JP5142289B2 - 快削ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、快削性付与材を添加してなる快削ステンレス鋼に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被削性を向上する目的で、快削性付与材としてS(硫黄)、Pb(鉛)、Ca(カルシウム)などを添加した快削鋼があるが、Pbには地球環境問題があり、使用が控えられている。またSは微量でも耐食性に対し悪影響を及ぼす元素として知られており、ステンレス鋼のように耐食性を重視する鋼には不適当であるが、耐食性を犠牲にしてでも切削性を向上する目的で使用されている。Caのような化学的に活性で、かつ融点付近での蒸気圧が高い低融点元素は、溶鋼に添加する方法が困難であり、切削性を向上させるCaを含む複合酸化物の成分制御と分散析出制御が難しい。
また、一方、オーステナイト系ステンレス鋼は、加工硬化が進み易いため、切削した表面付近での加工硬化により被削性が低下する難切削性の鋼として知られている。そのため、被削性を改善する目的で、快削性付与材として、S単独、あるいはSe(セレン)、Te(テルル)をSと複合添加しているものが市販されている。日本工業規格でも、S、Seを添加したオーステナイト系快削ステンレス鋼として、SUS303、SUS303Seの2鋼種が規格化されている。また、S、又はS+Pb添加したフェライト系快削ステンレス鋼としてSUS430F、マルテンサイト系快削ステンレス鋼として、SUS410F2、416、420F、420F2、440Fの鋼種が規格化されている。更に最近では、チタン炭硫化物を添加し、被削性を高めたステンレス鋼も製造されるようになった。
しかしながら上述のように添加された、Sなどのカルコゲン及びその化合物はわずかな添加量でもオーステナイト系ステンレス鋼の最大の特長である耐食性を劣化することが知られており、これらの快削ステンレス鋼は腐食性が弱い雰囲気でのみ、あるいは耐食性を必要としない製品の製造にのみ使用が可能である。このような理由から、現在のところ、優れた切削性と耐食性を同時に満足する快削性ステンレス鋼は得られていない。
更に、現在生産されている硫黄快削ステンレス鋼では、添加されたSはMnS(硫化マンガン)を形成する。この切削性を向上するMnSは塑性変形されやすいため、棒、板などの素形材に熱間加工する際圧延方向に伸延され、細長い針状のMnSになりやすい。このため、圧延方向に沿った多量の針状MnSにより、材料の機械的強度に異方性を示すことがあり、製品製造時に悪影響を及ぼす欠点がある。
発明の開示
発明が解決しようとする課題
そこで、本発明は、優れた切削性と環境性のみならず耐食性と機械的特性を同時に満足することのできる快削ステンレス鋼とその製造方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
本発明は、固体潤滑材として優れ、化学的に安定で酸あるいはアルカリに侵されることのないh−BN(六方晶系窒化ホウ素)粒子の性質を有効に利用することで、この問題を解決することを見出しなされたものである。
発明1の快削ステンレス鋼は、快削性付与材が、鋼中に均一に分散析出した球状のh−BN(六方晶系窒化ホウ素)粒子であることを特徴とする。
発明2は、発明1の快削ステンレス鋼において、前記h−BN粒子の粒径が0.2〜3μmであることを特徴とする。
発明3は、快削性付与材を添加してなる快削ステンレス鋼の製造方法であって、h−BN粒子が析出している快削ステンレス鋼を加熱することによりh−BN粒子を固溶消滅させた後急冷し、その後焼もどしを行うことにより、前記快削性付与材としてh−BN粒子を再度均一に分散析出させることを特徴とする。
発明4は、快削性付与材を添加してなる快削ステンレス鋼の製造方法であって、h−BN粒子が析出している快削ステンレス鋼を加熱することによりh−BN粒子を固溶消滅させた後、引き続いて徐冷することにより、前記快削性付与材としてh−BN粒子を再度均一に分散析出させることを特徴とする。
発明5は、発明3又は4の快削ステンレス鋼の製造方法において、B(ホウ素)の添加量が3×10−3mass%以上2×10−1mass%未満であり、N(窒素)の含有量が1.5×10−2mass%以上であるとともに、BとNとの含有量の関係が下記式1を満たしていることを特徴とする。
