形成するゲート絶縁層は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れているためである。
また、ゲート絶縁層108、109として、高誘電率材料を用いても良い。ゲート絶縁層108、109に高誘電率材料を用いることにより、ゲートリーク電流を低減することができる。高誘電率材料としては、二酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、二酸化チタン、五酸化タンタルなどを用いることができる。また、プラズマ処理による固相酸化により酸化シリコン層を形成しても良い。
また、薄い酸化珪素膜の形成方法としては、GRTA法、LRTA法等を用いて半導体領域表面を酸化し、熱酸化膜を形成することで、膜厚の薄い酸化珪素膜を形成することもできる。なお、低い成膜温度でゲートリーク電流の少ない緻密な絶縁膜を形成するには、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませ、形成される絶縁膜中に混入させると良い。
次いで、ゲート絶縁層108、109上にゲート電極層として用いる膜厚20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜とを積層して形成する。第1の導電膜及び第2の導電膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の手法により形成することができる。第1の導電膜及び第2の導電膜はタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジウム(Nd)から選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、第1の導電膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、AgPdCu合金を用いてもよい。また、2層構造に限定されず、例えば、第1の導電膜として膜厚50nmのタングステン膜、第2の導電膜として膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、第3の導電膜として膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。また、単層構造であってもよい。本実施の形態では、第1の導電膜として窒化タンタル(TaN)を膜厚30nm形成し、第2の導電膜としてタングステン(W)を膜厚370nm形成する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、第1の導電膜及び第2の導電膜を所望の形状に加工し、第1のゲート電極層112、第1のゲート電極層113、第1のゲート電極層114、第2のゲート電極層116、第2のゲート電極層117、第2のゲート電極層118、第1の制御ゲート電極層115、及び第2の制御ゲート電極層119を形成する(図8(B)参照。)。ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層を所望のテーパー形状を有するようにエッチングすることができる。また、テーパー形状は、マスクの形状によっても角度等を制御することができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はOを適宜用いることができる。
本実施の形態では第1のゲート電極層、第2のゲート電極層(第1の制御ゲート電極層、第2の制御ゲート電極層)を垂直な側面を有して形成する例を示すが、本発明はそれに限定されず、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層(第1の制御ゲート電極層、第2の制御ゲート電極層)両方がテーパー形状を有していてもよいし、どちらか一方のゲート電極層(第1の制御ゲート電極層、第2の制御ゲート電極層)の一層のみがテーパー形状を有し、他方は異方性エッチングによって垂直な側面を有していてもよい。テーパー角度も積層するゲート電極層間で異なっていても良いし、同一でもよい。テーパー形状を有することによって、その上に積層する膜の被覆性が向上し、欠陥が軽減されるので信頼性が向上する。
ゲート電極層(及び制御ゲート電極層)を形成する際のエッチング工程によって、ゲート絶縁層108、109は多少エッチングされ、膜厚が減る(いわゆる膜減り)ことがある。
本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタは、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタよりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタのチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタのチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
次に、半導体層104、半導体層105、半導体層106を覆うマスク121を形成する。マスク121、第1のゲート電極層112、第2のゲート電極層113をマスクとしてp型を付与する不純物元素120を添加し、p型不純物領域122a、p型不純物領域122bを形成する。本実施の形態では、不純物元素としてボロン(B)を用いるため、不純物元素を含むドーピングガスとしてジボラン(B)(ドーピングガスはBを水素(H)で希釈しており、ガス中のBの比率は15%)を用い、ガス流量70sccm、ビーム電流180μA/cm、加速電圧80kV、添加するドーズ量2.0×1015ions/cmでドーピングを行う。ここでは、p型不純物領域122a、p型不純物領域122bにp型を付与する不純物元素が1×1020〜5×1021/cm程度の濃度で含まれるように添加する。また、半導体層103にチャネル形成領域123が形成される(図8(C)参照。)。
p型不純物領域122a、p型不純物領域122bは高濃度p型不純物領域であり、ソース、ドレインとして機能する。
次に半導体層103を覆うマスク125を形成する。マスク153a、マスク125、第1のゲート電極層113、第1のゲート電極層114a、第2のゲート電極層117、第2のゲート電極層118、第1の制御ゲート電極層115、及び第2の制御ゲート電極層119をマスクとしてn型を付与する不純物元素152を添加し、n型不純物領域126a、n型不純物領域126b、n型不純物領域127a、n型不純物領域127b、n型不純物領域128a、n型不純物領域128bを形成する。本実施の形態では、不純物元素としてリン(P)を用いる。ここでは、n型不純物領域126a、n型不純物領域126b、n型不純物領域127a、n型不純物領域127b、n型不純物領域128a、n型不純物領域128bにn型を付与する不純物元素が5×1019〜5×1020/cm程度の濃度で含まれるように添加する。また、半導体層104にチャネル形成領域129、半導体層105にチャネル形成領域130、及び半導体層106にチャネル形成領域131bが形成される(図9(A)参照。)。
n型不純物領域126a、n型不純物領域126b、n型不純物領域127a、n型不純物領域127b、n型不純物領域128a、n型不純物領域128bは高濃度n型不純物領域であり、ソース、ドレインとして機能する。
マスク125をOアッシングやレジスト剥離液により除去し、酸化膜も除去する。その後、ゲート電極層の側面を覆うように、絶縁膜、いわゆるサイドウォールを形成してもよい。サイドウォールは、プラズマCVD法や減圧CVD(LPCVD)法を用いて、珪素を有する絶縁膜により形成することができる。
不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、又はレーザ光の照射を行ってもよい。活性化と同時にゲート絶縁層へのプラズマダメージやゲート絶縁層と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。
次いで、ゲート電極層、制御ゲート電極層、ゲート絶縁層を覆う層間絶縁層を形成する。本実施の形態では、絶縁膜167と絶縁層168との積層構造とする(図9(B)参照。)。絶縁膜167と絶縁層168は、スパッタ法、またはプラズマCVDを用いた窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜でもよく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または3層以上の積層構造として用いても良い。
さらに、窒素雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。好ましくは、400〜500℃で行う。この工程は層間絶縁層である絶縁膜167に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。本実施の形態では、410度(℃)で1時間加熱処理を行う。
絶縁膜167、絶縁層168としては他に窒化アルミニウム(AlN)、酸化窒化アルミニウム(AlON)、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム(AlNO)または酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜(CN)その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。また、有機絶縁性材料を用いてもよく、有機材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、ポリシラザンを用いることができる。平坦性のよい塗布法によってされる塗布膜を用いてもよい。
絶縁膜167、絶縁層168は、ディップ、スプレー塗布、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、CVD法、蒸着法等を採用することができる。液滴吐出法により絶縁膜167、絶縁層168を形成してもよい。液滴吐出法を用いた場合には材料液を節約することができる。また、液滴吐出法のようにパターンが転写、または描写できる方法、例えば印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)なども用いることができる。
次いで、レジストからなるマスクを用いて絶縁膜167、絶縁層168、ゲート絶縁層108、109、絶縁層110に半導体層及びゲート電極層に達するコンタクトホール(開口部)を形成する。エッチングは、用いる材料の選択比によって、一回で行っても複数回行っても良い。エッチングによって、絶縁層168、絶縁膜167、ゲート絶縁層108、109、絶縁層110を除去し、ソース領域又はドレイン領域であるp型不純物領域122a、p型不純物領域122b、n型不純物領域126a、n型不純物領域126b、n型不純物領域127a、n型不純物領域127b、n型不純物領域128a、n型不純物領域128bに達する開口部を形成する。エッチングは、ウェットエッチングでもドライエッチングでもよく、両方用いてもよい。ウェットエッチングのエッチャントは、フッ素水素アンモニウム及びフッ化アンモニウムを含む混合溶液のようなフッ酸系の溶液を用いるとよい。エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はOを適宜用いることができる。また用いるエッチング用ガスに不活性気体を添加してもよい。添加する不活性元素としては、He、Ne、Ar、Kr、Xeから選ばれた一種または複数種の元素を用いることができる。
開口部を覆うように導電膜を形成し、導電膜をエッチングして各ソース領域又はドレイン領域の一部とそれぞれ電気的に接続するソース電極層又はドレイン電極層である配線層169a、配線層169b、配線層170a、配線層170b、配線層171a、配線層171b、配線層172a、配線層172bを形成する。配線層は、PVD法、CVD法、蒸着法等により導電膜を成膜した後、所望の形状にエッチングして形成することができる。また、液滴吐出法、印刷法、電界メッキ法等により、所定の場所に選択的に導電層を形成することができる。更にはリフロー法、ダマシン法を用いても良い。ソース電極層又はドレイン電極層の材料は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba等の金属、及びSi、Ge、又はその合金、若しくはその窒化物を用いて形成する。また、これらの積層構造としても良い。本実施の形態では、チタン(Ti)を膜厚60nm形成し、窒化チタン膜を膜厚40nm形成し、アルミニウムを膜厚700nm形成し、チタン(Ti)を膜厚200nm形成して積層構造とし、所望な形状に加工する。
以上の工程で駆動回路部204にp型不純物領域を有するpチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ173、nチャネル型不純物領域を有するnチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ174を、メモリセルアレイ206にn型不純物領域を有するメモリ素子175、n型不純物領域を有するnチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ176を有する半導体装置を作製することができる(図9(C)参照。)。
本実施の形態の半導体装置において、駆動回路部204及びメモリセルアレイ206にそれぞれ薄膜トランジスタ173、174、メモリ素子175、薄膜トランジスタ176を有しており、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタ173、174の半導体層の膜厚は、メモリセルアレイに設けられたメモリ素子175、薄膜トランジスタ176の半導体層の膜厚より薄いことを特徴とする。また、本実施の形態のようにゲート絶縁層においても、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタ173、174は、メモリセルアレイに設けられたメモリ素子175、薄膜トランジスタ176より膜厚が薄くてもよい。
本実施の形態の半導体装置において、駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ173、174の半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、メモリセルアレイに設けられるメモリ素子175、薄膜トランジスタ176の半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ173、174のゲート絶縁層の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、メモリセルアレイに設けられるメモリ素子175、薄膜トランジスタ176のゲート絶縁層の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
チャネル形成領域の膜厚が厚いとチャネル長が短い場合には、ソース−ドレイン間の電界の影響により、ゲート電圧がしきい値電圧以下のサブスレッショルド領域でチャネル形成領域中の下側を電流が流れる。そのため、サブスレッショルド値が上昇し、しきい値電圧が低下する。チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル形成領域中の下側の電流が流れる経路が遮断されるために、漏れ電流が抑えられる。そのため、サブスレッショルド値の上昇が抑えられ、しきい値電圧の低下も抑えられる。そのため、チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル長の短い領域でのしきい値電圧のマイナスシフトが抑えられ、かつ、サブスレッショルド値が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。サブスレッショルド値が小さくなっているため、ゲート電圧0Vでのソース−ドレイン間に流れる電流を抑えつつ、しきい値電圧を下げることができる。
駆動回路部における半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用し、短チャネル効果を抑制することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧を小さくすることができる。それにより、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタにおいて、微細化と高性能化を実現することができる。よって、半導体装置の低電圧駆動が可能となり低消費電力化を実現することができる。また、薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため、駆動回路部及び制御回路部の面積の縮小が可能となり、半導体装置をより小型化することができる。
また、本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ173、174は、メモリセルアレイに設けられるメモリ素子175、薄膜トランジスタ176よりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ173、174のチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタ2141のチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
一方、メモリセルアレイに設けられたメモリ素子175、薄膜トランジスタ176は、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部と比べ厚く保つことによって、駆動電圧に対する耐圧性が高くすることができる、高信頼性とすることができる。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、低消費電力で、かつ高信頼性を付与することを目的とする半導体装置としてメモリを有する半導体装置の一例に関して図面を用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態4で作製した半導体装置において、薄膜トランジスタ及びメモリ素子のソース領域及びドレイン領域にシリサイドを設ける例を示す。よって、同一部分又は同様な機能を有する部分の繰り返しの説明は省略する。
図10(A)は、作製工程にある半導体装置であり、実施の形態4で示した図8(C)の半導体装置の作製工程の次工程である。図10及び図11において、同一基板上に特性の異なる薄膜トランジスタを選択的に作製する。
半導体層103を覆うマスク751を形成する。マスク751、第1のゲート電極層113、114、第2のゲート電極層117、118、第1の制御ゲート電極層115、及び第2の制御ゲート電極層119をマスクとして、n型を付与する不純物元素750を添加し、第1のn型不純物領域752a、第1のn型不純物領域752b、第1のn型不純物領域753a、第1のn型不純物領域753b、第1のn型不純物領域754a、第1のn型不純物領域754bを形成する(図10(A)参照。)。ここでは、第1のn型不純物領域752a、第1のn型不純物領域752b、第1のn型不純物領域753a、第1のn型不純物領域753b、第1のn型不純物領域754a、第1のn型不純物領域754bに、n型を付与する不純物元素が1×1017〜5×1018/cm程度の濃度で含まれるように添加する。本実施の形態では、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用いる。
第1のゲート電極層112、113、114、第2のゲート電極層116、117、118、第1の制御ゲート電極層115、及び第2の制御ゲート電極層119をマスクとして、ゲート絶縁層108、109、絶縁層110を選択的に除去し、ゲート絶縁層762、763、765、第1の絶縁層764、第2の絶縁層761を形成する。
第1のゲート電極層112、113、114、第2のゲート電極層116、117、118、第1の制御ゲート電極層115、第2の制御ゲート電極層119、ゲート絶縁層762、763、765、第1の絶縁層764、及び第2の絶縁層761の側面にサイドウォール構造の絶縁層708a乃至708hを形成する(図10(B)参照。)。絶縁層708a乃至708hは、ゲート電極層、半導体層を覆う絶縁層を形成した後、これをRIE(Reactive ion etching:反応性イオンエッチング)法による異方性のエッチングによって加工し自己整合的にサイドウォール構造の絶縁層708a乃至708hを形成すればよい。ここで、絶縁層について特に限定はなく、TEOS(Tetra−Ethyl−Orso−Silicate)若しくはシラン等と、酸素若しくは亜酸化窒素等とを反応させて形成した段差被覆性のよい酸化珪素であることが好ましい。絶縁層は熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD、スパッタリング等の方法によって形成することができる。