(式1)
発明6は、発明5の快削ステンレス鋼の製造方法において、BとNとの含有量の関係が下記式2を満たしていることを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法である。
(式2)
N≧2B (2)
発明7は、発明5又は6の快削ステンレス鋼の製造方法において、前記B(ホウ素)の添加量が1×10−1mass%未満であることを特徴とする。
発明8は、発明3から7のいずれかの快削ステンレス鋼の製造方法において、Bは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは溶解雰囲気を(アルゴン+窒素)あるいは減圧した窒素中での溶解により、快削ステンレス鋼に添加することを特徴とする。
発明9は、発明3から7のいずれかの快削ステンレス鋼の製造方法において、Bは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは窒素含有化合物の添加により、ステンレス溶鋼にB及びNを添加することを特徴とする。
発明の効果
化学的に安定で酸あるいはアルカリに侵されることのないh−BN粒子を均一分散析出させて、固体潤滑材として優れた特長を持つh−BNによる切削性を向上させ、耐食性も劣化することもなく、材料に機械的な異方性を示すことのないステンレス鋼とその製造方法を提供することが出来た。
発明1により、優れた切削性と環境性のみならず耐食性も満足させることができた。
さらに、h−BN粒子は、鉛に比べ遙かに高い耐熱温度を有しているので、快削性を有しながらも高耐熱性を有するステンレス鋼を実現することができた。
また、h−BN粒子が球状であることにより、素形材に、機械的異方性を持たないようにすることが出来た。
これら効果は、固体潤滑材として優れた特性を持つh−BN粒子をステンレス鋼に有効に適用したことによるものであり、被削性のみならず環境性を満足し、従来の硫黄快削ステンレス鋼にみられる耐食性の劣化もなくすことができ、さらには、材料に機械的な異方性を示すことのないステンレス鋼を実現できた。
また、このようなステンレス鋼中にh−BN粒子を分散させるに当たり、粉末冶金による製造方法が考えられるが、粉末冶金法では、その最大の欠点である素材中に気孔残留と大型部材の製造が不可能などの欠点を有するものである。
これに対し、発明3及び4は、このような粉末冶金法に依らずに、上記ステンレス鋼を製造することが出来たので、気孔残留のない、大型部材を容易に製造することができた。
【図面の簡単な説明】
図1は、試料の破断面SEM観察による、試料中の析出物の生成・分布状態と、EDS分析による析出物の種類の同定を示した写真である。
図2は、B添加量を変えた試料の旋削加工における切削速度と切削抵抗合力の関係を示したグラフである。
図3は、B添加量を変えた試料の硫酸腐食試験方法(JIS G 0591)による腐食試験の結果を示したグラフである。
図4は、1250℃で1/2時間保持したのち、その温度から100℃/時間の冷却速度で室温まで冷却した試料中の析出物の生成・分布状態を示すSEM(走査電子顕微鏡)写真である。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この発明の製造方法において、ステンレス鋼の溶解は、溶解雰囲気の調整が可能な、通常のステンレス鋼を溶製する溶解炉を使用して行われる。この溶解において、Bの原料としては、フェロボロンあるいは金属ボロンが使用されるが、溶融点の低いフェロボロンのほうが溶解原料としては技術的に有利であり、Bの単位重量当たりの価格が低いため経済的である。
Bの添加量は、ステンレス鋼中の最終B濃度が一般的な目安として3×10−3mass%以上2×10−1mass%未満、好ましくは0.003〜0.1mass%未満、更に好ましくは0.003〜0.05mass%とする。また、Nの原料としては、溶解雰囲気中のNを吸収させる、あるいはNを含有する化合物、例えば窒化クロムなどの添加がある。
ちなみに、溶解雰囲気からNを吸収させる場合、ジーベルトの法則に従い1600℃で溶融しているステンレス鋼中のN濃度は、雰囲気のN分圧の1/2乗に比例し、大気圧のN雰囲気下では、代表的なオーステナイト系ステンレス鋼のSUS304についてはおおよそ0.25mass%N程度である。