半導体層103を覆うマスク710を形成する。マスク710、第2のゲート電極層117、第2のゲート電極層118、第2の制御ゲート電極層119、及び絶縁層708a乃至708hをマスクとして、n型を付与する不純物元素709を添加し、第2のn型不純物領域711a、711b、712a、712b、717a、717b、第3のn型不純物領域713a、713b、714a、714b、718a、718bが形成される。本実施の形態では一導電型を付与する不純物元素709としてn型を付与する不純物元素であるリン(P)を用いる。第2のn型不純物領域711a、711b、712a、712b、717a、717bにn型を付与する不純物元素が5×1019〜5×1020/cm程度の濃度で含まれるように添加する。また、半導体層104にチャネル形成領域715、半導体層105にチャネル形成領域716、半導体層106にチャネル形成領域719が形成される(図10(C)参照。)。
第2のn型不純物領域711a、711b、712a、712b、717a、717bは高濃度不純物領域であり、ソース、ドレインとして機能する。一方、第3のn型不純物領域713a、713b、714a、714b、718a、718bは低濃度不純物領域であり、LDD(LightlyDoped Drain)領域となる。この結果、さらに信頼性の高く、低消費電力の半導体装置を作製することが可能である。
半導体層103、104、105、106、絶縁層708a乃至708h、第2のゲート電極層116、117、118、第2の制御ゲート電極層119上に導電膜766を形成する(図10(D)参照。)。導電膜766の材料としては、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、Ha(ハフニウム)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ネオジム(Nb)、クロム(Cr)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等を有する膜を成膜する。ここでは、スパッタリング法により、ニッケル膜を成膜する。
次に、加熱処理、GRTA法、LRTA法等により、露出されたソース領域及びドレイン領域の半導体層中の珪素と導電膜766とを反応させて、シリサイド767a、767b、768a、768b、769a、769b、770a、770bを形成する。また、レーザ照射やランプによる光照射によってシリサイドを形成しても良い。この後、半導体層と反応しなかった導電膜359を除去する(図11(A)参照。)。
次いで、パッシベーション膜として水素を含む絶縁膜772を形成する。この絶縁膜772としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成すればよく、実施の形態1で示す絶縁膜311と同様な材料及び工程で形成することができる。
さらに、窒素雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。好ましくは、400〜500℃で行う。この工程は絶縁膜772に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。
次いで、層間絶縁膜となる絶縁層773を形成する(図11(B)参照。)。本発明において、平坦化のために設ける層間絶縁膜としては、耐熱性および絶縁性が高く、且つ、平坦化率の高いものが好ましい。絶縁層773は、実施の形態1で示す絶縁層319と同様な材料及び工程で形成することができる。
レジストからなるマスクを用いて絶縁膜772、絶縁層773に半導体層103、104、105、106に達するコンタクトホール(開口部)を形成する。エッチングは、用いる材料の選択比によって、一回で行っても複数回行っても良い。エッチングによってソース領域又はドレイン領域であるシリサイド767a、767b、768a、768b、769a、769b、770a、770bに達する開口部を形成する。
導電膜を形成し、導電膜をエッチングしてシリサイド767a、767b、768a、768b、769a、769b、770a、770bとそれぞれ電気的に接続するソース電極層又はドレイン電極層である配線層774a、774b、775a、775b、776a、776b、777a、777bを形成する。配線層774a、774b、775a、775b、776a、776b、777a、777bは、PVD法、CVD法、蒸着法等により導電膜を成膜した後、所望の形状にエッチングして形成することができる。また、液滴吐出法、印刷法、電界メッキ法等により、所定の場所に選択的に導電層を形成することができる。更にはリフロー法、ダマシン法を用いても良い。配線層774a、774b、775a、775b、776a、776b、777a、777bの材料は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba等の金属、Si、Ge、又はその合金、若しくはその金属窒化物を用いて形成する。また、Ti/Al/Tiのようなこれらの積層構造としても良い。
シリサイド767a、767b、768a、768b、769a、769b、770a、770bはソース領域及びドレイン領域である不純物領域表面に形成される例を示すが、不純物領域全域、またはより広領域にわたってシリサイドが形成されてもよい。シリサイドは導電膜の膜厚や、加熱条件(温度、時間)によって制御することができる。
以上の工程で駆動回路部204にp型不純物領域を有するpチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ778、nチャネル型不純物領域を有するnチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ779を、メモリセルアレイ206にn型不純物領域を有するメモリ素子780、n型不純物領域を有するnチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ781を有する半導体装置を作製することができる(図11(C)参照。)。さらに、薄膜トランジスタ778、779、781、メモリ素子780はシリサイド構造であるため、ソース領域及びドレイン領域の低抵抗化が可能であり、半導体装置の高速化が可能である。また、低電圧での動作が可能であるため、消費電力を低減することが可能である。
本実施の形態の半導体装置において、駆動回路部204及びメモリセルアレイ206にそれぞれ薄膜トランジスタ778、779、メモリ素子780、薄膜トランジスタ781を有しており、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタ778、779の半導体層の膜厚は、メモリセルアレイに設けられたメモリ素子780、薄膜トランジスタ781の半導体層の膜厚より薄いことを特徴とする。また、本実施の形態のようにゲート絶縁層においても、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタ778、779は、メモリセルアレイに設けられたメモリ素子780、薄膜トランジスタ781より膜厚が薄くてもよい。
本実施の形態の半導体装置において、駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ778、779の半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、メモリセルアレイに設けられるメモリ素子780、薄膜トランジスタ781の半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ778、779のゲート絶縁層の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、メモリセルアレイに設けられるメモリ素子780、薄膜トランジスタ781のゲート絶縁層の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
チャネル形成領域の膜厚が厚いとチャネル長が短い場合には、ソース−ドレイン間の電界の影響により、ゲート電圧がしきい値電圧以下のサブスレッショルド領域でチャネル形成領域中の下側を電流が流れる。そのため、サブスレッショルド値が上昇し、しきい値電圧が低下する。チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル形成領域中の下側の電流が流れる経路が遮断されるために、漏れ電流が抑えられる。そのため、サブスレッショルド値の上昇が抑えられ、しきい値電圧の低下も抑えられる。そのため、チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル長の短い領域でのしきい値電圧のマイナスシフトが抑えられ、かつ、サブスレッショルド値が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。サブスレッショルド値が小さくなっているため、ゲート電圧0Vでのソース−ドレイン間に流れる電流を抑えつつ、しきい値電圧を下げることができる。
駆動回路部における半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用し、短チャネル効果を抑制することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧を小さくすることができる。それにより、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタにおいて、微細化と高性能化を実現することができる。よって、半導体装置の低電圧駆動が可能となり低消費電力化を実現することができる。また、薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため、駆動回路部及び制御回路部の面積の縮小が可能となり、半導体装置をより小型化することができる。