ステンレス鋼中のN濃度は、一般的な目安として1.5×10−2mass%以上、好ましくは、5×10−2mass%以上である。ステンレス鋼中のNとBの濃度比(N/B)が小さいと、固溶するB量が増大し、切削性に有効なh−BNの析出量が減少するため、N/Bをなるべく大きくとるのが好ましい。
この関係を式にすると以下の式1となる。
(式1)
さらに好ましくは、以下の式2とする。
(式2)
上記のようにして製造されたBとNを含有するステンレス鋼溶鋼は、鋳型に鋳湯されインゴットに、あるいは連続鋳造設備ではビレット又はスラブになる。これらの鋳造材は通常の加熱炉で鍛造温度まで加熱され、鋳造材の均熱化の後、通常の熱間での鍛造・圧延の加工を施して、棒、管あるいは板材に成形加工される。鍛造温度は、通常のステンレス鋼に対して行われている1200〜1250℃で行われる。
h−BN粒子は、0.2〜3μmのh−BNを素材全体に均一に析出させるのが好ましいが、棒、管あるいは板に加工されたステンレス鋼では、鍛造・圧延後の冷却速度によっては、20〜30μm程度にまで粗大に成長したh−BN粒子を素材の一部に不均一に分布してしまう場合があるが、これを避けるためには、以下の熱処理を行うことが望ましい。
ステンレス鋼中に析出したh−BN粒子は、1250℃以上の温度では、比較的短時間(例えば、1250℃では、0.5から1時間)にてステンレス鋼中でBとNに分解してマトリックス中に固溶する。
なお、このような処理は、ステンレス鋼が溶融した場合は不可能であるから、その溶融温度未満で処理する必要がある。
この状態は急冷することにより、過飽和状態のBとNを含有するステンレス鋼が得られる。過飽和に固溶したBとNは、800℃〜1150℃の温度で焼戻すと、再びh−BNを析出する。800℃付近で焼戻しを行うと、B、Nのこの温度での平衡溶解度と過飽和溶解度との差が大きいのと、この温度でのB、Nの拡散速度が遅いため拡散できる移動距離小さく、この二つの要因でh−BNの核発生が核成長よりも優先的に起こるため、非常に微細なh−BNが素材全体に均一に析出するのが見られる。逆に、1150℃付近で焼もどすと、800℃付近での焼戻しとは反対に、h−BNの核成長が核発生よりも優先的に起こるため、かなり粗大に成長したh−BNの析出が見られる。
したがって、好ましい粒径及び分布状態のh−BN粒子を析出させるのには、焼戻し温度の選択が重要である。試行実験を行った結果、好ましい粒径及び分布状態が得られる焼戻し温度は、950〜1100℃の範囲にあり、その中でも、1000〜1050℃がより好ましい。また、この焼戻し熱処理温度は、通常のオーステナイト系ステンレス鋼に必要とされる熱間加工後の固溶化熱処理温度範囲内にあるため、熱間加工後の固溶化熱処理をh−BN粒子の析出のための熱処理で置き換えることが可能で、非常に好都合である。
更に、焼戻しの保持時間に関しては、温度が高いほどBとNの拡散速度が速いため短時間ですみ、その範囲には0.5〜3時間で、好ましくは1〜2時間であり、それ以上のh−BN粒子の成長を止めるため、急冷する。
一方、加熱により固溶消滅したh−BNは、温度の低下にしたがってマトリックス中に固溶していたBとNはともに溶解度が減少するので、その温度での飽和濃度の状態に達し、さらに、徐冷することによりその温度に対応した飽和濃度に達するまでh−BN粒子を再析出する。この方法によっても、発明1及び2のh−BNを再析出させることも可能である。h−BN粒子の再析出に必要な冷却速度は、1×10〜1×10℃/時間で、好ましくは1×10〜1×10℃/時間である。
(実施例1)
溶解原料として市販のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)丸棒(重量18kg)を真空誘導溶解炉を用いて溶解した。溶解原料の成分組成(mass%)は、0.07%C,0.33%Si,1.15%Mn,0.036%P,0.022%S,8.07%Ni,18.03%Crであった。溶融時に真空誘導溶解炉にNを0.07MPa封入し、N濃度の調整を行った。溶融後、溶湯に市販のフェロボロン(19.2mass%B)を表1に示すように所定量添加し、B濃度の調整を行い、弱減圧N雰囲気中で1/3時間保持し、1600℃で出湯し、インゴットを製造した。