また、本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ778、779は、メモリセルアレイに設けられるメモリ素子780、薄膜トランジスタ781よりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ778、779のチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタ2141のチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
一方、メモリセルアレイに設けられたメモリ素子780、薄膜トランジスタ781は、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部と比べ厚く保つことによって、駆動電圧に対する耐圧性が高くすることができる、高信頼性とすることができる。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、低消費電力で、かつ高信頼性を付与することを目的とする半導体装置として不揮発性半導体記憶装置の一例に関して図面を用いて説明する。
不揮発性記憶素子は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)と類似の構造を有し、電荷を長期間蓄積することのできる領域がチャネル形成領域上に設けられているところに特徴がある。この電荷蓄積領域は絶縁層上に形成され、周囲と絶縁分離されていることから浮遊ゲート電極層とも呼ぶ。また浮遊ゲート電極層は電荷を蓄積する機能を有するので電荷蓄積層ともよぶ。本明細書では主に浮遊ゲート電極層を含むこの電荷蓄積領域を電荷蓄積層とよぶ。浮遊ゲート電極層上には、さらに絶縁層を介して制御ゲート電極層を備えている。
このような構造を有する所謂浮遊ゲート型の不揮発性半導体記憶装置(単に半導体装置ともいう)は、制御ゲート電極層に印加する電圧により、電荷蓄積層に電荷を蓄積させ、また放出させる動作が行われる。すなわち電荷蓄積層に保持させる電荷の出し入れにより、データを記憶する仕組みになっている。具体的に、電荷蓄積層への電荷の注入や引き抜きは、チャネル形成領域が形成される半導体層と、制御ゲート電極層の間に高電圧を印加して行われている。このときチャネル形成領域上の絶縁層には、ファウラー−ノルドハイム(Fowler−Nordheim)型(F−N型)トンネル電流(NAND型)や、熱電子(NOR型)が流れると言われている。このことより当該絶縁層は、トンネル絶縁層とも呼ばれている。
半導体層、電荷蓄積層、制御ゲート電極層の大きさの組み合わせによって、電荷蓄積層及び制御ゲート電極層の間第2の絶縁層に蓄えられる容量と、電荷蓄積層及び半導体層の間第1の絶縁層に蓄えられる容量を制御することができるため、印加する電圧値も制御することができる。
電荷蓄積層に電子を注入するには、熱電子を利用する方法と、F−N型トンネル電流を利用する方法がある。熱電子を利用する場合には、正の電圧を制御ゲート電極層に印加して、ドレインに高電圧を印加して熱電子を発生させる。それにより、熱電子を電荷蓄積層に注入することができる。F−N型トンネル電流を利用する場合には、正の電圧を制御ゲート電極層に印加して半導体層からF−N型トンネル電流により電荷蓄積層に注入する。
本発明を用いた半導体装置の一例として、不揮発性メモリ素子を有する様々な態様の不揮発性半導体記憶装置を得ることができる。図12に不揮発性メモリセルアレイの等価回路の一例を示す。1ビットの情報を記憶するメモリセルMS01は、選択トランジスタS01と不揮発性メモリ素子M01で構成されている。選択トランジスタS01は、ビット線BL0と不揮発性メモリ素子M01の間に直列に挿入され、ゲートがワード線W1に接続されている。不揮発性メモリ素子M01のゲートはワード線W11に接続されている。不揮発性メモリ素子M01にデータの書き込むときは、ワード線W1とビット線BL0をHレベル、BL1をLレベルとして、ワード線W11に高電圧を印加すると、前述のように電荷蓄積層に電荷が蓄積される。データを消去する場合には、ワード線W1とビット線BL0をHレベルとし、ワード線W11に負の高電圧を印加すれば良い。
このメモリセルMS01において、選択トランジスタS01と不揮発性メモリ素子M01をそれぞれ、半導体層30、32で形成することにより、他の選択トランジスタ若しくは不揮発性メモリ素子との干渉を防ぐことができる。また、メモリセルMS01内の選択トランジスタS01と不揮発性メモリ素子M01は共にnチャネル型なので、この両者を一つの半導体層で形成することにより、この二つの素子を接続する配線を省略することができる。
図13は、ビット線に不揮発性メモリ素子を直接接続したNOR型の等価回路を示している。このメモリセルアレイは、ワード線Wとビット線BLが互いに交差して配設し、各交差部に不揮発性メモリ素子を配置している。NOR型は、個々の不揮発性メモリ素子のドレインをビット線BLに接続する。ソース線SLには不揮発性メモリ素子のソースが共通接続される。
また、複数の不揮発性メモリ素子(例えば、図13に示すM01〜M23)を一つのブロックとして扱い、これらの不揮発性メモリ素子を半導体層で形成することにより、ブロック単位で消去動作を行うことができる。
NOR型の動作は、例えば、次の通りである。データ書き込みは、ソース線SLを0Vとし、データを書込むために選択されたワード線WLに高電圧を与え、ビット線BLにはデータ”0”と”1”に応じた電位を与える。例えば、”0”と”1”に対してそれぞれHレベル、Lレベルの電位をビット線BLに付与する。”0”データを書き込むべく、Hレベルが与えられた不揮発性メモリ素子ではドレイン近傍でホットエレクトロンが発生し、これが電荷蓄積層に注入される。”1”データの場合この様な電子注入は生じない。
”0”データが与えられたメモリセルでは、ドレインとソースとの間の強い横方向電界により、ドレインの近傍でホットエレクトロンが生成され、これが電荷蓄積層に注入される。これにより、電荷蓄積層に電子が注入されてしきい値電圧が高くなった状態が”0”である。”1”データの場合はホットエレクトロンが生成されず、電荷蓄積層に電子が注入されずしきい値電圧の低い状態、すなわち消去状態が保持される。
データを消去するときは、ソース線SLに10V程度の正の電圧を印加し、ビット線BLは浮遊状態としておく。そしてワード線に負の高電圧を印加して(制御ゲートに負の高電圧を印加して)、電荷蓄積層から電子を引き抜く。これにより、データ”1”の消去状態になる。
データ読み出しは、ソース線SLを0Vにすると共にビット線BLを0.8V程度とし、選択されたワード線Wに、データ”0”と”1”のしきい値の中間値に設定された読み出し電圧を与え、不揮発性メモリ素子の電流引き込みの有無を、ビット線BLに接続されるセンスアンプで判定することにより行う。
図14は、NAND型メモリセルアレイの等価回路を示す。ビット線BLには、複数の不揮発性メモリ素子を直列に接続したNANDセルNS1が接続されている。複数のNANDセルが集まってブロックBLKを構成している。図14で示すブロックBLK1のワード線は32本である(ワード線W0〜W31)。ブロックBLK1の同一行に位置する不揮発性メモリ素子には、この行に対応するワード線が共通接続されている。
この場合、選択トランジスタS1、S2と不揮発性メモリ素子M0〜M31が直列に接続されているので、これらを一つのまとまりとして一つの半導体層34で形成しても良い。それにより不揮発性メモリ素子を繋ぐ配線を省略することが出来るので、集積化を図ることができる。また、隣接するNANDセルとの分離を容易に行うことができる。また、選択トランジスタS1、S2の半導体層36とNANDセルの半導体層38を分離して形成しても良い。不揮発性メモリ素子M0〜M31の電荷蓄積層から電荷を引き抜く消去動作を行うときに、そのNANDセルの単位で消去動作を行うことができる。また、一つのワード線に共通接続する不揮発性メモリ素子(例えばM30の行)を一つの半導体層40で形成しても良い。
書込み動作では、NANDセルNS1が消去状態、つまりNANDセルNS1の各不揮発性メモリ素子のしきい値が負電圧の状態にしてから実行される。書込みは、ソース線SL側のメモリ素子M0から順に行う。メモリ素子M0への書込みを例として説明すると概略以下のようになる。
図23(A)は、”0”書込みをする場合、選択ゲート線SG2に例えばVcc(電源電圧)を印加して選択トランジスタS2をオンにすると共にビット線BL0を0V(接地電圧)にする。選択ゲート線SG1は0Vとして、選択トランジスタS1はオフとする。次に、メモリセルMC0のワード線W0を高電圧Vpgm(20V程度)とし、これ以外のワード線を中間電圧Vpass(10V程度)にする。ビット線BLの電圧は0Vなので、選択されたメモリセルM0のチャネル形成領域の電位は0Vとなる。ワード線W0とチャネル形成領域との間の電位差が大きいため、メモリセルM0の電荷蓄積層には前述のようにF−Nトンネル電流により電子が注入される。これにより、メモリセルM0のしきい値電圧が正の状態(”0”が書込まれた状態)となる。
一方”1”書込みをする場合は、図23(B)に示すように、ビット線BLを例えばVcc(電源電圧)にする。選択ゲート線SG2の電圧がVccであるため、選択トランジスタS2のしきい値電圧Vthに対して、VccマイナスVth(Vcc−Vth)になると、選択トランジスタS2がカットオフする。従って、メモリセルM0のチャネル形成領域はフローティング状態となる。次に、ワード線W0に高電圧Vpgm(20V)、それ以外のワード線に中間電圧Vpass(10V)の電圧を印加すると、各ワード線とチャネル形成領域との容量カップリングにより、チャネル形成領域の電圧がVcc−Vthから上昇し例えば8V程度となる。チャネル形成領域の電圧が高電圧に昇圧されるため、”0”の書込みの場合と異なり、ワード線W0とチャネル形成領域の間の電位差が小さい。したがって、メモリセルM0の電荷蓄積層には、F−Nトンネル電流による電子注入が起こらない。よって、メモリセルMC1のしきい値は、負の状態(”1”が書込まれた状態)に保たれる。
消去動作をする場合は、図24(A)に示すように、選択されたブロック内の全てのワード線に負の高電圧(Vers)を印加する。ビット線BL、ソース線SLをフローティング状態とする。これにより、ブロックの全てのメモリセルにおいて電荷蓄積層中の電子がトンネル電流により半導体層に放出される。この結果、これらのメモリセルのしきい値電圧が負方向にシフトする。
図24(B)に示す読み出し動作では、読出しの選択がされたメモリセルM0のワード線W0の電圧Vr(例えば0V)とし、非選択のメモリセルのワード線WL1〜31及び選択ゲート線SG1、SG2を電源電圧より少し高い読出し用中間電圧Vreadとする。すなわち、図13に示すように、選択メモリ素子以外のメモリ素子はトランスファートランジスタとして働く。これにより、読出しの選択がされたメモリセルM0に電流が流れるか否かを検出する。つまり、メモリセルMC0に記憶されたデータが”0”の場合、メモリセルM0はオフなので、ビット線BLは放電しない。一方、”1”の場合、メモリセルM0はオンするので、ビット線BLが放電する。
図17は、不揮発性半導体記憶装置の回路ブロック図の一例を示している。不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルアレイ52と周辺回路54が同一の基板上に形成されている。メモリセルアレイ52は、図12、図13、図14で示すような構成を有している。周辺回路54の構成は以下の通りである。
ワード線選択のためにロウデコーダ62と、ビット線選択のためにカラムデコーダ64が、メモリセルアレイ52の周囲に設けられている。アドレスは、アドレスバッファ56を介してコントロール回路58に送られ、内部ロウアドレス信号及び内部カラムアドレス信号がそれぞれロウデコーダ62及びカラムデコーダ64に転送される。
データ書き込み及び消去には、電源電位を昇圧した電位が用いられる。このため、コントロール回路58により動作モードに応じて制御される昇圧回路60が設けられている。昇圧回路60の出力はロウデコーダ62やカラムデコーダ64を介して、ワード線Wやビット線BLに供給される。センスアンプ66はカラムデコーダ64から出力されたデータが入力される。センスアンプ66により読み出されたデータは、データバッファ68に保持され、コントロール回路58からの制御により、データがランダムアクセスされ、データ入出力バッファ70を介して出力されるようになっている。書き込みデータは、データ入出力バッファ70を介してデータバッファ68に一旦保持され、コントロール回路58の制御によりカラムデコーダ64に転送される。
このように、不揮発性半導体記憶装置では、メモリセルアレイ52において、電源電位とは異なる電位を用いる必要がある。そのため、少なくともメモリセルアレイ52と周辺回路54の間は、電気的に絶縁分離されているこことが望ましい。
本実施の形態の半導体装置において、同一基板上に設けられる複数の薄膜トランジスタは、形成される回路によって(または、薄膜トランジスタそれぞれの役割によって)その必要とされる機能が異なる。本発明を適用し、必要される機能に応じて、薄膜トランジスタの薄膜の膜厚を異ならせ、薄膜トランジスタの特性を制御することができる。
本実施の形態の半導体装置において、メモリセルアレイ52、昇圧回路60、駆動回路部であるロウデコーダ62及びカラムデコーダ64、データの書き込みや読み出しを行う制御回路であるコントロール回路58にそれぞれ薄膜トランジスタを有しており、ロウデコーダ62、カラムデコーダ64、及びコントロール回路58に設けられた薄膜トランジスタの半導体層の膜厚は、メモリセルアレイ52及び昇圧回路60に設けられた薄膜トランジスタの半導体層の膜厚より薄いことを特徴とする。また、ゲート絶縁層においても、ロウデコーダ62、カラムデコーダ64、及びコントロール回路58に設けられた薄膜トランジスタは、メモリセルアレイ52及び昇圧回路60に設けられた薄膜トランジスタより膜厚が薄くてもよい。
本実施の形態の半導体装置において、ロウデコーダ62、カラムデコーダ64、及びコントロール回路58に設けられる薄膜トランジスタの半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、メモリセルアレイ52及び昇圧回路60に設けられる薄膜トランジスタの半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、ロウデコーダ62、カラムデコーダ64、及びコントロール回路58に設けられる薄膜トランジスタのゲート絶縁層の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、メモリセルアレイ52及び昇圧回路60に設けられる薄膜トランジスタのゲート絶縁層の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
チャネル形成領域の膜厚が厚いとチャネル長が短い場合には、ソース−ドレイン間の電界の影響により、ゲート電圧がしきい値電圧以下のサブスレッショルド領域でチャネル形成領域中の下側を電流が流れる。そのため、サブスレッショルド値が上昇し、しきい値電圧が低下する。チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル形成領域中の下側の電流が流れる経路が遮断されるために、漏れ電流が抑えられる。そのため、サブスレッショルド値の上昇が抑えられ、しきい値電圧の低下も抑えられる。そのため、チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル長の短い領域でのしきい値電圧のマイナスシフトが抑えられ、かつ、サブスレッショルド値が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。サブスレッショルド値が小さくなっているため、ゲート電圧0Vでのソース−ドレイン間に流れる電流を抑えつつ、しきい値電圧を下げることができる。
ロウデコーダ62、カラムデコーダ64、及びコントロール回路58における半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用し、短チャネル効果を抑制することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧を小さくすることができる。それにより、駆動回路部及び制御回路部に設けられた薄膜トランジスタにおいて、微細化と高性能化を実現することができる。よって、半導体装置の低電圧駆動が可能となり低消費電力化を実現することができる。また、薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため、駆動回路部及び制御回路部の面積の縮小が可能となり、半導体装置をより小型化することができる。
また、本実施の形態の駆動回路部及び制御回路部に設けられる薄膜トランジスタは、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタよりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の駆動回路部及び制御回路部に設けられる薄膜トランジスタのチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタのチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
一方、メモリセル部及び昇圧回路に設けられた薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部及びと制御回路部と比べ厚く保つことによって、駆動電圧に対する耐圧性が高くすることができる、高信頼性とすることができる。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態は、実施の形態1乃至6で示す半導体装置において、半導体層への不純物元素の添加の異なる例を示す。よって、同一部分又は同様な機能を有する部分の繰り返しの説明は省略する。本実施の形態の半導体装置の作製工程を図16を用いて説明する。
基板400上に下地膜として絶縁層401を形成する(図16(A)参照。)。
絶縁表面を有する基板である基板400としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、表面に絶縁層が形成された金属基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよいし、フィルムのような可撓性基板を用いても良い。プラスチック基板としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)からなる基板、可撓性基板としてはアクリル等の合成樹脂を用いることができる。
絶縁層401としては酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができ、単層でも2層といった積層構造でもよい。
また、絶縁層401の他の材料として、窒化アルミニウム、酸素含有量が窒素含有量よりも多い酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素、ポリシラザン、その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。シロキサンを含む材料を用いてもよい。
絶縁層401は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)、また、選択的にパターンを形成できる液滴吐出法や、パターンが転写または描写できる印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、その他スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。
薄膜トランジスタは、ある特定の電圧(しきい値またはしきい値電圧と呼ばれる)がゲート電極に印加されるとオン状態となり、それ以下の電圧ではオフ状態となるスイッチング素子である。従って、しきい値電圧の精密な制御は回路の正確な動作を行う上で非常に重要である。
ところが汚染による可動イオンの影響、TFTのゲート周辺の仕事関数差や界面電荷における影響などの不特定な要因によってTFTのしきい値電圧がマイナス側或いはプラス側へ移動(シフト)することがある。
その様な時の解決手段として提案された技術にチャネルドープ法がある。チャネルドープ法とはTFTの少なくともチャネル形成領域に対して一導電性を付与する不純物元素(典型的にはP、As、Bなど)を添加し、しきい値電圧を意図的にシフトさせて制御する技術である。
絶縁層401に一導電型を付与する不純物元素としてp型を付与する不純物元素402を添加する、p型不純物領域である絶縁層403を形成する(図16(B)参照。)
不純物元素402はイオン注入法、又はイオンドーピング法によって導入(添加)することができる。不純物元素402はp型を付与する不純物元素であり、ボロン(B)、ヒ素(As)などを用いることができる。不純物元素402はドーピング法によって行う場合、ドーズ量は1×1013atoms/cm程度とすればよい。