インゴットを上下1/2に切断し、一方は棒材、他方は板材に熱間加工した。加工温度は両方とも1250℃で、棒材は55mmφに鍛造加工し、板材は、50mm×90mmの角材に鍛造加工後熱間ロール圧延機で15mm厚、100mm幅に圧延加工した。
熱間加工した棒材、板材に対し、共に、h−BN固溶化のため1250℃、0.5時間保持後水冷、h−BN析出のため1050℃、1時間保持後水冷の熱処理を施した。これらの処理を行った後の、ステンレス鋼中のB及びNの分析値(単位mass%)を表1に示す。
【表1】
表1からわかるように、処理後では添加したBのおよそ8割が歩留まっている。また固溶B量は0.005%以下であることから、添加したBのほとんどがh−BNを形成した。
また、Nは、雰囲気N圧力を一定に保っているため、ほぼ一定量が添加されている。
図1は、焼戻しを行った後の試料中の析出物の生成・分布状態を示すSEM(走査電子顕微鏡)写真である。この写真は、表1に示す試料A33の例示であり、試料から3mmの棒を削りだし、これを折り曲げて破断しその破断面(圧延方向に平行な面)をSEMで観察したものである。
更に、観察された析出物をSEM に付属したEDS(エネルギー分散形X線分析装置)で分析し、析出物の種類を同定した。1000倍視野の中に、10個の1〜3μmのh−BNが視野全体にわたって分布していた。また、従来のSUS303などの硫黄添加快削ステンレス鋼中に存在し、その快削性を発現するMnSについては、6個のMnSが視野中央部に局在し、10μm程度の2個のMnSとBNが共存したものが観察された。視野中央部に観察される3個のMnSは、熱間加工時に展伸されて20μm程度の細長い針状のMnSに変形したものが、試料破断時に分断されたものである。このように、MnSはインゴットの凝固時に析出するため偏在しやすく、また圧延方向に容易に展伸されるため材料の異方性を示しやすいが、h−BNは過飽和に固溶させた状態から析出されるため比較的均一に存在し、材料の異方性を示さない特長を示す。
切削性の評価試験として、丸棒材についての旋削試験を行った結果を図2に示した。図2は、B添加量を変えた試料の旋削加工における切削速度と切削抵抗合力の関係を示したものである。切削試験の条件は、切り込み深さ1.0mm、工具の送り0.1mm/rev、工具材質M30(チップブレーカ無し)である。
Bを添加することにより、しない場合に比較し切削抵抗が、低切削速度では同程度であるが、高切削速度側になると20〜25%低減されることを示し、切削性が向上していることが示された。これにより、高速度での旋削加工が容易になり、生産性、経済性の向上が図られる。
ステンレス鋼の耐食性の評価試験として、板材についての耐食試験を行った結果を図3に示した。図3はB添加量を変えた試料の硫酸腐食試験方法(JIS G 0591)による腐食試験の結果を示したものである。試験条件は、沸騰5%HSOに連続6時間浸漬し、腐食減量を試料初期表面積で除した腐食量で比較した。Bの量が増加しても、腐食量が増大する傾向は見られず、耐食性の劣化は認められない。
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部に付いては様々な態様が可能であることは言うまでもない。
なお、Nの添加方法として、上記のような窒素ガスではなく、Cr(窒化クロム)、NiN(窒化ニッケル)等の金属窒化物、NH(アンモニア)、(NH)NO(硝酸アンモニウム)、Ca(窒化カルシウム)等の無機窒素化合物、CO(NH(尿素)などの有機窒素化合物等の窒素含有化合物を使用することも可能である。
【実施例2】
【0009】
溶解原料として市販のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)丸棒(重量2kg)をコールドクルーシブル型浮揚溶解炉を用いて溶解した。溶解原料の成分組成(mass%)は、0.06%C,0.28%Si,1.33%Mn,0.035%P,0.025%S,8.05%Ni,18.39%Crであった。浮揚溶解炉にNを0.075MPa封入し、N濃度の調整を行った。1600℃で溶融後、溶湯に市販のフェロボロン(19.2mass%B)を0.73g添加してB濃度の調整を行い、弱減圧N雰囲気中で1/6時間保持後、炉内で固化しインゴットを製造した。