p型不純物領域である絶縁層403上に半導体膜404を形成する(図16(C)参照。)。本実施の形態では半導体膜404として非晶質半導体膜を形成する。半導体膜材料としては、シリコンが好ましく、その他にシリコンゲルマニウム半導体を用いることもでき、スパッタリング法、プラズマCVD法若しくは減圧CVD法によって形成すればよい。
絶縁層403及び半導体膜404に加熱処理を行い、半導体膜404を結晶化する。本実施の形態では、レーザ光405を絶縁層403及び半導体膜404に照射し、結晶化を行う。このレーザ光照射処理によって、絶縁層403に含まれるp型を付与する不純物元素が半導体膜404に拡散し、絶縁層403よりp型を付与する不純物元素の濃度が低い絶縁層406となり、半導体膜404はp型を付与する不純物元素を含み結晶性を有する半導体膜407となる(図16(D)参照。)。
半導体膜407中に含まれるp型を付与する不純物元素の濃度は5×1015atoms/cm〜1×1016atoms/cm程度となるようにすればよい。この不純物元素の添加は、トランジスタのしきい値電圧を制御するためのものであり、チャネル形成領域に添加されることで有効に作用する。
このように、下地膜である絶縁層に不純物元素を添加し、加熱処理によって半導体膜に間接的に添加することによって、半導体膜に直接不純物元素をドーピング等によって添加せずによいため、ドーピングの際に生じる欠陥等も防止でき、半導体膜の結晶性に影響を与えない。さらに、結晶化のための加熱処理によって、不純物元素の活性化も行うことができる。
このように得られた結晶性の半導体膜407を所望の形状に加工することによって、実施の形態1乃至6における半導体装置の半導体層として用いることができる。
また、本発明の半導体装置において、必要とされる薄膜トランジスタ特性に応じて、選択的にチャネルドープを行ってもよい。例えば、メモリ素子部とメモリ素子を駆動する駆動回路部において、メモリ素子部の薄膜トランジスタのチャネル領域にチャネルドープされる不純物元素の濃度と、駆動回路部の薄膜トランジスタのチャネル形成領域にチャネルドープされる不純物濃度とを異ならしてもよい。NOR型メモリ素子部の場合、メモリ素子部に、駆動回路部より高濃度にボロンなどをチャネルドープすると、メモリ素子部の薄膜トランジスタをノーマリーオンとすることなどが制御できる。
本実施の形態のよう半導体膜下に形成される下地膜である絶縁層に不純物元素を添加し、加熱処理によって半導体膜に不純物元素を添加する場合は、下地膜である絶縁層に、選択的に所望の濃度となるように不純物元素を添加すればよい。もちろん、半導体膜を形成した後、半導体膜に所望の濃度となるように直接不純物元素を選択的に添加してもよい。
従って、本発明の半導体装置は、低消費電力かつ高信頼性が付与された半導体装置とすることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の使用形態の一例について説明する。具体的には、非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の適用例に関して、図面を用いて以下に説明する。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は利用の形態によって、RFIDタグ、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップとも呼ばれる。
本実施の形態で示す半導体装置の上面構造の一例について、図19(A)を参照して説明する。図19に示す半導体装置2180は、メモリセルアレイや駆動回路部を構成する複数の薄膜トランジスタ等の素子が設けられた薄膜集積回路2131と、アンテナとして機能する導電層2132を含んでいる。アンテナとして機能する導電層2132は、薄膜集積回路2131に電気的に接続されている。薄膜集積回路2131には、上記実施の形態1乃至3で示した本発明に係る薄膜トランジスタを適用することができる。
また、図19(B)、(C)に図19(A)の断面の模式図を示す。アンテナとして機能する導電層2132は、メモリセルアレイ及び駆動回路部を構成する素子の上方に設ければよく、例えば、上記実施の形態1で示した構造の上方に、絶縁層2130を介してアンテナとして機能する導電層2132を設けることができる(図19(B)参照)。
本発明を用いた本実施の形態における半導体装置においても、異なる特性を付与された半導体層の膜厚が異なる複数種の薄膜トランジスタを有している。本実施の形態においては、メモリセルアレイには薄膜トランジスタ2141が設けられ、駆動回路部には半導体層が薄膜化された薄膜トランジスタ2140が設けられている。
本実施の形態の半導体装置において、メモリセルアレイ及び駆動回路部にそれぞれ薄膜トランジスタ2140、2141を有しており、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタ2140の半導体層の膜厚は、メモリセルアレイに設けられた薄膜トランジスタ2141の半導体層の膜厚より薄いことを特徴とする。また、本実施の形態のようにゲート絶縁層においても、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタ2140は、メモリセルアレイに設けられた薄膜トランジスタ2141より膜厚が薄くてもよい。
本実施の形態の半導体装置において、駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ2140の半導体層の膜厚は、5nm以上30nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下とすればよい。一方、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタ2141の半導体層の膜厚は、25nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上60nm以下とすればよい。
本発明の半導体装置において、駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ2140のゲート絶縁層の膜厚は、1nm以上10nm以下、より好ましくは5nm程度とすればよい。一方、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタ2141のゲート絶縁層の膜厚は、50nm以上150nm以下、より好ましくは60nm以上80nm以下とすればよい。
チャネル形成領域の膜厚が厚いとチャネル長が短い場合には、ソース−ドレイン間の電界の影響により、ゲート電圧がしきい値電圧以下のサブスレッショルド領域でチャネル形成領域中の下側を電流が流れる。そのため、サブスレッショルド値が上昇し、しきい値電圧が低下する。チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル形成領域中の下側の電流が流れる経路が遮断されるために、漏れ電流が抑えられる。そのため、サブスレッショルド値の上昇が抑えられ、しきい値電圧の低下も抑えられる。そのため、チャネル形成領域の膜厚を薄くすることにより、チャネル長の短い領域でのしきい値電圧のマイナスシフトが抑えられ、かつ、サブスレッショルド値が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。サブスレッショルド値が小さくなっているため、ゲート電圧0Vでのソース−ドレイン間に流れる電流を抑えつつ、しきい値電圧を下げることができる。
駆動回路部における半導体層の薄膜化は、チャネル形成領域の全域を空乏層化するように作用し、短チャネル効果を抑制することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧を小さくすることができる。それにより、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタにおいて、微細化と高性能化を実現することができる。よって、半導体装置の低電圧駆動が可能となり低消費電力化を実現することができる。また、薄膜トランジスタは、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を薄膜化することによって、微細化できるため、駆動回路部及び制御回路部の面積の縮小が可能となり、半導体装置をより小型化することができる。
また、本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ2140は、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタ2141よりチャネル長が短い方が好ましい。本実施の形態の駆動回路部に設けられる薄膜トランジスタ2140のチャネル長は0.1μm〜1μmが好ましい。また、メモリセルアレイに設けられる薄膜トランジスタ2141のチャネル長の長さは1μm〜5μm(より好ましくは1μm〜3μm)が好ましい。
一方、メモリセルアレイに設けられた薄膜トランジスタ2141は、半導体層(又は、さらにゲート絶縁層も)を駆動回路部と比べ厚く保つことによって、駆動電圧に対する耐圧性が高くすることができる、高信頼性とすることができる。
他にも、アンテナとして機能する導電層2132を基板2133に別に設けた後、当該基板2133及び薄膜集積回路2131を、導電層2132が間に位置するように貼り合わせて設けることができる(図19(C)参照)。図19(C)では、絶縁層2130上に設けられた導電層2136とアンテナとして機能する導電層2132とが、接着性を有する樹脂2135中に含まれる導電性粒子2134を介して電気的に接続されている例を示す。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態1乃至7と自由に組み合わせて行うことができる。また本実施の形態で作製した半導体装置は、基板より剥離工程により剥離し、フレキシブルな基板上に接着することで、フレキシブルな基体上に設けることができ、可撓性を有する半導体装置とすることができる。
フレキシブルな基体とは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、ポリプロピレン、ポリプロピレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルフォン、ポリフタールアミド等からなる基板、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と、接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどに相当する。フィルムは、被処理体と加熱処理と加圧処理が行われるものであり、加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。また、基体に接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。
本発明の半導体装置において、工程条件(温度など)に耐えられる第1の基板上に半導体素子を有する素子形成層を形成した後、第2の基板に転置し、素子形成層を有する半導体装置を作製してもよい。また本明細書において、転置とは第1の基板に形成された素子形成層を、第1の基板より剥離し、第2の基板に移しかえることをいう。つまり素子形成層を設ける場所を他の基板へ移動するとも言える。
なお、他の基板への転置工程は、基板と素子形成層の間に剥離層及び絶縁層を形成し、剥離層及び絶縁層の間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該素子形成層を剥離する方法、耐熱性の高い基板と素子形成層の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射またはエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該素子形成層を剥離する方法、基板と素子形成層の間に剥離層及び絶縁層を形成し、剥離層及び絶縁層の間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、剥離層の一部を溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ハロゲンガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化膜において剥離する方法、素子形層が形成された基板を機械的に削除又は溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ハロゲンガスによるエッチングで除去する方法等を適宜用いることができる。また、剥離層として窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用い、剥離層にレーザ光を照射して剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放出させ素子形成層と基板との剥離を促進する方法を用いてもよい。
上記剥離方法を組み合わすことでより容易に転置工程を行うことができる。つまり、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフやメスなどによる機械的な削除を行い、剥離層と素子形成層とを剥離しやすい状態にしてから、物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
また、アンテナは、メモリセルアレイに対して、重なって設けてもよいし、重ならずに周囲に設ける構造でもよい。また重なる場合も全面が重なってもよいし、一部が重なっている構造でもよい。
なお、本実施の形態では、アンテナとして機能する導電層2132をコイル状に設け、電磁誘導方式または電磁結合方式を適用する例を示すが、本発明の半導体装置はこれに限られずマイクロ波方式を適用することも可能である。マイクロ波方式の場合は、用いる電磁波の波長によりアンテナとして機能する導電層2132の形状を適宜決めればよい。
例えば、半導体装置2180における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860MHz帯乃至960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよい。例えば、アンテナとして機能する導電層を線状(例えば、ダイポールアンテナ(図20(A)参照))、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ(図20(B)参照)またはリボン型の形状(図20(C)、(D)参照))等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電層2132の形状は直線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
アンテナとして機能する導電層2132は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の金属元素、又は当該金属元素を含む合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電層2132を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電層の形成の際は、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下の微粒子)を用いる場合、150℃乃至300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電層を形成することができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
本発明を適用した半導体装置は低消費電力化が実現できる。よって、本実施の形態で示すような非接触でデータの入出力が可能で、且つ小型な半導体装置とした場合に有効である。
(実施の形態9)
本実施の形態では、上述した本発明を用いて形成された非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の適用例に関して図面を参照して以下に説明する。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は利用の形態によっては、RFIDタグ、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれる。
本発明の半導体装置の構成について、図21(A)を用いて説明する。図21(A)は本発明の半導体装置の一形態を示すブロック図である。図21(A)において半導体装置900は、アンテナ901と、集積回路902とを有している。集積回路902は、電源回路903、復調回路904、変調回路905、制御回路907、メモリ909を有している。本発明の整流回路は、電源回路903、復調回路904において用いることができる。
質問器から電波が送られてくると、アンテナ901において該電波が交流電圧に変換される。電源回路903では、アンテナ901からの交流電圧を整流し、電源用の電圧を生成する。
電源回路903において生成された電源用の電圧は、集積回路902内の復調回路904、変調回路905、制御回路907またはメモリ909などの各種回路に供給する。電源回路において、レギュレータによって、電源用の電圧を安定化させるか、またはその高さを調整してもよい。
復調回路904は、アンテナ901が受信した交流信号を復調して、後段の制御回路907に出力する。制御回路907は復調回路904から入力された信号に従って演算処理を行い、別途信号を生成する。上記演算処理を行う際に、メモリ909は一次キャッシュメモリまたは二次キャッシュメモリとして用いることが出来る。また制御回路907は、復調回路904から入力された信号を解析し、質問器から送られてきた命令の内容に従って、メモリ909内の情報の出力、またはメモリ909内における命令の内容の保存を行う。制御回路907から出力される信号は符号化され、変調回路905に送られる。変調回路905は該信号に従ってアンテナ901が受信している電波を変調する。アンテナ901において変調された電波は質問器で受け取られる。そして半導体装置900から出力された情報を知ることができる。
このように半導体装置900と質問器との通信は、キャリア(搬送波)として用いる電波を変調することで行われる。キャリアは、125KHz、13.56MHz、950MHzなど規格により様々である。また変調の方式も規格により振幅変調、周波数変調、位相変調など様々な方式があるが、規格に即した変調方式であればどの変調方式を用いても良い。
信号の伝送方式は、キャリアの波長によって電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式など様々な種類に分類することが出来る。
メモリ909は、メモリセルアレイ、メモリセルアレイを駆動させる駆動回路部、データの書き込みや読み出しを行う制御回路等を有する。メモリ909は、有機メモリ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、及びフラッシュメモリから選択された一種又は複数種を有する。
実施の形態では、アンテナ901を有する半導体装置900の構成について説明しているが、本発明の半導体装置は必ずしもアンテナを有していなくとも良い。また図21(A)に示した半導体装置に、発振回路または二次電池を設けても良い。
また、半導体装置900は、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリー)を搭載せず電磁波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電磁波と電源(バッテリー)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
また図21(A)では、アンテナを1つだけ有する半導体装置の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。電力を受信するためのアンテナと、信号を受信するためのアンテナとの、2つのアンテナを有していても良い。アンテナが1つだと、例えば950MHzの電波で電力の供給と信号の伝送を両方行う場合、遠方まで大電力が伝送され、他の無線機器の受信妨害を起こす可能性がある。そのため、電力の供給は電波の周波数を下げて近距離にて行う方が望ましいが、この場合通信距離は必然的に短くなってしまう。しかしアンテナが2つあると、電力を供給する電波の周波数と、信号を送るための電波の周波数とを使い分けることができる。例えば電力を送る際は電波の周波数を13.56MHzとして磁界を用い、信号を送る際は電波の周波数を950MHzとして電界を用いることができる。このように機能合わせてアンテナを使い分けることによって、電力の供給は近距離のみの通信とし、信号の伝送は遠距離も可能なものとすることができる。