インゴットを1200℃まで加熱しこの温度で14.3mm角の棒材に熱間加工した。この棒材を、h−BN固溶化と再析出させるため、1250℃で1/2時間保持したのち、その温度から100℃/時間の冷却速度で室温まで冷却、の熱処理を行った。インゴッと及びこれらの熱処理を行った後の、鋼中のB及びNの分析値(単位mass%)を表2に示す。
【表2】
表2のtotalB%とsol.B%の差がh−BN量に相当するが、熱処理後のh−BN量が大幅に増加していることから、この熱処理によりh−BNが再析出していることがわかる。
図4は、1250℃で1/2時間保持したのち、その温度から100℃/時間の冷却速度で室温まで冷却した試料中の析出物の生成・分布状態を示すSEM(走査電子顕微鏡)写真である。実施例1に比較して、やや大きめの3μm程度の粒径の球形のh−BN粒子が試料全体に再度分散析出しているのが観察された。
【産業上の利用可能性】
【0010】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、耐食性を劣化させることなく環境に優しく切削性を向上させたステンレス鋼が容易に提供できるようになり、ステンレス鋼を用いたさまざまな分野に優れた利用性をもたらすことができた。

Claims (9)

  1. 快削性付与材を添加してなる快削ステンレス鋼であって、前記快削性付与材が、鋼中に均一に分散析出した球状のh−BN(六方晶系窒化ホウ素)粒子であることを特徴とする快削ステンレス鋼。
  2. 請求の範囲第1項に記載の快削ステンレス鋼において、前記h−BN粒子の粒径が0.2〜3μmであることを特徴とする快削ステンレス鋼。
  3. 快削性付与材を添加してなる快削ステンレス鋼の製造方法であって、h−BN粒子が析出している快削ステンレス鋼を加熱することによりh−BN粒子を固溶消滅させた後急冷し、その後焼もどしを行うことにより、前記快削性付与材として球状のh−BN粒子を再度均一に分散析出させることを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法。
  4. 快削性付与材を添加してなる快削ステンレス鋼の製造方法であって、h−BN粒子が析出している快削ステンレス鋼を加熱することによりh−BN粒子を固溶消滅させた後、引き続いて徐冷することにより、前記快削性付与材として球状のh−BN粒子を再度均一に分散析出させることを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法。
  5. 請求の範囲第3項又は第4項に記載の快削ステンレス鋼の製造方法において、B(ホウ素)の添加量が3×10−3mass%以上2×10−1mass%未満であり、N(窒素)の含有量が1.5×10−2mass%以上であるとともに、BとNとの含有量の関係が下記式1を満たしていることを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法。
    (式1)
  6. 請求の範囲第5項に記載の快削ステンレス鋼の製造方法において、BとNとの含有量の関係が下記式2を満たしていることを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法。
    (式2)
    N≧2B (2)
  7. 請求の範囲第5項に記載の快削ステンレス鋼の製造方法において、前記B(ホウ素)の添加量が1×10−1mass%未満であることを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法。
  8. 請求の範囲第3項又は第4項に記載の快削ステンレス鋼の製造方法において、Bは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは溶解雰囲気を(アルゴン+窒素)あるいは減圧した窒素中での溶解により、快削ステンレス鋼に添加することを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法。
  9. 請求の範囲第3項又は第4項に記載の快削ステンレス鋼の製造方法において、Bは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは窒素含有化合物の添加により、ステンレス溶鋼にB及びNを添加することを特徴とする快削ステンレス鋼の製造方法。
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