次に、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する。表示部3210を含む携帯端末の側面には、通信装置3200が設けられ、品物3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図21(B))。品物3220が含む半導体装置3230に通信装置3200をかざすと、表示部3210に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に、通信装置3240と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用いて、該商品3260の検品を行うことができる(図21(C))。このように、システムに半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、本発明に係る半導体装置は低消費電力化を実現できるため、品物に設ける半導体装置を小型化することが可能である。
また、本発明を用いて形成された半導体装置である記憶装置などは、メモリを具備したあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、本発明の不揮発性半導体記憶装置を適用した電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD(digital versatile disc)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図22に示す。
図22(A)、(B)は、デジタルカメラを示している。図22(B)は、図22(A)の裏側を示す図である。このデジタルカメラは、筐体2511、表示部2512、レンズ2513、操作キー2514、シャッター2515などを有する。また、取り出し可能なメモリ2516を備えており、当該デジタルカメラで撮影したデータをメモリ2516に記憶させておく構成となっている。本発明を用いて形成された半導体装置である不揮発性半導体記憶装置などは当該メモリ1225に適用することができる。
また、図22(C)は、携帯電話を示しており、携帯端末の1つの代表例である。この携帯電話は筐体2521、表示部2522、操作キー2523などを含む。また、携帯電話は、取り出し可能なメモリ2525を備えており、当該携帯電話の電話番号等のデータ、映像、音楽データ等をメモリ2525に記憶させ再生することができる。本発明を用いて形成された半導体装置である不揮発性半導体記憶装置などは当該メモリ2525に適用することができる。
また、図22(D)は、デジタルプレーヤーを示しており、オーディオ装置の1つの代表例である。図22(D)に示すデジタルプレーヤーは、本体2530、表示部2531、メモリ2532、操作部2533、イヤホン2534等を含んでいる。なお、イヤホン2534の代わりにヘッドホンや無線式イヤホンを用いることができる。メモリ2532は、本発明を用いて形成された半導体装置である不揮発性半導体記憶装置などを用いることができる。例えば、記録容量が20〜200ギガバイト(GB)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作部2533を操作することにより、映像や音声(音楽)を記録、再生することができる。なお、表示部2531は黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑えられる。これは携帯型のオーディオ装置において特に有効である。なお、メモリ2532に設けられた不揮発性の半導体記憶装置は、取り出し可能な構成としてもよい。
また、図22(E)は、電子ブック(電子ペーパーともいう)を示している。この電子ブックは、本体2541、表示部2542、操作キー2543、メモリ2544を含んでいる。またモデムが本体2541に内蔵されていてもよいし、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。メモリ2544は、本発明を用いて形成された半導体装置である不揮発性半導体記憶装置などを用いることができる。例えば、記録容量が20〜200ギガバイト(GB)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作キー2543を操作することにより、映像や音声(音楽)を記録、再生することができる。なお、メモリ2544に設けられた不揮発性の半導体記憶装置は、取り出し可能な構成としてもよい。
以上の様に、本発明の半導体装置の適用範囲は極めて広く、広い分野の電子機器に用いることが可能である。
(実施の形態10)
本発明によりプロセッサ回路を有するチップ(以下、プロセッサチップ、無線チップ、無線プロセッサ、無線メモリ、無線タグともよぶ)として機能する半導体装置を形成することができる。本発明の半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図18を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指し、プロセッサ回路を有するチップ190を設けることができる(図18(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指し、プロセッサ回路を有するチップ191を設けることができる(図18(B)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指し、プロセッサ回路を有するチップ197を設けることができる(図18(C)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指し、プロセッサ回路を有するチップ193を設けることができる(図18(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指し、プロセッサ回路を有するチップ194を設けることができる(図18(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指、プロセッサ回路を有するチップ195を設けることができる(図18(F)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指し、プロセッサ回路を有するチップ196を設けることができる(図18(G)参照)。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話等を指す。
このような半導体装置の設け方としては、物品の表面に貼る、或いは物品に埋め込んで設ける。例えば、本の場合は紙に埋め込めばよく、有機樹脂からなるパッケージであれば有機樹脂に埋め込めばよい。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込む又は取り付けることによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態1乃至9と自由に組み合わせて行うことができる。
本発明の半導体装置を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 半導体装置の等価回路の一例を示す図。 半導体装置の等価回路の一例を示す図。 半導体装置の等価回路の一例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明の半導体装置の主要な構成を示すブロック図。 本発明の半導体装置の適用例を説明する図。 本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。 本発明が適用される電子機器を示す図。 本発明の半導体装置の適用例を説明する図。 本発明の半導体装置の適用例を説明する図。 半導体装置の書き込み動作を説明する図。 半導体装置の消去及び読み出し動作を説明する図。

Claims (2)

  1. 第1の半導体層と第2の半導体層とを有するメモリセルアレイと、第3の半導体層を有する駆動回路と、を有する半導体装置の作製方法であって、
    基板上に半導体膜を形成し、
    前記半導体膜の第1の領域上にマスクを選択的に形成し、
    前記半導体膜の第2の領域を、前記マスクを用いて選択的にエッチングして薄膜化し、
    前記マスクを除去後、前記第1の領域をパターニングして前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを形成し、かつ、前記第2の領域をパターニングして前記第3の半導体層を形成し、
    前記第2の半導体層を第1のプラズマ処理によって酸化又は窒化し、前記第2の半導体層上に第1の絶縁膜を選択的に形成し、
    前記第1の絶縁膜上に、前記第2の半導体層と重なる電荷蓄積層を形成し、
    CVD法又はスパッタ法を用いて、前記第1の半導体層、前記電荷蓄積層、前記第1の絶縁膜、及び前記第3の半導体層を覆う第2の絶縁膜を形成し、
    前記第3の半導体層上の前記第2の絶縁膜を選択的にエッチングして薄膜化し、
    前記第2の絶縁膜を第2のプラズマ処理によって酸化又は窒化し、
    前記第2の絶縁膜上に前記第1の半導体層と重なる第1のゲート電極と、前記第2の絶縁膜上に前記電荷蓄積層と重なる第2のゲート電極と、前記第2の絶縁膜上に前記第3の半導体層と重なる第3のゲート電極とを形成し、
    前記第1乃至前記第3のゲート電極をマスクとして、前記第1乃至前記第3の半導体層に不純物元素を添加することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1及び前記第2の領域のパターニング後、前記第1乃至前記第3の半導体層の端部にハロゲンを添加し、
    前記ハロゲンの添加後、第3のプラズマ処理によって前記第1乃至前記第3の半導体層のそれぞれの端部に側壁絶縁層を形成し、
    前記第2の絶縁膜は、前記側壁絶縁層、前記第1の半導体層、前記電荷蓄積層、前記第1の絶縁膜、及び前記第3の半導体層を覆って形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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